JP2006313785A - 薄膜抵抗体およびその製造方法 - Google Patents

薄膜抵抗体およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】比抵抗が大きく、かつ、抵抗温度係数の絶対値が小さい薄膜抵抗体およびその製造方法を提供する。
【解決手段】ニッケル、クロム、珪素および炭素からなり、珪素および炭素の含有量が40〜65質量%であり、かつ、クロムのニッケルに対する質量比が0.15〜1.1である薄膜に熱処理を施し、比抵抗が500〜3000μΩ・cmであり、かつ、抵抗温度係数が−25〜+25ppm/℃である薄膜抵抗体を得る。前記熱処理の温度は、400〜800℃の範囲内で前記薄膜の組成に応じて選択される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、薄膜チップ抵抗器に用いる薄膜抵抗体およびその製造方法ならびに該製造において用いることのできるスパッタリングターゲットに関する。
従来から、薄膜チップ抵抗器には薄膜抵抗体が用いられている。該薄膜抵抗体は、Ni−Cr系合金(比抵抗は100〜150μΩ・cm)やCr−Si系合金(比抵抗は最大300μΩ・cm)等の金属を、スパッタリング法または真空蒸着法によりセラミック基板上に堆積させて得ることができる。Ni−Cr系合金による薄膜抵抗体の比抵抗は、100〜150μΩ・cmであり、Cr−Si系合金による薄膜抵抗体の比抵抗は、最大300μΩ・cmである。該薄膜抵抗体が薄膜チップ抵抗器に用いられる際には、フォトリソグラフィー等により所定の形状に加工される。かかる薄膜抵抗体を用いて作製された薄膜チップ抵抗器は、比抵抗が300μΩ・cm以下であり、この比抵抗領域において−25ppm/℃〜+25ppm/℃という良好な抵抗温度係数(TCR)が得られる。このため、Ni−Cr系合金やCr−Si系合金からなる薄膜抵抗体を用いて作製されるチップ抵抗器は、高精度チップ抵抗器として広く各種電子機器に用いられている。
一方、薄膜チップ抵抗器等に用いられる薄膜抵抗体は、抵抗温度係数の絶対値が小さいことだけでなく、比抵抗が大きいことも求められている。
しかし、現状では、前記金属薄膜を用いて、例えば500μΩ・cm以上の高い比抵抗を有し、かつ、抵抗温度係数の絶対値が小さい高精度の薄膜抵抗体を製造することは困難である。
そのため、比抵抗が大きく、かつ、抵抗温度係数の絶対値が小さい薄膜抵抗体を開発するための研究が続けられており、例えば、特許文献1では、2000μΩ・cm以上の大きい比抵抗を持ち、かつ、抵抗温度係数の絶対値が小さい薄膜抵抗体として、Si、CおよびCrからなる薄膜抵抗体が開示されている(特許文献1参照)。この薄膜抵抗体の比抵抗は、2000μΩ・cm以上と高抵抗であるが、抵抗温度係数の組成依存性が大きく、抵抗温度係数が±25ppm/℃以内である薄膜を安定して作製することは困難である。
また、特許文献2では、Cr、Siにバルブ金属または遷移金属を加えたスパッタリングターゲットを用いてスパッタリングを行い、薄膜抵抗体を得ている。該スパッタリングの際、N2を反応性ガスとしてArに混入し、さらに、成膜後にN2ガス雰囲気中でエージング処理を行うことにより、比抵抗が500〜10000μΩ・cmで、抵抗温度係数が±25ppm/℃程度の薄膜抵抗体が得られることが開示されている。しかし、一般にN2による反応性スパッタリングで成膜した薄膜抵抗体では、その組成の制御が難しく、安定した抵抗値を得ることは困難である。
特開平07‐086004号公報 特開2002‐141201号公報
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであって、比抵抗が大きく、かつ、抵抗温度係数の絶対値が小さい薄膜抵抗体を安定して提供することを目的とする。
本発明に係る薄膜抵抗体の第一の態様は、Ni、Cr、SiおよびCからなり、SiおよびCの含有量が40〜65質量%であり、かつ、CrのNiに対する質量比が0.15〜1.1であることを特徴とする。
前記薄膜抵抗体において、比抵抗が500〜3000μΩ・cmであり、かつ、抵抗温度係数が−25〜+25ppm/℃であることが好ましい。
本発明に係る薄膜抵抗体の第二の態様は、ニッケル、クロム、珪素および炭素からなり、珪素および炭素の含有量が40〜65質量%であり、かつ、クロムのニッケルに対する質量比が0.15〜1.1である薄膜を、抵抗温度係数が−25〜+25ppm/℃となるように熱処理して得られた薄膜抵抗体である。
本発明に係る薄膜抵抗体の製造方法は、ニッケル、クロム、珪素および炭素からなるスパッタリングターゲット、またはニッケル−クロム合金からなるスパッタリングターゲットと炭化珪素からなるスパッタリングターゲットをスパッタリング装置に装着し、スパッタリング法により、ニッケル、クロム、珪素および炭素からなり、珪素および炭素の含有量が40〜65質量%であり、かつ、クロムのニッケルに対する質量比が0.15〜1.1である薄膜を形成し、その後該薄膜を熱処理して、比抵抗が500〜3000μΩ・cmであり、かつ、抵抗温度係数が−25〜+25ppm/℃である薄膜抵抗体を形成することを特徴とする。
前記熱処理の温度は、400〜800℃の範囲内で前記薄膜の組成に応じて選択される温度であることが好ましく、抵抗温度係数が−25〜+25ppm/℃となるように熱処理することがより好ましい。
本発明に係るスパッタリングターゲットは、Ni、Cr、SiおよびCからなり、SiおよびCの含有量が40〜65質量%であり、かつ、CrのNiに対する質量比が0.15〜1.1であることを特徴とする。
本発明に係る薄膜抵抗体は、Ni、Cr、SiおよびCからなり、SiおよびCの含有量が40〜65質量%であり、かつ、CrのNiに対する質量比が0.15〜1.1である薄膜からなり、該薄膜に適切な熱処理を施すことにより、比抵抗が500〜3000μΩ・cmであり、かつ、抵抗温度係数が−25〜+25ppm/℃である薄膜抵抗体とすることができる。
このような比抵抗および抵抗温度係数を有する薄膜抵抗体をチップ抵抗器に適用することにより、500〜3000μΩ・cmと大きい比抵抗を持ち、かつ、抵抗温度係数の絶対値が小さい高精度チップ抵抗器を得ることができる。
また、本発明に係る薄膜抵抗体の比抵抗および抵抗温度係数は、膜組成および熱処理条件だけで制御され得る。したがって、膜組成およびこれに応じた適切な熱処理条件を規制することにより、比抵抗が大きく、かつ、抵抗温度係数の絶対値の小さい薄膜抵抗体を、安定して製造することができる。
本発明に係る薄膜抵抗体は、Ni、Cr、SiおよびCからなる。一般に、NiおよびCrは導電性成分であり、比抵抗が小さく、かつ、抵抗温度係数も小さいという特徴を有する。
一方、SiおよびCは絶縁性成分である。本発明に係る薄膜抵抗体において、CのSiに対するモル比は特に限定されないが、0.9〜1.3であることが好ましい。
本発明の薄膜抵抗体中のCrのNiに対する質量比は0.15〜1.1が好ましく、より好ましくは0.9〜1.1である。CrのNiに対する質量比が0.15より小さいと抵抗温度係数が大きくなってしまうため、好ましくない。また、CrのNiに対する質量比が1.1より大きいと、本発明の薄膜抵抗体の製造に用いるNi−Cr合金またはNi−Cr−Si−C合金スパッタリングターゲットを製造する際に割れが発生しやすくなるため、好ましくない。
SiおよびCは、絶縁性成分であるので、これを含有させることで薄膜抵抗体の比抵抗を大きくする作用がある。SiおよびCの含有量が40質量%より少ないと、比抵抗が小さくなり、500μΩ・cm以上の高抵抗の薄膜抵抗体を得ることはできない。また、SiおよびCの含有量が65質量%を上回ると、高い比抵抗が得られるが、熱処理をしても負の抵抗温度係数の絶対値が大きくなってしまい、高精度の薄膜抵抗体を得ることができない。
次に、本発明に係る薄膜抵抗体の製造方法について説明する。本発明に係る薄膜抵抗体の製造方法においては、薄膜を形成する手段としてスパッタリング法を用いる。スパッタリング法は、高融点材料であっても所望の組成の膜を製造できる方法であり、抵抗温度係数の小さい高精度の薄膜抵抗体の製造に用いることに適している。用いるスパッタリング法の種類は特に限定されず、直流スパッタリング法でも高周波スパッタリング法でもよい。
スパッタリングターゲットとしては、Ni、Cr、SiおよびCからなり、SiおよびCの含有量が40〜65質量%であるスパッタリングターゲットを用いることができる。該スパッタリングターゲットを用いて形成される薄膜抵抗体の組成は、実質的にスパッタリングターゲットの組成と同じである。なお、かかるスパッタリングターゲットは、まずSiCからなるスパッタリングターゲットを作製し、その後、該スパッタリングターゲットの表面に溝を彫り、所望の組成とすべく、表面積の比率に合わせてNi−Cr合金チップを埋め込むことにより作製してもよい。また、SiCからなるスパッタリングターゲット上にNi−Cr合金チップを載置したものを、スパッタリングターゲットとして用いてもよい。
また、Ni−Cr合金からなるスパッタリングターゲットおよびSiCからなるスパッタリングターゲットを用いて、同時スパッタリングにより本発明に係る薄膜抵抗体を作製することも可能である。
そして、前記スパッタリングターゲットをスパッタリング装置に設置し、該スパッタリング装置の系内を1.0×10-4Pa以下の真空度まで真空引きした後に、系内にArガス(純度:99.999%)を導入してスパッタリング圧力を0.27〜1.1Paとして、基板上にスパッタリングにより薄膜を形成することで、本発明に係る薄膜抵抗体を製造することができる。
次に、薄膜の比抵抗を安定させるとともに、抵抗温度係数を0に近づけるために、前述のようにして得られた薄膜に熱処理を行う。本発明に係る薄膜抵抗体の製造のための熱処理では、組成に応じて、400〜800℃の温度範囲において適切な熱処理温度を選択する。この熱処理を行うことにより、薄膜抵抗体の抵抗温度係数を−25ppm/℃〜+25ppm/℃と小さくすることができる。
熱処理温度を400〜800℃の温度範囲に限定した理由は、いずれの組成範囲においても、熱処理温度が400℃未満であると、抵抗温度係数が−25ppm/℃より負に大きくなってしまうからであり、一方、800℃を上回ると、抵抗温度係数が25ppm/℃より正に大きくなってしまうからである。抵抗温度係数の絶対値が最も小さくなるように、薄膜の各組成ごとに熱処理温度を設定することが好ましく、該熱処理温度は、400〜800℃の温度範囲に存在する。
熱処理をする際の雰囲気は、特殊な雰囲気で行う必要はなく、真空中、アルゴン中、窒素中などの不活性雰囲気中で行うことができ、また大気中でもよい。
このように、本発明に係る薄膜抵抗体の製造方法は、膜組成および熱処理条件だけで比抵抗および抵抗温度係数を制御できるため、比抵抗が大きく、かつ、抵抗温度係数の絶対値の小さい薄膜抵抗体を安定して製造することに寄与することができる。
(実施例1)
薄膜抵抗体はNi−Cr合金スパッタリングターゲットとSiCスパッタリングターゲットの同時スパッタリングにより作製した。
まず、電気ニッケル、電解クロムを原料とし、CrのNiに対する質量比が1.0となるようにそれぞれ秤量して、真空溶解炉により、約2kgのNi-Cr合金のインゴットを作製し、それぞれのインゴットについて、均質化処理をした後、ワイヤカットで厚さ5mm、直径150mmの丸板を切り出し、上下面を研削してNi−Cr合金スパッタリングターゲットとした。
このNi−Cr合金スパッタリングターゲットとSiCスパッタリングターゲット(ブリヂストン製PurebetaS、直径154.2mm、厚み5mm)を、直流スパッタリング装置(アルバック製SBH2206)にセットするとともに、膜を形成させる基板として、京セラ(株)製、グレード:A476のアルミナ基板(以下、「基板」と記す。)を該装置内にセットした。
系内を1.0×10-4Pa以下の真空度にした後、Arガス(純度:99.999%)を導入して、スパッタリング圧力を0.3Paとし、同時スパッタリングを行い、前記基板上に薄膜を形成した。Ni−Cr合金スパッタリングターゲットの出力は0.6A、SiCスパッタリングターゲットの出力は1.46Aとし、スパッタリング時間を調整することで、厚さ50nmの膜を形成した。スパッタリングを所定の時間だけ行った後、30分以上冷却してからチャンバー内から薄膜が形成された基板を取り出した。なお、基板上にスパッタリングで膜を形成する前に、シャッターを閉じた状態で10分以上プレスパッタを行った。
このようにして得られた実施例1の薄膜抵抗体は、ICP−AES(誘導結合プラズマ発光分光分析:Inductively Coupled Plasma Atomic Emission Spectroscopy)により定量分析した結果、NiおよびCrの含有量が50質量%、SiおよびCの含有量が50質量%であり、CrのNiに対する質量比が1.0であった。
基板に成膜した薄膜抵抗体を真空炉に入れ、真空中(7.0×10-3Pa以下)において、300〜900℃の温度範囲で100℃間隔で温度条件を振って、30分間の熱処理を行い、熱処理温度を変えた薄膜抵抗体サンプルを作製した。昇温速度は各熱処理温度の10℃手前まで10℃/分とし、その温度から、熱処理する温度までを1℃/分とした。そして、各熱処理温度で30分間保持した。
真空中で熱処理をした薄膜抵抗体サンプルおよび熱処理を行わなかった薄膜抵抗体の両側に厚さ50nmのNiをスパッタリングにより成膜し、さらにその上に厚さ300nmのAuをスパッタリングにより成膜して、Ni/Au電極が形成された薄膜抵抗体サンプルを得た。この基板を大気炉に入れ、大気中で300℃、3時間の熱処理をして、安定化処理をした。昇温速度は290℃までを10℃/分とし、290℃から300℃までを1℃/分とした。
大気炉から取り出した薄膜抵抗体サンプルについて、膜厚t(cm)、長さL(cm)、幅W(cm)を測定し、さらに直流四端子法により抵抗R(Ω)を測定して、下記数式1から比抵抗を求めた。
Figure 2006313785
また、抵抗体試料を恒温槽に入れ、25℃での抵抗値R25[Ω]と125℃での抵抗値R125[Ω]を測定し、下記数式2から抵抗温度係数を求めた。
Figure 2006313785
実施例1の薄膜抵抗体について、真空中での熱処理温度を300〜900℃の範囲で100℃間隔で振ったときの比抵抗と抵抗温度係数の測定結果を表1に示す。
Figure 2006313785
表1からわかるように、真空中での熱処理温度が300〜900℃の範囲では、比抵抗は、熱処理温度に大きくは依存しないものの、熱処理温度が高くなるほど大きくなる傾向が見られる。
これに対して、抵抗温度係数は、熱処理温度に大きく依存している。熱処理温度が低いほど抵抗温度係数は負に大きくなっており、熱処理温度が高いほど抵抗温度係数は正に大きくなっている。そして、熱処理温度が500℃のときに抵抗温度係数の絶対値が最も小さくなっている。
従って、前述の条件による製造方法を用いる場合、前記組成の薄膜抵抗体は、500℃で熱処理を施されることが好ましい。
(実施例2)
Ni−Cr合金スパッタリングターゲットの出力を0.6A、SiCスパッタリングターゲットの出力を0.98Aとし、SiおよびCの成膜速度を実施例1よりも小さくした以外は、実施例1と同様にして薄膜抵抗体を作製した。
得られた実施例2の薄膜抵抗体は、ICP−AESにより定量分析した結果、NiおよびCrの含有量が60質量%、SiおよびCの含有量が40質量%であり、CrのNiに対する質量比が1.0であった。
得られた実施例2の薄膜抵抗体について、真空中での熱処理温度を300〜900℃の範囲で100℃間隔で振ったときに最も抵抗温度係数が小さくなったときの熱処理温度、およびこの熱処理温度により熱処理された薄膜抵抗体の比抵抗、抵抗温度係数を表2に示す。
(実施例3)
Ni−Cr合金スパッタリングターゲットの出力を0.3A、SiCスパッタリングターゲットの出力を1.36Aとし、SiCスパッタリングターゲットの出力に対するNi−Cr合金スパッタリングターゲットの出力を実施例1よりも小さくした以外は、実施例1と同様にして薄膜抵抗体を作製した。
得られた実施例3の薄膜抵抗体は、ICP−AESにより定量分析した結果、NiおよびCrの含有量が35質量%、SiおよびCの含有量が65質量%であり、CrのNiに対する質量比が1.0であった。
得られた実施例3の薄膜抵抗体について、真空中での熱処理温度を300〜900℃の範囲で100℃間隔で振ったときに最も抵抗温度係数が小さくなったときの熱処理温度、およびこの熱処理温度により熱処理された薄膜抵抗体の比抵抗、抵抗温度係数を表2に示す。
(実施例4)
CrのNiに対する質量比が0.15になるようにNi−Cr合金を作製し、これを用いてNi−Cr合金スパッタリングターゲットを作製した。そして、Ni−Cr合金スパッタリングターゲットの出力を0.6A、SiCスパッタリングターゲットの出力を1.45Aとした以外は、実施例1と同様にして薄膜抵抗体を作製した。
得られた実施例4の薄膜抵抗体は、ICP−AESにより定量分析した結果、NiおよびCrの含有量が50質量%、SiおよびCの含有量が50質量%であり、CrのNiに対する質量比が0.15であった。
得られた実施例4の薄膜抵抗体について、真空中での熱処理温度を300〜900℃の範囲で100℃間隔で振ったときに最も抵抗温度係数が小さくなったときの熱処理温度、およびこの熱処理温度により熱処理された薄膜抵抗体の比抵抗、抵抗温度係数を表2に示す。
(実施例5)
CrのNiに対する質量比が1.1になるようにNi−Cr合金を作製し、これを用いてNi−Cr合金スパッタリングターゲットを作製した。そして、Ni−Cr合金スパッタリングターゲットの出力を0.6A、SiCスパッタリングターゲットの出力を1.46Aとした以外は実施例1と同様にして薄膜抵抗体を作製した。
得られた実施例5の薄膜抵抗体は、ICP−AESにより定量分析した結果、NiおよびCrの含有量が50質量%、SiおよびCの含有量が50質量%であり、CrのNiに対する質量比が1.1であった。
得られた実施例5の薄膜抵抗体について、真空中での熱処理温度を300〜900℃の範囲で100℃間隔で振ったときに最も抵抗温度係数が小さくなったときの熱処理温度、およびこの熱処理温度により熱処理された薄膜抵抗体の比抵抗、抵抗温度係数を表2に示す。
(比較例1)
Ni−Cr合金スパッタリングターゲットの出力を1.0A、SiCスパッタリングターゲットの出力を1.05Aとした以外は実施例1と同様にして薄膜抵抗体を作製した。
得られた比較例1の薄膜抵抗体は、ICP−AESにより定量分析した結果、NiおよびCrの含有量が70質量%、SiおよびCの含有量が30質量%であり、CrのNiに対する質量比が1.0であった。
得られた比較例1の薄膜抵抗体について、真空中での熱処理温度を300〜900℃の範囲で100℃間隔で振ったときに最も抵抗温度係数が小さくなったときの熱処理温度、およびこの熱処理温度により熱処理された薄膜抵抗体の比抵抗、抵抗温度係数を表2に示す。
(比較例2)
Ni−Cr合金スパッタリングターゲットの出力を0.2A、SiCスパッタリングターゲットの出力を1.14Aとした以外は実施例1と同様にして薄膜抵抗体を作製した。
得られた比較例2の薄膜抵抗体は、ICP−AESにより定量分析した結果、NiおよびCrの含有量が30質量%、SiおよびCの含有量が70質量%であり、CrのNiに対する質量比が1.0であった。
得られた比較例2の薄膜抵抗体について、真空中での熱処理温度を300〜900℃の範囲で100℃間隔で振ったときに最も抵抗温度係数が小さくなったときの熱処理温度、およびこの熱処理温度により熱処理された薄膜抵抗体の比抵抗、抵抗温度係数を表2に示す。
(比較例3)
CrのNiに対する質量比が0.1になるようにNi−Cr合金を作製し、これを用いてNi−Cr合金スパッタリングターゲットを作製した。そして、Ni−Cr合金スパッタリングターゲットの出力を0.6A、SiCスパッタリングターゲットの出力を1.45Aとした以外は実施例1と同様にして薄膜抵抗体を作製した。
得られた比較例3の薄膜抵抗体は、ICP−AESにより定量分析した結果、NiおよびCrの含有量が50質量%、SiおよびCの含有量が50質量%であり、CrのNiに対する質量比が0.1であった。
得られた比較例3の薄膜抵抗体について、真空中での熱処理温度を300〜900℃の範囲で100℃間隔で振ったときに最も抵抗温度係数が小さくなったときの熱処理温度、およびこの熱処理温度により熱処理された薄膜抵抗体の比抵抗、抵抗温度係数を表2に示す。
Figure 2006313785
表2からわかるように、組成について本発明の範囲内である実施例1〜5は、真空中での熱処理温度を適切に設定することで、比抵抗が500〜3000μΩ・cmの範囲内に入り、かつ、抵抗温度係数は−25〜+25ppm/℃の範囲内に入っている。
これに対して、比較例1は、SiおよびCの含有量が30質量%であり、本発明の下限値である40質量%を下回っている。このため、最適な温度で真空中での熱処理を行っても、比抵抗は350μΩ・cmであり、500μΩ・cmを下回っており、また、抵抗温度係数は50ppm/℃であり、−25〜+25ppm/℃の範囲内に入っていない。
比較例2は、SiおよびCの含有量が70質量%であり、本発明の上限値である65質量%を上回っている。このため、比抵抗は20000μΩ・cmと大きかったものの、最適な温度で真空中での熱処理を行っても、抵抗温度係数は−1500ppm/℃であり、−25〜+25ppm/℃の範囲から大きくはずれている。
比較例3は、NiおよびCrならびにSiおよびCの含有量は本発明の範囲内に入っているものの、CrのNiに対する質量比が0.1であり、本発明の下限値である0.15を下回っている。このため、最適な温度で真空中での熱処理を行っても、抵抗温度係数は100ppm/℃であり、−25〜+25ppm/℃の範囲に入っていない。
Ni/Au電極が形成された薄膜抵抗体サンプルの模式図である。
符号の説明
1 アルミナ基板
2 薄膜抵抗体
3 Ni電極
4 Au電極

Claims (7)

  1. ニッケル、クロム、珪素および炭素からなり、珪素および炭素の含有量が40〜65質量%であり、かつ、クロムのニッケルに対する質量比が0.15〜1.1であることを特徴とする薄膜抵抗体。
  2. 比抵抗が500〜3000μΩ・cmであり、かつ、抵抗温度係数が−25〜+25ppm/℃であることを特徴とする請求項1に記載の薄膜抵抗体。
  3. ニッケル、クロム、珪素および炭素からなり、珪素および炭素の含有量が40〜65質量%であり、かつ、クロムのニッケルに対する質量比が0.15〜1.1である薄膜を、抵抗温度係数が−25〜+25ppm/℃となるように熱処理して得られた薄膜抵抗体。
  4. ニッケル、クロム、珪素および炭素からなるスパッタリングターゲット、またはニッケル−クロム合金からなるスパッタリングターゲットと炭化珪素からなるスパッタリングターゲットをスパッタリング装置に装着し、スパッタリング法により、ニッケル、クロム、珪素および炭素からなり、珪素および炭素の含有量が40〜65質量%であり、かつ、クロムのニッケルに対する質量比が0.15〜1.1である薄膜を形成し、その後該薄膜を熱処理して、比抵抗が500〜3000μΩ・cmであり、かつ、抵抗温度係数が−25〜+25ppm/℃である薄膜抵抗体を形成することを特徴とする薄膜抵抗体の製造方法。
  5. 前記熱処理の温度が、400〜800℃の範囲内で前記薄膜の組成に応じて選択される温度であることを特徴とする請求項4に記載の薄膜抵抗体の製造方法。
  6. 抵抗温度係数が−25〜+25ppm/℃となるように熱処理することを特徴とする請求項5に記載の薄膜抵抗体の製造方法。
  7. ニッケル、クロム、珪素および炭素からなり、珪素および炭素の含有量が40〜65質量%であり、かつ、クロムのニッケルに対する質量比が0.15〜1.1であることを特徴とするスパッタリングターゲット。
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