JP2006312962A - 等速ジョイント用ブーツ、等速ジョイント用ブーツの製造方法、等速ジョイント用ブーツの製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】熱可塑性樹脂を効率良く二次成形空間(厚肉部成形空間、薄肉部成形空間、樹脂流通肉盛部成形空間)全体に万遍無く瞬時に行き渡らせて二次成形の加工性を高める。
【解決手段】ブーツ本体Pmの環状大径部P3は、ギヤハウジングの外周に嵌合する非回転対称を成す嵌合領域F1,F2を有し、当該嵌合領域の外側に二次成形された肉盛部は、肉厚が比較的厚い少なくとも1つの厚肉部T1と肉厚が比較的薄い少なくとも1つの薄肉部T2とから構成され、肉盛部の少なくとも厚肉部と薄肉部とが隣接する部分には、二次成形において溶融樹脂材料を流通させたことで成形された樹脂流通肉盛部(T3)が一体的に構成されており、当該樹脂流通肉盛部の最小肉厚tcは、薄肉部の肉厚tbよりも大きく設定されている。
【選択図】 図1
【解決手段】ブーツ本体Pmの環状大径部P3は、ギヤハウジングの外周に嵌合する非回転対称を成す嵌合領域F1,F2を有し、当該嵌合領域の外側に二次成形された肉盛部は、肉厚が比較的厚い少なくとも1つの厚肉部T1と肉厚が比較的薄い少なくとも1つの薄肉部T2とから構成され、肉盛部の少なくとも厚肉部と薄肉部とが隣接する部分には、二次成形において溶融樹脂材料を流通させたことで成形された樹脂流通肉盛部(T3)が一体的に構成されており、当該樹脂流通肉盛部の最小肉厚tcは、薄肉部の肉厚tbよりも大きく設定されている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、例えば自動車の駆動軸(ドライブシャフト)や推進軸(プロペラシャフト)に用いられる等速ジョイント(Constant Velocity Universal Joint)を保護するための等速ジョイント用ブーツ及びその製造方法並びに製造装置に関する。
従来、例えば自動車の駆動軸(ドライブシャフト)や推進軸(プロペラシャフト)に用いられる等速ジョイントには、潤滑剤としてのグリースを密封すると共に、外部からの塵や水などの浸入を防ぐために、各種の等速ジョイント用ブーツ(例えば、インボード側(エンジン側)等速ジョイント用ブーツ、アウトボード側(タイヤ側)等速ジョイント用ブーツ)が装着されている。
例えば図9(a),(b)に示すように、等速ジョイント用ブーツには、その一端側に等速ジョイント2の軸部2aに嵌合させることが可能な環状小径部P1が設けられていると共に、その他端側には、等速ジョイント2のギヤハウジング(アウタースリーブ)2bに嵌合させることが可能な環状大径部P3が設けられており、環状小径部P1と環状大径部P3との間には、等速ジョイント2の軸部2aとギヤハウジング2bとの相対的な角度変化に追従して弾性変形することが可能な環状蛇腹部P2が設けられている。
環状蛇腹部P2は、環状小径部P1に連続した環状の肩部Kから環状大径部P3に向って末広がり状態で、複数の環状山部Mと環状谷部Vとが交互に組み合わされた中空円錐状に成形されている。このような構成により、環状蛇腹部P2は、弾性的に伸縮変形可能な状態に維持される。
また、環状小径部P1及び環状大径部P3には、それぞれ、小径側締結用バンド4a及び大径側締結用バンド4bを装着するためのバンド装着部6a,6b(図9(a),(b)参照)が設けられており、これらバンド装着部6a,6bに小径側締結用バンド4a及び大径側締結用バンド4bをそれぞれ装着して締め付けることにより、環状小径部P1を等速ジョイント2の軸部2aに締結させることができると共に、環状大径部P3を等速ジョイント2のギヤハウジング2bに締結させることができる。
等速ジョイント2としては、ギヤハウジング2bの薄肉化や軽量化などを目的として、そのギヤハウジング2bの外周の複数箇所(例えば、周方向に等間隔で3箇所)に凹状部Qが設けられたトリポッドジョイント(Tripod Joint)が知られている。この場合、等速ジョイント用ブーツの環状大径部P3の内側は、トリポッドジョイント2のギヤハウジング2bの外周形状(3箇所の凹状部Q)と整合するように、肉厚の異なる部分を有した形状(各々の凹状部Qに対向する厚肉部T1と、それ以外の薄肉部T2とを有した形状)にする必要がある。
このようなトリポッドジョイント用ブーツを製造する方法としては、例えば特許文献1に示された製造方法を用いることができる。この方法によれば、まず一次成形工程において、環状小径部P1と環状蛇腹部P2と環状大径部P3とから成るブーツ本体Pm(図9(c))を溶融樹脂材料(熱可塑性樹脂)で一体成形する。次に、二次成形工程において、樹脂製ブーツ本体Pmの環状大径部P3の内周をコア(図示しない)にセットすると共に、環状大径部P3の外周を金型(図示しない)で保持した状態でランナ機構により熱可塑性樹脂を射出(注入)し、環状大径部P3の内側に厚肉部T1とそれ以外の薄肉部T2とを一体成形する(図9(d))。このような成形工程により、二次成形品であるトリポッドジョイント用ブーツが完成する。
ところでブーツ本体Pmを一次成形する工程では、環状小径部P1を射出成形した後、適正な温度管理の下にパリソンをコントロールしながら所定量だけ引き上げて、パリソン内に圧縮空気を噴射することにより環状蛇腹部P2及び環状大径部P3をブロー成形している。このようなブロー成形において、圧縮空気の噴射力により環状大径部P3を外側に拡張する(飛ばす)距離は、他の部分(例えば、環状蛇腹部P2)に比べて大きくなる。つまり環状大径部P3は、より遠くに飛ばされることになる。
ブロー成形では、例えば同じ肉厚のパリソンを想定すると、拡張する距離(飛ばす距離)に応じて成形品の厚さにバラツキが生じ、部分的に薄くなる場合がある。例えば、より遠くに飛ばされた部分の肉厚が薄くなる傾向にあり、その分だけ環状大径部P3の厚さが部分的に薄くなる。このように環状大径部P3の肉厚にバラツキが生じると、耐久性(強度)が低下する場合があり、そうなると、環状大径部P3が亀裂したり損傷するといった不具合が生じる虞がある。
また、等速ジョイント用ブーツには、その環状大径部P3の薄肉部T2を更に薄くする要求がされている。かかる要求は、等速ジョイント用ブーツの環状大径部P3(特に、バンド装着部6b)の外径(直径)を小さくすることを意味している。しかし、従来の製造方法では、環状大径部P3のうち薄肉部T2を成形する領域から熱可塑性樹脂を射出(注入)しているため、環状大径部P3(バンド装着部6b)の薄肉化には限界があった。
具体的に説明すると、従来の製造方法では、薄肉部T2を成形する領域となるブーツ本体Pmの環状大径部P3の内周側に、熱可塑性樹脂を射出(注入)するための射出口(注入口)が位置付けられる。また、かかる状態から熱可塑性樹脂をスムーズに射出(注入)するように、環状大径部P3の内周側には、比較的大きな二次成形空間(図示しない)が確保されている。これにより、射出口(注入口)から二次成形空間に熱可塑性樹脂をスムーズに射出(注入)することができ、ブーツ本体Pmの環状大径部P3の内周に厚肉部T1とそれ以外の薄肉部T2とが一体成形される。
このような製造方法において、環状大径部P3(バンド装着部6b)の薄肉部T2の厚さW2は、二次成形空間に射出(注入)された熱可塑性樹脂の厚さW1と、その外側の環状大径部P3(バンド装着部6b)の厚さとを合計した寸法となる。この場合、環状大径部P3(バンド装着部6b)の薄肉部T2を更に薄くする方法としては、一次成形品であるブーツ本体Pmの環状大径部P3(バンド装着部6b)を薄くする方法と、二次成形する熱可塑性樹脂の厚さW1を薄くする方法とが考えられる。
まず、一次成形品であるブーツ本体Pmの環状大径部P3(バンド装着部6b)を薄くする方法について考察する。
ブーツ本体Pmをブロー成形する工程(一次成形工程)では、環状蛇腹部P2及び環状大径部P3は略同一の厚さで成形されるため、環状大径部P3のみを薄くすることは困難である。この場合、上述したように環状大径部P3を外側により遠くに拡張すれば(飛ばせば)、環状大径部P3を薄くすることができるが、そうすると、環状大径部P3の耐久性(強度)が低下して、亀裂したり損傷するといった不具合が生じる虞がある。従って、一次成形品であるブーツ本体Pmの環状大径部P3を薄くする方法を適用することは好ましくない。
ブーツ本体Pmをブロー成形する工程(一次成形工程)では、環状蛇腹部P2及び環状大径部P3は略同一の厚さで成形されるため、環状大径部P3のみを薄くすることは困難である。この場合、上述したように環状大径部P3を外側により遠くに拡張すれば(飛ばせば)、環状大径部P3を薄くすることができるが、そうすると、環状大径部P3の耐久性(強度)が低下して、亀裂したり損傷するといった不具合が生じる虞がある。従って、一次成形品であるブーツ本体Pmの環状大径部P3を薄くする方法を適用することは好ましくない。
次に、二次成形する熱可塑性樹脂の厚さW1を薄くする方法について考察する。なお、かかる方法では、環状大径部P3(バンド装着部6b)の外径(直径)を小さく一次成形したブーツ本体Pmを用意する。
そして、かかるブーツ本体Pmの環状大径部P3において、二次成形空間を規定している幅領域を狭めれば、二次成形する熱可塑性樹脂の厚さW1を薄くすることができる。しかし、幅領域を狭め過ぎると、射出口(注入口)から二次成形空間に熱可塑性樹脂をスムーズに射出(注入)することが困難になってしまう虞がある。このような状態で熱可塑性樹脂を射出(注入)しても、熱可塑性樹脂を二次成形空間に効率良く(短時間に)行き渡らせることは困難である。即ち、二次成形の加工性が低下してしまう。この結果、例えばエアの巻き込みやウエルドライン(weld line)が生じる虞がある。従って、二次成形時における幅領域W1の熱可塑性樹脂の厚さを薄くする方法を適用することは好ましくない。
そして、かかるブーツ本体Pmの環状大径部P3において、二次成形空間を規定している幅領域を狭めれば、二次成形する熱可塑性樹脂の厚さW1を薄くすることができる。しかし、幅領域を狭め過ぎると、射出口(注入口)から二次成形空間に熱可塑性樹脂をスムーズに射出(注入)することが困難になってしまう虞がある。このような状態で熱可塑性樹脂を射出(注入)しても、熱可塑性樹脂を二次成形空間に効率良く(短時間に)行き渡らせることは困難である。即ち、二次成形の加工性が低下してしまう。この結果、例えばエアの巻き込みやウエルドライン(weld line)が生じる虞がある。従って、二次成形時における幅領域W1の熱可塑性樹脂の厚さを薄くする方法を適用することは好ましくない。
この場合、二次成形時において射出口(注入口)を厚肉部T1側に位置付ける方法が考えられる。かかる方法において、厚肉部T1側には射出口(注入口)よりも充分広い二次成形空間(特に図示しない)が確保されているため、熱可塑性樹脂をスムーズに射出(注入)することができる。しかし、薄肉部T2の二次成形空間の幅領域が狭められているため、厚肉部T1側から射出(注入)した熱可塑性樹脂を効率良く(短時間に)薄肉部T2に行き渡らせることは困難である。即ち、二次成形の加工性が低下してしまう。この結果、例えばエアの巻き込みやウエルドラインが生じる虞がある。従って、二次成形時において厚肉部T1側から熱可塑性樹脂を射出(注入)する方法を適用することは好ましくない。
特願2003−041317号
本発明は、上述したような要求に応えるために成されており、その目的は、二次成形においてブーツ本体の外側に射出した熱可塑性樹脂を効率良く二次成形空間全体に万遍無く瞬時に行き渡らせることで、二次成形で一体化したバンド装着部の外径を小さくする技術(二次成形の加工性を高める技術)を提供することにある。
このような目的を達成するために、本発明は、等速ジョイントの軸部に嵌合させる環状小径部(P1)と、等速ジョイントのギヤハウジングの外周に沿った形状を成し且つ当該ギヤハウジングに嵌合させる環状大径部(P3)と、環状小径部と環状大径部との間に設けられた環状蛇腹部(P2)とを有するブーツ本体(Pm)を一次成形した後、当該ブーツ本体に二次成形を施して、環状大径部の外側に周方向に沿って肉厚が変化した肉盛部を一体化させた等速ジョイント用ブーツであって、ブーツ本体の環状大径部には、ギヤハウジングの外周に嵌合する非回転対称を成す嵌合領域(F1,F2)が設けられていると共に、当該嵌合領域の外側に二次成形された肉盛部は、肉厚が比較的厚く成形された少なくとも1つの厚肉部(T1)と肉厚が比較的薄く成形された少なくとも1つの薄肉部(T2)とから構成されており、前記肉盛部の少なくとも厚肉部と薄肉部とが隣接する部分には、二次成形において溶融樹脂材料を流通させたことで成形された樹脂流通肉盛部(T3)が一体的に構成されており、当該樹脂流通肉盛部の最小肉厚(tc)は、薄肉部の肉厚(tb)よりも大きく設定されている。
この構成において、樹脂流通肉盛部は、前記肉盛部の上側、下側、中側のいずれかに成形可能である。また、樹脂流通肉盛部の外面の一部は、バンドの位置決め用ストッパ壁として兼用可能である。
この構成において、樹脂流通肉盛部は、前記肉盛部の上側、下側、中側のいずれかに成形可能である。また、樹脂流通肉盛部の外面の一部は、バンドの位置決め用ストッパ壁として兼用可能である。
また、本発明は、上述した等速ジョイント用ブーツを製造する製造方法であって、等速ジョイントの軸部に嵌合させる環状小径部と、等速ジョイントのギヤハウジングの外周に沿った形状を成し且つ当該ギヤハウジングに嵌合させる環状大径部と、環状小径部と環状大径部との間に設けられた環状蛇腹部とを有するブーツ本体を一次成形した後、当該ブーツ本体に二次成形を施して、環状大径部の外側に周方向に沿って肉厚が変化した肉盛部を一体化させる工程とを有しており、一次成形されたブーツ本体に二次成形を施す工程は、ブーツ本体を内側から保持する内側保持体とブーツ本体を外側から保持する外側保持体とにより、環状大径部の直上近傍で且つ環状蛇腹部の下端を挟持してシールするシール工程と、シール工程において、環状大径部と外側保持体との間に周方向に沿って肉厚が変化した肉盛部を成形するための肉盛成形空間を構成する工程と、肉盛成形空間に溶融樹脂材料を射出充填する射出充填工程とを有し、肉盛成形空間は、厚肉部を成形するための厚肉部成形空間と、薄肉部を成形するための薄肉部成形空間と、樹脂流通肉盛部を成形するための樹脂流通肉盛部成形空間とから構成されており、射出充填工程において、溶融樹脂材料を厚肉部成形空間又は薄肉部成形空間又は樹脂流通肉盛部成形空間或いはこれら空間から任意に選択した少なくとも2つの空間に射出することにより、当該溶融樹脂材料が厚肉部成形空間及び薄肉部成形空間並びに樹脂流通肉盛部成形空間の全体に亘って充填される。
更に、本発明は、上述した等速ジョイント用ブーツを製造する製造装置であって、等速ジョイントの軸部に嵌合させる環状小径部と、等速ジョイントのギヤハウジングの外周に沿った形状を成し且つ当該ギヤハウジングに嵌合させる環状大径部と、環状小径部と環状大径部との間に設けられた環状蛇腹部とを有するブーツ本体を一次成形する装置と、当該ブーツ本体に二次成形を施して、環状大径部の外側に周方向に沿って肉厚が変化した肉盛部を一体化させる装置とを備えており、一次成形されたブーツ本体に二次成形を施す装置は、ブーツ本体を内側から保持する内側保持体とブーツ本体を外側から保持する外側保持体とにより、環状大径部の直上近傍で且つ環状蛇腹部の下端を挟持してシールするシール機構と、シール機構により環状大径部と外側保持体との間に周方向に沿って肉厚が変化した肉盛部を成形するための肉盛成形空間が構成された状態において、当該肉盛成形空間に溶融樹脂材料を射出充填する射出充填機構とを備えており、肉盛成形空間は、厚肉部を成形するための厚肉部成形空間と、薄肉部を成形するための薄肉部成形空間と、樹脂流通肉盛部を成形するための樹脂流通肉盛部成形空間とから構成されており、射出充填機構により溶融樹脂材料を厚肉部成形空間又は薄肉部成形空間又は樹脂流通肉盛部成形空間或いはこれら空間から任意に選択した少なくとも2つの空間に射出することにより、当該溶融樹脂材料が厚肉部成形空間及び薄肉部成形空間並びに樹脂流通肉盛部成形空間の全体に亘って充填される。
本発明によれば、二次成形において溶融樹脂材料を厚肉部成形空間と薄肉部成形空間との間で流通させるための樹脂流通肉盛部成形空間を構成したことにより、厚肉部成形空間又は薄肉部成形空間又は樹脂流通肉盛部成形空間或いはこれら空間から任意に選択した少なくとも2つの空間に充填された溶融樹脂材料を効率良く厚肉部成形空間及び薄肉部成形空間並びに樹脂流通肉盛部成形空間の全体に亘って万遍無く瞬時に行き渡らせることができる。この場合、薄肉部成形空間が狭められている場合でも、例えばエアの巻き込みやウエルドライン(weld line)を生じること無く溶融樹脂材料を薄肉部成形空間に効率良く行き渡らせることができるため、二次成形で一体化したバンド装着部の外径を小さくすることができる。
更に、一次成形品であるブーツ本体の環状大径部の外側に周方向に沿って肉厚が変化した肉盛部が二次成形されているため、例えば長期使用により二次成形部分が疲労により亀裂や劣化が生じても、ブーツ本体により内部の密封性が保持されるため、その亀裂や劣化した箇所から潤滑剤が漏洩したり、外部から塵や水などが浸入する虞がない。
更に、一次成形品であるブーツ本体の環状大径部の外側に周方向に沿って肉厚が変化した肉盛部が二次成形されているため、例えば長期使用により二次成形部分が疲労により亀裂や劣化が生じても、ブーツ本体により内部の密封性が保持されるため、その亀裂や劣化した箇所から潤滑剤が漏洩したり、外部から塵や水などが浸入する虞がない。
以下、本発明の等速ジョイント用ブーツについて、添付図面を参照して説明する。
なお、以下では、等速ジョイント用ブーツの一実施の形態として、例えば図9(a),(b)に示すような等速ジョイント(トリポッドジョイント)2に用いるトリポッドジョイント用ブーツ(以下、トリポッドブーツと称する)を例示して説明する。
なお、以下では、等速ジョイント用ブーツの一実施の形態として、例えば図9(a),(b)に示すような等速ジョイント(トリポッドジョイント)2に用いるトリポッドジョイント用ブーツ(以下、トリポッドブーツと称する)を例示して説明する。
図1(a),(b)に示すように、本実施の形態のトリポッドブーツは、等速ジョイント2の軸部2a(図9(a),(b))に嵌合させる環状小径部P1と、等速ジョイント2のギヤハウジング2b(図9(a),(b))の外周に沿った形状を成し且つ当該ギヤハウジング2bに嵌合させる環状大径部P3と、環状小径部P1と環状大径部P3との間に設けられた環状蛇腹部P2とを有するブーツ本体Pmを一次成形した後、当該ブーツ本体Pmに二次成形を施して、環状大径部P3の外側に周方向に沿って肉厚が変化した肉盛部を一体化させて構成されている。なお、本実施の形態において、環状小径部P1及び環状蛇腹部P2は、共に回転対称を成して成形されている。
環状蛇腹部P2は、環状小径部P1に連続した環状の肩部Kから環状大径部P3に向って末広がり状態で、複数の環状山部Mと環状谷部V(最下端の環状谷部Ve)とが交互に組み合わされた中空円錐状に成形されている。このような構成により、環状蛇腹部P2は、弾性的に伸縮変形可能な状態に維持される。
また、環状小径部P1及び環状大径部P3には、それぞれ、図示しない小径側締結用バンド及び大径側締結用バンドを装着するためのバンド装着部8,10が設けられており、これらバンド装着部8,10に小径側締結用バンド及び大径側締結用バンドをそれぞれ装着して締め付けることにより、環状小径部P1を等速ジョイント2の軸部2aに締結させることができると共に、環状大径部P3を等速ジョイント2のギヤハウジング2bに締結させることができる。
この場合、各バンド装着部8,10の上下端には、ストッパ壁8a,8b,10aが成形されており、各ストッパ壁8a,8b,10aにより小径側締結用バンド及び大径側締結用バンドが位置決めされている。なお、各ストッパ壁8a,8b,10aの大きさや形状は、トリポッドブーツの使用目的や使用環境、或いは、小径側締結用バンド及び大径側締結用バンドの大きさや形状に合わせて任意に設定することができる。本実施の形態では一例として、ストッパ壁8b,10aが周方向に連続して成形され、ストッパ壁8aが周方向に沿って所定間隔に断続して成形されている。なお、ストッパ壁8b,10aの少なくとも一方が周方向に沿って所定間隔に断続して成形され、ストッパ壁8aが周方向に連続して成形されているものであっても良く、本発明の範囲内で設計変更可能である。
このようなトリポッドブーツにおいて、一次成形品であるブーツ本体Pmの環状大径部P3には、ギヤハウジング2b(図9(a),(b))の外周に嵌合し且つ略一定の厚さの非回転対称を成す嵌合領域F1,F2が設けられており、当該嵌合領域F1,F2は、その外側に周方向に沿って肉厚が変化した肉盛部が二次成形で一体化されている。ここで、嵌合領域F1,F2の外側に一体化された肉盛部を嵌合肉盛部と規定すると、本実施の形態における嵌合肉盛部は、その全体の外径が回転対称を成しており、肉厚が比較的厚く成形された少なくとも1つの厚肉部T1と肉厚が比較的薄く成形された少なくとも1つの薄肉部T2とから構成されている。
この場合、厚肉部T1の嵌合領域F1は、後述する樹脂循環領域(樹脂流通領域とも言う)F3よりも内方に位置付けられており、薄肉部T2の嵌合領域F2は、樹脂循環領域F3よりも外方に位置付けられている。また、厚肉部T1の嵌合領域F1には、樹脂循環領域F3から内方に延出した内方延出棚12が形成されており、薄肉部T2の嵌合領域F2には、樹脂循環領域F3から外方に延出した外方延出棚14が形成されている。別の言い方をすると、樹脂循環領域F3は、厚肉部T1の嵌合領域F1と薄肉部T2の嵌合領域F2との間(中間)に位置付けられており、厚肉部T1の嵌合領域F1は、内方延出棚12を介して樹脂循環領域F3に一体的に接続し、薄肉部T2の嵌合領域F2は、外方延出棚14を介して樹脂循環領域F3に一体的に接続している。なお、図1(a)には、一例として水平方向に延出した内方延出棚12及び外方延出棚14を例示している。
なお、厚肉部T1及び薄肉部T2は、トリポッドジョイント2のギヤハウジング2b(図9(a),(b))の外周形状に応じて任意に構成することができる。本実施の形態では、一例として周方向に沿って等間隔に3つの厚肉部T1と薄肉部T2とを交互に配列しているが、1つの厚肉部T1と1つの薄肉部T2とで嵌合肉盛部を構成しても良いし、2つの厚肉部T1と2つの薄肉部T2とを交互に配列して嵌合肉盛部を構成しても良い。或いは、4つ以上の厚肉部T1と薄肉部T2とを交互に配列して嵌合肉盛部を構成しても良い。
また、厚肉部T1と薄肉部T2の形状や個数、厚さや幅などの諸条件は、トリポッドジョイント2の外周形状に応じて適宜設計変更できるため、ここでは、その数値限定はしない。この場合、厚肉部T1と薄肉部T2の形状や個数、厚さや幅等に応じて、ブーツ本体Pm(環状大径部P3)の嵌合領域F1,F2の形状や個数、厚さや幅などが設定(一次成形時に設定)されることは言うまでも無い。
また、嵌合領域F1,F2の内側には、周方向に沿って連続的に一体成形された2つのシール片16が設けられている。かかるシール片16によれば、バンド装着部10に大径側締結用バンドを装着して締め付けた際に、嵌合領域F1,F2とトリポッドジョイント2のギヤハウジング2bとの密着性を向上させることができ、その結果、潤滑剤の漏洩や塵や水などの侵入を防止することができる。
本実施の形態では、一次成形品であるブーツ本体Pmの環状大径部P3において、樹脂循環領域F3は、上述したような嵌合領域F1,F2の上側に周方向に連続して一体成形されており、略一定の厚さの回転対称を成している。また、樹脂循環領域F3の外側には、前記嵌合肉盛部(嵌合領域F1,F2の外側に一体化された肉盛部)の少なくとも厚肉部T1と薄肉部T2とが隣接する部分に、二次成形において溶融樹脂材料を循環(流通とも言う)させるための樹脂循環肉盛部(樹脂流通肉盛部とも言う)T3が成形されている。この場合、樹脂循環肉盛部T3は、隣り合う厚肉部T1と薄肉部T2との境界に部分的に成形すれば良いが、ここでは一例として、周方向に沿って連続して成形された樹脂循環肉盛部T3を想定する。
かかる樹脂循環肉盛部T3は、その肉厚が周方向に沿って一定で且つその外径が回転対称を成している。具体的に説明すると、嵌合領域F1,F2の上側に連続成形された樹脂循環肉盛部T3は、水平方向に延出した外方延出棚14の外面(特に参照符号は付さない)を含んだ境界ラインLにより規定されている。即ち、かかる境界ラインLよりも上側Upに樹脂循環肉盛部T3が規定され、下側Dnに嵌合肉盛部(厚肉部T1、薄肉部T2)が規定されている。この場合、トリポッドジョイント2のギヤハウジング2bの最大径をφX、ブーツ本体Pmの環状大径部P3の平均肉厚をta、バンド装着部10におけるバンド装着面10sの外径をφYとすると、樹脂循環肉盛部T3の最小肉厚tcは、{(φY−φX)/2}−ta=tb(薄肉部T2の肉厚)よりも大きく(tb<tc)なるように設定されている。なお、ギヤハウジング2bの最大径φXとは、凹状部Q(図9(a),(b))を除いたギヤハウジング2bの外周を相互に連続させた仮想外周円の径を指す。別の捉え方では、ギヤハウジング2bの最大径φXとは、厚肉部T1(嵌合領域F1)を除いた環状大径部P3の内周(薄肉部T2(嵌合領域F2)の内周)を相互に連続させた仮想内周円の径を指す。
なお、図1(a)では、樹脂循環肉盛部T3の断面形状を視覚的に把握できるように、樹脂循環肉盛部T3のハッチングの向きと嵌合肉盛部(厚肉部T1、薄肉部T2)のハッチングの向きとを相違させているが、これら嵌合肉盛部(厚肉部T1、薄肉部T2)及び樹脂循環肉盛部T3は、後述する二次成形工程において同時に且つ一体的に成形される。即ち、嵌合肉盛部(厚肉部T1、薄肉部T2)と樹脂循環肉盛部T3とは異なる部材では無い。
次に、上述したような本実施の形態のトリポッドブーツの製造方法及び製造装置について、図2(a)〜(e)及び図3(a),(b)を参照して説明する。
図2(a)〜(e)には、ブーツ本体Pmを一次成形する装置が示されている。
まず、図2(a)に示すように、環状小径部P1を成形するための金型(割型)18を射出成形台20上にセットする。金型(割型)18には、その内部に環状小径部P1の輪郭に一致した射出空間18aが形成されており、射出成形台20には、金型(割型)18内に溶融樹脂材料を射出充填するためのランナ機構(図示しない)が設けられている。
図2(a)〜(e)には、ブーツ本体Pmを一次成形する装置が示されている。
まず、図2(a)に示すように、環状小径部P1を成形するための金型(割型)18を射出成形台20上にセットする。金型(割型)18には、その内部に環状小径部P1の輪郭に一致した射出空間18aが形成されており、射出成形台20には、金型(割型)18内に溶融樹脂材料を射出充填するためのランナ機構(図示しない)が設けられている。
この場合、ランナ機構の射出充填ゲート22が、金型(割型)18の射出空間18aに向けて位置付けられる。この状態において、射出充填ゲート22から射出空間18aに向けて(矢印方向に)溶融樹脂材料を射出充填することにより、金型(割型)18内に環状小径部P1が射出成形される。なお、一次成形に用いる溶融樹脂材料としては、例えばポリエステル系の熱可塑性エラストマなどの熱可塑性樹脂を用いることができるが、トリポッドブーツの使用目的や使用環境などに応じて、これ以外の樹脂材料を用いても良い。
続いて、図2(b)に示すように、適正な温度管理の下に金型(割型)18を引上機構で引き上げる。このときの引上げ工程では、射出充填ゲート22から射出される溶融樹脂材料の射出タイミングと金型(割型)18の引上タイミングとを制御することにより、金型(割型)18内に射出成形された環状小径部P1から下方に所定量のパリソン24を引き延ばしていく。そして、パリソン24の外側にブロー成形機構(例えば、成形金型(割型)26a,26b)をセットする。なお、成形金型(割型)26a,26bの内周には、ブーツ本体Pm(図1(a),(b))の外周の輪郭に一致したブロー成形面30a,30bが形成されている。
次に、図2(c)に示すように、射出成形台20に設けられたブロー成形機構の噴射ノズル28からパリソン24内に圧縮空気を噴射する。このとき、パリソン24が外側に拡張して(飛んで)ブロー成形面30a,30bに圧接した際に、そのブロー成形面30a,30bの形状がパリソン24に転写されることにより環状蛇腹部P2及び環状大径部P3がブロー成形される。特に、環状大径部P3のブロー成形では、図2(d)の拡大断面図に示すように、ギヤハウジング2b(図9(a),(b))の外周に嵌合する嵌合領域F1,F2と、この嵌合領域F1,F2の上側に周方向に沿って連続し且つ環状蛇腹部P2に隣接した樹脂循環領域F3とが一体成形される。なお、図2(c)において、成形金型(割型)26a,26bと射出成形台20との間が空間になっているが、実際では、成形金型(割型)26a,26bは、後述する切断刃34で切り取られる部分が残るように下方に延出されている(ここでは特に図示しない)。
環状大径部P3のブロー成形について詳述すると、ブロー成形面30a,30bには、図2(b)に示すように、嵌合領域F1,F2をブロー成形するための嵌合成形面S1,S2と、樹脂循環領域F3をブロー成形するための樹脂循環面(樹脂流通面とも言う)S3と、内方延出棚12をブロー成形するための内方面S4と、外方延出棚14をブロー成形するための外方面S5とが設けられている。このような構成によれば、パリソン24内に圧縮空気を噴射して当該パリソン24をブロー成形面30a,30bに圧接させた際に、上記の各面S1,S2,S3,S4,S5の形状がパリソン24に転写されることにより、嵌合領域F1,F2及び樹脂循環領域F3、内方延出棚12及び外方延出棚14を有する環状大径部P3がブロー成形される。
なお、本実施の形態において、内方面S4及び外方面S5は、水平方向に延出した面形状を成しているため、かかる面S4,S5によりブロー成形される内方延出棚12及び外方延出棚14は、水平方向に延出成形される。なお、例えば図2(e)の拡大断面図に示すように内方延出棚12又は外方延出棚14或いは双方の延出棚12,14を傾斜させれば、ブロー成形性を向上させることができる。また、同図に示すように、嵌合成形面S1,S2に周方向に連続して延出した凸部32を設ければ、その凸部32がパリソン24に転写されることにより、嵌合領域F1,F2の内側に内周方向に沿って連続した2つのシール片16を一体成形することができる。
この場合、樹脂循環面S3は、嵌合成形面S1,S2の間(中間)に位置付けられている。このため、パリソン24が外側に拡張して(飛んで)最初に嵌合成形面S1に圧接した後、次に樹脂循環面S3に圧接するまでの拡張距離N1と、その樹脂循環面S3から最後に嵌合成形面S2に圧接するまでの拡張距離N2とを略等しくすることができる(図2(e))。この結果、ブロー成形された嵌合領域F1,F2及び樹脂循環領域F3の肉厚の変化を最小限に抑えることができるため、環状大径部P3の耐久性(強度)を維持向上させることが可能となる。
このように一次成形されたブーツ本体Pmは、その環状大径部P3の下端が切断刃34により切り取られた後、二次成形が施される。
図3(a),(b)には、ブーツ本体Pmに二次成形を施す装置が示されている。
かかる二次成形装置において、一次成形品であるブーツ本体Pmは、固定台36上にセットされた内側保持体(例えば、伸縮コア)38,40と外側保持体(例えば、金型(割型))42,44とを備えたシール機構で保持される。なお、内側保持体38,40はブーツ本体Pmを内側から保持し、外側保持体42,44はブーツ本体Pmを外側から保持する。
図3(a),(b)には、ブーツ本体Pmに二次成形を施す装置が示されている。
かかる二次成形装置において、一次成形品であるブーツ本体Pmは、固定台36上にセットされた内側保持体(例えば、伸縮コア)38,40と外側保持体(例えば、金型(割型))42,44とを備えたシール機構で保持される。なお、内側保持体38,40はブーツ本体Pmを内側から保持し、外側保持体42,44はブーツ本体Pmを外側から保持する。
内側保持体38,40の外周面は、ブーツ本体Pmの環状大径部P3の内周面形状を反転した形状を成している。この場合、外側保持体42,44でブーツ本体Pmを外側から保持した後、内側保持体38,40を矢印H1方向に伸ばして環状大径部P3に当接させると、内側保持体38,40の外周面と環状大径部P3の内周面とが互いに隙間無く密接する。この状態において、ブーツ本体Pmの環状大径部P3は、その内周面が内側保持体38,40により安定して且つ堅牢に保持される。
更に、かかる状態において、ブーツ本体Pmは、その環状大径部P3の直上近傍で且つ環状蛇腹部P2の下端が内側保持体38,40と外側保持体42,44とによりシール性良く挟持される。具体的に説明すると、環状大径部P3の直上近傍で且つ環状蛇腹部P2の下端は、環状蛇腹部P2の最下端の環状谷部Veを指しており、当該最下端の環状谷部Veが内側保持体38,40と外側保持体42,44のシール片42s,44sとによりシール性良く挟持される。
なお、ブーツ本体Pmに対する二次成形では、最下端の環状谷部Veが内側保持体38,40と外側保持体42,44のシール片42s,44sとによりシール性良く挟持できれば、その他の空間(例えば、外側保持体42,44の内周面42a,44aで規定される空間)は、ブーツ本体Pmの外形に合致した形状にする必要は無く、多少の隙間があっても良い。
なお、ブーツ本体Pmに対する二次成形では、最下端の環状谷部Veが内側保持体38,40と外側保持体42,44のシール片42s,44sとによりシール性良く挟持できれば、その他の空間(例えば、外側保持体42,44の内周面42a,44aで規定される空間)は、ブーツ本体Pmの外形に合致した形状にする必要は無く、多少の隙間があっても良い。
また、外側保持体42,44の内周面42a,44aには、環状大径部P3の嵌合肉盛部(厚肉部T1、薄肉部T2)及び樹脂循環肉盛部T3の外径輪郭に一致した内面形状を成す二次成形面が設けられている。具体的に説明すると、二次成形面は、その全周が回転対称を成しており、厚肉部T1を規定する厚肉面46d、薄肉部T2を規定する薄肉面46e、樹脂循環肉盛部T3を規定する循環面46a、循環面46aから下方に連続した下降面46b、厚肉面46d及び薄肉面46eにおいてバンド装着部10を規定するストッパ面46cにより構成されている。なお、厚肉面46d及び薄肉面46eは、同一周面として構成されており、同一の参照符号を付しても良いが、後述する厚肉部成形空間48及び薄肉部成形空間50を規定する上で図面上分かり易くするために、ここでは異なる参照符号を付している。
この場合、循環面46aは環状谷部Veをシールするシール片42s,44sから下り勾配で下降面46bに連続し、下降面46bはストッパ面46cを介して厚肉面46d及び薄肉面46eに連続している。そして、厚肉面46d及び薄肉面46eは、そのまま固定台36の固定面36sまで延出して当接している。
このような二次成形面によれば、内側保持体38,40と外側保持体42,44とでブーツ本体Pmを保持した状態において、二次成形面と環状大径部P3との間には、周方向に沿って肉厚が変化した肉盛部を成形するための肉盛成形空間が構成された状態となる。肉盛成形空間は、厚肉部T1を成形するための厚肉部成形空間48と、薄肉部T2を成形するための薄肉部成形空間50と、樹脂循環肉盛部T3を成形するための樹脂循環肉盛部成形空間(樹脂流通肉盛部成形空間とも言う)52とから構成されている。本実施の形態において、このような肉盛成形空間は、その外径が回転対称を成しており、樹脂循環肉盛部成形空間52は、環状大径部P3の外側に周方向に沿って一定の空間形状で且つその外径が回転対称を成している。
具体的に説明すると、厚肉部成形空間48及び薄肉部成形空間50は、上述した境界ラインLよりも下側に位置し、環状大径部P3の嵌合領域F1,F2と下降面46b及び厚肉面46d並びに薄肉面46eとの間に構成されている。また、樹脂循環肉盛部成形空間52は、上述した境界ラインLよりも上側に位置し、環状大径部P3の樹脂循環領域F3と循環面46a及び下降面46bとの間に構成されている。この場合、樹脂循環肉盛部成形空間52は、厚肉部成形空間48及び薄肉部成形空間50の上側に連通し、且つ、周方向に沿って形状変化すること無く同一の広い空間形状(断面形状)を成して連続する。即ち、樹脂循環肉盛部成形空間52は、その全周に亘って凹凸の無いストレート(滑らか)な環状空間を構成する。
このような肉盛成形空間48,50,52が構成された状態において、射出充填機構により当該肉盛成形空間48,50,52に溶融樹脂材料が射出充填される。本実施の形態では、射出充填機構の射出ノズル54が固定台36から厚肉部成形空間48に向けて配置されている。
なお、射出充填機構としては既存のものを利用することができるため、ここでは特に説明しない。また、複数の厚肉部成形空間48が構成されている場合に、それぞれの厚肉部成形空間48に対して同時に溶融樹脂材料を射出しても良いし、1つだけ又は選択した特定の厚肉部成形空間48に対して溶融樹脂材料を射出しても良い。また、溶融樹脂材料としては、例えばポリエステル系の熱可塑性エラストマなどの熱可塑性樹脂を用いることができるが、トリポッドブーツの使用目的や使用環境などに応じて、これ以外の樹脂材料を用いても良い。
なお、射出充填機構としては既存のものを利用することができるため、ここでは特に説明しない。また、複数の厚肉部成形空間48が構成されている場合に、それぞれの厚肉部成形空間48に対して同時に溶融樹脂材料を射出しても良いし、1つだけ又は選択した特定の厚肉部成形空間48に対して溶融樹脂材料を射出しても良い。また、溶融樹脂材料としては、例えばポリエステル系の熱可塑性エラストマなどの熱可塑性樹脂を用いることができるが、トリポッドブーツの使用目的や使用環境などに応じて、これ以外の樹脂材料を用いても良い。
射出充填機構の射出ノズル54から溶融樹脂材料を厚肉部成形空間48に射出すると、当該溶融樹脂材料は、厚肉部成形空間48に充填された後、その一部は隣接する薄肉部成形空間50に入り込むが、その大部分の溶融樹脂材料は、樹脂循環肉盛部成形空間52を経由した後、薄肉部成形空間50に充填される。この場合、樹脂循環肉盛部成形空間52は、その全周に亘って凹凸の無いストレート(滑らか)な環状空間を成しているため、溶融樹脂材料は比較的高速で且つスムーズ(滑らか)に樹脂循環肉盛部成形空間52に沿って流動(流通)し、効率良く(短時間に)薄肉部成形空間50に充填される。
このとき、樹脂循環肉盛部成形空間52に充填された溶融樹脂材料の圧力fが樹脂循環領域F3に作用することで、当該樹脂循環領域F3を矢印g方向に押圧する。この場合、樹脂循環領域F3と外側保持体42,44のシール片42s,44sとが更に強固に密着してシール性を向上させる。この結果、樹脂循環肉盛部成形空間52を流動する溶融樹脂材料は、当該樹脂循環肉盛部成形空間52から漏れ出すこと無く、効率良く(短時間に)薄肉部成形空間50に充填される。
この結果、例えばエアの巻き込みやウエルドライン(weld line)を生じること無く、溶融樹脂材料を二次成形面と環状大径部P3との間の肉盛成形空間(厚肉部成形空間48、薄肉部成形空間50、樹脂循環肉盛部成形空間52)の全体に万遍無く行き渡らせることができる。この後、外側保持体42,44を外した後、内側保持体38,40を矢印H2方向に縮めることにより、完成したトリポッドブーツをシール機構から取り出すことができる。
以上、本実施の形態によれば、一次成形において、嵌合領域F1,F2の上部側に連続し且つ環状蛇腹部P2に隣接した樹脂循環領域F3を成形すると共に、厚肉部T1の嵌合領域F1を樹脂循環領域F3よりも内方に且つ薄肉部T2の嵌合領域F2を樹脂循環領域F3よりも外方に位置付けたことにより、ブロー成形に際し厚肉部T1及び薄肉部T2の嵌合領域F1,F2と樹脂循環領域F3との厚さの変化を少なくすることができるため、ブーツ本体Pm(環状大径部P3)の耐久性を向上させることができる。
また、二次成形において、厚肉部成形空間48及び薄肉部成形空間50の上部側に連通し且つ周方向に沿って形状変化すること無く同一の広い空間形状(断面形状)を成して連続する樹脂循環肉盛部成形空間52を構成したことにより、厚肉部成形空間48に充填された溶融樹脂材料を樹脂循環肉盛部成形空間52を経由して薄肉部成形空間50に効率良く行き渡らせることができる。この場合、薄肉部成形空間が狭められている場合でも、例えばエアの巻き込みやウエルドライン(weld line)を発生すること無く溶融樹脂材料を肉盛成形空間(厚肉部成形空間48、薄肉部成形空間50、樹脂循環肉盛部成形空間52)の全体に万遍無く瞬時に効率良く行き渡らせることができるため、二次成形で一体化したバンド装着部10の外径を小さくすることができる。
更に、嵌合肉盛部(厚肉部T1)を内方延出棚12で係止し且つ樹脂循環肉盛部T3を外方延出棚14で係止したことにより、一次成形品であるブーツ本体Pm(環状大径部P3)から二次成形部分が脱落するのを防止することができる。
更に、二次成形において、周方向に沿って形状変化すること無く同一の広い空間形状(断面形状)を成して連続した樹脂循環肉盛部成形空間52により成形された樹脂循環肉盛部T3は、その肉厚が周方向に沿って一定で且つその外径が回転対称を成している。この場合、環状蛇腹部P2が弾性変形を繰り返しても、その際に生じる内部応力を樹脂循環肉盛部T3に沿って均一に分散させることができる。この結果、耐久性に優れたトリポッドブーツを実現することができる。
更に、二次成形において、周方向に沿って形状変化すること無く同一の広い空間形状(断面形状)を成して連続した樹脂循環肉盛部成形空間52により成形された樹脂循環肉盛部T3は、その肉厚が周方向に沿って一定で且つその外径が回転対称を成している。この場合、環状蛇腹部P2が弾性変形を繰り返しても、その際に生じる内部応力を樹脂循環肉盛部T3に沿って均一に分散させることができる。この結果、耐久性に優れたトリポッドブーツを実現することができる。
なお、上述した実施の形態では、溶融樹脂材料を厚肉部成形空間48に射出する場合を想定して説明したが、本発明は、これに限定されることは無く、以下のように射出位置を変更しても同様の効果を得ることができる。
例えば、薄肉部成形空間50に溶融樹脂材料を射出しても良い。この場合、溶融樹脂材料は、樹脂循環肉盛部成形空間52を経由した後、厚肉部成形空間48に充填される。
また、樹脂循環肉盛部成形空間52に溶融樹脂材料を射出しても良い。この場合、溶融樹脂材料は、厚肉部成形空間48及び薄肉部成形空間50に同時に充填される。
また、厚肉部成形空間48及び薄肉部成形空間50に溶融樹脂材料を同時に射出しても良い。この場合、溶融樹脂材料は瞬時に樹脂循環肉盛部成形空間52に充填される。
また、厚肉部成形空間48及び樹脂循環肉盛部成形空間52に溶融樹脂材料を同時に射出しても良い。この場合、溶融樹脂材料は瞬時に薄肉部成形空間50に充填される。
また、薄肉部成形空間50及び樹脂循環肉盛部成形空間52に溶融樹脂材料を同時に射出しても良い。この場合、溶融樹脂材料は瞬時に厚肉部成形空間48に充填される。
また、厚肉部成形空間48及び薄肉部成形空間50及び樹脂循環肉盛部成形空間52に溶融樹脂材料を同時に射出しても良い。この場合、溶融樹脂材料は厚肉部成形空間48及び薄肉部成形空間50及び樹脂循環肉盛部成形空間52に最も効率良く万遍無く瞬時に充填される。
例えば、薄肉部成形空間50に溶融樹脂材料を射出しても良い。この場合、溶融樹脂材料は、樹脂循環肉盛部成形空間52を経由した後、厚肉部成形空間48に充填される。
また、樹脂循環肉盛部成形空間52に溶融樹脂材料を射出しても良い。この場合、溶融樹脂材料は、厚肉部成形空間48及び薄肉部成形空間50に同時に充填される。
また、厚肉部成形空間48及び薄肉部成形空間50に溶融樹脂材料を同時に射出しても良い。この場合、溶融樹脂材料は瞬時に樹脂循環肉盛部成形空間52に充填される。
また、厚肉部成形空間48及び樹脂循環肉盛部成形空間52に溶融樹脂材料を同時に射出しても良い。この場合、溶融樹脂材料は瞬時に薄肉部成形空間50に充填される。
また、薄肉部成形空間50及び樹脂循環肉盛部成形空間52に溶融樹脂材料を同時に射出しても良い。この場合、溶融樹脂材料は瞬時に厚肉部成形空間48に充填される。
また、厚肉部成形空間48及び薄肉部成形空間50及び樹脂循環肉盛部成形空間52に溶融樹脂材料を同時に射出しても良い。この場合、溶融樹脂材料は厚肉部成形空間48及び薄肉部成形空間50及び樹脂循環肉盛部成形空間52に最も効率良く万遍無く瞬時に充填される。
このような射出位置の変更を実現する方法としては、本実施の形態の射出方式(ピンゲート方式)に代えて、例えばフィルムゲート方式を採用することが好ましい。フィルムゲート方式は、溶融樹脂材料を円周方向から薄膜状(フィルム状)に射出する方式である。
かかるフィルムゲート方式によれば、例えば図3(b)に示すような全ての二次成形面46a〜46e、更には固定台36の固定面36sからでも溶融樹脂材料をスムーズに射出することができる。これにより、例えばエアの巻き込みやウエルドライン(weld line)を発生すること無く溶融樹脂材料を肉盛成形空間(厚肉部成形空間48、薄肉部成形空間50、樹脂循環肉盛部成形空間52)の全体に万遍無く瞬時に効率良く行き渡らせることができる。
かかるフィルムゲート方式によれば、例えば図3(b)に示すような全ての二次成形面46a〜46e、更には固定台36の固定面36sからでも溶融樹脂材料をスムーズに射出することができる。これにより、例えばエアの巻き込みやウエルドライン(weld line)を発生すること無く溶融樹脂材料を肉盛成形空間(厚肉部成形空間48、薄肉部成形空間50、樹脂循環肉盛部成形空間52)の全体に万遍無く瞬時に効率良く行き渡らせることができる。
また、上述した実施の形態において、一次成形(ブーツ本体Pmの成形)時に用いる溶融樹脂材料(熱可塑性樹脂)と二次成形(厚肉部T1、薄肉部T2、樹脂循環肉盛部T3の成形)時に用いる溶融樹脂材料(熱可塑性樹脂)については、特にその種類について説明をしなかったが、一時成形及び二次成形において同一種類の溶融樹脂材料(熱可塑性樹脂)を使用しても良いし、或いは互いに異なる溶融樹脂材料(熱可塑性樹脂)を使用しても良い。なお、溶融樹脂材料(熱可塑性樹脂)の材質については、トリポッドブーツの使用目的や使用環境に応じて最適な材料が選択されるため、ここでは特に限定しない。
また、ブーツ本体Pmに二次成形を施す際(図3(a),(b))、厚肉部成形空間48に1又は複数の棒状部材(図示しない)を軸方向に一部挿入した状態で、射出ノズル54から溶融樹脂材料(熱可塑性樹脂)を二次成形空間に射出充填することにより、厚肉部T1のヒケを防止することができると同時に、完成したトリポッドブーツの厚肉部T1には、棒状部材によって成形された略円筒状の非貫通穴が構成されるため、トリポッドブーツの軽量化及び厚肉部T1の弾性向上を図ることもできる。なお、非貫通穴の内部形状は、棒状部材の外径形状に応じて任意の形状に設定することができるため、ここでは特に限定しない。
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されることは無く、以下のような構成例も本発明の技術的範囲に含まれる。
上述した実施の形態では、ブーツ本体Pmの環状大径部P3において、樹脂循環領域F3を厚肉部T1の嵌合領域F1と薄肉部T2の嵌合領域F2との間に位置付けた場合(例えば図2(d),(e)参照)を想定したが、例えば図4(a)に示すように、樹脂循環領域F3を厚肉部T1の嵌合領域F1及び薄肉部T2の嵌合領域F2と同じ位置に位置付けた場合でも、上記実施の形態と同様の技術的効果を得ることができる。
上述した実施の形態では、ブーツ本体Pmの環状大径部P3において、樹脂循環領域F3を厚肉部T1の嵌合領域F1と薄肉部T2の嵌合領域F2との間に位置付けた場合(例えば図2(d),(e)参照)を想定したが、例えば図4(a)に示すように、樹脂循環領域F3を厚肉部T1の嵌合領域F1及び薄肉部T2の嵌合領域F2と同じ位置に位置付けた場合でも、上記実施の形態と同様の技術的効果を得ることができる。
第1の変形例において、厚肉部T1側の樹脂循環領域F3と嵌合領域F1とは、内方延出棚12の延出端から下方に向って互いに同一位置に整列しており、一方、薄肉部T2側の樹脂循環領域F3と嵌合領域F1とは、環状蛇腹部P2の最下端の環状谷部Veから下り降りた部分から直接下方に向って互いに同一位置に整列している。この場合、樹脂循環領域F3の外側に二次成形された樹脂循環肉盛部T3は、薄肉部T2の上側に隣接し、そこから周方向に延出して厚肉部T1の上側の外周に連続している。なお、樹脂循環肉盛部T3は、必ずしも周方向に連続させる必要は無く、隣り合う厚肉部T1と薄肉部T2との境界に部分的に成形すれば良い。
ここで、トリポッドジョイント2のギヤハウジング2bの最大径をφX、ブーツ本体Pmの環状大径部P3の平均肉厚をta、バンド装着部10におけるバンド装着面10sの外径をφYとすると、樹脂循環肉盛部T3の最小肉厚tcは、{(φY−φX)/2}−ta=tb(薄肉部T2の肉厚)よりも大きく(tb<tc)なるように設定すれば良い。この場合、当該樹脂循環肉盛部T3の一部(バンド装着部10よりも外方に突出した部分)を大径側締結用バンドの位置決め用ストッパ壁10aとして兼用することができる。なお、本変形例において、厚肉部T1は内方延出棚12まで拡がっている。また、ギヤハウジング2bの最大径φXは、上述した実施の形態と同様であるため、その説明は省略する。
また、図4(a)では、樹脂循環肉盛部T3の断面形状を視覚的に把握できるように、樹脂循環肉盛部T3のハッチングの向きと嵌合肉盛部(厚肉部T1、薄肉部T2)のハッチングの向きとを相違させているが、これら嵌合肉盛部(厚肉部T1、薄肉部T2)及び樹脂循環肉盛部T3は、後述する二次成形工程において同時に且つ一体的に成形される。即ち、嵌合肉盛部(厚肉部T1、薄肉部T2)と樹脂循環肉盛部T3とは異なる部材では無い。
図4(b)には、上述したブーツ本体Pmの環状大径部P3の外側に二次成形して、厚肉部T1及び薄肉部T2並びに樹脂循環肉盛部T3を一体化させる装置が示されている。
まず、一次成形品であるブーツ本体Pmを内側保持体(例えば、伸縮コア)38,40と外側保持体(例えば、金型(割型))42,44とを備えたシール機構で保持する。この場合、内側保持体38,40の外周面は、上述したブーツ本体Pmの環状大径部P3の内周面形状を反転した形状を成していると共に、外側保持体42,44の内周面には、環状大径部P3の嵌合肉盛部(厚肉部T1、薄肉部T2)及び樹脂循環肉盛部T3の外径輪郭に一致した内面形状を成す二次成形面が設けられている。
まず、一次成形品であるブーツ本体Pmを内側保持体(例えば、伸縮コア)38,40と外側保持体(例えば、金型(割型))42,44とを備えたシール機構で保持する。この場合、内側保持体38,40の外周面は、上述したブーツ本体Pmの環状大径部P3の内周面形状を反転した形状を成していると共に、外側保持体42,44の内周面には、環状大径部P3の嵌合肉盛部(厚肉部T1、薄肉部T2)及び樹脂循環肉盛部T3の外径輪郭に一致した内面形状を成す二次成形面が設けられている。
具体的に説明すると、二次成形面は、厚肉部T1を規定する厚肉面46d、薄肉部T2を規定する薄肉面46e、樹脂循環肉盛部T3を規定する循環面46a、循環面46aから下方に連続した下降面46b、厚肉面46d及び薄肉面46eにおいてバンド装着部10を規定するストッパ面46cにより構成されている。この場合、厚肉面46d及び薄肉面46eは、そのまま固定台36の固定面36sまで延出して当接している。
ブーツ本体Pmをシール機構で保持した状態において、二次成形面と環状大径部P3との間には、周方向に沿って肉盛成形空間が構成された状態となる。肉盛成形空間は、厚肉部T1を成形するための厚肉部成形空間48と、薄肉部T2を成形するための薄肉部成形空間50と、樹脂循環肉盛部T3を成形するための樹脂循環肉盛部成形空間52とから構成されている。この場合、樹脂循環肉盛部成形空間52は、循環面46aと下降面46bとストッパ面46cとで囲まれた領域に構成される。
このような肉盛成形空間48,50,52が構成された状態において、射出充填機構により当該肉盛成形空間48,50,52に溶融樹脂材料が射出充填される。この場合、溶融樹脂材料の射出方法は、上述した実施の形態と同様であり、全ての二次成形面46a〜46e、更には固定台36の固定面36sから射出充填することができる。これにより、上述した実施の形態と同様に、例えばエアの巻き込みやウエルドライン(weld line)を発生すること無く溶融樹脂材料を肉盛成形空間(厚肉部成形空間48、薄肉部成形空間50、樹脂循環肉盛部成形空間52)の全体に万遍無く瞬時に効率良く行き渡らせることができる。
また、第2の変形例として、例えば図5(a)に示すような構成例も本発明の技術的範囲に含まれる。本変形例も上述した第1の変形例(図4)と同様に、樹脂循環領域F3を厚肉部T1の嵌合領域F1及び薄肉部T2の嵌合領域F2と同じ位置に位置付けた場合を想定している。ただし、上述した第1の変形例(図4)のトリポッドブーツには、内方延出棚12が設けられ、外方延出棚14は設けられていないが、これとは逆に本変形例では、外方延出棚14が設けられ、内方延出棚12は設けられていない。
第2の変形例において、厚肉部T1側の樹脂循環領域F3と嵌合領域F1とは、環状蛇腹部P2の最下端の環状谷部Veから直接下方に向って互いに同一位置に整列しており、一方、薄肉部T2側の樹脂循環領域F3と嵌合領域F1とは、外方延出棚14の延出端から下方に向って互いに同一位置に整列している。この場合、樹脂循環領域F3の外側に二次成形された樹脂循環肉盛部T3は、薄肉部T2の上側に隣接し、そこから周方向に延出して厚肉部T1の上側の外周に連続している。なお、樹脂循環肉盛部T3は、必ずしも周方向に連続させる必要は無く、隣り合う厚肉部T1と薄肉部T2との境界に部分的に成形すれば良い。
また、樹脂循環肉盛部T3の最小肉厚tcは、上述した実施の形態と同様に、{(φY−φX)/2}−ta=tb(薄肉部T2の肉厚)よりも大きく(tb<tc)なるように設定すれば良い。この場合、樹脂循環肉盛部T3の一部(バンド装着部10よりも外方に突出した部分)を大径側締結用バンドの位置決め用ストッパ壁10aとして兼用することができる。なお、本変形例において、厚肉部T1は外方延出棚14まで拡がっている。
また、図5(a)では、樹脂循環肉盛部T3の断面形状を視覚的に把握できるように、樹脂循環肉盛部T3のハッチングの向きと嵌合肉盛部(厚肉部T1、薄肉部T2)のハッチングの向きとを相違させているが、これら嵌合肉盛部(厚肉部T1、薄肉部T2)及び樹脂循環肉盛部T3は、後述する二次成形工程において同時に且つ一体的に成形される。即ち、嵌合肉盛部(厚肉部T1、薄肉部T2)と樹脂循環肉盛部T3とは異なる部材では無い。
図5(b)には、上述したブーツ本体Pmの環状大径部P3の外側に二次成形して、厚肉部T1及び薄肉部T2並びに樹脂循環肉盛部T3を一体化させる装置が示されている。
まず、一次成形品であるブーツ本体Pmを内側保持体(例えば、伸縮コア)38,40と外側保持体(例えば、金型(割型))42,44とを備えたシール機構で保持する。この場合、内側保持体38,40の外周面は、上述したブーツ本体Pmの環状大径部P3の内周面形状を反転した形状を成していると共に、外側保持体42,44の内周面には、環状大径部P3の嵌合肉盛部(厚肉部T1、薄肉部T2)及び樹脂循環肉盛部T3の外径輪郭に一致した内面形状を成す二次成形面が設けられている。
まず、一次成形品であるブーツ本体Pmを内側保持体(例えば、伸縮コア)38,40と外側保持体(例えば、金型(割型))42,44とを備えたシール機構で保持する。この場合、内側保持体38,40の外周面は、上述したブーツ本体Pmの環状大径部P3の内周面形状を反転した形状を成していると共に、外側保持体42,44の内周面には、環状大径部P3の嵌合肉盛部(厚肉部T1、薄肉部T2)及び樹脂循環肉盛部T3の外径輪郭に一致した内面形状を成す二次成形面が設けられている。
具体的に説明すると、二次成形面は、厚肉部T1を規定する厚肉面46d、薄肉部T2を規定する薄肉面46e、樹脂循環肉盛部T3を規定する循環面46a、循環面46aから下方に連続した下降面46b、厚肉面46d及び薄肉面46eにおいてバンド装着部10を規定するストッパ面46cにより構成されている。この場合、厚肉面46d及び薄肉面46eは、そのまま固定台36の固定面36sまで延出して当接している。
ブーツ本体Pmをシール機構で保持した状態において、二次成形面と環状大径部P3との間には、周方向に沿って肉盛成形空間が構成された状態となる。肉盛成形空間は、厚肉部T1を成形するための厚肉部成形空間48と、薄肉部T2を成形するための薄肉部成形空間50と、樹脂循環肉盛部T3を成形するための樹脂循環肉盛部成形空間52とから構成されている。この場合、樹脂循環肉盛部成形空間52は、循環面46aと下降面46bとストッパ面46cとで囲まれた領域に構成される。
このような肉盛成形空間48,50,52が構成された状態において、射出充填機構により当該肉盛成形空間48,50,52に溶融樹脂材料が射出充填される。この場合、溶融樹脂材料の射出方法は、上述した実施の形態と同様であり、全ての二次成形面46a〜46e、更には固定台36の固定面36sから射出充填することができる。これにより、上述した実施の形態と同様に、例えばエアの巻き込みやウエルドライン(weld line)を発生すること無く溶融樹脂材料を肉盛成形空間(厚肉部成形空間48、薄肉部成形空間50、樹脂循環肉盛部成形空間52)の全体に万遍無く瞬時に効率良く行き渡らせることができる。
なお、上述した2つの変形例は一例であり、本発明がこれらの変形例により何等限定されるものでは無い。要するに、樹脂循環肉盛部T3の最小肉厚tcが{(φY−φX)/2}−ta=tb(薄肉部T2の肉厚)よりも大きく(tb<tc)なるといった設定条件を満足するようなトリポッドブーツは、全て本発明の技術的範囲に含まれる。
このような設定条件を満足するトリポッドブーツの構成例として、例えば図6及び図7には、本発明の第3及び第4の変形例が示されている。なお、各変形例では一例として、外方延出棚14が設けられ、内方延出棚12は設けられていないトリポッドブーツを想定する。
このような設定条件を満足するトリポッドブーツの構成例として、例えば図6及び図7には、本発明の第3及び第4の変形例が示されている。なお、各変形例では一例として、外方延出棚14が設けられ、内方延出棚12は設けられていないトリポッドブーツを想定する。
第3の変形例において、例えば図6(a)に示すように、厚肉部T1側の嵌合領域F1と樹脂循環領域F3とは、環状蛇腹部P2の最下端の環状谷部Veから直接下方に向って互いに同一位置に整列しており、一方、薄肉部T2側の嵌合領域F1と樹脂循環領域F3とは、外方延出棚14の延出端から下方に向って互いに同一位置に整列している。この場合、樹脂循環領域F3の外側に二次成形された樹脂循環肉盛部T3は、薄肉部T2の下側に隣接し、そこから周方向に延出して厚肉部T1の下側の外周に連続している。なお、樹脂循環肉盛部T3は、必ずしも周方向に連続させる必要は無く、隣り合う厚肉部T1と薄肉部T2との境界に部分的に成形すれば良い。
この場合、上述した実施の形態と同様に、樹脂循環肉盛部T3の最小肉厚tcを{(φY−φX)/2}−ta=tb(薄肉部T2の肉厚)よりも大きく(tb<tc)なるように設定することにより、樹脂循環肉盛部T3の一部(バンド装着部10よりも外方に突出した部分)を大径側締結用バンドの位置決め用ストッパ壁10bとして兼用することができる。なお、本変形例において、厚肉部T1は外方延出棚14まで拡がっている。
また、図6(a)では、樹脂循環肉盛部T3の断面形状を視覚的に把握できるように、樹脂循環肉盛部T3のハッチングの向きと嵌合肉盛部(厚肉部T1、薄肉部T2)のハッチングの向きとを相違させているが、これら嵌合肉盛部(厚肉部T1、薄肉部T2)及び樹脂循環肉盛部T3は、後述する二次成形工程において同時に且つ一体的に成形される。即ち、嵌合肉盛部(厚肉部T1、薄肉部T2)と樹脂循環肉盛部T3とは異なる部材では無い。
図6(b)には、上述したブーツ本体Pmの環状大径部P3の外側に二次成形して、厚肉部T1及び薄肉部T2並びに樹脂循環肉盛部T3を一体化させる装置が示されている。
まず、一次成形品であるブーツ本体Pmを内側保持体(例えば、伸縮コア)38,40と外側保持体(例えば、金型(割型))42,44とを備えたシール機構で保持する。この場合、内側保持体38,40の外周面は、上述したブーツ本体Pmの環状大径部P3の内周面形状を反転した形状を成していると共に、外側保持体42,44の内周面には、環状大径部P3の嵌合肉盛部(厚肉部T1、薄肉部T2)及び樹脂循環肉盛部T3の外径輪郭に一致した内面形状を成す二次成形面が設けられている。
まず、一次成形品であるブーツ本体Pmを内側保持体(例えば、伸縮コア)38,40と外側保持体(例えば、金型(割型))42,44とを備えたシール機構で保持する。この場合、内側保持体38,40の外周面は、上述したブーツ本体Pmの環状大径部P3の内周面形状を反転した形状を成していると共に、外側保持体42,44の内周面には、環状大径部P3の嵌合肉盛部(厚肉部T1、薄肉部T2)及び樹脂循環肉盛部T3の外径輪郭に一致した内面形状を成す二次成形面が設けられている。
具体的に説明すると、二次成形面は、後述する肉盛成形空間の上限を規定する上限規定面56a、厚肉部T1を規定する厚肉面56b、薄肉部T2を規定する薄肉面56c、樹脂循環肉盛部T3を規定する循環面56d、循環面56dから固定台36の固定面36sまで下降した下降面56eにより構成されており、循環面56dにより大径側締結用バンドの位置決め用ストッパ壁10bが成形されることになる。なお、厚肉面56b及び薄肉面56cは、同一周面として構成されており、同一の参照符号を付しても良いが、後述する厚肉部成形空間48及び薄肉部成形空間50を規定する上で図面上分かり易くするために、ここでは異なる参照符号を付している。
ブーツ本体Pmをシール機構で保持した状態において、二次成形面と環状大径部P3との間には、周方向に沿って肉盛成形空間が構成された状態となる。肉盛成形空間は、厚肉部T1を成形するための厚肉部成形空間48と、薄肉部T2を成形するための薄肉部成形空間50と、樹脂循環肉盛部T3を成形するための樹脂循環肉盛部成形空間52とから構成されている。この場合、樹脂循環肉盛部成形空間52は、循環面56dと下降面56eと固定面36sとで囲まれた領域に構成される。
このような肉盛成形空間48,50,52が構成された状態において、射出充填機構により当該肉盛成形空間48,50,52に溶融樹脂材料が射出充填される。この場合、溶融樹脂材料の射出方法は、上述した実施の形態と同様であり、全ての二次成形面56a〜56e、更には固定台36の固定面36sから射出充填することができる。これにより、上述した実施の形態と同様に、例えばエアの巻き込みやウエルドライン(weld line)を発生すること無く溶融樹脂材料を肉盛成形空間(厚肉部成形空間48、薄肉部成形空間50、樹脂循環肉盛部成形空間52)の全体に万遍無く瞬時に効率良く行き渡らせることができる。
また、第4の変形例において、例えば図7(a)に示すように、樹脂循環領域F3の外側に二次成形された樹脂循環肉盛部T3は、嵌合肉盛部(厚肉部T1、薄肉部T2)の中側に成形され、当該厚肉部T1及び薄肉部T2を経由して周方向に連続している。具体的に説明すると、ブーツ本体Pmにおける薄肉部T2側の環状大径部P3には、部分的に内側に窪ませた窪み部58sが構成されており、樹脂循環肉盛部T3は、その窪み部58sに成形されている。
この場合、樹脂循環肉盛部T3は、薄肉部T2の内側に突設された状態となり、そこから周方向に延出した厚肉部T1の中側に連続している。なお、樹脂循環肉盛部T3は、必ずしも周方向に連続させる必要は無く、隣り合う厚肉部T1と薄肉部T2との境界に部分的に成形すれば良い。また、図7(a)に例示された樹脂循環肉盛部T3の位置は、あくまで一例であり、上記構成を満足すれば、上下方向にずらして構成しても良い。
また、樹脂循環肉盛部T3の最小肉厚tcは、上述した実施の形態と同様に、{(φY−φX)/2}−ta=tb(薄肉部T2の肉厚)よりも大きく(tb<tc)なるように設定すれば良い。なお、本変形例において、厚肉部T1は外方延出棚14まで拡がっている。
また、図7(a)では、樹脂循環肉盛部T3の断面形状を視覚的に把握できるように、樹脂循環肉盛部T3のハッチングの向きと嵌合肉盛部(厚肉部T1、薄肉部T2)のハッチングの向きとを相違させているが、これら嵌合肉盛部(厚肉部T1、薄肉部T2)及び樹脂循環肉盛部T3は、後述する二次成形工程において同時に且つ一体的に成形される。即ち、嵌合肉盛部(厚肉部T1、薄肉部T2)と樹脂循環肉盛部T3とは異なる部材では無い。
また、図7(a)では、樹脂循環肉盛部T3の断面形状を視覚的に把握できるように、樹脂循環肉盛部T3のハッチングの向きと嵌合肉盛部(厚肉部T1、薄肉部T2)のハッチングの向きとを相違させているが、これら嵌合肉盛部(厚肉部T1、薄肉部T2)及び樹脂循環肉盛部T3は、後述する二次成形工程において同時に且つ一体的に成形される。即ち、嵌合肉盛部(厚肉部T1、薄肉部T2)と樹脂循環肉盛部T3とは異なる部材では無い。
図7(b)には、上述したブーツ本体Pmの環状大径部P3の外側に二次成形して、厚肉部T1及び薄肉部T2並びに樹脂循環肉盛部T3を一体化させる装置が示されている。
まず、一次成形品であるブーツ本体Pmを内側保持体(例えば、伸縮コア)38,40と外側保持体(例えば、金型(割型))42,44とを備えたシール機構で保持する。この場合、内側保持体38,40の外周面は、上述したブーツ本体Pmの環状大径部P3の内周面形状を反転した形状を成している。また、樹脂循環肉盛部T3は、薄肉部T2の内側から厚肉部T1の中側に連続しているため、環状大径部P3の嵌合肉盛部(厚肉部T1、薄肉部T2)の外側に現れることは無い。従って、外側保持体42,44の内周面には、環状大径部P3の嵌合肉盛部(厚肉部T1、薄肉部T2)の外径輪郭に一致した内面形状を成す二次成形面が設けられている。
まず、一次成形品であるブーツ本体Pmを内側保持体(例えば、伸縮コア)38,40と外側保持体(例えば、金型(割型))42,44とを備えたシール機構で保持する。この場合、内側保持体38,40の外周面は、上述したブーツ本体Pmの環状大径部P3の内周面形状を反転した形状を成している。また、樹脂循環肉盛部T3は、薄肉部T2の内側から厚肉部T1の中側に連続しているため、環状大径部P3の嵌合肉盛部(厚肉部T1、薄肉部T2)の外側に現れることは無い。従って、外側保持体42,44の内周面には、環状大径部P3の嵌合肉盛部(厚肉部T1、薄肉部T2)の外径輪郭に一致した内面形状を成す二次成形面が設けられている。
具体的に説明すると、二次成形面は、後述する肉盛成形空間の上限を規定する上限規定面56a、厚肉部T1を規定する厚肉面56b、薄肉部T2を規定する薄肉面56cにより構成されている。この場合、厚肉面56b及び薄肉面56cは、そのまま固定台36の固定面36sまで延出して当接している。
ブーツ本体Pmをシール機構で保持した状態において、二次成形面と環状大径部P3との間には、周方向に沿って肉盛成形空間が構成された状態となる。肉盛成形空間は、厚肉部T1を成形するための厚肉部成形空間48と、薄肉部T2を成形するための薄肉部成形空間50と、樹脂循環肉盛部T3を成形するための樹脂循環肉盛部成形空間52とから構成されている。この場合、樹脂循環肉盛部成形空間52は、薄肉面56cと窪み部58sとで囲まれた領域に構成される。
このような肉盛成形空間48,50,52が構成された状態において、射出充填機構により当該肉盛成形空間48,50,52に溶融樹脂材料が射出充填される。この場合、溶融樹脂材料の射出方法は、上述した実施の形態と同様であり、全ての二次成形面56a〜56c、更には固定台36の固定面36sから射出充填することができる。これにより、上述した実施の形態と同様に、例えばエアの巻き込みやウエルドライン(weld line)を発生すること無く溶融樹脂材料を肉盛成形空間(厚肉部成形空間48、薄肉部成形空間50、樹脂循環肉盛部成形空間52)の全体に万遍無く瞬時に効率良く行き渡らせることができる。
また、樹脂循環肉盛部T3の構成としては、上述した第1〜第4の変形例を任意に組合せて構成しても良い。例えば第1又は第2の変形例(図4又は図5)と第3の変形例(図6)とを組合せることにより、バンド装着部10の上下にストッパ壁10a,10bを構成することができる。また、例えば第1又は第2の変形例(図4又は図5)と第3の変形例(図6)と第4の変形例(図7)とを全て組合せて構成しても良い。更に、例えば厚肉部T1と薄肉部T2とが隣接する部分に第1〜第4の変形例の樹脂循環肉盛部T3を異なる組合せで構成しても良い。異なる組み合わせの一例としては、厚肉部T1の両側に隣接した薄肉部T2に対して、その一方側に例えば第1の変形例(図4(a))の樹脂循環肉盛部T3を構成し、その他方側に例えば第3の変形例(図6(a))の樹脂循環肉盛部T3を構成する。
また、上述した各実施の形態において、ブーツ本体Pmを成形する方法及び装置は一例であり、他の方法及び装置でブーツ本体Pmを成形しても良く、本発明の範囲内で設計変更可能である。例えばブーツ本体Pm全体を射出成形により一体成形しても良い。また、上述した各実施の形態においてブーツ本体Pmを一次成形する方法では、射出成形した環状小径部P1を上方に引き上げることでパリソン24を下方に引き延ばす方法を例示しているが、これとは逆に、射出成形した環状小径部P1を下方に引き下げることでパリソン24を上方に引き延ばす方法であっても良い。
更に、第5の変形例において、例えば図8(a)に示すように、樹脂循環領域F3をシール片16の外側(ブーツ本体Pmの外側)に一次成形された凹部60gとして構成し、当該凹部60gの外側に樹脂循環肉盛部T3を二次成形しても良い。なお、凹部60gは、例えば図2(d),(e)に示すように、ブーツ本体Pmを一次成形(ブロー成形)する際に、成形金型(割型)26a,26bのブロー成形面30a,30bに設けられた凸部32が転写された形跡であり、当該凸部32がパリソン24(図2(b).(c))に転写されることで厚肉部T1及び薄肉部T2における嵌合領域F1,F2の外側に凹部60gが連続して形成される。そして、このような凹部60gが転写されることで厚肉部T1及び薄肉部T2における嵌合領域F1,F2の内側には、内周方向に沿って連続した2つのシール片16が一体成形される。
本変形例では、薄肉部T2における嵌合領域F2の外側に一次成形された凹部60gを樹脂循環領域F3とし、当該樹脂循環領域F3(凹部60g)の外側に二次成形された樹脂循環肉盛部T3は、薄肉部T2の中側に成形され、厚肉部T1まで連続している。この場合、樹脂循環肉盛部T3の最小肉厚tcは、上述した実施の形態と同様に、{(φY−φX)/2}−ta=tb(薄肉部T2の肉厚)よりも大きく(tb<tc)なるように設定すれば良い。なお、本変形例において、厚肉部T1は外方延出棚14まで拡がっている。また、図8(a)では、樹脂循環肉盛部T3の断面形状を視覚的に把握できるように、樹脂循環肉盛部T3のハッチングの向きと嵌合肉盛部(厚肉部T1、薄肉部T2)のハッチングの向きとを相違させているが、これら嵌合肉盛部(厚肉部T1、薄肉部T2)及び樹脂循環肉盛部T3は、後述する二次成形工程において同時に且つ一体的に成形される。即ち、嵌合肉盛部(厚肉部T1、薄肉部T2)と樹脂循環肉盛部T3とは異なる部材では無い。
図8(b)には、上述したブーツ本体Pmの環状大径部P3の外側に二次成形して、厚肉部T1及び薄肉部T2並びに樹脂循環肉盛部T3を一体化させる装置が示されている。
まず、一次成形品であるブーツ本体Pmを内側保持体(例えば、伸縮コア)38,40と外側保持体(例えば、金型(割型))42,44とを備えたシール機構で保持する。この場合、内側保持体38,40の外周面は、上述したブーツ本体Pmの環状大径部P3の内周面形状を反転した形状を成している。また、樹脂循環肉盛部T3は、薄肉部T2の中側から当該薄肉部T2の外周と同一平面内で厚肉部T1に連続しているため、環状大径部P3の嵌合肉盛部(厚肉部T1、薄肉部T2)の外側に現れることは無い。従って、外側保持体42,44の内周面には、環状大径部P3の嵌合肉盛部(厚肉部T1、薄肉部T2)の外径輪郭に一致した内面形状を成す二次成形面が設けられている。
まず、一次成形品であるブーツ本体Pmを内側保持体(例えば、伸縮コア)38,40と外側保持体(例えば、金型(割型))42,44とを備えたシール機構で保持する。この場合、内側保持体38,40の外周面は、上述したブーツ本体Pmの環状大径部P3の内周面形状を反転した形状を成している。また、樹脂循環肉盛部T3は、薄肉部T2の中側から当該薄肉部T2の外周と同一平面内で厚肉部T1に連続しているため、環状大径部P3の嵌合肉盛部(厚肉部T1、薄肉部T2)の外側に現れることは無い。従って、外側保持体42,44の内周面には、環状大径部P3の嵌合肉盛部(厚肉部T1、薄肉部T2)の外径輪郭に一致した内面形状を成す二次成形面が設けられている。
具体的に説明すると、二次成形面は、後述する肉盛成形空間の上限を規定する上限規定面56a、厚肉部T1を規定する厚肉面56b、薄肉部T2を規定する薄肉面56cにより構成されている。この場合、厚肉面56b及び薄肉面56cは、そのまま固定台36の固定面36sまで延出して当接している。
ブーツ本体Pmをシール機構で保持した状態において、二次成形面と環状大径部P3との間には、周方向に沿って肉盛成形空間が構成された状態となる。肉盛成形空間は、厚肉部T1を成形するための厚肉部成形空間48と、薄肉部T2を成形するための薄肉部成形空間50と、樹脂循環肉盛部T3を成形するための樹脂循環肉盛部成形空間52とから構成されている。この場合、樹脂循環肉盛部成形空間52は、薄肉面56cと凹部60gとで囲まれた領域に構成される。
このような肉盛成形空間48,50,52が構成された状態において、射出充填機構により当該肉盛成形空間48,50,52に溶融樹脂材料が射出充填される。この場合、溶融樹脂材料の射出方法は、上述した実施の形態と同様であり、全ての二次成形面56a〜56c、更には固定台36の固定面36sから射出充填することができる。これにより、上述した実施の形態と同様に、例えばエアの巻き込みやウエルドライン(weld line)を発生すること無く溶融樹脂材料を肉盛成形空間(厚肉部成形空間48、薄肉部成形空間50、樹脂循環肉盛部成形空間52)の全体に万遍無く瞬時に効率良く行き渡らせることができる。
なお、第5の変形例では、シール片16を成形する際に転写された凹部60gを利用して溶融樹脂材料を循環させているが、これに限定されることは無く、これら凹部60g相互間、或いは、図中上側の凹部60gと外方延出棚14との間、図中下側の凹部60gと固定台36の固定面36sとの間のいずれか又は全てに新たな凹部60g(図示しない)を成形しても良い。この場合、新たな凹部60gの本数或いは幅や深さについては任意に設定することができるため、ここでは特に限定しないが、新たな凹部60gの本数については、本数を増やすことで溶融樹脂材料の循環効率を向上させることができる。また、新たな凹部60gについては、シール片16の外側の凹部60gと同様に、薄肉部T2の全体に亘って厚肉部T1まで延出させても良いが、隣り合う厚肉部T1と薄肉部T2との境界に部分的に成形しても良い。
8,10 バンド装着部
F1,F2 環状大径部の嵌合領域
F3 環状大径部の樹脂循環領域(樹脂流通領域)
K 環状の肩部
L 境界ライン
M 環状山部
P1 環状小径部
P2 環状蛇腹部
P3 環状大径部
Pm 一次成形品であるブーツ本体
T1 厚肉部
T2 薄肉部
T3 樹脂循環肉盛部(樹脂流通肉盛部)
V 環状谷部
F1,F2 環状大径部の嵌合領域
F3 環状大径部の樹脂循環領域(樹脂流通領域)
K 環状の肩部
L 境界ライン
M 環状山部
P1 環状小径部
P2 環状蛇腹部
P3 環状大径部
Pm 一次成形品であるブーツ本体
T1 厚肉部
T2 薄肉部
T3 樹脂循環肉盛部(樹脂流通肉盛部)
V 環状谷部
Claims (5)
- 等速ジョイントの軸部に嵌合させる環状小径部(P1)と、等速ジョイントのギヤハウジングの外周に沿った形状を成し且つ当該ギヤハウジングに嵌合させる環状大径部(P3)と、環状小径部と環状大径部との間に設けられた環状蛇腹部(P2)とを有するブーツ本体(Pm)を一次成形した後、当該ブーツ本体に二次成形を施して、環状大径部の外側に周方向に沿って肉厚が変化した肉盛部を一体化させた等速ジョイント用ブーツであって、
ブーツ本体の環状大径部には、ギヤハウジングの外周に嵌合する非回転対称を成す嵌合領域(F1,F2)が設けられていると共に、当該嵌合領域の外側に二次成形された肉盛部は、肉厚が比較的厚く成形された少なくとも1つの厚肉部(T1)と肉厚が比較的薄く成形された少なくとも1つの薄肉部(T2)とから構成されており、
前記肉盛部の少なくとも厚肉部と薄肉部とが隣接する部分には、二次成形において溶融樹脂材料を流通させたことで成形された樹脂流通肉盛部(T3)が一体的に構成されており、当該樹脂流通肉盛部の最小肉厚(tc)は、薄肉部の肉厚(tb)よりも大きく設定されていることを特徴とする等速ジョイント用ブーツ。 - 樹脂流通肉盛部は、前記肉盛部の上側、下側、中側のいずれかに成形可能であることを特徴とする請求項1に記載の等速ジョイント用ブーツ。
- 樹脂流通肉盛部の外面の一部は、バンドの位置決め用ストッパ壁として兼用可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載の等速ジョイント用ブーツ。
- 請求項1〜3のいずれか1に記載の等速ジョイント用ブーツを製造する製造方法であって、等速ジョイントの軸部に嵌合させる環状小径部と、等速ジョイントのギヤハウジングの外周に沿った形状を成し且つ当該ギヤハウジングに嵌合させる環状大径部と、環状小径部と環状大径部との間に設けられた環状蛇腹部とを有するブーツ本体を一次成形した後、当該ブーツ本体に二次成形を施して、環状大径部の外側に周方向に沿って肉厚が変化した肉盛部を一体化させる工程とを有しており、
一次成形されたブーツ本体に二次成形を施す工程は、
ブーツ本体を内側から保持する内側保持体とブーツ本体を外側から保持する外側保持体とにより、環状大径部の直上近傍で且つ環状蛇腹部の下端を挟持してシールするシール工程と、
シール工程において、環状大径部と外側保持体との間に周方向に沿って肉厚が変化した肉盛部を成形するための肉盛成形空間を構成する工程と、
肉盛成形空間に溶融樹脂材料を射出充填する射出充填工程とを有し、
肉盛成形空間は、厚肉部を成形するための厚肉部成形空間と、薄肉部を成形するための薄肉部成形空間と、樹脂流通肉盛部を成形するための樹脂流通肉盛部成形空間とから構成されており、
射出充填工程において、溶融樹脂材料を厚肉部成形空間又は薄肉部成形空間又は樹脂流通肉盛部成形空間或いはこれら空間から任意に選択した少なくとも2つの空間に射出することにより、当該溶融樹脂材料が厚肉部成形空間及び薄肉部成形空間並びに樹脂流通肉盛部成形空間の全体に亘って充填されることを特徴とする等速ジョイント用ブーツの製造方法。 - 請求項1〜3のいずれか1に記載の等速ジョイント用ブーツを製造する製造装置であって、等速ジョイントの軸部に嵌合させる環状小径部と、等速ジョイントのギヤハウジングの外周に沿った形状を成し且つ当該ギヤハウジングに嵌合させる環状大径部と、環状小径部と環状大径部との間に設けられた環状蛇腹部とを有するブーツ本体を一次成形する装置と、当該ブーツ本体に二次成形を施して、環状大径部の外側に周方向に沿って肉厚が変化した肉盛部を一体化させる装置とを備えており、
一次成形されたブーツ本体に二次成形を施す装置は、
ブーツ本体を内側から保持する内側保持体とブーツ本体を外側から保持する外側保持体とにより、環状大径部の直上近傍で且つ環状蛇腹部の下端を挟持してシールするシール機構と、
シール機構により環状大径部と外側保持体との間に周方向に沿って肉厚が変化した肉盛部を成形するための肉盛成形空間が構成された状態において、当該肉盛成形空間に溶融樹脂材料を射出充填する射出充填機構とを備えており、
肉盛成形空間は、厚肉部を成形するための厚肉部成形空間と、薄肉部を成形するための薄肉部成形空間と、樹脂流通肉盛部を成形するための樹脂流通肉盛部成形空間とから構成されており、
射出充填機構により溶融樹脂材料を厚肉部成形空間又は薄肉部成形空間又は樹脂流通肉盛部成形空間或いはこれら空間から任意に選択した少なくとも2つの空間に射出することにより、当該溶融樹脂材料が厚肉部成形空間及び薄肉部成形空間並びに樹脂流通肉盛部成形空間の全体に亘って充填されることを特徴とする等速ジョイント用ブーツの製造装置。
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JP2005135613A JP2006312962A (ja) | 2005-05-09 | 2005-05-09 | 等速ジョイント用ブーツ、等速ジョイント用ブーツの製造方法、等速ジョイント用ブーツの製造装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR101778470B1 (ko) | 2016-11-16 | 2017-09-13 | 허용훈 | 등속 조인트용 부트의 결합부재 성형을 위한 사출장치와 등속 조인트용 부트의 결합부재 사출방법 |
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- 2005-05-09 JP JP2005135613A patent/JP2006312962A/ja active Pending
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