JP2006316560A - 電気設備用函体の昇温昇熱防止構造 - Google Patents

Abstract

【課題】屋外設置された動力制御盤その他の電気設備用函体の壁温及び庫内温度が日射（太陽輻射熱）により過度に上昇するのを防止する。
【解決手段】屋根及び外側面（露出側面21に同じ。）に施される電気設備用函体２の昇温昇熱防止構造Ｘであって、函体２の扉面を除く露出側面21に対して遮蔽板１を離隔設置するとともに、離隔空間５の４周囲のうち少なくとも対向する２方向を大気開放してなり、露出側面21に対する遮光と離隔空間５を経由する自然通気を確保するようにしている。
【選択図】 図１

Description

本発明は、屋外設置された動力制御盤その他の電気設備用函体の壁温及び庫内温度が日射（太陽輻射熱）により過度に上昇するのを防止するために、屋根及び外側面に施される電気設備用函体の昇温昇熱防止構造に関する。

従来より、建物の屋根及び外壁を断熱構造とする提案は数多くなされてきた。

その多くは、屋根、壁体構造に断熱材（空気層を含む）を組み合わせることにより、壁体を介した外部からの熱変動から、室内の温度状態を保持するという断熱効果を求めている。複雑な構造の材料を用いて機械的な強制換気を施すことにより、壁体断熱材の昇温を防止する技術も開示がある。（例えば、特許文献１及び２を参照。）
特開平７−１２７１５１号公報 特開平11−３５０７６０号公報

断熱とは熱（エネルギー）の出入り（移動）を遮断すること（保温を含む）であるから、技術手段としては物質間に熱絶縁要素を介在させる構成が一般的である。

ここで、日除け（遮光）は断熱手段（特に外断熱施工による）と同様に扱わないものとする。日除け（遮光）は太陽輻射熱を遮り日陰を作ることであり、遮光板がいくら昇温しても伝熱には関係しないものである。一方、断熱はその材料構造を熱が伝わりにくい材質とすることで伝熱が相対する面に伝わりにくくすることであり、両者の目的効果には大きな隔たりがあるからである。したがって、本発明に関し、上記従来技術にみられる屋根、外壁の断熱構造は、先行技術から排除されることになる。

ところで、従来的な動力制御盤その他の電気設備用函体の屋外仕様は、以下の点が特記事項として共通する。
（１）雨水の侵入防止構造（雨仕舞い）
（２）自然換気構造および／または強制換気構造（熱対策）
（３）塗装（防錆処理）等による耐候性構造（塩害対策を含む）
（４）函体の外板は接地等の必要性から導電性の良好な一体の鋼板製構造

しかしながら、屋根、外側面はもとより設置環境に晒されており、遮光対策を講じたものはみあたらず、夏季には外側面（表面鉄板）が太陽の直射を受けて壁温及び庫内温度が著しく上昇するという事態が放置されてきた。

こうしたなかで、庫内に収容される動力制御盤の盤内配線は、一般の電気工事用電線（ＩＶ：６００Ｖビニル絶縁配線）ではなく、盤内配線用電線（７５℃まで使用可）を用いているが、耐用温度を超える場合もしばしばである。庫内には強制換気手段を備えているが、夏季には壁温が上がっているのでさしたる効果がなかった。このため、庫内温度の上昇により電線の電気絶縁が損なわれると、不測の事故が発生する恐れがある。

近年、動力制御盤にはインバータ等の電子回路が多用される傾向にあり、周囲温度の影響を受けやすくなった。インバータの周囲温度条件は４５℃以下となっているのが一般的であり、盤内配線用電線よりも耐用温度が低い。したがって、庫内温度（盤内温度に同じ）が４５℃を大きく超えることが予測され、動作不良（熱暴走）が発生する危険性が増大するという問題がある。

発明が解決しようとする問題点は、日射により庫内温度（盤内温度）が、庫内収容機器の周囲温度条件（耐用温度）を超えないように遮蔽対策を講じることである。特に、屋根及び外側面への太陽の直射を回避することである。

本発明はこのような事情に鑑みなされたものであって、上記課題を解消し、屋外設置された動力制御盤その他の電気設備用函体の屋根及び外側面（露出側面に同じ。）に施される電気設備用函体の昇温昇熱防止構造を提供するものである。

課題を解決するために本発明は、屋外設置された動力制御盤その他の電気設備用函体の壁温及び庫内温度が日射（太陽輻射熱）により過度に上昇するのを防止するために、屋根及び外側面（露出側面に同じ。）に施される電気設備用函体の昇温昇熱防止構造であって、前記函体の扉面を除く露出側面に対して遮蔽板を離隔設置するとともに、離隔空間の４周囲のうち少なくとも対向する２方向を大気開放してなり、前記露出側面に対する遮光と前記離隔空間を経由する自然通気を確保するようにしたことを特徴とするものである。

本発明構造を採用することにより、以下の有用な効果を奏する。
（１）実施前に比較して、盤内温度が１０℃以上下がった。
（２）盤内配線の絶縁材料の劣変による絶縁不良事故を未然に防止できる。
（３）インバータ動作環境の不良を回避し、熱暴走を未然に防止できる。
（４）この盤内環境を実現するために、動力を必要とする換気装置を追加する必要がなく、コスト及び保安を省くことができる。

本発明の実施の最良形態を添付図面を参照して以下説明する。

図１は、実施例構造を示す施工状態の説明図である。

図２は、遮蔽板の取り付けを示す外観視部分説明図である。

図示するように、実施例構造Ｘは、屋外設置された動力制御盤その他の電気設備用函体２の扉面を除く露出側面21（屋根及び外側面）に対して遮蔽板１を離隔設置するとともに、離隔空間５の４周囲のうち少なくとも対向する２方向を大気開放してなり、露出側面21に対する遮光と離隔空間５での自然通気を確保するようにしている。

ここで、遮蔽板１が金属板（好適には塗装鉄板を用いる。）であって、露出側面21に固設した取り付け架台３に螺着され、露出側面21との離隔距離を３０〜４０ｍｍとするものである。

また、離隔空間５での自然通気は、遮蔽板１への日射により露出側面21と遮蔽板１間に生起した熱気を対流により自然開放するものである。

本発明構造は、既設の電気設備用函体の屋根及び外壁に対して昇温昇熱防止対策として施設可能であり、しかも簡単施工で撤去も容易であり、産業上の有用性が高いものである。

実施例構造を示す施工状態の説明図である。 遮蔽板の取り付けを示す外観視部分説明図である。

符号の説明

１ 遮蔽板
11 ボルト孔
２ 電気設備用函体
21 露出側面
３ 取り付け架台
４ ボルト
５ 離隔空間
Ｘ 実施例構造

Claims (2)

1. 函体の昇温昇熱防止構造において、
   屋外設置された動力制御盤その他の電気設備用函体の壁温及び庫内温度が日射（太陽輻射熱）により過度に上昇するのを防止するために、屋根及び外側面（露出側面に同じ。）に施される電気設備用函体の昇温昇熱防止構造であって、
   前記キュービクルの扉面を除く露出側面に対して遮蔽板を離隔設置するとともに、離隔空間の４周囲のうち少なくとも対向する２方向を大気開放してなり、前記露出側面に対する遮光と前記離隔空間を経由する自然通気を確保するようにしたことを特徴とする電気設備用函体の昇温昇熱防止構造。
2. 遮蔽板が金属板であって、露出壁面に固設した取り付け架台に螺着され、前記露出壁面との離隔距離を３０〜４０ｍｍとするものである請求項１記載の電気設備用函体の昇温昇熱防止構造。
   

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