JP2006314715A - 結石破砕装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 内視鏡に挿通させて用いられ、結石を破砕する結石破砕装置において、破砕具を操作部に装着するときの操作性を向上させる。
【解決手段】 結石破砕装置は、操作ワイヤ10を接続する把持部90が設けられている。把持部90には、把持部90に対して操作ワイヤ10を軸線方向で固定するワイヤ接続ボタン96と、操作ワイヤ10を軸線回りの方向で固定するピン95と、ワイヤ接続ボタン96の移動を禁止すると共に、ピン95を押し込むストッパ100とを有し、ストッパ100は、ワイヤ接続ボタン96にねじ込み可能に設けられている。
【選択図】 図15

Description

本発明は、体腔内に生じた結石を破砕するために用いられる結石破砕装置に関する。
胆管や膀胱等の臓器内に発生した結石を破砕する場合には、内視鏡を挿通可能な結石破砕装置を用いて経内視鏡的に処置を行うことが知られている。結石を破砕する際には、挿入部の先端からバスケット部を突出させて結石を取り込んでからバスケット部の一部を挿入部に引き戻し、結石を締め付けるようにして破砕する。
ここで、従来の結石破砕装置の挿入部は、樹脂製のチューブシースと、チューブシースを覆う金属製の密巻きコイルシースとを有し、バスケット部に結石を取り込んでから、コイルシースを前進させ、コイルシース内にバスケット部を引き込むことで結石を破砕するように構成されている(例えば、特許文献1参照)。このように構成することで、可撓性の高いチューブシースで狭い管腔への挿入を容易にする一方で、結石の破砕時には硬質のコイルシースでバスケット部に締付力を発生させることができる。
また、従来の結石破砕装置では、挿入部側が操作部側に対して着脱自在に構成されている。挿入部側には、操作部側に装着される連結管を有し、バスケット部に連結される操作ワイヤが連結管から進退自在に引き出されている。操作部側は、先端部に連結管に係合するシース接続ネジが設けられた操作部本体を有し、操作部本体の基端側に進退自在に取り付けられた把持部に操作ワイヤを挿通可能なワイヤ接続ボタンが設けられている。挿入部側を操作部側に装着する際には、ワイヤ接続ボタンを押して把持部に操作ワイヤが挿通するスペースを形成し、このスペースに操作ワイヤを通してから手を離す。バネの復元力でワイヤ接続ボタンが戻る際に操作ワイヤが把持部及びワイヤ接続ボタンに係合し、これによって操作ワイヤの軸線方向の移動が禁止される。また、シース接続ネジをねじ込んで連結管を固定する。操作時には、把持部を進退させて操作ワイヤを介して連結されているバスケット部で結石を取り込む。この状態で操作部本体に減速機構を介して接続されている円形のハンドルを回転させて操作ワイヤを後退させ、結石を締め付ける。
特開平11−290332号公報
しかしながら、挿入部を装着する際に、操作部側と挿入部側とを手で持った状態でワイヤ接続ボタンと、シース接続ネジとを操作しなければならず、装着時の操作が煩雑であった。特に、把持部は、シース接続部に対して進退移動が自在であるので、把持部の位置を固定しながらワイヤ接続ボタンを操作しなければならなかった。ここで、把持部と操作ワイヤとを軸線回りに共回りさせようとすると、把持部と操作ワイヤの空回りを禁じるような操作を装着時に追加しなければならないので、装着時の操作がさらに複雑になる。
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、結石を破砕する処置装置において、操作部側への挿入部側の装着時の操作の煩雑さを解消することを主な目的とする。
上記の課題を解決する本発明の請求項1に係る発明は、手元側の操作部から体腔内に挿入される可撓性の挿入部が延設され、前記挿入部の先端部分に結石を取り込むバスケット部を有し、前記バスケット部を前記操作部の操作に応じて前記挿入部に突没自在な結石破砕装置において、前記操作部は、前記挿入部のシースを接続可能なシース接続部と、前記シースの基端部側から引き出される前記操作ワイヤを接続可能で、術者が把持して前記シース接続部に対して進退操作可能な把持部とを有し、前記把持部は、弾性部材に付勢されて前記操作ワイヤを軸線方向に移動不能に係合する第1係合部材と、前記操作ワイヤを軸回りに空回り不能に係合する第2係合部材と、前記第1係合部材の移動を規制すると共に、前記第2係合部材を前記操作ワイヤに押し付けるストッパとを有することを特徴とする結石破砕装置とした。
この結石破砕装置では、第1係合部材で把持部と操作ワイヤとを係合させた状態で、この係合が他の操作を行う際に解除されないようにストッパで第1係合部材の移動をロックする。また、このストッパで、第2係合部材を操作ワイヤに押し付けて把持部に係合させる。このように、ストッパを操作することで、操作ワイヤの抜け落ちを防止すると共に、把持部に対する空回りを防止させる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の結石破砕装置において、前記ストッパは、前記第1係合部材の外周部にねじ込み可能に設けられており、前記ストッパを前記第1係合部材にねじ込む方向と、前記第2係合部材が前記操作ワイヤに係合する方向とは略平行であることを特徴とする。
この結石破砕装置では、ストッパを操作ワイヤに向かうようにねじ込むことで第1係合部材が移動可能なストロークを減少させ、第1係合部材の移動をロックする。このとき、操作ワイヤに近接するストッパが第2係合部材を押圧し、第2係合部材が操作ワイヤに押し付けられる。
本発明によれば、操作ワイヤを操作部の把持部に対して着脱自在に構成し、ストッパを操作することで、把持部と操作ワイヤを軸線方向に係合させた状態を維持させると共に、把持部と操作ワイヤを軸線回りの方向で係合させることが可能になる。したがって、ストッパの操作だけで把持部と操作ワイヤとを確実に接続させることが可能になる。また、手技の際には、バスケット部の進退移動や、回転を確実に行えるようになり、手技の効率を向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に実施の形態に係る結石破砕装置の全体構成を示す。この結石破砕装置1は、内視鏡の処置具チャンネルに挿通して用いられ、体腔内の結石を破砕する手技に用いられる。結石破砕装置1は、術者などが体外側で操作をする操作部2を有し、操作部2には、破砕具3が装着されている。
破砕具3は、操作部2に着脱自在なユニット本体4と、ユニット本体4の先端から延び、長尺で可撓性を有する挿入部5と、挿入部5の先端から突没自在な処置部であるバスケット部6とを有している。
バスケット部6は、複数の弾性ワイヤ7を有し、弾性ワイヤ7の先端部は先端チップ8によって1つに結束されている。弾性ワイヤ7の基端部は、連結部材9によって束ねられた状態で操作ワイヤ10の先端部に固定されている。弾性ワイヤ7は、先端チップ8から連結部材9までの間に複数の屈折部が形成されており、自然状態で籠状に膨らむように構成されている。ここで、図3に示すように、バスケット部6は、先端チップ8を残して挿入部5内に収納可能である。バスケット部6の先端チップ8は、弾性部材から製造されており、孔11が先端から側部にかけて貫通している。さらに、先端チップ8は、孔11の側部側の開口近傍を中心にしてオフセットするようにして湾曲しており、全体として略S字形になっている。
図3及び図4に示すように、挿入部5は、第1のシース部としてのコイルシース20と、このコイルシース20内に第2のシース部としてのチューブシース21と、コイルシース20の外周を覆う第3のシース部としての外側シース22とを有し、チューブシース21内には操作ワイヤ10(図1参照)が進退自在に挿通されている。
コイルシース20は、金属製の平板を密巻きにして製造されており、隣り合う平板同士間の密着度合いを変化させることで、先端側に可撓性が相対的に高い柔軟部20Aを形成している。柔軟部20Aよりも基端側は、相対的に可撓性が低く、硬質な硬質部20Bになっている。柔軟部20Aを形成する手法としては、例えば、コイルシース20を巻くときの張力を変化させることがあがられる。これに限定されずに種々の方向を用いることができる。コイルシース20の先端部には、先端カバー23がロー付け、若しくはレーザ溶接等により固定されている。先端カバー23は、環状の金属からなり、その先端部には、弾性ワイヤ7を受け入れ可能な凹部24が弾性ワイヤ7の数に対応して形成されている。結石を破砕する際には、これら凹部24に弾性ワイヤ7が入り込むことで、操作部2側の締付力を挿入部5を通して弾性ワイヤ7に作用させる。
チューブシース21は、樹脂製のチューブからなり、金属製のコイルシース20と金属製の操作ワイヤ10の間に挿入されることでバスケット部6及び操作ワイヤ10を軸線回りに回転させ易くし、かつバスケット部6を開閉させ易くしている。
外側シース22は、例えばフッ素系の樹脂から製造されている。この外側シース22は、自然状態で挿入部5の先端部を湾曲させるような曲げ癖(プリカーブ)が付けられている。図5に示すように、外側シース22に付けられた曲げ癖によって、挿入部5は、軸線に対して湾曲している。例えば、バスケット部6を挿入部5内に収容した状態で、先端チップ8の先端から150mmのところを起点として、この起点よりも基端側の軸線に対して2°〜32°の範囲内でゆるやかに湾曲している。このような曲がり癖を付ける方法としては、挿入部5を組み立てる前又は挿入部5を組み立てた後に外側シース22に熱処理を加えることや、外側シース22をしごいて変形させることなどがあげられる。
なお、挿入部5の外径は、従来の結石破砕装置の挿入部の外径に略等しい。したがって、コイルシース20は、操作ワイヤ10の回転性を確保する肉薄のチューブシース21と、外側シース22とに挟まれていることから、従来に比べて巻径が細くなっている。さらに、チューブシース21の先端及び外側シース22の先端は、先端カバー23には固定されずフリーな状態になっている。チューブシース21の基端及び外側シース22の基端、並びにコイルシース20の基端は、図1及び図6に示すように、ユニット本体4内に引き込まれ、固定されている。
ユニット本体4は、略円筒状の本体部30と、本体部30の先端側に一体的に突設された固定部31とを有する樹脂成形品、若しくは金属部品である。固定部31は、略管状になっており、その外周には先端側から、先端に向かって縮径するテーパ面31Aと、チューブシース21を引っ掛ける凹部31Bと、雄ネジ31Cとが形成されている。固定部31の外周には、チューブシース21の基端部が挿入されており、チューブシース21は凹部31Bに相当する部分に糸32を巻きつけることでの固定されている。さらに、雄ネジ31Cには、雌ネジ33Aが刻まれたカバー部材33が螺入されている。カバー部材33は、金属材料から製造されており、その先端部の内周側にコイルシース20の基端部がロー付けされている。このカバー部材33には、その外周を覆うように外筒部材34が圧入さている。
また、本体部30は、固定部31の先端から本体部30の基端にかけて軸線方向に貫通する挿通孔35が形成されている。挿通孔35の途中には、本体部30の外周部に開口する連通孔36が形成されており、連通孔36の内周に形成された雌ネジには口金37が螺着されている。この口金37にシリンジを装着すると、造影剤などを体腔内に注入することができる。さらに、挿通孔35において、連通孔36の形成位置よりも基端側は、拡径されており、この拡径部分35AにはOリングなどのシール部材38が挿入されている。このシール部材38によって、挿通孔35に進退自在に挿通される操作ワイヤ10と本体部30との間に液密構造が形成される。さらに、シール部材38よりも基端側には、連結管39が螺着されている。連結管39は、本体部30の基端から軸線方向に突出しており、フランジ状に拡径することで突き当て面39Aが環状に形成されている。さらに、連結管39の基端部には、係合部40が形成されている。この係合部40は、基端に向かって縮径するテーパ面40Aと、テーパ面40Aよりも先端側で外径を縮小させる環状溝40Bとを有している。
図6に示すように、操作ワイヤ10は、本体ユニット4を貫通して延び、その基端には、縮径部41が形成された後に抜け止めチップ42が固着されている。なお、図6には、操作ワイヤ10にマーキング43が施されている。このマーキング43は、操作ワイヤ10をユニット本体4から引っ張って、バスケット部6が挿入部5内に収容されたときに、本体ユニット4から外部に露出する位置に形成されている。
次に、このような破砕具3が装着される操作部2について説明する。
図1に示すように、操作部2は、破砕具3が先端側から挿入されて装着される操作部本体51を有し、操作部本体51の基端側はカバー52,53が操作部本体51を上下に挟むようにネジ留めされている。図7に示すように、操作部本体51は、先端側からシース接続部54と、筒状のガイド部55と、ガイド部55の基端部にネジ止めされる本体部56とを有し、ガイド部55及び本体部56を軸線方向に貫通するようにガイド孔57が形成されている。
シース接続部54は、リング体60を有し、リング体60の内孔61は、破砕具3側の連結管39の係合部40を受け入れ可能なテーパ面60Aが形成されている。リング体60の基端部は、操作ワイヤ10のみを挿通可能に開口している。リング体60よりも先端側には、キャップ62がネジ固定されている。キャップ62には、内孔61に略等しい孔が形成されている。さらに、キャップ62とリング体60との間の隙間には、シース接続ボタン63が軸線と直交する方向に移動自在に挿入されている。図8に示すように、シース接続ボタン63は、移動方向に延びる長穴64を有している。長穴64の長軸は、リング体60の内孔61の最大径よりも長く、長穴64の短軸はリング体60の内孔61の最大径に略等しい。長穴64の下端には、係止突起65が長穴64の開口面積を減少させるように突出しており、シース接続ボタン63の開口部は全体としてU字形状になっている。このシース接続ボタン63は、コイルバネなどの弾性部材66によってリング体60に対して付勢されており、自然状態で係止突起65が突出し、リング体60の内孔61の開口面積を減少させる位置にある。なお、シース接続ボタン63を押し込むと、係止突起65が退避して内孔61の開口面積を確保できるようになっている。
図7及び図9に示すように、シース接続部54のリング体60に基端には、ガイド管70が内孔61に連通するように固定されている。このガイド管70は、操作部本体51のガイド孔57内に同軸上に延びている。このガイド管70には、その外周を覆うようにラック体71が軸線方向に進退自在に装着されている。ラック体71は、ガイド部55及び本体部56のそれぞれの内周側に進退自在に支持されており、カバー53側から螺入されるネジ72によって軸線回りの回転が防止されている。さらに、図7及び図10、図11に示すように、ラック体71には、ラック73が軸線方向に所定の長さで形成されており、このラック73と噛み合うピニオン74は、本体部56に固定されたベアリングに回転自在に支持されている。ピニオン74の軸74Aは、カバー53の外側に延びており、その端部にはハンドル75が固定されている。ハンドル75は、扁平形状を有し、術者が掴み易く、かつ力を加え易くなっている。
ここで、図10及び図12に示すように、軸74Aには、歯車76が固定されている。図12に示すように、歯車76は、ラチェット爪77が噛み合わされており、歯車76の回転、つまりピニオン74の回転を規制できるようになっている。ラチェット爪77は、本体部56に支持軸78を介して回動自在に支持された略L字形状の部材であり、支持軸78よりも先端側に延びる腕部77Aは、板バネ79によって歯車76に係合するように付勢されている。板バネ79は、本体部56に固定された弾性部材である。このようなラチェット機構を機能させることで、ラック体70が先端部に向かう方向には、歯車76(ピニオン74)の回転を禁止する一方で、ラック体70を基端部側に引き戻す方向には、段階的に回転させることが可能になる。
さらに、ラチェット爪77の他方の腕部77Bは、支持軸78から下方、かつ基端側に延び、その基端面77Cは、下方かつ基端に向かって傾斜している。さらに、基端面77Cに係合可能な切替スイッチ80が、側面視で支持軸78よりも基端側に配設されている。図13に示すように、切替スイッチ80は、軸線方向に平行な支持軸81を介して本体部56に回動自在に支持された基部80Aを有し、切替スイッチ80の先端部80Aはカバー52の上部に形成されたスリット52Aを通ってカバー52の外側に延びている。基部80Aは、回動方向に所定の角度を持って延びる扇方形状を有している。基部80Aの回動方向における一方の側面80Cは、回動方向に垂直な面になっている。したがって、図13に仮想線で示す位置では、切替スイッチ80がラチェット爪77の基端面77Cを押圧する。その結果、図12に仮想線で示すように、ラチェット爪77が支持軸78回りに回動し、ラチェット爪77と歯車76との噛み合いが解除される(このときの切替スイッチ80の位置をOFF位置とする)。これに対して、図13に実線で示す位置では、切替スイッチ80は、ラチェット爪77に干渉しないので、ラチェット爪77は歯車76に噛み合い、ラチェット爪77は本来のラチェット機能を発現する(このときの切替スイッチ80の位置をON位置とする)。
また、図7及び図13に示すように、ラック体70の基端側の外周部には、溝85が環状に形成されており、この溝85に3つのピン86が摺動自在に挿入されている。これらピン86は、把持部90に固定されているので、把持部90は、ラック体71の軸線回りに回転自在になっている。
図7に示すように、把持部90は、その先端部93が操作部2の操作部本体51側のガイド孔57に挿入可能になっており、先端部93に開口する孔91が軸線方向に、ガイド管71の内孔と連通するように形成されている。さらに、先端部93から基端に向かう途中では、カバー52,53に当接可能な突き当て面94を形成しつつ拡径しており、この拡径部分に把持部90の外周部と、把持部90内の孔91とを連通させる挿入孔97が軸線と直交する方向に穿設されており、この挿入孔97に第2係合部材であるピン95が挿入されている。ピン95には、長穴98が形成されており、この長穴98に止めピン99を挿入することで挿入孔97からの抜け落ちが防止されている。なお、ピン95を挿入孔97に最も挿入した状態では、ピン95の先端部が孔91内に突出するようになっている。
また、挿入孔97よりも基端側には、第1係合部材であるワイヤ接続ボタン96がピン95と平行に挿入されている。ワイヤ接続ボタン96は、把持部90から突出する頭部96Aにストッパ100が螺入されており、ワイヤ接続ボタン96の先端部96Bは、把持部90内に引き込まれて孔91を越えて延びており、コイルバネ等の弾性部材102によって把持部90に対して付勢されている。弾性部材102の付勢方向は、ワイヤ接続ボタン96を把持部90から押し出すような方向であり、止めピン103をワイヤ接続ボタン96の長孔104に貫通させることで、把持部90からの抜け落ちを防止している。
さらに、図7及び図14に示すように、ワイヤ接続ボタン96には、頭部96Aから先端部96Bに至るまでの間に挿通孔101が形成されている。挿通孔101は、把持部90の軸線と平行にワイヤ接続ボタン96を貫通している。挿通孔101は、ワイヤ接続ボタン96を押し込んだときに、挿通孔101の中心と、把持部90の孔91の中心とが略一致するような位置に形成されており、挿通孔101の先端側の内周には、先端側に向かって開くようにテーパ面101Aが形成されている。このテーパ面101は、ワイヤ接続ボタン96が自然状態で弾性部材102によって付勢されているときには、把持部90の孔91の軸線上に配置されている。
ストッパ100は、ワイヤ接続ボタン96の頭部96Aの外周を拡げるような環状の部材である。ストッパ100を把持部90に向かってねじ込むと、その分だけワイヤ接続ボタン96を把持部90に押し込む方向へのストロークを規制することができる。ストッパ100の外径は、ワイヤ接続ボタン96の軸線とピン95の軸線との間の距離よりも長いので、図15に示すように、ストッパ100をねじ込んだ状態では、ストッパ100がピン95の頭部を押圧し、ピン95が孔91に向かって押し込まれる。
次に、この実施の形態の作用について説明する。
まず、操作部2に破砕具3を装着するときには、操作ワイヤ10の基端側のマーキング43が露出するまで操作ワイヤ10を引き出してから、操作ワイヤ10の基端部を操作部2のシース接続部54からガイド管70内へと挿入する。操作ワイヤ10が操作部2内に収まると、次に破砕具3の連結管39がシース接続部54の内孔61内に進入する。このとき、連結管39をシース接続部54に挿入するだけで、破砕具3の本体部4が操作部2に装着される。具体的には、連結管39の係合部40のテーパ面40Aがシース接続ボタン63の突起65に当接するので、連結管39を押し込むことで、突起65が弾性部材66を収縮させる方向に押される。その結果、シース接続ボタン62全体が移動して開口面積を拡がるので、そのまま連結管39を押し込むと、連結管39の突き当て面39Aとリング体60のキャップ62とが当接する。このとき、連結管39の位置と突起65の突設位置とが一致し、弾性部材66の復元力によってシース接続ボタン63が戻り、連結管39上の凹部に突起65が係合する。また、取り付けた破砕具3の基端部が操作部2に対して円周方向に自由に回転しないように、例えば、キャップ62に設けた凸部と突き当て面39Aに設けた凹部とが装着時に噛み合い、回転不能となっている。
この際、予め把持部90を操作部本体51側に押し込んでおくと、本体部51と操作部本体51との接続と同時に、操作ワイヤ10と把持部90とが接続される。具体的には、操作ワイヤ10の抜け止めチップ42は、把持部90内に進入し、孔91の経路上にあるワイヤ接続ボタン96のテーパ面101Aに突き当たる。操作ワイヤ10がさらに挿入されると、テーパ面101Aが押し込まれることでワイヤ接続ボタン96全体が弾性部材102を収縮させる方向に移動する。その結果、挿通孔101と孔91との連通面積が増え、操作ワイヤ10がワイヤ接続ボタン96を越えて把持部90の基端部まで挿入される。このとき、操作ワイヤ10の縮径部41の形成位置と、ワイヤ接続ボタン96の挿通孔101の位置とが一致し、弾性部材102の復元力によってシース接続ボタン96が戻り、シース接続ボタン96と把持部90とが協働して操作ワイヤ10を挟み込む。これによって、操作ワイヤ10の軸線方向の移動が防止される。なお、初期状態として把持部90が操作部本体51から引き出してあったときには、本体部51と連結管39との接続が最初に行われ、その後把持部90を押し込んだときに操作ワイヤ10の接続が行われる。接続時のメカニズムは、前記と同じである。
ここで、このままでは把持部90に対して操作ワイヤ10が空回りするので、ストッパ100をねじ込んで、ピン95を押し込む。ピン95と孔91の内周面との間で操作ワイヤ10が挟み込まれ、把持部90と操作ワイヤ10とを一体的に回転できるようになる。ピン95がない場合、ワイヤ接続ボタン96のみで操作ワイヤ10を一体的に回転できるように固定することは可能だが、固定力はピン95がある方が強くなる。また、ストッパ100とピン95とが当接するので、ワイヤ接続ボタン96を押そうとしてもワイヤ接続ボタン96は移動しなくなり、操作ワイヤ10と把持部90の接続が使用中に解除されないようになる。
さらに、結石破砕装置1を用いた手技について説明する。なお、以下においては胆管内に形成された結石の破砕を例にして説明するが、処置対象部位は胆管に限定されない。
図3に示すバスケット部6の先端チップ8の孔11に、ガイドワイヤを通してから、挿入部5を内視鏡のチャンネルを介して体腔内に挿入する。ガイドワイヤを伝うようにして挿入部5の先端部を内視鏡の先端の側部から突出させる。このとき、図16に示すように、挿入部5は、曲がり癖によってなだらかに湾曲しているので、先端チップ8はガイドワイヤ110に従って十二指腸の乳頭に向って、斜めにアプローチしていく。このため、図17に示すように、内視鏡111の先端部から挿入部5を前進させて、十二指腸W1の乳頭W2から胆管W3に容易に進入させることができる。
次に、操作部2の切替スイッチ80をOFF位置に移動させ、ラック体71が自由に進退できるようにしてから、把持部90を操作部本体51側に押し込む。把持部90に保持されている操作ワイヤ10が前進し、挿入部5の先端からバスケット部6が突出し、各弾性ワイヤ7が拡開する。そして、図18に示すように、弾性ワイヤ7内に結石W4を取り込む。ここで、各弾性ワイヤ7が拡開時に把持部90を軸線回りに回転させると、操作ワイヤ10を介してバスケット部6を軸回りに回転させることができるので、結石W4をバスケット部6内に取り込み易くなる。
結石W4を取り込んだら、把持部90を操作部本体51から引き戻し、バスケット部6の一部を挿入部5内に引き込み、バスケット部6を窄めさせて結石W4を保持する。このとき、把持部90を保持したままで、切替スイッチ80をON位置に移動させる。ラチェット爪77が歯車76に噛み合って、ラック体71の戻りを防止するので、把持部90から手を離しても操作ワイヤ10は移動しない。このため、バスケット部6が緩まないので結石W4の保持が維持される。次に、図11に仮想線で示すように、操作部2を手で掴んで、ハンドル75を回転させる。ハンドル75に直結されているピニオン74が回転し、ラック体71と共に把持部90が後退する。把持部90に固定されている操作ワイヤ10が後退し、バスケット部6がさらに挿入部4側に引き込まれる。ここで、コイルシース20は、密巻きであり、かつ先端部に金属製の先端カバー23が設けられているので、操作部2側の締付力がバスケット部6に伝達される。その結果、結石W4は、バスケット部6に締め付けられるようにして、破砕される。このとき、ラチェット爪77によって、ピニオン74の回転及びラック体71の移動は段階的に行われるので、結石W4に加わる締付力が徐々に増加し、結石W4は、ゆっくりした速度で破砕される。
この実施の形態によれば、ワイヤ接続ボタン96にストッパ100を設けたので、ストッパ100がねじ込まれている間は、ワイヤ接続ボタン96に触れても操作ワイヤ10が把持部90から外れることはない。そして、このストッパ100をねじ込んだときに、ピン95を押し込み、ピン95と把持部90とで操作ワイヤ10を挟み込むようにしたので、ストッパ100の操作のみで、ワイヤ接続ボタン96の移動防止と、ピン95による挟み込みとを同時に行うことができ、装着時の操作性が向上する。これによって、把持部90に対して操作ワイヤ10が軸線方向及び軸線回りに移動禁止とされ、把持部10の操作に追従して進退及び回転されるようになる。
ここで、ワイヤ接続ボタン95の挿通孔101にテーパ面101Aを設け、テーパ面101Aに操作ワイヤ10の抜け止めチップ42を当接させるようにし、テーパ面101Aが押されるとワイヤ接続ボタン95全体が移動するように構成したので、操作ワイヤ10を押し込むだけで操作ワイヤ10と把持部90とを接続することが可能になり、従来のように手動でワイヤ接続ボタン95を操作していた場合に比べて、装着時の操作性が向上する。
この実施の形態によれば、シース接続部52にシース接続ボタン62を設けたので、破砕具3において挿入部5に連なる連結管39の係合部40を押し込んだときに、係合部40のテーパ面40Aにシース接続ボタン62の突起65に押されて、シース接続ボタン62全体が移動し、テーパ面40Aが突起65を越えて突き当て面39Aとリング体60のキャップ62が突き当たったときに、連結管39の凹部と突起65とが係合するようにした。したがって、破砕具3を押し込むだけで破砕具3の本体ユニット5と操作部2とを接続することが可能になり、従来のようにネジ止めする場合に比べて、装着時の操作性が向上する。
ここで、シース接続部52から延びるガイド管71を設けたので把持部90が引き出されていた場合でも操作ワイヤ10を把持部90に確実に導くことができる。従来では、把持部が引き出されてラック体が後退している場合には、操作ワイヤに対して大径のガイド孔のみになるので、把持部に操作ワイヤを導き難かったが、この実施の形態では、把持部90の位置に関係なく操作ワイヤ10の接続が容易になり、装着時の操作性が向上する。
この実施の形態によれば、操作部2のハンドル75をピニオン74に直結したので、従来のように減速ギヤを介在させていた場合に比べて、操作の追従性が向上すると共に部品点数を削減することができる。
また、歯車76、ラチェット爪77、切替スイッチ80などからハンドル75の戻りを防止する戻り防止機構を設けたので、ハンドル75の操作性を向上できる。特に、把持部90からハンドル75に持ち替えるときに手を離してもハンドル75の戻りが防止されるので、結石W4を保持するバスケット部6が緩むことはない。ここで、切替スイッチ80は、ハンドル75の操作の邪魔にならない位置で、かつ把持部90にも近い位置に設定されているので、ON位置とOFF位置との切り替えを楽に行うことができる。
さらに、ラチェット爪77を板バネ79で付勢しているので、ハンドル75を回転させたときに、歯車76の歯をラチェット爪77が乗り越える際に板バネ79によって生じるクリック感が得られるので、操作フィーリングが良好である。また、ラチェット爪77があるので、操作部2の向きによらずに、前記した戻り防止機構を機能させることが可能になる。
この実施の形態によれば、操作ワイヤ10の基端側にマーキング43を設けたので、ユニット本体5に対して操作ワイヤ10を引っ張ったときに、バスケット部6が挿入部5に収容されたことを、操作ワイヤ10の基端側で目視で確認することができる。破砕具3を操作部2に装着する際には、バスケット部6が挿入部5に収容された状態で操作ワイヤ10を把持部90に接続するが、従来では長尺の挿入部の先端側を目視で確認しながら操作ワイヤの引き出し量を調整していたが、基端側のみで確認することができるので、装着時の操作性が向上する。
なお、本発明は前記の実施の形態に限定されずに広く応用することができる。
例えば、シース接続ボタン62の突起65をテーパ面にして、連結管39の係合部40に突起を形成しても良い。同様に、ワイヤ接続ボタン96のテーパ面101Aをピンにして、操作ワイヤ10側にテーパ面を設けても良い。
本発明の実施の形態に係る結石破砕装置の全体構成を示す図である。 結石破砕装置を構成する破砕具を示す図である。 バスケット部を挿入部に収納させたときの破砕具の先端部分の拡大図であって、一部を破断させた図である。 挿入部の先端部分の断面図である。 結紮具ユニットにおいて操作ワイヤを引いた状態を示す図である。 結紮具ユニットの本体部側の断面図である。 結紮破砕装置の操作部の断面図である。 図1のA−A線に沿った断面図である。 図7から把持部を引き出した状態を示す図である。 図1のB−B線に沿った断面図である。 図1のC矢視図であり、術者が掴んだ状態を示す図である。 図11のD−D線に沿った断面図である。 図1のE−E線に沿った断面図である。 図1のF−F線に沿った断面図である。 図7の把持部を拡大した図であり、操作ワイヤを保持させた状態を説明する図である。 ガイドワイヤを使って挿入部を挿入する手技を説明する図である。 挿入部を乳頭から胆管に挿入させた状態を示す図である。 胆管内の胆石をバスケット部内に取り込んだ状態を示す図である。
符号の説明
1 結石破砕装置
2 操作部
5 挿入部
6 バスケット部
10 操作ワイヤ
54 シース接続部
90 把持部
95 ピン(第2係合部材)
96 ワイヤ接続ボタン(第1係合部材)
100 ストッパ
102 弾性部材

Claims (2)

  1. 手元側の操作部から体腔内に挿入される可撓性の挿入部が延設され、前記挿入部の先端部分に結石を取り込むバスケット部を有し、前記バスケット部を前記操作部の操作に応じて前記挿入部に突没自在な結石破砕装置において、
    前記操作部は、前記挿入部のシースを接続可能なシース接続部と、前記シースの基端部側から引き出される前記操作ワイヤを接続可能で、術者が把持して前記シース接続部に対して進退操作可能な把持部とを有し、前記把持部は、弾性部材に付勢されて前記操作ワイヤを軸線方向に移動不能に係合する第1係合部材と、前記操作ワイヤを軸回りに空回り不能に係合する第2係合部材と、前記第1係合部材の移動を規制すると共に、前記第2係合部材を前記操作ワイヤに押し付けるストッパとを有することを特徴とする結石破砕装置。
  2. 前記ストッパは、前記第1係合部材の外周部にねじ込み可能に設けられており、前記ストッパを前記第1係合部材にねじ込む方向と、前記第2係合部材が前記操作ワイヤに係合する方向とは略平行であることを特徴とする請求項1に記載の結石破砕装置。

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