JP2006317112A - 加熱調理器 - Google Patents

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健一 青山
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Abstract

【課題】 簡単な構成で、ファンロック時と無負荷加熱及び軽負荷加熱時の見極めが容易に行える加熱調理器を提供することができる。
【解決手段】 略箱状の筐体1右側部には、その上側中央部にマグネトロン2が設けられており、その後方にはこれを冷却するための冷却ファン3及びファンモータ4が設けられている。冷却ファン3及びファンモータ4の上側近傍には、側面視略逆L字状のファンダクト21が配置されており、その上面にはノイズフィルタ基板22がビス止め固定されている。ノイズフィルタ基板22の表面中央付近にはコモンコイルが設けられており、その近傍には温度検知センサとしてのサーミスタが半田付けにより固定されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電子レンジ等の加熱調理器に関するものである。
家庭用の電子レンジ等の高周波加熱方式を採用した加熱調理器では、通常、高周波加熱時に高周波エネルギーを発生するマグネトロンが高温になるため、冷却ファンによりマグネトロンを冷却する必要がある。ところが、冷却ファンモータの不良や配線忘れ、ファンの脱落等により、いわゆるファンロックが生じると、マグネトロン動作中に冷却停止状態となるので、マグネトロンが非常に高温となる。
こうなると、マグネトロンそのものが破損,発煙するのみならず、マグネトロンの熱により近傍部品が溶解,変色,発煙することとなる。また、マグネトロンの発煙に至る過程で絶縁抵抗が劣化し、安全規格上の絶縁抵抗の基準値が確保できなくなる。そこで従来より、このようなファンロックを検知するため、加熱調理器のマグネトロンには温度検知センサが設けられている。
図6は、従来の加熱調理器の右側面断面図である。同図に示すように、この加熱調理器の筐体1右側部には、その上側後部にマグネトロン2が設けられており、その前方にはこれを冷却するための冷却ファン3及びファンモータ4が設けられている。また、マグネトロン2を駆動するための高圧電源回路部品として、下側中央部に高圧トランス5が設けられており、後部には高圧コンデンサ6及び高圧ダイオード7が設けられている。そして、マグネトロン2の表面には、温度検知センサ8がビス9により取り付けられている。なお、筐体1の前面にはコントロールパネル10が設けられている。
図7は、温度検知センサの拡大図であり、同図(a)は平面図、同図(b)は正面図である。同図に示すように、温度検知センサ8は、先端に丸端子11aを設けた取付板11上に、サーミスタ12をシリコン樹脂13で固着したものであり、サーミスタ12から延びるリード線12aは、取付板11後端のカシメ部11bで固定されつつ、更に外部へと延在している。この温度検知センサ8は、丸端子11aに開けられたビス止め孔hにて、上記ビス9によりマグネトロン2の表面に固定される。
その他、使用者が誤って無負荷動作をさせた時の、庫内の樹脂部品や受け皿の局部過加熱の防止を、速やかに行う為の安全装置を設けた高周波加熱装置が、特許文献1に開示されている。具体的には、温度検知用素子をマグネトロンの陽極冷却用フィンに設けた構成としている。そしてこれにより、高周波加熱装置の最も温度の高い発熱源の近傍に温度検知用素子を設ける事になり、無負荷動作という異常時の温度上昇をいち早く検出する事が可能となるとしている。
また、装置内部の冷却異常によるインバータ回路や高圧回路の過熱状態を確実に検知するとした高周波加熱装置が、特許文献2に開示されている。具体的には、装置内部の環境に応じて温度変化する被検知素子の温度を検出する温度センサを設け、温度センサの出力によってインバータ回路及び高圧回路の過熱状態を検知するものであり、過熱状態となればインバータ回路の作動を停止させる構成としている。
また、加熱室に食品が無い無負荷状態と、少量の食品がある軽負荷状態を、マグネトロンの温度で精度よく判別し、無負荷状態時にマグネトロン等の機器が損傷するのを防止するとともに、軽負荷状態での加熱が不所望に停止するのを無くするとした電子レンジが、特許文献3に開示されている。具体的には、マグネトロンの温度を検知する温度検知素子を備え、この温度検知素子をマグネトロンのアノードに近接又は接触して取り付ける構成としている。
特開2002−260841号公報 特開2001−110561号公報 特開平3−295191号公報
しかしながら、マグネトロンが高温になるのは、上記ファンロック等の冷却異常時のみならず、いわゆる無負荷加熱及び軽負荷加熱時でもあるので、これらの見極めが困難となる。つまり、通常の加熱では、マグネトロンから射出したマイクロ波は調理庫内の食品に照射され、その食品が加熱されるが、調理庫内が無負荷即ち食品が無い状態、及び軽負荷即ち食品が少量の状態では、マイクロ波が調理庫内で熱に変換されず、マグネトロンに戻る量が増えるので、これによりマグネトロンの温度が上昇する。
この場合、上記図6及び図7で示したような従来の構成や、特許文献1,特許文献3に記載のような構成では、マグネトロンに直接に温度センサを設けているので、ファンロック時であっても無負荷加熱及び軽負荷加熱時であっても、同様にしてマグネトロンの温度上昇を検出してしまうこととなる。従って、いずれの原因によりマグネトロンが高温になったのかを判別することは困難であった。また、特許文献2に記載のような構成においても、同様の問題が存在していた。
その他、上記従来の構成のようにマグネトロンに直接に温度センサを設けようとすると、専用の取付構造及び配線の引き回しが必要となり、構造が複雑でコストアップとなる上に、製造時や使用時におけるトラブルの要因となるおそれがある。本発明は、以上のような問題点に鑑み、簡単な構成で、ファンロック時と無負荷加熱及び軽負荷加熱時の見極めが容易に行える加熱調理器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明では、ファンロックを検知する温度検知センサをノイズフィルタ基板に設けており、そのノイズフィルタ基板は冷却ファン近傍のファンダクトに取り付けられている構成としている。
この構成によれば、無負荷加熱及び軽負荷加熱時に高温となるマグネトロンの熱の影響を受けずに、ファンロックの検知ができるようになる。
本発明によれば、簡単な構成で、ファンロック時と無負荷加熱及び軽負荷加熱時の見極めが容易に行える加熱調理器を提供することができる。
具体的には、ノイズフィルタ基板が冷却ファン近傍のファンダクトに取り付けられているので冷却効果が大きく、通常の加熱のみならず無負荷加熱及び軽負荷加熱時でも高温になるマグネトロンの熱の影響を受けずに、ノイズフィルタ基板に設けた温度検知センサの温度を低く保つことができる。
一方、ファンロック時には、主電流が流れるコモンコイルの自己発熱及び雰囲気温度の上昇により、その近傍に配置された温度検知センサの温度が高くなるので、通常加熱時との温度差が大きくなり、ファンロックの検知が容易にできる。
その他、ノイズフィルタ基板に温度検知センサを固定する構成であるので、取付け構造が簡単となる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施例1に係る加熱調理器の分解斜視図である。同図より分かるように、略箱状の筐体1右側部には、その上側中央部にマグネトロン2が設けられており、その後方にはこれを冷却するための冷却ファン3及びファンモータ4が設けられている。冷却ファン3及びファンモータ4の上側近傍には、側面視略逆L字状のファンダクト21が配置されており、その上面にはノイズフィルタ基板22がビス止め固定されている。なお、後部には電源コード23が設けられており、筐体1後面から機器後方へと延びている。
また、マグネトロン2を駆動するための高圧電源回路部品として、下側中央部に高圧トランス5が設けられており、後部には高圧コンデンサ6が設けられていて、これらは筐体1の下面を覆う底板24に取り付けられている。さらに、冷却ファン3の前方には略三角柱状の内部空間を有する送風ダクト25が設けられていて、これによりファンからの空気を筐体1内の調理庫1aに導入する。なお、送風ダクト25の天井部には、オーブンランプ26が取り付けられている。
加えて、筐体1右側部の前部にはラッチフック27が設けられており、図示しないドアが閉じた時にこれと係合してロックする働きを持つ。なお、ラッチフック27にはドアの開閉状態を検知するマイクロスイッチ28が取り付けられている。また、ラッチフック27が取り付けられる部分の筐体1前面側には、図示しないコントロールパネルが設けられている。
その他、筐体1の底面には、三ツ股状のローラステイ29が設けられており、これはその中心を軸として下側のターンテーブルモータ30により回転可能となっている。また、ローラステイ29上には円板状のガラストレイ31が載置され、これに食品(被調理物)を搭載しつつローラステイ29と連動して回転可能である。最後に、筐体1にはその上面及び左右側面を覆うキャビネット32が取り付けられる。
図2は、上記ノイズフィルタ基板の拡大図である。同図に示すように、ノイズフィルタ基板22の表面中央付近には、コモンコイル22aが設けられており、その近傍には温度検知センサとしてのサーミスタ22bが、半田付けにより固定されている。温度検知センサからの信号は、制御線22cを通して図示しないコントロールパネルのマイコンへ送られる。なお、ノイズフィルタ基板22から筐体1の後方へと、電源コード23が延びている。
図3は、温度検知から加熱停止までの手順を示す簡単なフローチャートである。同図に示すように、まず、ステップ#5において、温度検知センサにより温度を検知し、これに対応する信号を出力する。次に、ステップ#10において、出力された信号をコントロールパネルのマイコンへ送る。さらに、ステップ#15において、送られてきた信号からファンロックが発生していることを検知する。最後に、ステップ#20において、加熱停止するとともにコントロールパネル上にエラー表示を行う。
さて、本例の加熱調理器の通常動作時には、上記冷却ファン3により、ノイズフィルタ基板22及びその他の部品、即ちマグネトロン2,高圧トランス5,コントロールパネル等が冷却されている。そして、ファンロック時には、冷却ファン3によるこの冷却システムが停止した状態となる。ここで図4は、ノイズフィルタを搭載した本実施例に係る加熱調理器の回路図の一例である。同図はドア閉,加熱停止状態を示している。なお、同図の部品については、上記各図のものとは別に、改めて符号を付している。
同図の回路構成は、ノイズフィルタNF1を商用電源入力部に配置し、マグネトロンMG1駆動用の高圧トランスHT1に至る主電源回路として、オーブン内食品加熱異常時に機器を保護するためのオーブンサーモカットTH1、マグネトロンMG1の動作異常時に機器を保護するためのマグネトロンサーモカットTH2、以降にリレー接点RC1,RC2、及びインターロックスイッチSW1が配置されている。
また、加熱調理器を構成する補助部品として、オーブンランプOL、空冷用のファンモータFM、ターンテーブルモータTTMと、リレーRY1,RY2及び電源回路を配置したコントロールユニットCU、ドアスイッチSW2,モニタスイッチSW3とが配設されている。マイクロ波電力変換のためのマグネトロンMG1を駆動するための高圧電源回路には、高圧トランスHT1、倍電圧整流のための高圧コンデンサHC1、高圧ダイオードHD1が設置される。
同図より分かるように、ノイズフィルタNF1中のコモンコイルL(上記コモンコイル22aに相当)には主電流が流れるので、ファンロック状態ではコイルが自己発熱し、更には雰囲気温度が上昇する。従って、図2に示したようにコモンコイル22a近傍に配置された温度検知センサ(サーミスタ22b)が、この温度上昇を検出するので、ファンロックを容易に検知できる。
図5は、本実施例に係る加熱調理器において、マグネトロンとノイズフィルタそれぞれに設けた温度検知センサにより計測された温度を表したグラフであり、横軸に時間、縦軸に温度を取っている。グラフ中の各曲線の定義は以下の表のようになる。
〔通常加熱時〕〔ファンロック時〕〔無負荷時〕
マグネトロン温度 曲線a 曲線c 曲線e
フィルタ基板(コモンコイル)温度 曲線b 曲線d 曲線f
同図より分かるように、マグネトロン温度検知の場合は、通常加熱時(曲線a)に対して、ファンロック時(曲線c)と無負荷時(曲線e)には同様の高い温度上昇を示すので、ファンロックと無負荷の見極めが困難である。一方、ノイズフィルタ温度検知の場合は、通常加熱時(曲線b)に対して、ファンロック時(曲線d)には相当の温度上昇を示すが、無負荷時(曲線f)には殆ど温度上昇しないので、これらを比較することにより、ファンロック検知が容易に行える。
本発明の実施例1に係る加熱調理器の分解斜視図。 ノイズフィルタ基板の拡大図。 温度検知から加熱停止までの手順を示す簡単なフローチャート。 ノイズフィルタを搭載した加熱調理器の回路図の一例。 マグネトロンとノイズフィルタそれぞれの温度を表したグラフ。 従来の加熱調理器の右側面断面図。 温度検知センサの拡大図。
符号の説明
1 筐体
1a 調理庫
2 マグネトロン
3 冷却ファン
4 ファンモータ
5 高圧トランス
6 高圧コンデンサ
7 高圧ダイオード
8 温度検知センサ
9 ビス
10 コントロールパネル
11 取付板
12 サーミスタ
13 シリコン樹脂
21 ファンダクト
22 ノイズフィルタ基板
22a コモンコイル
22b サーミスタ
22c 制御線
23 電源コード
24 底板
25 送風ダクト
26 オーブンランプ
27 ラッチフック
28 マイクロスイッチ
29 ローラステイ
30 ターンテーブルモータ
31 ガラストレイ
32 キャビネット
NF1 ノイズフィルタ
MG1 マグネトロン
HT1 高圧トランス
HC1 高圧コンデンサ
HD1 高圧ダイオード
TH1 オーブンサーモカット
TH2 マグネトロンサーモカット
RC1,RC2 リレー接点
SW1 インターロックスイッチ
SW2 ドアスイッチ
SW3 モニタスイッチ
OL オーブンランプ
FM ファンモータ
TTM ターンテーブルモータ
RY1,RY2 リレー
CU コントロールユニット

Claims (4)

  1. 被調理物を収容する調理庫と、該調理庫に高周波を供給するマグネトロンと、該マグネトロンを冷却する冷却ファンと、電源入力部に配置されるノイズフィルタ基板とを備えた加熱調理器において、
    前記冷却ファンのロックを検知する温度検知センサを、前記ノイズフィルタ基板に設けたことを特徴とする加熱調理器。
  2. 前記温度センサは、前記ノイズフィルタ基板に設けたコモンコイルの近傍に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の加熱調理器。
  3. 前記ノイズフィルタ基板は、前記冷却ファンにより冷却可能な位置に配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の加熱調理器。
  4. 前記ノイズフィルタ基板は、前記冷却ファン近傍のファンダクトに取り付けられていることを特徴とする請求項3に記載の加熱調理器。
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