JP2006313133A - 集積回路の故障診断方法および故障診断装置、素子レベルの故障候補特定システム、並びに、集積回路の故障診断プログラムおよび該プログラムを記録した媒体 - Google Patents

集積回路の故障診断方法および故障診断装置、素子レベルの故障候補特定システム、並びに、集積回路の故障診断プログラムおよび該プログラムを記録した媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】 従来の故障診断は、セル間を接続する配線に対して故障候補を特定する診断方式であり、セルと呼ぶ基本的論理動作を実現する基本回路をベースとし、セル間を接続する配線系の故障やセルの故障候補を特定するに留まっており、セル内の素子レベルの故障診断を行うものではなかった。
【解決手段】 複数の基本的論理を実現するセルにて構成された回路集合体内の故障箇所候補をレイアウト情報から特定し(ST5,ST6)、前記レイアウト情報から特定された故障箇所候補に対して論理情報を用いて故障箇所候補を絞り込む(ST7〜ST9)ように構成する。
【選択図】 図5

Description

本発明は、集積回路の故障診断方法および故障診断装置、素子レベルの故障候補特定システム、並びに、集積回路の故障診断プログラムおよび該プログラムを記録した媒体に関し、特に、CMOS回路(CMOSLSI)の故障診断において、故障を内蔵する任意の回路集合体の内部のトランジスタおよび配線で構成される素子レベルに対する故障箇所の特定を可能とする集積回路の故障診断技術に関する。
近年、LSIは大規模化および多層配線構造化が進み、故障箇所を特定するのが困難になっており、故障解析は膨大な工数を費やす傾向にある。そのため、故障診断と呼ぶ、ソフトウエアを用いて故障箇所候補を特定し、その故障箇所候補に対して物理解析を行う方式が主流になってきている。
図1〜図4は従来の故障診断方法の例を概念的に示す図であり、図1は論理情報を用いたバックトレース方式(バックトレース法)、図2は論理情報を用いた故障辞書方式(故障辞書法)、図3は異常電流が流れる論理パターンを用いて故障候補を特定する方式、そして、図4は故障の埋め込みによる電流異常を検出する故障モデル方式を示すものである。
故障を指摘する情報には論理情報および電流情報があり、その対象とする情報において診断方式が異なる。
前者の論理情報を用いて故障診断を行う代表的なものとしては、例えば、図1に示すような、故障箇所FP(Fault Pattern)に対応して異常となる出力期待値を起点とし(出力端子Pad(a)の期待値異常を検出し)、出力から入力方向へ逆論理展開して故障候補を検出するバックトレース方式がある(例えば、非特許文献1参照)。さらに、論理情報を用いて故障診断を行う代表的なものとしては、図2に示すような、故障FPを埋め込んでシミュレーションを行い(故障を定義して故障信号の伝搬のシミュレーションを行い)、出力する論理と故障論理の一致から(出力端子Pad(a)およびPad(b)の出力状態を比較して)故障候補を特定する故障辞書方式がある(例えば、非特許文献1参照)。
後者の電流情報を用いて故障診断を行う代表的なものとしては、例えば、図3に示すような電流異常が物理欠陥の存在を指摘するシグナルであることを利用し、異常電流が流れる論理パターン(電流値IDDQが異常を示すテストベクタ番号(TVN)を印加したときのブロックの入力論理)を用いて故障候補を特定する方式がある(例えば、非特許文献2参照)。さらに、電流情報を用いて故障診断を行う代表的なものとしては、例えば、図4に示すような、故障を埋め込むことでシミュレーションを行い、電流値IDDQの異常の発生を確認して故障候補を特定する(論理シミュレーションにより貫通電流通路を特定して「テストベクタ番号に対する故障箇所」の辞書を作成する)故障モデル方式がある(例えば、非特許文献3参照)。
また、従来、論理の識別は、出力電圧値(Vout)に対する論理の決定を閾値電圧(Vth)との比較においてなされていた。すなわち、Vout<Vthならば「0」論理とし、逆に、Vout>Vthならば「1」論理として処理され、次段の回路へ論理が展開されていた。
そして、従来、配線系のリーク故障箇所を特定する技術も知られている(例えば、非特許文献4および5参照)。
久慈憲夫(Norio Kuji)著、"故障診断手法とその動向(Fault Diagnostic Algorithms and their Trend)"、LSIテスティングシンポジウム/2000会議録、pp. 64-69、(2000年11月) 真田克(Masaru Sanada)著、"A CAD-Based Approach to Fault Diagnosis of CMOS LSI with Single Fault Using Abnormal Iddq"、IEICE Trans. Fundamentals, Vol. E80-A, No. 10, pp. 1945-1954、(1997年10月) アール・シー・アイトケン(R. C. Aitken)著、"A Comparison of Defect Models for Fault Location with Iddq Measurement"、Proc. IEEE International Test Conference, pp. 778-787、(1992年) ピー・マクスウェル他(P. Maxwell et al.)著、"Comparing Functional and Structural Tests"、Proc. IEEE International Test Conference, pp. 400-407、(2000年) 真田克(Masaru Sanada)著、"EVALUATION AND DETECTION OF CMOS-LSI WITH ABNORMAL IDDQ"、Microelectron. Reliab., Vol.35, No.3, pp. 619-629、 (1995年)
上述した従来の故障診断は、セル間を接続する配線に対して故障候補を特定する診断方式であり、セルと呼ぶ基本的論理動作を実現する基本回路をベースとし、セル間を接続する配線系の故障やセルの故障候補を特定するに留まっていた。
そのため、セル内の素子レベルに展開した状態での故障箇所特定は、マニュアル操作によるトランジスタレベルの接続関係の理解とレイアウト図による素子インスタンス名の読み取りから、トランジスタと配線の接続関係を読み取り論理を確認しながら故障箇所を特定するものであった。
従来、セル内の素子レベルの故障診断がなされていなかった理由として、次の3点がある。
まず、第1の理由は、セルの回路規模(トランジスタの数:Tr数)が小さいものが多かったため、マニュアルによる故障箇所の絞込みにより対応が可能であったからである。次に、第2の理由は、素子認識の違いのため、セル単体が論理素子と見なせるのに対して、セル内のトランジスタ(Tr)はスイッチング素子のため、同一レベルで論理シミュレーションによる対応が困難であったからである。さらに、第3の理由としては、レイアウト認識の違いのためであり、セル間ネットがセグメント記載であるのに対してセル内ネットはポリゴン記載であり、データの取り扱いにおいて連続性を伴わないからである。
しかしながら、今日のLSIの進展は、セルといえどもTr数が500個を超える規模もあるためマニュアル対応が困難になってきており、上記のセル間とセル内のデータ構造の違いを解決することで診断方式を開発する必要にせまられてきている。
さらに、出力電圧値(Vout)に対する論理の決定は、単に閾値電圧(Vth)との比較による論理の決定であるため、誤った診断結果になる場合もあった。
本発明は、上述した従来の集積回路の故障診断技術が有する課題に鑑み、素子レベルの故障候補を特定することのできる集積回路の故障診断方法および故障診断装置、素子レベルの故障候補特定システム、並びに、集積回路の故障診断プログラムおよび該プログラムを記録した媒体の提供を目的とする。
本発明の第1の形態によれば、複数の基本的論理を実現するセルにて構成された回路集合体内の故障箇所候補をレイアウト情報から特定し、前記レイアウト情報から特定された故障箇所候補に対して論理情報を用いて故障箇所候補を絞り込むことを特徴とする集積回路の故障診断方法が提供される。
本発明の第2の形態によれば、回路集合体内の故障箇所候補をレイアウト情報から特定し、前記レイアウト情報から特定された故障箇所候補に対して論理情報を用いて故障箇所候補を絞り込む集積回路の故障診断方法であって、前記レイアウト情報は、前記回路集合体内の拡散層、配線およびビアによる多角形の頂点座標の閉空間表示情報、物理解析により特定されたリーク故障に伴う物理現象の発覚箇所の情報、或いは、外観検査装置により特定された外観異常箇所の情報であることを特徴とする集積回路の故障診断方法が提供される。
本発明の第3の形態によれば、回路集合体内の故障箇所候補をレイアウト情報から特定し、前記レイアウト情報から特定された故障箇所候補に対して論理情報を用いて故障箇所候補を絞り込む集積回路の故障診断方法であって、前記論理情報を用いた故障箇所候補の絞り込みは、前記回路集合体の回路図上に前記故障箇所候補を組み込む段階と、前記回路集合体の各配線論理値を特定する段階と、前記論理を伝搬する段階と、前記回路集合体の出力端子に出力する論理値を特定する段階と、を備えることを特徴とする集積回路の故障診断方法が提供される。
本発明の第4の形態によれば、回路集合体内の故障箇所候補をレイアウト情報から特定し、前記レイアウト情報から特定された故障箇所候補に対して論理情報を用いて故障箇所候補を絞り込む集積回路の故障診断方法であって、前記回路集合体の入力配線が該回路集合体内部の配線と短絡故障を発生するとき、入力端子の論理が「1」の場合、該入力配線は高電位電源線を介した標準値を有するインピーダンスを付加することを特徴とする集積回路の故障診断方法が提供される。
本発明の第5の形態によれば、回路集合体内の故障箇所候補をレイアウト情報から特定し、前記レイアウト情報から特定された故障箇所候補に対して論理情報を用いて故障箇所候補を絞り込む集積回路の故障診断方法であって、前記回路集合体の入力配線が該回路集合体内部の配線と短絡故障を発生するとき、入力端子の論理が「0」の場合、該入力配線は低電位電源線を介した標準値を有するインピーダンスを付加することを特徴とする集積回路の故障診断方法が提供される。
また、本発明によれば、複数の基本的論理を実現するセルにて構成された回路集合体内の故障箇所候補をレイアウト情報から特定し、前記レイアウト情報から特定された故障箇所候補に対して論理情報を用いて故障箇所候補を絞り込む集積回路の故障診断方法により得られる前記絞り込まれた故障候補を、既存の物理解析により真の故障箇所および故障原因を特定するシステムに組み込むことを特徴とする素子レベルの故障候補特定システムが提供される。
さらに、本発明によれば、複数の基本的論理を実現するセルにて構成された回路集合体内の故障箇所候補をレイアウト情報から特定する手段と、前記レイアウト情報から特定された故障箇所候補に対して論理情報を用いて故障箇所候補を絞り込む手段と、を備えることを特徴とする集積回路の故障診断装置が提供される。
また、本発明によれば、コンピュータに、複数の基本的論理を実現するセルにて構成された回路集合体内の故障箇所候補をレイアウト情報から特定する手順と、前記レイアウト情報から特定された故障箇所候補に対して論理情報を用いて故障箇所候補を絞り込む手順と、を実行させ、得られる前記絞り込まれた故障候補から真の故障箇所および故障原因を特定することを特徴とする集積回路の故障診断プログラムが提供される。
さらに、本発明によれば、コンピュータに、複数の基本的論理を実現するセルにて構成された回路集合体内の故障箇所候補をレイアウト情報から特定する手順と、前記レイアウト情報から特定された故障箇所候補に対して論理情報を用いて故障箇所候補を絞り込む手順と、を実行させ、得られる前記絞り込まれた故障候補から真の故障箇所および故障原因を特定することを特徴とする集積回路の故障診断プログラムを記録した媒体が提供される。
本発明によれば、素子レベルの故障候補を特定することのできる集積回路の故障診断方法および故障診断装置、素子レベルの故障候補特定システム、並びに、集積回路の故障診断プログラムおよび該プログラムを記録した媒体を提供することができる。
以下、本発明に係る集積回路の故障診断方法および故障診断装置、素子レベルの故障候補特定システム、並びに、集積回路の故障診断プログラムおよび該プログラムを記録した媒体の実施例を、添付図面を参照して詳述する。
<診断フロー>
図5は、本発明において、LSI全体から素子レベルの故障箇所候補を特定する故障診断処理の一例を示すフローチャートであり、図6はSCANを用いた故障内蔵の回路群の特定を説明するための図である。
まず、LSI全体(ST1)から、例えば、図6に示すように公知のSCANチェーン(Scan-chain)を用いた回路を用いることにより、SCANで囲まれた組み合わせ回路群単位で故障内蔵の回路群を特定することができる(ST2)。
次に、特定された回路群に対して、この回路の入力と出力論理の情報を用いた公知の診断方式(ST3:バックトレース法や故障辞書法など)でさらに診断対象となる回路集合体を特定する(ST4)。なお、バックトレース法や故障辞書法は、セル間を接続する配線上の故障の識別に有効であるが、セル内の素子レベルに展開した診断を行うことはできなかった。
これに対して、本発明は、絞り込まれた回路集合体がセル単体もしくは複数セルの集合体としての規模であり、絞り込まれた回路集合体に対してこの回路内の素子レベルの故障診断を行うものである。
すなわち、まず、ステップST5において、回路集合体のレイアウト構造から主に配線系のリーク故障が発生する可能性のある箇所を特定し、次に、ステップST6に進んで、これらの故障候補箇所を診断対象となる回路集合体の回路図上に組み込み、さらに、ステップST7に進んで、論理シミュレーションを実施する。
また、ステップST8に進んで、診断結果と実故障の一致を調査し、そして、ステップST9に進んで、出力した論理と実際の故障論理が一致する箇所を確度の高い故障候補箇所として抽出する。
<配線系のリーク故障箇所の特定の根拠>
図7は従来の技術文献の一例におけるIDDQ故障の比率を示す図であり、図8は従来の技術文献の他の例におけるIDDQ故障中の配線系故障の比率を示す図である。図7は前述した非特許文献4中の図1aに対応するものであり、図8は前述した非特許文献5中のデータをまとめたものに相当する。
配線系のリーク故障箇所の特定の根拠は、上記2件の論文(非特許文献4および5)に基づいている。
まず、図7に示されるように、非特許文献4において、著者らは自社の製品に対して4つのテスト(IDDQテストおよび3種類の論理テスト:At-speed, Function, AC-Scan, および, Stuck-at Scan)を実施することで特定した3140個の故障LSIに対してその内訳を示した。
その結果、図7に示されるように、IDDQ故障は、論理故障品の97.6%であり、さらに、全体の故障品の97.8%とほぼ故障品全体を占めていることが分かる。ここで、LSIは0.35μm、3層配線、3.3V駆動品のASIC品であり、IDDQ規格は50μA(1327 vectors with 81% persuade-stuck-at coverage)である。ここで、IDDQとは論理変遷が完了した静止状態における電源電流であり、故障に起因したリーク電流が流れればIDDQ値が増加して故障を発見することができる。
次に、図8は、非特許文献5中のデータに基づいて、IDDQ異常品の故障解析の結果からの故障モードの分類データを示すものである。対象としたLSIは、最大3層構造品で、液晶塗布法を用いた解析結果である。
図8のデータから明らかなように、ビアオープン(Via-open)故障は35%、配線短絡(配線-short)故障は25%、さらに、配線オープン(配線-open)故障は25%というように、全体の75%が配線系故障で占められていることが分かる。そして、近年の〜10層構造に至る多層配線構造化したLSIにおいては、IDDQ故障が占める配線系の割合はさらに増加しているものと考えられる。
以上のデータは、(1) 論理故障の大半がIDDQ故障であること、および、(2) IDDQ故障の3/4以上は配線系の故障(Via-open、配線-shortおよび配線-open)であること、を述べている。本発明は、これらのデータを背景にして素子レベルでの配線系に対する故障診断方式を確立するものである。
<リーク故障箇所候補のレイアウトからの特定>
図9はセル内レイアウト情報のLVS実施による多角形(ポリゴン)情報の特定を説明するための図である。
LSIのレイアウトおよび回路の一致検証は、公知のLVS(Layout Versus Schematic)により実施される。そして、LVS結果から、特にセル内のレイアウト情報を抽出することができる。
すなわち、図9に示されるように、セル内のレイアウト情報は、拡散層、配線およびビア(ビアホール)によるポリゴン情報として取り出され、各エレメントは頂点座標の閉空間表示で出力される。具体的に、図9では、座標(20500, 15000)の開始位置(START)から、座標(33000, 15000)、(33000, 20000)、(25500, 20000)等を順に結んで、座標(20500, 15000)の終了位置(END)までの閉空間表示で出力される。
この情報を用いて、リーク故障となる可能性のあるレイアウト構造の特徴を有する箇所を取り出す。これらの箇所は、隣接ネット対、交差ネット対、および、ビアとそのビアを介した配線が接続するトランジスタである。
<レイアウトデータ抽出の手段>
データ抽出のための方法は2つあり、その1つは、LSI全体から注目するセルのデータを取り出す方法であり、もう1つは、セルを指定して直接データを取り出す方法である。
まず、LSI全体から注目するセルのデータを取り出す方法は、既存の診断ツールにより特定された複数セルが組み合わされた回路規模をベースとし、その回路内の各セルに対してデータを取得する方式である。なお、LVSは階層LVSに限定しているため、配線のインスタンス名はLSI全体として付けられている配線名と下に各セル内の配線のインスタンス名を付け加えることで固有名として定義される。
また、セルを指定して直接データを取り出す方法は、セル毎のLVS(Layout vs Schematic)結果を用いてレイアウトとインスタンス名の対応を取ることでデータを取得することができる。
<配線系のリーク故障>
上述したように、配線系のリーク故障にはビアやコンタクトのオープン故障、配線短絡故障および配線オープン故障がある。この内、レイアウト上から特定できる故障は、ビアオープン故障および配線短絡故障である。コンタクトオープン故障や配線オープン故障は、これらの故障が影響するトランジスタ電極のオープン故障として識別される。従って、全てのトランジスタに対する電極オープン故障としての診断で識別が可能になる。これらのデータは、診断フローのレイアウト故障候補リストファイル[.sfc](識別子)に収納される。
<ビアオープン候補>
図10はビアを介して接続するトランジスタを特定する様子を示す図である。
ビアおよびビアを介した配線が接続するトランジスタのデータは、ビアオープン故障箇所を特定するために用いられる。
図10において、配線l03に注目した時、この配線l03は3つのセグメントl03−1、l03−2,l03−3に分かれており、セグメントl03−1(以下、単にl03−1とも記載し、他も同様とする。)は、Pチャネル型MOSトランジスタP1(P型トランジスタP1:以下、単にP1とも記載し、他も同様とする。)およびNチャネル型MOSトランジスタN1(N型トランジスタN1:以下、単にN1とも記載し、他も同様とする。)からの出力配線がP3のG(ゲート)端子に入力している。
そして、セグメントl03−1は、ビア「a」を介してl03−2に分岐し、さらに、l03−2は、ビア「b」を介してl03−3に接続され、N3のG端子に入力している。このとき、ビア「a」の導通状態が影響を及ぼすトランジスタはN3であるため、aが影響を与えるトランジスタをN3として識別する。
同様に、ビア「b」は、bが影響を与えるトランジスタをN3として識別することで、ビアとトランジスタの関係を認識するようになっている。さらに、ビア「c」は、cが影響を与えるトランジスタP4およびN4を識別し、ビア「d」は、dが影響を与えるトランジスタN4を識別し、そして、ビア「e」は、eが影響を与えるトランジスタP4を識別する。
<隣接配線対および交差配線対候補>
隣接ネット対および交差ネット対に関しては、セル毎にLVSデータベースからネットのポリゴン情報を取り出し、その多角形の座標列を認識する。そして、各故障候補を取り出す。
[隣接ネット対]
図11は隣接ネット対としての3種類のレイアウト構造を示す図である。
図11(a)は、隣接ネットが並行してレイアウトされている場合であり、任意の間隔以内の重なり部が診断対象領域になる。図11(b)は、隣接ネットの端部間が隣接した場合であり、この間の重なり部を診断対象とする。図11(c)は、隣接ネットの端部が異なった列間で隣接する場合であり、任意の間隔以内の重なり部を診断対象とする。
さらに、上記重なり部の面積の大きいネット対が故障の可能性の高い箇所として識別される。
[交差ネット対]
図12は交差ネット対としてのレイアウト構造を示す図である。
図12に示されるように、例えば、1層目および2層目の上下配線層間の重なり箇所の存在が交差ネット対として認識される。
<レイアウト情報により故障箇所候補の絞込みフロー>
図13はレイアウト情報により故障箇所候補の絞込みのIN/OUT関係を示す図である。
セル単位に限定したときは、直接候補を抽出することでリストを作成する。すなわち、図13に示されるように、「レイアウト情報抽出プログラム(cr2def)」BL4に入力されるデータとしては、例えば、「LVS結果のデータベース」BL1、「コントロールファイル」BL2および「セル名」BL3であり、これらのデータを用いてレイアウトに起因する故障箇所候補を検索する。
検索結果としては、「プリミティブセル対応DEFファイル[.DEF](識別子)」BL5、「対応テーブル」BL6および「実行ログファイル」BL7、並びに、「隣接・交差ネットファイル[.sfe](識別子)」BL8が出力される。そして、「隣接・交差ネットファイル(レイアウト故障候補リスト)」BL8が診断用データとして用いられる。なお、上述した各ファイルの識別子等は、プログラム等に応じて任意に変化し得るのはいうまでもない。
<出力結果>
図14はレイアウト情報により絞込まれたリーク故障候補の出力結果の一例を示す図であり、上述した手法により特定したレイアウト上のリーク故障候補(隣接・交差ネットファイル[.sfe])の出力結果の一例を示すものである。
図14に示されるように、レイアウト情報により絞込まれたリーク故障候補の出力結果としては、例えば、順にAdjoin(隣接配線対),cross(交差配線対),Via(ビア番号とビアにつながるトランジスタ),…等である。
<論理情報を用いた故障箇所候補の絞込み>
次に、上述したレイアウト情報を用いて特定されたリーク故障候補を、回路図上に組み込んで論理シミュレーションにより論理故障候補を特定する。
<論理テーブル>
後に詳述するが、スイッチングレベルシミュレーション(SLS:Switching-level Simulation)を実施するためには、トランジスタおよび配線間の接続情報が必要となるが、この情報は、SPICE(Simulation Program with Integrated Circuit Emphasis)データから取り出す。
図15はSPICEデータから取り出したシミュレーション用論理テーブル(LT)の一例を説明するための図である。図15において、SPICEデータ中の矩形で囲った部分SQ1がシミュレーション用データとして認識され、論理テーブル(Logic Table:以下、LTとも記載する。)として用いられる。
LTにおいて、横軸には、トランジスタの3つの端子、すなわち、S(ソース:Source),G(ゲート:Gate)およびD(ドレイン:Drain))が表示される。なお、図15に示すLTでは、B(ベース:Base)は、本発明に直接関係しないので省略してある。
また、LTにおいて、縦軸には、トランジスタ名が表示される。ここで、電源の識別に関して、P型トランジスタは高電位電源(VDD)方向をS端子として識別し、また、N型トランジスタは低電位電源(GND)方向をS端子として識別することで、SPICE記述が一定でなくてもトランジスタ間の接続関係からS端子およびD端子を自動的に識別できるようになっている。
ところで、近年のLSIのSPICE記述には、トランジスタと共に、抵抗素子や容量素子の構成要素が記載されている。本実施例の集積回路の故障診断方法は、スタテイックな動作環境を前提としているため、抵抗素子はトランジスタのオン抵抗に比べて1桁以上小さいためショートとして扱い、また、容量素子は無視できるためオープンとして扱うことができる。
図16はSPICE記述でのトランジスタ以外のエレメント素子を再編集したLTの変遷図である。
図16に示されるように、本実施例の集積回路の故障診断方法で使用するLTは、トランジスタ以外の素子に関して、抵抗素子(R1〜R6)はショートとし、且つ、容量素子(C1)はオープンとすることでSPICE記述を再編集したものを用いるようになっている。具体的に、例えば、本故障診断方法で使用するLTにおいては、P型トランジスタP1およびP2のソース(S)は高電位電源線(VDD)に接続され、P1のゲート(G)およびN型トランジスタN1のゲートは第1の入力端子In1に接続され、P2およびN2のGは第2の入力端子In2に接続され、N2のSは低電位電源線(GND)に接続され、N1のSおよびN2のドレイン(D)は配線L7に接続され、そして、P1,P2およびN1のドレイン(D)は出力端子OUTに接続されることになる。
<回路図上への故障箇所候補を組み込み>
論理情報を用いた故障診断は、SPICEデータから取り出したLT中にリーク故障候補を組み込んで論理シミュレーションを実行するフローになる。
−短絡故障診断−
故障候補の組み込みは、短絡故障箇所候補に関しては対となる配線の一方側のインスタンス名を記載することで以下に説明する診断処理を行う。
図17は2入力NAND回路のLTへの短絡故障箇所の埋め込み例を説明するための図であり、L7とIn2配線の短絡条件をLTに埋め込んだ記載テーブルを示すものである。
すなわち、図16に示したLTにおいて、In2とL7が短絡(ショート)した場合には、図17のLT1に示されるように、N1のSおよびN2のDがIn2に接続されることになるため、それぞれN1のSおよびN2のDの枠が「L7」から「In2」に変更される。
−ビアオープン故障診断−
ビアの場合は、ビアを介して接続するトランジスタの電極をオープンとすることで以下に説明する診断処理を行う。ビアオープン故障には、ビアが介するトランジスタ電極がゲート電極の場合と、ソース電極またはドレイン電極の場合とにより処理方法が異なる。
図18は2入力NAND回路のLTへのオープンビアを介して接続するゲート電極トランジスタの埋め込み例を説明するための図であり、ビアが介するトランジスタ電極がトランジスタP1のゲート電極の場合(前者の例)を示すものである。この場合、図18のLT2に示されるように、P1のGはオープンとなるため、P1のGの枠が空白(フローティング)とされ、後述する中間電位として認識して診断処理を行なう。
図19は2入力NAND回路のLTへのオープンビアを介して接続するソース電極トランジスタの埋め込み例を説明するための図であり、ビアが介するトランジスタ電極がトランジスタP1のソース電極の場合(後者の例)を示すものである。この場合、図19のLT3に示されるように、P1は全くトランジスタとして機能しないため、P1の全ての電極(S,D,G)に対応する枠を空白として診断処理を行なう。
<論理シミュレーション>
素子レベルの論理シミュレーションに対しては、SLS(スイッチングレベルシミュレーション)を適用する。このSLSは、複数のトランジスタにて構成された回路の論理をシミュレーションするためのツールであり、トランジスタのゲート(G)に印加する論理に同期してソース(S)およびドレイン(D)間が導通または非導通となるスイッチング動作を基礎とすることで、回路全体の接続関係から各ノードの論理を特定する方式である。
図20は2入力NAND回路を用いたSLSによる論理の識別を説明するための図である。
まず、図20のST01に示されるように、入力端子(In1,In2)に対して論理(0,1)が入力されると、P型トランジスタP1およびN型トランジスタN2はソース−ドレイン(S−D)間がスイッチオンして導通状態となり、一方、P2およびN1はオフ状態になる。従って、出力端子OutにはVDDからP1を介して「1」が出力される。
また、ST10に示されるように、(In1,In2)に対して(1,0)が入力すると、OutにはVDDからP2を介して「1」が出力され、さらに、ST00に示されるように、(In1,In2)に対して(0,0)が入力すると、OutにはP1およびP2が導通して「1」が出力される。そして、ST11に示されるように、(In1,In2)に対して(1,1)が入力すると、OutにはN2およびN1が導通状態となってGND電圧が出力され、「0」として認識される。
<SLSによる回路内論理の特定例>
図21はEXOR(Exclusive-OR)の回路図およびそのLTの関係を示す図であり、SLSによる回路内論理の特定をこのEXOR回路を用いて説明する。
図21に示されるように、EXOR回路は11個のP型トランジスタ(P1〜P11)および11個のN型トランジスタ(N1〜N11)で構成され、これらのトランジスタと電極への接続関係は、SPICEデータから取得されてLTとして示される。
図22はSLSによるEXOR回路の内部論理の特定を説明するための図であり、入力端子(In1,In2)に論理(1,1)が入力したときにおける内部論理の伝搬の様子を示すLTである。
ここで、図22(a)は、(In1,In2)に(1,1)が入力した状態を示し、また、図22(b)は、入力端子の論理に同期して、N1およびN8が導通し、その影響でP1,P2,P3,P8,P9,P10,N1,N3,N8,N9およびN10の導通状態が決定され、ドレイン部に論理が設定された様子を示し、そして、図22(c)は、この変化を示している。
さらに、図22(d)は、P4,P11,N4およびN11のゲート論理が決定し、ドレイン部に論理が設定された様子を示し、図22(e)は、配線A06の論理が決定してOUT端子となるトランジスタP7およびN7のドレインに「0」が出力される様子を示している。
まず、図22(a)に示されるように、(In1,In2)に(1,1)が入力すると、N1,N2,N8およびN9のGを「1」とする。なお、各LTにおいて、VDDは「1」とし、GNDは「0」とする。
次に、図22(b)に示されるように、N1,N2,N8およびN9のGが「1」となって導通状態(オン)になることで、N1のD,P1のDおよびP3のGは「A01」から「0」となり、N2のSおよびN3のDは「A03」から「A02」となり、N8のD,N10のG,P8のDおよびP10のGは「A08」から「A09」となり、そして、N9のSおよびN10のDは「A08」から「A09」になる。
さらに、図22(c)に示されるように、N2のS,D,N3のD,N4のG,P2のD,P3のDおよびP4のGは「A02」から「1」となり、また、N9のS,N10のD,N11のG,P9のD,P10のDおよびP11のGは「A09」から「1」になる。
また、図22(d)に示されるように、N4のD,N6のD,P4のDおよびP6のGは「A04」から「0」となり、さらに、N5のG,N11のD,P5のGおよびP11のDは「A10」から「0」になる。
そして、図22(e)に示されるように、P5のDおよびP6のSは「A05」から「1」になる。ここで、P6のGは「1」であるためP6はオンになって「A06」は「1」となり、N7のGが「1」となることで、N7がオンしてOUTには「0」が出力される。
以上、述べたように、SLSは簡易な方式で内部論理状態を取得することができる。
<論理の特定>
論理は、各P型トランジスタ群およびN型トランジスタ群が他トランジスタ群の配線が合流する地点に仮想素子を設けることで認識される。
図23は2入力NAND回路における仮想素子の定義例を説明するための図である。なお、図23に示す回路は、図20に示す2入力NANDの回路と同じものである。
図23に示されるように、各P型トランジスタ群(P1,P2)およびN型トランジスタ群(N1,N2)のドレイン電極からの配線が合流する位置に仮想素子SEを設け、仮想素子SEの出力を2入力NAND回路の出力端子OUTとする。
仮想素子SEは、トランジスタレベルで構成された論理判定を行なう際に、P型トランジスタ郡およびN型トランジスタ郡から合流する複数の入力論理に対して出力論理を判定し、この論理を次段回路へ伝えるためのプログラム上の処理の容易化を行うためのものである。なお、仮想素子における論理の判定は、予め決定した論理の優劣関係から判定する。
ここで、入力論理の組み合わせに対して判定する優劣関係は、次に示す正常な論理の組み合わせ2種類と故障に起因する論理の組み合わせ3種類の5種類ある。
−正常な論理状態−
(1) 「1」と「HZ(高インピーダンス)」の場合、仮想素子からの出力論理は1が出力する。
(2) 「0」と「HZ」の場合、仮想素子からの出力論理は0が出力する。
−故障に起因する論理状態−
(3) 少なくとも1個の入力が不定論理の場合、仮想素子からの出力論理は不定論理が出力する。
(4) 「0」と「1」の場合、VDD電源→P型トランジスタ群→仮想素子→N型トランジスタ群→GND電源間に貫通電流が流れるため、仮想素子からの出力は、P型トランジスタ群のインピーダンス値をRpとし、N型トランジスタ群のインピーダンス値をRnとし、仮想素子の出力電圧値をVoutとすると、
Vout={Rn/(Rn+Rp)}・VDD
となり、貫通回路網のインピーダンス値に起因する電圧値が出力される。なお、出力電圧値は、閾値電圧(Vth)と比較され論理値が決定される。
(5) 全ての入力が「HZ」の場合、仮想素子からの出力論理は「HZ」になる。
図24は仮想素子における出力論理を判定するための入力論理の優劣関係を示す組み合わせ図であり、上記の関係をマトリクス状に表示した論理値の組み合わせ図である。図24において、縦方向および横方向はそれぞれ仮想素子(SE)に入力する信号の論理状態を示している。
図24において、「weak1」および「weak0」は後述する中間電位近傍の論理であり、「weak1」はVth(閾値電圧)より大となる論理を示し、また、「weak0」はVthより小となる論理を示している。また、「Charge1」および「Charge0」は、後述する入力論理の変遷において、任意の入力論理以前の論理にて印加された論理が保持されている状態を意味し、「Charge1」は「1」が保持された論理状態を示し、また、「Charge0」は「0」が保持された論理状態を示している。
<インピーダンス値の算出(Z計算)>
次に、インピーダンス値の算出について述べる。インピーダンス値は、SPICEデータに記載されたトランジスタのゲート長の値(L値)およびトランジスタのゲート幅の値(W値)を用いて算出する。
図25はSPICEデータから取り出したインピーダンス換算を行うためのトランジスタ毎のL値およびW値のテーブルの一例を説明するための図である。図25において、SPICEデータ中の矩形で囲った部分SQ2がトランジスタ毎のL値およびW値を特定してインピーダンス換算を行うために使用される。
1個のN型トランジスタおよび1個のP型トランジスタで構成されたインバータ回路は、Vth=1/2・VDDとなるようにレイアウトが調整されているため、N型トランジスタおよびP型トランジスタのインピーダンス値は等しい。具体的に、図25では、L=0.10μm,W=1.20μmとなるN型トランジスタ(MN5,MN11)、および、L=0.10μm,W=1.92μmとなるP型トランジスタ(MP5,MP11)を基準(インピーダンス比率=1)とする。
そして、上記データに基づいて、L/W値が等しいN型トランジスタおよびP型トランジスタのインピーダンス比を算出することで、LSI上で使用されている全てのトランジスタのインピーダンス値を特定することができる。このような換算を行なう理由は、電子と正孔とでは移動度に2〜3倍程度の差があるため、同一レイアウト構造では静特性にその移動度の差が現れるためである。この記述は、後述するSLSを実行するための基本設定ファイルに入力する。
<ゲート電圧が中間電位の時のインピーダンス値の算出>
上記した論理の特定において仮想素子の出力電圧値(Vout)に対する論理は次段の回路へ論理が展開されるが、以下に説明するトランジスタの動作特性解析よりVout値がVth値に近い時、「0」および「1」のみの判定は誤った診断結果になる。そこで、本実施例では、Vout値がVth値に近い時には、「weak」という論理を定義する。
ここで、weak値は、ゲート端子に入力するトランジスタのインピーダンス値を正常時のインピーダンス値のn倍とすることで論理の伝搬を実施する。このようなweak論理を定義することにより実動作に近い論理の算出が可能になる。
以下に、まず、weak論理の設定について述べ、次に、weak論理を導入した背景について述べる。その後、実際の故障に対する診断へ適用した事例を述べる。
<weak論理とn倍の関係>
CMOS回路における論理は、「0」,「1」,「HZ」(高インピーダンス)および「X」(不定論理)に分類される。しかしながら、故障に起因して貫通電流をもたらす回路は中間電位を伴う動作が存在する。この中間電位を識別する論理として、weakと呼ぶ論理を定義する。
このweak論理値は、インバータ回路のVin−Vout特性およびVin−Idd特性におけるIdd(max)±50%の範囲内とする。さらに、このweak論理がゲート端子に入力するトランジスタのインピーダンス値を、正常時のインピーダンス値のn倍に設定する。このn倍は、トランジスタのIds−Vds特性から決定される飽和領域での動作点のVds/Ids値を非飽和領域での動作点でのVds/Ids値で割った値である。この設定の理由は、後に詳述する。
−2つのweak論理−
まず、weak論理を2つの論理に分離した場合を説明する。
図26は中間電位近傍をweak論理と定義して2つの論理に分離した場合を説明するための図であり、weak論理とゲート端子へ入力した時の正常状態に対するインピーダンス値の倍率を示している。
図26に示されるように、2つのweak論理は、中間電位近傍を次のweak1およびweak0に分離する。
weak1は、中間電圧値がVth+15%〜Vth+0%のときであり、P型トランジスタ(PchTr)およびN型トランジスタ(NchTr)のインピーダンス(Z)はn倍するものと定義し、さらに、
weak0は、中間電圧値がVth+0%〜Vth−15%のときであり、P型トランジスタおよびN型トランジスタのインピーダンスはn倍するものと定義する。
ここで、nは任意の値であり、プロセスやデザインルール等により異なる。なお、以下の説明では、単に一例として、n=5の場合を説明しているが、例えば、n=7,9,…,数十等の様々な値をとり得る。後述する故障診断例において、これらの設定が実際の故障モードを再現していることを示す。
−3つのweak論理−
次に、weak論理を3つの論理に分離した場合を説明する。
図27は中間電位近傍をweak論理と定義して3つの論理に分離した場合を説明するための図であり、weak論理とゲート端子へ入力した時の正常状態に対するインピーダンス値の倍率を示している。
図27に示されるように、3つのweak論理は、中間電位近傍を次のweak1,weakおよびweak0に分離する。
weak1は、中間電圧値がVth+15%〜Vth+5%のときであり、P型トランジスタのインピーダンス(Z)は(n+1)倍し、N型トランジスタのインピーダンスは(n−1)倍するものと定義し、
weakは、中間電圧値がVth+5%〜Vth−5%のときであり、P型トランジスタおよびN型トランジスタのインピーダンスはn倍するものと定義し、そして、
weak0は、中間電圧値がVth−5%〜Vth−15%のときであり、P型トランジスタのインピーダンスは(n−1)倍し、N型トランジスタのインピーダンスは(n+1)倍するものと定義する。
ここで、nは任意の値であり、プロセスやデザインルール等により異なるのは前述した通りである。なお、後述する故障診断例において、これらの設定が実際の故障モードを再現したが、上述の2つのweak論理の設定と結果的に大きな差はでていないため、診断例は省略する。
−5つのweak論理−
さらに、weak論理を5つの論理に分離した場合を説明する。
図28は中間電位近傍をweak論理と定義して5つの論理に分離した場合を説明するための図である。
図28に示されるように、5つのweak論理は、中間電位近傍を次のweak1+,weak1+,weak,weak0およびweak0−に分離する。
weak1+は、中間電圧値がVth+20%〜Vth+10%のときであり、P型トランジスタのインピーダンス(Z)は(n+2)倍し、N型トランジスタのインピーダンスは(n−2)倍するものと定義し、
weak1は、中間電圧値がVth+10%〜Vth+5%のときであり、P型トランジスタのインピーダンスは(n+1)倍し、N型トランジスタのインピーダンスは(n−1)倍するものと定義し、
weakは、中間電圧値がVth+5%〜Vth−5%のときであり、P型トランジスタおよびN型トランジスタのインピーダンスはn倍するものと定義し、
weak0は、中間電圧値がVth−5%〜Vth−10%のときであり、P型トランジスタのインピーダンスは(n−1)倍し、N型トランジスタのインピーダンスは(n+1)倍するものと定義し、そして、
weak0−は、中間電圧値がVth−10%〜Vth−20%のときであり、P型トランジスタのインピーダンスは(n−2)倍し、N型トランジスタのインピーダンスは(n+2)倍するものと定義する。
なお、中間電位近傍をweak論理と定義する数は、上述した2,3或いは5に限定されるものではない。また、複数のweakに対して割り当てる中間電圧の範囲に関しても、例えば、5つのweak論理では、weak1+ではVth+20%〜Vth+10%,weak1ではVth+10%〜Vth+5%,weakではVth+5%〜Vth−5%,weak0ではVth−5%〜Vth−10%,そして,weak0−ではVth−10%〜Vth−20%と定義したが、これらに関しても様々な範囲に設定することができるのはいうまでもない。
−論理の伝搬−
診断対象となる回路集合体の出力端子に出力する論理値の特定は、時刻順に実施される論理のイベント列を定義することでイベント列が無くなるまでスイッチングレベルシミュレーションを実施する方式であり、この時刻順のイベント列は、電源VDD,GND→入力論理→P型トランジスタ群の論理→Nトランジスタ群の論理→仮想素子出力の順に実施される。
<weak論理を導入した背景>
ここで、上述したweak論理を導入した背景について述べると、weak論理の導入とインピーダンス値のn倍の根拠は、トランジスタの特性から算出したものであり、そのため、具体的な数値および設定範囲等は、LSI(トランジスタ)の製造プロセスやデザインルール等により異なるのは前述した通りである。以下に、トランジスタの動作特性を述べて上記の根拠を明らかにする。
<トランジスタの動作特性>
上述したweak論理の導入は、トランジスタの静特性(Vds−Ids)およびインバータ回路に代表させたVin−Vout(直流伝達特性)により説明される。
<トランジスタの静特性(Vds−Ids)>
図29はトランジスタの静特性(Vds−Ids)における非飽和領域および飽和領域における動作点の5倍以上の違いをもつインピーダンス値の説明図である。なお、図29では、例として、N型トランジスタを用いて説明するが、P型トランジスタは電圧印加方向と電流方向が逆になるだけで、現象としては同一である。
図29に示されるように、トランジスタの静特性は、Ids(ドレイン−ソース間電流)が非飽和となる領域と飽和する領域とに2分することができる。これらの領域は、Vgs(ゲート−ソース間電圧)をパラメータとしたVds(ドレイン−ソース間電圧)とIdsの関係で決定される。
N型トランジスタがオンする電圧をVtとすると、Vds<Vgs−Vtのときは、非飽和状態と呼び、ソース−ドレイン間に完全にチャネルが形成された状態であって、インピーダンス値はほぼ一定となるためVdsとIds間に比例関係が成立する。
また、Vds=Vgs−Vtのときは、ピンチオフ状態と呼び、非飽和状態および飽和状態の境に位置する状態になる。
そして、Vds>Vgs−Vtのときは、飽和状態と呼び、ソース−ドレイン間がソース部からVds=Vgs−Vtとなるピンチオフ点にかけてチャネル形成領域とピンチオフ点からドレイン部にかけて空乏層が広がった領域に二分される領域になる。なお、キャリアは、空乏層の電界で加速され、従って、インピーダンスは、チャネル領域において一定であるが空乏層領域において支配的となるため、Vdsの増加に対してインピーダンス値が増加してIdsはほとんど変化しなくなる。
回路の動作解析において、Vgsに依存するトランジスタの動作点は、非飽和状態と飽和状態とでそのインピーダンス値に5倍以上の差を発生するため、貫通回路網のインピーダンス値から算出される各ノード点の電圧値はVgs値に大きく影響を受けることになる。
<インバータ回路の伝達特性(Vin−Vout)>
インバータ回路の動作解析を用いてVgsの変化に対するトランジスタの静特性における動作点を説明する。なお、説明を簡略化するために5V駆動のデバイスを想定し、P型トランジスタのオンする電圧(Vt)を4Vとし、そして、N型トランジスタのVtを1Vとする。
図30はN型トランジスタ(実線)およびP型トランジスタ(点線)で同じ特性に調整された静特性(Vds−Ids)の説明図であり、図31はインバータ回路のVout−Vinの伝達特性を説明するための図であり、そして、図32はインバータ回路のIdd−Vinの電流特性を説明するための図である。
図30に示されるように、インバータ回路のN型トランジスタとP型トランジスタは、Vth=VDD/2となるように設計されており、N型トランジスタとP型トランジスタの静特性は、極性以外はほぼ同じと考えてよい。
図30〜図32には、動作特性を説明するためにPa〜Pfが記されている。
Pa点はVinが4V近辺であり、P型トランジスタがオン状態(Vt)となる動作点である。この時の各トランジスタの静特性は、N型トランジスタはVgs=4V,Vds=0Vで非飽和領域に動作点を有し、且つ、P型トランジスタ:Vgs=1V,Vds=4VでX軸に近い飽和領域に動作点を有する。なお、Idd値は、P型トランジスタがオン状態(Vt)となる動作点でインピーダンス値がほぼ∞(図より判定)のためほとんど流れない。
Pb点はVinが3V近辺にあり、P型トランジスタは完全にオン状態となる動作点である。この時の各トランジスタの静特性は、N型トランジスタはVgs=3V,Vds=0.8Vで非飽和領域に動作点を有し、且つ、P型トランジスタはVgs=2V,Vds=4.2Vで飽和領域に動作点を有する。なお、Idd値は、N型トランジスタとP型トランジスタのインピーダンス値の総計に対応した電流値となるが、静特性の動作点から明らかなように、P型トランジスタのインピーダンス値に大きく依存した値になる。
Pc点〜Pd点はVinが2.5V近辺(Vth)にあり、N型トランジスタおよびP型トランジスタが共に完全にオン状態となる動作点である。この時の各トランジスタの静特性は、N型トランジスタはVgs=2.5V,Vds=1.8〜3.2Vで飽和領域に動作点を有し、且つ、P型トランジスタはVgs=2.5V,Vds=3.2〜1.8Vで飽和領域に動作点を有する。なお、Idd値は、N型トランジスタとP型トランジスタのインピーダンス値の総計に対応した電流値であり最大電流値になる。
Pe点はVinが2V近辺にあり、この時の各トランジスタの静特性は、N型トランジスタはVgs=2V,Vds=4.2Vで飽和領域に動作点を有し、且つ、P型トランジスタはVgs=3V,Vds=0.8Vで非飽和領域に動作点を有する。なお、Idd値は、P型トランジスタよりN型トランジスタとのインピーダンス値に大きく依存した電流値になる。
Pf点はVinが1V近辺であり、N型トランジスタがオン状態(Vt)となる動作点である。この時の各トランジスタの静特性は、N型トランジスタはVgs=1V,Vds=4VでVoutの5Vに近い飽和領域に動作点を有し、且つ、P型トランジスタはVgs=4V,Vds=1Vで非飽和領域に動作点を有する。なお、Idd値はN型トランジスタがオン状態(Vt)となる動作点でインピーダンス値がほぼ∞(図より判定)のためほとんど流れない。
以上の動作解析から明らかなように、トランジスタのゲート電圧値がVth近辺にある時、トランジスタは飽和領域に動作点をもつため、インピーダンス値のゲート電圧が電源電圧にクランプされた非飽和領域での動作点でのインピーダンス値に比べて大変大きな値になる。図に示す静特性での換算ではクランプ電圧値に対するインピーダンス値の比は、N型トランジスタにおいて、0V:2.5V=1:5になる。
本発明を適用した診断においては、予めトランジスタの静特性からクランプ電圧値に対するインピーダンス値の比を決定しておく必要がある。
<実デバイスのシミュレーション結果>
以上、記載したトランジスタの動作特性は、任意のプロセスおよびデザインルールで設計されたCMOSインバータ回路のシミュレーション結果からも明確になった。
図33は実デバイスのCMOSインバータ回路のシミュレーション結果およびIddの関係を示す図であり、実デバイスのCMOSインバータ回路のシミュレーション結果から検出した中間電位の識別範囲において、Vth±15%とする最大値に近いIddが流れることを示すものである。
すなわち、図33に示されるように、中間電位の識別範囲をVth±15%とすることで、この範囲に印加された入力電圧に対して、最大値に近いIddが流れることが分かる。
<実際の故障診断へ適用事例>
次に、実際の故障に対する診断へ適用した事例について、ショート故障の診断例(図34参照)、ゲートオープン故障の診断例(その1:図35参照)、ゲートオープン故障の診断例(その2:図36参照)、そして、ソースオープン故障の診断例(図37および図38参照)の順に説明する。
<ショート故障の診断例>
図34は1つのインバータ回路および1つの2入力NAND回路で構成される回路集合体におけるショート故障の診断例を示す図であり、インバータ回路の出力が2入力NANDのP型トランジスタP2およびN型トランジスタN2のゲート電極に接続され、2入力1出力端子を構成している。
入力端子In1に論理「0」が印加され、入力端子In2に論理「1」が印加されたとき、正常状態ではP2およびN2のゲート電位は「1」であるためN2はオン状態となり、また、In2は「1」であるためN3はオン状態となり、その結果、OUTに「0」が出力される。
P2のゲート・ドレイン配線間に短絡故障が発生したとき、P2およびN2のゲート電位は「1」から中間電位に低下するため、P2はオフ状態からweak論理となるオン状態に変化し、また、N2はオン状態からweak論理となるオン状態に変化する。従って、P1およびN3は非飽和領域に動作点を持つ状態になり、また、P2およびN2は飽和領域に動作点を持つ状態になる。
従って、P2およびN2のインピーダンス値は「5Z」と設定することができ、P型トランジスタ側はZと5Zの並列接続した論理が仮想素子に入力することになり、また、N型トランジスタ側は5ZおよびZの直列接続した論理が仮想素子に入力することになる。ここで、P2およびN2のインピーダンス値は、「5Z」に限定されるものではなく、適用する集積回路の設計ルール等に応じて適切な値に設定することができる。
上記した定義より、weak1およびweak0の組み合わせは、Z計算より出力を決定するため、
Vout=(5Z+Z)/{(1/Z+1/5Z)-1+(5Z+Z)}・VDD
=36/41・VDD > Vth
が出力される。
同様に、入力端子In1に「1」が印加され、In2に「1」が印加されたとき、正常状態ではP2およびN2のゲート電位は「0」であるためP2はオン状態となり、In2は「1」であるためN3はオン状態となり、その結果、OUTに「1」が出力される。
P2のゲート・ドレイン配線間に短絡故障が発生したとき、P2およびN2のゲート電位は「1」から中間電位に低下するため、P2はオンからweak論理となるオン状態に変化し、また、N2はオフ状態からweak論理となるオン状態に変化する。従って、P1およびN3は非飽和領域に動作点を持つ状態になり、また、P2とN2は飽和領域に動作点を持つ状態になる。
従って、P2およびN2のインピーダンス値は「5Z」と設定することができ、P型トランジスタ側は5Zの論理が仮想素子に入力することになり、また、N型トランジスタ側は5Z+ZおよびZの並列接続した論理が仮想素子に入力することになる。
上記した定義より、weak1およびweak0の組み合わせは、Z計算より出力を決定するため、
Vout=〔{1/(Z+5Z)+1/Z}-1/[{1/(Z+5Z)+1/Z}-1+5Z]〕・VDD
=6/41・VDD < Vth
が出力される。
以上、(In1,In2)=(0,1)の時は「1」が出力され、また、(In1,In2)=(1,1)の時は「0」が出力されることが診断され、正常状態と異なる論理が出力されることが診断される。
<ゲートオープン故障(その1)>
図35は回路集合体である2入力NAND回路のP型トランジスタP1およびN型トランジスタN1のゲート配線のビアの開放故障の診断例を示す図である。
P1およびN1のゲート配線のビアに開放故障が発生したとき、P1およびN1のゲート電位は中間電位近傍に設定される。その結果、In1の論理に対して、無条件に、P1およびN1のインピーダンス値は「5Z」と設定され、非飽和領域に動作点を持つ。
In2に「1」が入力したとき、N2はオン状態となり、飽和領域に動作点を持つことになる。
従って、P型トランジスタ側は5Zの論理が仮想素子に入力することになり、また、N型トランジスタ側は5ZおよびZの直列接続した論理が仮想素子に入力することになる。
上記した定義より、weak1およびweak0の組み合わせは、Z計算より出力を決定するため、
Vout=(5Z+Z)/{(5Z+Z)+5Z}・VDD
=6/11・VDD=weak1>Vth
が出力される。
また、In2に「0」が入力したとき、P2はオン状態となり、飽和領域に動作点を持つ。
従って、P型トランジスタ側は5ZとZの並列接続、N型トランジスタ側はHZ論理が仮想素子に入力する。
その結果、P型トランジスタ側は5ZおよびZを並列接続した論理が仮想素子に入力することになり、また、N型トランジスタ側はHZの論理が仮想素子に入力することになる。
上記した定義より、weak1およびweak0の組み合わせは、「1」が出力される。
以上、2入力NAND回路におけるP1およびN1のゲート配線のビアの開放故障について、(In1,In2)=(x,1)の時はweak1が出力され、また、(In1,In2)=(x,0)の時は「1」が出力されることが診断された。
<ゲートオープン故障(その2)>
図36は回路集合体である2入力NAND回路のP1のゲート配線のビアの開放故障の診断例を示す図である。
P1のゲート配線のコンタクト部に開放故障が発生したとき、P1のゲート電位は中間電位近傍に設定され、インピーダンス値は「5Z」に設定される。
入力端子In1に「1」が印加され、In2に「1」が印加されたとき、正常状態ではN1およびN2はオン状態となり、OUTに「0」が出力される。
上記の故障に対して、P型トランジスタ側は5Zの論理が仮想素子に入力することになり、また、N型トランジスタ側はZおよびZの直列接続した論理が仮想素子に入力することになる。
上記した定義より、weak1およびweak0の組み合わせは、Z計算より出力を決定するため、
Vout={(Z+Z)/(Z+Z+5Z)}・VDD
=2/7・VDD (≒0.28・VDD) > Vth
が出力される。
入力端子In1に「0」が印加され、In2に「1」が印加されたとき、正常状態ではP1およびN2はオン状態となり、OUTに「1」が出力される。
上記の故障に対して、P型トランジスタ側は「5Z」を仮想素子に入力し、また、N型トランジスタ側は「HZ」論理を仮想素子に入力する。
上記した定義より、weak1およびHZの組み合わせは、「1」が出力される。
入力端子In1に「1」が印加され、In2に「0」が印加されたとき、P型トランジスタ側は5ZおよびZの並列接続論理が仮想素子に入力することになり、また、N型トランジスタ側はHZ論理が仮想素子に入力することになるめ、「1」が出力される。
入力端子In1に「0」が印加され、In2に「0」が印加されたとき、P型トランジスタ側は5ZおよびZの並列接続論理が仮想素子に入力することになり、また、N型トランジスタ側はHZ論理が仮想素子に入力することになるため、「1」が出力される。
以上、2入力NAND回路でのP1のゲート配線のビアの開放故障は、(In1,In2)=(1,1)の時は「0」が出力され、(In1,In2)=(0,1)の時は「1」が出力され、(In1,In2)=(1,0)の時は「1」が出力され、そして、(In1,In2)=(0,0)の時は「1」が出力され、正常時の論理と同じであることが診断された。
<ソースオープン故障>
図37は回路集合体である2入力NAND回路のP1のソース配線のコンタクト部の開放故障の診断例を示す図であり、図38は回路集合体である2入力NAND回路のP1のソース配線のコンタクト部の開放故障の診断において故障前の入力論理の違いによる出力論理の特定の説明を示す図である。
P1のソース配線のコンタクト部に開放故障が発生したとき、P1からチャージが供給されないため、P1は存在しない状態と同じ回路構成になる。
入力端子In1に「0」が印加され、In2に「1」が印加されたとき、N2のみがオン状態となり、OUTは論理不定になる。
しかしながら、通常は論理不定となる前の論理が保持されているため、その入力論理(In1,In2)=(0,1)において出力される。このため、ソースオープン故障は入力論理の組み合わせに依存した論理が出力されることになる。
従って、診断は入力論理の組み合わせを用いて実施される。
論理不定となる前の入力論理が(In1,In2)=(1,1)の時、N1およびN2はオン状態となり、OUTは「0」が出力される。この状態で入力論理(In1,In2)に(0,1)が入力したとき、上記した定義より、HZとCharge0の組み合わせとなり「0」が出力される。この結果は、出力論理異常として判定される。
同様に、論理不定となる前の入力論理が(In1,In2)=(0,0)の時、P2はオン状態となり、OUTは「1」が出力される。この状態で入力論理(In1,In2)に(0,1)が入力したとき、上記した定義より、HZとCharge1の組み合わせとなり「1」が出力される。この結果は、正常論理と判定される。
以上の診断内容をまとめると、図38に示されるように、故障前の入力論理の違いによる出力論理に違いが発生することがわかる。すなわち、ソースオープン故障に対する診断は、入力論理の組み合わせから異常が検出されるため、故障が発覚するまでの入力論理のパターンが重要になる。
<診断箇所以外に対する対応>
診断対象領域以外の影響を受ける場合について、診断対象領域の入力端子と領域内配線がショートした場合、外部情報を規格化することで診断が可能になる。
図39は診断対象領域の入力端子および領域内配線がショートした故障診断で外部情報を規格化した例を示す図である。ここで、インバータ回路セルの出力は、2入力NAND回路セルの入力端子In1に接続されている。なお、診断は、2入力NAND回路セルに対して実施した場合を例に説明する。
故障が2入力NAND回路セルのIn1およびP2のドレイン配線間で短絡故障が発生したときを考える。なお、入力端子In2には「1」が印加されているとする。
In1に「1」が印加されたとき、「1」を出力する前段回路に対して無条件にそのインピーダンスを「Z」とすることによりIn1の論理は「1」から中間電位になり、その結果、In1が接続されるP2およびN2のゲート端子にはweak論理が入力されることになる。
その結果、P2とN2のインピーダンス値は「5Z」と設定することができ、従って、2つのセルは、P型トランジスタ側はZおよび5Zの並列接続の論理が仮想素子に入力することになり、また、N型トランジスタ側は5ZおよびZの直列接続の論理が仮想素子に入力することになる。
上記した定義より、weak1およびweak0の組み合わせは、Z計算より出力を決定するため、
Vout=(5Z+Z)/{(1/Z+1/5Z)-1+(5Z+Z)}・VDD
=31/41・VDD > Vth
が出力される。なお、正常時のVout=「0」である。
同様にIn1に「0」が印加されたとき、「0」を出力する前段回路のN型トランジスタ側のインピーダンスを無条件に「Z」とする。その結果、In1の論理は「0」から中間電位になり、In1が接続されるP2とN2のゲート端子にはweak論理が入力される。
その結果、P2およびN2のインピーダンス値は「5Z」と設定することができ、従って、2つのセルは、P型トランジスタ側は5Zの論理が仮想素子に入力し、N型トランジスタ側はZと「5ZとZの直列」の並列接続の論理が仮想素子に入力した形態になる。
上記した定義より、weak1およびweak0の組み合わせは、Z計算より出力を決定するため、
Vout={1/(5Z+Z)+1/Z}-1/[{1/(5Z+Z)+1/Z}-1+5Z]・VDD
=6/41・VDD < Vth
が出力される。なお、正常時のVout=「1」である。
以上、(In1,In2)=(1,1)の時は「1」が出力され、また、(In1,In2)=(0,1)の時は「0」が出力されることが診断された。
次に、診断対象領域以外の影響を無視した場合について考察する。図40は診断対象領域の入力端子および領域内配線がショートした故障診断で診断対象領域以外の影響を無視した例を示す図である。
(In1,In2)=(1,1)の時、P2とN2のインピーダンス値は「5Z」と設定され、従って、P型トランジスタ側は5Zの論理が仮想素子に入力することになり、また、N型トランジスタ側は5ZおよびZの直列接続した論理が仮想素子に入力することになる。
上記した定義より、weak1およびweak0の組み合わせは、Z計算より出力を決定するため、
Vout={(5Z+Z)/(5Z+Z+5Z)}・VDD
=6/11・VDD < Vthおよびとweak1
が出力される。
(In1,In2)=(0,1)の時は、P2およびN2のインピーダンス値は「5Z」と設定され、従って、P型トランジスタ側は5Zの論理が仮想素子に入力することになり、また、N型トランジスタ側は5ZおよびZの直列接続した論理が仮想素子に入力することになる。
上記した定義より、weak1およびweak0の組み合わせは、Z計算より出力を決定するため、
Vout={(5Z+Z)/(5Z+Z+5Z)}・VDD
=6/11・VDD < Vthおよびとweak1
が出力される。
以上、(In1,In2)=(1,1)および(In1,In2)=(0,1)の両方とも同一の診断結果になる。このことは、診断対象領域以外の影響を考慮しなければならないことを示している。そして、外部情報を規格化することで簡単に正しい診断が可能になる。
<IN−OUTの関係>
次に、本発明の論理情報を用いた診断のIN/OUT関係を説明する。
<短絡配線候補の診断>
図41は短絡配線候補の診断におけるIN/OUTの関係を示す図である。
短絡配線候補の診断は、図41に示されるように、7種類のIN情報により診断が行われる。
IN情報は、
(1) 診断対象となる回路集合体の名称、
(2) 診断のための回路テーブル、および、トランジスタのL,W値が記載されたSPICE情報、
(3) スイッチングシミュレーションを実行するための設定情報、
(4) 入力および出力端子の端子名情報、
(5) 回路集合体へ印加する入力論理情報、
(6) 正常状態における入力論理を印加したときの回路集合体内部論理情報、並びに、
(7) レイアウト情報から特定した短絡故障候補から特定した、出力異常を伴う入力論理に同期して逆論理となる配線対候補情報である。
また、OUT情報は、
(1) 正常状態および短絡故障を組み込んだ状態における内部論理比較テーブル、並びに、
(2) 出力する異常論理の原因となる短絡配線箇所の候補リストである。
<ビア故障候補の診断>
図42はビア故障候補の診断におけるIN/OUTの関係を示す図である。
ビア故障候補の診断は、図42に示されるように、7種類のIN情報により診断が行われる。
IN情報は、
(1) 診断対象となる回路集合体の名称、
(2) 診断のための回路テーブル、および、トランジスタのL,W値を記載したSPICE情報、
(3) スイッチングシミュレーションを実行するための設定情報、
(4) 入力と出力端子の端子名情報、
(5) 回路集合体へ印加する入力論理情報、
(6) 正常状態における入力論理を印加したときの回路集合体内部論理情報、
(7) レイアウト情報から特定したビアと該ビアを介したトランジスタ名情報である。
また、OUT情報は、
(1) 正常状態および短絡故障を組み込んだ状態における内部論理比較テーブル、並びに、
(2) 印加した入力論理に対して出力する異常論理の原因となるオープンビア候補リストである。
以上、述べたように、本発明によれば、次のような効果が得られる。
(1) 本発明は、故障候補を、リーク故障候補および論理故障候補の共通の候補として特定することにより、診断の制度を大幅に向上させることができる。
(2) 本発明において、リーク故障は、特別な物理解析手段を使用することなくレイアウトのみからリーク故障候補が絞り込まれるため、診断に至る準備時間が大幅に短縮することができる。具体的に、本発明によれば、例えば、上記診断に至る準備時間は、従来技術における時間に比較して約100分の1から250分の1といった大幅な短縮が可能である。
(3) 本発明の故障診断は、スイッチングレベルシミュレーション(SLS)をベースとした簡易な方式のため、計算機に占めるメモリ容量を大幅に削減(例えば、約800Kbit容量程度に削減)することが可能である。
(4) 従来、故障に起因する論理の判定は閾値電圧(Vth)に対する高低比較から「1」および「0」を決定しており、この判定には誤りが含まれていたが、本発明では、中間電位に起因するトランジスタの動作特性から論理を導く判定であるため、診断精度を大幅に向上することが可能である。
(5) 従来は、トランジスタの動作特性から導かれる判定方法はSPICEシミュレーションが主流であるが、各トランジスタ毎の詳細な解析を行なうため、トランジスタ数20個クラスで約6時間から10時間の診断時間を要していた。これに対して、本発明は、論理故障が発生するという前提でSPICEシミュレーション中の診断に影響しない項目を除き、必要項目を規格化することにより、例えば、トランジスタ数20個クラスでは数秒という大幅な診断時間の高速化を実現することが可能である。
(6) 従来、例えば、順序回路は、動作内容のフードバックがあるため前述したような診断はほとんど開発できていなかったが、本発明は、あらゆる論理回路に対して診断を行うことが可能である。
(7) 本発明は、各回路群毎に診断を行うことができるため、並列処理によるさらなる大幅な時間短縮が可能になる。
(8) 本発明は、診断対象が小規模な部分回路となるため、LSI全体を扱う必要がない。
(9) 本発明は、テストによるデータのみから診断を行うことができるため、データは期待値異常の論理情報がなくてもよい。
このように、本発明は、素子レベルでの故障診断を行うことにより、実際の故障モードに適合した診断を可能とするものである。
図43は本発明に係る回路の品質判定プログラムを記録した媒体の例を説明するための図である。図43において、参照符号310は処理装置、320はプログラム(データ)提供者、そして、330は可搬型記録媒体を示している。
上述した各実施例に係る集積回路の故障診断方法は、例えば、図43に示すような処理装置(故障診断装置)310に対するプログラム(データ)として与えられ、処理装置310により実行される。処理装置310は、プロセッサを含む演算処理装置本体311、および、演算処理装置本体311に対してプログラム(データ)を与えたり或いは処理された結果を格納する処理装置側メモリ(例えば、RAM(Random Access Memory)やハードディスク)312等を備える。処理装置310に提供されたプログラム(データ)は、ローディングされて処理装置310のメインメモリ上で実行される。
プログラム(データ)提供者320は、プログラム(データ)を格納する手段(回線先メモリ:例えば、DASD(Direct Access Storage Device))321を有し、例えば、インターネット等の回線を介してプログラム(データ)を処理装置310に提供したり、或いは、CD−ROMやDVD等の光ディスクまたはフロッピィディスク等の磁気ディスクといった可搬型記録媒体330を介して処理装置310に提供する。本発明に係る回路の品質判定プログラムを記録した媒体は、上記の処理装置側メモリ312、回線先メモリ321、および、可搬型記録媒体330等の様々なものを含むのはいうまでもない。
本発明は、集積回路の故障診断技術として利用することができ、特に、CMOS回路の故障診断において、故障を内蔵する任意の回路集合体の内部のトランジスタおよび配線で構成される素子レベルに対する故障箇所の特定を可能とするものである。
従来の故障診断方法の例を概念的に示す図(その1)である。 従来の故障診断方法の例を概念的に示す図(その2)である。 従来の故障診断方法の例を概念的に示す図(その3)である。 従来の故障診断方法の例を概念的に示す図(その4)である。 本発明において、LSI全体から素子レベルの故障箇所候補を特定する故障診断処理の一例を示すフローチャートである。 SCANを用いた故障内蔵の回路群の特定を説明するための図である。 従来の技術文献の一例におけるIDDQ故障の比率を示す図である。 従来の技術文献の他の例におけるIDDQ故障中の配線系故障の比率を示す図である。 セル内レイアウト情報のLVS実施による多角形(ポリゴン)情報の特定を説明するための図である。 ビアを介して接続するトランジスタを特定する様子を示す図である。 隣接ネット対としての3種類のレイアウト構造を示す図である。 交差ネット対としてのレイアウト構造を示す図である。 レイアウト情報により故障箇所候補の絞込みのIN/OUT関係を示す図である。 レイアウト情報により絞込まれたリーク故障候補の出力結果の一例を示す図である。 SPICEデータから取り出したシミュレーション用論理テーブル(LT)の一例を説明するための図である。 SPICE記述でのトランジスタ以外のエレメント素子を再編集したLTの変遷図である。 2入力NAND回路のLTへの短絡故障箇所の埋め込み例を説明するための図である。 2入力NAND回路のLTへのオープンビアを介して接続するゲート電極トランジスタの埋め込み例を説明するための図である。 2入力NAND回路のLTへのオープンビアを介して接続するソース電極トランジスタの埋め込み例を説明するための図である。 2入力NAND回路を用いたSLSによる論理の識別を説明するための図である。 EXORの回路図およびそのLTの関係を示す図である。 SLSによるEXOR回路の内部論理の特定を説明するための図である。 2入力NAND回路における仮想素子の定義例を説明するための図である。 仮想素子における出力論理を判定するための入力論理の優劣関係を示す組み合わせ図である。 SPICEデータから取り出したインピーダンス換算を行うためのトランジスタ毎のL値およびW値のテーブルの一例を説明するための図である。 中間電位近傍をweak論理と定義して2つの論理に分離した場合を説明するための図である。 中間電位近傍をweak論理と定義して3つの論理に分離した場合を説明するための図である。 中間電位近傍をweak論理と定義して5つの論理に分離した場合を説明するための図である。 トランジスタの静特性(Vds−Ids)における非飽和領域および飽和領域における動作点の5倍以上の違いをもつインピーダンス値の説明図である。 N型トランジスタ(実線)およびP型トランジスタ(点線)で同じ特性に調整された静特性(Vds−Ids)の説明図である。 インバータ回路のVout−Vinの伝達特性を説明するための図である。 インバータ回路のIdd−Vinの電流特性を説明するための図である。 実デバイスのCMOSインバータ回路のシミュレーション結果およびIddの関係を示す図である。 1つのインバータ回路および1つの2入力NAND回路で構成される回路集合体におけるショート故障の診断例を示す図である。 回路集合体である2入力NAND回路のP型トランジスタP1およびN型トランジスタN1のゲート配線のビアの開放故障の診断例を示す図である。 回路集合体である2入力NAND回路のP1のゲート配線のビアの開放故障の診断例を示す図である。 回路集合体である2入力NAND回路のP1のソース配線のコンタクト部の開放故障の診断例を示す図である。 回路集合体である2入力NAND回路のP1のソース配線のコンタクト部の開放故障の診断において故障前の入力論理の違いによる出力論理の特定の説明を示す図である。 診断対象領域の入力端子および領域内配線がショートした故障診断で外部情報を規格化した例を示す図である。 診断対象領域の入力端子および領域内配線がショートした故障診断で診断対象領域以外の影響を無視した例を示す図である。 短絡配線候補の診断におけるIN/OUTの関係を示す図である。 ビア故障候補の診断におけるIN/OUTの関係を示す図である。 本発明に係る集積回路の故障診断プログラムを記録した媒体の例を説明するための図である。
符号の説明
310 処理装置
311 演算処理装置本体
312 処理装置側メモリ
320 プログラム(データ)提供者
321 プログラムを格納する手段(回線先メモリ)
330 可搬型記録媒体
BL1 LVS結果のデータベース
BL2 コントロールファイル
BL3 セル名
BL4 レイアウト情報抽出プログラム(cr2def)
BL5 プリミティブセル対応DEFファイル[.DEF]
BL6 対応テーブル
BL7 実行ログファイル
BL8 隣接・交差ネットファイル[.sfe](レイアウト故障候補リスト)
GND 低電位電源(低電位電源線)
In1 第1の入力端子
In2 第2の入力端子
N1〜N11 Nチャネル型MOSトランジスタ(N型トランジスタ)
OUT 出力端子
P1〜P11 Pチャネル型MOSトランジスタ(P型トランジスタ)
SE 仮想素子
VDD 高電位電源(高電位電源線)

Claims (49)

  1. 複数の基本的論理を実現するセルにて構成された回路集合体内の故障箇所候補をレイアウト情報から特定し、
    前記レイアウト情報から特定された故障箇所候補に対して論理情報を用いて故障箇所候補を絞り込むことを特徴とする集積回路の故障診断方法。
  2. 回路集合体内の故障箇所候補をレイアウト情報から特定し、
    前記レイアウト情報から特定された故障箇所候補に対して論理情報を用いて故障箇所候補を絞り込む集積回路の故障診断方法であって、
    前記レイアウト情報は、前記回路集合体内の拡散層、配線およびビアによる多角形の頂点座標の閉空間表示情報、物理解析により特定されたリーク故障に伴う物理現象の発覚箇所の情報、或いは、外観検査装置により特定された外観異常箇所の情報であることを特徴とする集積回路の故障診断方法。
  3. 請求項1または2に記載の集積回路の故障診断方法において、
    前記レイアウト情報からの故障箇所候補の特定は、電源電流異常を伴う可能性のある故障箇所の候補であることを特徴とする集積回路の故障診断方法。
  4. 請求項1または2に記載の集積回路の故障診断方法において、
    前記レイアウト情報から特定された故障箇所候補は、同層配線間における隣接配線対であることを特徴とする集積回路の故障診断方法。
  5. 請求項4に記載の集積回路の故障診断方法において、
    前記同層配線間における隣接配線対の識別は、互いに隣り合う配線パターンを任意の幅に拡大した時にオーバーラップする箇所が存在する配線間を隣接配線対と識別することを特徴とする集積回路の故障診断方法。
  6. 請求項5に記載の集積回路の故障診断方法において、
    前記互いに隣り合う配線パターンを任意の幅に拡大した時にオーバーラップする箇所の面積を用いることで、配線短絡故障の発生確率の高低を識別することを特徴とする集積回路の故障診断方法。
  7. 請求項1または2に記載の集積回路の故障診断方法において、
    前記レイアウト情報から特定された故障箇所候補は、異層配線間における交差配線対であることを特徴とする集積回路の故障診断方法。
  8. 請求項7に記載の集積回路の故障診断方法において、
    前記異層配線間における交差配線対の識別は、該異層配線間で配線パターンの少なくとも一部が重なる配線を交差配線対と識別することを特徴とする集積回路の故障診断方法。
  9. 請求項8に記載の集積回路の故障診断方法において、
    前記レイアウト情報から特定された故障箇所候補は、ビアであることを特徴とする集積回路の故障診断方法。
  10. 回路集合体内の故障箇所候補をレイアウト情報から特定し、
    前記レイアウト情報から特定された故障箇所候補に対して論理情報を用いて故障箇所候補を絞り込む集積回路の故障診断方法であって、前記論理情報を用いた故障箇所候補の絞り込みは、
    前記回路集合体の回路図上に前記故障箇所候補を組み込む段階と、
    前記回路集合体の各配線論理値を特定する段階と、
    前記論理を伝搬する段階と、
    前記回路集合体の出力端子に出力する論理値を特定する段階と、を備えることを特徴とする集積回路の故障診断方法。
  11. 請求項10に記載の集積回路の故障診断方法において、
    前記故障箇所候補を組み込むための回路図は、トランジスタおよび該トランジスタ電極につながる配線の接続関係を記載した回路テーブルであることを特徴とする集積回路の故障診断方法。
  12. 請求項11に記載の集積回路の故障診断方法において、
    前記故障箇所候補を組み込むための回路図は、前記回路集合体の回路におけるトランジスタ以外の素子について、抵抗素子をショート素子に変換すると共に、容量素子をオープン素子に変換した回路テーブルであることを特徴とする集積回路の故障診断方法。
  13. 請求項11に記載の集積回路の故障診断方法において、
    前記回路集合体の回路図上に前記故障箇所候補を組み込む段階は、短絡配線候補は前記回路テーブルの配線名を一方側の配線名に置き換えることを特徴とする集積回路の故障診断方法。
  14. 請求項13に記載の集積回路の故障診断方法において、
    前記短絡配線候補の診断の入力情報および出力情報に関して、
    前記入力情報は、
    診断対象となる回路集合体の名称、
    診断のための回路テーブル、および、トランジスタのゲート長およびゲート幅の値を記載したSPICE情報、
    スイッチングシミュレーションを実行するための設定情報、
    入力および出力端子の端子名情報、
    前記回路集合体へ印加する入力論理情報、
    該入力論理を正常状態において印加したときの前記回路集合体内部の論理情報、並びに、
    レイアウト情報から特定した短絡故障候補から特定した、出力異常を伴う入力論理に同期して逆論理となる配線対候補情報であり、
    前記出力情報は、
    正常状態と短絡故障を組み込んだ状態での内部論理比較テーブル、並びに、
    出力する異常論理の原因となる短絡配線箇所の候補リストであることを特徴とする集積回路の故障診断方法。
  15. 請求項11に記載の集積回路の故障診断方法において、
    前記回路集合体の回路図上に前記故障箇所候補を組み込む段階は、ビア候補は前記回路テーブルのビアが介在するトランジスタ電極をオープンとすることを特徴とする集積回路の故障診断方法。
  16. 請求項15に記載の集積回路の故障診断方法において、
    前記ビア候補の診断の入力情報および出力情報に関して、
    前記入力情報は、
    診断対象となる回路集合体の名称、
    診断のための回路テーブル、および、トランジスタのゲート長およびゲート幅の値を記載したSPICE情報、
    スイッチングシミュレーションを実行するための設定情報、
    入力および出力端子の端子名情報、
    前記回路集合体へ印加する入力論理情報、
    該入力論理を正常状態において印加したときの前記回路集合体内部の論理情報、並びに、
    レイアウト情報から特定したビアおよび該ビアを介したトランジスタ名情報であり、
    前記出力情報は、
    正常状態と短絡故障を組み込んだ状態での内部論理比較テーブル、並びに、
    印加した入力論理に対して出力する異常論理の原因となるオープンビア候補リストであることを特徴とする集積回路の故障診断方法。
  17. 請求項15に記載の集積回路の故障診断方法において、
    前記ビアが介在するトランジスタ電極のオープンは、該ビアが介在するトランジスタ電極がゲート電極のときは当該トランジスタのゲート電位を中間電位とすることを特徴とする集積回路の故障診断方法。
  18. 請求項15に記載の集積回路の故障診断方法において、
    前記ビアが介在するトランジスタ電極のオープンは、該ビアが介在するトランジスタ電極がソース電極またはドレイン電極のときは当該トランジスタを除去することを特徴とする集積回路の故障診断方法。
  19. 請求項10に記載の集積回路の故障診断方法において、
    前記回路集合体の各配線論理値を特定する段階は、スイッチングレベルシミュレーションを用いることを特徴とする集積回路の故障診断方法。
  20. 請求項10に記載の集積回路の故障診断方法において、
    前記回路集合体の各配線論理値を特定する段階は、P型トランジスタ群およびN型トランジスタ群の配線が合流する位置に仮想素子を設けることを特徴とする集積回路の故障診断方法。
  21. 請求項20に記載の集積回路の故障診断方法において、
    前記仮想素子は、当該仮想素子に入力する論理の組み合わせから決定させる出力論理を予め定義した論理の優劣関係から決定することを特徴とする集積回路の故障診断方法。
  22. 請求項21に記載の集積回路の故障診断方法において、
    前記予め定義した論理の優劣関係から決定する前記仮想素子の出力論理は、
    前記仮想素子に入力する信号のいずれかが不定論理の場合は不定論理を出力し、
    前記仮想素子に入力する信号が「1」および高インピーダンスの場合は「1」を出力し、
    前記仮想素子に入力する信号が「0」および高インピーダンスの場合は「0」を出力し、
    前記仮想素子に入力する信号が「0」および「1」の場合は電源間に形成される電流の貫通回路網計算から算出する論理を出力し、
    前記仮想素子に入力する信号が「1」および中間電位の場合は電源間に形成される電流の貫通回路網計算から算出する論理を出力し、
    前記仮想素子に入力する信号に「0」および中間電位の場合は電源間に形成される電流の貫通回路網計算から算出する論理を出力し、そして、
    前記仮想素子に入力する信号に高インピーダンスおよび中間電位の場合は中間電位を出力することを特徴とする集積回路の故障診断方法。
  23. 請求項22に記載の集積回路の故障診断方法において、
    前記電源間に形成される電流の貫通回路網計算から算出する論理は、該貫通回路網上の全てのトランジスタのインピーダンス値と貫通電流値から決定することを特徴とする集積回路の故障診断方法。
  24. 請求項23に記載の集積回路の故障診断方法において、
    前記トランジスタのインピーダンス値は、SPICEデータに記載されたゲート長(L)およびゲート幅(W)を用いて決定すること特徴とする集積回路の故障診断方法。
  25. 請求項23に記載の集積回路の故障診断方法において、
    前記トランジスタのインピーダンス値は、該トランジスタのゲート電極への印加する電圧が中間電位の時には、SPICEデータに記載されたゲート長(L)およびゲート幅(W)を用いて算出された値をn倍したインピーダンス値とすること特徴とする集積回路の故障診断方法。
  26. 請求項25に記載の集積回路の故障診断方法において、
    前記中間電位は、2つの論理に分離することを特徴とすること特徴とする集積回路の故障診断方法。
  27. 請求項26に記載の集積回路の故障診断方法において、
    前記2つの論理に分離する中間電位とn倍の関係は、
    前記中間電圧値がVth+15%〜Vthのとき、P型トランジスタはn倍すると共に、N型トランジスタはn倍し、且つ、
    前記中間電圧値がVth〜Vth−15%のとき、P型トランジスタはn倍すると共に、N型トランジスタはn倍すること特徴とする集積回路の故障診断方法。
  28. 請求項25に記載の集積回路の故障診断方法において、
    前記中間電位は、3つの論理に分離することを特徴とすること特徴とする集積回路の故障診断方法。
  29. 請求項28に記載の集積回路の故障診断方法において、
    前記3つの論理に分離する中間電位とn倍の関係は、
    前記中間電圧値がVth+15%〜Vth+5%のとき、P型トランジスタは(n+1)倍すると共に、N型トランジスタは(n−1)倍し、
    前記中間電圧値がVth+5%〜Vth−5%のとき、P型トランジスタはn倍すると共に、N型トランジスタはn倍し、且つ、
    前記中間電圧値がVth−5%〜Vth−15%のとき、P型トランジスタは(n−1)倍すると共に、N型トランジスタは(n+1)倍すること特徴とする集積回路の故障診断方法。
  30. 請求項25に記載の集積回路の故障診断方法において、
    前記中間電位は、5つの論理に分離すること特徴とする集積回路の故障診断方法。
  31. 請求項30に記載の集積回路の故障診断方法において、
    前記3つの論理に分離する中間電位とn倍の関係は、
    前記中間電圧値がVth+20%〜Vth+10%のとき、P型トランジスタは(n+2)倍すると共に、N型トランジスタは(n−2)倍し、
    前記中間電圧値がVth+10%〜Vth+5%のとき、P型トランジスタは(n+1)倍すると共に、N型トランジスタは(n−1)倍し、
    前記中間電圧値がVth+5%〜Vth−5%のとき、P型トランジスタはn倍すると共に、N型トランジスタはn倍し、
    前記中間電圧値がVth−5%〜Vth−10%のとき、P型トランジスタは(n−1)倍すると共に、N型トランジスタは(n+1)倍し、且つ、
    前記中間電圧値がVth−10%〜Vth−20%のとき、P型トランジスタは(n−2)倍すると共に、N型トランジスタは(n+2)倍すること特徴とする集積回路の故障診断方法。
  32. 請求項25に記載の集積回路の故障診断方法において、
    前記中間電位を、インバータ回路のVin−Vout特性およびVin−Idd特性におけるIdd(max)±50%の範囲内とすることを特徴とすること特徴とする集積回路の故障診断方法。
  33. 請求項25に記載の集積回路の故障診断方法において、
    前記n倍は、前記トランジスタのIds−Vds特性から決定させる飽和領域での動作点のVds/Ids値を非飽和領域での動作点でのVds/Ids値で割った値であること特徴とする集積回路の故障診断方法。
  34. 請求項10に記載の集積回路の故障診断方法において、
    前記回路集合体の出力端子に出力する論理値の特定は、時刻順に実施される論理のイベント列を定義し、該イベント列が無くなるまでスイッチングレベルシミュレーションを実施することで行うこと特徴とする集積回路の故障診断方法。
  35. 請求項34に記載の集積回路の故障診断方法において、
    前記イベント列は、高電位電源、低電位電源、入力論理、P型トランジスタ群の論理、Nトランジスタ群の論理、および、仮想素子出力の順であること特徴とする集積回路の故障診断方法。
  36. 回路集合体内の故障箇所候補をレイアウト情報から特定し、
    前記レイアウト情報から特定された故障箇所候補に対して論理情報を用いて故障箇所候補を絞り込む集積回路の故障診断方法であって、
    前記回路集合体の入力配線が該回路集合体内部の配線と短絡故障を発生するとき、入力端子の論理が「1」の場合、該入力配線は高電位電源線を介した標準値を有するインピーダンスを付加することを特徴とする集積回路の故障診断方法。
  37. 回路集合体内の故障箇所候補をレイアウト情報から特定し、
    前記レイアウト情報から特定された故障箇所候補に対して論理情報を用いて故障箇所候補を絞り込む集積回路の故障診断方法であって、
    前記回路集合体の入力配線が該回路集合体内部の配線と短絡故障を発生するとき、入力端子の論理が「0」の場合、該入力配線は低電位電源線を介した標準値を有するインピーダンスを付加することを特徴とする集積回路の故障診断方法。
  38. 請求項1〜37のいずれか1項に記載の集積回路の故障診断方法により得られる前記絞り込まれた故障候補を、既存の物理解析により真の故障箇所および故障原因を特定するシステムに組み込むことを特徴とする素子レベルの故障候補特定システム。
  39. 複数の基本的論理を実現するセルにて構成された回路集合体内の故障箇所候補をレイアウト情報から特定する手段と、
    前記レイアウト情報から特定された故障箇所候補に対して論理情報を用いて故障箇所候補を絞り込む手段と、を備えることを特徴とする集積回路の故障診断装置。
  40. 回路集合体内の故障箇所候補をレイアウト情報から特定する手段と、
    前記レイアウト情報から特定された故障箇所候補に対して論理情報を用いて故障箇所候補を絞り込む手段と、を備える集積回路の故障診断装置であって、
    前記レイアウト情報は、前記回路集合体内の拡散層、配線およびビアによる多角形の頂点座標の閉空間表示情報、物理解析により特定されたリーク故障に伴う物理現象の発覚箇所の情報、或いは、外観検査装置により特定された外観異常箇所の情報であることを特徴とする集積回路の故障診断装置。
  41. 回路集合体内の故障箇所候補をレイアウト情報から特定する手段と、
    前記レイアウト情報から特定された故障箇所候補に対して論理情報を用いて故障箇所候補を絞り込む手段と、を備える集積回路の故障診断装置であって、前記故障箇所候補を絞り込む手段は、
    前記回路集合体の回路図上に前記故障箇所候補を組み込む手段と、
    前記回路集合体の各配線論理値を特定する手段と、
    前記論理を伝搬する手段と、
    前記回路集合体の出力端子に出力する論理値を特定する手段と、を備えることを特徴とする集積回路の故障診断装置。
  42. 回路集合体内の故障箇所候補をレイアウト情報から特定する手段と、
    前記レイアウト情報から特定された故障箇所候補に対して論理情報を用いて故障箇所候補を絞り込む手段と、を備える集積回路の故障診断装置であって、
    前記回路集合体の入力配線が該回路集合体内部の配線と短絡故障を発生するとき、入力端子の論理が「1」の場合、該入力配線は高電位電源線を介した標準値を有するインピーダンスを付加することを特徴とする集積回路の故障診断装置。
  43. 回路集合体内の故障箇所候補をレイアウト情報から特定する手段と、
    前記レイアウト情報から特定された故障箇所候補に対して論理情報を用いて故障箇所候補を絞り込む手段と、を備える集積回路の故障診断装置であって、
    前記回路集合体の入力配線が該回路集合体内部の配線と短絡故障を発生するとき、入力端子の論理が「0」の場合、該入力配線は低電位電源線を介した標準値を有するインピーダンスを付加することを特徴とする集積回路の故障診断装置。
  44. コンピュータに、
    複数の基本的論理を実現するセルにて構成された回路集合体内の故障箇所候補をレイアウト情報から特定する手順と、
    前記レイアウト情報から特定された故障箇所候補に対して論理情報を用いて故障箇所候補を絞り込む手順と、を実行させ、得られる前記絞り込まれた故障候補から真の故障箇所および故障原因を特定することを特徴とする集積回路の故障診断プログラム。
  45. コンピュータに、
    回路集合体内の故障箇所候補をレイアウト情報から特定する手順と、
    前記レイアウト情報から特定された故障箇所候補に対して論理情報を用いて故障箇所候補を絞り込む手順と、を実行させ、得られる前記絞り込まれた故障候補から真の故障箇所および故障原因を特定する集積回路の故障診断プログラムであって、
    前記レイアウト情報は、前記回路集合体内の拡散層、配線およびビアによる多角形の頂点座標の閉空間表示情報、物理解析により特定されたリーク故障に伴う物理現象の発覚箇所の情報、或いは、外観検査装置により特定された外観異常箇所の情報であることを特徴とする集積回路の故障診断プログラム。
  46. コンピュータに、
    回路集合体内の故障箇所候補をレイアウト情報から特定する手順と、
    前記レイアウト情報から特定された故障箇所候補に対して論理情報を用いて故障箇所候補を絞り込む手順と、を実行させ、得られる前記絞り込まれた故障候補から真の故障箇所および故障原因を特定する集積回路の故障診断プログラムであって、前記故障箇所候補を絞り込む手順は、
    前記回路集合体の回路図上に前記故障箇所候補を組み込む手順と、
    前記回路集合体の各配線論理値を特定する手順と、
    前記論理を伝搬する手順と、
    前記回路集合体の出力端子に出力する論理値を特定する手順と、を備えることを特徴とする集積回路の故障診断プログラム。
  47. コンピュータに、
    回路集合体内の故障箇所候補をレイアウト情報から特定する手順と、
    前記レイアウト情報から特定された故障箇所候補に対して論理情報を用いて故障箇所候補を絞り込む手順と、を実行させ、得られる前記絞り込まれた故障候補から真の故障箇所および故障原因を特定する集積回路の故障診断プログラムであって、
    前記回路集合体の入力配線が該回路集合体内部の配線と短絡故障を発生するとき、入力端子の論理が「1」の場合、該入力配線は高電位電源線を介した標準値を有するインピーダンスを付加することを特徴とする集積回路の故障診断プログラム。
  48. コンピュータに、
    回路集合体内の故障箇所候補をレイアウト情報から特定する手順と、
    前記レイアウト情報から特定された故障箇所候補に対して論理情報を用いて故障箇所候補を絞り込む手順と、を実行させ、得られる前記絞り込まれた故障候補から真の故障箇所および故障原因を特定する集積回路の故障診断プログラムであって、
    前記回路集合体の入力配線が該回路集合体内部の配線と短絡故障を発生するとき、入力端子の論理が「0」の場合、該入力配線は低電位電源線を介した標準値を有するインピーダンスを付加することを特徴とする集積回路の故障診断プログラム。
  49. 請求項44〜48のいずれか1項に記載の集積回路の故障診断プログラムを記録した媒体。
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