JP2006317518A - シャッタ装置およびカメラ - Google Patents
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Abstract
【課題】少ない羽根枚数の遮光羽根でも待機状態の遮光羽根の重なりを増やして遮光性を向上させる。
【解決手段】回動可能に支持された2本のアーム4,6がスリット形成羽根31を含む複数の遮光羽根31〜34に連結されて平行リンクを構成し、2本のアームの回動により複数の遮光羽根がシャッタ開口1aを塞ぐ展開位置と開放する重畳位置との間を走行し、遮光羽根の走行完了時に生じる遮光羽根のバウンドを低減するために走行完了位置にて遮光羽根と接触する緩衝部材14を有する構成のシャッタ装置において、最も走行距離の長い遮光羽根31と他の一つ以上の遮光羽根32,33は、ともに緩衝部材に接触している状態よりも、ともに緩衝部材に接触後にバウンドしている状態の方が、重畳位置にてシャッタ開口側となる互いの端面が近接するように、走行方向における幅が設定された構成としている。
【選択図】図4
【解決手段】回動可能に支持された2本のアーム4,6がスリット形成羽根31を含む複数の遮光羽根31〜34に連結されて平行リンクを構成し、2本のアームの回動により複数の遮光羽根がシャッタ開口1aを塞ぐ展開位置と開放する重畳位置との間を走行し、遮光羽根の走行完了時に生じる遮光羽根のバウンドを低減するために走行完了位置にて遮光羽根と接触する緩衝部材14を有する構成のシャッタ装置において、最も走行距離の長い遮光羽根31と他の一つ以上の遮光羽根32,33は、ともに緩衝部材に接触している状態よりも、ともに緩衝部材に接触後にバウンドしている状態の方が、重畳位置にてシャッタ開口側となる互いの端面が近接するように、走行方向における幅が設定された構成としている。
【選択図】図4
Description
本発明は、複数の遮光羽根を具備するフォーカルプレーン式のシャッタ装置および該シャッタ装置を具備するカメラに関するものである。
従来から、2本のアームからなる平行リンク機構により、複数枚に分割された羽根群を回転可能に支持する形式のフォーカルプレーン式のシャッタ装置がある。一般にこの種のシャッタ装置は、シャッタ基板とカバー板の間に仕切り板を設けて二つの空間に仕切り、一方の空間を先羽根群、他方の空間を後羽根群の走行スペースとし、それぞれの仕切り板には開口部を設けてある。また、各羽根群はそれぞれ2本のアームと短冊状をした複数の羽根で構成され、その2本のアームはそれぞれの一端がシャッタ基板に回転可能に軸支され、他端に向けて複数枚の羽根を順に回転可能に軸支して平行リンクを構成するようになっている。そして、アームの先端に位置する羽根がスリットを形成する羽根となる。
また、先羽根群と後羽根群それぞれ2本のアームの軸位置は開口部の側方の辺と略平行になるように配置されている。したがって、各羽根群の2本のアームのうち、互いに他の羽根群のアームに隣接する側のアームがスリット形成羽根のスリット形成端側のアームになる。
このように構成された羽根群は、カメラがレリーズされない待機状態にあるときに先羽根群が展開状態の開口部を遮光する位置にあり、後羽根群は開口部を開口する重畳状態にある。次に撮影状態に入ると、先ず先羽根群が展開した遮光状態から開口方向に退避し、重畳状態に駆動される。その後、露光秒時経過すると後羽根群が展開して開口部遮光方向に動作して遮光し、露光動作を行う。
ここで、待機状態にあるときは先羽根群が展開状態で開口部を遮光し、先羽根群の各隣り合う羽根同士の重なり量によって漏光を防ぐため、135フォーマットのカメラのシャッタ装置では4枚または5枚の羽根で構成することが比較的多い。
また例えば、特許文献1に開示されているように、二重遮光方式のフォーカルプレーン式のシャッタ装置が提案されている。この方式は、カメラがレリーズされない待機状態にあるときに先羽根群と後羽根群の両方が開口部を遮光する位置にあり、撮影動作に際して、先ず後羽根群が開口部から退避する。そして、通常の露光動作、すなわち先羽根群が遮光状態から開口方向に退避し、その後露光秒時してから後羽根群が開口部遮光方向に動作して遮光し、露光動作を完了する。したがって、通常のカメラが待機状態にある時、先羽根群のみで開口部を遮光するものに較べ、漏光によるフィルムの感光を防ぎ易く、羽根の重なりを少なくすることが可能である。
特開2001−021946号公報
しかしながら、前者方式のうち、先羽根群の羽根を5枚で構成する方式では、撮影前の待機状態において充分な遮光を得られる設定をし易いが、シャッタスピードを高速化していく上で負荷が多くなり易く、またシャッタ装置を小型化していく上で2本のアームに5枚の羽根の計10本の回転軸支する構成が困難になってくる。
また、後者の二重遮光方式では、先羽根群とさらに後羽根群で撮影前の待機状態での開口部の遮光がなされるため、充分な遮光状態が得られる。しかし、撮影動作に入ると後羽根群を一旦重畳状態の開口部を開口する位置に退避させてから露光動作を行うため、レリーズタイムラグが増えたり、機構が複雑になったりする課題を有していた。
(発明の目的)
本発明の目的は、少ない羽根枚数の遮光羽根でも待機状態の遮光羽根の重なりを増やして遮光性を向上させることのできるシャッタ装置およびカメラを提供しようとするものである。
本発明の目的は、少ない羽根枚数の遮光羽根でも待機状態の遮光羽根の重なりを増やして遮光性を向上させることのできるシャッタ装置およびカメラを提供しようとするものである。
上記目的を達成するために、本発明は、回動可能に支持された複数のアームがスリット形成羽根を含む複数の遮光羽根に連結されて平行リンクを構成し、複数のアームの回動により複数の遮光羽根がシャッタ開口を塞ぐ展開位置からシャッタ開口を開放する重畳位置へと走行し、遮光羽根の走行完了時に生じる遮光羽根のバウンドを低減するために走行完了位置にて遮光羽根と接触する緩衝部材を有する構成のシャッタ装置において、複数の遮光羽根のうち、最も走行距離の長い遮光羽根と他の一つ以上の遮光羽根は、ともに緩衝部材に接触している状態よりも、ともに緩衝部材に接触後にバウンドしている状態の方が、重畳位置にてシャッタ開口側となる互いの端面が近接するように、走行方向における幅が設定されるものである。
本発明によれば、少ない羽根枚数の遮光羽根でも待機状態の遮光羽根の重なりを増やして遮光性を向上させることができるシャッタ装置またはカメラを提供できる。
本発明を実施するための最良の形態は、以下の実施例に示す通りである。
図1〜図6はカメラに内蔵された本発明の一実施例に係わるフォーカルプレーン式のシャッタ装置の構成を示す図であり、詳しくは、図1はシャッタ装置の分解斜視図、図2は先羽根ユニットの走行前待機状態を示す正面図、図3は先羽根ユニットの走行完了状態を示す正面図、図4は先羽根ユニットの走行完了からバウンドした限界状態を示す正面図、図5は後羽根ユニットの走行前待機状態を示す背面図、図6は後羽根ユニットの走行完了状態を示す背面図である。
図1〜図6において、1はシャッタ開口1aを有する基板(以下、シャッタ地板)であり、シャッタ開口1aは実際の画角を決定する不図示のカメラ本体のアパーチャ開口Aよりも若干大きく設定される。1bは後述の先羽根駆動部材111(後述の先羽根ユニットにばね力等による走行エネルギーを与えるレバー)の羽根駆動ピン111aの走行軌跡を逃げるための長孔、1cは後述の後羽根駆動部材141(後述の後羽根ユニットにばね力等による走行エネルギーを与えるレバー)の羽根駆動ピン141aの走行軌跡を逃げるための長孔である。
2は公知のシャッタ装置の駆動部であり、図10にその構成の一例を示す。先羽根駆動部材111は、軸1d周りに回動するように該軸1dに嵌合する軸受部111bと、秒時制御用先幕マグネットのアーマチャ110を支持するアーマチャ支持部111cと、走行準備位置へのチャージ力を受けるチャージ腕部111dと、チャージ腕部111dに一体的に設けられているチャージコロ軸111eとを有する。後述するアームとの係合部となる羽根駆動ピン111aはアーマチャ支持部111cに植設されている。111fはアーマチャ支持部111cより回動中心内側に設けられた傾斜部で、接点部材との当接初期時の衝撃を緩和する役目をする。111gは接点部材と係合して先羽根駆動部材111自らのバウンドを防止する段差部である。112はアーマチャ110をアーマチャ支持部111cに首振り自在に保持する為のリベット部材であり、イコライズ性確保とオーバーチャージ吸収用のアーマチャばね124を間に挟み、アーマチャ110にカシメ固定される。113はチャージコロであり、後述するチャージレバーと当接してチャージ力を受ける。114はトーションばね形態の先羽根駆動ばねである。115はラチェットであり、先羽根駆動ばね114の固定端を支持し、軸1d周りに回動可能となっている。更にラチェット115の外周には、数十に分割された歯が設けられ、マグネット地板116に設けられたラチェット爪と係合して所定回動位置に固定される。一方、先羽根駆動ばね114の可動端は先羽根駆動部材111に支持される。予め、ラチェット115を先羽根駆動ばね114がチャージされる方向に回動することで先幕速を調整する。先羽根駆動部材111を走行準備位置へセットすることで、先羽根駆動ばね114が更にチャージされ、羽根走行のエネルギーを蓄える。
119は秒時制御用先幕マグネット、119aはヨークであり、マグネット地板116にビス119bにて固定される。119cは秒時制御用先幕マグネット119のコイル、119dは秒時制御用先幕マグネット119のコイル端子である。123はチャージレバーであり、シャッタ地板1に植設された軸の周りに軸受部123dにて回動可能となっており、チャージのための回動力を加えられる入力部123a、先羽根駆動部材111を走行準備位置へセットする先側チャージカム123b、後羽根駆動部材141を走行準備位置へセットする後側チャージカム123cからなる。
後羽根駆動部材141は、軸1f周りに回動するように該軸1fに嵌合する軸受部141bと、秒時制御用後幕マグネットのアーマチャ140を支持するアーマチャ支持部141cと、羽根駆動ピン141aを植設したチャージ腕部141dとを有し、アーマチャ支持部141cの下部にチャージコロ軸141eが一体的に設けられている。後羽根駆動部材141のチャージ腕部141dとチャージコロ軸141eの符号が図10に図示されていないが、先羽根駆動部材111のチャージ腕部111dとチャージコロ軸111eと同様の個所が該当する。141fはアーマチャ支持部141cより回動中心内側に設けられた傾斜部で、接点部材との当接初期時の衝撃を緩和する役目をする。141gは接点部材と係合して後羽根駆動部材141自らのバウンドを防止する段差部である。後羽根駆動部材141の構造や後羽根駆動ばね144、ラチェット145は先羽根用の作りとほぼ同じになっている。なお、先羽根用と対応する構成には先羽根用に付けた数字に30を加えたもので示している。
149は秒時制御用後幕マグネット、149aはヨークであり、マグネット地板116にビス149bにて固定される。149cは秒時制御用後幕マグネット149のコイル、149dは秒時制御用後幕マグネット149のコイル端子である。
先羽根駆動部材111及び後羽根駆動部材141は、夫々のアーマチャ110,140で、給電された各々の秒時制御用マグネット119,149により吸着保持されている。シャッタレリーズ信号により、まず秒時制御用先幕マグネット119の給電がカットされ、アーマチャ110の吸着が解除される。そして先羽根駆動部材111に時計方向の回動力を発生させる先羽根駆動ばね114の力により、先羽根駆動部材111が図10の時計方向に先羽根用の第1のアーム4と第2のアーム6を回動させる。設定された露光秒時に相当する所定時間が経過すると、秒時制御用後幕マグネット149の給電がカットされ、アーマチャ140の吸着が解除される。そして後羽根駆動部材141に時計方向の回動力を発生させる後羽根駆動ばね144の力により、後羽根駆動部材141は図10の時計方向に後羽根用の第1のアーム8と第2のアーム10を回動させる。
図1〜図6に戻る。3は先羽根ユニットであり、図2〜図4に示す以下のものから構成される。31から34は先羽根であり、先羽根31は先羽根スリット形成端31aを有する。32〜34は同じく先羽根である。4は先羽根用の第1アームであり、シャッタ地板1に設けられた軸1dの周りに回転自在に枢着され、その先端に設けられたカシメ部5で先羽根スリット形成端31aを有する先羽根31を第1アーム4に対して回転自在に支持している。4aは先羽根駆動部材111の羽根駆動ピン111aを嵌入させる穴であり、この穴4aを介して軸1dと同軸に回転軸を設けられた先羽根駆動部材111から動力を伝えられる。6は先羽根用の第2アームであり、シャッタ地板1に設けられた軸1eの周りに回転自在に枢着され、その先端側に設けられたカシメ部5で先羽根スリット形成端31aを有する先羽根31を該第2アーム6に対して回転自在に支持している。
このようにして先羽根スリット形成端31aを有する先羽根31と先羽根用の第1アーム4と第2アーム6とにより平行リンクを形成する。同様に、先羽根32、先羽根33、先羽根34が先羽根用の第1アーム4と第2アーム6の中間部にそれぞれカシメ部5で回転自在に支持され、平行リンクを形成する。
以上により先羽根ユニット3が構成される。
7は後羽根ユニットであり、図5及び図6に示す以下の部材により構成される。71から74は後羽根であり、後羽根71は後羽根スリット形成端71aを有する。72〜74は同じく後羽根である。8は後羽根用の第1アームであり、シャッタ地板1に設けられた軸1fの周りに回転自在に枢着され、その先端側に設けたカシメ部9で後羽根スリット形成端71aを有する後羽根71を該第1アーム8に対して回転自在に支持している。8aは後羽根駆動部材141の羽根駆動ピン141aを嵌入させる穴であり、この穴8aを介して軸1fと同軸に回転軸を設けられたの後羽根駆動部材141から動力を伝えられる。10は後羽根用の第2アームであり、シャッタ地板1に設けられた軸1gの周りに回転自在に枢着され、その先端側に設けられたカシメ部9で後羽根スリット形成端71aを有する後羽根71を該第2アーム10に対して回転自在に支持している。
このようにして後羽根スリット形成端71aを有する後羽根71と後羽根用の第1アーム8と第2アーム10とにより平行リンクを形成する。同様に、後羽根72、後羽根73、後羽根74が第1アーム8と第2アーム10の中間部にそれぞれのカシメ部9で回転自在に支持され、平行リンクを形成する。
以上により、後羽根ユニット7が構成される。
11はアルミ等の金属薄板で形成され、先羽根ユニット3と後羽根ユニット7の走行時に互いが干渉しないように仕切る仕切り板である。12は先羽根ユニット3と後羽根ユニット7の走行時のそれぞれの羽根ユニット先端の摺動抵抗を低減するためのシートであり、仕切り板11に対してそれぞれの羽根ユニットの先端部を挟み込むように構成される。
13は羽根走行時の先羽根駆動部材111の羽根駆動ピン111aと後羽根駆動部材141の羽根駆動ピン141aを受け止める三日月状のストッパーゴムであり、それぞれシャッタ地板1の長穴1b,1cの端部に固着される。14は、先羽根ユニット3と後羽根ユニット7が走行した時にそれぞれの羽根を受け止め、バウンドを軽減するための弾性ゴムであり、それぞれの羽根ユニットの羽根を受け止める弾性部14a,14b(図2、図5等参照)を有する。15は先羽根ユニット走行時に第1アーム4を受け止めて衝撃を緩和する弾性ゴムと、後羽根ユニット7のチャージ時に第1アーム8を受け止めて衝撃を緩和する弾性ゴムである。16はシャッタ地板1に対し先羽根ユニット3から弾性ゴム15を覆うカバー板であり、シャッタ地板1にビス17で固着される。これらストッパーゴム13、弾性ゴム14、弾性ゴム15は上述の機能を果たすための構成であれば異なる構成でも良く、例えばプラスチック等の樹脂部材で形成されていても構わない。
次に、上記構成の作動について説明する。図2の先羽根ユニット3と図5の後羽根ユニット7のそれぞれ走行準備完了状態において、先羽根駆動部材111及び後羽根駆動部材141は、各々駆動部2の秒時制御用マグネット119,149により吸着保持されている。
シャッタレリーズ信号の発生により、まず秒時制御用先幕マグネット119の吸着が解除されると、図2の走行準備完了状態から先羽根駆動部材111に反時計方向の回動力を発生させる駆動部2の先羽根駆動ばね114の力により、第1アーム4と第2アーム6が反時計方向に回動する。それに伴い、平行リンクの作用により、シャッタ開口1aの長辺に対して先羽根スリット形成端31aを有する先羽根31及び先羽根32〜34が平行に保ちながら該シャッタ開口1aの上方から下方へ向けて該シャッタ開口1aを開放するよう移動する。このようにして先羽根ユニット3がシャッタ開口1aを開放するように図3の位置へ移動する。
図3の位置に先羽根ユニット3の走行が完了した際、弾性ゴム14のゴム部14aが先羽根スリット端31aを有する先羽根31及び先羽根32〜34それぞれの下端面を受け止め、衝撃を吸収する。また、弾性ゴム15が第1アーム4の衝撃を受け止め、駆動部2の先羽根駆動部材111の羽根駆動ピン111aの衝撃をシャッタ地板1の長穴1cに固着された三日月状のストッパーゴム13が吸収する。そして、吸収しきれないエネルギーはバウンドして走行してきた逆の方向に戻される。ここで、前記バウンド量は、走行距離が長いものほど大きい。したがって、先羽根スリット端31aを有する先羽根31が最もバウンド量が大きく、次いで先羽根32、先羽根33となり、先羽根34のバウンド量がもっとも小さい。
図4は、走行時の距離が最も長い先羽根スリット端31aを有する先羽根31がバウンドして跳ね上がった時、その先羽根スリット形成端31aがシャッタ開口1aの下端面に達した状態を示している。すなわち、先羽根ユニット3のバウンドを許容する限界状態である。このとき、先羽根32〜34の上端面も、先羽根スリット形成端31aに合うように設定してある。詳しくは、先羽根駆動部材111の羽根駆動ピン111aをストッパーゴム13が受け止め、弾性ゴム14のゴム部14aや弾性ゴム15で先羽根ユニット3の各羽根の下端面や第1アーム4を受け止めてエネルギーを吸収し、先羽根スリット形成端31a及び先羽根32〜34の上端面がシャッタ開口1aの下端面に達する以前にバウンドを抑えるように設定してある。
上記のように先羽根31の先羽根スリット端31a及び先羽根32〜34の上端面を、バウンドが収まるまで、つまり安定的に位置するまでの過渡的状態で、シャッタ開口1aを開放した状態の開口端にほぼ揃うようにしている。すなわち、図3の走行完了状態で先羽根ユニット3の各羽根の下端面を弾性ゴム14のゴム部14aに当接する位置で揃え、さらに図4の実際にはあり得ないバウンド限界状態に、先羽根31の先羽根スリット形成端31a及び先羽根32、先羽根33のそれぞれ上端面を揃えるようにしている。言い換えれば、先羽根31〜34の下端面を弾性ゴム14のゴム部14aに接触している状態よりも、先羽根31〜34が弾性ゴム14に接触後にバウンドしている状態の方が、先羽根31,32,33の上端面が近接するように構成されている。よって、バウンドの量が先羽根31よりも小さい先羽根32及び先羽根33の幅を後述するように広げることが可能となる。ここで、駆動部2の先羽根駆動ばね114や弾性ゴム14を別の部材で代用すれば、当然、先羽根31〜34のバウンドの量は変化する。つまり、先羽根32及び先羽根33の幅というものは一義的に設定できるものではなく、駆動部2の付勢力や、先羽根31と緩衝部材の間に作用する弾性等を考慮した上で、適宜最適な値を設定する必要がある。
このように先羽根31の幅方向の寸法を設定することにより、図2の先羽根ユニット3の走行準備完了状態でシャッタ開口1aを覆い隠す先羽根31の下端面と先羽根32の上端面、先羽根32の下端面と先羽根33の上端面それぞれの羽根の重なりをより多く設定でき、遮光性を上げられる。なお、先羽根34は先羽根ユニット3の中では並行リンクの回転軸寄りに位置するため、比較的移動量も少なく、その上端面は図2の先羽根ユニット3の走行準備完了状態で先羽根33の下端面との重なりがシャッタ開口1aを充分に覆い隠せるように適当な幅になるように設定されている。
ここで、図2〜図4に示した本実施例におけるシャッタ装置の先羽根ユニット3と、図7〜図9に示した従来のシャッタ装置の先羽根ユニットとの差異を以下に説明する。なお、図7は従来のシャッタ装置の先羽根ユニットの走行前待機状態を示す正面図、図8は同じく図7の先羽根ユニットの走行完了状態を示す正面図、図9は同じく図7の先羽根ユニットの走行完了からバウンドした限界状態を示す正面図であり、図1〜図4と同じ部分は同一の符号を付してある。
図7は、図2と同様に、先羽根ユニットが走行準備完了状態にある。秒時制御用先幕マグネット119の吸着が解除されると、第1アーム4と第2アーム6が反時計方向に回動する。それに伴い、平行リンクの作用により、シャッタ開口1aの長辺に対して、先羽根スリット形成端301aを有する先羽根301及び先羽根302、先羽根303、先羽根304が平行に保ちながら該シャッタ開口1aの上方から下方へ向けて該シャッタ開口1aを開放するように図8の位置へ移動する。
図8は、図3と同様に、弾性ゴム14のゴム部14aが衝撃を吸収するように先羽根ユニットが走行完了した時に先羽根スリット形成端301aを有する先羽根301と先羽根羽根302〜304のそれぞれの下端面を揃えるように形成してある。そして、さらに先羽根スリット形成端301aを有する先羽根301と先羽根302、先羽根303のそれぞれの上端面も揃えるように形成している。したがって、図9のようにバウンドを許容する限界状態まで先羽根スリット形成端301aを有する先羽根301の上端面がバウンドした場合、すなわち、先羽根スリット形成端301aがシャッタ開口1aの下端面に達した状態では、先羽根302、先羽根303のそれぞれの上端面はシャッタ開口1aの下端面からは充分に退避した状態にある。
その結果、図7における従来の先羽根ユニットの走行準備完了状態でシャッタ開口1aを覆い隠す先羽根スリット形成端301aを有する先羽根301の下端面と先羽根302の上端面、先羽根302の下端面と先羽根303の上端面それぞれの羽根の重なり寸法は、本実施例で設定した、図2に示す先羽根スリット形成端31aを有する先羽根31の下端面と先羽根32の上端面、先羽根32の下端面と先羽根33の上端面との比較から明らかなように、それぞれ3.54mm→2.79mm、4.31mm→3.16mmと減少し、遮光性が低下する方向に条件が悪くなっている。
次に、後羽根ユニット7の走行について説明する。秒時制御用後幕マグネット149の吸着が解除されてから、設定された露光秒時に相当する所定時間の後、秒時制御用後幕マグネット149の吸着が解除されると、図5の走行準備完了状態から後羽根駆動部材141に時計方向の回動力を発生させる後羽根駆動ばね144の力により、第1アーム8と第2アーム10が時計方向に回動する。それに伴い、平行リンクの作用により、シャッタ開口1aの長辺に対して、後羽根スリット形成端71aを有する後羽根71及び後羽根72、後羽根73、後羽根74を平行に保ちながら該シャッタ開口1aの上方から下方へ向けて後羽根ユニット7が畳まれた状態から展開していく方向に該シャッタ開口1aを遮蔽するよう移動する。
このようにして後羽根ユニット7がシャッタ開口1aを遮蔽するように図6の位置へ移動し、弾性ゴム14のゴム部14bが後羽根スリット形成端71aを有する後羽根71の下端面を受け止め、さらに後羽根駆動部材141の羽根駆動ピン141aの衝撃をシャッタ地板1の長穴1dに固着された三日月状のストッパーゴム13が吸収して、後羽根71の下端面がシャッタ地板1の開口1aに露出しない最小限のバウンドに収めて露光が終了する。
シャッタチャージの際は、先羽根ユニット3及び後羽根ユニット7がチャージ機構により、先羽根ユニット3を先行させてシャッタ開口1aを開くことなく、上記露光動作と逆の先羽根駆動部材111及び後羽根駆動部材141の回動を与える動作を行い、先羽根ユニット3は図3の位置より再び図2の位置へ、後羽根ユニット7は図6の位置より再び図5の位置へ移動する。
上記実施例によれば、端部が回動可能に支持された2本のアーム(第1アーム4及び第2アーム6が複数の遮光羽根(先羽根31〜34)における羽根走行方向に略直交する方向の端部近傍に連結されて平行リンクを構成し、前記2本のアームの回動により前記複数の遮光羽根がシャッタ開口を塞ぐ展開位置と開放する重畳位置との間を走行する構成のシャッタ装置において、複数の遮光羽根のうち、2本のアームのより先端に位置するスリット形成羽根(先羽根31)のスリット形成端(先羽根スリット形成端31a)がシャッタ開口1aを開放した状態の開口端に位置する状態で、他の遮光羽根の少なくとも一つ以上の遮光羽根(本実施例では、先羽根32,33がこれに相当する)のシャッタ開口1a側の一方の端面が前記スリット形成端にほぼ揃うように構成している。なお、先羽根34も先羽根32,33と同様に、先羽根スリット形成端31aにほぼ揃うように構成しても良い。
また、各先羽根が安定的に位置する前の過渡的状態(図4のバウンドした限界状態)で、前記少なくとも一つの遮光羽根(本実施例では、先羽根32,33がこれに相当する)のシャッタ開口1a側の一方の端面が前記スリット形成端にほぼ揃うように構成している。
よって、より少ない枚数の羽根で待機状態の各々の重なりを最大限に増やして遮光性を向上させることができるシャッタ装置を提供可能となる。
詳細な説明は省略しているが、後羽根ユニット7についても、同様の構成にしているので、露光完了状態での遮光性を向上させることができるものである。
なお、駆動部2はトーションばね形態の先羽根駆動ばね114、後羽根駆動ばね144によって羽根駆動ピン111a、141aを回転させる構成としたが、これに限定されるものではない。先羽根駆動ばね114、後羽根駆動ばね144は別のばね形態でも構わないし、羽根駆動ピン111a、141aをばねではなくモータによって駆動する構成としても構わない。また、弾性ゴム15も緩衝部材として作用するのであればプラスチック等の樹脂部材で形成されていても構わない。羽根ユニットの走行終了時に羽根を受け止め、羽根のバウンドを軽減する緩衝部材を有する構成であれば本発明を適用することができる。
1 シャッタ地板
1a シャッタ開口
3 先羽根ユニット
31 先羽根スリット形成羽根
32,33,34 先羽根
4 先羽根用の第1アーム
6 先羽根用の第2アーム
7 後羽根ユニット
71 後羽根スリット形成羽根
72,73,74 先羽根
8 後羽根用の第1アーム
10 後羽根用の第2アーム
14 弾性ゴム
1a シャッタ開口
3 先羽根ユニット
31 先羽根スリット形成羽根
32,33,34 先羽根
4 先羽根用の第1アーム
6 先羽根用の第2アーム
7 後羽根ユニット
71 後羽根スリット形成羽根
72,73,74 先羽根
8 後羽根用の第1アーム
10 後羽根用の第2アーム
14 弾性ゴム
Claims (3)
- 回動可能に支持された複数のアームがスリット形成羽根を含む複数の遮光羽根に連結されて平行リンクを構成し、前記複数のアームの回動により前記複数の遮光羽根がシャッタ開口を塞ぐ展開位置からシャッタ開口を開放する重畳位置へと走行し、前記遮光羽根の走行完了時に生じる前記遮光羽根のバウンドを低減するために走行完了位置にて前記遮光羽根と接触する緩衝部材を有する構成のシャッタ装置において、
前記複数の遮光羽根のうち、最も走行距離の長い遮光羽根と他の一つ以上の遮光羽根は、ともに前記緩衝部材に接触している状態よりも、ともに前記緩衝部材に接触後にバウンドしている状態の方が、前記重畳位置にて前記シャッタ開口側となる互いの端面が近接するように、走行方向における幅が設定されることを特徴とするシャッタ装置。 - 前記他の一つ以上の遮光羽根の幅を、前記最も走行距離の長い遮光羽根の幅よりも長くしたことを特徴とする請求項1に記載のシャッタ装置。
- 請求項1または2に記載のシャッタ装置を備えることを特徴とするカメラ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005137269A JP2006317518A (ja) | 2005-05-10 | 2005-05-10 | シャッタ装置およびカメラ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005137269A JP2006317518A (ja) | 2005-05-10 | 2005-05-10 | シャッタ装置およびカメラ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006317518A true JP2006317518A (ja) | 2006-11-24 |
Family
ID=37538276
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005137269A Pending JP2006317518A (ja) | 2005-05-10 | 2005-05-10 | シャッタ装置およびカメラ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006317518A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102667608A (zh) * | 2010-02-22 | 2012-09-12 | 精工精密株式会社 | 叶片驱动装置和光学仪器 |
JP2014048351A (ja) * | 2012-08-30 | 2014-03-17 | Olympus Imaging Corp | シャッタ装置を有する撮像機器 |
KR101679292B1 (ko) | 2009-12-31 | 2016-11-24 | 삼성전자 주식회사 | 포컬 플레인 셔터 및 이를 구비하는 촬상 장치 |
CN106468844A (zh) * | 2015-08-21 | 2017-03-01 | 精工精密株式会社 | 焦面快门以及光学设备 |
-
2005
- 2005-05-10 JP JP2005137269A patent/JP2006317518A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR101679292B1 (ko) | 2009-12-31 | 2016-11-24 | 삼성전자 주식회사 | 포컬 플레인 셔터 및 이를 구비하는 촬상 장치 |
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