JP2006316229A - 保存性の優れたフェノール系樹脂 - Google Patents
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Abstract
【課題】 保存性と噴霧特性及び結着性に優れ、未反応のフェノール系化合物のモノマー及び未反応のアルデヒド系化合物が少なく、非常に高い水混和性を有し、木質繊維板、パーティクルボード、合板、FRP、成形材料、その他の有機物及び無機物の基材の結着等に好適なフェノール系樹脂を提供する。
【解決手段】 ホルムアルデヒドとフェノール系化合物を反応させてなるホウ酸類を含有するフェノール系樹脂において、固形分を50%に調製したとき、
(1)粘度Aと粘度Bの関係
(2)粘度Bと数平均分子量の関係
(3)フェノール系モノマーのモノメチロール化反応物に対する該モノマーの3核体以上の割合
(4)GPCによる3核体以上の組成比率をと粘度Bの関係
(5)GPCによる分子量化合物の組成比率と粘度Bの関係
が所定の値及び所定の式で得られる値の範囲に入るものであることを特徴とするホウ酸類含有フェノール系樹脂。
注:粘度Aは30℃における動粘度を示し、粘度Bは23℃におけるBM型粘度計で測定した粘度を示す。
【解決手段】 ホルムアルデヒドとフェノール系化合物を反応させてなるホウ酸類を含有するフェノール系樹脂において、固形分を50%に調製したとき、
(1)粘度Aと粘度Bの関係
(2)粘度Bと数平均分子量の関係
(3)フェノール系モノマーのモノメチロール化反応物に対する該モノマーの3核体以上の割合
(4)GPCによる3核体以上の組成比率をと粘度Bの関係
(5)GPCによる分子量化合物の組成比率と粘度Bの関係
が所定の値及び所定の式で得られる値の範囲に入るものであることを特徴とするホウ酸類含有フェノール系樹脂。
注:粘度Aは30℃における動粘度を示し、粘度Bは23℃におけるBM型粘度計で測定した粘度を示す。
Description
本発明は、保存性と噴霧特性及び結着性に優れ、未反応のフェノール系化合物のモノマー及び未反応のホルムアルデヒドが少なく、非常に高い水混和性を有し、木質繊維板、パーティクルボード、合板、FRP、成形材料、その他の有機物及び無機物の基材の結着等に好適なフェノール系樹脂に関するものである。
ロックウールボード、木質繊維板等の板状成形体は、通常、フェノール系樹脂等の結合剤を噴霧器によりロックウール、木質繊維といった基材に噴霧した後、圧締成形して製造される。
その際、結合剤は、一般に水溶液又は水分散液等の水性組成物の状態で噴霧される。該結合剤に求められる特性としては、容易に噴霧でき、さらに基材を被覆して結着でき、また同時に未反応のモノマーの含有量が少ないことや環境ホルモンなどの有害な物質を含まないことが挙げられる。
そのためには、こうした結合剤は、長期間の安定性及び高い水混和性を保ちつつ、基材へ噴霧する際に所望の濃度にまで希釈できるものでなくてはならず、畢竟、結合剤の噴霧特性は、水への樹脂の混和性に規定されることになる。
その際、結合剤は、一般に水溶液又は水分散液等の水性組成物の状態で噴霧される。該結合剤に求められる特性としては、容易に噴霧でき、さらに基材を被覆して結着でき、また同時に未反応のモノマーの含有量が少ないことや環境ホルモンなどの有害な物質を含まないことが挙げられる。
そのためには、こうした結合剤は、長期間の安定性及び高い水混和性を保ちつつ、基材へ噴霧する際に所望の濃度にまで希釈できるものでなくてはならず、畢竟、結合剤の噴霧特性は、水への樹脂の混和性に規定されることになる。
結合剤として汎用されているフェノール系樹脂は、塩基性触媒の存在下においてフェノール類とホルムアルデヒドとの縮合により得られるが、水混和性を高めるためには、モノマーの縮合度を制限し、親水性の低い縮合物の生成を抑制しなければならない。しかし、この時点で中和した樹脂は未反応モノマーの含有率が高くなってしまう。また、縮合度が低い故に基材への浸透度が高く基材同士の結着性低下の一因となる。
フェノール系樹脂を基材に噴霧する場合は、噴霧の間及び/又は噴霧後の加熱処理の間での大気汚染及び作業環境の悪化防止のため、使用される組成物は未反応のフェノール類、ホルムアルデヒド及びこれらの初期縮合物の生成量を限りなく少なくすることが望ましい。未反応のフェノール類、及びとりわけ揮発性のフェノール系誘導体の含有量は、理論的には、樹脂の縮合の時間と温度を増加させることにより減少させることができるが、この方法では樹脂の水混和性が悪化してしまい、希釈率制限による噴霧の不均一化及び噴霧基材の物性のばらつきを生じることとなる。さらには粘度の増加により、噴霧口に樹脂の硬化物が付着したり、板状物自体が成形設備へ付着したりするなど、作業性の悪化を引き起こす。
更に、樹脂を工場等での板状物等の生産に用いるにあたっては、十分な期間安定でなくてはならず、該樹脂は長期の使用が可能であることが望ましく、保管中の物性が安定していることが好ましい。特に水混和性は長期間高い値でなくてはならない。工場での保存状況を考慮すると、樹脂は20℃で30日間保存しても、20倍以上の水混和性が維持できるものがよい。
噴霧器を用いて基材に噴霧し、基材を結着させる工程を経て製品を製造する過程において、噴霧する組成物として使用されるフェノール系樹脂については、揮発性モノマーを減少させる方法(特許文献1)、ホウ酸類で水混和性を改良させる方法(特許文献2、特許文献3)などが報告されているが、保存性と噴霧特性及び結着性に優れ、未反応のフェノール系化合物のモノマー及び未反応のホルムアルデヒドが少なく、非常に高い水混和性を有するという点全てを満足させるものはない。
本発明は、板状成形物の製造における上記問題点を克服し、保存性と噴霧特性及び結着性に優れ、未反応のフェノール系化合物のモノマー及び未反応のホルムアルデヒドが少なく、非常に高い水混和性を有し、木質繊維板、パーティクルボード、合板、FRP、成形材料、その他の有機物及び無機物の基材の結着等に好適なフェノール系樹脂を提供せんとするものである。
この目的のために本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、ホウ酸類含有フェノール系樹脂の固形分を50%に調製したときの粘度A、粘度B、数平均分子量、GPCによる3核体以上の高分子量分及び低分子量分を制御することで本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、ホルムアルデヒドとフェノール系化合物を反応させてなるホウ酸類を含有するフェノール系樹脂において、固形分を50%に調製したときの粘度A(*1)が、15cStから30cSt及び/又は粘度B(*2)が15mPa・sから50mPa・sであり、粘度AをX軸(cSt)、粘度BをY軸(mPa・s)としたときの粘度Aと粘度Bの関係が
Y=1.6035X+8.9513 式(I)と
Y=1.6035X−9.0487 式(II)
で得られる値の範囲であり、固形分を50%に調製したときの粘度Bと数平均分子量の関係が、粘度BをX軸(mPa・s)、数平均分子量をY軸としたときに
Y=2.1812X+198.05 式(III)と
Y=2.1812X+248.05 式(IV)
で得られる値の範囲で、該樹脂の分子量分布(GPCによる)においてフェノール系モノマーのモノメチロール化反応物に対するフェノール系モノマーの3核体以上の割合が8以下で、前記分子量分布における3核体以上が20%以上から40%以下の範囲で、該3核体以上の組成比率をY軸(%)、上記粘度BをX軸(mPa・s)にしたときの関係が
Y=0.5485X+17.7383 式(V)と
Y=0.5485X+1.7383 式(VI)
で得られる値の範囲であり、上記分子量分布の低分子量化合物(フェノール系モノマーとフェノール系モノマーのモノメチロール化反応物)が5%以上から20%以下の範囲で、該低分子量化合物の組成比率をY軸(%)、上記粘度BをX軸(mPa・s)にしたときの関係が
Y=−0.4006X+30.158 式(VII)と
Y=−0.4006X+20.158 式(VIII)
で得られる値の範囲であることを特徴とするホウ酸類含有フェノール系樹脂に関するものである。
但し、
*1…粘度Aとは、30℃における動粘度の値を示す。
*2…粘度Bとは、23℃におけるBM型粘度計で測定した粘度の値を示す。
すなわち、本発明は、ホルムアルデヒドとフェノール系化合物を反応させてなるホウ酸類を含有するフェノール系樹脂において、固形分を50%に調製したときの粘度A(*1)が、15cStから30cSt及び/又は粘度B(*2)が15mPa・sから50mPa・sであり、粘度AをX軸(cSt)、粘度BをY軸(mPa・s)としたときの粘度Aと粘度Bの関係が
Y=1.6035X+8.9513 式(I)と
Y=1.6035X−9.0487 式(II)
で得られる値の範囲であり、固形分を50%に調製したときの粘度Bと数平均分子量の関係が、粘度BをX軸(mPa・s)、数平均分子量をY軸としたときに
Y=2.1812X+198.05 式(III)と
Y=2.1812X+248.05 式(IV)
で得られる値の範囲で、該樹脂の分子量分布(GPCによる)においてフェノール系モノマーのモノメチロール化反応物に対するフェノール系モノマーの3核体以上の割合が8以下で、前記分子量分布における3核体以上が20%以上から40%以下の範囲で、該3核体以上の組成比率をY軸(%)、上記粘度BをX軸(mPa・s)にしたときの関係が
Y=0.5485X+17.7383 式(V)と
Y=0.5485X+1.7383 式(VI)
で得られる値の範囲であり、上記分子量分布の低分子量化合物(フェノール系モノマーとフェノール系モノマーのモノメチロール化反応物)が5%以上から20%以下の範囲で、該低分子量化合物の組成比率をY軸(%)、上記粘度BをX軸(mPa・s)にしたときの関係が
Y=−0.4006X+30.158 式(VII)と
Y=−0.4006X+20.158 式(VIII)
で得られる値の範囲であることを特徴とするホウ酸類含有フェノール系樹脂に関するものである。
但し、
*1…粘度Aとは、30℃における動粘度の値を示す。
*2…粘度Bとは、23℃におけるBM型粘度計で測定した粘度の値を示す。
本発明によれば、保存性と噴霧特性及び結着性に優れ、未反応のフェノール系化合物のモノマー及び未反応のアルデヒド系化合物が少なく、非常に高い水混和性を有し、木質繊維板、パーティクルボード、合板、FRP、成形材料、その他の有機物及び無機物の基材の結着等に使用されるフェノール系樹脂の製造方法を提供できる。
本発明のホウ酸類含有フェノール系樹脂において、固形分を50%に調製したときの粘
度Aが15cSt未満及び粘度Bが15mPa未満では、該樹脂の縮合度が低すぎ、基材への過浸透が起こり結着性が低下する。また、粘度Aが30cSt及び粘度Bが50mPaを超える場合には、縮合度が高く作業性を悪化させる。更に、粘度AをX軸(cSt)、粘度BをY軸(mPa・s)としたときの動粘度(X)とBM型粘度計での粘度(Y)の関係が式(I):Y=1.6035X+8.9513 式(I)
で得られるYの値を超える場合は3核体以上の高縮合物が多くなり、樹脂の硬化速度が遅くなり、式(II):
Y=1.6035X−9.0487 式(II)
で求められるY値未満となる場合は、未反応モノマーが多く作業環境を悪化させる。
度Aが15cSt未満及び粘度Bが15mPa未満では、該樹脂の縮合度が低すぎ、基材への過浸透が起こり結着性が低下する。また、粘度Aが30cSt及び粘度Bが50mPaを超える場合には、縮合度が高く作業性を悪化させる。更に、粘度AをX軸(cSt)、粘度BをY軸(mPa・s)としたときの動粘度(X)とBM型粘度計での粘度(Y)の関係が式(I):Y=1.6035X+8.9513 式(I)
で得られるYの値を超える場合は3核体以上の高縮合物が多くなり、樹脂の硬化速度が遅くなり、式(II):
Y=1.6035X−9.0487 式(II)
で求められるY値未満となる場合は、未反応モノマーが多く作業環境を悪化させる。
本発明のホウ酸類含有フェノール系樹脂において、固形分を50%に調製したときの粘度Bと数平均分子量の関係が、粘度BをX軸(mPa・s)、数平均分子量をY軸とすると式(III):
Y=2.1812X+198.05 式(III)
で得られるYの値を超える場合は分子量が高く、粘度が高くなり作業性を悪くし、式(IV):
Y=2.1812X+248.05 式(IV)
で示されるY値未満となる場合は低分子量組成物が多く、揮発成分が増え作業環境を悪化させる。
Y=2.1812X+198.05 式(III)
で得られるYの値を超える場合は分子量が高く、粘度が高くなり作業性を悪くし、式(IV):
Y=2.1812X+248.05 式(IV)
で示されるY値未満となる場合は低分子量組成物が多く、揮発成分が増え作業環境を悪化させる。
本発明のホウ酸類含有フェノール系樹脂において、該樹脂の分子量分布におけるフェノール系モノマーのモノメチロール化反応物に対するフェノール系モノマーの3核体以上の割合が8以上では、フェノール系モノマーの3核体以上の割合が多く、樹脂の粘性が上昇し作業性を悪化させる。
本発明のホウ酸類含有フェノール系樹脂において、分子量分布における3核体以上が20%以上から40%以下の範囲で、該3核体以上の組成比率をY軸(%)、上記粘度BをX軸(mPa・s)にしたとき式(V):
Y=0.5485X+17.7383 式(V)
で示されるY値を超える場合は、該3核体以上の組成が多く樹脂の硬化が遅くなり、式(VI):
Y=0.5485X+1.7383 式(VI)
で示されるY値未満となる場合は、低分子量化合物が多くなり、揮発成分が増え作業環境を悪化させる。
Y=0.5485X+17.7383 式(V)
で示されるY値を超える場合は、該3核体以上の組成が多く樹脂の硬化が遅くなり、式(VI):
Y=0.5485X+1.7383 式(VI)
で示されるY値未満となる場合は、低分子量化合物が多くなり、揮発成分が増え作業環境を悪化させる。
本発明のホウ酸類含有フェノール系樹脂において、低分子量化合物(フェノール系モノマーとフェノール系モノマーのモノメチロール化反応物)が5%以上から20%以下の範囲で、該低分子量化合物の組成比率をY軸(%)、上記粘度BをX軸(mPa・s)にしたときの関係が式(VII):
Y=−0.4006X+30.158 式(VII)
でのY値を超える場合は、低分子量化合物が多く粘度が低くなり該樹脂の基材への浸透が高すぎ、式(VIII):
Y=−0.4006X+20.158 式(VIII)
で得られるY値未満となる場合は、該樹脂の粘度が高くなり作業性を悪化させる。
Y=−0.4006X+30.158 式(VII)
でのY値を超える場合は、低分子量化合物が多く粘度が低くなり該樹脂の基材への浸透が高すぎ、式(VIII):
Y=−0.4006X+20.158 式(VIII)
で得られるY値未満となる場合は、該樹脂の粘度が高くなり作業性を悪化させる。
本発明に係る実施の形態を以下に示すが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、前記本発明の特徴とするところの範囲内で適宜変更できるものである。
本発明において使用されるフェノール系樹脂とは、フェノール類とホルムアルデヒドを
、必要に応じ反応触媒の存在下で反応させて得られる、後述の硬化触媒及び/又は加熱によって硬化反応を惹起する硬化性官能基、たとえばメチロール基、ジメチレンエーテル基、ベンゾオキサジン環などを分子内に有するフェノール系樹脂及びその変性樹脂である。具体的には、例えば塩基性触媒の存在下に反応させて得られるレゾール型フェノール系樹脂、又は酸性触媒下で反応させた後、塩基性触媒下で反応させて得られるノボラックレゾール型フェノール系樹脂、又は弱酸性触媒や塩基性及び酸性触媒の組み合わせで形成される弱酸性下で反応させて得られるベンジルエーテル型フェノール系樹脂、又はフェノール類、アルデヒド類及び第1級アミン類を反応させて得られるベンゾオキサジン型フェノール系樹脂、又はこれらの樹脂の製造時ないしは製造後に任意の化合物、例えばキシレン樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、高吸水性樹脂、尿素系化合物、メラミン系化合物、エポキシ系化合物、フルフラール類、レゾルシン、アルキルレゾルシン、タンニン等の化合物を混合ないし反応して得られる変性樹脂などが挙げられる。これらは1種で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
、必要に応じ反応触媒の存在下で反応させて得られる、後述の硬化触媒及び/又は加熱によって硬化反応を惹起する硬化性官能基、たとえばメチロール基、ジメチレンエーテル基、ベンゾオキサジン環などを分子内に有するフェノール系樹脂及びその変性樹脂である。具体的には、例えば塩基性触媒の存在下に反応させて得られるレゾール型フェノール系樹脂、又は酸性触媒下で反応させた後、塩基性触媒下で反応させて得られるノボラックレゾール型フェノール系樹脂、又は弱酸性触媒や塩基性及び酸性触媒の組み合わせで形成される弱酸性下で反応させて得られるベンジルエーテル型フェノール系樹脂、又はフェノール類、アルデヒド類及び第1級アミン類を反応させて得られるベンゾオキサジン型フェノール系樹脂、又はこれらの樹脂の製造時ないしは製造後に任意の化合物、例えばキシレン樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、高吸水性樹脂、尿素系化合物、メラミン系化合物、エポキシ系化合物、フルフラール類、レゾルシン、アルキルレゾルシン、タンニン等の化合物を混合ないし反応して得られる変性樹脂などが挙げられる。これらは1種で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記フェノール系樹脂の製造に用いるフェノール類としては、例えばフェノール、エチルフェノール、クレゾール、キシレノール、パラターシャリブチルフェノール、ノニルフェノール、カテコール、レゾルシン、ビスフェノールF、ビスフェノールAなどが挙げられる。また、反応触媒としては、例えばメチルアミン、シクロヘキシルアミン、アニリン、アンモニア、トリエチルアミン、などのアミン性塩基触媒や水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、水酸化カルシュウム、水酸化マグネシュウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウムなどのアルカリ金属化合物の反応触媒、例えば塩酸、硫酸、リン酸、酢酸亜鉛、酢酸鉛、ホウ酸、シュウ酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸などの酸性触媒が挙げられる。かかる反応物や反応触媒は、それぞれ、1種で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
このフェノール類と組み合わせて用いる他方の原料として使用されるものは主にホルムアルデヒドであるが、他のアルデヒド類を特に制限するものではなく、従来フェノール系樹脂製造の際に慣用されているものの中から適宜選択して用いることができる。これらのアルデヒド類は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記フェノール類とホルムアルデヒドの使用割合についても従来のフェノール系樹脂の場合と全く同じであり、フェノール類に対するホルムアルデヒドのモル比は、1.5〜4.0の範囲で用いられ、樹脂種に応じ40℃〜還流温度の温度で0.5〜24時間反応後必要に応じ中和、濃縮して製造される。なお、反応触媒(無添加、一括添加又は分割添加)、アルデヒド類の使用(一括、分割)、反応雰囲気(空気、窒素、常圧、減圧、加圧)、反応方法(滴下、一段、二段)などの反応要領については適宜その都度目的に応じて選択される。フェノール類に対するホルムアルデヒドのモル比は、1.5未満では未反応のフェノール類のモノマーを3重量%以下とすることが困難であり、大気へのモノマーの放散量が多くなり作業環境が悪化する。また、フェノール類に対するホルムアルデヒドのモル比が4.0以上では未反応のホルムアルデヒドが多くなり、ホルムアルデヒド臭が強くなり作業性を悪化させる。この時、必要であれば、水蒸気蒸留法や溶剤抽出法により、未反応のフェノール類を取り除いてもかまわない。また、未反応のホルムアルデヒドを取り除く手段として、尿素などをホルムアルデヒドのキャッチャー剤として使用しても良いが、尿素等のメチロール化物は保存性を悪化させるため、添加後沈降物が発生しないうちに使い切るか又は添加量を制限し、尿素であれば、生成するメチロール尿素の含有率が1〜6重量%となるようにするのが望ましい。なお、メチロール尿素の含有率1重量%未満であるとキャッチャー剤としての効果が期待されるほど大きく発現しない。
前記フェノール類とホルムアルデヒドの使用割合についても従来のフェノール系樹脂の場合と全く同じであり、フェノール類に対するホルムアルデヒドのモル比は、1.5〜4.0の範囲で用いられ、樹脂種に応じ40℃〜還流温度の温度で0.5〜24時間反応後必要に応じ中和、濃縮して製造される。なお、反応触媒(無添加、一括添加又は分割添加)、アルデヒド類の使用(一括、分割)、反応雰囲気(空気、窒素、常圧、減圧、加圧)、反応方法(滴下、一段、二段)などの反応要領については適宜その都度目的に応じて選択される。フェノール類に対するホルムアルデヒドのモル比は、1.5未満では未反応のフェノール類のモノマーを3重量%以下とすることが困難であり、大気へのモノマーの放散量が多くなり作業環境が悪化する。また、フェノール類に対するホルムアルデヒドのモル比が4.0以上では未反応のホルムアルデヒドが多くなり、ホルムアルデヒド臭が強くなり作業性を悪化させる。この時、必要であれば、水蒸気蒸留法や溶剤抽出法により、未反応のフェノール類を取り除いてもかまわない。また、未反応のホルムアルデヒドを取り除く手段として、尿素などをホルムアルデヒドのキャッチャー剤として使用しても良いが、尿素等のメチロール化物は保存性を悪化させるため、添加後沈降物が発生しないうちに使い切るか又は添加量を制限し、尿素であれば、生成するメチロール尿素の含有率が1〜6重量%となるようにするのが望ましい。なお、メチロール尿素の含有率1重量%未満であるとキャッチャー剤としての効果が期待されるほど大きく発現しない。
本発明のホウ酸類含有フェノール系樹脂において用いられる反応触媒がアルカリ金属触媒の場合、その添加量は、フェノール類1.0モルに対して0.05〜0.20モルであ
る。触媒量が0.05モルより少なければフェノール樹脂中に未反応のフェノール類が多くなり、0.20モルより多いと樹脂中にアルカリ金属とホウ酸の中和塩が多く残り、結着製品の耐湿時の強度低下の原因となる。
る。触媒量が0.05モルより少なければフェノール樹脂中に未反応のフェノール類が多くなり、0.20モルより多いと樹脂中にアルカリ金属とホウ酸の中和塩が多く残り、結着製品の耐湿時の強度低下の原因となる。
本発明において使用されるホウ酸類とは、ホウ酸又はホウ酸と等価なホウ酸塩、例えばホウ酸アンモニウム、メタホウ酸アンモニウム、ポリホウ酸アミノアルコール等で、これらは1種で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ホウ酸類の添加量は、アルカリ金属化合物1モルに対して0.60モル以上0.85モル未満の範囲で行うことが好ましい。0.60モル未満では、ホウ酸添加量が少ないため、十分な水混和性を得ることができず、0.85モルより多いと、硬化が遅く強度が低下する。ホウ酸類の添加時期については特に制限はなく、樹脂合成の張り込み時、あるいは縮合反応終了時、更には噴霧直前に添加してもよい。また、ホウ酸類の添加量が多くなるに従い、硬化後の樹脂の色が淡色化する。
一般的に、フェノール系樹脂の反応は分子量の増加に伴い、未反応のフェノール系化合物のモノマー及びアルデヒド類のモノマーが減少し水混和性が低下する。本発明においては、樹脂の縮合度の限定、特定量のホウ酸類の添加により、これら未反応のモノマーの減少と高い水混和性を両立することが出来る。即ち、本発明においては、未反応のフェノール系化合物のモノマーの含有量が3重量%以下、未反応のホルムアルデヒドの含有量が5重量%以下で、該樹脂を20℃で30日間保存後も23℃の水混和性が20倍以上であるという優れた性能を有する樹脂を調製することができる。水混和性はいかなる時も無限大であることが望ましいが、実質的には、ホウ酸類含有フェノール樹脂結着製品の製造工場での保管を考えると20倍〜40倍あればよい。
モノメチロール基含有フェノール系モノマーの含有量は、2〜20%に制御することが作業上は好ましい。2%未満であると硬化が遅くなり、20%を超える量であれば揮発量が多く作業環境上に悪影響を及ぼす。
噴霧器によりロックウール、木質繊維といった基材に噴霧する際には、結合剤は、一般に水溶液又は水分散液等の水性組成物の状態で使用されるが、噴霧後の加熱処理において速やかに基材を結着することが望ましい。そのためには該組成物中の水分が揮発する過程における組成物の樹脂の粘度増加が本発明においては、4000Paの圧力下で不揮発分を50%から75%まで濃縮したときの粘度Bが2000mPa・s以上15000mPa・s以下及び/又は上記粘度BをY軸(mPa・s)、不揮発分をX軸(%)としたときの関係が
Y=−0.00002exp0.2755X 式(IX)と
Y=−0.0058exp0.1683X 式(X)
の範囲になることが望ましい。粘度Bが15000mPa・s以上又はY=−0.00002exp0.2755X
式(IX)以上にした樹脂は、不揮発分を50%にしたときの粘度が高く噴霧が悪化し、2000mPa・s以下又はY=−0.0058exp0.1683X 式(X)以下の樹脂は粘度が低く基材への樹脂の過浸透が懸念される。
Y=−0.00002exp0.2755X 式(IX)と
Y=−0.0058exp0.1683X 式(X)
の範囲になることが望ましい。粘度Bが15000mPa・s以上又はY=−0.00002exp0.2755X
式(IX)以上にした樹脂は、不揮発分を50%にしたときの粘度が高く噴霧が悪化し、2000mPa・s以下又はY=−0.0058exp0.1683X 式(X)以下の樹脂は粘度が低く基材への樹脂の過浸透が懸念される。
以上の各要件を備えることによって、保存性と噴霧特性及び結着性に優れ、未反応のフェノール系化合物のモノマー及び未反応のホルムアルデヒドが少なく、非常に高い水混和性を有し、木質繊維板、パーティクルボード、合板、FRP、成形材料、その他の有機物及び無機物の基材の結着等に使用されるフェノール系樹脂となる。
本発明のフェノール系樹脂は、水や有機溶剤を希釈溶剤として含んでいても構わない。また、特性を向上するため、硫酸アンモニウム等の硬化剤、鉱油等の防塵剤、シランカップリング剤等の硬化促進剤、シリコーン等の撥水剤、有機フィラー、無機フィラーなどの
各種添加剤を任意に使用することが出来る。本発明のフェノール系樹脂は、基本的には噴霧して使用するものであるが、各種基材に含浸、塗布して使用してもよい。硬化方法としては熱硬化以外にも酸硬化などがあるが、これらの方法に特に限定はしない。
各種添加剤を任意に使用することが出来る。本発明のフェノール系樹脂は、基本的には噴霧して使用するものであるが、各種基材に含浸、塗布して使用してもよい。硬化方法としては熱硬化以外にも酸硬化などがあるが、これらの方法に特に限定はしない。
以下に本発明の実施例を示すが、本発明の趣旨はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
フェノール680g(7.23モル)、41.5重量%ホルマリン1463g(20.2モル)、溶媒として水130gを還流管、攪拌機、温度計付き反応缶中に仕込み、 攪拌を開始する。触媒として25%水酸化ナトリウム水溶液92.54g(0.578モル)を添加後85℃まで昇温させ、オスワルド粘度計で30℃における粘度が15cStになるまで反応させた後、ホウ酸25g(0.4モル)、尿素80gを添加して4000Paの圧力下で不揮発分が50%になるまで濃縮してホウ酸含有フェノール樹脂を調製した。
(実施例1)
フェノール680g(7.23モル)、41.5重量%ホルマリン1463g(20.2モル)、溶媒として水130gを還流管、攪拌機、温度計付き反応缶中に仕込み、 攪拌を開始する。触媒として25%水酸化ナトリウム水溶液92.54g(0.578モル)を添加後85℃まで昇温させ、オスワルド粘度計で30℃における粘度が15cStになるまで反応させた後、ホウ酸25g(0.4モル)、尿素80gを添加して4000Paの圧力下で不揮発分が50%になるまで濃縮してホウ酸含有フェノール樹脂を調製した。
(実施例2)
フェノール680g(7.23モル)、41.5重量%ホルマリン1463g(20.2モル)、溶媒として水130gを還流管、攪拌機、温度計付き反応缶中に仕込み、 攪拌を開始する。触媒として25%水酸化ナトリウム水溶液92.54g(0.578モル)を添加後85℃まで昇温させ、オスワルド粘度計で30℃における粘度が15cStになるまで反応させた後、ホウ酸25g(0.4モル)、尿素20gを添加して4000Paの圧力下で不揮発分が50%になるまで濃縮してホウ酸含有フェノール樹脂を調製した。
フェノール680g(7.23モル)、41.5重量%ホルマリン1463g(20.2モル)、溶媒として水130gを還流管、攪拌機、温度計付き反応缶中に仕込み、 攪拌を開始する。触媒として25%水酸化ナトリウム水溶液92.54g(0.578モル)を添加後85℃まで昇温させ、オスワルド粘度計で30℃における粘度が15cStになるまで反応させた後、ホウ酸25g(0.4モル)、尿素20gを添加して4000Paの圧力下で不揮発分が50%になるまで濃縮してホウ酸含有フェノール樹脂を調製した。
(実施例3)
フェノール680g(7.23モル)、41.5重量%ホルマリン1463g(20.2モル)、溶媒として水130gを還流管、攪拌機、温度計付き反応缶中に仕込み、 攪拌を開始する。触媒として25%水酸化ナトリウム水溶液92.54g(0.578モル)を添加後85℃まで昇温させ、オスワルド粘度計で30℃における粘度が15cStになるまで反応させた後、ホウ酸25g(0.4モル)を添加して4000Paの圧力下で不揮発分が50%になるまで濃縮してホウ酸含有フェノール樹脂を調製した。
フェノール680g(7.23モル)、41.5重量%ホルマリン1463g(20.2モル)、溶媒として水130gを還流管、攪拌機、温度計付き反応缶中に仕込み、 攪拌を開始する。触媒として25%水酸化ナトリウム水溶液92.54g(0.578モル)を添加後85℃まで昇温させ、オスワルド粘度計で30℃における粘度が15cStになるまで反応させた後、ホウ酸25g(0.4モル)を添加して4000Paの圧力下で不揮発分が50%になるまで濃縮してホウ酸含有フェノール樹脂を調製した。
(実施例4)
フェノール680g(7.23モル)、41.5重量%ホルマリン1463g(20.2モル)、溶媒として水130gを還流管、攪拌機、温度計付き反応缶中に仕込み、 攪拌を開始する。触媒として25%水酸化ナトリウム水溶液92.54g(0.578モル)を添加後85℃まで昇温させ、オスワルド粘度計で30℃における粘度が15cStになるまで反応させた後、ホウ酸20g(0.323モル)、尿素80gを添加して4000Paの圧力下で不揮発分が50%になるまで濃縮してホウ酸含有フェノール樹脂を調製した。
フェノール680g(7.23モル)、41.5重量%ホルマリン1463g(20.2モル)、溶媒として水130gを還流管、攪拌機、温度計付き反応缶中に仕込み、 攪拌を開始する。触媒として25%水酸化ナトリウム水溶液92.54g(0.578モル)を添加後85℃まで昇温させ、オスワルド粘度計で30℃における粘度が15cStになるまで反応させた後、ホウ酸20g(0.323モル)、尿素80gを添加して4000Paの圧力下で不揮発分が50%になるまで濃縮してホウ酸含有フェノール樹脂を調製した。
(実施例5)
フェノール640g(6.81モル)、41.5重量%ホルマリン1426g(19.73モル)、溶媒として水180gを還流管、攪拌機、温度計付き反応缶中に仕込み、 攪拌を開始する。触媒として25%水酸化カリウム水溶液152.84g(0.681モル)を添加後82℃まで昇温させ、オスワルド粘度計で30℃における粘度が13cStになるまで反応させた後、ホウ酸33.3g(0.539モル)、尿素75gを添加して4000Paの圧力下で不揮発分が50%になるまで濃縮してホウ酸含有フェノール樹脂を調製した。
フェノール640g(6.81モル)、41.5重量%ホルマリン1426g(19.73モル)、溶媒として水180gを還流管、攪拌機、温度計付き反応缶中に仕込み、 攪拌を開始する。触媒として25%水酸化カリウム水溶液152.84g(0.681モル)を添加後82℃まで昇温させ、オスワルド粘度計で30℃における粘度が13cStになるまで反応させた後、ホウ酸33.3g(0.539モル)、尿素75gを添加して4000Paの圧力下で不揮発分が50%になるまで濃縮してホウ酸含有フェノール樹脂を調製した。
(実施例6)
フェノール600g(6.38モル)、47.6重量%ホルマリン1226g(19.45モル)、溶媒として水160gを還流管、攪拌機、温度計付き反応缶中に仕込み、 攪拌を開始する。触媒として25%水酸化リチウム水溶液73.2g(0.766モル)を添加後81℃まで昇温させ、オスワルド粘度計で30℃における粘度が15cStになるまで反応させた後、ホウ酸36.9g(0.597モル)、尿素75gを添加して4000Paの圧力下で不揮発分が50%になるまで濃縮してホウ酸含有フェノール樹脂を調製した。
フェノール600g(6.38モル)、47.6重量%ホルマリン1226g(19.45モル)、溶媒として水160gを還流管、攪拌機、温度計付き反応缶中に仕込み、 攪拌を開始する。触媒として25%水酸化リチウム水溶液73.2g(0.766モル)を添加後81℃まで昇温させ、オスワルド粘度計で30℃における粘度が15cStになるまで反応させた後、ホウ酸36.9g(0.597モル)、尿素75gを添加して4000Paの圧力下で不揮発分が50%になるまで濃縮してホウ酸含有フェノール樹脂を調製した。
(比較例1)
フェノール680g(7.23モル)、41.5重量%ホルマリン1463g(20.2モル)、溶媒として水130gを還流管、攪拌機、温度計付き反応缶中に仕込み、 攪拌を開始する。触媒として25%水酸化ナトリウム水溶液92.54g(0.578モル)を添加後85℃まで昇温させ、オスワルド粘度計で30℃における粘度が10cStになるまで反応させた後、ホウ酸25g(0.4モル)、尿素80gを添加して4000Paの圧力下で不揮発分が50%になるまで濃縮してホウ酸含有フェノール樹脂を調製した。
フェノール680g(7.23モル)、41.5重量%ホルマリン1463g(20.2モル)、溶媒として水130gを還流管、攪拌機、温度計付き反応缶中に仕込み、 攪拌を開始する。触媒として25%水酸化ナトリウム水溶液92.54g(0.578モル)を添加後85℃まで昇温させ、オスワルド粘度計で30℃における粘度が10cStになるまで反応させた後、ホウ酸25g(0.4モル)、尿素80gを添加して4000Paの圧力下で不揮発分が50%になるまで濃縮してホウ酸含有フェノール樹脂を調製した。
(比較例2)
フェノール680g(7.23モル)、41.5重量%ホルマリン1463g(20.2モル)、溶媒として水130gを還流管、攪拌機、温度計付き反応缶中に仕込み、 攪拌を開始する。触媒として25%水酸化ナトリウム水溶液92.54g(0.578モル)を添加後85℃まで昇温させ、オスワルド粘度計で30℃における粘度が25cStになるまで反応させた後、ホウ酸25g(0.4モル)、尿素80gを添加して4000Paの圧力下で不揮発分が50%になるまで濃縮してホウ酸含有フェノール樹脂を調製した。
フェノール680g(7.23モル)、41.5重量%ホルマリン1463g(20.2モル)、溶媒として水130gを還流管、攪拌機、温度計付き反応缶中に仕込み、 攪拌を開始する。触媒として25%水酸化ナトリウム水溶液92.54g(0.578モル)を添加後85℃まで昇温させ、オスワルド粘度計で30℃における粘度が25cStになるまで反応させた後、ホウ酸25g(0.4モル)、尿素80gを添加して4000Paの圧力下で不揮発分が50%になるまで濃縮してホウ酸含有フェノール樹脂を調製した。
なお実施例1〜4、比較例1、2については、調製したホウ酸含有フェノール樹脂100部に対し20%硫酸アンモニウム水溶液10部を添加し、これを木質繊維の重量に対する不揮発分の含有率が8%になるようにして吹きつけ、その後含水率が8%になるように調整してマットを成型し噴霧特性及び結着性を評価し、さらに該マットを190℃、30kgf/cm2で25分熱圧し、密度0.7kgf/cm3、厚さ15mmのMDFを作成してJIS−A−5905(繊維板)に準拠する常態曲げ試験の強度を測定した。
実施例5については、調製したホウ酸含有フェノール樹脂100部に対し20%硫酸アンモニウム1部、鉱油4部、25%アンモニア水10部、水600部を添加し、これを、溶融して吹き飛ばして繊維化したグラスウールに、グラスウールの重量に対する樹脂の不揮発分の含有率が7%になるようにして吹きつけ、マットを成型し、その時の噴霧特性及び結着性を評価した。
実施例6については、調製したホウ酸含有フェノール樹脂100部に対し硫酸アンモニウム2部、鉱油5部、25%アンモニア水10部、水1000部を添加し、これを、溶融して吹き飛ばして繊維化したロックウールに、ロックウールの重量に対する樹脂の不揮発分の含有率が2%になるようにして吹きつけ、マットを成型し、その時の噴霧特性及び結着性を評価した。結果を表1および2に示す。
実施例5については、調製したホウ酸含有フェノール樹脂100部に対し20%硫酸アンモニウム1部、鉱油4部、25%アンモニア水10部、水600部を添加し、これを、溶融して吹き飛ばして繊維化したグラスウールに、グラスウールの重量に対する樹脂の不揮発分の含有率が7%になるようにして吹きつけ、マットを成型し、その時の噴霧特性及び結着性を評価した。
実施例6については、調製したホウ酸含有フェノール樹脂100部に対し硫酸アンモニウム2部、鉱油5部、25%アンモニア水10部、水1000部を添加し、これを、溶融して吹き飛ばして繊維化したロックウールに、ロックウールの重量に対する樹脂の不揮発分の含有率が2%になるようにして吹きつけ、マットを成型し、その時の噴霧特性及び結着性を評価した。結果を表1および2に示す。
Claims (5)
- ホルムアルデヒドとフェノール系化合物を反応させてなるホウ酸類を含有するフェノール系樹脂において、固形分を50%に調製したときの粘度A(*1)が、15cStから30cSt及び/又は粘度B(*2)が15mPa・sから50mPa・sであり、粘度AをX軸(cSt)、粘度BをY軸(mPa・s)としたときの粘度Aと粘度Bの関係が
Y=1.6035X+8.9513 式(I)と
Y=1.6035X−9.0487 式(II)
で得られる値の範囲であり、固形分を50%に調製したときの粘度Bと数平均分子量の関係が、粘度BをX軸(mPa・s)、数平均分子量をY軸としたとき
Y=2.1812X+198.05 式(III)と
Y=2.1812X+248.05 式(IV)
で得られる値の範囲で、該樹脂の分子量分布(GPCによる)においてフェノール系モノマーのモノメチロール化反応物に対するフェノール系モノマーの3核体以上の割合が8以下で、前記分子量分布における3核体以上が20%以上から40%以下の範囲で、該3核体以上の組成比率をY軸(%)、上記粘度BをX軸(mPa・s)にしたときの関係が
Y=0.5485X+17.7383 式(V)と
Y=0.5485X+ 1.7383 式(VI)
で得られる値の範囲であり、上記分子量分布の低分子量化合物(フェノール系モノマーとフェノール系モノマーのモノメチロール化反応物)が5%以上から20%以下の範囲で、該低分子量化合物の組成比率をY軸(%)、上記粘度BをX軸(mPa・s)にしたときの関係が
Y=−0.4006X+30.158 式(VII)と
Y=−0.4006X+20.158 式(VIII)
で得られる値の範囲であることを特徴とするホウ酸類含有フェノール系樹脂。
但し、
*1…粘度Aとは、30℃における動粘度の値を示す。
*2…粘度Bとは、23℃におけるBM型粘度計で測定した粘度の値を示す。
- ホルムアルデヒドとフェノール系化合物を反応させる触媒がアルカリ金属化合物で、フェノール系化合物のモノマー1モルに対するアルカリ金属化合物触媒が0.05モルから0.20モル、及び添加するホウ酸類の量が該触媒1モルに対し0.60モル以上0.85モル未満添加されていることを特徴とする請求項1に記載のホウ酸類含有フェノール系樹脂。
- モノメチロール基含有フェノール系モノマーの含有量が、該樹脂100重量部に対し、2〜20重量部で、フェノール系化合物のモノマーに対するホルムアルデヒドの比が1.5〜4で、未反応のフェノール系化合物モノマーの含有量が、該組成物の全重量に対する重量が3%以下であり、未反応のホルムアルデヒドの含有量が、組成物の全重量に対する重量で5%以下となる20℃で30日間保存後も23℃の水混和性が20倍以上である保存性の優れた請求項1又は2に記載のホウ酸類含有フェノール系樹脂。
- メチロール尿素が1〜6重量%含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のホウ酸類含有フェノール系樹脂。
- 4000Paの圧力下で不揮発分を50%から75%まで濃縮したときの上記粘度Bが2000mPa・s以上15000mPa・s以下及び/又は上記粘度BをY軸(mPa・s)、不揮発分をX軸(%)としたときの関係が
Y=−0.00002exp0.2755X 式(IX)と
Y=−0.0058exp0.1683X 式(X)
で得られる値の範囲であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のホウ酸類含有フェノール系樹脂。
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JP2005143103A JP2006316229A (ja) | 2005-05-16 | 2005-05-16 | 保存性の優れたフェノール系樹脂 |
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JP2005143103A Pending JP2006316229A (ja) | 2005-05-16 | 2005-05-16 | 保存性の優れたフェノール系樹脂 |
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