JP2002511277A - 多発性硬化症および他の脱髄性疾患の診断 - Google Patents

多発性硬化症および他の脱髄性疾患の診断

Info

Publication number
JP2002511277A
JP2002511277A JP2000543649A JP2000543649A JP2002511277A JP 2002511277 A JP2002511277 A JP 2002511277A JP 2000543649 A JP2000543649 A JP 2000543649A JP 2000543649 A JP2000543649 A JP 2000543649A JP 2002511277 A JP2002511277 A JP 2002511277A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
multiple sclerosis
seq
epitope
variant
subsequence
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000543649A
Other languages
English (en)
Inventor
トーヴェ・クリステンセン
ペルニレ・ディッシング・セレンセン
アンネ・メラー−ラーセン
ホルガー・チェルト・リーマン
スヴェン・ハーアー
Original Assignee
エムエス・リサーチ・アクティーゼルスカブ
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by エムエス・リサーチ・アクティーゼルスカブ filed Critical エムエス・リサーチ・アクティーゼルスカブ
Publication of JP2002511277A publication Critical patent/JP2002511277A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/005Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from viruses
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N2740/00Reverse transcribing RNA viruses
    • C12N2740/00011Details
    • C12N2740/10011Retroviridae
    • C12N2740/10022New viral proteins or individual genes, new structural or functional aspects of known viral proteins or genes

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Virology (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Gastroenterology & Hepatology (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 レトロウイルス粒子中、またはキャプシド封入されたビリオン様粒子中の、RGHウイルス由来配列番号1またはその部分配列または変異体の検出に基づいた、多発性硬化症(MS)を含む脱髄性疾患の診断の方法、MSを含むこのような疾患に罹患している患者のサブグループ化および/またはMSを含む脱髄性疾患の活性化の段階のモニタリングの方法、およびこのような配列、部分配列または変異体にハイブリダイズできるプローブを含む診断薬、配列、部分配列または変異体によりコードされるタンパク質またはペプチドのエピトープと反応する抗体および/またはこのような方法ためのエピトープを提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の分野 本発明は、脱髄性疾患、例えば多発性硬化症(MS)および慢性ミエロパシーの
診断のための方法に関し、配列番号1またはその部分配列または変異体を特異的
に認識する少なくとも一つのプローブを使用することによる、または核酸フラグ
メント(配列番号1)またはその部分配列または変異体を産生できる少なくとも一
つのプライマーを使用することによる、このような疾患に罹患している疑いのあ
る患者からのサンプル物質中のレトロウイルス粒子またはキャプシド封入された
ビリオン様粒子中のRGHウイルス核酸(配列番号1)または該ウイルスの部分配
列または変異体の存在の検出を含む。また、配列番号1またはその部分配列また
は変異体の存在の検出による、多発性硬化症の診断、サブグループ化またはモニ
タリングのための診断薬も提供する。本発明は更に配列番号1、または配列番号
1または該配列の部分配列または変異体によりコードされるタンパク質またはペ
プチドを含むウイルス粒子またはキャプシド封入されたビリオン様粒子のエピト
ープと特異的に反応する抗体の検出を含む、多発性硬化症の診断、サブグループ
化またはモニタリングの方法にも関する。
【0002】 該方法および診断薬とMSRVウイルスのような他のレトロウイルスの検出の
ための方法および診断薬の組合わせは本発明の範囲内である。
【0003】 一般的背景 数十年、MSの説明できない病因が医学の大きな科学的試みの一つとなってい
る。MSは中枢神経系に影響する脱髄性炎症性疾患である。MSが免疫介在であ
るというかなりの証拠はあるが、免疫応答の対象となる抗原または抗原群はまだ
同定されていない。MSは通常自己免疫疾患と見なされるが、数十年の集中的な
研究は問題の自己抗原を正確に指摘していない。MSの広範囲な疫学的研究は、
遺伝的因子と同様に、環境的作用因が関与し、もっとも可能性のあるのはウイル
スであることを明らかに示す。ウイルスは種々の方法で自己免疫疾患を開始し、
脱髄をもたらす免疫介在応答を直接誘発できる。MSはまた動物およびヒトで、
レトロウイルス介在神経学的疾患の臨床的および組織学的性質を共有する。
【0004】 現在、MS診断はまた困難である。Chargotが本疾患の特徴的臨床的および病
理的特徴を約100年前に認識して以来、MSの100%臨床的に確かな一致し
た陽性の単一試験は発見されていない。現在、MS診断は3つの基準を基本にす
る: −磁気共鳴スキャン(MRI)における損傷の出現 −髄液のIgG分析におけるオリゴクローナルバンドの出現 −多様式感覚誘発反応試験(EP)における脱髄の指標。
【0005】 近年、幾つかのグループが、とりわけ多発性硬化症の診断に使う、診断アッセ
イの開発のための研究を行っており、例えば、WO93/07259、WO95
/21256およびWO97/06260参照。しかし、これらの特許出願は、
臨床的使用で有用となる十分に高い感受性および特異性での診断的アッセイを提
供していない。
【0006】 このように、高い感受性および特異性の適度に単純で、直接の診断的アッセイ
が現在の状況で非常な改善である。
【0007】 発明の要約 したがって、本発明は第1の態様において、多発性硬化症を含む脱髄性疾患の
診断、多発性硬化症を含む脱髄性疾患の患者のサブグループ化、および/または
多発性硬化症を含む脱髄性疾患の段階または活性化のモニタリングの方法に関し
、本方法は、多発性硬化症を含む脱髄性疾患に罹患した疑いのある患者由来のサ
ンプルに存在するレトロウイルス粒子またはキャプシド封入されたビリオン様粒
子における、配列番号1またはその部分配列または変異体の検出を含む。本明細
書での使用において、“レトロウイルス粒子”および“キャプシド封入されたビ
リオン様粒子”なる表現は、本発明の方法および診断薬として有用なこのような
粒子の、任意の種類の核酸および/またはペプチド/タンパク質フラグメントを
含む。
【0008】 更なる態様において、本発明は、サンプル物質における、配列番号1またはそ
の部分配列または変異体の検出による多発性硬化症を含む脱髄性疾患の診断、サ
ブグループ化またはモニタリングのための診断薬に関し、診断薬は、配列番号1
または配列番号1の類似の部分と少なくとも80%の配列同一性を有するその部
分配列または変異体と特異的にハイブリダイズできるプローブを含む。
【0009】 また、多発性硬化症を含む脱髄生疾患に罹患している疑いのある患者由来のサ
ンプル物質中の、配列番号1またはその部分配列または変異体の検出による、多
発性硬化症を含む脱髄性疾患の診断、サブグループ化またはモニタリングのため
の診断薬を提供し、該薬は、そのヌクレオチド配列が配列番号1の類似の部分と
少なくとも80%の配列同一性を有する核酸フラグメントの産生ができる少なく
とも一つのプライマーを含み。
【0010】 本発明の更に別の態様において、配列番号1により、またはその部分配列また
は変異体によりコードされるタンパク質またはペプチドの存在の検出を含む多発
性硬化症を含む脱髄性疾患の診断、サブグループ化またはモニタリングの方法、
および配列番号1によりコードされるペプチド、または配列番号1を含む粒子、
または配列番号1または該配列の部分配列または変異体によりコードされるペプ
チドの検出によるは多発性硬化症の診断、サブグループ化またはモニタリングの
ための診断薬を提供し、該診断薬は配列番号1または該配列の部分配列または変
異体によりコードされるタンパク質またはペプチドのエピトープと特異的に反応
する抗体を含む。また配列番号1、または配列番号1によりまたは該配列の部分
配列または変異体によりコードされるペプチドを含むウイルス粒子のエピトープ
と特異的に反応する抗体の存在の検出を含む、多発性硬化症を含む脱髄性疾患の
診断、サブグループ化またはモニタリング法、および配列番号1、または配列番
号1によりまたは該配列の部分配列または変異体によりコードされるペプチドを
含むウイルス粒子のエピトープを含む診断薬を提供する。
【0011】 更に別の態様において、サンプル物質からレトロウイルス粒子またはキャプシ
ド封入されたビリオン様粒子を単離および/または精製する方法を提供し、本方
法はサンプル物質を、配列番号1またはその部分配列または変異体によりコード
されるタンパク質またはペプチドのエピトープと特異的に反応する抗体を接触さ
せることを含む。
【0012】 更に有用な態様において、本発明は診断薬としての本明細書のRGHウイルス
粒子またはキャプシド封入されたビリオン様粒子の単離および/または精製の使
用、医薬として使用するための本明細書のRGHウイルス粒子またはキャプシド
封入されたビリオン様粒子の単離および/または精製、および、例えば、ワクチ
ン接種による脱髄性疾患の処置または予防のための医薬の製造における、本明細
書の単離および/または精製RGHウイルス粒子またはキャプシド封入されたビ
リオン様粒子の使用に関する。
【0013】 発明の詳細な記載 本発明は、今日まで調査した多発性硬化症患者の大多数において、既知の内因
性レトロウイルスであるRGHに関連するヌクレオチド配列が、レトロウイルス
粒子またはキャプシド封入されたビリオン様粒子のサンプルで同定されていると
いう発見に基づく。注目すべきは、サンプリング時期に活動性疾患である全ての
MS患者はRGH−陽性であった。健康な血液ドナーまたは他の自己免疫疾患の
患者からの類似のサンプルにおいて類似配列は発見されていない。このウイルス
は、先にHirose et al., 1993により二つの変異体であるRGH−1(配列番号2
)およびRGH−2(配列番号1)として記載されているが、先には多発性硬化症
と関連付けされていない。実施例2に記載の実験で見られる配列は、RGH−2
と81%−95%同一である。本発明の範囲内に、RGH−2(配列番号2)の部
分配列および変異体もある。本明細書および請求の範囲でRGHに関する言及が
ある場合、その言及は、下記に記載および定義のように配列番号1の類似部分と
少なくとも80%の同一性の配列を有する全ての部分配列または変異体を含むこ
とを意味する。RGH−1はこのような変異体の例である。
【0014】 実験は、ビリオン様キャプシド封入されたRGH RNAのみを検出するため
に設計した。ビリオンに共充填されたRGH配列も検出し得る。このように、患
者がヒト免疫不全ウイルス(HIV)またはヒトT細胞白血病ウイルス(HILV)
のような他のレトロウイルスに感染しているなら、RGH配列は多発性硬化症の
存在の指標ではなく共充填され得る。このような検出RGH配列の起源が疑われ
る場合、問題の患者が実際に他のレトロウイルスに感染しているか、そしてRG
H配列が多発性硬化症に関する診断的徴候の代わりに共充填物の結果であり得る
かを更に試験する。本発明は、この点で有用な方法および診断薬を提供する。
【0015】 一つの態様において、本発明は多発性硬化症を含む脱髄性疾患の診断の方法に
関し、本方法は多発性硬化症のような脱髄性疾患に罹患していることが疑われる
患者からのサンプル物質に存在するレトロウイルス粒子またはキャプシド封入さ
れたウイルス様粒子、RGH核酸またはその部分配列または変異体の検出を含む
。本明細書の内容において、“サンプル物質”はレトロウイルス粒子またはキャ
プシド封入ビリオン様粒子を単離および精製し得る任意の組織または体液材料を
含み、ヘパリン処理、EDTA−処理またはクエン酸処理血液の無細胞血清サン
プルまたは血漿のサンプル、髄液およびヘパリン処理、EDTA−処理またはク
エン酸処理血液からの単核細胞のような細胞培養物の上清のサンプルを含むが、
これらに限定されない。レトロウイルス粒子は、例えば、サイズ、密度、電荷ま
たは特異的表面決定基に基づいて単離および/または精製できる。このような方
法の例は、自己形成Optiprep勾配のような勾配媒体中の遠心または抗体ベースの
親和性単離または精製法である。
【0016】 本明細書での使用において、“診断する”なる用語は、多発性硬化症のような
脱髄性疾患の診断が、単にレトロウイルス粒子またはキャプシド封入されたウイ
ルス様粒子中の配列番号1またはその部分配列または変異体の存在に基づくこと
ができることを意味する絶対的な用語を意味するのではなく、このような配列の
存在または不存在が疾病の他の徴候を補い、それにより本発明の方法により診断
できる多発性硬化症または他の脱髄性疾患の診断の助けとなることを意味する。
実施例2の結果に基づき、陽性結果が多発性硬化症の個人を非常に示すように見
える。実際、現在の結果は、100%の特異性を示し、一方診断感受性は24/
33=72.7%である。慣用的分析として行うとき、本発明の方法の診断特異
性は80%から100%の間となり、50%から100%、例えば66%から9
0%、例えば75%−80%の診断感受性となることが考慮される。本発明は、
したがって、その最も広い態様において、50%から100%、例えば66%か
ら90%、例えば75%−80%の範囲の診断感受性を有する多発性硬化症の診
断法に関する。
【0017】 一般に、本方法は、多発性硬化症を含む脱髄性疾患を有することが疑われる個
人由来の血漿、血清、髄液または他の体サンプルで、類似の症状の他の疾患に対
する示差診断の助けのために行う。しかし、また多発性硬化症または他の脱髄性
疾患を有することが疑われていない個人からのサンプルでも、即ち、疫学的試験
のために行い得る。見かけ上非MS個人からのサンプルが陽性となり得る可能性
もある。このような結果は、後に多発性硬化症を発症し得る個人の指標または他
のレトロウイルスに感染し、RGH配列の存在は共充填の結果である個人の指標
であるようである。しかし、このような結果が診断特異性が100%でないこと
を示す真の偽陽性を含み得ることは除外できない。少なくとも、この方法は本発
明の範囲内である。
【0018】 陰性試験結果の多発性硬化症または他の脱髄性疾患に罹患している患者の下位
集団が陽性結果の下位集団と異なる疾患の共通病理学的原因を有する下位集団を
示す可能性があり、これらの二つの下位集団が種々の処置の効果の差異を示すお
よび/または異なる予後を示す可能性があるため、異なる医薬処置をすべきであ
ることを示し得る。したがって、多発性硬化症患者で、彼または彼女がRGH陽
性またはRGH陰性であるかを決定することは医学的関心事であり得る。したが
って、本発明は更なる態様において、上記のように単離または精製されたレトロ
ウイルス粒子またはキャプシド封入ビリオン様粒子中の配列番号1またはその部
分配列または変異体の存在を検出することを含む、多発性硬化症の患者をサブグ
ループ化する方法に関する。
【0019】 “部分配列”なる用語は、少なくとも100、150、200、300または
400ヌクレオチドを含む配列を意味する。“変異体”なる用語は、配列番号1
と同一ではないが、少なくとも80%、85%、90%、95%、98%、99
%または99.5%の配列同一性の配列を意味する。これらの二つの用語は、合
わせ得、即ち、本発明は少なくとも100、150、200、300または40
0ヌクレオチドの配列番号1の配列と少なくとも80%の配列同一性を有する配
列1の変異体の検出を含む。RGHに最も独得であるRGH配列の領域は、gag
、polおよびenv領域および配列番号1のヌクレオチド500から8214を含む
gagとpolの間およびpolとenvの間の介在配列である。
【0020】 本明細書での使用において、“配列同一性”は配列が配列番号1の類似部分と
匹敵することを示す。配列の最も可能性のある配置を作り、次いで同一性の程度
を計算する。ギャップ重量(50)、長さ重量(3)、平均マッチ10,000、平
均ミスマッチ(−9,000)に関するプログラムBestfitで提案されるデフォルト
を使用するGCG、Wiconson Package, Version 9.1, Genetics Computer Group
(GCG), 575 Science Drive, Madison, Wiconsin, USA 53711のようなコンピュ
ータープログラムは、この点で有用であり得る。RGHのDNA配列変異体は、
配列番号1の類似部分と少なくとも80%配列同一性を有すると定義される。
【0021】 本明細書で“ヌクレオチド”なる用語を使用した場合、これはDNAおよびR
NAならびにDNAとRNAの組合わせ、PNA、およびPNAとDNAまたは
RNAの組合わせを含み、WO97/06260の記載と類似の態様である。
【0022】 アミノ酸配列同一性の計算は、好ましくは成熟タンパク質またはペプチドの配
列に基づき、即ち、可能性のあるリーダー配列またはアミノ酸のリン酸化または
糖付加のような修飾を考慮にいれない。配列同一性の定義は、ヌクレオチドに関
して上記の通りであり、配列同一性の好ましい範囲は同様である。好ましくは、
ペプチドの長さは7から100アミノ酸、例えば、10から30アミノ酸の範囲
である。
【0023】 配列番号1、その部分配列または変異体の存在は、配列番号1またはその部分
配列または変異体を特異的に認識する少なくとも一つのプローブの使用により、
または核酸フラグメント(配列番号1)またはその部分配列または変異体を産生で
きる少なくとも一つのプライマーにより検出し得る。このようなプローブまたは
プライマーの設計は、当分野で既知であり、Dieffenbach et al., 1993参照。
【0024】 プライマーまたはプローブとして有用な適当なオリゴヌクレオチドは、例えば
、OLIGO(Rychlik and Rhoads, 1989)の助けを借りて、および配列番号1または
その部分配列または変異体と選択したオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーシ
ョンを導くであろうハイブリダイゼーション条件により、RGH配列を基本に選
択する。オリゴヌクレオチドは、通常6−100bp、例えば10−30bpの
長さを有する。
【0025】 逆転写PCT(RT-PCR)のような核酸増幅後、増幅生産物を、例えばゲル電気泳
動により同定し、生産物の特性を、例えば、ジデオキシ配列決定により確認し、
生産物が配列番号1の類似部分と少なくとも80%、例えば、85%、90%、
95%、98%、99%または99.5%の配列同一性を有することを確認する
。核酸増幅の別法はリガーゼ連鎖反応(LCR)または核酸配列ベースの増幅(N
ASA)(Barany, 1991; Romano et al., 1997)である。
【0026】 配列がRGHと殆ど同一であるようなら、長いプローブへのハイブリダイゼー
ションが十分であり、または増幅生産物の特異性を、増幅生産物の予期される配
列内に部位を有することが既知の制限酵素の選択による消化、続く、例えば、ア
ガロースまたはアクリルアミドゲル電気泳動により確認する。
【0027】 このような最初の確認法の後、配列番号1またはその部分配列または変異体を
選択ハイブリダイゼーション条件下で特異的に認識するプライマーは、本発明の
方法に有用であると見なされる。有用なプローブまたはプライマーの例は、本明
細書に記載のような配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番
号9、配列番号10ならびにHirose et al., 1993に記載のプライマーである。
【0028】 本発明は、これらに限定されないが、現在好ましいのは、プライマーまたはプ
ローブが少なくとも20ヌクレオチド長であり、配列番号1の類似領域と少なく
とも90%同一であり、ハイブリダイゼーション条件が実施例1に記載のもので
ある。
【0029】 本発明の範囲内は、サンプル物質中の、配列番号1またはその部分配列または
変異体の存在の検出による、多発性硬化症または他の脱髄性疾患の診断、サブグ
ループ化またはモニタリングのための診断薬であり、配列番号1またはその部分
配列または変異体と特異的にハイブリダイズできるプローブ、または核酸フラグ
メント(配列番号1)またはその部分配列または変異体を産生できる少なくとも一
つのプライマーを含む。“診断薬”なる用語は、場合によりヌクレオチド配列、
エピトープ、タンパク質、ペプチドまたは抗体の存在を検出するための手段を意
味する。種々の異なる種類の診断薬に関する原理およびより特異的な詳細は、診
断薬製造の分野の技術者には既知である。
【0030】 一般に、ヌクレオチド配列、エピトープ、ペプチドまたは抗体は、下記のよう
に担体または支持体に結合し、例えば、核酸配列またはエピトープに結合したサ
ンプルからの抗体は、第1結合抗体に結合でき、下記のような標識を備える第2
抗体を使用して検出できる。
【0031】 標識として使用する物質は、それ自体検出可能であるか、他の物質と反応して
検出可能な産物を産生し得る物質から選択し得る。このように、標識は放射性同
位元素、酵素、クロモフォア、蛍光または化学ルミネッセンス物質および錯化剤
から選択し得る。
【0032】 標識として有用な酵素は、β−ガラクトシダーゼ、ウレアーゼ、グルコースオ
キシダーゼ、炭酸脱水酵素、ペルオキシダーゼ(例えば、西洋わさびペルオキシ
ダーゼ)、ホスファターゼ(例えば、アルカリまたは酸ホスファターゼ)、グルコ
ース−6−ホスフェートデヒドロゲナーゼおよびリボヌクレアーゼである。
【0033】 酵素はそれ自体検出可能ではなく、最終産物が検出可能である反応を触媒する
ために基質と組合わせなければならない。このように、着色、蛍光、または化学
ルミネッセント生産物、色変化または色、蛍光または化学ルミネッセントの強度
の変化をもたらす基質を反応混合物に添加し得る。本方法で上記の酵素の基質と
して有用な基質の例は、H22、p−ニトロフェニルホスフェート、ラクトース
、尿素、β−D−グルコース、CO2、RNA、澱粉またはリンゴ酸である。基
質は、例えば、ドナーまたはアクセプターであるクロモフォアと組合わせ得る。
本発明で使用する、成分の検出のための標識として使用し得る蛍光物質は、4−
メチルウンベリフェリルホスフェート、4−メチルウンベリフェリル−D−ガラ
クトピラノシド、および3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸であり得る
。これらの物質は、蛍光分光光度計の手段で検出し得る。化学ルミネッセンス物
質は、ペルオキシダーゼ/エオシン/EDTA、イソルミノール/EDTA/H 22およびその基質であり得る。
【0034】 クロモフォアはo−フェニレンジアミンまたは類似化合物であり得る。これら
の物質は、分光光度計の手段で検出し得る。 放射性同位体は検出可能であり、実験室で許容可能な同位体、例えば、125
131I、3H、32P、35Sまたは14Cである。放射性同位体は、ガンマカウンタ
ーまたはシンチレーションカウンターで、またはオートラジオグラフィー、続く
デンシトメトリーにより測定し得る。
【0035】 錯化剤は、プロテインA、プロテインG(免疫グロブリンと錯体を形成する)、
ビオチン(アビジンおよびストレプトアビジンと錯体を形成する)、およびレクチ
ン(炭水化物決定基、例えばレセプターと錯体を形成する)であり得る。この場合
、錯体はそれ自体直接検出可能ではなく、錯化剤が錯体を形成する物質の標識が
必要である。マーキングは、上記の標識物質で行い得る。
【0036】 上記のように、このタイプの診断薬は、通常、担体または支持体に結合したヌ
クレオチド配列またはエピトープを含み、適当な洗浄または他の適当な処置を、
結合したヌクレオチド配列またはエピトープの相当の損失の危険性なしに行い得
る。担体または支持体は通常固体であり、ヌクレオチド配列またはエピトープは
、担体または支持体に、水素結合、疎水性結合、ファンデルヴァールス力、共有
結合等の適当な結合の形態で結合し得る。
【0037】 本発明の態様において、本発明のヌクレオチド配列またはエピトープは、固体
支持体に架橋化合物または“リンカー”を介して直接結合し得る。固体支持体と
ヌクレオチド配列またはエピトープを結合させるように設計されたリンカーは、
ヒドラジド、プロテインA、グルタールアルデヒド、カルボジイミドまたはリジ
ンであり得る。
【0038】 用いる固体支持体は、例えば、ポリマーであり、またはそれはポリマーでコー
トされたマトリックスであり得る。マトリックスは、適当な固体物質、例えば、
ガラス、紙またはプラスチックであり得る。ポリマーはプラスチック、特殊処理
紙、ニトロセルロース紙または臭化シアン活性化紙のようなセルロース、シリコ
ン、シリカ、またはアガロースまたはデキストランのようなポリサッカライドで
あり得る。適当なプラスチックの例は、ラテックス、ポリスチレン、ポリビニル
クロライド、ポリウレタン、ポリアクリルアミド、ポリビニルアセテートおよび
それらの適当なコポリマーである。シリコンポリマーの例は、シロキサンを含む
【0039】 固体支持体は、トレイ、マイクロタイタープレートのようなプレート、例えば
、薄層、または好ましくは、小板、フィルム、糸、ビーズのような固体粒子の形
であり得、プロテインAコートした細菌または紙を含む。
【0040】 更なる態様において、本発明は上記のような抗体、好ましくはモノクローナル
抗体を含む診断薬に関する。診断薬は、担体または支持体に結合した抗体を含み
得る。あるいは、診断薬は容器中に上記で定義の抗体を含む試験キットの形であ
り得る。診断薬は、血液サンプルまたは髄液のサンプルのような体液のサンプル
を、上記の抗体を含む診断薬に接触させ、サンプルからの抗体に結合するヌクレ
オチド配列またはエピトープの存在を測定することを含む、多発性硬化症の診断
に使用し得る。所望により、サンプルは適当な手段で、診断薬と接触させる前に
精製し、生物学的サンプル中に存在するヌクレオチド配列またはエピトープの相
対的量を増加させ得る。
【0041】 診断薬は、本発明の抗体が結合する固体粒子が、試験に付す血清サンプル中の
本発明のヌクレオチド配列またはエピトープの存在下に凝集する凝集アッセイに
使用するために適したものであり得る。このタイプの試験では、抗体の標識は必
要ない。殆どの使用のために、しかし、抗体が担体または支持体に、例えば、ヌ
クレオチド配列またはエピトープをベースにした診断薬に関連して上記の方法を
使用して結合しているのが好ましく、サンプルからのヌクレオチド配列またはエ
ピトープの診断薬への結合は、このように結合したヌクレオチド配列またはエピ
トープに結合できる二次抗体の使用により検出し、二次抗体は結合二次抗体の検
出のための標識を備えて提供される。標識として使用する物質は、それ自体検出
可能であるか、他の物質と反応して検出可能な生産物を産生し得る任意の物質か
ら選択し得る。このように、標識は放射性同位体、酵素、クロモフォア、蛍光ま
たは化学ルミネッセンス物質、および錯化剤から選択し得、その全て上記に非常
に詳細に記載している。
【0042】 本発明の一つの態様において、診断薬に使用するのが好ましい抗体は、一般に
アッセイの高い正確さおよび精度を提供し、同時に実施に必要な時間が短い可能
性があるため、モノクローナル抗体である。更に、2個またはそれ以上の異なる
モノクローナル抗体の混合物を、試験の検出限界および感受性を増加し得るため
、用い得る。モノクローナル抗体は、下記の方法で得られ得る。ポリクローナル
抗体のような高い親和力を有する抗体は、キャッチング法のために選択し得る。
【0043】 本方法で使用する抗体は、好ましくは本発明のアッセイの正確さおよび/また
は精度を改善するために、当分野で既知の適当な方法で精製した実質的に純粋な
形である。
【0044】 本発明は、該診断薬に有用な新規プローブおよびプライマー、例えば、上記の
ように少なくとも100bpの長さを有する長いプローブも含む。診断または類
似の目的で使用するとき、プローブは、通常、例えば、放射性同位体、ペルオキ
シダーゼまたはアルカリホスファターゼのような手段でマークするか、または他
の手段で検出可能である。
【0045】 多発性硬化症の患者の血清中のビリオン関連MSRV−RNAの検出は、近年
、Garson et al., 1998に公開されている。この論文では、MSRVそれ自体が
内因性が外来性か現在未知であることを示す。本発明は、具体的な理論に縛られ
ることを望まないが、多様なレトロウイルス、例えば、RGHおよびMSRVウ
イルスが多発性硬化症患者に同時にまたは連続的に存在し得る可能性はある。一
つの可能性は、内因性レトロウイルスの一般的な活性化が疾患過程でおこり、他
方、MSRVはRGHウイルスの活性化を刺激するか、RGHがMSRVウイル
スの活性化を刺激することである。
【0046】 このように、RGHウイルスおよびMSRVウイルスが同時に存在し得、これ
はとりわけ、試験の診断特異性および感受性の増加の手段を示す。更に、両方の
ウイルスの存在に関する同じサンプルの試験は、これらのウイルスの病原の更な
る研究の手段を示す。全体的な活性化が起こった場合、両方のレトロウイルス材
料が検出可能に十分な量で存在する限り、全ての患者は実質的に同時に両方のレ
トロウイルスに陽性であるようである。結果として、これらの状況下で、試験の
診断感受性は、両方のウイルスを調べる場合、増加する。
【0047】 他方、MSRVがRGHの活性化を刺激する場合、MSRVウイルスに関して
陽性であるある患者が、最初の調査ではRGHウイルスが陰性であるが、時間を
変えた後の時点では、RGHウイルスが陽性であるようである。また、RGHウ
イルスが陽性の試験したある患者は、MSRVウイルスが陰性であり、このウイ
ルスがもはや検出可能な量で存在しないことを示す。このような発見は、疾患過
程の進行の段階の確立に、また個々の患者にすべき医学的処置の種類の決定およ
び/または個々の患者の予後の決定に関しても有用であり得る。現在の結果に基
づいて、配列番号1またはその部分配列または変異体の存在は、疾病の活動段階
を示すと考えられる。RGHがMSRVウイルスの活性化を刺激すると考えられ
る場合も、同じことが当て嵌まると考えられる。
【0048】 更なる態様において、本発明は多発性硬化症または他の脱髄性疾患の段階のモ
ニタリング法に関し、本方法は、多発性硬化症または他の脱髄性疾患に罹患して
いる患者由来のサンプル物質に存在するレトロウイルス粒子またはキャプシド封
入されたビリオン様粒子中の配列番号1またはその部分配列または変異体の存在
の検出を含む。
【0049】 更に、レトロウイルス粒子、例えば、上記のように、無細胞血漿から、例えば
、親和性精製の手段で、単離または精製された粒子中の、HIV、HTLV、M
SRVまたはHERVウイルスのような1種またはそれ以上の非−RGHレトロ
ウイルス、または該レトロウイルスの部分配列または変異体の存在の検出を含む
、配列番号1またはその部分配列または変異体の検出法は本発明の範囲内である
。本方法はまた多発性硬化症を含む脱髄性疾患の患者のサブグループ化またはモ
ニタリングに有用であり得る。
【0050】 本発明の一つの態様は、個々のプローブのセットが各々HIV、HTLV、M
SRVまたは他のレトロウイルスのような一つの他のレトロウイルスと特異的に
ハイブリダイズできるか、または個々のプライマーのセットが、HIV、HTL
V、MSRVまたは他のレトロウイルスをコードする配列の核酸フラグメントま
たはその部分配列またはその変異体を産生できる、プライマーまたはプローブの
更なるセットを含む、上記の診断薬を提供する。このようなプライマーおよびプ
ローブの例は、当分野で既知である。
【0051】 好ましい態様は、MSRVウイルスを検出する方法であり、該方法はMSRV
ウイルスまたはその部分配列またはその変異体を特異的に認識する少なくとも一
つのプローブ、またはMSRV核酸フラグメントまたはその部分配列またはその
変異体を産生できるプライマーの使用により達成される。“部分配列”および“
変異体”なる用語は、RGHに関して上記に概説の通り定義する。
【0052】 プローブおよびプライマーの産生およびMSRVウイルスの検出のための特異
的プローブおよびプライマーの産生に有用であり得る多くの異なるMSRVウイ
ルス配列が、本明細書に引用して包含させるWO97/06260に記載されて
いる。MSRVウイルスに感染したおよび/またはMSRVウイルスが復活して
いる、少なくともある患者からのレトロウイルス粒子に存在する有用な配列は、
配列番号1、配列番号40、配列番号46、配列番号51、配列番号52、配列
番号53、配列番号56、配列番号57、配列番号58、配列番号59、配列番
号60、配列番号61、配列番号62、配列番号88、配列番号89に定義の配
列、MSRVの遺伝子pol、MSRBの遺伝子env、MSRVの遺伝子gagの配列
、およびWO97/06260の請求項13、パラグラフ(d)−(g)に定義の配
列と、部分的または完全に同一、または同等な配列を有するヌクレオチドからな
る群から選択し得る。
【0053】 RGHヌクレオチド配列が共充填現象にない状況下で、配列は少なくとも1個
のタンパク質またはペプチドをコードするようである。これらの場合、当業者に
既知の慣用法により、このようなタンパク質またはペプチドと特異的に結合する
抗体を個体に惹起させるか、または動物内で産生させ得る。このようなRGH−
コード抗原に対して惹起させたモノクローナルおよびポリクローナル抗体は本発
明の範囲内である。血漿中の配列番号1または該配列の部分配列または変異体に
よりコードされるタンパク質またはペプチドの検出が、例えば、このようなタン
パク質またはペプチドのエピトープと特異的に反応する抗体の手段により可能で
あり得る。配列番号1、または該配列の部分配列または変異体によりコードされ
るペプチド、このようなペプチドに特異的に反応する抗体およびこのような血漿
中のペプチドの検出法およびこのような抗体を含む診断薬は本発明の範囲内であ
る。
【0054】 血漿サンプル由来の配列番号1または該配列の部分配列または変異体によりコ
ードされるタンパク質またはペプチドの精製は、精製の有用な手段であり得る。
精製に有用であり得る方法の例は:(i)抗体との免疫沈降または親和性クロマト
グラフィー、(ii)適当なリガンドとの親和性クロマトグラフィー、(iii)ゲル濾
過、イオン交換、または梗塞液体クロマトグラフィーのような他のクロマトグラ
フィー法、または上記からの派生法、(iv)ポリアクリルアミドゲル電気泳動、変
性ポリアクリルアミドゲル電気泳動、アガロースゲル電気泳動および等電点電気
泳動のような電気泳動法、(v)他の特異的可溶化および/または精製法を含む
【0055】 本発明は、更に、多発性硬化症または他の脱髄性疾患の診断、サブグループ化
またはモニタリング法に関し、本方法は配列番号1または該配列の部分配列また
は変異体によりコードされる1個またはそれ以上のエピトープと特異的に反応す
る抗体の存在の検出を含む。多発性硬化症の診断に有用であること以外に、例え
ば、増加した抗体力価の存在は、処置または予後に関する密接な関係を有し得る
疾患過程の活性化または復活の指標であり得る。
【0056】 RGHの可能性のあるタンパク質配列は、Hirose et al., 1993から既知であ
る。レトロウイルス粒子中のRGHヌクレオチド配列の存在の診断的徴候に基づ
いて、血漿または血清サンプル中、または髄液中の、配列番号1により、または
該配列の部分配列または変異体によりコードされる1個またはそれ以上のタンパ
ク質のエピトープと特異的に反応する抗体の検出も可能であり、それにより多発
性硬化症の診断、サブグループ化またはモニタリングを提供し、または助ける。
【0057】 配列番号1または該配列の部分配列または変異体によりコードされるタンパク
質またはペプチドのエピトープは、当分野で既知の方法により推測し得、WO9
7/06260参照。エピトープは配列番号1、またはその部分配列または変異
体によりコードされるタンパク質またはペプチドの連続配列を含み得、またはよ
り空間的な立体配置で存在するエピトープであり得、例えば、タンパク質または
ペプチドの配列の直鎖状外形とある距離離れて位置するアミノ酸を含む。それら
が種々の方法で、例えば、糖付加により修飾されているとするならば、エピトー
プは − 完全にまたは部分的に − 1個またはそれ以上のアミノ酸に関連す
る化合物を含み得る。エピトープを含むペプチドは、例えば、慣用のメリフィー
ルド合成法により合成でき、コートし得、または適当な担体に結合し得、配列番
号1によりコードされるペプチドのエピトープに対する抗体の検出に有用な診断
薬を提供する。配列番号1または該配列の部分配列または変異体によりコードさ
れるペプチドのエピトープと特異的に反応する抗体の検出の実験は、実施例4に
概説する。
【0058】 本発明の範囲内は、診断用の診断試薬であり、配列番号1または当該配列のそ
の部分配列もしくはその変異体、同様に、HIV、HTLV、MSRVまたはH
ERVのウイルスエピトープのような1つまたはそれ以上の他のレトロウイルス
由来のエピトープを更に含む当該診断薬によりコード化されるタンパク質または
ペプチドのエピトープと特異的に反応する抗体の検出により、多発性硬化症また
は任意の他の脱髄性疾患をサブグループ化またはモニタリングする。
【0059】 MSRVウイルスにより感染した患者の少なくとも幾らかの血清により認識さ
れる有用なエピトープおよび/またはMSRVウイルスが反応する有用なエピト
ープは、MSRVまたはその部分配列もしくはその変異体中に見られる任意のオ
ープンリーディングフレームによりコード化されるペプチドからなるグループか
ら選択され得る。そのペプチドの例として、同一の配列、部分的に同一の配列、
もしくは全体的に同一の配列、またはWO97/06260中の配列番号39、
配列番号41から配列番号44、配列番号63および配列番号87で定義される
配列と同等である配列を有する。
【0060】 RGHタンパク質またはペプチド由来のエピトープと特異的に反応する抗体お
よび少なくとも1つの他のレトロウイルス由来のペプチドのエピトープと特異的
に反応する抗体の存在下における組合せ試験により、プローブまたはプライマー
を含む診断薬に関し上記概略するように、多発性硬化症または他の脱髄性疾患の
診断、疾患段階、医療的処置選択の決定および患者の予後の決定に有用となる追
加情報が提供され得る。更に、例えば、MSRVに対する抗体力価の増加により
、処置または予後に関する関係を有する疾患プロセスの活性化または再活性化が
示唆され得る。
【0061】 単離および/または精製RGHウイルス粒子が、本明細書に記載の目的の診断
薬として有用であると想像できる。それゆえ、本発明の興味の惹かれる態様では
、診断薬としての当該粒子の使用が提供される。
【0062】 更に、本発明の単離および/または精製RGHウイルス粒子の、想像し得る使
用には、例えば、多発性硬化症を含む脱髄性疾患の処置または防止のための薬剤
としての使用、または当該疾患の処置のための薬剤の製造における使用がある。
【0063】 本発明は、更に以下に解説するが、これらの実施例に限定するものではない。
【0064】 実施例1 MS患者由来の末梢血液のRGH産生細胞系の樹立 以下において、数人のMS患者由来の末梢血液単核細胞から自然に形成された
B-リンパ芽球状細胞系にから生ずるレトロウイルスとしてのヒト内在性レトロ
ウイルスRGHの変異体を解説する。
【0065】 MS患者由来の末梢血液単核細胞から自然に形成されたB-リンパ芽球状細胞
系は、Epstein-Barrウイルス(EBV)タンパク質の発現、そして時折は成熟EB
V粒子の発現に加えてC型のレトロウイルス様粒子を生ずる(Sommerlund et al.
, 1993; Munch et al., 1995)。
【0066】 レトロウイルス粒子は逆転写酵素活性を有し、HTLV-1を有する数種の抗
原決定基に分けられるが、抗原性レベルの既知レトロウイルスとは性質が異なる
(Christensen et al., 1997)。B-リンパ芽球状細胞系は、MS患者由来の静脈
血から樹立された。表1で示した細胞系が、長期間の培養後に自然に生じた。M
S患者は、Neurology Dept., Aarhus University Hospital; the Dermatology D
ept., Marselisborg Hospital, Aarhus; the MS Hospital in Ry or the Dept.
of Internal Medicine, Middelfart Hospital(すべてデンマーク)の患者である
。すべての血液サンプルは、インフォームド・コンセントを得て採取された。血
液サンプルは、150 u.s.p.u. ヘパリンナトリウム(Meda, Denmark)を含むVenoje
ct VT100Hチューブに血液を採取することにより得られた。ヘパリン化した血液
をFicoll-Isopaque密度勾配遠心分離した。長期間の培養を行うため、自然に形
質転換された細胞系、単核細胞を単離し、20×106細胞/5mlで接種し、F
alcon Primariaボトル中に200 i.u./ml ペニシリン(Leo)、0.2mg/ml ストレプト
マイシン(Rosco)、290mg/ml グルタミン(Sigma)、10mM HEPES(Bioproduct)
および10%の加熱不活性化ヒト血清(Skejby Hospital, Denmarkの血液バンク
から得た血清プール)を添加したRPMI1640(Seromed)中で培養した。初期
期間後、当該細胞を、密度0.5×105細胞/mlで1週間に3回継代培養し
た。細胞系は、(2月を超える)長期間の培養後、自然に生じ、連続的に増殖する
。樹立細胞系に、ヒトの血清の代わりに10%の加熱不活性化胎児ウシ血清(Whi
taker)を添加した。ヒト起源の系は、RFLPマッピングおよびHLA-DQb
タイピングにより、確認された。細胞系は、マイコプラズマ汚染の試験がされ、
繰り返し行う分析(標準的なHoechst染色)により陰性であることが判明した。
【表1】 表1
【0067】 MS患者から樹立されたB-リンパ芽球状化細胞系におけるレトロウイルス粒子
中のRGH変異体の発現 数人のMS患者由来の末梢性血液単核細胞から自然に形成されたB-リンパ芽
球状細胞系により生ずるレトロウイルスは、レトロウイルス粒子の濃度および精
製、レトロウイルス粒子内のゲノムRNAの単離、鋳型としてゲノムRNAを用
いるRT-PCRならびに得られたアンプリコンの部分配列決定により、核酸レ
ベルで同定し得る。レトロウイルス粒子は、自己形成するOptiprep勾配
の超遠心分離により細胞系の上清から精製した。
【0068】 1.3−2リッターの懸濁培養液を4℃30分間2500×gで遠心分離した
。細胞のない上清を吸引し、60mlチューブ内のNaCl/Hepes(Nycom
ed)中の50%Optiprep 4mlの緩衝剤上に層状に重ね、4℃で2時間
45,000×g(Beckmann ultracentrifuge)で超遠心分離した。Optipr
epは、ヨード化された、非イオン性密度勾配培地(Nycomed Pharma, Norway)で
あり、シュクロースと対照的に未処理レトロウイルス粒子を維持する。
【0069】 緩衝剤および隣接する重層レトロウイルス含有培地を混合し、0.45μmフ
ィルター(Acrodisc 32, Gelman Sciences)で濾過し、任意の細胞性破砕物を除去
し、20%Optiprepに調節し、Beckmann NVTiローター内の11.2m
l Optiseal(Beckmann)チューブ中で、364,000×gで3.5時
間遠心分離した。400-500μl画分(12滴)を遠心分離後回収した。RN
Aを、RT活性を含む5-6画分から精製した。ポリA RNAを精製した。その
精製は、これら画分のちょうど5倍体積の溶解結合緩衝液(Dynal, Norway)中に
溶解し、ビーズ/サンプル(mRNA Direct kit, Dynal, Norway)100μlを加え
、製造者説明書に従うことにより行った。直接使用しないならば、RNA結合ビ
ーズは、80%EtOH中に−80℃で保存した。使用前、各RNAサンプルを
、製造者説明書に従い、最終体積20μl中、増幅グレードのDNAse(Life
Technologies)で処理した。氷上で冷却後、当該緩衝液を、DEPC処置ddH2 O 10μlと置換し、アリコート2μlを各cDNA合成に使用した。
【0070】 上記のように細胞培養の上清から単離したレトロウイルスRNAの鋳型におい
てRT-PCRを用い、クローニングしたアンプリコンの部分配列決定と共に、
RGHに相同性のある幾つかの断片を、表1(MS1533、MS1844、M
S1845およびMS1851)に示す細胞系により生ずるレトロウイルス粒子
において同定した(Hirose et al., 1993)。
【0071】 RT-PCRを、GeneAmp RNA PCRキット(Perkin Elmer)を用い、製造者の示唆
に従い、行った。但し、反応あたり1ユニットのTaqポリメラーゼを用いるこ
とを除く。すべての関連する対象を含めた。第一鎖cDNA合成は、ビーズ-オ
リゴ-dT複合化したRNA鋳型と共に、ランダムヘキサマーでプライムした。
【0072】 gagおよびenvのPCR増幅用のプライマー群は以下の通り。
【化1】
【0073】 全反応は、PerkinElmer DNA Thermocyclerで行った。第一鎖合成の条件は、室
温で5分間、42℃で45分、そして、95℃で5分間であり、その後、4℃に
冷却する。PCR:95℃で2分間1サイクル行い、その後、45/50サイク
ルを上記のようなアニーリング温度:94℃で1分間、2分間のアニーリング、
10秒の伸張を含めて72℃で3分間行う。この後、72℃で7分間最終伸張す
る。PCR産物はアガロースゲル電気泳動により分析し、各産物をSureClone Li
gationキット(Pharmacia)を用いpUCにクローニングし、自動シーケンサー(AB
I377)においてABI Prismキット(Applied Biosystems)を用い配列決定した。
【0074】 各産物の5-30クローンを各陽性RT-PCRで分析した。クローンを両方向
から配列決定し、RGH-2の変異体を発見した。
【0075】 実施例2 MS患者由来の末梢血液中におけるレトロウイルス粒子のRGH変異体の発現 MS患者の末梢血液単核細胞由来の、自然に形成されるB-リンパ芽球状細胞
系により生ずるレトロウイルスもまた、臨床サンプル、すなわち、大部分のMS
患者由来の末梢血液において、血漿または血清画分中のレトロウイルス粒子の濃
度および純度、レトロウイルス粒子のゲノムRNAの単離、鋳型としてのゲノム
RNAに用いるRT-PCR、および得られたアンプリコンの部分配列決定によ
り、核酸レベルで同定され得る。
【0076】 粒子レベルのRGH配列変異体は、臨床的試料、すなわち、MS患者の血液サ
ンプル、自己免疫疾患を有する患者、および健常者対照由来の血液サンプルにお
いてRT-PCR分析を実施することにより、インビボでMSに付随すると証明
された。血漿から単離した粒子から抽出したRNAを、クローニングしたアプリ
コンを部分配列決定するRT-PCRにより検定した。
【0077】 全血液サンプルを、健常者志願者、またはNeurology Dept., Aarhus Universi
ty Hospital; the Dermatology Dept., Marselisborg Hospital, Aarhus; the M
S Hospital in Ry; またはthe Dept. of Internal Medicine, Middelfart Hospi
tal(すべてデンマーク)の患者のいずれかからインフォームド・コンセントと共
に、得た。血液サンプルを、各診療所において、CPD-アデニン溶液(Meda, De
nmark)1.4mlを含むVT-100SCPDA Venojectチューブ中に吸引し、吸引後すぐ
に手により輸送した。核酸からの汚染を避けるために、当該サンプルは、全く凍
結融解の手順なしに処理される(標準的分離より得られた血漿は、完全な細胞-フ
リーではなく、凍結-融解は、残存細胞を破壊し、細胞内核酸を放出する)。
【0078】 全サンプルを発明者の研究所で処理した。細胞-および破砕物-フリー血漿サン
プルをクエン酸血液サンプルから得た(血液40ml→約血漿10ml)。室温で
15分間、500×gの遠心分離による初期分離後、血漿を吸引し、4℃、30
分間、1000×gの更なる遠心分離により、残存細胞をペレットとした。細胞
フリー血漿を吸引し、サンプルを50%Optiprep上に層状に重ね、実施
例1に記載のように超遠心分離し、濾過した。レトロウイルス/Optipre
p混合物を溶解結合緩衝液(Dynal, Norway)の5倍体積中で直接溶解し、ポリ-A
RNAを実施例1記載のようにmRNA-Directキット(Dynal, Norway)を用い50
lのビーズ/サンプルにおいて精製した。
【0079】 直接使用しない場合、RNA結合ビーズを80%EtOH中−80℃で保存し
た。使用前、各RNAサンプルを、製造者説明書に従い、最終体積20μl中、
増幅グレードのDNAse(Life Technologies)で処理した。氷上で冷却後、当
該緩衝液を、DEPC処置ddH2O 10μlと置換し、アリコート2μlを各
cDNA合成に使用した。
【0080】 RT-PCR条件は、実施例1のRT-PCRに記載の通りである。PCR産物
はアガロースゲル電気泳動で分析し、各産物をSureClone Ligationキット(Pharm
acia)を用いpUCにクローニングし、自動シーケンサー(ABI377)においてABI P
rismキット(Applied Biosystems)を用い配列決定した。各産物の5-30クロー
ンを各陽性RT-PCRで分析した。研究に含まれる患者の特徴を含む分析結果
を表2に示す。
【0081】 そのため、粒子におけるRGH配列変異体は、33MS患者のうちの24から
の細胞-フリー血漿サンプルにおいて証明された。当該配列は、自己免疫疾患の
患者由来の29の細胞-フリー血漿サンプルのすべて、および健常者対照由来の
20の細胞-フリー血漿サンプルのすべてにおいて欠失していた。そのため、粒
子におけるRGH配列変異体の発現はMSに特異的である。サンプリング時の活
動性疾患の全MS患者がRGH陽性であった。
【0082】 そのため、多数のサブグループのMS症例は、血液において、RGH配列変異
体を含むレトロウイルス粒子の生成を付随する。
【0083】 表2 全MS患者は、臨床的に明確なMSを有し、MS型および疾患活動を示す。定
常状態のない慢性進行性MS、および再発/減退性MSの増悪を活動性MSとし
て定義した。RR:再発-減退、SP:二次進行性、PP:原発性進行性、SL
E:全身性紅斑性狼瘡
【表2】
【0084】 実施例3 発現したRGH配列変異体の特性解析 実施例1および実施例2では、発現したRGHレトロウイルス配列は、幾人か
のMS患者由来の末梢血液単核細胞の自然に形成されたB-リンパ芽球状細胞系
により生じたレトロウイルス粒子において(実施例1)、および臨床的サンプル、
すなわち、MS患者の大部分の末梢血液由来の血漿の粒子画分において(実施例
2)、gagおよびenvプライマーを用いるレトロウイルス粒子のゲノムRNAのR
T-PCRにより、同定することができた。
【0085】 RGHは、内在性レトロウイルスのRTVL-H/HERV-H(tRNAHis
よる転写をプライミングする)に属する。C型レトロウイルスのこのファミリー
は、オンコレトロウイルスヒトT-細胞白血病ウイルス(HTLV-1/-2)、ウ
シ白血病ウイルス(BLV)、およびERV-9に関係する。機能性タンパク質を
コードする可能性のあるゲノムRTVL-Hクローンは開示されている(Wilkinso
n et al., 1991)。
【0086】 そのようなRGHは、従来報告されていない。2つのRGHクローンでは、R
GH-1およびRGH-2が記載されている。開示のRGH-1クローンは、48
69bpの長さであり、部分的なpolおよびenv3'LTR領域を含み、そのため、gag
を欠き、その一方、開示のRGH-2クローンは、8715bpの長さであり、
完全コード能力:5'LTR gag-pol-env3'LTRを含む。それらは、約100コピー/
ハプロイドゲノム中に位置する(Hirose et al., 1993)。MS患者からの物質か
ら単離した多数のcDNAクローンは、完全長のクローンRGH-2に極めて関
連する。それらにgag配列が含まれているからである。
【0087】 すべての各個人ゲノムにおける、すべての各ゲノムRGHコピーは、上記のよ
うなRGHのDNA配列変異体を示し、RNA配列変異体に転写される可能性を
有する。
【0088】 RGH配列変異体の例を表3に示す。配列変異体は、実施例1および実施例2
に概略のRT-PCRストラテジーを用い得られた(表3)。発現RGH配列変異
体の例を以下の表3に列挙する。
【表3】
【0089】 実施例4 本発明は、患者由来のサンプルにおけるRGH付随抗体応答の特性またはRG
H付随抗原の特性のような免疫学的手段、ならびに診断および精製目的のRGH
特異的抗体およびRGHコード化ペプチドの産物のような他の免疫学的態様によ
る診断および予後にも関係する。
【0090】 RGHコード化抗原 RGHコード化ペプチド抗原は、種々の手段により得られ得、それらの手段は
、例えば、核酸配列から誘導されるペプチドの化学的合成によるか、または例え
ばRGH核酸配列に基づく種々の発現システムのような種々の源からの精製よる
か、または患者のサンプルもしくは患者の誘導細胞の培養からの精製による。例
えば、種々の細胞系由来の上清800mlのOptiprep精製RGH粒子は
、4-20%SDS-PAGEにより分離され、メンブレンに移し、細長い一片に
切断し、そして、MS患者由来の血清のパネルおよび対照をスクリーニングし、
更なる調査に適するエピトープを選択する手段を提供する。
【0091】 既知配列RGH、例えば、gagおよびenv領域、RGH部分配列または配列変異
体から誘導されるアミノ酸配列を有するペプチドが定義されるため、エピトープ
を含むペプチドは、例えば、通常のMerrifield合成技術により、化学的に合成さ
れ得る。
【0092】 ペプチドまたはタンパク質は、商業的に利用され得る原核性または真核性発現
システムにおいて産生され得る。典型的な原核性発現システムは、E.coliに基づ
き、その一方、典型的な真核性発現システムは、酵母細胞を含む真菌細胞、また
は、例えば、昆虫細胞におけるバキュロウイルス調節発現のような他の真核性細
胞に基づく。原核性発現システム(GST Gene Fusion System, Pharmacia Biot
ech)を以下に記載する。RGH、RGH部分配列または配列変異体の配列に基づ
き、5'および3'末端において適当なクローニング部位を有する2つの相補的オ
リゴヌクレオチドを合成する。当該オリゴヌクレオチドは、典型的に、10-3
0アミノ酸をコードする配列に相当する。オリゴヌクレオチドは変性によりアニ
ーリングする。このようにして生成した、アニーリングした二本鎖DNAフラグ
メントには、適当な制限酵素部位があり、適当なベクターにクローニングされる
。当該フラグメント/ベクタークローンを適当なE. coli宿主に形質転換し、増
殖培養にIPTGを添加することにより誘導する。当該発現ペプチド/タンパク
質は、グルタチオンタグを有し、グルタチオンセファロースカラムにより発現ペ
プチド/タンパク質を精製することができる。当該タグは、実質的にプロテアー
ゼ消化により除去される。
【0093】 RGH誘導抗原は、患者または細胞培養サンプルから、例えば、実施例1およ
び2で概略の方法により精製したレトロウイルス粒子から、種々の方法により精
製され得る。RGH誘導抗原は、例えば、大きさに依存した分離、電荷に依存し
た分離、疎水性またはアフェニティークロマトグラフィーに基づく分離により、
そして、例えばHarris and Angai, 1990およびHarlow and Lane, 1988に概略す
るするような抗体に基づく方法を用いて、精製することができる。
【0094】 精製RGH誘導ペプチドまたはタンパク質は、例えば抗体の作成に有用に有用
であり、ELISAにおける結合成分として有用となる。
【0095】 RGH付随抗体応答の特性解析 RGH付随抗体応答は、例えば、上記の概略のように精製したRGH誘導ペプ
チドを用いることにより最も容易に特性解析される。血清学的反応は、例えば、
以下のように特性解析することができる:
【0096】 a)標準的ペプチドELISAにより特性解析される血清学的反応:血清は、
標準的手順により得ることができ、当該ペプチドは、Harlow and Lane, 1988に
概略するような担体に結合し得るか、またはマイクロタイタープレートの受動的
被覆(passive coating)に有用となり得る。次いで、遊離結合部位がブロックさ
れ、血清の免疫反応性は、標準的な間接的ELISAによって決定される。すべ
ての血清を、10倍希釈系列として2回アッセイする。
【0097】 RGH付随抗体応答は、臨床的試料、すなわち、MS患者由来、自己免疫疾患
の患者由来、および健常者対照由来の血液サンプルにおいてペプチドELISA
を実施することによりMSに付随すると証明された。
【0098】 全血清サンプルは、実施例2に記載のような血液サンプルから得られた。ただ
し、Venojectチューブの型を除く。この場合に、添加のないVT-100UX Venoject
であった。室温で15分間、500×gの遠心分離による初期分離後、血清を吸
引し、1mlづつアリコートし、-70℃で保存する。
【0099】 当該ペプチドは、Genosys Biotechnologies (Europe) Ltd., London Road, Pa
mpisford, Cambridge, UKにより、80%を超える純度で合成され、被覆緩衝液(
15mM Na2CO3, 35mM NaHCO3, 0.2% NaN3, pH 9.6)中、0.1μgまたは1μg/
100μl/ウェルの濃度でのFluoroNunc MaxiSorpマイクロタイタートレイ(Na
lgeNunc International, Life Technologies, Denmark)の受動的被覆に有用であ
った。当該プレートを室温の湿潤チャンバー内で48時間インキュベーションし
、200μl/ウェルTBS-Tween(20mM Tris-HCl, 137mM NaCl, 0.05% T
ween20)で3度洗浄し、100μl血清/ウェルで24時間4℃でインキュベー
ションした。血清を、TBS-Tweenで1:20、1:25、1:250お
よび1:500に希釈した。当該血清を吸引し、当該プレートを3度TBS-T
weenで洗浄し、その後、TBS-Tweenで1:1000に希釈した、1
00μlビオチニル化ウサギ抗ヒトIgG(Dako E0482)/ウェルを加えた。プレ
ートをTBS-Tweenで3度洗浄し、Eu標識ストレプトアビジン(1244-363
; LKB, Wallac, Turku, Finland)100μl/ウェルを加え、25μM EDT
Aを添加しTBS-Tweenで1:1000に希釈した。0.1Mアセテート
、pH3.2中、10μM ジエチレン-トリアミンペンタ酢酸(LKB, Wallac)、
0.1% Triton X-100、15μM 2-ナフトイルトリフルオロアセ
トンを200μl/ウェルで添加した。プレートを穏やかに5分間攪拌した後、
蛍光を時間分解プレートフルオロメーター(time-resolved plate fluorometer)(
LKB, Wallac)を用い測定した。
【0100】 ELISAで使用するRGHコード化合成ペプチド抗原の例を以下の実施例4
に示す。
【表4】 表5は、表4に示すペプチドの結果を要約する。
【0101】 表5.表4に示すペプチド抗原の試験 MS血清および対照血清の同数を試験した。MS:MS患者由来の血清;C:
健常者対象由来および他の自己免疫疾患の対照患者由来の血清;n:血清の数;
DF;希釈率;MS:C:対照血清に対するMS血清の平均蛍光;ER:Eli
sa率:対照の平均に対する個々の読み取り値;MS:C>1および/またはE
R>1は、対照応答よりも高いMSを示す。
【表5】
【0102】 b)実施例3に概略する実験において、RGH配列変異体は、サンプリング時
に活動性疾患を有する全患者由来の血漿サンプルの粒子に見られた。これが示す
のは、血流中へのRGHの生成は、疾患の活動性に付随することである。MS疾
患の活動は、実施例3(しかし、それぞれ余剰の、競合する鋳型を添加する)に本
質的に概略する定量RT-PCRを確立するかまたはハウスホールド転写(househ
old transcript)を増幅するプライマーの添加よるかいずれかによるRGH産生
の変化によるか(Micael A. Innes, D. H. Gelfand, J. J. Sninsky, T. J. Whit
e, Academic Press, Inc. Harcourt Brace Jovanovich, Publishers, 1990によ
り出版されているPCRプロトコール、方法および適用のガイドに概略するよう
に)、またはレトロウイルス抗原に対する血清反応性の変化により、モニターし
得る。そのため、MSの攻撃または重大な進行は、RGH転写の増加に反映する
か、またはRGH変異体に対する血清学的反応性の増加によって反映する。
【0103】 c)血清学的反応性は、SDS-PAGE後のウエスタンブロッティングにより
特徴付けられる: RGH誘導性抗原に対する抗体活性は、標準的なウェスタンブロッティングに
より試験することができる。ブロッティング適用前の抗体および抗原の事前のイ
ンキュベーションによる阻害研究を実施することもできる。
【0104】 患者由来のサンプル中のRGH付随抗原の特性解析 RGH誘導性抗原は、例えば、上記の概略のような方法により、患者のサンプ
ルから精製し、同定し、そして、特性解析することができる。特に、抗原は、抗
体、例えば、RGH特異的抗体、例えば、下記概略するように誘導されるものに
基づく方法を使用することにより同定することができる。最終的に、精製したR
GH誘導性抗原は、例えば、Harris and Angal, 1990に概略されるようなタンパ
ク質の配列決定により特徴付けられる。
【0105】 RGH特異的抗体 RGH特異的抗体の源は、例えば、患者血清サンプルおよび免疫した動物の血
清サンプル、ならびにハイブリドーマ細胞を接種した動物由来の腹水液または培
養ハイブリドーマ細胞の増殖培地である。抗体源はすべて、上記のような種々の
タンパク質精製方法により、例えば、RGH誘導性ペプチドを用いるアフェニテ
ィークロマトグラフィーにより、除去され得る種々の量の不純物を含む。動物の
免疫化およびハイブリドーマ細胞の作成に有用な標準的技術は、Hudson and Hay
, 1980に記載されている。抗体反応性は、上記概略のように特性解析し得る。
【0106】 参考文献
【表6】
【表7】
【配列表】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 33/566 G01N 33/68 33/68 C12N 15/00 ZNAA (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU, CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,G E,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS ,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK, LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM, TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,Z A,ZW (72)発明者 アンネ・メラー−ラーセン デンマーク、デーコー−5500ミデルファル ト、ストリブ、フグレバッケン21番 (72)発明者 ホルガー・チェルト・リーマン デンマーク、デーコー−2840ホルテ、セラ ーレッド、ヴァンゲボヴァイ18番 (72)発明者 スヴェン・ハーアー デンマーク、デーコー−8210オルフス・ヴ ェ、クロッカーバッケン36番 Fターム(参考) 2G045 AA40 BB20 CB21 DA12 DA13 DA36 DA37 FB02 FB03 FB05 FB07 JA20 4B024 AA01 AA14 BA35 CA01 CA09 CA11 CA20 DA03 HA08 HA11 HA14 4B063 QA01 QA19 QQ02 QQ03 QQ08 QQ10 QQ42 QQ52 QQ79 QQ96 QR31 QR48 QR51 QR55 QR62 QR63 QR66 QR82 QR83 QR84 QS12 QS16 QS24 QS25 QS34 QX02 QX07

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多発性硬化症に罹患している疑いのある患者由来のサンプル
    中に存在するレトロウイルス粒子またはキャプシド封入されたビリオン様粒子中
    の、配列番号1またはその部分配列または変異体の存在の検出を含む、多発性硬
    化症を含む脱髄性疾患の診断法。
  2. 【請求項2】 多発性硬化症を含む脱髄性疾患に罹患している疑いのある患
    者由来のサンプル中に存在するレトロウイルス粒子またはキャプシド封入された
    ビリオン様粒子中の、配列番号1またはその部分配列または変異体の存在の検出
    を含む、多発性硬化症を含む脱髄性疾患の患者のサブグループ化法。
  3. 【請求項3】 多発性硬化症を含む脱髄性疾患に罹患している疑いのある患
    者由来のサンプル中に存在するレトロウイルス粒子またはキャプシド封入された
    ビリオン様粒子中の、配列番号1またはその部分配列または変異体の存在の検出
    を含む、多発性硬化症を含む脱髄性疾患の段階または活性化のモニタリング法。
  4. 【請求項4】 検出が、配列番号1または配列番号1の類似の部分と少なく
    とも80%の配列同一性を有する部分配列または変異体を特異的に認識する少な
    くとも一つのプローブを使用することにより達成される、請求項1から3のいず
    れかに記載の方法。
  5. 【請求項5】 検出が、そのヌクレオチド配列が配列番号1の類似の部分と
    少なくとも80%の配列同一性を有する核酸フラグメントの産生ができる少なく
    とも一つのプライマーの使用により達成される、請求項1から3のいずれかに記
    載の方法。
  6. 【請求項6】 更にレトロウイルス粒子中のヒト免疫不全ウイルス(HIV)
    由来の配列、ヒトT細胞白血病ウイルス(HTLV)由来の配列、多発性硬化症レ
    トロウイルス(MSRV)由来の配列およびヒト内因性レトロウイルスK(HER
    V−K)由来の配列からなる群から選択されるヌクレオチド配列を含む1個また
    はそれ以上のレトロウイルスヌクレオチド配列の存在の検出を含む、請求項1か
    ら3のいずれかに記載の方法。
  7. 【請求項7】 他の一つのレトロウイルスまたは複数のレトロウイルスの配
    列の検出が、一つのレトロウイルスに特異的なヌクレオチド配列を認識するのに
    有用な1個またはそれ以上のプローブまたはプライマーのセットの使用により達
    成される、請求項6に記載の方法。
  8. 【請求項8】 配列番号1または配列番号1の類似部分と少なくとも80%
    の配列同一性を有するその部分配列または変異体と特異的にハイブリダイズでき
    るプローブを含む、多発性硬化症を含む脱髄性疾患に罹患していることが疑われ
    る患者由来のサンプル物質中の、配列番号1またはその部分配列または変異体の
    存在の検出による、多発性硬化症を含む脱髄性疾患の診断、サブグループ化また
    はモニタリングのための診断薬。
  9. 【請求項9】 そのヌクレオチド配列が配列番号1の類似部分と少なくとも
    80%の配列同一性を有する配列を有する核酸フラグメントを産生できる少なく
    とも一つのプライマーを含む、多発性硬化症を含む脱髄性疾患に罹患しているこ
    とが疑われる患者由来のサンプル物質中の、配列番号1またはその部分配列また
    は変異体の存在の検出による、多発性硬化症を含む脱髄性疾患の診断、サブグル
    ープ化またはモニタリングのための診断薬。
  10. 【請求項10】 請求項8および9のいずれかに記載の診断薬。
  11. 【請求項11】 更にレトロウイルス粒子またはキャプシド封入ビリオン様
    粒子中のヒト免疫不全ウイルス(HIV)由来の配列、ヒトT細胞白血病ウイルス
    (HTLV)由来の配列、多発性硬化症レトロウイルス(MSRV)由来の配列およ
    びヒト内因性レトロウイルスK(HERV−K)由来の配列からなる群から選択さ
    れるヌクレオチド配列を含む1個またはそれ以上のレトロウイルスヌクレオチド
    配列の存在の検出に有用であるプローブまたはプライマーを含む、請求項8から
    10のいずれかに記載の診断薬。
  12. 【請求項12】 多発性硬化症を含む脱髄性疾患に罹患していることが疑わ
    れる患者由来のサンプル物質における、配列番号1または該配列の部分配列また
    は変異体によりコードされるタンパク質またはペプチドの存在の検出を含む、多
    発性硬化症を含む脱髄性疾患の診断、サブグループ化またはモニタリング法。
  13. 【請求項13】 更にレトロウイルス粒子中のヒト免疫不全ウイルス(HI
    V)由来の配列、ヒトT細胞白血病ウイルス(HTLV)由来の配列、多発性硬化
    症レトロウイルス(MSRV)由来の配列およびヒト内因性レトロウイルスK(H
    ERV−K)由来の配列からなる群から選択されるヌクレオチド配列を含む1個
    またはそれ以上のレトロウイルスヌクレオチド配列によりコードされるタンパク
    質またはペプチドの存在の検出を含む、請求項12に記載の方法。
  14. 【請求項14】 多発性硬化症を含む脱髄性疾患に罹患している疑いのある
    患者由来のサンプル物質における、配列番号1または該配列の部分配列または変
    異体によりコードされるタンパク質またはペプチドの検出による多発性硬化症を
    含む脱髄性疾患の診断、サブグループ化またはモニタリングのための、配列番号
    1または該配列の部分配列または変異体によりコードされるペプチドのエピトー
    プと特異的に反応できる抗体を含む、診断薬。
  15. 【請求項15】 更にヒト免疫不全ウイルス(HIV)のエピトープ、ヒトT
    細胞白血病ウイルス(HTLV)のエピトープ、多発性硬化症レトロウイルス(M
    SRV)のエピトープおよびヒト内因性レトロウイルスK(HERV−K)のエピ
    トープからなる群から選択されるエピトープの検出に有用な抗体を含む、請求項
    14に記載の診断薬。
  16. 【請求項16】 多発性硬化症を含む脱髄性疾患に罹患している疑いのある
    患者由来のサンプル物質中の、配列番号1または該配列の部分配列または変異体
    によりコードされるタンパク質またはペプチドのエピトープと特異的に反応する
    抗体の存在の検出を含む、多発性硬化症を含む脱髄性疾患の診断、サブグループ
    化またはモニタリング法。
  17. 【請求項17】 更にレトロウイルス粒子中のヒト免疫不全ウイルス(HI
    V)のエピトープ、ヒトT細胞白血病ウイルス(HTLV)のエピトープ、多発性
    硬化症レトロウイルス(MSRV)のエピトープおよびヒト内因性レトロウイルス
    K(HERV−K)のエピトープからなる群から選択されるエピトープの検出に有
    用な抗体を含む、請求項16に記載の方法。
  18. 【請求項18】 多発性硬化症を含む脱髄性疾患に罹患している疑いのある
    患者由来のサンプル物質における、配列番号1または該配列の部分配列または変
    異体によりコードされるタンパク質またはペプチドのエピトープと特異的に反応
    する抗体の検出による多発性硬化症を含む脱髄性疾患の診断、サブグループ化ま
    たはモニタリングのための、配列番号1または該配列の部分配列または変異体に
    よりコードされるペプチドのエピトープを含む、診断薬。
  19. 【請求項19】 更にヒト免疫不全ウイルス(HIV)のエピトープ、ヒトT
    細胞白血病ウイルス(HTLV)のエピトープ、多発性硬化症レトロウイルス(M
    SRV)のエピトープおよびヒト内因性レトロウイルスK(HERV−K)のエピ
    トープからなる群から選択されるエピトープを含む、請求項18に記載の診断薬
  20. 【請求項20】 サンプル物質を、配列番号1またはその部分配列または変
    異体によりコードされるタンパク質またはペプチドのエピトープと特異的に反応
    する抗体と接触させることを含む、サンプル物質からのレトロウイルス粒子また
    はキャプシド封入されたビリオン様粒子の単離または精製法。
  21. 【請求項21】 レトロウイルス粒子またはキャプシド封入されたビリオン
    様粒子中の配列番号1またはその部分配列または変異体の存在の検出前に、該レ
    トロウイルスまたはキャプシド封入されたビリオン様粒子を、請求項20に記載
    の方法を使用して単離または精製することを含む、請求項1から7のいずれかに
    記載の方法。
  22. 【請求項22】 請求項21に記載の方法に使用するための、請求項8から
    11のいずれかに記載の診断薬。
  23. 【請求項23】 レトロウイルス粒子またはキャプシド封入されたビリオン
    様粒子中の配列番号1またはその部分配列または変異体の存在の検出前に、該レ
    トロウイルスまたはキャプシド封入されたビリオン様粒子を、請求項20に記載
    の方法を使用して単離または精製することを含む、請求項12または13のいず
    れかに記載の方法。
  24. 【請求項24】 請求項23に記載の方法に使用するための、請求項14ま
    たは15に記載の診断薬。
  25. 【請求項25】 診断薬としての単離および/または精製RGHウイルス粒
    子またはキャプシド封入されたビリオン様粒子、またはそのフラグメントの使用
  26. 【請求項26】 医薬として使用するための単離および/または精製RGH
    ウイルス粒子またはキャプシド封入されたビリオン様粒子、またはそのフラグメ
    ント。
  27. 【請求項27】 多発性硬化症を含む脱髄性疾患の処置用医薬の製造におけ
    る、単離および/または精製RGHウイルス粒子またはキャプシド封入されたビ
    リオン様粒子、またはそのフラグメントの使用。
JP2000543649A 1998-04-08 1999-03-31 多発性硬化症および他の脱髄性疾患の診断 Pending JP2002511277A (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
DK51498 1998-04-08
US8960298P 1998-06-17 1998-06-17
US60/089,602 1998-06-17
US0514/98 1998-06-17
PCT/DK1999/000199 WO1999053103A1 (en) 1998-04-08 1999-03-31 Diagnosis of multiple sclerosis and other demyelinating diseases

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002511277A true JP2002511277A (ja) 2002-04-16

Family

ID=26064142

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000543649A Pending JP2002511277A (ja) 1998-04-08 1999-03-31 多発性硬化症および他の脱髄性疾患の診断

Country Status (5)

Country Link
EP (1) EP1068361A1 (ja)
JP (1) JP2002511277A (ja)
AU (1) AU2922399A (ja)
CA (1) CA2325565A1 (ja)
WO (1) WO1999053103A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006317220A (ja) * 2005-05-11 2006-11-24 Miyazaki Tlo:Kk 成人t細胞白血病の診断器具

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001070941A2 (en) * 2000-03-21 2001-09-27 Ms Research A/S An infective endogenous retrovirus in association with demyelinating diseases e.g. multiple sclerosis
EP1338606A1 (en) * 2002-02-22 2003-08-27 Magnus Von Knebel Doeberitz Nucleic Acid encoding an HERV-H polypeptide for diagnosing colorectal cancer

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
NZ218050A (en) * 1985-11-13 1989-05-29 Wistar Inst Test for the presence of htlv-1v
EP0326395A2 (en) * 1988-01-29 1989-08-02 City Of Hope Method of detecting and identifying certain viral sequences
EP0384566A3 (en) * 1989-01-27 1991-11-13 The Wistar Institute Amplification of htlv-1 sequences from multiple sclerosis patients
JP3266612B2 (ja) * 1990-11-14 2002-03-18 ザ ユニバーシティー カンパニー プロプライエタリーリミテッド 多発性硬化症の診断および治療
DK173091D0 (da) * 1991-10-11 1991-10-11 Schleroseforeningen The Danish Biologisk materiale
SE9202318L (sv) * 1992-08-10 1994-02-11 Replico Medical Ab Nya peptider, diagnostiska antigen, användning därav, vacciner och medikamenter
GB2273099A (en) * 1992-11-10 1994-06-08 Asta Medica Ag Glycoprotein encoded by a human endogenous retrovirus K envelope gene
GB9310657D0 (en) * 1993-05-24 1993-07-07 Univ London Retrovirus
DE674004T1 (de) * 1994-02-04 1996-09-19 Bio Merieux MSRV1 Virus und ansteckender und/oder krankheitserregender MSRV2, die mit Multipler Sklerose verbunden sind, ihre nukleären Bestandteile und Verwendungen.
FR2737500B1 (fr) * 1995-08-03 1997-08-29 Bio Merieux Materiel viral et fragments nucleotidiques associes a la sclerose en plaques, a des fins de diagnostic, prophylactiques et therapeutiques

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006317220A (ja) * 2005-05-11 2006-11-24 Miyazaki Tlo:Kk 成人t細胞白血病の診断器具
JP4536588B2 (ja) * 2005-05-11 2010-09-01 財団法人宮崎県産業支援財団 成人t細胞白血病の診断器具

Also Published As

Publication number Publication date
CA2325565A1 (en) 1999-10-21
EP1068361A1 (en) 2001-01-17
AU2922399A (en) 1999-11-01
WO1999053103A1 (en) 1999-10-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3091492B2 (ja) 非放射性ハイブリダイゼーションアッセイおよびキット
Anderson et al. Diagnosis of human parvovirus infection by dot‐blot hybridization using cloned viral DNA
US20060160087A1 (en) Monitoring and treatment of amyotrophic lateral sclerosis
AU2016361646B2 (en) Method for assessing the risk of complications in patients with systemic inflammatory response syndrome (SIRS)
JPH0768280B2 (ja) モノクローナル抗体
US4942122A (en) Aids prognosis test detecting the presence of antibodies inhibiting HIV reverse transcriptase
RU2663724C2 (ru) Способы определения восприимчивости пациента к внутрибольничной инфекции и составления прогноза развития септического синдрома
RU2228530C2 (ru) Диагностический анализ
WO2011069004A1 (en) Mpl mutations in jak2 v617f negative patients with myeloproliferative disease
AU598209B2 (en) Methods for diagnosis and therapy of multiple sclerosis
EP1220954B1 (en) Nucleic acid primers and probes for detecting tumor cells
JP2002505122A (ja) エプスタイン−バーウイルス(ebv)核酸の増幅と検出のためのオリゴヌクレオチド
JP2001525163A (ja) エリスロウィルス及びその応用
JP3545158B2 (ja) 遺伝子検出法
JP2002511277A (ja) 多発性硬化症および他の脱髄性疾患の診断
WO2003076614A1 (fr) Procede de collecte de donnees destinees a evaluer la sensibilite a une maladie parodontale
WO2016168741A2 (en) Detection of human cytomegalovirus
JPH11511027A (ja) Gb型肝炎ウィルス遺伝子型の検出
WO1996037781A1 (fr) Methode de dosage d'anticorps inhibant l'activite de la transcriptase inverse
US20080167245A1 (en) Novel metastasis suppressor gene on human chromosome 8
JP2002539844A (ja) 乾癬に対する感受性
JP2001518311A (ja) 遺伝子座の階層化による疾病の関連づけ
JP2000509242A (ja) アトピーの診断と治療
AU2012261529B2 (en) Methods and compositions for detecting BK virus
JP3618168B2 (ja) 逆転写酵素活性阻止抗体の測定法