JP2006316480A - ニッケルフリー給水装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 通水環境下に置かれる通水路の内部表面としてニッケル等の特定金属表面が存在する場合でも、通水中へのニッケル等の特定金属の浸出や溶出を大幅に抑制することができるニッケルフリー給水装置の提供。
【解決手段】 ニッケルフリー給水装置は、管部11の通水路11aに沿ってニッケルめっきからなる内部表面を有する。管部11の内部表面の少なくとも一部、または、通水路11a上で内部表面に接続する部分には、ニッケルよりイオン化傾向の大きな金属、例えば、亜鉛からなる卑金属部が、こま18のケレップ18aにめっき層として一体的に設けられている。
【選択図】 図1
【解決手段】 ニッケルフリー給水装置は、管部11の通水路11aに沿ってニッケルめっきからなる内部表面を有する。管部11の内部表面の少なくとも一部、または、通水路11a上で内部表面に接続する部分には、ニッケルよりイオン化傾向の大きな金属、例えば、亜鉛からなる卑金属部が、こま18のケレップ18aにめっき層として一体的に設けられている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、水栓金具・継手・配管部品等の水道用品等、水源からの水を通水する通水路を有する給水装置に関し、特に、通水路の内部表面としてニッケルめっき表面等の特定金属表面を有し、通水に伴う特定金属の浸出や溶出を防止する必要のあるニッケルフリー給水装置に関する。
従来から、混合水栓等の水栓金具、水栓金具用の継手や配管部品、浄水器用配管部品等の水道用品乃至給水装置は、一般に、青銅、黄銅の銅合金を鋳造又は鍛造し、切削加工、研磨加工等で所望形状に整形し、整形後の鋳造品若しくは鍛造品、または、整形後の鋳造品若しくは鍛造品にニッケルめっきやクロムめっきを施した鋳造品若しくは鍛造品として提供されている。
また、水道用品乃至給水装置の銅合金としては、製造過程中の切削加工の際に銅合金の切削性を向上させるために、銅合金(特に黄銅)中に鉛を添加した鉛含有銅合金(特に快削黄銅)が使用されている。しかし、昨今の環境規制の動向から、製品化後の水道用品乃至給水装置からの鉛の溶出が問題視されるようになり、水道用品乃至給水装置から鉛を除去する鉛除去乃至鉛フリー(NPb)表面処理技術が開発されている。
かかるNPb表面処理に関する文献としては、例えば、特許文献1に記載の技術がある。
特開2000−96269
特許文献1には、鉛含有銅合金素材の表面にクロメート処理を行い、クロメート皮膜を形成することによって鉛溶出を防止する処理方法が開示されている。この処理方法によれば、鉛含有銅合金を、リン酸を添加したクロメート液に浸漬している。この処理方法によれば、クロメート液に含まれるクロム酸とリン酸の相乗効果により、鉛含有銅合金が溶解する化学反応と、クロメート被膜を形成する化学反応が生じて鉛含有銅合金素材表面に僅かに残った鉛も溶解除去され、しかも鉛を除去した鉛含有銅合金材表面がクロメート被膜で保護されて、鉛除去後の鉛含有銅合金材表面が長期間の通水による腐食で内部の鉛が溶け出したりせず、長期間に渉って鉛の溶出を低減することができるとされている。
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、NPb処理により銅合金表面の鉛を除去し、製品化からの鉛の溶出を低減することは可能になる一方、銅合金表面にニッケルめっきを施しためっき品の場合、その内部表面に形成されたニッケルめっき層から、ニッケルが微量ではあるが通水中に浸出または溶出することになる。給水装置におけるニッケルの浸出については、未だ規制の対象となってはいないが、将来的に規制対象となることも予想され、給水装置におけるニッケル浸出防止技術については潜在的に多大な要請がある。しかし、上記のように、給水装置におけるニッケルの浸出については未だ規制の対象となってはいないことからも、従来、給水装置におけるニッケルの浸出防止技術について具体的技術の提案はない。
また、給水装置には、上記のように、通水路の素地が鉛含有金属材から構成される場合、通水路の内部表面から鉛が通水中に浸出・溶出する可能性があるため、例えば、特許文献1のような鉛溶出防止技術を採用する必要がある。しかし、給水装置の銅合金からの鉛の溶出防止技術として、特許文献1のようにクロメート皮膜処理を使用する場合、クロメート処理の結果発生する六価クロムについて、所定の規制値以下となるよう処理する必要があり、特許文献1のクロメート処理以外の技術により鉛の溶出を抑制できれば好都合である。更に、鉛以外の有害金属成分、例えば、カドミウム等が給水装置の通水路を構成する素地等に含有される場合、これらの有害金属成分が、通水路の内部表面から通水中に浸出・溶出する可能性がある。よって、この場合も、やはり、何らかの浸出・溶出防止技術を採用する必要がある。
更に、水栓等の給水装置において、快削黄銅等の銅合金からなる素地表面(外部表面及び内部表面)にニッケルめっき層を形成した場合、銅及びニッケルという2つの異種金属が、ニッケルめっき層と素地表面との境界面(界面)で接触することになり、クラックやピンホール等の原因により、通水に伴ってその境界面に水が浸入すると、水を媒介として腐食電池作用が発生する。この場合、銅の方がニッケルよりイオン化傾向が小さく、銅が貴な金属、ニッケルが卑な金属となるため、境界面部分のニッケルが腐食(湿食)して溶解し、ニッケルめっき層が損傷する可能性がある。また、浄水器における金属製給水口と配管ホースの金属製接続口との接続部分や、水栓における(本来の)吐水口と自在吐水口等の延長用吐水口との接続部分等、2つの管の接続部では、それらの接続部の一方をめっき作業時にマスキングし、メッキ層を形成しないようにすることから、接続部の一方では素地金属(銅合金)が内部表面として露出し、他方ではめっき金属であるニッケル等が内部表面として露出する。よって、この場合も、接続部の接続境界面で、銅及びニッケルという2つの異種金属が接触することになり、特に接続部に隙間がある場合等に、通水に伴ってその隙間等に水が浸入すると、腐食電池作用により境界面部分のニッケルが腐食する可能性がある。
更に、水栓や浄水器の配管ホースの吐水口において、先端部内部表面がめっき時にマスキングされて素地金属(銅合金)が露出する素地表面とされた場合、その素地表面部分で腐食が発生する可能性がある。即ち、通常、水栓等の素地表面である銅表面には保護皮膜が形成され、通水路の内部表面として素地表面が存在する場合にその素地表面を腐食から保護している。しかし、この素地表面の保護皮膜は、通水路内の水流による腐食磨耗(エロージョン・コロージョン)により破壊されて素地表面から物理的に取り除かれ、素地表面(銅表面)で腐食電池作用により腐食が増大する可能性がある。或いは、通水路内の屈曲部や幅狭部等で素地表面が露出する場合、比較的流れの速い配管内等、流速が急激に変化する箇所で発生するキャビテーション腐食により、通水路内の屈曲部や幅狭部等で保護皮膜が破壊され、同様に、素地表面(銅表面)やめっき表面で腐食電池作用により腐食が増大する可能性もある。特に、上記のように、2つの管の接続部の接続境界面で小さな隙間が発生すると、その隙間で強い渦巻状の水流が発生し、水中の気泡が破裂する際の衝撃や腐食電池作用等により、キャビテーション腐食が一層進行する可能性があり、めっき層が存在する場合でも、めっき層が大きく破壊されて、素地部分まで損傷が及ぶ可能性もある。更に、浄水器の場合、活性炭等からなる浄水カートリッジにより炭酸カルシウム等の不純物を除去された浄水が通水路を流れるため、炭酸カルシウム等により保護膜形成作用がなく、上記腐食が一層早期に進行する可能性がある。更にまた、サーモスタット式湯水混合栓においても、同様にして、局部腐食が発生する可能性があり、ニッケルめっき等が腐食により通水中に浸出・溶出する可能性がある。
なお、水栓、水栓部品、浄水器等の給水装置以外にも、通水環境下で使用され、通水(吐水)が最終的に人体に摂取されるような器具または部品等においては、各種金属またはプラスチック材の表面にニッケル(Ni)めっき、ニッケルクロム(NiCr)めっき、クロメート処理等、装飾または耐食皮膜が内部表面を含む表面に施されることがある。この場合も、これらの器具または部品等の内部表面のニッケル等が通水中に浸出または溶出し、最終的に人体に摂取される可能性がある。よって、給水装置以外のこれらの器具や部品についても、ニッケル等の浸出防止技術に対する潜在的な要請があると思われる。
そこで、本発明は、通水環境下に置かれる通水路の内部表面としてニッケル等の特定金属表面が存在する場合でも、通水中へのニッケル等の特定金属の浸出や溶出を大幅に抑制することができるニッケルフリー給水装置の提供を課題とする。
請求項1に係るニッケルフリー給水装置は、通水路に沿って特定金属からなる内部表面を有するニッケルフリー給水装置であって、前記内部表面の少なくとも一部、または、前記通水路上で前記内部表面に接続する部分に、前記特定金属よりイオン化傾向の大きな金属からなる卑金属部を一体的に設けた。
請求項2に係るニッケルフリー給水装置は、請求項1の構成において、更に、前記通水路上に設けられる内部部品を備え、前記卑金属部は、前記内部部品の表面を前記特定金属よりイオン化傾向の大きな金属からなる卑金属表面としたものである。
請求項3に係るニッケルフリー給水装置は、請求項1または2の構成において、更に、前記通水路の入口に接続されて水源からの水を前記通水路へ供給する連結部材を備え、前記卑金属部は、前記特定金属よりイオン化傾向の大きな金属からなり、前記連結部材の内部表面に形成されためっき層を有する。
請求項4に係るニッケルフリー給水装置は、請求項1乃至3のいずれかの構成において、前記卑金属部が、前記特定金属よりイオン化傾向の大きな金属からなり、前記通水路の入口または出口の少なくとも一方に装着された環状部材を有する。
請求項5に係るニッケルフリー給水装置は、請求項1乃至4のいずれかの構成において、前記卑金属部が、前記特定金属よりイオン化傾向の大きな金属からなり、前記内部表面の少なくとも一部に形成されためっき層を有する。
請求項6に係るニッケルフリー給水装置は、鉛含有金属材からなる素地と、前記素地の内部表面に形成されたニッケルめっき層とを有し、内部に通水路を形成する管部と、前記管部の通水路上に設けられる内部部品とを備えたニッケルフリー給水装置であって、前記内部部品の表面を、ニッケルよりイオン化傾向の大きな金属からなる卑金属表面とした。
請求項7に係るニッケルフリー給水装置は、鉛含有金属材からなる素地と、前記素地の内部表面に形成されたニッケルめっき層とを有し、内部に通水路を形成する基部と、前記基部の通水路の入口に接続されて水源からの水を前記通水路へ供給する連結部材とを備えたニッケルフリー給水装置であって、前記連結部材の内部表面を、ニッケルよりイオン化傾向の大きな金属からなる卑金属表面とした。
請求項8に係るニッケルフリー給水装置は、請求項6または7の構成において、鉛含有金属材からなる素地と、前記素地の内部表面に形成されたニッケルめっき層とを有し、内部に通水路を形成する管部を備えたニッケルフリー給水装置であって、前記管部の通水路の入口または出口の少なくとも一方に、ニッケルよりイオン化傾向の大きな金属からなる卑金属製の環状物を装着した。
請求項9に係るニッケルフリー給水装置は、鉛含有金属材からなる素地と、前記素地の内部表面に形成されたニッケルめっき層とを有し、内部に通水路を形成する管部を備えたニッケルフリー給水装置であって、前記管部の内部表面の少なくとも一部を、ニッケルよりイオン化傾向の大きな金属からなる卑金属めっき表面とした。
請求項10に係るニッケルフリー給水装置が、請求項6乃至9の構成において、前記鉛含有金属材は、鉛含有銅系金属材である。
請求項11に係るニッケルフリー給水装置は、請求項1乃至10のいずれかの構成において、前記イオン化傾向の大きな金属が、マグネシウムまたは亜鉛の少なくともいずれか1種からなる。
本発明に係るニッケルフリー給水装置は、上記のように構成したため、通水環境下に置かれる通水路の内部表面としてニッケル等の特定金属表面が存在する場合でも、通水中へのニッケル等の特定金属の浸出や溶出を大幅に抑制することができる。また、通水路の素地中に錫や鉛が含有される場合でも、クロメート処理を施さなくても、通水中への錫や鉛の浸出・溶出をも抑制することができ、更に、必要に応じて、通水中へのカドミウム等のその他の有害金属の浸出・溶出をも抑制することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、実施の形態という)を説明する。なお、各実施の形態を通じ、同一の部材、要素または部分には同一の符号を付して、その説明を省略する。
実施の形態1
以下、本発明の実施の形態1に係るニッケルフリー給水装置について説明する。図1は本発明の実施の形態1に係るニッケルフリー給水装置としての自在単水栓を示す一部断面図である。
以下、本発明の実施の形態1に係るニッケルフリー給水装置について説明する。図1は本発明の実施の形態1に係るニッケルフリー給水装置としての自在単水栓を示す一部断面図である。
図1に示すように、実施の形態1に係るニッケルフリー給水装置は、単水栓10に自在吐水パイプ20を接続した壁付けタイプの自在単水栓(蛇口)10,20に具体化される。単水栓10は、管部11の内部に弁孔12aを有する弁座12を一体形成している。管部11の内部には、前記弁座12を境にして第1の通水路11aと第2の通水路11bとが形成され、弁座12の弁孔12aを介して第1及び第2の通水路11a,11bが互いに連通されている。管部11の基端側には、壁側で給水管(図示略)の先端に螺合して接続される給水口13が設けられ、給水口13の開口を介して、第1の通水路11aが給水管の通水路に接続して連通するようになっている。また、管部11の先端側には吐水口14が設けられている。更に、管部11は、快削黄銅等の鉛含有銅合金(銅系金属材)製の素地からなると共に、その素地表面には、ニッケルめっき層またはニッケルクロムめっき層からなるめっき層(図示略)が形成されている。めっき層は、管部11の素地の外部表面のみならず、前記弁座13を含む管部11の素地の内部表面にも形成されている。即ち、管部11の第1及び第2の通水路11a,11bに沿った内部表面及び弁座12の表面には、ニッケルめっきまたはニッケルクロムめっきからなるめっき層が形成されている。一方、管部11の上部取付孔11cにはスピンドル15がカバーナット16を介して挿着されている。スピンドル15の上端にはハンドル17が螺着されると共に、スピンドル15の下端にはこま18が固着されている。また、スピンドル15は快削黄銅等の鉛含有銅合金からなる素地表面に、ニッケルめっき層またはニッケルクロムめっき層からなるめっき層を形成している。或いは、スピンドルは、めっき層を形成することなく、素地表面を露出したものとすることもできる。更に、こま18は、ケレップ18aと、ケレップ18aの下端に固着したこまパッキン18bとからなる。ハンドル17を正逆回転することにより、スピンドル15を介して、こま18が弁座12に接近してこまパッキン18bが弁座12に着座したり、弁座12から離間したりして、こまパッキン18b及び弁孔12aにより第1及び第2の通水路11a,11bを連通または連通遮断するようになっている。
ここで、実施の形態1では、前記こま18のケレップ18aは、快削黄銅等の鉛含有銅合金製の素地の表面に、亜鉛めっきからなる卑金属めっき層を形成している。即ち、単水栓10の内部部品としてのこま18のケレップ18aの表面は、ニッケルよりイオン化傾向の大きな金属(卑な金属)である亜鉛からなる卑金属表面とされている。なお、こま18のケレップ18aの卑金属めっき層は、通常、ケレップ18a表面の全体に形成されるが、表面の一部に形成してもよい。
一方、前記自在吐水パイプ20は、単水栓10の管部11の本来の吐水口14に、パイプナット(袋ナット)21を介して自在パイプ22を連結したものである。自在パイプ22の内部には通水路22aが形成されている。また、自在パイプ22の基端側には単水栓10の吐水口14に接続される給水口23が設けられ、給水口23の開口を介して、単水栓10の吐水口14が自在パイプ22の通水路22aに接続して連通するようになっている。自在パイプ22の先端側には吐水口24が設けられている。更に、自在パイプ22は、快削黄銅等の鉛含有銅合金(銅系金属材)製の素地からなると共に、その素地表面には、ニッケルめっき層またはニッケルクロムめっき層からなるめっき層が形成されている。めっき層は、自在パイプ22の素地の外部表面のみならず、自在パイプ22の素地の内部表面にも形成されている。即ち、自在パイプ22の通水路22aに沿った内部表面及び弁座12の表面には、ニッケルめっきまたはニッケルクロムめっきからなるめっき層が形成されている。また、自在パイプ22の吐水口24の内部には、整流板25が収容固定されている。
次に、上記のように構成した実施の形態1に係るニッケルフリー給水装置として単水栓の作用及び効果について説明する。まず、単水栓10のハンドル17を回転してこまパッキン18bを弁座12から離間し、第1及び第2の通水路11a,11bを連通すると、給水管からの給水が、管部11の給水口13から第1及び第2の通水路11a,11bを経て吐水口14へと流れ、更に、自在パイプ22の給水口23から通水路22aを経て吐水口24へと流れ、最終的に、整流板25から吐出される。このとき、弁座12の表面を含む管部11の内部表面にはニッケルめっきまたはニッケルクロムめっきからなるめっき層が設けられている。また、スピンドル15の表面にもニッケルめっきまたはニッケルクロムめっきからなるめっき層が設けられている。更に、自在パイプ22の内部表面にもニッケルめっきまたはニッケルクロムめっきからなるめっき層が設けられている。したがって、管部11の第1及び第2の通水路11a、11bへの通水及び自在パイプ22の通水路22aへの通水に伴い、管部11及び自在パイプ22の内部表面並びにスピンドル15の表面のめっき層に含有されるニッケルが、通水中に浸出または溶出することが考えられる。しかし、実施の形態1では、単水栓10の管部11の内部に配置される内部部品としてのこま18のケレップ18aの素地表面に、ニッケルよりイオン化傾向の大きい卑な金属である亜鉛からなる卑金属めっき層を設けたため、ニッケルと亜鉛とのイオン化傾向の差により、前記卑金属めっき層の亜鉛が先に通水中に浸出して、管部11の内部表面のめっき層からのニッケルの浸出を抑制乃至防止する。その結果、自在パイプ22の吐水口24からの吐水中のニッケル含有量を大幅に低減することができ、通水環境下に置かれる管部11の通水路11a,11bの内部表面としてニッケルからなる特定金属表面が存在する場合でも、通水中へのニッケルの浸出や溶出を大幅に抑制することができる。
更に、管部11やスピンドル15や自在パイプ22の素地を黄銅とした場合、素地には錫や鉛が含有されることになるため、内部表面の一部に非めっき部が存在し、素地表面が内部表面として通水路11a,11bに露出する場合、管部11の第1及び第2の通水路11a,11b等への通水に伴い、素地に含有される錫や鉛が、通水中に浸出または溶出することが考えられる。しかし、この場合も、こま18のケレップ18aの素地表面に、錫や鉛よりイオン化傾向の大きい卑な金属である亜鉛からなる卑金属めっき層を設けたため、管部11の内部表面の非めっき部等が通水にさらされる場合でも、クロメート処理等による錫や鉛の浸出防止処理を施すことなく、管部11の通水路11a,11b等の通水中への錫や鉛の浸出・溶出を抑制乃至防止することができる。更に、管部11の素地等にカドミウム等のその他の(亜鉛より貴な)有害金属が含有される場合において、素地表面が通水路に露出する場合でも、こま18のケレップ18aの非金属めっき層の亜鉛により、カドミウム等の(亜鉛より貴な)有害金属の浸出・溶出をも抑制することができる。
また、図1中一点鎖線で囲んだ部分(接続部)Aでは、管部11の吐水口14の内部表面と、自在パイプ22の給水口23の外部表面とが接触することになる。このとき、吐水パイプ22の外部表面にはニッケルめっきまたはニッケルクロムめっきからなるめっき層が形成されるが、管部11の吐水口14の内部表面は、めっき時にマスキングされて素地表面とされることがある。この場合、接続部Aで、素地表面(黄銅)とめっき表面(ニッケルまたはニッケルクロム)とが接触(異種金属接触)することになり、接続部Aの接続境界面(素地表面とめっき表面との境界面)に水が浸入すると、腐食電池作用やキャビテーション腐食により、その接続境界面で、黄銅に対して卑な金属であるニッケルやクロムが腐食してめっきが剥離する可能性がある。更に、図1中一点鎖線で囲んだ部分(吐水口部)Bでは、自在パイプ22の吐水口24の内部表面と、整流板25の外周面とが接触することになる。このとき、自在パイプ22の吐水口24の内部表面は、めっき時にマスキングされて素地表面とされることがある。この場合、整流板25の外周面がニッケルめっきやニッケルクロムめっきからなるめっき表面になると、上記と同様、吐水口24と整流板25との境界面で、ニッケルやクロムに腐食やめっき剥離が発生する可能性がある。しかし、これらの場合も、実施の形態1では、こま18のケレップ18aに亜鉛めっき層を設けたため、ニッケルやクロムに対してイオン化傾向の大きな卑金属である亜鉛により、接続部Aや接続部Bにおけるニッケルやクロムの腐食やめっき剥離を防止することができる。
このように、実施の形態1では、特定金属(貴な金属)であるニッケルと、ニッケルよりイオン化傾向の大きい金属(卑な金属)からなる卑金属部としての亜鉛めっき層との間で、腐食電池の原理により電位差が発生し、卑な金属としての亜鉛が溶解して、貴な金属としてのニッケルの溶解を防止する。即ち、上記のように、ニッケル(Ni)と亜鉛(Zn)とでは、ニッケルが貴な金属となり、亜鉛が卑な金属となるため、亜鉛が先に溶解し、ニッケルの溶解を防止する。また、管部11等の素地が銅合金からなり、素地表面が内部表面となる場合に、クロメート処理等の特別な処理を施さなくても、亜鉛めっき層の亜鉛により鉛等の浸出をも抑制することができる。特に、実施の形態1では、こま18のケレップ18aに亜鉛めっき層を設けて、ニッケル等の浸出を防止する構成としたため、既設の単水栓においても、従来のこまを実施の形態1のこま18に変更するだけで、ニッケル等の浸出を防止することができる。
実施の形態2
以下、本発明の実施の形態2に係るニッケルフリー給水装置について説明する。図2は本発明の実施の形態2に係るニッケルフリー給水装置としてのクランク付混合栓を示す一部断面図である。
以下、本発明の実施の形態2に係るニッケルフリー給水装置について説明する。図2は本発明の実施の形態2に係るニッケルフリー給水装置としてのクランク付混合栓を示す一部断面図である。
図2に示すように、実施の形態2に係るニッケルフリー給水装置は、クランク付混合栓、即ち、クランク40を介して壁付けされる2ハンドル式の混合栓30に具体化される。混合栓30は、基部31の内部に弁座(図示略)を設けている。基部31の内部には、通水路31aが形成されている。また、基部31の一側(壁側)には給水口32が設けられ、基部31の下側には吐水口(図示略)が設けられている。更に、基部31は、快削黄銅等の鉛含有銅合金(銅系金属材)製の素地からなると共に、その素地表面には、ニッケルめっき層またはニッケルクロムめっき層からなるめっき層が形成されている。めっき層は、基部31の素地の外部表面のみならず、前記弁座を含む基部31の素地の内部表面にも形成されている。即ち、基部31の通水路31aに沿った内部表面及び弁座の表面には、ニッケルめっきまたはニッケルクロムめっきからなるめっき層が形成されている。一方、基部31の上部取付孔(図示略)にはスピンドル(図示略)が前後に2つ挿着され、各スピンドルの上端にはハンドル33が螺着されると共に、スピンドルの下端にはこま(図示略)が固着されている(手前側のハンドル33のみ図示)。なお、スピンドルは、実施の形態1のスピンドル15と同様の材質により形成されている。一方、実施の形態2のこまは、従来のこまと同様の構成であり、ケレップと、ケレップの下端に固着したこまパッキンとからなる。なお、ケレップは、快削黄銅等の素地金属から形成される。加えて、基部31の前側には、吐水切替ハンドル34が取付けられている。また、基部31の吐水口には袋ナット35を介してパイプ36が接続されている。
一方、クランク40は、内部に通水路40aを形成している。クランク40の基端側には、壁側で給水管(図示略)の先端に螺合して接続される給水口41が形成されている。クランク40の給水口41の開口を介して、通水路40aが給水管の通水路に接続して連通するようになっている。また、クランク40の先端側には接続口42が形成されている。接続口42は、クランクナット43を介して、混合栓30の基部31の通水路31aの入口としての給水口32に接続される。これにより、接続口42及び給水口32を介して、クランク40の通水路40aが混合栓30の基部31の通水路31aと連通するようになっている。そして、給水管から供給される水源からの水を、クランク40を介して混合栓30の基部31の通水路31aへと供給するようになっている。更に、クランク40の内部には、内部部品としての逆止こま44が収容配置されている。逆止こま44は黄銅等から形成されている。
ここで、実施の形態2では、クランク40は、快削黄銅等の鉛含有銅合金(銅系金属材)製の素地40xからなると共に、図2中の一点鎖線の拡大視にて示すように、その素地40x表面には、亜鉛めっき層からなる卑金属めっき層40yが形成されている。卑金属めっき層40yは、クランク40の素地40xの外部表面のみならず、素地40xの内部表面にも形成されている。即ち、クランク40の通水路40aに沿った内部表面は、卑金属めっき層40yにより、ニッケルよりイオン化傾向の大きな卑金属である亜鉛めっきからなる卑金属表面となっている。なお、クランク40の卑金属めっき層40yは、通常、内部表面の全体に形成されるが、内部表面の一部に形成してもよい。また、実施の形態2のクランク40の内部表面を構成する卑金属表面は、黄銅等の素地表面に亜鉛めっきを施しためっき表面とすることが好ましいが、素地自体を亜鉛または亜鉛合金により形成し、素地表面をニッケルよりイオン化傾向の大きな卑金属表面とすることも可能である。
次に、上記のように構成した実施の形態2に係るニッケルフリー給水装置としてのクランク付混合栓30,40の作用及び効果について説明する。まず、混合栓30のハンドル33を回転してこまを弁座から離間し、基部31の通水路31aからパイプ36に通水すると、給水管からの給水が、クランク40の給水口41から通水路40aを経て接続口42へと流れ、更に、混合栓30の基部31の通水路31aを経て吐水口へと流れ、最終的に、パイプ36先端の吐水口から吐出される。このとき、実施の形態1と同様、基部41の内部表面、パイプ36の内部表面等には、ニッケルめっきまたはニッケルクロムめっきからなるめっき層が設けられている。したがって、混合栓30の基部31の通水路31aへの通水及びパイプ36の通水路への通水に伴い、基部31及びパイプ36等の内部表面のめっき層に含有されるニッケルが、通水中に浸出または溶出することが考えられる。しかし、実施の形態2では、クランク40の素地40xの内部表面に、ニッケルよりイオン化傾向の大きい卑な金属である亜鉛からなる卑金属めっき層40yを設けたため、実施の形態1と同様にして、混合栓30の基部31の内部表面及びパイプ36の内部表面のめっき層からのニッケルの浸出を抑制乃至防止することができる。また、混合栓30の基部31やパイプ36等の素地に錫、鉛、カドミウム等が含有されると共に、内部表面の一部に非めっき部としての素地表面が存在する場合でも、実施の形態1と同様、クランク40の素地40xの内部表面の卑金属めっき層40yが、素地に含有される錫、鉛、カドミウム等の浸出または溶出を防止する。更に、実施の形態1と同様、クランク40の卑金属めっき層40yにより、クランク40の給水部41と給水管先端との接続部、クランク40の接続部42と混合栓30の基部41の給水口42との接続部、混合栓30の基部31の吐水口とパイプ36基端との接続部、パイプ36の吐水口の内部表面等において、キャビテーション腐食等の各種の腐食を防止することができる。特に、実施の形態2では、混合栓30に接続されるクランク40の内部表面に卑金属めっき層40yを設けて、ニッケル等の浸出を防止する構成としたため、既設の混合栓においても、従来のクランクに代えて実施の形態2のクランク40を接続するだけで、ニッケル等の浸出を防止することができる。
実施の形態3
以下、本発明の実施の形態3に係るニッケルフリー給水装置について説明する。図3は本発明の実施の形態3に係るニッケルフリー給水装置としてのクランク付混合栓を示す一部断面図である。
以下、本発明の実施の形態3に係るニッケルフリー給水装置について説明する。図3は本発明の実施の形態3に係るニッケルフリー給水装置としてのクランク付混合栓を示す一部断面図である。
図3に示すように、実施の形態3に係るニッケルフリー給水装置は、クランク付混合栓、即ち、クランク60を介して壁付けされる2ハンドル式の混合栓50に具体化される。混合栓50は、切替ハンドル34を備えない点を除き、実施の形態2の混合栓30とほぼ同様の構成である。即ち、混合栓50の基部51の内部には通水路51aが形成されている。また、基部51の一側(壁側)には給水口52が設けられている。更に、基部51は、快削黄銅等の鉛含有銅合金(銅系金属材)製の素地からなると共に、その素地表面には、ニッケルめっき層またはニッケルクロムめっき層からなるめっき層が形成されている。めっき層は、実施の形態1と同様、基部51の素地の外部表面のみならず、基部51の素地の内部表面にも形成されている。即ち、基部51の通水路51aに沿った内部表面及び基部51内の弁座の表面には、ニッケルめっきまたはニッケルクロムめっきからなるめっき層が形成されている。
一方、クランク60は、内部に通水路60aを形成している。クランク60の基端側には、壁側で給水管(図示略)の先端に螺合して接続される給水口61が形成されている。クランク60の給水口61の開口を介して、通水路60aが給水管の通水路に接続して連通するようになっている。また、クランク60の先端側には接続口62が形成されている。接続口62は、クランクナット43を介して、混合栓50の基部51の通水路51aの入口としての給水口52に接続される。これにより、接続口62及び給水口52を介して、クランク60の通水路60aが混合栓50の基部51の通水路51aと連通するようになっている。そして、給水管から供給される水源からの水を、クランク60を介して混合栓50の基部51の通水路51aへと供給するようになっている。
ここで、実施の形態3では、クランク60は、快削黄銅等の鉛含有銅合金(銅系金属材)製の素地60xからなると共に、図3中の一点鎖線の拡大視にて示すように、その素地60x表面には、亜鉛めっき層からなる卑金属めっき層60yが形成されている。卑金属めっき層60yは、クランク60の素地60xの外部表面のみならず、素地60xの内部表面にも形成されている。即ち、クランク60の通水路60aに沿った内部表面は、卑金属めっき層60yにより、ニッケルよりイオン化傾向の大きな卑金属である亜鉛めっきからなる卑金属表面となっている。なお、クランク60の卑金属めっき層60yは、通常、内部表面の全体に形成されるが、内部表面の一部に形成してもよい。また、実施の形態3のクランク60の内部表面を構成する卑金属表面は、黄銅等の素地表面に亜鉛めっきを施しためっき表面とすることが好ましいが、素地自体を亜鉛または亜鉛合金により形成し、素地表面をニッケルよりイオン化傾向の大きな卑金属表面とすることも可能である。
実施の形態3においては、更に、混合栓50の基部51の通水路51aの入口としての給水口52に接続口62及び通水路60aを介して接続するクランク60の入口としての給水口61の内部に、ニッケルよりイオン化傾向の大きな金属からなる卑金属製の環状物である亜鉛リング71が、打ち込み等により挿着して固定されている。また、混合栓50の基部51の通水路51aの出口としての吐水口に通水路を介して接続するパイプ36の出口としての吐水口の内部にも、ニッケルよりイオン化傾向の大きな金属からなる卑金属製の環状物である亜鉛リング72が、打ち込み等により挿着して固定されている。亜鉛リング71はクランク60の給水口61の内径と同一の外形を有する円筒状であり、内部の断面円形の連通孔71aを介して、給水管の通水路とクランク60の通水路60aとを連通している。これにより、給水管からの給水は、亜鉛リング71の連通孔71aを通ってクランク60の通水路60aに流入する。また、亜鉛リング72はパイプ36の吐水口の内径と同一の外形を有する円筒状であり、内部の断面円形の連通孔を介して、パイプ36の通水路と外部とを連通している。これにより、混合栓50の基部51の通水路51a及びパイプ36の通水路からの吐水は、亜鉛リング72の連通孔72aを通って外部に吐出される。
次に、上記のように構成した実施の形態3に係るニッケルフリー給水装置としてのクランク付混合栓50,60の作用及び効果について説明する。実施の形態2と同様、混合栓50のハンドル33を回転してこまを弁座から離間し、基部51の通水路51aからパイプ36に通水すると、給水管からの給水が、クランク60の給水口61から通水路60aを経て接続口62へと流れ、更に、混合栓50の基部51の通水路51aを経て吐水口へと流れ、最終的に、パイプ36先端の吐水口から吐出される。このとき、実施の形態2と同様、基部51の内部表面、パイプ36の内部表面等には、ニッケルめっきまたはニッケルクロムめっきからなるめっき層が設けられている。したがって、混合栓50の基部51の通水路51aへの通水及びパイプ36の通水路への通水に伴い、基部51及びパイプ36等の内部表面のめっき層に含有されるニッケルが、通水中に浸出または溶出することが考えられる。しかし、実施の形態3では、クランク60の素地60xの内部表面に、ニッケルよりイオン化傾向の大きい卑な金属である亜鉛からなる卑金属めっき層60yを設けたため、実施の形態2と同様にして、混合栓50の基部51の内部表面及びパイプ36の内部表面のめっき層からのニッケルの浸出を抑制乃至防止することができる。また、混合栓50の基部51やパイプ36等の素地に錫、鉛、カドミウム等が含有されると共に、内部表面の一部に非めっき部としての素地表面が存在する場合でも、実施の形態2と同様、クランク60の素地60xの内部表面の卑金属めっき層60yが、素地に含有される錫、鉛、カドミウム等の浸出または溶出を防止する。更に、実施の形態2と同様、クランク60の卑金属めっき層60yにより、クランク60の給水部61と給水管先端との接続部、クランク60の接続部62と混合栓50の基部51の給水口52との接続部、混合栓50の基部51の吐水口とパイプ36基端との接続部、パイプ36の吐水口の内部表面等において、キャビテーション腐食等の各種の腐食を防止することができる。特に、実施の形態3では、混合栓50に接続されるクランク60の内部表面に卑金属めっき層60yを設けて、ニッケル等の浸出を防止する構成としたため、既設の混合栓においても、従来のクランクに代えて実施の形態3のクランク60を接続するだけで、ニッケル等の浸出を防止することができる。
加えて、実施の形態3では、混合栓50、パイプ36及びクランク60からなるニッケルフリー給水装置の通水路全体51a,60aの入口(クランク60の給水口61)及び出口(パイプ36の吐水口)に、それぞれ、ニッケルよりイオン化傾向の大きな卑金属である亜鉛リング71,72を挿着したため、ニッケルフリー給水装置の通水路の入口または出口のいずれかに水が滞留する場合でも、入口または出口部分でのニッケル等の浸出や腐食をより効果的に防止することができると共に、通水路内に滞留する水による通水路におけるニッケル等の浸出や腐食をより効果的に防止することができる。なお、亜鉛リング71,72等のニッケルよりイオン化傾向の大きな卑金属からなる環状物は、ニッケルフリー給水装置の通水路全体51a,60aの入口または出口の一方にのみ設けることも可能であるが、この場合、かかる環状物を設けない入口または出口の内表面に滞留する水により、同部分でのニッケル等の浸出や腐食が発生する可能性を否定できないため、好ましくは、入口及び出口の双方に設ける。
実施の形態4
以下、本発明の実施の形態4に係るニッケルフリー給水装置について説明する。図4は本発明の実施の形態4に係るニッケルフリー給水装置としての浄水器具部品の吐水パイプ接続部分を示す一部断面図である。
以下、本発明の実施の形態4に係るニッケルフリー給水装置について説明する。図4は本発明の実施の形態4に係るニッケルフリー給水装置としての浄水器具部品の吐水パイプ接続部分を示す一部断面図である。
図4に示すように、実施の形態4に係るニッケルフリー給水装置は、浄水器の給水経路や吐水経路を構成する浄水器具部品80に具体化される。浄水器具部品80は、基部81の先端に、ナット部82を介して吐水パイプ91を水密に接続している。基部81は内部に通水路81aを有し、通水路81aは吐水パイプ91の通水路91aと連通している。また、基部81は、快削黄銅等の鉛含有銅合金(銅系金属材)製の素地からなると共に、その素地表面には、ニッケルめっき層またはニッケルクロムめっき層からなるめっき層が形成されている。めっき層は、実施の形態2〜3と同様、基部81の素地の外部表面のみならず、基部81の素地の内部表面にも形成されている。即ち、基部81の通水路81aに沿った内部表面等には、ニッケルめっきまたはニッケルクロムめっきからなるめっき層が形成されている。一方、吐水パイプ91は、快削黄銅等の鉛含有銅合金(銅系金属材)製の素地91xからなると共に、図4中の一点鎖線の拡大視にて示すように、その素地91x表面には、亜鉛めっき層からなる卑金属めっき層91yが形成されている。卑金属めっき層91yは、吐水パイプ91の素地91xの外部表面のみならず、素地91xの内部表面にも形成されている。即ち、吐水パイプ91の通水路91aに沿った内部表面は、卑金属めっき層91yにより、ニッケルよりイオン化傾向の大きな卑金属である亜鉛めっきからなる卑金属表面となっている。なお、吐水パイプ91の卑金属めっき層91yは、通常、内部表面の全体に形成されるが、内部表面の一部に形成してもよい。また、実施の形態4の吐水パイプ91の内部表面を構成する卑金属表面は、黄銅等の素地表面に亜鉛めっきを施しためっき表面とすることが好ましいが、素地自体を亜鉛または亜鉛合金により形成し、素地表面をニッケルよりイオン化傾向の大きな卑金属表面とすることも可能である。
次に、上記のように構成した実施の形態4に係るニッケルフリー給水装置としての浄水器具部品80,91の作用及び効果について説明する。まず、水源からの水(水道水等)を浄水器に通水すると、浄水器からの浄水が、浄水器具部品80の基部81の通水路81aを経て吐水パイプ91の通水路91aへと流れ、吐水パイプ91先端の吐水口から吐出される。このとき、基部81の内部表面の内部表面等には、ニッケルめっきまたはニッケルクロムめっきからなるめっき層が設けられている。したがって、浄水器具部品80の基部81の通水路81aへの通水に伴い、基部81等の内部表面のめっき層に含有されるニッケルが、通水中に浸出または溶出することが考えられる。しかし、実施の形態4では、吐水パイプ91の素地91xの内部表面に、ニッケルよりイオン化傾向の大きい卑な金属である亜鉛からなる卑金属めっき層91yを設けたため、実施の形態2または3と同様にして、基部81の内部表面等のめっき層からのニッケルの浸出を抑制乃至防止することができる。また、基部81等の素地に錫、鉛、カドミウム等が含有されると共に、内部表面の一部に非めっき部としての素地表面が存在する場合でも、実施の形態2または3と同様、吐水パイプ91の素地91xの内部表面の卑金属めっき層91yが、素地に含有される錫、鉛、カドミウム等の浸出または溶出を防止する。更に、実施の形態2または3と同様、吐水パイプ91の卑金属めっき層91yにより、浄水器具部品80の基部81またはナット部82と吐水パイプ91の基端部との接続部C(図4中一点鎖線で囲む部分)の内部表面等において、キャビテーション腐食等の各種の腐食を防止することができる。特に、実施の形態4では、浄水器具部品80に接続される吐水パイプ91の内部表面に卑金属めっき層91yを設けて、ニッケル等の浸出を防止する構成としたため、既設の浄水器においても、従来の吐水パイプに代えて実施の形態4の吐水パイプ91を接続するだけで、ニッケル等の浸出を防止することができる。
ところで、本発明のニッケルフリー給水装置は、上記のように、特定金属として、ニッケル以外にも、カドミウム、鉛、錫等の浸出を防止することができる。即ち、特定金属としては、ニッケル以外にも、クロム、鉄、カドミウム、コバルト、錫、鉛、銅等、上記卑金属よりイオン化傾向の小さい金属を挙げることができる。また、特定金属よりイオン化傾向の小さな卑金属としては、イオン化傾向の大きさによるニッケル等の浸出防止作用、コスト、安全性等の点で、亜鉛が最も好ましいが、特定金属よりイオン化傾向が大きい限りにおいて、亜鉛以外の金属を使用することができる。例えば、ニッケルの浸出防止の場合、コバルト、鉄(FeII)、アルミニウム、マグネシウム等の金属を使用することができる。即ち、特定金属よりイオン化傾向が大きい限りにおいて、亜鉛以外の任意の金属から上記卑金属めっき層や環状物を形成してもよい。しかし、このうち、鉄については、赤錆が発生して通水中に混入したり沈殿したりする可能性があるため、この点を考慮して使用する必要がある。また、鉄の場合、そのイオン化傾向により、亜鉛よりもニッケル等の溶出防止作用は小さくなる。更に、コバルトは、赤錆の発生等を考慮する必要はないが、鉄よりも更にイオン化傾向が小さく、ニッケルの溶出防止作用は小さいと思われる。但し、亜鉛コバルト合金等、イオン化傾向の大きな金属との合金として具体化することにより、ニッケルの溶出防止作用を増大することができる。一方、亜鉛やマグネシウムは、人体にとって必須のミネラル分であり、この点からも、前記卑金属として好ましい。 即ち、この場合、本発明のニッケルフリー給水装置は、亜鉛やマグネシウム等の必須ミネラル分をも飲用水と共に自動的に摂取可能なニッケルフリー・必須ミネラル摂取給水装置として具体化することができる。しかし、この場合、亜鉛やマグネシウム自体が過剰に浸出しないよう考慮する必要はある。なお、厚生労働省による現在の水道施設の技術的基準による亜鉛の規制値は、0.1mg/L以下であり、非通水時に滞留する水中の亜鉛浸出量程度は問題ない。このように、卑な金属としては、ニッケルよりイオン化傾向の大きなものであれば、任意の金属を使用することができる。
また、本発明のニッケルフリー給水装置は、上記のように、こま18の全部または一部に卑金属表面(素地表面またはめっき表面)を設けたり、クランク40,60の内部表面の全部または一部に卑金属表面(素地表面またはめっき表面)を設けたり、吐水パイプ91の内部表面の全部または一部に卑金属表面(素地表面またはめっき表面)を設けたり、通水路の入口や出口に卑金属表面(素地表面またはめっき表面)を有する部材を設けたりする以外にも、吐水キャップ、混合栓のクランクの調整弁等、その他の内部部品や通水路の経路上に配置される部品等に卑金属表面(素地表面またはめっき表面)を設けて実現することができる。例えば、水道金具の側壁等に穿孔し、その孔に亜鉛(Zn)棒や、鉄(Fe)丸棒等を取付ければ、亜鉛(Zn)や鉄(Fe)が適量に溶出した水道水となり、亜鉛等が不足する人には亜鉛棒を設けることで亜鉛を摂取させることができ、また、鉄分が不足する人には鉄棒を設けることで鉄分を補充することができるという効果も発揮する。
ところで、本発明に係るニッケルフリー給水装置は、通水路の内部に特定金属からなる内部表面を有し、前記通水路に通水した水が内部表面に接触する任意のニッケルフリー給水装置に具体化することができる。この場合、通水路の内部表面の少なくとも一部、または、通水経路において前記内部表面に接続する部分に、前記特定金属よりイオン化傾向の大きな金属からなる卑金属部を一体的に設ければよい。また、この場合、「通水路の内部に特定金属からなる特定金属表面を有する」とは、どのような形態であれ、通水経路上に特定金属表面が存在し、通水がその特定金属表面に接触して、通水に伴い特定金属が水中に浸出・溶出・溶解し、吐水に含有されることになるような場合を言い、例えば、素地上に形成しためっき表面からなる内部表面が特定金属製(特定金属めっき)、めっきを施さない装置(鋳放品等)の場合において、素地自体が特定金属製、内部部品(ケレップ等)の表面が特定金属、めっきを施さない内部部品の場合において、内部部品自体が特定金属の場合が考えられる。これらの場合、通水経路に卑金属部を設けることで、特定金属の溶出を防止できる。
本発明のニッケルフリー給水装置は、更に、前記通水路の内部に設けられる内部部品を備え、前記卑金属部は、前記内部部品の表面(素地表面またはめっき表面)を前記特定金属よりイオン化傾向の大きな金属からなる卑金属表面としたものとすることもできる。或いは、ニッケルフリー給水装置は、更に、前記通水路の入口に接続されて水源からの水を前記通水路へ供給する筒状の連結部材を備え、前記卑金属部は、前記特定金属よりイオン化傾向の大きな金属からなり、前記連結部材の内部表面に形成されためっき層を有するものとすることもできる。或いは、ニッケルフリー給水装置の前記卑金属部は、前記特定金属よりイオン化傾向の大きな金属からなり、前記通水路の入口または出口の少なくとも一方に装着された環状部材を有するよう構成することもできる。或いは、ニッケルフリー給水装置の前記卑金属部は、前記特定金属よりイオン化傾向の大きな金属からなり、前記通水路の内部表面の少なくとも一部に形成されためっき層を有するよう構成することもできる。また、本発明のニッケルフリー給水装置は、化粧バルブ等の任意の給水装置に具体化することもできる。更に、本発明のニッケルフリー給水装置は、上記各水道用品以外にも、通水環境下で使用され、通水(吐水)が最終的に人体に摂取されるような器具または部品等にも適用可能である。
本発明は、上記のように、給水施設の給水装置として使用される蛇口、浄水装置として使用される浄水器、給水施設の給水タンク、湯沸し機等、給水配管途中に使用される各種装置や、継手類等の部品等、全ての給水装置に機能・装飾目的で被覆されているニッケルクロム(NiCr)めっき、または、ニッケル(Ni)めっきから給水中の水に溶出されるニッケル(Ni)を、イオン化傾向を応用して、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、亜鉛(Zn)、コバルト(Co)等のニッケル(Ni)よりも卑な金属を、給水施設や、各種配管継手等にメッキ層、環状体、棒状体、塊状体等として設けることで、人間がミネラルとして必要とするMgやZn等の金属を使用して、給水装置から溶出するNiを抑制する一方、MgやZnをイオン化傾向の違いにより溶出させることができる画期的な技術である。即ち、本発明は、給水施設からのNiの溶出を軽減させるため、電気化学的作用であるイオン化傾向の応用により、蛇口等の給水施設(給水装置)に施してあるNiめっき、または、NiCrめっきのNiよりイオン化傾向の大きな卑な金属からなるめっき層、または、卑な金属を含む合金めっき層等を、給水施設や給水装置の配管途中、または、給水装置の末端吐水部や給水装置の装置内等に設置・装着する。例えば、鉄、亜鉛、コバルト等、Niよりイオン化傾向の大きな卑な金属を単体で使用したり、鉄、亜鉛、コバルト等を他の金属と混合した合金等のイオン化傾向の大きな卑な金属を利用したりすることにより、Niの溶出を軽減させることができる。しかしながら、卑な金属からなる金属めっき層または合金めっき層等を、給水施設、給水装置の配管途中、給水装置の末端吐水部、給水装置内等に設置・装着する場合、その給水施設や蛇口等の給水装置に施してあるNiめっきやNiCrめっきの被覆量、被覆面積、給水装置の蛇口などから吐水される湯の温度に応じて、使用する卑な金属を適宜選定し、使用量の設定も行うことが好ましい。なお、Zn棒、Zn魂、Znメッキ品や、Fe棒、Fe魂等の使用量は、対象とするNi皮膜(Niめっき)の量(面積)に比例する。
以下、本発明のニッケルフリー給水装置について実施したニッケルの浸出実験結果を実施例1として説明する。表1は、本発明に係る各種給水装置(本発明品)におけるニッケル浸出量と、本発明の比較対象としての従来の給水装置(比較対照品)におけるニッケル浸出量とをそれぞれ示す。本発明品及び比較対照品のいずれも、内部表面にニッケルめっき層を有するものである。また、本発明品の化粧バルブ4〜5(止水栓)はいずれも同一型番の別ロット品で、通水路入口及び出口に亜鉛リングを挿着したものであり、本発明品の胴長水栓1〜2はいずれも同一型番の別ロット品で、通水路入口及び出口に亜鉛リングを挿着したものである。一方、比較対照品の化粧バルブ1〜3(止水栓)は、本発明品の化粧バルブ4〜5と同一型番の別ロット品であるが、通水路入口及び出口に亜鉛リングを挿着しない従来品である。なお、試験は、JIS S 3200−7(2004)にしたがって行った。また、評価対象器具は配管途中に設置した。更に、コンディショニングは無しで、浸出温度は23℃にて試験を行った。なお、表1中に示すニッケルの浸出量は、いずれも補正値(ρ)である。補正値(ρ)とは、公式具の分析結果(C´)に所定の補正係数(NF)を乗じて算出した値である。補正係数(C´)は、供試器具における浸出液が接触する部分の内容積(VL(L))を、評価対象器具における飲料水が接触する部分の内容積(VF(L))により除した値である。また、評価対象器具が化粧バルブの場合、配管途中に設置されるため、VF値は、評価対象器具における水が接触する部分の内容積の25倍とした。一方、評価対象器具が胴長水栓の場合、末端に設置されるため、VF値が1L以下の場合、VF=1Lとした。
(表1)
┌──────┬────────────┬───────┬──────────┐
│ 種 別 │ 評価対象器具 │ 補正係数NF │ 浸出量(mg/L) │
├──────┼────────────┼───────┼──────────┤
│比較対照品1│ 化粧バルブ1(止水栓) │ 0.04 │ 0.14 │
├──────┼────────────┼───────┼──────────┤
│比較対照品2│ 化粧バルブ2(止水栓) │ 0.04 │ 0.20 │
├──────┼────────────┼───────┼──────────┤
│比較対照品3│ 化粧バルブ2(止水栓) │ 0.04 │ 0.24 │
├──────┼────────────┼───────┼──────────┤
│ 本発明品1 │ 化粧バルブ2(止水栓) │ 0.04 │ 0.0006 │
├──────┼────────────┼───────┼──────────┤
│ 本発明品2 │ 化粧バルブ2(止水栓) │ 0.04 │ 0.0003 │
├──────┼────────────┼───────┼──────────┤
│ 本発明品3 │ 胴長水栓1 │ 0.022 │ 0.00004 │
├──────┼────────────┼───────┼──────────┤
│ 本発明品4 │ 胴長水栓2 │ 0.022 │ 0.0002 │
└──────┴────────────┴───────┴──────────┘
(表1)
┌──────┬────────────┬───────┬──────────┐
│ 種 別 │ 評価対象器具 │ 補正係数NF │ 浸出量(mg/L) │
├──────┼────────────┼───────┼──────────┤
│比較対照品1│ 化粧バルブ1(止水栓) │ 0.04 │ 0.14 │
├──────┼────────────┼───────┼──────────┤
│比較対照品2│ 化粧バルブ2(止水栓) │ 0.04 │ 0.20 │
├──────┼────────────┼───────┼──────────┤
│比較対照品3│ 化粧バルブ2(止水栓) │ 0.04 │ 0.24 │
├──────┼────────────┼───────┼──────────┤
│ 本発明品1 │ 化粧バルブ2(止水栓) │ 0.04 │ 0.0006 │
├──────┼────────────┼───────┼──────────┤
│ 本発明品2 │ 化粧バルブ2(止水栓) │ 0.04 │ 0.0003 │
├──────┼────────────┼───────┼──────────┤
│ 本発明品3 │ 胴長水栓1 │ 0.022 │ 0.00004 │
├──────┼────────────┼───────┼──────────┤
│ 本発明品4 │ 胴長水栓2 │ 0.022 │ 0.0002 │
└──────┴────────────┴───────┴──────────┘
上記のように、本発明品1〜4は、いずれも、比較対照品1〜3に比べ、明らかにニッケル浸出抑制効果に優れていることが判明した。
次に、本発明のニッケルフリー給水装置について実施したニッケル及びその化合物の浸出実験結果を実施例2として説明する。表2は、本発明に係るニッケルフリー給水装置(本発明品)におけるニッケル及びその化合物の浸出量を示す。本発明品は、内部表面にニッケルクロムめっき層を有するものである。また、本発明品の胴長水栓3〜4は同一型番の別ロット品であるが、胴長水栓3については、通水路入口及び出口に亜鉛リングを挿着し、胴長水栓4については、通水路入口及び出口に鉄リングを挿着した。なお、試験は、JIS S 3200−7(2004)にしたがって行った。また、評価対象器具は末端給水用具として設置した。更に、分析方法はICP法によった。なお、表2中に示すニッケル及びその化合物の浸出量は、いずれも補正値(ρ)である。また、評価対象器具が胴長水栓の場合、末端に設置されるため、VF値が1L以下の場合、VF=1Lとした。
(表2)
┌──────┬────────────┬───────┬──────────┐
│ 種 別 │ 評価対象器具 │ 補正係数NF │ 浸出量(mg/L) │
├──────┼────────────┼───────┼──────────┤
│ 本発明品5 │ 胴長水栓3 │ 0.020 │ 0.00046 │
├──────┼────────────┼───────┼──────────┤
│ 本発明品6 │ 胴長水栓4 │ 0.023 │ 0.0048 │
└──────┴────────────┴───────┴──────────┘
(表2)
┌──────┬────────────┬───────┬──────────┐
│ 種 別 │ 評価対象器具 │ 補正係数NF │ 浸出量(mg/L) │
├──────┼────────────┼───────┼──────────┤
│ 本発明品5 │ 胴長水栓3 │ 0.020 │ 0.00046 │
├──────┼────────────┼───────┼──────────┤
│ 本発明品6 │ 胴長水栓4 │ 0.023 │ 0.0048 │
└──────┴────────────┴───────┴──────────┘
上記のように、本発明品5は、明らかにニッケル浸出抑制効果に優れていることが判明した。また、本発明品6は、本発明品5よりは劣るものの、やはり、ニッケル浸出抑制効果に優れていることが判明した。
10:単水栓(ニッケルフリー給水装置)、11a:通水路、18:こま(内部部品)
20:自在吐水パイプ(ニッケルフリー給水装置)、31:基部、31a:通水路、
30:混合栓(ニッケルフリー給水装置)
40:クランク(ニッケルフリー給水装置、連結部材)、40a:通水路
40x:素地、40y:卑金属めっき層(卑金属部)
50:混合栓(ニッケルフリー給水装置)
60:クランク(ニッケルフリー給水装置、連結部材)、60a:通水路
60x:素地、60y:卑金属めっき層(卑金属部)
71:亜鉛リング(卑金属部、環状部材)、72:亜鉛リング(卑金属部、環状部材)
80:浄水器具部品(ニッケルフリー給水装置)、81a:通水路
91:吐水パイプ(ニッケルフリー給水装置)、91a:通水路、91x:素地
91y:卑金属めっき層(卑金属部)
20:自在吐水パイプ(ニッケルフリー給水装置)、31:基部、31a:通水路、
30:混合栓(ニッケルフリー給水装置)
40:クランク(ニッケルフリー給水装置、連結部材)、40a:通水路
40x:素地、40y:卑金属めっき層(卑金属部)
50:混合栓(ニッケルフリー給水装置)
60:クランク(ニッケルフリー給水装置、連結部材)、60a:通水路
60x:素地、60y:卑金属めっき層(卑金属部)
71:亜鉛リング(卑金属部、環状部材)、72:亜鉛リング(卑金属部、環状部材)
80:浄水器具部品(ニッケルフリー給水装置)、81a:通水路
91:吐水パイプ(ニッケルフリー給水装置)、91a:通水路、91x:素地
91y:卑金属めっき層(卑金属部)
Claims (11)
- 通水路に沿って特定金属からなる内部表面を有するニッケルフリー給水装置であって、
前記内部表面の少なくとも一部、または、前記通水路上で前記内部表面に接続する部分に、前記特定金属よりイオン化傾向の大きな金属からなる卑金属部を一体的に設けたことを特徴とするニッケルフリー給水装置。 - 更に、前記通水路上に設けられる内部部品を備え、
前記卑金属部は、前記内部部品の表面を前記特定金属よりイオン化傾向の大きな金属からなる卑金属表面としたものであることを特徴とする請求項1または2記載のニッケルフリー給水装置。 - 更に、前記通水路の入口に接続されて水源からの水を前記通水路へ供給する連結部材を備え、
前記卑金属部は、前記特定金属よりイオン化傾向の大きな金属からなり、前記連結部材の内部表面に形成されためっき層を有することを特徴とする請求項1または2記載のニッケルフリー給水装置。 - 前記卑金属部は、前記特定金属よりイオン化傾向の大きな金属からなり、前記通水路の入口または出口の少なくとも一方に装着された環状部材を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のニッケルフリー給水装置。
- 前記卑金属部は、前記特定金属よりイオン化傾向の大きな金属からなり、前記内部表面の少なくとも一部に形成されためっき層を有することを特徴とする請求項1または2記載のニッケルフリー給水装置。
- 鉛含有金属材からなる素地と、前記素地の内部表面に形成されたニッケルめっき層とを有し、内部に通水路を形成する管部と、前記管部の通水路上に設けられる内部部品とを備えたニッケルフリー給水装置であって、
前記内部部品の表面を、ニッケルよりイオン化傾向の大きな金属からなる卑金属表面としたことを特徴とするニッケルフリー給水装置。 - 鉛含有金属材からなる素地と、前記素地の内部表面に形成されたニッケルめっき層とを有し、内部に通水路を形成する基部と、前記基部の通水路の入口に接続されて水源からの水を前記通水路へ供給する連結部材とを備えたニッケルフリー給水装置であって、
前記連結部材の内部表面を、ニッケルよりイオン化傾向の大きな金属からなる卑金属表面としたことを特徴とするニッケルフリー給水装置。 - 鉛含有金属材からなる素地と、前記素地の内部表面に形成されたニッケルめっき層とを有し、内部に通水路を形成する管部を備えたニッケルフリー給水装置であって、
前記管部の通水路の入口または出口の少なくとも一方に、ニッケルよりイオン化傾向の大きな金属からなる卑金属製の環状物を装着したことを特徴とするニッケルフリー給水装置。 - 鉛含有金属材からなる素地と、前記素地の内部表面に形成されたニッケルめっき層とを有し、内部に通水路を形成する管部を備えたニッケルフリー給水装置であって、
前記管部の内部表面の少なくとも一部を、ニッケルよりイオン化傾向の大きな金属からなる卑金属めっき表面としたことを特徴とするニッケルフリー給水装置。 - 前記鉛含有金属材は、鉛含有銅系金属材であることを特徴とする請求項6乃至9のいずれか1項記載のニッケルフリー給水装置。
- 前記イオン化傾向の大きな金属は、マグネシウムまたは亜鉛の少なくともいずれか1種からなることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項記載のニッケルフリー給水装置。
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---|---|---|---|---|
JP2012180598A (ja) * | 2010-03-29 | 2012-09-20 | Kitz Corp | 銅合金製配管器材のカドミウム溶出防止方法とこれを用いた銅合金製配管器材 |
JP2018154897A (ja) * | 2017-03-21 | 2018-10-04 | 東京瓦斯株式会社 | 配管、給水システム及び給水方法 |
WO2020031462A1 (ja) * | 2018-08-10 | 2020-02-13 | 株式会社Lixil | 水道用器具 |
CN116201963A (zh) * | 2022-12-30 | 2023-06-02 | 湖南大众管业有限责任公司 | 一种防止结垢的pe饮用水管及制备方法 |
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2005
- 2005-05-12 JP JP2005139306A patent/JP2006316480A/ja active Pending
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