JP2006317220A - 成人t細胞白血病の診断器具 - Google Patents

成人t細胞白血病の診断器具 Download PDF

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Abstract

【課題】 成人T細胞白血病を診断する臨床現場において、迅速性及び簡便性の点で有効に使用できる
【解決手段】TSLC1に対する抗体を有する成人T細胞白血病の診断器具。ここでTSLC1に対する抗体がモノクローナル抗体又はポリクローナル抗体であることが好ましい。これらモノクローナル抗体又はポリクローナル抗体は、反応膜又は不溶性粒子に固相化されていることが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、白血病の一種である成人T細胞白血病の診断に使用する診断器具に関する。さらに詳しくは、成人T細胞白血病の発病過程で生体内に産生されるTSLC1を検出することで成人T細胞白血病を診断する診断器具に関する。
成人T細胞白血病(adult T-cell leukemia;以下ATLと称する)は、臓器浸潤を伴う予後不良の疾患であり、南九州を中心とする地域において特異的に見られる疾患として知られている。ATLは、リンパ球の中でT細胞が悪性化してリンパ節や血液の中で急激に異常増加して起こる白血病であり、その発症の基礎疾患としてはヒトT細胞白血病ウイルス(human T-cell leukemia virus type1;以下、HTLV-1と称する)の感染がある。このATLは、HTLV-1に感染してから発症までの潜伏期間が長く、また治療法についてもまだ完全に確立されたとは言えない。
このような状況下においては、発症前の診断が非常に重要である。ATL診断方法としては、細胞の形態、細胞表面マーカー検索或いはサザン法を利用したHTLV-1のゲノム挿入の有無などが知られている(非特許文献1及び2参照)。しかしながら、これらの方法は、ATL発症後の診断であり、発症前の前段階を診断することは不可能である。
三輪史朗、青木延雄、柴田昭編集「血液病学」第二版、P1081〜1089、文光堂 「成人T細胞白血病・リンパ腫」恵寿病院 院長 木下研一郎編著、新興医学出版社いる。
本発明は、上述したような実状に鑑み、迅速性及び簡便性の点で臨床現場において有効に使用することができる成人T細胞白血病を診断する診断器具を提供することを目的とする。
本発明者らは上記目的を達成するため鋭意検討した結果、TSLC1に対する抗体、さらに好ましくはTSLC1タンパク質の全アミノ酸配列、もしくはアミノ酸配列における1〜373番目のアミノ酸配列からなる細胞外ドメインを抗原として産生された抗体を有する、成人T細胞白血病を診断する診断器具を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下を包含する。
(1)TSLC1に対する抗体を有する成人T細胞白血病の診断器具。
(2)TSLC1に対応する抗体がモノクローナル抗体又はポリクローナル抗体であることを特徴とする(1)記載の診断器具。
(3)上記モノクローナル抗体又はポリクローナル抗体は、反応膜又は不溶性粒子に固相化されていることを特徴とする(2)記載の診断器具。
(4)上記抗体は、ハイブリドーマ1-10C-6G(受領番号:FERM AP-20529)、3-10C-4D(受領番号:FERM AP-20530)及び4-5F-6F(受領番号:FERM AP-20531)からなる群から選ばれる少なくとも1種のハイブリドーマにより産生されたものであることを特徴とする(1)記載の診断器具。
上記(2)の発明によれば、抗体を担体や反応膜に固定することにより、血清中のTSLC1を選択的に捕捉することができ、TSLC1の有無をより確実に判定できる。
ところで従来、血液中のタンパク質の検出法としては、酵素免疫法(EIA法)、蛍光抗体法(FA法)、ウェスタンブロット法(WB法)など、特異抗体を利用した免疫反応系が一般的に用いられる。TSLC1の有無と濃度レベルを検出する際にこれらの手法を適用した場合には、検出のためにイムノリーダーや蛍光顕微鏡等の高価な機器が必要であり、いずれも専門的な技術が要求される。上記(3)の発明によれば、TSLC1の有無と濃度レベルを検出する際に特殊な機器を必要とせず、臨床現場において、より迅速且つより簡便に使用可能な診断器具を提供することができる。
本発明によれば、成人T細胞白血病の診断に使用できる診断器具を提供することができる。本発明を適用した診断器具によれば、成人T細胞白血病の発症前段階から診断することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に使用できる抗体
本発明に使用できる抗体は、TSLC1タンパク質を特異的に認識する抗体(以下、TSLC1抗体と呼ぶ)であれば特に限定されない。なお、TSLC1抗体は、モノクローナル抗体であっても、ポリクローナル抗体であっても良い。TSLC1抗体は、従来公知の手法を用いて作製することができる。TSLC1抗体は、免疫用抗原としてTSLC1タンパク質もしくは、組換えDNA法又は化学合成により調製したTSLC1タンパク質のアミノ酸配列の全部若しくは1〜373番目のアミノ酸配列からなる部分ペプチドを用いて作製することができる。なお、TSLC1タンパク質のアミノ酸配列を配列番号1に示す。
例えば、TSLC1タンパク質のアミノ酸配列の1番目から373番目までのアミノ酸をコードした遺伝子を組み込み込んだプラスミド(pET28b/TSLC1)を形質転換した大腸菌BL21をLB培地に接種し、37℃で培養する。培養液をイソプロピル-β-D-チオガトピラノシド処理によってTSLC1の産生を誘導し、大腸菌を回収する。菌体を界面活性剤や超音波で破砕処理後、沈渣を回収し、Ni-セファロースカラム等により組み換えTSLC1タンパク質を分離精製する。
なお、TSLC1タンパク質のアミノ酸配列における1番目から373番目までは、TSLC1タンパク質の細胞外ドメインに相当する。従って、TSLC1タンパク質のアミノ酸配列における1番目から373番目までを抗原として作製される抗体は、蛍光ラベル等により細胞を染色することがき、また、リガンドとの結合を中和する中和抗体として使える可能性がある。
ポリクローナル抗体の作製は常法に従って行われる。例えば、抗TSLC1ポリクローナル抗体の作製には、精製したTSLC1タンパク質0.1〜5mg/mlとフロイント完全アジュバントの当量混合液でウサギを免疫し、2週間後に再度TSLC1タンパク質0.1〜5mg/mlとフロイント不完全アジュバントの当量混合液で追加免疫をする。更に、2週間後にTSLC1タンパク質0.1〜5mg/mlとフロイント不完全アジュバントの当量混合液で追加免疫をし、最終免疫後3〜4日目に採血を行う。血清分離後、血清画分を抗TSLC1ポリクローナル抗体液として取得することができる。
また、TSLC1モノクローナル抗体の調製についても常法に従って行い、分離精製した組み換えTSLC1タンパク質で免疫したマウスから得られる抗体産生細胞と、ミエローマ細胞、例えば、P3(P3x63Ag8. 653)との細胞融合によりハイブリドーマを調製し、得られるハイブリドーマからTSLC1に対して特異的に反応する抗体を産生するクローンを選択することにより調製することができる。
取得したハイブリドーマからモノクローナル抗体を採取する方法としては、細胞を培養する方法やマウス腹腔内接種による腹水形成法等が一般的に用いられる。細胞培養法では、ハイブリドーマを10〜20%ウシ胎児血清含有RPMI-1640培地、MEM培地等のマウス細胞培養培地中で、通常の培養条件(例えば37℃、5%CO2濃度)で2〜14日間培養し、その培養上清から抗体を取得する。腹水形成法においては、ミエローマ細胞由来の哺乳動物と同種の動物の腹腔内にハイブリドーマを投与し、ハイブリドーマを大量に増殖させる。そして、1〜4週間後に得られた腹水液を採取する。
上記抗体の採取方法において得られた腹水液から、硫安塩析法、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィーなどの既知の方法を適宜選択して、又はこれらを組み合わせることにより抗体を精製する。例えば、得られた抗血清中の抗体を45%硫安沈澱により精製し、遠心分離後、得られた沈殿を生理食塩水に溶解し、リン酸緩衝液(0.1mole/l、pH7.0)中に透析後、塩析抗体液とする。この塩析抗体液をプロテインAに吸着せしめ、クエン酸液(50mmole/l、pH2.0)により溶出した液が精製モノクローナル抗体液である。
なお、抗原を免疫する哺乳動物としては、マウスやラットなどが広く用いられる。免疫は、既存の方法であれば何れの方法をも用いることができるが、主として静脈内注射、皮下注射、腹腔内注射などにより行う。また、免疫の間隔は特に限定されず、数日から数週間間隔で、好ましくは4〜21日間隔で免疫する。
また、上述した手法において、免疫したマウスなどの動物の免疫応答レベルを確認し、また、細胞融合処理後の細胞から目的とするハイブリドーマを選択するため、免疫した動物の血中抗体価、又は抗体産生細胞の培養上清中の抗体価を測定する。抗体検出の方法としては、公知技術、例えば、RIA(ラジオイムノアッセイ)、ELISA(酵素連結イムノソルベントアッセイ)等が挙げられる。
抗体を備える診断器具
本発明に係る診断器具は、上述したように調整された抗TSLC1モノクローナル抗体又は抗TSLC1ポリクローナル抗体(以下まとめて抗TSLC1抗体と称する)を備え、検体中に含まれるTSLC1タンパク質を測定するものである。TSLC1タンパク質を簡易かつ迅速に測定する方法としては、イムノクロマト法や粒子免疫凝集法を用いることができる。例えば、イムノクロマト法では、抗TSLC1抗体を固相化する反応膜としては、ニトロセルロースが好適に用いられるがタンパク質を吸着する能力を有する担体であれば、膜の種類や材質は問わない。さらに、そのままでは吸着能を有さない反応膜については、アミノ基やカルボキシル基を導入し、化学的に抗TSLC1抗体を結合せしめることにより反応膜として使用することも可能である。また、ラテックス等の微粒子に吸着又は反応せしめた抗体結合粒子を反応膜に封入することも可能である。
また、抗TSLC1抗体は0.1〜5mg/mlの濃度で反応膜上に線状に固相化することが好ましい。固相化後、牛血清アルブミンやスキムミルク水溶液等に浸してブロッキングし、副反応を抑えることも有効である。また、標識物質としては金コロイド粒子が一般的に使用され、有色のラテックス粒子でも良い。金コロイド粒子の場合、その粒子径は20〜100nmのサイズが好ましく、有色のラテックス粒子では0.05〜0.5μmの粒径が好適に用いられる。それらの粒子に抗TSLC1抗体を10〜1000μg/ml濃度で炭酸緩衝液(pH9.0)中で吸着させ使用した。さらに、有色粒子の代わりにアルカリホスファターゼ等により酵素標識抗体を用いることも可能である。
診断器具は、図1に示すように、矩形状に裁断された反応膜1と、反応膜1の長手方向の一方端部及び中途部を露出させる筐体2とから構成される。筐体2には、反応膜1の長手方向の一方端部を露出させるサンプル滴下用開口部3が形成されている。また、筐体2には、反応膜1の長手方向の中途部を露出させる判定部4が形成されている。
反応膜1におけるサンプル滴下用開口部3に位置する部分には、標識抗体を含有した濾紙が貼付けられている。また、反応膜の一主面には、標識抗体を含有した濾紙に続いて吸水濾紙が貼付けられている。なお、これら標識抗体を含有した濾紙及び吸水濾紙は、図1に示していない。一方、反応膜1における判定部4から露出する部分には、抗TSLC1抗体が反応膜1の長手方向に対して直交する方向にライン状に塗布されてなる検出部5が形成されている。
このように構成された診断器具を用いてTSLC1タンパク質の検出を行う際には、先ず、抗凝固剤等を添加した検体を準備する。ここで検体としては、血清もしくは血漿が用いられる。検体に添加される抗凝固剤としては、ヘパリンやEDTA等が挙げられるが、これらに限定されない。次に、検体をサンプル滴下用開口部3から反応膜1に滴下する。検体は反応膜1上を展開し、まず標識抗体と反応する。更に、反応膜1の中央部にある抗TSLC1抗体部(検出部5)で反応し、吸収濾紙部に移動し、5〜30分後に反応は終了する。
検体中にTSLC1タンパク質が存在すれば、まず、標識抗体と複合体を形成し、反応膜1の中途部にある検出部5で捕捉される。捕捉された複合体は捕捉部分に蓄積し、標識物質の色を呈するようになり、目視でTSLC1タンパク質の存在を確認できる。例えば、金コロイド標識の場合には、検出部5の形状に対応する赤紫色の線が出現する。検体中にTSLC1タンパク質が存在しなければ、標識抗体と複合体を形成することがなく、反応膜1上の抗体とも反応しないので、反応後、膜面に変化はない。
一方、本発明に係る診断器具は、図1に示した構成に限定されず、粒子免疫凝集法を適用してTSLC1タンパク質を測定するような診断器具であってもよい。この場合、診断器具としては、抗TSLC1抗体を固相化した不溶性粒子を含む溶液から構成される。不溶性粒子としては、白色ラテックス粒子を使用することができる。この場合、直径0.05〜0.5μmの均質な白色ラテックス粒子を使用することが好ましい。
白色ラテックス粒子に抗TSLC1抗体を固相化する際には、例えば、0.2Mアミノメチルプロパノール-塩酸緩衝液(pH8.0)に0.5〜5%濃度になるように白色ラテックス粒子を浮遊させ、抗TSLC1抗体を0.05〜5mg/mLのタンパク質濃度に調整し、等量の0.5〜5%濃度のラテックス浮遊液と37℃、1時間反応させる。その後、4000G、20分間遠心分離し、0.2Mアミノメチルプロパノールー塩酸緩衝液(pH8.0)で2回洗浄する。最終的に、1%正常ウサギ血清を添加し、0.2Mアミノメチルプロパノールー塩酸緩衝液(pH8.0)中にラテックス粒子が0.1〜0.5%濃度になるように浮遊させる。このようにして、抗TSLC1抗体を固相化した白色ラテックス粒子を含む溶液を調整することができる。
調整された溶液を用いて検体中のTSLC1タンパク質を測定する際には、先ず、予め準備した検体のうち2〜3滴を反応用のガラス板上に広げ、そこに当該溶液を約1滴滴下する。その後、例えばガラス板自体を傾斜させながら回動させることで、ガラス板上の反応液を緩やかに攪拌する。その後、反応液内の凝集の有無を確認する。検体中にTSLC1タンパク質が存在すれば凝集塊を形成し、存在しなければ変化しない。
以上説明したように、本発明に係る診断器具によれば、検体内のTSLC1タンパク質の有無を簡易且つ迅速に判定することができる。従って、医療従事者が本発明に係る診断器具を使用することにより、臨床現場における成人T細胞白血病の診断を高い信頼度をもって迅速に行うことが可能となる。
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明の技術的範囲は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]抗原用TSLC1タンパク質溶液の調整
先ず、TSLC1の調製は組換えDNA法によりTSLC1タンパク質のアミノ酸配列の1番目から373番目までのアミノ酸をコードした遺伝子を組み込み込んだプラスミド(pET28b/TSLC1)を以下のように調整した。
pETNdeITSLC1プライマー(gccatatgcagaatctgtttacgaaacac:配列番号2)及びpETTSLC1XhoI プライマー(gcctcgagatccactgccctgatcgagcc:配列番号3)によりTSLC1cDNAを増幅し、NdeI及びXhoI制限酵素処理後、pET-28b(+)ベクター(Novagen)中のNdeI及びXhoI制限酵素サイトに挿入した。
次に、pET28b/TSLC1で大腸菌BL21を形質転換し、LB培地10mLに接種して37℃で一夜培養した。培養液をLB培地500mLに接種し、25℃で数時間培養し、600nmの吸光度が0.5付近でイソプロピル-β-D-チオガラクトピラノシド処理によってTSLC1部分タンパク質の産生を誘導し、更に一夜培養後、菌体を遠心分離して回収した。菌体を超音波破砕処理後、8M尿素に懸濁し、4℃、6〜8時間穏やかに撹拌した。遠心分離して上清を回収し、キレーティングセファローズNiカラム(ファルマシア)にかけ、5mMイミダゾール-8M尿素を含むリン酸緩衝食塩液(pH7.5)と、100mMイミダゾールを含むリン酸緩衝食塩液(pH7.5)でカラムを洗浄し、700mMイミダゾールを含むリン酸緩衝食塩液(pH7.5)で溶離した。溶離したTSLC1タンパク質画分を4M尿素を含むリン酸緩衝食塩液(pH7.5)中に透析した。透析液中の尿素濃度を徐々に下げて、最終的に0にし、TSLC1タンパク質溶液とした。
〔実施例2〕TSLC1モノクローナル抗体の調整
TSLC1モノクローナル抗体の調整は、実施例1で調製したTSLC1タンパク質溶液を抗原として使用した。マウス腹腔内にTSLC1タンパク質溶液を注射し、2週間間隔で追加免疫した。最終の免疫日から2〜3日後に脾臓細胞とミエローマ細胞P3(P3x63Ag8. 653)とを融合させた。細胞融合処理後の細胞から目的とするハイブリドーマを選択するため、ELISA(酵素連結免疫測定)法により、抗体産生細胞を選抜した。これらの細胞より抗TSLC1抗体産生能が高いクローンとして1-10C-6G、3-10C-4D及び4-5F-6Fを取得した。取得したハイブリドーマ1-10C-6G、3-10C-4D及び4-5F-6Fは、独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター(〒305-8566 茨城県つくば市東1-1-1 中央第6)に平成17年5月9日付けで、それぞれ受領番号:FERM AP-20529、受領番号:FERM AP-20530及び受領番号:FERM AP-20531として寄託した。
〔実施例3〕診断器具の作製
抗TSLC1モノクローナル抗体(クローンNo.1-10C-6Gと4-5F-6F由来)産生ハイブリドーマから得られた培養上清、又は腹水液をそれぞれリン酸緩衝液(0.1mo1e/1、pH7.0)に透析後、プロテインAに吸着せしめ、クエン酸液(50mmole/l,pH2.0)により溶出し、精製抗体液とした。
このうち抗TSLC1抗体(クローンNo.1-10C-6G)1mg/mlを用いて、矩形状に裁断したニトロセルロース膜の一主面の略中央部における長手方向と直行する方向にラインを引き、乾燥後、1%スキムミルク溶液に浸漬してブロッキングした。乾燥後、抗体塗布面を上にして台紙に貼付した。
次に、粒径50nmの金コロイド液100mlを炭酸緩衝液で最終O.45mM(pH9.0)に調製し、抗TSLC1抗体(クローンNo.4-5F-6F)(0.lmg/ml)6mlを穏やかに撹拌しながら滴下した。室温で30分間反応し、牛血清アルブミンをO.1%濃度になるように添加した。更に、室温で20分間撹拌し、6000G,30分間遠心分離し、沈殿を回収した。なお、これにより抗TSLC1抗体(クローンNo.4-5F-6F)を金コロイドに固相化した標識抗体を調整した。次に、この沈殿を2%牛血清アルブミン添加5%ショ糖液に懸濁して50mlとした。得られた溶液をガラス繊維濾紙に浸潤させ、その後、乾燥させた。乾燥後、1cm幅にカットし、これをニトロセルロース膜の一主面における下端側に重なるように貼付した。
また、ニトロセルロース膜の一主面における上端側に重なるように、吸水濾紙(一般的な厚手の濾紙であればよい)を貼付した。これらを適当な幅で裁断し検査用スティックとした。この検査用スティックをサンプル滴下口と判定部分に開口部を有するケースに入れ、診断器具とした。
また実施例3では、ニトロセルロース膜に塗布する抗TSLC1抗体及び標識抗体としてクローンNo.1-10C-6Gを使用した診断器具、ニトロセルロース膜に塗布する抗TSLC1抗体及び標識抗体としてクローンNo.4-5F-6Fを使用した診断器具、及び、ニトロセルロース膜に塗布する抗TSLC1抗体としてNo.4-5F-6Fを使用し及び標識抗体としてクローンNo.1-10C-6Gを使用した診断器具をそれぞれ同様に作製した。
〔実施例4〕
実施例3で作製した4種類の診断器具を用いて、組み換え大腸菌(pET28b/TSLC1)より調製したTSLC1タンパク質の検出を試みた。その結果を表1に示した。表1から分かるように、実施例3で作製した全ての診断器具において、特異的にTSLC1のみを検出することができ、ベクタープラスミドや、緩衝液、マウス血清とは反応しない事が確認された。
Figure 2006317220
判定:+ 陽性、- 陰性
*1:リン酸緩衝食塩液(pH7.2)
*2:プラスミド(pET28b)含有大腸菌(BL21)培養抽出物 1mg/mL
*3:プラスミド(pET28b)含有大腸菌(BL21)培養抽出物 キレートカラム吸着溶離物 1mg/mL
*4:正常マウス IgG 1mg/mL
*5:TSLC1 2μg/mL
〔実施例5〕
実施例3で作製した診断器具を用いてATL患者血清中のTSLC1の有無を測定した。比較対照として、健常者及び、発症前でHTLV-1キャリアの血清も測定した。その結果、表2に示したように健常者は陰性であったが、HTLV-1キャリア及びATL患者はTSLC1タンパク質が陽性反応を示した。また、その検査結果を図2に示した。
Figure 2006317220
〔実施例6〕
実施例6では、実施例5に使用した血清を用いたウエスタンブロッティング法により、TSLC1タンパク質の存在を検討した。
すなわち、各血清5μLとPBS45μLを混合し、さらにSDS-PAGEサンプルBuffer 50μLを添加し、混和後100℃で10分間煮沸した。冷却後、10% SDS-PAGEにかけ、20〜40mAで約2時間電気泳動を行った。泳動後、PVDF膜に170mA、5Vで2時間転写した。転写後の膜に1%スキムミルク水溶液を添加し、30分間ブロッキングを行った。次に、20mMトリス塩酸(pH7.5)−150mMNaCl−0.05%ツイーン20(以下、T-TBSと略す)で洗浄し、0.1%スキムミルクを含むT-TBSに精製モノクローナル抗体を1mg/50mLの割合で添加し、膜を浸して3時間感作させた。さらに、数回T-TBSで洗浄し、0.1%スキムミルクを含むT-TBSに抗マウス抗体アルカリ性ホスファターセ゛標識抗体を50μL/50mLの割合で添加して、1時間感作させた。洗浄後、発色剤を添加し、数分間静置後、発色させて反応の有無を調べた。
結果を図3に示す。図3から分かるように、実施例3で作製した検査器具で陽性反応を示した血清には44KdaltonであるTSLC1タンパク質が存在していた。この結果から、実施例3で作製した診断器具は、成人T細胞白血病の発症前診断に適したものであることを実証することができた。
本発明を適用した診断器具の一例を示す平面図である。 本発明を適用した診断器具で血清中に含まれるTSLC1タンパク質を検出した結果を示す写真である。 血清中に含まれるTSLC1タンパク質をウエスタンブロッティング法により検出した結果を示す写真である。
符号の説明
1…反応膜、2…筐体、3…サンプル滴下用開口部、4…判定部、5…検出部

Claims (4)

  1. TSLC1に対する抗体を有する成人T細胞白血病の診断器具。
  2. TSLC1に対応する抗体がモノクローナル抗体又はポリクローナル抗体であることを特徴とする請求項1記載の診断器具。
  3. 上記モノクローナル抗体又はポリクローナル抗体は、反応膜又は不溶性粒子に固相化されていることを特徴とする請求項2記載の診断器具。
  4. 上記抗体は、ハイブリドーマ1-10C-6G(受領番号:FERM AP-20529)、3-10C-4D(受領番号:FERM AP-20530)及び4-5F-6F(受領番号:FERM AP-20531)からなる群から選ばれる少なくとも1種のハイブリドーマにより産生されたものであることを特徴とする請求項1記載の診断器具。
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