JP2006312780A - めっき装置及びめっき方法 - Google Patents

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敬一 倉科
Tsutomu Nakada
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Abstract

【課題】表面により高いシート抵抗をもつ基板に対しても、基板の表面の全面により均一な膜厚のめっき膜を形成して、金属を配線用凹部内にボイドを生じさせることなく確実に埋込むことができるようにする。
【解決手段】基板を保持する基板保持部と、基板保持部で保持した基板Wと接触して通電させるカソード電極88を備えたカソード部と、基板保持部で保持した基板Wの表面に対向するように配置され、全体または一部を高抵抗としたアノード98を有し、基板保持部で保持した基板Wとアノード98との間にめっき液を満たして基板Wの表面にめっきを行う。
【選択図】図12

Description

本発明はめっき装置及びめっき方法に係り、特に半導体基板などの基板の表面に形成された微細な配線用凹部(回路パターン)に銅等の金属(配線材料)を埋込んで配線を形成するのに使用されるめっき装置及びめっき方法に関する。
近年、半導体基板上に配線回路を形成するための金属材料として、アルミニウムまたはアルミニウム合金に代えて、電気抵抗率が低くエレクトロマイグレーション耐性が高い銅(Cu)を用いる動きが顕著になっている。この種の銅配線は、基板の表面に設けた微細な配線用凹部の内部に銅を埋込むことによって一般に形成される。この銅配線を形成する方法としては、CVD、スパッタリング及びめっきといった手法があるが、いずれにしても、基板のほぼ全表面に銅を成膜して、化学的機械的研磨(CMP)により不要の銅を除去するようにしている。
図1は、この種の銅配線基板の製造例を工程順に示す。先ず、図1(a)に示すように、半導体素子を形成した半導体基材1上の導電層1aの上にSiOからなる酸化膜やLow−k材膜等の絶縁膜2を堆積し、この絶縁膜2の内部に、リソグラフィ・エッチング技術により、配線用凹部としてのコンタクトホール3とトレンチ4を形成する。その上にTaNやTiN等からなるバリア層5、更にその上に電解めっきの給電層としてシード層7をスパッタリングやCVD等によって形成する。
そして、図1(b)に示すように、基板Wのシード層7の表面に銅めっきを施すことで、コンタクトホール3及びトレンチ4内に銅を充填するとともに、絶縁膜2上に銅膜6を堆積する。その後、化学的機械的研磨(CMP)により、絶縁膜2上の銅膜6、シード層7及びバリア層5を除去して、コンタクトホール3及びトレンチ4内に充填させた銅膜6の表面と絶縁膜2の表面とをほぼ同一平面にする。これにより、図1(c)に示すように、絶縁膜2の内部に銅膜6からなる配線が形成される。
近年、半導体デバイスの銅配線形成プロセスでは、微細配線化が進み、そのデザインルールも0.18μm世代から0.13μm世代、更には0.10μm世代に移行すると考えられ、場合によっては、シード層レスの世代の到来もないとはいえない。このように、微細配線化が進むと、シード層の厚さをより薄くしないと、配線用凹部の入口がオーバーハングした膜となり、めっき時にボイドができやすくなる。このため、デザインルールが0.18μm世代のシード膜の膜厚は、一般的には基板平面上で150〜200nm程度であるが、0.13μm世代では、めっき時のボイドの発生を防止するため、これらが50nm程度となり、更に0.10μm世代では、5〜25nm程度まで薄膜化する可能性がある。
ここで、基板に形成したシード層の表面に電解銅めっきを行う場合、低抵抗(抵抗がほぼゼロ)のアノードを使用し、シード層の外周部を電極(電気接点)に接触させてシード層に給電しつつ、アノードとのシード層との間にめっき電流を流すようにしている。このため、シード層が薄ければ薄いほど、めっき開始直後におけるシード層のシート抵抗が高くなり、めっき電流がシード層の外周部に集中する。
つまり、電源から供給される電流がアノードからめっき液を通って基板の表面(被めっき面)、つまりシード層に流れる電気回路を考えたとき、シード層への給電点があるシード層の外周部へ流れる電流経路にはめっき液の抵抗だけが存在するが、シード層の中心へ流れる電流経路には、めっき液の抵抗に加えシード層の中心から給電点のある外周部までのシード層自体の電気抵抗、つまりシード層のシート抵抗も存在する。基板上に形成される電気回路パターンの微細化に伴って、めっきの前工程で形成されるシード層の膜厚が薄くなると、シード層の電気抵抗(シート抵抗)が大きくなり、基板中心を通る電流経路と基板外周部を通る電流経路の抵抗の差が大きくなり、基板中心には電流が流れにくくなる。その結果、基板の外周部ではめっき量が増え、給電点から遠い基板の中心付近はめっき量が減る傾向が強くなる。この様な、給電点からの距離に比例して大きくなる電気抵抗の影響はターミナルエフェクトと呼ばれている。
従来、このターミナルエフェクトによるめっき膜の膜厚の不均一を改善するために、アノードと基板の表面と間にドーナツ状の遮蔽板を入れて基板の中心により電気が流れやすくしたり、シーフ電極と呼ばれるダミーの被めっき電極を基板よりも外側に入れ、基板の外周部を流れる電気を分散させて、基板の外周部におけるめっき量を減らしたりすることが行われている。また、アノードと基板との間に多孔質体を挿入し、めっき液の抵抗を上げることで、基板の表面(被めっき面)のシート抵抗による影響を相対的に小さくし、ターミナルエフェクトを軽減するといった方法も行われている。
また、出願人は、アノードとして、複数に分割した分割アノードを使用し、これらの各分割アノードに個別にめっき電源を接続することで、例えば基板上に初期めっき膜を形成する一定期間だけ、中央部側に位置する分割アノードの電流密度をその周辺より高め、基板外周部にめっき電流が集中することを防止して基板の中央部側にもめっき電流が流れるようにすることで、シート抵抗が高い場合であっても、均一なめっき膜を形成することができるようにしたものを提案した(例えば、特許文献1等参照)。
特開2002−129383号公報
しかし、シード層の膜厚が更に薄くなり、更にはシード層レス化に伴って基板の表面(被めっき面)のシート抵抗が更に高くなると、微細な配線用凹部が形成された基板の表面に該表面の全面に亘ってより均一な膜厚のめっき膜を形成して、金属(配線材料)を配線用凹部内にボイドを生じさせることなく確実に埋込むことが益々困難となる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、表面により高いシート抵抗をもつ基板に対しても、基板の表面の全面により均一な膜厚のめっき膜を形成して、金属を配線用凹部内にボイドを生じさせることなく確実に埋込むことができるようにしためっき装置及びめっき方法を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、基板を保持する基板保持部と、前記基板保持部で保持した基板と接触して通電させるカソード電極を備えたカソード部と、前記基板保持部で保持した基板の表面に対向するように配置され、全体または一部を高抵抗としたアノードを有し、前記基板保持部で保持した基板と前記アノードとの間にめっき液を満たして基板の表面にめっきを行うことを特徴とするめっき装置である。
全体または一部を高抵抗としたアノードを用いてめっきを行うことにより、アノード自体にもターミナルエフェクトを持たせることができる。そして、アノードへの給電点を該アノードの中心の1点にすることで、アノードに該アノードの中心から外周部へ向かうほど電圧降下が大きくなるという、基板の表面のターミナルエフェクトとは逆向きのターミナルエフェクトを生じさせることができる。この時、互いに対面する基板の表面とアノードの抵抗(シート抵抗)を同程度にすれば、基板の表面の中心を流れる電流経路も外周部を流れる電流経路も、さらにはその中間のどの電流経路をとっても、基板表面での電圧降下とアノードでの電圧降下の和が等しくなる。つまり、どの電流経路をとっても電気抵抗は等しくなって、電流は基板表面上に均等に分配され、基板の表面に形成されるめっき膜の膜厚は均一になる。
基板の表面にめっき膜が形成されるのにしたがって、基板の表面の電気抵抗(シート抵抗)は下がり、基板の表面におけるターミナルエフェクトの影響は徐々に小さくなっていく。このままめっきを続けると、アノードのターミナルエフェクトにより、基板の表面の中心が厚く外周部が薄いめっき膜となってしまう。ここで、全体または一部を高抵抗としたアノードへの給電点をアノードの中心ではなく外周部に設置すると、アノードのターミナルエフェクトは、基板の表面におけるターミナルエフェクトの向きと同じ方向になり、この状態でめっきを行うと、成膜されためっき膜の膜厚は基板の中心が薄く外周部が厚くなる。
このように、全体または一部を高抵抗としたアノードを用いてめっきを行う場合、アノードへの給電点の位置を変えることにより、めっき膜の膜厚分布は全く違った傾向となる。このため、アノードへの給電点をアノードの中心と外周部の両方に設置し、全く逆の膜厚分布となるめっき膜を重ね合わせることで、全体として均一な膜厚分布を有するめっき膜を成膜することができる。この時、アノードの中心への給電点と外周部への給電点のそれぞれに、電源または電流のオン/オフを行うことができるスイッチを設け、電流比またはオン/オフの時間比率をコントロールすることにより、より均一な膜厚分布のめっき膜を得ることができる。また、アノードへの給電点をアノードの中心と外周部だけでなく、その中間にも設置すれば、より精細な膜厚分布のコントロールが可能となる。
請求項2に記載の発明は、前記高抵抗としたアノードの抵抗は、前記基板保持部で保持した基板表面の該アノードが対面する抵抗と同程度に設定されている特徴とする請求項1記載のめっき装置である。
このように、高抵抗としたアノードの全体または一部の抵抗(シート抵抗)を、基板表面(被めっき面)の抵抗(シート抵抗)と同程度にすることにより、基板の表面に生じるターミナルエフェクトとアノード内に生じるターミナルエフェクトを同程度にして、両者のターミナルエフェクトによる影響を互いに相殺させることができる。
請求項3に記載の発明は、前記高抵抗としたアノードの全体または一部の抵抗は、めっき液の電気抵抗よりも高いことを特徴とする請求項1または2記載のめっき装置である。
請求項4に記載の発明は、前記高抵抗としたアノードの全体または一部の抵抗は、アノードの中心から半径方向に沿って高くなるように構成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のめっき装置である。
これにより、アノードに該アノードの中心から通電することで、アノードに基板の表面のターミナルエフェクトと逆向きのターミナルエフェクトを生じさせることができる。つまり、アノードの中心から外周に向かって電圧降下が起きるようにするには、アノードの中心から半径方向のみ高抵抗であればよく、高さ方向や、周方向には低抵抗であってもよい。このことを応用すれば、リング状の接点をアノードに貼り付けて周方向のアノード電位の均一性を改善することもできる。アノードの半径方向に対する断面積を小さく、つまり、アノードの肉厚を中心から外周に向かって徐々に薄くすることで、アノードの中心から半径方向に沿って高抵抗となるようにしてもよい。
請求項5に記載の発明は、前記高抵抗としたアノードの全体または一部は、比抵抗の大きな素材で構成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のめっき装置である。
比抵抗の大きな素材を用いることで、アノードの全部または一部を高抵抗とすることができる。比抵抗の大きな素材としては、僅かな導電性を有する導電性PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)等の導電性プラスチック、導電性セラッミクス及び導電性ガラス等が挙げられる。比抵抗の大きな材質と比抵抗の小さな材質を組合せるようにしてもよい。
請求項6に記載の発明は、前記アノードの前記基板保持部で保持した基板の表面との対向面には、金属薄膜及び/または金属酸化物薄膜が設けられていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のめっき装置である。
このように、アノードの基板の表面との対向面に金属薄膜を設けることで、アノード(金属薄膜)と基板の表面との間をめっき電流がムラなく流れるようにすることができる。更に、金属薄膜を金属酸化物薄膜で覆うことで、金属薄膜が酸化されたり、アノードから剥がれたりすることを防止することができる。金属薄膜としては、例えばチタンが、金属酸化物薄膜としては、例えば酸化イリジウムが挙げられる。
請求項7に記載の発明は、前記アノードの中心部には、給電用導線と接触してアノードに給電する中心接点が設けられていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のめっき装置である。
一部または全部を高抵抗としたアノードの中心からアノードに給電し、アノードの中心から外周に向けてアノード内を電流が流れるようにすることで、アノードに基板の表面のターミナルエフェクトと逆向きのターミナルエフェクトを生じさせることができる。
請求項8に記載の発明は、前記アノードの外周部には、給電用導線と接触してアノードに給電する外周接点が該アノードの全周に亘って連続して設けられていることを特徴とする請求項7記載のめっき装置である。
一部または全部を高抵抗としたアノードの外周部からアノードに給電し、アノードの外周部から中心に向けてアノード内を電流が流れるようにすることで、アノードに基板の表面と同じ向きのターミナルエフェクトを生じさせることができる。また、外周接点をアノードの全周にリング状に設けることで、周方向のアノード電位の均一性を改善することができる。
請求項9に記載の発明は、前記アノードの中心接点と前記外周接点との間には、給電用導線と接触してアノードに給電する少なくとも1つの中間接点が該アノードの全周に亘って連続して設けられていることを特徴とする請求項8記載のめっき装置である。
このように、アノードに給電する箇所を増やすことで、アノード内を流れる電流をより細かく調整して、基板の表面により均一な膜厚のめっき膜を形成することができる。
請求項10に記載の発明は、前記アノードへ給電する前記給電用導線毎に電源を有することを特徴とする請求項8または9記載のめっき装置である。
これにより、アノードの中心から外周部に向かってアノード内を流れる電流、アノードの外周部から中心に向けてアノード内を流れる電流等を独立に制御して、基板の表面により均一な膜厚のめっき膜を形成することができる。
請求項11に記載の発明は、前記アノードへ給電する前記給電用導線毎に電流をオン/オフするためのスイッチを有することを特徴とする請求項8または9記載のめっき装置である。
これにより、アノードの中心から外周部に向かってアノード内を電流が流れる時間、アノードの外周部から中心に向けてアノード内を電流が流れる時間等をスイッチを介して独立に変化させて、基板の表面により均一な膜厚のめっき膜を形成することができる。また、各給電用導線毎の電源を有する場合に比較して、装置としてのコストダウンとコンパクト化を図ることができる。
請求項12に記載の発明は、基板の表面に形成されるめっき膜は、銅であることを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載のめっき装置である。
請求項13に記載の発明は、表面に、バリア層またはシード層で覆われた配線用凹部を有する基板を用意し、前記基板の表面に対向する位置に、一部または全部を高抵抗としたアノードを配置し、前記基板と前記アノードとの間にめっき液を満たし、めっき初期には、前記バリア層または前記シード層の周縁部と前記アノードの中心部から前記バリア層または前記シード層と前記アノードに給電してめっきを行い、めっき後期には、前記バリア層または前記シード層の周縁部と前記アノードの周縁部から前記バリア層または前記シード層と前記アノードに給電してめっきを行うことを特徴とするめっき方法である。
本発明によれば、シード層がより薄膜化したり、シード層レス化に伴ってバリア層の表面に直接めっきを行う必要が生じたりして、基板の表面のシート抵抗がより高くなっても、基板の表面におけるターミナルエフェクトの影響の大小に拘わらず、基板の表面に、面内均一性を向上させためっき膜を形成することができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。この実施の形態は、半導体基板の表面に設けた微細な配線用凹部内に銅を埋込んで銅からなる配線を形成するようにした例を示す。
図2は、本発明の実施の形態におけるめっき装置を備えた基板処理装置の全体配置図を示す。図2に示すように、この基板処理装置には、同一設備内に位置して、内部に複数の基板Wを収納する2基のロード・アンロード部10と、めっき処理を行う2基のめっき装置12と、ロード・アンロード部10とめっき装置12との間で基板Wの受渡しを行う搬送ロボット14と、めっき液タンク16を有するめっき液供給設備18が備えられている。
めっき装置12には、図3に示すように、めっき処理及びその付帯処理を行う基板処理部20が備えられ、この基板処理部20に隣接して、めっき液を溜めるめっき液トレー22が配置されている。また、回転軸24を中心に揺動する揺動アーム26の先端に保持されて基板処理部20とめっき液トレー22との間を揺動する電極ヘッド28を有する電極アーム部30が備えられている。更に、基板処理部20の側方に位置して、プレコート・回収アーム32と、純水やイオン水等の薬液、または気体等を基板に向けて噴射する固定ノズル34が配置されている。この例にあっては、3個の固定ノズル34が備えられ、その内の1個を純水の供給用に用いている。
基板処理部20には、図4に示すように、基板の表面(被めっき面)を上向きにして基板Wを保持する基板保持部36と、この基板保持部36の上方に該基板保持部36の周縁部を囲繞するように配置されたカソード部38が備えられている。更に、基板保持部36の周囲を囲繞して処理中に用いる各種薬液の飛散を防止する有底略円筒状のカップ40が、エアシリンダ(図示せず)を介して上下動自在に配置されている。
ここで、基板保持部36は、エアシリンダ44によって、下方の基板受渡し位置Aと、上方のめっき位置Bと、これらの中間の前処理・洗浄位置Cとの間を昇降し、図示しない回転モータ及びベルトを介して、任意の加速度及び速度でカソード部38と一体に回転するように構成されている。この基板受渡し位置Aに対向して、めっき装置12のフレーム側面の搬送ロボット14側には、基板搬出入口(図示せず)が設けられ、また基板保持部36がめっき位置Bまで上昇した時に、基板保持部36で保持された基板Wの周縁部に下記のカソード部38のシール材90とカソード電極88が当接する。一方、カップ40は、その上端が基板搬出入口の下方に位置し、図4に仮想線で示すように、上昇した時に基板搬出入口を塞いでカソード部38の上方に達する。
めっき液トレー22は、めっき処理を実施していない時に、電極アーム部30の下記の多孔質体110及びアノード98をめっき液で湿潤させるためのもので、この多孔質体110が収容できる大きさに設定され、図示しないめっき液供給口とめっき液排水口を有している。また、フォトセンサがめっき液トレー22に取付けられており、めっき液トレー22内のめっき液の満水、即ちオーバーフローと排水の検出が可能になっている。
電極アーム部30は、図示しないサーボモータからなる上下動モータとボールねじを介して上下動し、旋回モータ(図示せず)を介して、めっき液トレー22と基板処理部20との間を旋回(揺動)する。モータの代わりに空気圧アクチュエータを使用してもよい。
プレコート・回収アーム32は、図5に示すように、上下方向に延びる支持軸58の上端に連結されて、ロータリアクチュエータ60を介して旋回(揺動)し、エアシリンダ(図示せず)を介して上下動するよう構成されている。このプレコート・回収アーム32には、その自由端側にプレコート液吐出用のプレコートノズル64が、基端側にめっき液回収用のめっき液回収ノズル66がそれぞれ保持されている。プレコートノズル64は、例えばエアシリンダによって駆動するシリンジに接続されて、プレコート液がプレコートノズル64から間欠的に吐出され、また、めっき液回収ノズル66は、例えばシリンダポンプまたはアスピレータに接続されて、基板上のめっき液がめっき液回収ノズル66から吸引される。
基板保持部36は、図6乃至図8に示すように、円板状の基板ステージ68を備え、この基板ステージ68の周縁部の円周方向に沿った6カ所に、上面に基板Wを水平に載置して保持する支持腕70が立設されている。この支持腕70の1つの上端には、基板Wの端面に当接して位置決めする位置決め板72が固着され、この位置決め板72を固着した支持腕70に対向する支持腕70の上端には、基板Wの端面に当接し回動して基板Wを位置決め板72側に押付ける押付け片74が回動自在に支承されている。また、他の4個の支持腕70の上端には、回動して基板Wをこの上方から下方に押付けるチャック爪76が回動自在に支承されている。
ここで、押付け片74及びチャック爪76の下端は、コイルばね78を介して下方に付勢した押圧棒80の上端に連結されて、この押圧棒80の下動に伴って押付け片74及びチャック爪76が内方に回動して閉じるようになっており、基板ステージ68の下方には、押圧棒80に下面に当接してこれを上方に押上げる支持板82が配置されている。
これにより、基板保持部36が図4に示す基板受渡し位置Aに位置する時、押圧棒80は支持板82に当接し上方に押上げられて、押付け片74及びチャック爪76が外方に回動して開き、基板ステージ68を上昇させると、押圧棒80がコイルばね78の弾性力で下降して、押付け片74及びチャック爪76が内方に回転して閉じる。
カソード部38は、図9及び図10に示すように、支持板82(図8等参照)の周縁部に立設した支柱84の上端に固着した環状の枠体86と、この枠体86の下面に内方に突出させて取付けた、この例では6分割されたカソード電極88と、このカソード電極88の上方を覆うように枠体86の上面に取付けた環状のシール材90を有している。シール材90は、その内周縁部が内方に向け下方に傾斜し、かつ徐々に薄肉となって、内周端部が下方に垂下するように構成されている。
これにより、図4に示すように、基板保持部36がめっき位置Bまで上昇した時に、この基板保持部36で保持した基板Wの周縁部にカソード電極88が押付けられて通電し、同時にシール材90の内周端部が基板Wの周縁部上面に圧接し、ここを水密的にシールして、基板の上面(被めっき面)に供給されためっき液が基板Wの端部から染み出すのを防止するとともに、めっき液がカソード電極88を汚染することを防止する。
なお、この例において、カソード部38は、上下動不能で基板保持部36と一体に回転するようになっているが、上下動自在で、下降した時にシール材90が基板Wの被めっき面に圧接するように構成してもよい。
電極アーム部30の電極ヘッド28は、図11及び図12に示すように、揺動アーム26の自由端にボールベアリング92を介して連結したアノードホルダ94と、このアノードホルダ94の下端開口部を塞ぐように配置された多孔質体110とを有している。すなわち、このアノードホルダ94は、下方に開口した有底カップ状に形成され、この下部内周面には、凹状部94aが、多孔質体110の上部には、この凹状部94aに嵌合するフランジ部110aがそれぞれ設けられ、このフランジ部110aを凹状部94aに嵌入することで、アノードホルダ94に多孔質体110が保持されている。これによって、アノードホルダ94の内部に中空のめっき液室100が区画形成されている。
この多孔質体110は、例えばアルミナ,SiC,ムライト,ジルコニア,チタニア,コージライト等の多孔質セラミックスまたはポリプロピレンやポリエチレンの焼結体等の硬質多孔質体、あるいはこれらの複合体、更には織布や不織布で構成される。例えば、アルミナ系セラミックスにあっては、ポア径30〜200μm、SiCにあっては、ポア径30μm以下、気孔率20〜95%、厚み1〜20mm、好ましくは5〜20mm、更に好ましくは8〜15mm程度のものが使用される。この例では、例えば気孔率30%、平均ポア径100μmでアルミナ製の多孔質セラミックス板から構成されている。そして、この内部にめっき液を含有させることで、つまり多孔質セラミックス板自体は絶縁体であるが、この内部にめっき液を複雑に入り込ませ、厚さ方向にかなり長い経路を辿らせることで、めっき液の電気伝導率より小さい電気伝導率を有するように構成されている。
このように多孔質体110をめっき液室100内に配置し、この多孔質体110によって大きな抵抗を発生させることで、シード層7(図1(a)参照)の抵抗の影響を無視できる程度となし、基板Wの表面の電気抵抗による電流密度の面内差を小さくして、めっき膜の面内均一性を向上させることができる。この例では、多孔質体110を備え、この多孔質体110を介して、めっき液自体の抵抗を高くするようにした例を示しているが、多孔質体110を省略してもよい。
めっき液室100内には、多孔質体110の上方に位置して、円板状で、めっき液が流通できるメッシュ状のアノード98が配置されている。なお、アノード98として、内部に上下に貫通する多数の通孔を設けたものを使用してもよい。そして、アノードホルダ94には、めっき液室100の内部のめっき液を吸引して排出するめっき液排出部103が設けられ、このめっき液排出部103は、めっき液供給設備18(図2参照)から延びるめっき液排出管106に接続されている。更に、アノードホルダ94の周壁内部には、アノード98及び多孔質体110の側方に位置して上下に貫通するめっき液注入部104が設けられている。このめっき液注入部104は、この例では、下端をノズル形状としたチューブで構成され、めっき液供給設備18(図2参照)から延びるめっき液供給管102に接続されている。このめっき液注入部104とめっき液排出部103でめっき液交換部が構成されている。
このめっき液注入部104は、基板保持部36がめっき位置B(図4参照)にある時に、基板保持部36で保持した基板Wと多孔質体110の隙間が、例えば0.5〜3mm程度となるまで電極ヘッド28を下降させ、この状態で、アノード98及び多孔質体110の側方から、基板Wと多孔質体110との間の領域にめっき液を注入するためのもので、シール材90と多孔質体110に挟まれた領域で下端のノズル部が開口するようになっている。また、多孔質体110の外周部には、ここを電気的にシールドするゴム製のシールドリング112が装着されている。
これにより、めっき液注入時にめっき液注入部104から注入されためっき液は、基板Wの表面に沿って一方向に流れ、このめっき液の流れによって、基板Wと多孔質体110との間の領域の空気が外方に押し出されて外部に排出され、この領域がめっき液注入部104から注入された新鮮で組成が調整されためっき液で満たされて、基板Wとシール材90で区画された領域に溜められる。
銅めっきを行う場合、アノードとして、従来、含有量が0.03〜0.05%のリンを含む銅(含リン銅)が一般に使用され、これによって、スライムの生成を抑制するようにしている。また、アノードとして、例えば、白金、チタン等の不溶解性金属あるいは金属上に白金等をめっきした不溶解性電極からなる不溶解アノードも広く使用されている。このようなアノードは、抵抗がほぼゼロの低抵抗体であり、これによって、アノードによって電流の流れが阻害されないようになっている。
この例では、アノード98は、内部をめっき液がスムーズに流通できる、例えば三角格子等のメッシュ状で、アノード98自体の抵抗が、少なくともめっき液の抵抗よりも高抵抗となるよう、比抵抗の大きな材質を有する、例えば僅かな導電性を有するようにしたセラッミクスを母材とした素材で構成されている。アノード98の基板Wとの対向面における抵抗(シート抵抗)は、基板保持部36で保持した基板Wの表面の該アノード98が対面する抵抗(シート抵抗)と同程度の10Ω/□以上であることが好ましい。例えば、基板表面のシード層等のシート抵抗が40Ω/□の時に、アノード98の基板Wとの対向面におけるシート抵抗は20Ω/□以上となることが好ましい。
このように、高抵抗としたアノード98の基板Wとの対向面におけるシート抵抗を、基板Wの表面(被めっき面)のシート抵抗と同程度にすることにより、基板の表面に生じるターミナルエフェクトとアノード内に生じるターミナルエフェクトを同程度にして、両者のターミナルエフェクトによる影響を互いに相殺させることができる。一般に、ターミナルエフェクトが問題となるのは、基板Wの表面の抵抗(シート抵抗)が10Ω/□以上の時であるので、アノード98の基板Wとの対向面における抵抗(シート抵抗)についても、これと同程度の10Ω/□以上であることが好ましい。
アノード98を僅かな導電性を有する導電性PEEK材や導電性ゴム等の導電性プラスチック、導電性ガラス、導電性セラミックスまたは酸化イリジウムで構成してもよい。また、アノード98を、不純物をドーピングしたダイヤモンド、シリコン、半導体、ガラスまたはITOで構成してもよい。これらの材料の組合せであってもよいことは勿論である。このように、高抵抗のアノード材としては、一般的に入手の容易な導電性PEEK材や導電性ゴムなどから、半導体装置の製造に用いられる特殊なものまで幅広く存在する。特に、不純物をドーピングしたダイヤモンドやシリコン等でアノード98を構成することで、アノード98の導電性を制御することができる。
しかも、アノード98自体に電位勾配を持たせ、アノード98の抵抗が、アノード98の中心から半径方向に沿って高くなるようにすることで、アノード98に該アノード98の中心から通電した時に、アノード98に基板Wの表面のターミナルエフェクトと逆向きのターミナルエフェクトを生じさせることができる。つまり、アノード98の中心から外周に向かって電圧降下が起きるようにするには、図13に示すように、アノード98の中心から半径方向のみ高抵抗であればよく、高さ方向や、周方向には高〜低抵抗であってもよい。このことを応用することで、リング状の接点をアノードに貼り付けて周方向のアノード電位の均一性を改善することもできる。
なお、図示しないが、アノードの半径方向に対する断面積を小さく、つまり、アノードの肉厚を中心から外周に向かって徐々に薄くすることで、アノードの中心から半径方向に沿って高抵抗となるようにしてもよい。
アノード98の基板Wとの反対向面(上面)の中心部には、中心接点120が設けられ、アノード98の上面の外周部には、リング状にアノード98の全周に亘って連続して延びる外周接点122が設けられている。この例では、中心接点120とカソード電極88に給電する電源124と、外周接点122とカソード電極88に給電する電源126の2つの電源が備えられている。そして、電源124の陰極側の給電用導電128aはカソード電極88に、陽極側の給電用導電128bは中心接点120にそれぞれ接続され、電源126の陰極側の給電用導電130aはカソード電極88に、陽極側の給電用導電130bは外周接点122にそれぞれ接続されている。
これによって、電源124を介して、アノード98の中心からアノード98に給電し、アノード98の中心から外周に向けてアノード98内を電流が流れるようにすることで、アノード98に基板Wの表面のターミナルエフェクトと逆向きの、つまりアノード98の中心部から外周部に向かって電圧が降下するターミナルエフェクトを生じさせることができる。また、電源126を介して、アノード98の外周部からアノード98に給電し、アノード98の外周部から中心に向けてアノード98内を電流が流れるようにすることで、アノード98に基板Wの表面と同じ向きの、つまりアノード98の外周部から中心部に向かって電圧が降下するターミナルエフェクトを生じさせることができる。
このように、2つの電源124,126を備えることで、アノード98の中心から外周部に向かってアノード98内を流れる電流と、アノード98の外周部から中心に向けてアノード98内を流れる電流を独立に制御して、基板Wの表面により均一な膜厚のめっき膜を形成することができる。
アノード98の基板Wとの対向面(下面)には、例えばチタンからなる金属薄膜132がコーティングされ、この金属薄膜132の表面に、例えば酸化イリジウムからなる金属酸化物薄膜134がコーティングされている。このように、アノード98の基板Wの表面との対向面に金属薄膜132を設けることで、アノード(金属薄膜)98と基板Wの表面との間をめっき電流がムラなく流れるようにすることができる。更に、金属薄膜132を金属酸化物薄膜134で覆うことで、金属薄膜132が酸化されたり、アノード98から剥がれたりすることを防止することができる。
次に、この実施の形態のめっき装置12を備えた基板処理装置の操作について説明する。
先ず、ロード・アンロード部10からめっき処理前の基板Wを搬送ロボット14で取出し、表面(被めっき面)を上向きにした状態で、フレームの側面に設けられた基板搬出入口から一方のめっき装置12の内部に搬送する。この時、基板保持部36は、下方の基板受渡し位置Aにあり、搬送ロボット14は、そのハンドが基板ステージ68の真上に到達した後に、ハンドを下降させることで、基板Wを支持腕70上に載置する。そして、搬送ロボット14のハンドを、前記基板搬出入口を通って退去させる。
搬送ロボット14のハンドの退去が完了した後、カップ40を上昇させ、同時に基板受渡し位置Aにあった基板保持部36を前処理・洗浄位置Cに上昇させる。この時、この基板保持部36の上昇に伴って、支持腕70上に載置された基板は、位置決め板72と押付け片74で位置決めされ、チャック爪76で確実に把持される。
一方、電極アーム部30の電極ヘッド28は、この時点ではめっき液トレー22上の通常位置にあって、多孔質体110あるいはアノード98がめっき液トレー22内に位置しており、この状態でカップ40の上昇と同時に、めっき液トレー22及び電極ヘッド28にめっき液の供給を開始する。そして、基板のめっき工程に移るまで、新しいめっき液を供給し、併せてめっき液排出管106を通じた吸引を行って、多孔質体110に含まれるめっき液の交換と泡抜きを行う。カップ40の上昇が完了すると、フレーム側面の基板搬出入口はカップ40で塞がれて閉じ、フレーム内外の雰囲気が遮断状態となる。
カップ40が上昇するとプレコート処理に移る。即ち、基板Wを受取った基板保持部36を回転させ、待避位置にあったプレコート・回収アーム32を基板と対峙する位置へ移動させる。そして、基板保持部36の回転速度が設定値に到達したところで、プレコート・回収アーム32の先端に設けられたプレコートノズル64から、例えば界面活性剤からなるプレコート液を基板の表面(被めっき面)に間欠的に吐出する。この時、基板保持部36が回転しているため、プレコート液は基板Wの表面の全面に行き渡る。次に、プレコート・回収アーム32を待避位置へ戻し、基板保持部36の回転速度を増して、遠心力により基板Wの被めっき面のプレコート液を振り切って乾燥させる。
プレコート完了後にめっき処理に移る。先ず、基板保持部36を、この回転を停止、若しくは回転速度をめっき時速度まで低下させた状態で、めっきを施すめっき位置Bまで上昇させる。すると、基板Wの周縁部は、カソード電極88に接触して通電可能な状態となり、同時に基板Wの周縁部上面にシール材90が圧接して、基板Wの周縁部が水密的にシールされる。
一方、搬入された基板Wのプレコート処理が完了したという信号に基づいて、電極アーム部30をめっき液トレー22上方からめっき処理を施す位置の上方に電極ヘッド28が位置するように水平方向に旋回させ、しかる後、電極ヘッド28をカソード部38に向かって下降させる。そして、多孔質体110が基板Wの表面に接触することなく、0.5mm〜3mm程度に近接した位置に達した時に電極ヘッド28を停止させる。電極ヘッド28の下降が完了した時点で、 めっき液注入部104から基板Wと多孔質体110との間の領域にめっき液を注入して該領域をめっき液で満たす。
この状態で、めっき初期においては、電源124を介して、アノード98の中心からアノード98に給電し、同時にカソード電極88を通して基板Wの周縁部から該基板の表面、例えばシード層7(図1参照)に給電して、基板Wの表面にめっき膜を成膜する。この時、アノード98の中心から外周に向けてアノード98内を電流が流れて、アノード98に基板Wの表面のターミナルエフェクトと逆向きの、つまりアノード98の中心部から外周部に向かって電圧が降下するターミナルエフェクトが生じる。従って、互いに対面する基板Wの表面とアノード98の抵抗(シート抵抗)を同程度にすれば、基板Wの表面の中心を流れる電流経路も外周部を流れる電流経路も、さらにはその中間のどの電流経路をとっても、基板Wの表面での電圧降下とアノード98での電圧降下の和が等しくなる。つまり、どの電流経路をとっても電気抵抗は等しくなって、電流は基板Wの表面上に均等に分配され、基板Wの表面に膜厚の均一なめっき膜が形成される。この時、必要に応じて、基板保持部36を低速で回転させる。
基板Wの表面にめっき膜が形成されるのにしたがって、基板Wの表面の抵抗(シート抵抗)は下がり、基板の表面におけるターミナルエフェクトの影響は徐々に小さくなっていく。このため、このままめっきを続けると、アノード98のターミナルエフェクトにより、基板Wの表面の中心が厚く外周部が薄いめっき膜となる。
そこで、めっき膜が所定の膜厚に達した時に、電源124を切離し、電源126を介して、アノード98の外周部からアノード98に給電し、同時にカソード電極88を通して基板Wの周縁部から該基板の表面に給電して、前述のようにして基板Wの表面に形成されためっき膜の上に更にめっき膜を形成する。この時、アノード98の外周部から中心に向けてアノード98内を電流が流れ、アノード98に基板Wの表面と同じ向きの、つまりアノード98の外周部から中心部に向かって電圧が降下するターミナルエフェクトを生じる。従って、このめっきによって形成されるめっき膜の膜厚は、基板Wの中心が薄く外周部が厚くなる。
このように、全く逆の膜厚分布となるめっき膜を重ね合わせることで、全体として均一な膜厚分布を有するめっき膜を成膜することができる。これにより、高いシート抵抗をもつ基板に対しても、基板の表面(被めっき面)の全面により均一な膜厚のめっき膜を形成して、金属をコンタクトホール3やトレンチ4からなる微細な配線用凹部(図1参照)の内部にボイドを生じさせることなく確実に埋込むことができる。
そして、めっき処理が完了すると、電極アーム部30を上昇させ旋回させてめっき液トレー22上方へ戻し、通常位置へ下降させる。次に、プレコート・回収アーム32を待避位置から基板Wに対峙する位置へ移動させて下降させ、めっき液回収ノズル66から基板W上のめっき液の残液を回収する。この残液の回収が終了した後、プレコート・回収アーム32を待避位置へ戻し、基板のめっき面のリンスのために、純水用の固定ノズル34から基板Wの中央部に純水を吐出し、同時にスピードを増して基板保持部36を回転させて基板Wの表面のめっき液を純水に置換する。このように、基板Wのリンスを行うことで、基板保持部36をめっき位置Bから下降させる際に、めっき液が跳ねて、カソード部38のカソード電極88が汚染されることが防止される。
リンス終了後に水洗工程に入る。即ち、基板保持部36をめっき位置Bから前処理・洗浄位置Cへ下降させ、純水用の固定ノズル34から純水を供給しつつ基板保持部36及びカソード部38を回転させて水洗を実施する。この時、カソード部38に直接供給した純水、または基板Wの面から飛散した純水によってシール材90及びカソード電極88も基板と同時に洗浄することができる。
水洗完了後にドライ工程に入る。即ち、固定ノズル34からの純水の供給を停止し、更に基板保持部36及びカソード部38の回転スピードを増して、遠心力により基板表面の純水を振り切って乾燥させる。併せて、シール材90及びカソード電極88も乾燥される。ドライ工程が完了すると基板保持部36及びカソード部38の回転を停止させ、基板保持部36を基板受渡し位置Aまで下降させる。すると、チャック爪76による基板Wの把持が解かれ、基板Wは、支持腕70の上面に載置された状態となる。これと同時に、カップ40も下降させる。
以上でめっき処理及びそれに付帯する前処理や洗浄・乾燥工程の全ての工程を終了し、搬送ロボット14は、そのハンドを基板搬出入口から基板Wの下方に挿入し、そのまま上昇させることで、基板保持部36から処理後の基板Wを受取る。そして、搬送ロボット14は、この基板保持部36から受取った処理後の基板Wをロード・アンロード部10に戻す。
上記の例では、2個の電源124,126を備えているが、図14に示すように、1個の電源140を備え、この電源140の陽極から延びる給電用導線142を2つの給電用導線142a,142bに分岐させ、一方の給電用導線142aを中心接点120に、他方の給電用導線142bを外周接点122にそれぞれ接続させるとともに、これらの各給電用導線142a,142bにオン/オフ用のスイッチ144をそれぞれ介装するようにしてもよい。この電源140の陰極から延びる給電用導電146は、前述と同様にカソード電極88に接続される。
これにより、アノード98の中心から外周部に向かってアノード98内を電流が流れる時間とアノード98の外周部から中心に向けてアノード98内を電流が流れる時間、またはこれらの時間比をスイッチ144を介して独立に変化させて、基板Wの表面により均一な膜厚のめっき膜を形成することができる。また、各給電用導線毎の電源を有する場合に比較して、装置としてのコストダウンとコンパクト化を図ることができる。
図15に示すように、アノード98の上面の中心接点120と外周接点122との間に、リング状にアノード98の全周に亘って連続して延びる中間接点150を設け、この中間接点150に、電源(図示せず)の陽極から延びる給電用導線152を接続させるようにしてもよい。この場合、前述の図14に示す例と同様に、単一の電源の陽極から分岐して延び、内部にオン/オフ用のスイッチを介装した給電用導線を中間接点150に接続させるようにしてもよい。
このように、アノード98に給電する箇所を増やして、アノード98内を流れる電流をより細かく調整することで、基板の表面により均一な膜厚のめっき膜を形成することができる。この中間接点150は、複数あってもよく、複数設けることで、アノード98内を流れる電流を更に細かく調整することができる。
図16は、アノードの他の例を示す。このアノード160は、例えば三角格子等のメッシュ状で、比抵抗の大きな材質を有する、例えば僅かな導電性を有するようにしたセラッミクスを母材とした素材で構成されたアノード本体162の表面に、低抵抗体164を散点状に取付け構成されている。このように、高抵抗の材質と低抵抗の材質を任意に組合せてもよく、この低抵抗体164として、銅を用いることで、溶解性の高抵抗アノードとすることができる。
上記の例では、アノード98と基板保持部36で保持された基板Wとの間に多孔質体110を配置し、この多孔質体110にめっき液を含浸させることで、アノード98と基板Wとの間のめっき液に高い抵抗を持たせ、基板表面のシート抵抗の影響を無視できる程度となすことと相まって、より高いシート抵抗をもつ基板に対しても、より均一な膜厚のめっき膜を確実に形成できるようにした例を示していが、多孔質体110を省略してもよいことは勿論である。
また、配線材料として銅を使用しているが、銅の代わりに、銅合金、銀または銀合金を使用してもよい。
めっきによって銅配線を形成する例を工程順に示す図である。 本発明の実施の形態のめっき装置を備えた基板処理装置の全体を示す平面図である。 図2に示すめっき装置を示す平面図である。 図2に示すめっき装置の基板保持部及び電極部の拡大断面図である。 図2に示すめっき装置のプレコート・回収アームを示す正面図である。 図2に示すめっき装置の基板保持部の平面図である。 図6のB−B線断面図である。 図6のC−C線断面図である。 図2に示すめっき装置の電極部の平面図である。 図9のD−D線断面図である。 図2に示すめっき装置の電極アーム部の平面図である。 図2に示すめっき装置の電極ヘッド及び基板保持部を概略的に示すめっき時における断面図である。 半径方向に高抵抗であるアノードの説明に付する図である。 アノードへの給電接点毎にスイッチを設けた例を示す図である。 アノードの表面に中心接点、外周接点及び中間接点を設けた例を示す図である。 アノードの他の例を示す斜視図である。
符号の説明
5 バリア層
6 銅膜
7 シード層
12 めっき装置
20 基板処理部
22 めっき液トレー
26 揺動アーム
28 電極ヘッド
30 電極アーム部
32 プレコート・回収アーム
36 基板保持部
38 カソード部
64 プレコートノズル
66 めっき液回収ノズル
68 基板ステージ
70 支持腕
76 チャック爪
88 カソード電極
90 シール材
94 アノードホルダ
98 アノード
100 めっき液室
102 めっき液供給管
103 めっき液排出部
104 めっき液注入部
106 めっき液排出管
110 多孔質体
120 中心接点
122 外周接点
124,126,140 電源
132 金属薄膜
134 金属酸化物薄膜
144 スイッチ
150 中間接点
152 給電用導線
160 アノード
162 アノード本体
164 低抵抗体

Claims (13)

  1. 基板を保持する基板保持部と、
    前記基板保持部で保持した基板と接触して通電させるカソード電極を備えたカソード部と、
    前記基板保持部で保持した基板の表面に対向するように配置され、全体または一部を高抵抗としたアノードを有し、
    前記基板保持部で保持した基板と前記アノードとの間にめっき液を満たして基板の表面にめっきを行うことを特徴とするめっき装置。
  2. 前記高抵抗としたアノードの全体または一部の抵抗は、前記基板保持部で保持した基板表面の該アノードが対面する抵抗と同程度に設定されている特徴とする請求項1記載のめっき装置。
  3. 前記高抵抗としたアノードの全体または一部の抵抗は、めっき液の抵抗よりも高いことを特徴とする請求項1または2記載のめっき装置。
  4. 前記高抵抗としたアノードの全体または一部の抵抗は、アノードの中心から半径方向に沿って高くなるように構成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のめっき装置。
  5. 前記高抵抗としたアノードの全体または一部は、比抵抗の大きな素材で構成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のめっき装置。
  6. 前記アノードの前記基板保持部で保持した基板の表面との対向面には、金属薄膜及び/または金属酸化物薄膜が設けられていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のめっき装置。
  7. 前記アノードの中心部には、電源から延びる給電用導線と接触してアノードに給電する中心接点が設けられていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のめっき装置。
  8. 前記アノードの外周部には、電源から延びる給電用導線と接触してアノードに給電する外周接点が該アノードの全周に亘って連続して設けられていることを特徴とする請求項7記載のめっき装置。
  9. 前記アノードの前記中心接点と前記外周接点との間には、電源から延びる給電用導線と接触してアノードに給電する少なくとも1つの中間接点が該アノードの全周に亘って連続して設けられていることを特徴とする請求項8記載のめっき装置。
  10. 前記アノードへ給電する前記給電用導線毎に電源を有することを特徴とする請求項8または9記載のめっき装置。
  11. 前記アノードへ給電する前記給電用導線毎に電流をオン/オフするためのスイッチを有することを特徴とする請求項8または9記載のめっき装置。
  12. 基板の表面に形成されるめっき膜は、銅であることを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載のめっき装置。
  13. 表面に、バリア層またはシード層で覆われた配線用凹部を有する基板を用意し、
    前記基板の表面に対向する位置に、一部または全部を高抵抗としたアノードを配置し、
    前記基板と前記アノードとの間にめっき液を満たし、
    めっき初期には、前記バリア層または前記シード層の周縁部と前記アノードの中心部から前記バリア層または前記シード層と前記アノードに給電してめっきを行い、
    めっき後期には、前記バリア層または前記シード層の周縁部と前記アノードの周縁部から前記バリア層または前記シード層と前記アノードに給電してめっきを行うことを特徴とするめっき方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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