JP2006312624A - 3級アミンの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 フィルム型触媒を用いて、アルコールと1級又は2級アミンとを原料として、対応する3級アミンを製造するに際して、3級アミンを高収率で効率的に製造する方法の提供。
【解決手段】 アルコールと1級又は2級アミンとから3級アミンを製造する方法であって、槽に付帯した外部循環ライン中にフィルム型触媒を装填した反応器を設置し、該反応器に、反応液を3回/Hr以上循環させて反応を行なう、3級アミンの製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、フィルム型触媒を用いて、アルコールと1級又は2級アミンとを原料として、対応する3級アミンを高収率で効率的に製造する方法に関する。
工業的な反応の多くは、固体触媒スラリーを用いて混合槽型反応器で行なわれる。反応性ガス、例えば水素あるいはアンモニア等を、触媒の存在下で液体と接触させる事により反応を行なわせる。反応が終了すると、一般的には触媒を濾過により除去して、反応生成物を回収する。
しかしながら、スラリー化された触媒は、安全性、廃棄物の増加、操作性、生産性などの問題を生じる。例えば、触媒は自然発火性のものが多く、粉末及びスラリー触媒のハンドリングには注意を要し、また反応生成物を回収する為には濾過等によって触媒を除去する必要があり、設備及び運転が複雑になるという問題がある。
攪拌やガスバブリングなどによる混合操作を必要とせず、触媒の濾過分離も不要なプロセスとして、固定床方式が挙げられる。固定床方式で用いられる触媒の形態としては、従来からペレット状、ヌードル状、あるいはタブレット状といった成形触媒が良く知られている。触媒活性をもつ粉末状の物質を上記形態に圧縮又は押出し等の方法により成形加工する事で、その中に無数の細孔を有する構造となり、触媒形態と高い表面積とを両立させたものである。例えば特許文献1に開示されている。
このような反応方式によれば、触媒の取り扱いや廃棄物等の問題を解決できるが、適用が可能でない反応も多い。例えば吸発熱を伴う反応において、温度制御に問題があり、また、反応器内での液体−気体の不均一な分配のため、反応率が不十分であったり、局所的な濃度勾配により副反応が多い場合があった。
3級アミノ化の反応で特許文献1記載の成形触媒を用いて高い反応率で生成物を得ようとすると、望ましくない副生物が少なからず生じる。副生物としては、原料であるアルコールの副反応により生じるワックスやアルドール縮合体の他に、1級又は2級アミンが不均化して生じたアンモニアや1級又は2級アミンから副生する3級アミンが挙げられる。これら副生物を抑えて高選択的に実施するための技術の改良が種々行われてきたが、この反応を簡易なプロセスによって高選択的に実施することは、これまで困難であった。
特許文献2には、モノリスの表面上に触媒金属を付着させた反応器が開示されており、この反応器では、ガスと液との間の水素化反応において、反応器の圧力降下が小さく、ガス及び液体の速度を大きくできるので、物質移動が従来型の固定床充填反応器よりも促進されるといった利点が、指摘されている。しかしながら、窒素原子を含む化合物の反応を意図されてはいるものの、水素化するような単純な機構による反応の場合しか明示されていない。またこれ以外に開示されている例についても、主に水素化反応等の限られた用途になっており、アルコールと1級又は2級アミンとを原料として対応する3級アミンを製造するような、極めて複雑な機構を持つ反応に適用して、収率を高めるという例は、これまで全くなかった。
特許文献3には、液とガスをタンクから液ガス混合物としてモノリス触媒反応器へ供給して、出口から取り出した反応生成物をタンクに循環させる、気−液反応方法が示されている。また反応原料や反応物の昇温及び冷却を触媒から分離して行なえるために、副生物の生成と触媒の失活を最小限にできる等の利点が示されている。しかし反応の種類については、有機化合物の水素化あるいは酸化といった広い範囲のものを想定しているが、実施例は亜硫酸ナトリウム水溶液を使った酸素の物質移動速度の測定のみであり、その他の反応は具体的に示されていない。また時間当たりの循環回数に関する記載はない。
特開平6−211754号公報 特開2003−176255号公報 特開2002−35569号公報
本発明の課題は、フィルム型触媒を用いて、アルコールと1級又は2級アミンとを原料として、対応する3級アミンを製造するに際して、3級アミンを高収率で効率的に製造する方法を提供することにある。
本発明は、アルコールと1級又は2級アミンとから3級アミンを製造する方法であって、槽(以下緩衝槽という)に付帯した外部循環ライン中にフィルム型触媒を装填した反応器を設置し、該反応器に、反応液を3回/Hr以上循環させて反応を行なう、3級アミンの製造方法を提供する。
本発明の製造方法によれば、触媒の分離操作を必要としない簡易なプロセスにより、目的とする3級アミンを高収率で効率的に得ることができる。
本発明の3級アミンの製造法に用いられる原料のアルコールとしては、直鎖状又は分岐鎖状の、炭素数8〜36の飽和又は不飽和の脂肪族アルコールが挙げられる。具体的には、オクチルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オレイルアルコール等や、これらの混合アルコール等、またチーグラー法によって得られるチーグラーアルコールや、オキソ法によって得られるオキソアルコール及びゲルべアルコール等が例示される。
また、本発明の3級アミンの製造法に用いられる原料の1級又は2級アミンとしては、脂肪族1級又は2級アミンが挙げられ、例えばメチルアミン、ジメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、ドデシルアミン、ジドデシルアミン等が例示される。
これら原料となるアルコールと1級又は2級アミンから得られる、対応する3級アミンは、1級又は2級アミンの窒素原子に結合する水素原子が、アルコール由来のアルキル及び/又はアルケニル基で置換されたものである。例えばラウリルアルコールとジメチルアミンから得られる、対応する3級アミンは、N−ドデシル−N,N−ジメチルアミンであり、ジメチルアミンが不均化して生じたメチルアミン及びアンモニアが反応して副生する3級アミンのN,N−ジドデシル−N−メチルアミン及びN,N,N−トリドデシルアミンと区別される。
本発明に用いられるフィルム型触媒とは、従来型の数mm程度の大きさを持つ不規則充填物タイプとは異なり、厚さ500μm以下の薄いフィルム状の形態の触媒を指す。反応物及び生成物が触媒体内部を移動する過程は拡散支配であり、その距離を500μm以下まで短くする事で、触媒体外部との間での物質移動を促進し、触媒体内部まで有効に活用できると共に、触媒体内部での中間反応物の過反応を抑制する事ができる。特に100μm以下の厚さである事が、触媒質量当りの反応活性が顕著に高くなって好ましく、50μm以下である事がより好ましい。厚さの下限は、触媒層の強度確保及び強度面の耐久性を得るために、0.01μm以上が好ましく、1μm以上がより好ましい。
フィルム型触媒の構造としては、反応器形状に応じて種々の形態のものが挙げられる。例えば、管内壁面上に形成された触媒コーティング層や、管内を複数の軸方向流通路に間仕切る薄板状に成形した触媒等が挙げられ、管状の流通式反応器に好適に用いることができる。また、槽内部に設置された開放型フィン状平板の表面に形成された触媒コーティング層等でもよく、槽型反応器の場合に好適に用いることができる。いずれの場合においても、触媒体に対する反応物の供給と触媒体からの生成物の回収が容易に起こり得る構造をとることが好ましい。また反応物の供給及び生成物の回収が起こる触媒体表面をできるだけ広く設ける事が、反応を効率よく進行させる上で望ましい。上記要件を達成するために、内径数mm〜数十mmの管を束ねた集合体や、セル密度が1平方インチ当り数十〜数百セルのハニカム構造体に対して、その内壁面上にフィルム型触媒を設けたもの等が、好適に用いられる。
フィルム型触媒を上記種々の構造にするためには、例えば触媒活物質そのものを成形してハニカム状の構造体とする方法があるが、薄い触媒層と高い機械的強度を両立する観点からは、フィルム型触媒を支持体表面に固定化する事が好ましい。フィルム型触媒支持体が金属箔であることが好ましい。例えば上述のように、金属その他剛性を有する管状、平板状あるいはハニカム状等の支持体表面に、触媒活物質を含むコーティング層を形成してフィルム型触媒とする方法が挙げられる。この時のコーティング方法としては、従来公知の方法を用いる事ができ、例えばスパッタ等の物理蒸着法、化学蒸着法、溶液系からの含浸法の他に、バインダを使ったブレード、スプレイ、ディップ、スピン、グラビア、ダイコーティング等、各種塗工法が挙げられる。
フィルム型触媒を構成する活物質としては、特に限定されるものではなく、公知のものを利用する事ができるが、一般に銅系の金属等を好適に用いることができ、銅を含有するものが更に好ましい。例えばCu単独あるいはこれにCr、Co、Ni、Fe、Mn等の遷移金属元素を加えた2成分の金属を含むものが挙げられ、CuとNiを含有するものが好ましく用いられる。更に3成分以上の金属を含むものも好ましく用いられる。またこれらをさらにシリカ、アルミナ、チタニア、ゼオライト等の担体に担持させたもの等も用いられる。
フィルム型触媒の内部には、それ単独では活物質として作用しないが、活物質を固定化してフィルム型の触媒体を形成するためのバインダを含有していてもよい。バインダとしては、活物質同士または支持体表面への結着性の他に、反応環境に耐え、なおかつ反応系に悪影響しないような、耐薬品性や耐熱性等の性質を有する高分子あるいは無機化合物が挙げられる。例えば、カルボキシメチルセルロースやヒドロキシエチルセルロース等のセルロース系樹脂、ポリ四フッ化エチレンやポリフッ化ビニリデン等のフッ素系樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、ポリビニルアルコール、ポリイミド樹脂、ポリイミドアミド樹脂等の高分子化合物、あるいはシリカ、アルミナ等の無機化合物ゾル等が挙げられる。
フィルム型触媒の内部構造は、触媒体を構成する活物質の種類や触媒体の作製方法等に大きく依存するが、緻密な連続相を形成していてもよいし、多孔質であってもよい。例えば、スパッタ法や化学蒸着法等により支持体表面上に形成した薄膜である場合は緻密な連続相とする事ができ、粉末状の活物質を使って湿式あるいは乾式の塗工等の方法により支持体表面上に形成した場合は多孔質とする事が可能である。
本発明においては、上記のようなフィルム型触媒を装填した反応器を用い、この反応器を、緩衝槽に付帯した外部循環ライン中に設置し、この反応器に、反応液を3回/Hr以上循環させて、アルコールと1級又は2級アミンとの反応を行なう。
本発明において、緩衝槽とは、反応に必要な原料、及び/又は反応によって生じた生成物を収容する容器であり、反応器から出てくる生成物、及び/又は未反応原料を、緩衝槽の中で必要に応じてガス成分と液成分とに気液分離し、ガス成分を系外に抜き出すこともできる。緩衝槽は通常用いられる槽ならば特に限定されないが、触媒を装填していないことが好ましい。緩衝槽は原料や反応物を加熱、冷却するためにジャケットや内部コイルを有していても良い。また液を均一にするために攪拌機を有していても良く、逆に反応液の押出し流れ性を高めるために緩衝槽内に仕切り板を設けた無攪拌の構造でも良い。
本発明の方法は、緩衝槽を設けない反応槽の中にフィルム型触媒を装填する場合に比較して、反応槽の大改造を必要とせず、フィルム型触媒の交換等のメンテナンスも容易である。また外部循環ラインがすでに設置されている既存の反応設備の場合、外部循環ラインへのフィルム型触媒を装填した反応器の設置は更に容易になる。
フィルム型触媒を装填した反応器の形式は、従来公知のものを含めて種々のものを採用する事ができる。例えば管型反応器の内部にフィルム型触媒を円筒状に丸めたり、短冊状に加工して装填しても良い。またシェル&チューブ熱交換器タイプのチューブ内、又はシェル部にフィルム型触媒を装填しても良い。この場合にはフィルム型触媒を装填していないチューブ側又はシェル側に熱媒体を流し、反応部分の温度を制御することができる。流通式管型反応器の場合、管内部のフィルム型触媒に反応物を供給しながら生成物を連続的に回収する方式によって、循環供給して連続式で反応を進行させる事ができる。
本発明に用いられる反応装置の一例を図1に示す。図1において、1はフィルム型触媒を装填した管型反応器、2が緩衝槽、3が外部循環用ポンプ、4が外部循環用導管、5が充填塔用導管、6が充填塔である。
管型反応器1は、直立円管型固定床反応器で、内部にフィルム型触媒が装填され、外部からの加熱によってその温度を制御できる。緩衝槽2は、液状の反応物、及び/又は生成物の混合物の貯槽であり、ポンプ3によって反応器1との間でこれらを循環させる。導管4を通じて反応器1の下端から反応物、及び/又は生成物の混合物と、ガス状の1級又は2級アミン及び水素ガスを連続的に供給し、上端から未反応物、及び/又は生成物の混合物と水素ガスを連続的に回収して、緩衝槽2に導入する。導管5を通して未反応のガス状1級又は2級アミン、及び水分を連続的に排出する。導管5から排出される成分中には、上記の他にアルコール、及び/又は生成3級アミンの蒸気又はミスト状成分等が含まれることがあり、充填塔6内で凝縮液化させて緩衝槽2に戻し、残りのガス成分を系外に排出する。反応系内はほぼ常圧に保たれる。
反応液の反応器1への供給方法は、図1に示すようなアップフロー方式でも良く、逆にダウンフロー方式でも良い。反応器は通常行なわれているように、ジャケットや内部に設置した熱交換用配管により、温度コントロールすることが好ましい。
本発明におけるアルコールと1級又は2級アミンとの反応では、反応液の1時間当たりの外部循環回数は副反応を抑制する観点から、3回/Hr以上であり、4回/Hr以上が好ましく、5回/Hr以上がより好ましい。外部循環回数の上限は循環に要すエネルギー低減の観点から、200回/Hr以下が好ましく、100回/Hr以下がより好ましい。
反応液の1時間当たりの外部循環回数は、原料仕込み量と図1中の外部循環用ポンプ3の循環量でコントロールすることができる。また1時間当たりの外部循環回数は、例えば反応初期に多くし、反応終期に少なくするなど反応時間によって変化させても良い。
本発明におけるアルコールと1級又は2級アミンとの反応条件は、反応物、生成物及び触媒の種類により異なる。反応物は気相に存在してもよいし、液相でもよい。反応系に気相が存在する場合、水素、窒素及び/又は希ガス雰囲気下で反応させる事が、触媒の活性を保つ上で好ましい。気液2相の反応系において、アルコールと1級又は2級アミンとがそれぞれ異なる相に存在する場合、液中へのガスバブリング等によって相間での物質移動を促進する事が望ましい。またフィルム型触媒によって径数mm以下程度の細い流通路が形成された反応場に、気液混相で反応物を供給する事により、上記物質移動促進効果を得る事もできる。
系内の圧力は常圧を超えて著しく高くならないことが望ましい。反応温度は触媒の種類により異なるが、150〜300℃の温度で反応させる事が好ましい。また反応の過程で副生する水分を反応系外に排出する事で、反応の進行を促進し、触媒の活性を保つ事ができる。
本発明の方法によれば、特別な混合操作や触媒の分離操作を必要としない簡易なプロセスにより、アルコールと1級又は2級アミンとを原料として目的とする3級アミンを高収率で効率的に製造することができる。
次の実施例は本発明の実施について述べる。実施例は本発明の例示について述べるものであり、本発明を限定するためではない。
製造例1:フィルム型触媒Aの製造
フェノール樹脂をバインダとして粉末状触媒を固定化した、フィルム型触媒Aを以下のように調製した。
容量1Lのフラスコに合成ゼオライトを仕込み、次いで硝酸銅と硝酸ニッケル及び塩化ルテニウムを各金属原子のモル比でCu:Ni:Ru=4:1:0.01となるように水に溶かしたものを入れ、撹拌しながら昇温した。90℃で10質量%炭酸ナトリウム水溶液をpH9〜10にコントロールしながら徐々に滴下した。1時間の熟成後、沈殿物を濾過・水洗後80℃で10時間乾燥し、600℃で3時間焼成して粉末状触媒を得た。得られた粉末状触媒における金属酸化物の割合は50質量%、合成ゼオライトの割合は50質量%であった。
上記粉末状触媒100質量部に、バインダとしてフェノール樹脂(住友ベークライト製PR−9480、不揮発分58%)を加え、フェノール樹脂の不揮発分が47.7質量部になるようにした。さらに溶剤として2−ブタノンを加え、固形分(粉末状触媒及びフェノール樹脂の不揮発分)の割合が55%となるようにした。これをディスパにて10分間予備混合した後、バスケットミル(浅田鉄工製SS−3、1.4mm径のチタニアビーズ800mL、1900gを充填)にて1500rpmで70分間混合分散処理して塗料化した。銅箔(厚さ40μm、6.5cm×410cm×1枚)を支持体とし、上記塗料をバーコータにより両面に塗工後、150℃で30秒間乾燥した。乾燥したもののうちの半分を波板状に折り曲げ加工し、残りの平板状のものと重ねて捲回した後、150℃で90分間硬化処理して、フィルム型触媒を上記銅箔の両面に固定化した。得られたフィルム型触媒について、その銅箔を除いた片面当りの厚さ及び銅箔を除いた全質量は、それぞれ表1に示す通りであった。
製造例2:フィルム型触媒Bの製造
フェノール樹脂をバインダとして粉末状触媒を固定化した、フィルム型触媒Bを以下のように調製した。
製造例1に準じて製造した粉末状触媒100質量部に、バインダとしてフェノール樹脂(住友ベークライト製PR−9480、不揮発分58%)を加え、フェノール樹脂の不揮発分が47.7質量部になるようにした。さらに溶剤として4−メチル−2−ペンタノンを加え、固形分(粉末状触媒及びフェノール樹脂の不揮発分)の割合が55%となるようにした。これをディスパにて10分間予備混合した後、バスケットミル(浅田鉄工製SS−3、1.4mm径のチタニアビーズ800mL、1900gを充填)にて1500rpmで70分間混合分散処理して塗料化した。銅箔(厚さ40μm、0.3m×36m)を支持体とし、上記塗料をグラビアコータにより両面に塗工後、150℃で30秒間乾燥した。乾燥したものを27cm×429cm×16枚に裁断し、うち半数を波板状に折り曲げ加工し、残りの平板状のものと交互に重ねて、図1の直立円管型固定床反応器1で用いる円筒状ホルダーに装填した後、150℃で90分間硬化処理して、フィルム型触媒を上記銅箔の両面に固定化した。得られたフィルム型触媒について、その銅箔を除いた片面当りの厚さ及び銅箔を除いた全質量は、それぞれ表1に示す通りであった。
製造例3:フィルム型触媒Cの製造
フェノール樹脂をバインダとして粉末状触媒を固定化した、フィルム型触媒Cを以下のように調製した。
製造例1に準じて製造した粉末状触媒100質量部に、バインダとしてフェノール樹脂(住友ベークライト製PR−9480、不揮発分58%)を加え、フェノール樹脂の不揮発分が33.3質量部になるようにした。さらに溶剤として4−メチル−2−ペンタノンを加え、固形分(粉末状触媒及びフェノール樹脂の不揮発分)の割合が55%となるようにした。これをディスパにて10分間予備混合した後、バスケットミル(浅田鉄工製SS−3、1.4mm径のチタニアビーズ800mL、1900gを充填)にて1500rpmで70分間混合分散処理して塗料化した。銅箔(厚さ40μm、6.5cm×420cm×1枚)を支持体とし、上記塗料をバーコータにより両面に塗工後、150℃で30秒間乾燥した。乾燥したもののうちの半分を波板状に折り曲げ加工し、残りの平板状のものと重ねて捲回した後、150℃で90分間硬化処理して、フィルム型触媒を上記銅箔の両面に固定化した。得られたフィルム型触媒について、その銅箔を除いた片面当りの厚さ及び銅箔を除いた全質量は、それぞれ表1に示す通りであった。
以下の実施例1〜4では、図1に示す循環固定床型反応装置を用いて、ラウリルアルコールとジメチルアミンとを原料としてN−ドデシル−N,N−ジメチルアミン(以下DM体と記載する)を製造した。なお以下の%は特に断りのないものは質量%を現す。
実施例1
製造例1で得たフィルム型触媒Aを、内径29.5mmの反応器1の内部に装填した。フィルム型触媒の装填された部分の体積は0.27Lで、反応器1の軸方向に連通した、断面積0.1cm2程度の複数の流路がフィルム型触媒によって形成された。ラウリルアルコール(花王(株)製カルコール20)1.0kgを緩衝槽2に仕込み、水素ガスを標準状態体積換算で20L/Hrの流量で供給しながら、緩衝槽2と反応器1との間での液循環を5.1回/Hrで行った。なお液循環回数は、原料アルコールの仕込み容量:V(L)と外部循環流量:Q(L/Hr)とから下記の式(1)で求める事ができる。
液循環回数(回/Hr)=Q/V (1)
実施例1では原料アルコール1.0kgを220℃における密度0.683(g/cm3)で換算してV=1.46(L)を求め、これとQ=7.5(L/Hr)から、上記式(1)を用いて下記のように求めた。
液循環回数=7.5/1.46=5.1(回/Hr)
反応器1内部の温度を220℃まで昇温した後、ジメチルアミンの供給によって220℃にて反応を開始した。ジメチルアミン供給量は反応の進行に合わせて調整し、反応時間平均で79g/Hrであった。反応開始から5.9時間後にジメチルアミンの供給を停止し、緩衝槽2及び反応器1内部の液全量を抜き出した。ガスクロマトグラフにて分析を行い、面積百分率法にて定量した結果、未反応のラウリルアルコールは1%、生成したDM体は89.7%、副生3級アミンであるN,N−ジドデシル−N−メチルアミン(以下M2体と記載する)は7.8%であった。N,N,N−トリドデシルアミンは検出されなかった。
実施例2
緩衝槽2と反応器1との間での液循環を3.4回/Hrで行った以外は実施例1と同様の操作により、反応器1内部の温度を220℃まで昇温した後、ジメチルアミンの供給によって反応を開始した。ジメチルアミン供給量は反応の進行に合わせて調整し、反応時間平均で86g/Hrであった。反応開始から6.2時間後にジメチルアミンの供給を停止し、緩衝槽2及び反応器1内部の液全量を抜き出した。実施例1と同様にガスクロマトグラフにより分析した結果、未反応のラウリルアルコールは1%、生成したDM体は87.4%、副生3級アミンであるM2体が9.5%であった。
実施例3
製造例2で得たフィルム型触媒Bを、内径101mmの反応器1の内部に装填した。フィルム型触媒の装填された部分の体積は17.4Lで、反応器1の軸方向に連通した、断面積0.1cm2程度の複数の流路がフィルム型触媒によって形成された。ラウリルアルコール(花王(株)製カルコール20)46.1kgを緩衝槽2に仕込み、水素ガスを標準状態体積換算で922L/Hrの流量で供給しながら、緩衝槽2と反応器1との間での液循環を10.2回/Hrで行った。反応器1内部の温度を220℃まで昇温した後、ジメチルアミンの供給によって220℃にて反応を開始した。ジメチルアミン供給量は反応の進行に合わせて調整した。反応開始から3.8時間後にジメチルアミンの供給を停止し、緩衝槽2及び反応器1内部の液全量を抜き出した。ガスクロマトグラフにて分析を行い、面積百分率法にて定量した結果、未反応のラウリルアルコールは1%、生成したDM体は90.4%、副生3級アミンであるM2体は7.4%であった。N,N,N−トリドデシルアミンは検出されなかった。
実施例4
緩衝槽2と反応器1との間での液循環を3.4回/Hrで行った以外は実施例3と同様の操作により、反応器1内部の温度を220℃まで昇温した後、ジメチルアミンの供給によって反応を開始した。ジメチルアミン供給量は反応の進行に合わせて調整した。反応開始から3.8時間後にジメチルアミンの供給を停止し、緩衝槽2及び反応器1内部の液全量を抜き出した。実施例3と同様にガスクロマトグラフにより分析した結果、未反応のラウリルアルコールは1%、生成したDM体は89.9%、副生3級アミンであるM2体が8.2%であった。
以下の実施例5では、図1に示す循環固定床型反応装置を用いて、n−デシルアルコールとモノメチルアミンとを原料としてN,N−ジデシル−N−メチルアミン(以下M2体と記載する)を製造した。なお以下の%は特に断りのないものは質量%を現す。
実施例5
製造例3で得たフィルム型触媒Cを、内径29.5mmの反応器1の内部に装填した。フィルム型触媒の装填された部分の体積は0.27Lで、反応器1の軸方向に連通した、断面積0.1cm2程度の複数の流路がフィルム型触媒によって形成された。n−デシルアルコール(花王(株)製カルコール10)0.6kgを緩衝槽2に仕込み、水素ガスを標準状態体積換算で12L/Hrの流量で供給しながら、緩衝槽2と反応器1との間での液循環を8.8回/Hrで行った。
反応器1内部の温度を180℃まで昇温した後、モノメチルアミンの供給によって185℃にて反応を開始した。モノメチルアミン供給量は反応の進行に合わせて調整し、反応時間平均で18g/Hrであった。反応開始から4.5時間後にモノメチルアミンの供給を停止し、緩衝槽2及び反応器1内部の液全量を抜き出した。ガスクロマトグラフにて分析を行い、面積百分率法にて定量した結果、未反応のn−デシルアルコールは0.3%、生成したM2体は93.6%、副生3級アミンであるN−デシル−N,N−ジメチルアミン(以下DM体と記載する)は0.7%、N,N,N−トリデシルアミン(以下T体と記載する)は1.2%であった。
Figure 2006312624
本発明に用いられる反応装置の一例を示す略示図である。
符号の説明
1 フィルム型触媒を装填した管型反応器
2 緩衝槽
3 外部循環用ポンプ
4 外部循環用導管
5 充填塔用導管
6 充填塔

Claims (5)

  1. アルコールと1級又は2級アミンとから3級アミンを製造する方法であって、槽に付帯した外部循環ライン中にフィルム型触媒を装填した反応器を設置し、該反応器に、反応液を3回/Hr以上循環させて反応を行なう、3級アミンの製造方法。
  2. フィルム型触媒が、支持体表面に固定化され、その触媒の厚みが0.01〜500μmである、請求項1記載の3級アミンの製造方法。
  3. 反応器が流通式管型反応器である、請求項1又は2記載の3級アミンの製造方法。
  4. アルコールが、直鎖状又は分岐鎖状の、炭素数8〜36の飽和又は不飽和の脂肪族アルコールである、請求項1〜3いずれかに記載の3級アミンの製造方法。
  5. 1級又は2級アミンが脂肪族1級又は2級アミンである、請求項1〜4いずれかに記載の3級アミンの製造方法。
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