JP2006311736A - 電源装置の運転方法及び電源装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 制御パラメータを調整するだけで等価内部インピーダンスを変化させることのできるインバータ装置を並列してなる電源装置における負荷分担などを適切に行うことによって、電力効率の高い領域で運転すること。
【解決手段】 電圧フィードバックゲインをα、電流フィードフォワードゲインをβ、インバータ電流ゲインをGとするとき、(1−β・G)/(α・G)で表される直流抵抗値にほぼ等しい等価内部インピーダンスを呈するインバータ装置を複数台並列接続してなり、前記複数のインバータ装置が同一の周波数で動作する電源装置であって、前記インバータ装置の前記電圧フィードバックゲインαと前記電流フィードフォワードゲインβの双方又はいずれか一方を変えることによって前記等価内部インピーダンスを変化させて前記インバータ装置の負荷分担を調整することを特徴とする電源装置。

【選択図】 図3

Description

この発明は、複数のインバータ装置を並列接続してなるインバータシステムによって負荷に交流電力を供給する電源装置、特に制御パラメータの調整で等価内部インピーダンスを変えることができる電源装置の運転に関する。
大容量の交流出力電力が必要とされる場合、複数のインバータ装置を並列接続することが行われている。特に、最近では電源の分散化が進み、並列接続されたインバータ装置を冗長運転することが広く行われている。このようなインバータシステムにおいては、それぞれのインバータ装置は遮断器のような電源スイッチを有し、インバータシステムからの切り離し又は投入、あるいは商用交流電源系統との間の連系又は解列を行うのに、必ず前記電源スイッチをオン、オフさせていた(例えば、特許文献1参照)。また、負荷需要の増減にしたがって、インバータシステムを電力効率の高い範囲で運転したいという要望がある。従来の電源装置では、電源スイッチのオンオフによって、並列接続された電源のあるものだけを効率の高い範囲で運転し、他のインバータ装置を休止させるということは、電源スイッチの動作遅れ、アンバランスなどがあるために横流電流の増大など困難であった。更にまた、通常の運転中に電源スイッチをオン、オフさせることは、大きなサージ電圧が発生し、負荷に悪影響を与えるなどの問題がある。
他方では、本発明が適用する電源技術の一例である定サンプリング型の誤差追従式電源技術に関しても種々の基本的な提案が既になされている(特許文献2〜特許文献4)。この定サンプリング型の誤差追従式電源の概略について説明すると、インバータとその出力側に接続された出力フィルタとからなるインバータ装置の出力電流を検出する第1の電流検出手段と、前記インバータと前記出力フィルタ間を流れる交流電流を検出する第2の電流検出手段と、前記出力フィルタの電圧を検出する交流電圧検出手段とを備える。そして、前記第1の電流検出器からの電流検出信号に電流フィードフォワードゲインβを乗じた信号と、前記交流電圧検出器からの電圧検出信号と正弦波基準電圧信号で代表される指令電圧との差を示す電圧信号に電圧フィードバックゲインαを乗じて得られる信号とを加算して得られる電流目標関数信号J(t)を形成する。次に、電流目標関数信号J(t)と前記第2の電流検出器からの電流検出信号との差を示す誤差信号Δtが目標追従範囲内であるか否かを一定のサンプリング周期毎に判定する。そして、前記誤差信号Δtをサンプリングして電流の瞬時値を制御する高周波PWM信号を発生し、また、誤差信号Δtに応じて、前記インバータのスイッチング素子のスイッチングモードを選択する。
前記誤差信号Δtが負になる場合には、インバータ装置の出力電流が電流目標関数信号J(t)よりも小さいので、インバータ装置の出力電流を増加させるスイッチングモードを選択し、また、前記誤差信号Δtが正になる場合には、インバータ装置の出力電流が電流目標関数信号J(t)よりも大きいので、インバータ装置の出力電流を減少させるスイッチングモードを選択することによって、第1の電流検出手段の電流検出信号を所定の範囲内に制御しようとするものである。
特開平09−331681公報 特開平07−7950公報 特開2000−125575公報 特開2000−341956公報
しかし、前記特許文献1の発明などで開示されている従来の技術では、負荷にサージ電圧などの悪影響を与えることなく、負荷電力需要の変動に伴ってインバータ装置の負荷分担を変えるなどして電力効率の高い範囲でインバータシステムを運転することは難しいといった問題がある。また、前記特許文献2〜4の発明における定サンプリング型の誤差追従式電源技術はいろいろな技術的優位性を有しているが、単一のインバータ装置に関する基本的な技術の開示が主であって、インバータ装置の並列運転に関する技術については未だ開示していない。
本発明は、定サンプリング型の誤差追従式電源技術に代表される電源、つまり制御パラメータを調整するだけで等価内部インピーダンスを変化させることのできるインバータ装置の並列運転に適用するものであって、このような制御パラメータを調整するだけで等価内部インピーダンスを変化させることのできるインバータ装置を並列してなる電源装置における負荷分担などを適切に行うことによって、電力効率の高い領域で運転することを主目的としている。
第1の発明は、前記課題を解決するために、制御パラメータのみを調整することで等価内部インピーダンスの値を変えることができるインバータ装置を複数台並列接続して構成した電源装置の運転方法において、前記制御パラメータの値を変えることによって前記インバータ装置それぞれの前記等価内部インピーダンスを変化させて、前記インバータ装置の負荷分担を調整することを特徴とする電源装置の運転方法を提供する。
第2の発明は、前記課題を解決するために、一部の前記インバータ装置が負荷電力を実質的に分担しないように前記等価内部インピーダンスを個々のインバータ装置ごとに定める大きな値である第1の設定値にして事実上の休止状態にし、残りの前記インバータ装置の前記等価内部インピーダンスは負荷電力を供給することができる前記第1の設定値よりも小さい個々のインバータ装置ごとに定める第2の設定値にして負荷装置へ給電運転しているときに、又は全ての前記インバータ装置の前記等価内部インピーダンスを前記第2の設定値にして負荷装置へ給電運転しているときに、負荷需要が減少する場合は、前記第2の設定値にある前記等価内部インピーダンスを前記第1の設定値にして前記インバータ装置の一部又は全部を事実上の休止状態にすることを特徴とする前記第1の発明に記載の電源装置の運転方法を提供する。
第3の発明は、一部の前記インバータ装置が負荷電力を実質的に分担しないように前記等価内部インピーダンスを個々のインバータ装置ごとに定める大きな値である第1の設定値にして事実上の休止状態にし、残りの前記インバータ装置の前記等価内部インピーダンスを前記第1の設定値よりも小さい個々のインバータ装置ごとに定める第2の設定値にして負荷装置へ給電運転しているときに、負荷需要が増大する場合は、前記等価内部インピーダンスが前記第1の設定値にある一部又は全部の前記インバータ装置の前記等価内部インピーダンスを前記第2の設定値にして負荷装置へ給電することを特徴とする前記第1の発明に記載の電源装置の運転方法を提供する。
第4の発明は、前記課題を解決するために、電圧フィードバックゲインをα、電流フィードフォワードゲインをβ、インバータ電流ゲインをGとするとき、(1−β・G)/(α・G)で表される直流抵抗値を等価内部インピーダンスとするインバータ装置を複数台並列接続してなり、前記複数のインバータ装置が同一の周波数で動作する電源装置であって、前記インバータ装置の前記電圧フィードバックゲインαと前記電流フィードフォワードゲインβの双方又はいずれか一方を変えることによって前記等価内部インピーダンスを変化させて前記インバータ装置の負荷分担を調整することを特徴とする電源装置を提供する。
第5の発明は、一部の前記インバータ装置が負荷電力を実質的に分担しないように前記等価内部インピーダンスを大きな第1の設定値にして事実上の休止状態にし、残りの前記インバータ装置の前記等価内部インピーダンスは負荷電力を供給することができる前記第1の設定値よりも小さい任意の第2の設定値にして負荷装置へ給電運転しているときに、又は全ての前記インバータ装置の前記等価内部インピーダンスを前記任意の第2の設定値にして負荷装置へ給電しているときに、負荷需要が減少するときは、給電運転している一部、又は全部のインバータの前記等価内部インピーダンスを前記第1の設定値にして前記インバータ装置を事実上の休止状態にすることを特徴とする前記第4の発明に記載の電源装置を提供する。
第6の発明は、一部の前記インバータ装置が負荷電力を実質的に分担しないように前記等価内部インピーダンスを前記第1の設定値にして事実上の休止状態にし、残りの前記インバータ装置の前記等価内部インピーダンスは前記任意の第2の設定値にして負荷装置へ給電運転しているときに、負荷需要が増大するときは、前記等価内部インピーダンスが前記第1の設定値にある一部又は全部の前記インバータ装置の前記等価内部インピーダンスを前記任意の第2の設定値にして負荷装置へ給電運転することを特徴とする前記第4の発明に記載の電源装置を提供する。
第7の発明は、前記インバータ装置は、直流入力を交流出力に変換するインバータと、そのインバータの出力側に備えられている出力フィルタと、前記インバータと前記出力フィルタ間を流れる交流電流を検出する第1の電流検出手段と、出力端子に流れる交流電流を検出する第2の電流検出手段と、前記出力フィルタの電圧を検出する交流電圧検出手段と、前記第2の電流検出手段からの電流検出信号に一方の制御パラメータである電流フィードフォワードゲインβを乗じた信号と、前記交流電圧検出手段からの電圧検出値と指令電圧値との差を示す電圧信号値に他方の制御パラメータである電圧フィードバックゲインαを乗じて得られる信号値とを加算して得られる電流目標関数信号値J(t)を生じる電流目標値形成部と、前記電流目標関数信号値J(t)と前記第1の電流検出手段からの電流検出信号値との差を示す誤差信号値Δ(t)を低減するように、一定のサンプリング周期毎に前記誤差信号Δ(t)をサンプリングしてインバータ電流の瞬時値を制御するゲート指令を前記インバータに与えるゲート指令・PWM制御部とを備えることを特徴とする前記第4の発明から前記第6の発明のいずれかに記載の電源装置を提供する。
第8の発明は、前記インバータ装置の並列接続台数をN、総需要負荷電力をWt、前記インバータ装置の定格電力をPr、電力効率の許容限度値Xuに対応する出力電力の下限値をPu、定格電力Prと出力電力の下限値Puとの間の任意の電力をPdとするとき、Pd・m>Wt>Pd・(m−1)となる式を満足する台数m(m≦N)で運転を行うことを特徴とする前記第4の発明から前記第7の発明のいずれかに記載の電源装置を提供する。
第1の発明によれば、負荷電力需要の減少に応じて、定サンプリング型の誤差追従式電源装置が有する等価内部インピーダンスを選択的に設定することによって、各インバータ装置の負荷分担を自動的に変え、負荷電力需要が大幅かつ急激に減少しても、負荷にサージ電圧などを与えることなく、高い電力効率の領域で運転することができる。
第2の発明によれば、実質的に出力電力を発生していない状態で、電源スイッチをオフして切り離しているので、負荷にサージ電圧などの影響を与えることなく、より電力損失の小さな運転が可能となる。
第3の発明によれば、負荷電力需要の増大に応じて、定サンプリング型の誤差追従式電源装置が有する等価内部インピーダンスを選択的に設定することによって、各インバータ装置の負荷分担を自動的に変え、負荷電力需要が大幅かつ急激に増大しても、負荷にサージ電圧などを与えることなく、高い電力効率の領域で運転することができる。
第4の発明によれば、実質的に出力電力を発生していない状態で、電源スイッチをオンして接続しているので、負荷にサージ電圧などの影響を与えずに高電力効率の運転を継続することができる。
第5、第6の発明によれば、非常に簡単な手段で自動的に各インバータ装置の等価内部インピーダンスを所望値に設定できるので、電力効率の高い領域に容易に負荷分担を設定することが可能である。
第7の発明によれば、負荷にサージ電圧などの影響を与えずに高電力効率の運転を行えるばかりでなく、インバータ装置間で流れる横流電流を許容値以下に制限することが可能である。
第8の発明によれば、より一層、負荷にサージ電圧などによる悪影響を与えずに高電力効率の運転を行える。
[実施形態1]
図1から図3によって本発明を実施するための実施形態1について説明する。図1は本発明が採用する制御パラメータのみによって等価内部インピーダンスを可変できるインバータ装置の一実施形態である定サンプリング型の誤差追従式単相交流インバータ装置80を説明するための図であり、図2はこのインバータ装置80の電力効率の一例を示す図である。図3はインバータ装置80をN台並列接続してなる本発明の一実施形態である単相交流電源100を説明するための図である。先ず、図1によって単相インバータを用いてなる定サンプリング型の誤差追従式単相交流インバータ装置80について説明すると、直流電源1の両端にインバータ2が接続される。直流電源1は一般的なものであって、例えば、商用交流電源の電圧を整流して交流を直流に変換する整流装置、又は太陽電池パネルなどである。インバータ2は、フルブリッジ接続してなる4個のIGBTのような半導体素子S1〜S4とそれら半導体素子のそれぞれに逆極性に並列接続されたダイオードD1〜D4とからなる単相用のインバータである。ただし、インバータ2はフルブリッジ構成のものに限られることは無く、例えば、IGBT又はMOSFETなどのような半導体素子2個とコンデンサ2個とをフルブリッジ構成に接続したハーフブリッジ型の単相インバータ、あるいは特許文献8に示されているように、直流電源1を2個直列に接続して単相倍電圧構成としてなるインバータ単相倍電圧型のインバータなどであってもよい。なお、直流電源1とインバータ2との間には電源スイッチSWが設けられている。
インバータ2の交流側ラインL1にはインバータ電流i1を検出する変流器(CT)のような第1の電流検出器3が備えられ、また、交流側ラインL1には、電流保持用インダクタLpが接続され、この電流保持用インダクタLpの負荷側とL2との間にフィルタ用抵抗RfとフィルタコンデンサCfとフィルタインダクタLfとからなる出力フィルタ回路4が接続される。このフィルタ抵抗RfとフィルタコンデンサCfとが直列接続された端子間には、フィルタ電圧検出器5が備えられている。出力フィルタ回路4はフィルタ抵抗RfとフィルタコンデンサCfとフィルタインダクタLfとからなるものに限られることは無い。また、フィルタインダクタLfを流れる誤差追従式単相交流インバータ装置80の出力電流i2を検出する変流器のような第2の電流検出器6が備えられている。誤差追従式インバータ装置80の出力端子7A、7Bには外部回路として負荷50が接続されている。図3に示すように、出力端子7A、7Bには同一構成である他の誤差追従式インバータ装置の出力端子が並列に接続されている。負荷50は、電力供給を受ける一般的な交流負荷、あるいは整流回路と電力供給を受ける一般的な直流負荷、又は変圧器と整流回路と電力供給を受ける一般的な直流負荷などであり、インバータ装置80は、種々の負荷に給電が可能である。
この定サンプリング型の誤差追従式インバータ装置80は、総合的に制御を行うためのマイクロコンピュータMCを備える。マイクロコンピュータMCは、出力電流検出信号と出力電圧検出信号とを後述する所定の処理を行って電流目標関数信号J(t)を形成する電流目標値形成部8、電流目標関数信号J(t)とインバータ電流検出信号とからインバータ2の半導体素子S1〜S4のスイッチングモードを選択するゲート指令・PWM制御部9、及びこの定サンプリング型の誤差追従式インバータ装置80の出力電力を監視して所定の利得変更などを行う出力監視・利得変更部10などを備える。この図面では、各検出信号をアナログ−ディジタル(A/D)変換するA/D変換回路を省略している。
電流目標値形成部8は、180度ずつ正負に極性が変わる基準正弦波電圧で代表される指令電圧Vaを与える電圧指令手段8A、第2の電流検出器6によって検出された出力電流i2の電流検出信号Δi2に一方の制御パラメータである電流フィードフォワードゲインβを乗ずる電流利得手段8B、指令電圧Vaからインバータ電圧検出器5によって検出されたインバータ電圧v1の電圧検出値Δv1を減算する第1の減算手段8C、それらの減算電圧に他方の制御パラメータであるフィードバックゲインαを乗ずる電圧利得手段8D、電圧フィードバックゲインαの乗じられた電圧値に対応した電流信号と電流フィードフォワードゲインβの乗じられた電流信号とを加算して電流目標関数信号J(t)を生じる第2の加算手段8Eなどからなる。
電圧指令手段8Aは、誤差追従式単相交流インバータ装置80の外部からの同期信号に同期して180度で正負に変わる基準正弦波電圧(Esinωt)である指令電圧Vaを与える、又は予め決められた周波数の基準正弦波電圧(Esinωt)で代表される指令電圧Vaを発生する。この基準正弦波電圧(Esinωt)は、誤差追従式単相交流インバータ装置80の出力周波数を決定する。例えば、誤差追従式単相交流インバータ装置80の出力周波数が50Hzならば、前記基準正弦波電圧(Esinωt)は50Hzに決められる。この基準正弦波電圧で代表される指令電圧Vaは、誤差追従式単相交流インバータ装置の並列運転にとって重要であり、前記基準正弦波電圧の各1周期を決定する周期で同期信号が発生されるものとする。指令電圧Vaは、前記基準正弦波電圧(Esinωt)の瞬時値に相当するディジタル値として与えられる。この基準正弦波電圧(Esinωt)は、複数のインバータ装置が並列運転される場合には、外部からの共通の同期信号に同期することによって互いが同期してもよいし、あるいはそれぞれのインバータ装置の電圧指令手段8Aが互いに等しい周波数を有すると共に、追従しあいながら同一時刻に基準正弦波形の指令電圧Vaを発生するようなものであってもよい。なお、指令電圧Vaは必ずしも正弦波である必要は無い。
電流利得手段8Bは、第2の電流検出器6によって検出された誤差追従式単相交流インバータ装置80の出力電流i2の電流検出信号Δi2に制御パラメータである電流フィードフォワードゲインβを乗じて、Δi2・βを与える。この電流フィードフォワードゲインβは、出力電流によって出力電圧が変化しないようにするための電流利得であって、後述する本発明の重要なファクタとなるものである。本発明では、シーケンスによっても電流フィードフォワードゲインβを設定可能なようになっている。なお、この実施形態では、出力電流i2の電流検出信号Δi2は短い一定時間ごとにサンプリングされる瞬時値に相当するディジタル値である。ここで、制御パラメータである電圧フィードバックゲインαはゼロよりも大きな数値であり、電流フィードフォワードゲインβは1以下の数値である場合が多いが、1よりも大きくすると負の等価内部インピーダンスが実現する。
減算手段8Cは、インバータ電圧v1の電圧検出値Δv1を短い一定時間ごとにサンプリングして得られた瞬時値に相当するディジタル値を指令電圧Vaから減算して差を求める。その減算結果は(Va−Δv1)で表される。したがって、電圧利得手段8Dの出力側の信号は(Va−Δv1)に電圧フィードバックゲインαの乗じられた(Va−Δv1)・αとなる。この電圧フィードバックゲインαも電流フィードフォワードゲインβと同様にシーケンスに従って最適値に設定され得る電圧利得値であり、後述するが、本発明にあっては制御パラメータである電圧フィードバックゲインαと電流フィードフォワードゲインβとは、インバータ装置の等価内部インピーダンスを決める上で非常に大切なファクタである。加算手段8Eは、電流利得手段8BからのΔi2・βと電圧利得手段8Dからの(Va−Δv1)・αとを加算して、電流目標関数信号J(t)を生じる。そして、電流目標関数信号J(t)はゲート指令・PWM制御部9に与えられる。
マイクロコンピュータMCにおけるゲート指令・PWM制御部9は、第1の電流検出器3によって検出されたインバータ電流i1の電流検出信号Δi1から電流目標関数信号J(t)を減算する減算手段9Aを備える。この電流検出信号Δi1も前述のように、短い一定時間ごとにサンプリングされる瞬時値に相当するディジタル値である。したがって、減算手段9Aは(Δi1−J(t))の演算を行って誤差信号Δtを求める。この誤差信号は、ゲート指令・PWM回路9Bに入力され、ゲート指令・PWM回路9Cは下記のようにインバータ2の半導体素子S1〜S4のどれに与えるかをゲート選択する。
ゲート指令・PWM回路9Bは、インバータ電流i1の電流検出信号Δi1と電流目標関数信号J(t)との差の極性に従ってゲート指令を行う。ゲート指令は次のとおりである。Δt=Δi1−J(t)が負の場合には、インバータ電流i1が目標値よりも小さいのであるから、電流を増大させるスイッチングモードを選択する。そして、Δt=Δi1−J(t)が正の場合には、インバータ電流i1が目標値よりも大きいから、電流を減少させるスイッチングモードを選択する。つまり、誤差追従式のPWM制御では、誤差信号Δtの極性によって下記のようにスイッチングモードを選択する。
(1)スイッチングモード1として、Δt=Δi1−J(t)≦0のとき、半導体素子S3とS4とがオンであって、半導体素子S1とS2とがオフである。
(2)スイッチングモード2として、Δt=Δi1−J(t)>0のとき、半導体素子S1とS2とがオンであって、半導体素子S3とS4とがオフである。
(3)スイッチングモード3として、直流電源1からの電力供給は行わない環流モードがあり、この場合には、半導体素子S1、S4がオンで、半導体素子S2、S3がオフ、又は半導体素子S2、S3がオンで、半導体素子S1、S4がオフである。
インバータ2の半導体素子S1〜S4は、誤差信号Δtの極性に基づいて決められるゲート指令・PWM回路9Cからのゲート指令に基づいてオンするか、又はオフのままでいる。例えば、Δt=Δi1−J(t)≦0の状態が続けば、Δt=Δi1−J(t)>0になるまで、半導体素子S1とS2とはオン状態のままであり、半導体素子S3とS4とはオフ状態のままである。この点が、通常用いられる三角波(鋸歯状波)比較方式によるPWM制御のスイッチング動作と異なるところである。
よく知られているように、一般的に電源は出力端から見た等価回路は電圧源と等価内部インピーダンスで表現される。もし、等価内部インピーダンスが0であるといくら電流を流しても出力端電圧が変化しない理想的な電源となる。実際には、この等価内部インピーダンスは0にはならず、自由に制御できないものとされている。この等価内部インピーダンスの求め方は、まず出力端を開放したとき(無負荷時)には電流が流れていないため、等価内部インピーダンスによる電圧降下は0である。したがって、無負荷時の電圧Voが電圧源の出力電圧となる。次に、インピーダンスXのある負荷を接続したときの出力電圧Vcと無負荷電圧Voとの電圧差が等価内部インピーダンスによる電圧降下となるので、そのときに流れる電流をIとすると、Vo−Vc=XIの関係になる。したがって、等価内部インピーダンスZは、Z=(Vo−Vc)/I=(Vo−Vc)X/Vcとなる。
定サンプリング型の誤差追従式インバータ装置においては、インバータの電流増幅器としての特性が数式で表現できる点に特徴があり、誤差追従式PWMに適した上位制御(電流目標形成手段を用いた制御)を採用することにより等価内部インピーダンスを計算することができる。出力フィルタ4から見たインバータ2の等価内部インピーダンスZは抵抗とキャパシタにより構成される。そして、合計抵抗値は制御パラメータである電流フィードフォワードゲインβの増加に対して直線的に減少し、制御パラメータである電圧フィードバックゲインαには反比例する。ほとんどの場合、等価回路内のキャパシタンスは小さな抵抗と並列され、その時定数は主回路電流の周波数成分に比べて無視できるほど短いので、インバータ2の等価内部インピーダンスZは抵抗成分と考えることができる。このようなことから、インバータ2の電流ゲインをGとすると、インバータ2の等価内部インピーダンスZは、(1−β・G)/(α・G)[Ω]の式で表される直流抵抗値にほぼ等しくなる。ここで、インバータ2の電流ゲインGは、インバータ2のデッドタイム、直流電圧、交流電圧などから決まる値であって、ほとんどの場合が0.99程度になり、1に近似することが可能な値である。なお、電流ゲインGは計算などによって求めることができず、実測によって求められるインバータ装置固有の値である。しかし、同一回路構成で、電気的特性がほぼ同じインバータ装置にあっては、電流ゲインGはほぼ同じ値となる。
図1に示す誤差追従式単相交流インバータ装置80は、複数台並列接続されるときにマスターのインバータ装置となるものであるので、マイクロコンピュータMCは並列接続されるすべての誤差追従式単相交流インバータ装置の出力電力を監視して所定の利得変更を行う出力監視・利得変更部10を有する。この出力監視・利得変更部10は、この電力システム全体を総合的に監視・制御する別のマイクロコンピュータを別途備える場合には、そのマイクロコンピューに内蔵してもよい。出力監視・利得変更部10は、インバータ電圧検出器5により検出された検出電圧Δv1と、第2の電流検出器6により検出された電流検出信号Δi2とをディジタル信号として受けて、出力電力を算出する。更に、出力監視・利得変更部10は、図2で示されるような出力電力に対する電力効率を示す効率特性を不図示の記憶部にデータとして格納している。この効率特性は、誤差追従式単相交流インバータ装置80を予め運転し測定して算出された結果である。しかし、図示しないが、インバータ2の入力側の電圧と電流とをサンプリングして入力電力を算出し、この算出した入力電力と前記算出された出力電力とから運転中に電力効率を求めながら、具体例で述べるような制御を行っても良い。
図3に示す単相交流電源装置100におけるN台並列接続されている誤差追従式単相交流インバータ装置80(1)、……80(N)のそれぞれの指令電圧Vaは、前述したように互いに同期していなければならない。同期信号発生回路11は、信号線11Aを通してインバータ装置80(1)、……80(N)の各電圧指令手段8Aに同期信号を与える。なお、多数のインバータ装置を並列運転する場合には、信号線11Aとして光ファイバを用い、光同期信号を各インバータ装置の各電圧指令手段8Aに与えることにより、ノイズの影響を受けることがないので、正確な制御が可能となる。また、同期信号発生回路11は、予め決められた基準正弦波電圧の半周期又は1周期毎に、あるいは所定周期毎に同期信号を発生する。つまり、指令電圧Vaとしての前記基準正弦波電圧の各1周期を決定する周期で同期信号が発生されるものとする。各電圧指令手段8Aは各同期信号の立ち上がりで動作して基準正弦波電圧(Esinωt)で代表される指令電圧Vaを発生する。したがって、各インバータ装置の出力電圧の周波数は基準正弦波電圧(Esinωt)の周波数と同じであり、位相も同じであるから、正常な状態では出力電圧の振幅が大幅に異なることは無い。なお、それぞれのインバータ装置の電圧指令手段8Aが互いに等しい周波数を有すると共に同期する基準正弦波形信号を発生し、かつ互いに追従しあいながら基準正弦波形信号を同一時刻に発生するものである場合には、同期信号発生回路11を省略することができる。
本発明では、誤差追従式単相交流インバータ装置80(1)、……80(N)は、同期して定サンプリング型の誤差追従式でPWM制御しているが、誤差追従式単相交流インバータ装置80(1)、……80(N)の出力電圧の大きさ、つまり振幅は異なることが多い。この場合、出力電圧の振幅の大きなインバータ装置から振幅の小さなインバータ装置に出力電流の一部分が流れようとするが、本発明では誤差追従式単相交流インバータ装置80(1)、……80(N)が横流を許容値以下に抑制できる値以上の等価内部インピーダンスZを有するので、出力電流が増えるほど出力フィルタ回路4の電圧降下が大きくなり、そのインバータの出力電圧が下がる方向になるので、結局はそれぞれのインバータ装置に出力電圧が互いに等しくなるように誤差追従式PWM制御が行われることになる。
実施形態1の発明では、前述した(1−β・G)/(α・G)[Ω]の式で表される直流抵抗値にほぼ等しくなる等価内部インピーダンスZを呈するインバータ装置、つまり同一回路構成で、電気的特性がほぼ同じである定サンプリング型の誤差追従式単相交流インバータ装置80(1)、……80(N)を、図3に示すようにN台並列接続し、それぞれの誤差追従式単相交流インバータ装置の等価内部インピーダンスZを、負荷電力を所望の割合で分担、つまり所望の負荷分担となるように制御パラメータである電圧フィードバックゲインαと電流フィードフォワードゲインβとを設定することを特徴としている。等価内部インピーダンスZは等価的なインピーダンスであるので、実際には電力損失を生じない。したがって、等価内部インピーダンスZを大きくしても電力損失は増大しない。
今、単相交流電源装置100におけるN台の誤差追従式単相交流インバータ装置80(1)、……80(N)が図2に示す定格出力電力Prの近辺で運転しているときには、誤差追従式インバータ装置80(1)、……80(N)は横流電流を許容値以下に制限でき、かつ定格電流を十分に流すことのできるインピーダンス値Zsを呈するように、制御パラメータである電圧フィードバックゲインαと電流フィードフォワードゲインβとが設定されている。この状態では、N台の定サンプリング型の誤差追従式インバータ装置80(1)、……80(N)はほぼ等しい負荷分担を行っている。このような運転中に、負荷電力需要が減少したとする。出力監視・利得変更部10には、N台の定サンプリング型の誤差追従式インバータ装置80(1)、……80(N)の出力データが入力されるので、出力監視・利得変更部10は、先ずその出力データから総需要負荷電力Wtを算出する。次に、N台の誤差追従式インバータ装置80(1)、……80(N)の定格出力電力Prとすると、総需要負荷電力Wtを満足できる台数mを算出する。つまり、Pr・m>Wt>Pr・(m−1)を満足する台数mを算出する。ここで、定格出力電力Prを用いたのは、一般的に定格出力電力の近辺が最も電力効率が高いからであり、定格出力電力Prを図2に示す電力効率の許容限度値Xuに対応する出力電力の下限値Puに置き換える、あるいは定格出力電力Prと出力電力の前記下限値Puとの間の任意の電力値Pdに置き換えても、許容できる電力効率の範囲内で運転することができる。
台数mを算出したら、m台の誤差追従式インバータ装置をそのまま運転する。そして、一方では、m台以外の(N−m)台のインバータ装置、つまりシーケンスで決められている(N−m)台については実質的に休止させるために、等価内部インピーダンスZを設定最大値Zmまで増大させる。出力監視・利得変更部10は、等価内部インピーダンスZを設定最大値Zmまで増大させるために、(N−m)台の当該誤差追従式インバータ装置の図示しないマイクロコンピュータに指令し、それらの電流利得手段8B、電圧利得手段8Dに対して制御パラメータである電流フィードフォワードゲインβ、電圧フィードバックゲインαを予め決めた値まで大幅に小さくする。なお、図2に示す電力効率の許容限度値Xuに対応する出力電力の下限値Puが定格電力Prの半分以下の値であるならば、運転台数が少なくても、Pr・m>Wt>Pr・(m−1)の式を満足する台数で運転すれば、効率の高い並列運転が可能である。
前述したように、電圧フィードバックゲインαはゼロよりも小さな数値であり、電流フィードフォワードゲインβは1以下の数値であり、電流利得Gは1に近似できる数値であるので、例えば、α=β=10−5に設定すれば、前述したように(1−β・G)/(α・G)[Ω]の式から等価内部インピーダンスZは直流抵抗値に等しいので、ほぼ10Ω、つまり、ほぼ100kΩとなる。ここで、定格出力電圧Vrを200V、定格出力電流Irを20Aとすると、等価内部インピーダンスZがほぼ100kΩであることから、実際に流れる最大出力電流は約2mAであり、出力は400mW以下となる。定格出力電力は4kWであるので、この出力は無視できるほど小さく、したがって、休止状態といえる。そしてこのとき、制御パラメータである電流フィードフォワードゲインβ、電圧フィードバックゲインαを一瞬に変化させずに、ある設定時間Ts以上をかけて変化させることによって、負荷などがサージ電圧の影響を受けないショックレスの休止状態が実現できる。その設定時間Tsは、商用交流電系統に連系されていない自立運転の時には、出力電圧の周期の3倍程度以上、また、商用交流電系統に連系されているときには、商用交流電源の周期の50倍程度の時間長であることが好ましい。
運転中に更に負荷電力の需要が低減したら、前述のようにして、運転する最適の台数mを算出し、それ以外の台数の誤差追従式インバータ装置の等価内部インピーダンスZを設定最大値Zmまで増大させることによって、実質的に休止状態にする。そして、休止状態にした後に、休止状態にあるインバータ装置の電源スイッチをオフにすることによって、負荷にサージなどの影響を与えることなく切り離しができ、それらインバータ装置の電力損失をゼロにできるので、より一層電力効率を向上させることができる。このように、休止状態にあるインバータ装置がある状態で運転しているときに、総需要負荷電力Wtが増大し、Pr・m>Wt>Pr・(m−1)の式を満足できなくなり、台数がn(N≧n>m)であれば、Pr・n>Wt>Pr・(n−1)の式を満足するときには、出力監視・利得変更部10は、休止中のインバータ装置のうちの(n−m)台のインバータ装置のマイクロコンピュータ(不図示)に指令を発し、先ず、それらの電源スイッチSWをオンさせ、次にその電流利得手段8B、電圧利得手段8Dに対して電流フィードフォワードゲインβ、電圧フィードバックゲインαを元に戻して、等価内部インピーダンスZを値Zsに戻す。このインピーダンス値Zsは、横流電流を許容値以下に制限できる値であることが好ましい。
(n−m)台のインバータ装置の投入は、シーケンスによって決められた順序で行われ、給電が開始される。したがって、この状態ではN台のインバータ装置が図2に示す電力効率の許容限度値Xuよりも高い電力効率の領域でほぼ負荷電力を均等に分担して運転を行う。この際にも、制御パラメータである電流フィードフォワードゲインβ、電圧フィードバックゲインαをある設定時間Ts以上をかけて変化させるのが好ましい。なお、インバータ装置を切り離すシーケンスは電力効率の低いものから休止させ、また、投入のシーケンスは電力効率の高いインバータ装置から投入させるものであっても良い。また必要ならば、運転する台数がp(1≦p≦N)台のときの定サンプリング型の誤差追従式電源全体の電力効率を予め測定して補正値を求め、その補正値を不図示のマイクロコンピュータに格納しておいて、前記式の電力効率にその補正値を反映させることによって、より正確に運転必要台数を求めることができる場合がある。
また、総需要負荷電力Wtがかなり急激で大きく頻繁に変動するような負荷に電力を供給する場合には、実質的に給電を行っていない休止状態のインバータ装置の電源スイッチSWをオフにせずに、オンさせたままの状態にしておけば、電力需要の急激な増大に対しても十分に対応することができる。しかし、電力効率を第一に重要視するならば、前述のように、電源スイッチSWのオン、オフを行うべきである。また、以上述べた具体例とは違って、予め決めたシーケンスに従って、並列運転状態のインバータ装置の負荷分担を変更したい場合には、そのシーケンスに従って電流フィードフォワードゲインβと電圧フィードバックゲインαとを、特に電流フィードフォワードゲインβを変更することによって実現できる。したがって、前述のようにして等価内部インピーダンスZの値を変更することによって、容易に負荷分担を変更したり、所定の負荷分担を実現できる。
なお、インバータ2の構成については、前述したフルブリッジ構成の他にハーフブリッジ構成、又は直流電源1を2個直列に接続して単相倍電圧構成としてなる単相倍電圧型のインバータなどでもよく、これらの単体の動作については前掲の特許文献で説明されているから説明しないが、ハーフブリッジ構成、又は単相倍電圧型のインバータなどであっても、定サンプリング型で誤差追従式技術を採用した単相インバータ装置にあっては、(1−β・G)/(α・G)の式で表される等価内部インピーダンスZを呈する。したがって、これらインバータ装置においても、前述と同様に、負荷分担を容易かつ任意に変更することができる。なお、実施形態1では、減算手段8C又は加算手段8Eなどの出力信号を予め決められた範囲に制限する電圧リミッタ、あるいは電流リミッタ、さらにはPWM制御誤差補正手段などについては、直接本発明に関係しないので省略してあるが、より好ましい動作や正確な制御を行うためにはこれら手段が必要とされる。後の実施形態でも同様であり、電圧リミッタ、あるいは電流リミッタ、又はPWM制御誤差補正手段については、後述する定サンプリング型の誤差追従式三相交流インバータ装置において説明する。なお、本発明においては、電流フィードフォワードゲインβを負極の大きな値にすることによって、等価内部インピーダンスZを容易に設定最大値Zmに設定することができる。
[実施形態2]
以上の実施形態では単相構成の誤差追従式インバータ装置、それらの並列接続した誤差追従式電源装置、それらの投入、遮断(休止)について説明したが、定サンプリング型の三相交流誤差追従式インバータ装置を複数並列接続してなる定サンプリング型の誤差追従式電源装置における横流電流の制限も同様に行えるので、図4、図5を利用して三相交流誤差追従式インバータ装置90を複数台並列接続してなる三相交流電源装置200について説明する。図4、図5において、図1又は図3で用いた記号と同一の記号は同一の名称を示すものとする。この実施形態2もマイクロコンピュータMCを使用しており、特にA/D変換回路を示さないが、各アナログ検出信号はディジタル検出信号に変換され、その後の各処理についてはディジタル処理が行われるものとする。
三相交流インバータ2は、MOSFET又はIGBTのような自己消弧型の電圧駆動素子で代表される半導体素子Sとこれに逆向きに並列接続されたダイオードDとからなる6個のスイッチ素子U、V、W、X、Y、Zを三相フルブリッジ構成に接続してなる三相用のインバータである。スイッチ素子UとXとの接続点aに接続されたラインをL1、スイッチ素子VとYとの接続点bに接続されたラインをL2、スイッチ素子WとZとの接続点cに接続されたラインをL3とする。それぞれのラインL1、L2、L3を流れるインバータ電流i1a、i1b、i1cを検出する電流検出器3A、3B、3Cを備える。それぞれのラインL1、L2、L3には電流保持用のインダクタLp1、Lp2、Lp3が直列に接続されている。また、ラインL1とL2間、ラインL2とL3間、ラインL1とL3間には、フィルタ抵抗RfとフィルタコンデンサCfとフィルタインダクタLfとからなる出力フィルタ回路がそれぞれ接続された出力フィルタ回路4が構成される。そして、各相間のフィルタ抵抗RfとフィルタコンデンサCfとの端子間電圧をそれぞれ検出するフィルタ電圧検出器5A、5B、5Cを備えている。三相交流用の出力フィルタ回路4はフィルタ抵抗Rfを含まない別の回路構成であっても勿論よい。
更に、各相の出力電流i2a、i2b、i2cを検出する出力電流検出器6A、6B、6Cが備えられ、出力端子7Aと7Bとの間には負荷50Aが接続され、出力端子7Bと7Cとの間には負荷50Bが、また、出力端子7Aと7Cとの間には負荷50Cがそれぞれ接続されている。なお、1相分の電流検出器及び1相分のフィルタ電圧検出器、例えば、3B、6B及び5Bを省略することができる。図4に示す定サンプリング型の誤差追従式三相交流インバータ装置90も、複数台並列接続されるときにマスターのインバータ装置となるものを示しているので、マイクロコンピュータMCは、単相の場合と同様に、出力電流検出信号と出力電圧検出信号とを後述する所定の処理を行って電流目標関数信号J(t)を生じる電流目標値形成部8、及び電流目標関数信号J(t)とインバータ電流検出信号とから三相交流インバータ2の半導体素子S1〜S6のスイッチングモードを選択してパルス幅変調(PWM)を行うゲート指令・PWM制御部9、並列接続されるすべての三相交流誤差追従式インバータ装置90(1)、90(2)……90(N)の出力電力を監視して所定の制御を行う出力監視・利得変更部10を有する。更に、誤差追従式三相交流インバータ装置90は、後述するdq変換行列Uを有するdq変換手段12、ローパスフィルタ13、及びdq変換行列Uを有するdq変換手段14などを備える。なお、この出力監視・利得変更部10はこの電力システムを総合的に監視・制御するマイクロコンピュータを備える場合にはそのマイクロコンピュータに別途備えられても勿論よい。
次に、電流目標値形成部8などについて説明しながらこの誤差追従式三相交流インバータ装置90の動作について説明を行う。電流目標値形成部8は出力する目標電圧となる三相平衡交流電圧の指令値、ここではフィルタコンデンサCfの端子電圧の目標電圧値をdq変換してなる指令電圧値Vfを出力するフィルタ電圧指令手段8aを有する。ここで、dq変換について簡単に説明すると、dq変換は、三相交流インバータを取り扱う上で良く使われており、三相交流の電圧と電流とを電源電圧に同期したdq軸(回転座標系)上の値に変換するものであって、dq変換を行うことによって、三相交流を直流と同様に扱うことができる。コンデンサ電流指令手段8bは、フィルタコンデンサCfに流れる電流を補正するための直流の電流指令値Ifを与える。フィルタコンデンサCfの電圧が直流の指令電圧値Vfにあるものと想定して、そのときにフィルタコンデンサCfに流れる電流を予め計算して求め、その電流になるように電流指令を加えて補正している。要するに、負荷に流れる電流をフィードフォワードしているのと基本的には同じである。ここで、d軸電流は有効電流であって、q軸電流は無効電流であるので、コンデンサの場合には、dq座標では指令電圧値Vfはd軸成分だけであり、電流指令値Ifはq軸成分だけである。また、PWM電流誤差補償手段8cは、誤差追従式PWMでは電流指令値Ifに対して出力電流にずれが生じるので、このずれをゼロにするために補正するものである。
フィルタ電圧検出器5A、5B、5Cによって検出された検出電圧は、三相−二相変換後にdq変換を行う行列UM(行列Uは回転行列、行列Mは三相−二相変換行列である。)を有する座標変換手段12によってdq変換された後に、ローパスフィルタ13を通して高周波成分が除去された後に、減算手段8dに信号Δvfとして入力されると共に、出力監視・利得変更部10に入力される。減算手段8dはフィルタ電圧指令手段8aの電圧指令値VfからΔvfを減算した(Vf−Δvf)=UΔv(t)出力する。この値UΔv(t)は電圧リミッタ8eによって予め決められた範囲を制限され、電圧帰還手段8fによって一方の制御パラメータである電圧フィードバックゲインαが乗ぜられた上で、加算手段8gに加えられる。他方、第2の電流検出器6A、6B、6Cによって検出された出力電流i2a、i2b、i2cの電流検出信号は、dq変換を行う行列UMを有する座標変換手段14によって前述のようにdq変換された後に、電流利得手段8hによって他方の制御パラメータである電流フィードフォワードゲインβが乗ぜられた上で、加算手段8gに加えられる。また、前記出力電流i2a、i2b、i2cの電流検出信号は出力監視・利得変更部10にも入力される。
コンデンサ電流指令手段8bからの電流指令値Ifは電流利得手段8iによって電流フィードフォワードゲインγが乗ぜられた上で、加算手段8gに加えられる。ここで、電流フィードフォワードゲインβは1以下、又は等価内部インピーダンスZが負の場合には1よりも大きな数値であり、電圧フィードバックゲインαと電流フィードフォワードゲインγはゼロよりも大きい数値である。そして、加算手段8gによって電圧値に対応する電流信号と電流信号と電流指令信号とが加算されてなる信号は、信号リミッタ8jによって予め決められた範囲に制限された上で、PWM電流誤差補償手段8cからの電流補償値Icとが加算手段8kで加算され、逆座標変換を行う行列(UM)−1を有する座標変換手段8lによって処理され、電流目標関数信号J(t)としてゲート指令・PWM制御部9の減算手段9Aに与えられる。
他方、各ラインL1、L2、L3を流れるインバータ電流i1a、i1b、i1cはそれぞれの電流検出器3A、3B、3Cによって検出され、それら電流検出信号はゲート指令・PWM制御部9に入力される。ゲート指令・PWM制御部9では、電流目標関数信号J(t)からそれら電流検出信号を差し引いた誤差信号Δtが求められ、単相のインバータ装置の場合と同様に、誤差信号Δtの極性に従ってゲート指令、つまりスイッチングモードの選択を行う。三相交流インバータ装置における基本的なスイッチングモード、つまりゲート指令は下記の6通りである。
ラインL1、L2、L3をa相、b相、c相とし、電流目標関数信号J(t)と各相を流れる電流i1a、i1b、i1cとの差をΔa≧、Δb<、Δcとする。
(1)スイッチングモード1は、Δa≧0、Δb<0、Δc<0の場合である。このとき、スイッチ素子U、Y、Zがオンで、スイッチ素子V、W、Xがオフであり、a相の電流保持用のインダクタLp1を流れる電流は増加する。
(2)スイッチングモード2は、Δa≧0、Δb≧0、Δc<0の場合である。このとき、スイッチ素子U、V、Zがオンで、スイッチ素子W、X、Yがオフであり、a相の電流保持用のインダクタLp1とb相の電流保持用のインダクタLp2とを流れる電流は増加する。
(3)スイッチングモード3は、Δa<0、Δb≧0、Δc<0の場合である。このとき、スイッチ素子V、X、Zがオンで、スイッチ素子U、W、Yがオフであり、b相の電流保持用のインダクタLp2を流れる電流は増加する。
(4)スイッチングモード4は、Δa<0、Δb≧0、Δc≧0の場合である。このとき、スイッチ素子V、W、Xがオンで、スイッチ素子U、Y、Zがオフであり、b相の電流保持用のインダクタLp2とc相の電流保持用のインダクタLp3とを流れる電流は増加する。
(5)スイッチングモード5は、Δa<0、Δb<0、Δc≧0の場合である。このとき、スイッチ素子W、X、Yがオンで、スイッチ素子U、V、Zがオフであり、c相の電流保持用のインダクタLp3を流れる電流は増加する。
(6)スイッチングモード6は、Δa≧0、Δb<0、Δc≧0の場合である。このとき、スイッチ素子U、W、Yがオンで、スイッチ素子V、X、Zがオフであり、a相の電流保持用のインダクタLp1とc相の電流保持用のインダクタLp3とを流れる電流は増加する。
そして、前記誤差信号Δa、Δb、Δcの極性に従って行われるゲート指令によって、前記誤差信号Δa、Δb、Δcをゼロにするように制御される定サンプリング型の誤差追従式三相交流インバータ装置90にあっては、前記実施形態のインバータ装置と同様に(1−β・G)/(α・G)[Ω]の式で表される直流抵抗値にほぼ等しくなる等価内部インピーダンスZを呈する。したがって、このような誤差追従式三相交流インバータ装置90を、図5に示すように、2台以上並列接続した各定サンプリング型の誤差追従式三相交流インバータ装置の共通の同期信号は座標変換手段8d、8j、8pにそれぞれ与えられ、各インバータ装置を同期させる。
したがって、実施形態2でも、(1−β・G)/(α・G)[Ω]の式で表される直流抵抗値にほぼ等しい等価内部インピーダンスZを呈する三相交流インバータ装置、つまり回路構成が同一で電気的特性がほぼ同一である定サンプリング型の誤差追従式三相交流インバータ装置90を、図3に示した実施形態1の場合と同様に、N台並列接続し、横流を許容値以下に制限できる抵抗値になるように、制御パラメータである電圧フィードバックゲインαと電流フィードフォワードゲインβとを設定することによって、すべての三相交流インバータ2を同期させて運転することができる。このような運転中に、負荷電力需要が減少したとすると、出力監視・利得変更部10には、N台の定サンプリング型の誤差追従式三相交流インバータ装置90(1)、90(2)……90(N)のdq変換された出力データが入力されるので、出力監視・利得変更部10は、先ずその出力データから総需要負荷電力Wtを算出する。次に、N台の定サンプリング型の誤差追従式三相交流インバータ装置90(1)、90(2)……90(N)の定格出力電力Prとすると、総需要負荷電力Wtを満足できる台数mを算出、つまり、Pr・m>Wt>Pr・(m−1)を満足する台数mを算出する。ここで、定格電力Prを用いたのは、一般的に定格電力近辺が最も電力効率が高いからであり、定格電力Prを図2に示す電力効率の許容限度値Xuに対応する出力電力の下限値Puに置き換える、あるいは定格電力Prと出力電力の下限値Puとの間の任意の電力値Pdに置き換えても、許容できる電力効率の範囲内で運転することができる。なお、負荷電力需要の増大時などの負荷分担についても、前述した実施形態1の定サンプリング型の誤差追従式単相交流インバータ装置80と同様であるので、説明を省略する。また、三相インバータの出力電圧を180°位相の異なる正弦波、つまり単相3線電圧として用いた場合も、全く同様にこの発明を適用することができる。
以上の実施形態では、定サンプリング型の誤差追従式インバータ装置を単独運転、並列運転にかかわらず独立に運転する場合について主に述べたが、商用交流電源系統に連系して運転する場合がある。この場合には、この誤差追従式インバータ装置を商用交流電源系統から切り離し、つまり解列したり、あるいは投入することが必要になる場合がある。商用交流電源系統に連系するときには、予め制御パラメータである電圧フィードバックゲインαと電流フィードフォワードゲインβとを適切に設定することによって、全てのインバータ装置の等価内部インピーダンスZを設定最大値Zmにして休止状態にしておき、この状態で商用交流電源系統に連系させるのが好ましい。このようにすることによって、連系時に負荷にサージ電圧などの悪影響を与えないショックレスの連系が可能となる。そして、連系した後に、シーケンスに従って電圧フィードバックゲインαと電流フィードフォワードゲインβとを大きくすることによって、各インバータ装置の等価内部インピーダンスZを設定最大値Zmから運転時の値Zsまで徐々に小さくしながら、前記インバータ装置の位相を商用交流電源系統の位相に合わせる。このとき、連系時に商用交流電源系統にサージ電圧などの悪影響を与えないショックレスの連系とするために、インバータ装置の等価内部インピーダンスZを、設定時間をかけて行うのが好ましい。また、各インバータ装置の等価内部インピーダンスZは、前述のように横流を許容値に制限できる程度の値にすることが好ましい。なお、同期検定なしで商用交流電源系統に連係することができる。
給電中の前記インバータ装置を試験又は保守・点検するときには、試験又は保守・点検する当該インバータ装置の等価内部インピーダンスZを最大設定値Zmまで増大させた後に試験又は保守・点検を行うか、あるいは当該インバータ装置の等価内部インピーダンスZを最大設定値Zmまで増大させた後に、電源スイッチをオフにし、その後に試験又は保守・点検を行えば、試験又は保守・点検の場合にもサージの影響が小さいショックレスの給電休止が可能となる。また、逆に給電を休止していたいずれかのインバータ装置が出力電力の供給を開始するときには、最大設定値Zmに設定されている当該インバータ装置の前記等価内部インピーダンスZを、設定時間をかけて前記最大設定値Zmよりも小さい等価内部インピーダンスZsまで減少させれば、サージの影響が小さいショックレスの給電開始が可能となる。
試験又は保守・点検の場合にも同様であり、当該インバータ装置の等価内部インピーダンスZが最大設定値Zmのときに電源スイッチをオンにし、その後、制御パラメータである電圧フィードバックゲインαと電流フィードフォワードゲインβとを急峻に変化させずに、前述の設定時間以上かけて変化させることによって、当該インバータ装置の等価内部インピーダンスZを運転時の小さな値まで減少させればよい。また、装置内にはフィルタ用などの容量の大きなコンデンサが含まれたり、負荷が容量性の場合には、電源スイッチをオンにしたときに大きな突入電流が流れるので、それを防止するために何らかの手段を講じなければならない。この発明では、電源スイッチのオン前に各インバータ装置の等価内部インピーダンスを大きな突入電流が流れることのない値にしておき、この状態で電源スイッチをオンにすることによって、特別な対策を講じることなくインバータ装置を通常の状態で起動することができる。その後、シーケンスに従って等価内部インピーダンスZを通常の運転時の値Zsまで減少させればよい。なお、以上の実施形態では制御装置としてマイクロコンピュータを用いたが、個別のアナログ回路を組み合わせても勿論よい。
本発明に係る実施形態1に用いる定サンプリング型の誤差追従式単相インバータ装置80を示す図である。 本発明に係る定サンプリング型の誤差追従式単相インバータ装置の電力効率の一例を示す図である。 本発明に係る実施形態1における誤差追従式単相インバータ装置80を複数台並列に接続してなる単相電源装置100のブロック構成を示す図である。 本発明に係る実施形態2に用いる定サンプリング型の誤差追従式三相インバータ装置90を示す図である。 本発明に係る実施形態2における誤差追従式単相インバータ装置90を複数台並列に接続してなる三相電源装置200のブロック構成を示す図である。
符号の説明
1・・・直流電源
2・・・インバータ
3・・・インバータ電流検出器
4・・・出力フィルタ回路
5・・・フィルタ電圧検出器
6・・・出力電流検出器
7・・・出力端子
8・・・電流目標値形成部
8A・・・電圧指令手段
8B・・・電流利得手段
8C・・・減算手段
8D・・・電圧利得手段
8E・・・加算手段
8a・・・フィルタ電圧指令手段
8b・・・コンデンサ電流指令手段
8c・・・PWM電流誤差補償手段
8d・・・減算手段
8e・・・電圧リミッタ
8f・・・電圧帰還手段
8g・・・加算手段
8h・・・電流利得手段
8i・・・電流利得手段
8j・・・信号リミッタ
8k・・・加算手段
8l・・・座標変換手段
9・・・ゲート指令・PWM制御部
9A・・・減算手段
9B・・・ゲート指令・PWM回路
10・・・出力監視・利得変更部
11・・・同期信号発生回路
12・・・座標変換手段
13・・・ローパスフィルタ
14・・・座標変換手段
80・・・定サンプリング型の誤差追従式単相インバータ装置
90・・・定サンプリング型の誤差追従式三相インバータ装置
100・・・単相電源装置
200・・・三相電源装置

Claims (8)

  1. 制御パラメータのみを調整することで等価内部インピーダンスの値を変えることができるインバータ装置を複数台並列接続して構成した電源装置の運転方法において、
    前記制御パラメータの値を変えることによって前記インバータ装置それぞれの前記等価内部インピーダンスを変化させて、前記インバータ装置の負荷分担を調整することを特徴とする電源装置の運転方法。
  2. 一部の前記インバータ装置が負荷電力を実質的に分担しないように前記等価内部インピーダンスを個々のインバータ装置ごとに定める大きな値である第1の設定値にして事実上の休止状態にし、残りの前記インバータ装置の前記等価内部インピーダンスは負荷電力を供給することができる前記第1の設定値よりも小さい個々のインバータ装置ごとに定める第2の設定値にして負荷装置へ給電運転しているときに、又は全ての前記インバータ装置の前記等価内部インピーダンスを前記第2の設定値にして負荷装置へ給電運転しているときに、
    負荷需要が減少する場合は、前記第2の設定値にある前記等価内部インピーダンスを前記第1の設定値にして前記インバータ装置の一部又は全部を事実上の休止状態にすることを特徴とする請求項1に記載の電源装置の運転方法。
  3. 一部の前記インバータ装置が負荷電力を実質的に分担しないように前記等価内部インピーダンスを個々のインバータ装置ごとに定める大きな値である第1の設定値にして事実上の休止状態にし、残りの前記インバータ装置の前記等価内部インピーダンスを前記第1の設定値よりも小さい個々のインバータ装置ごとに定める第2の設定値にして負荷装置へ給電運転しているときに、
    負荷需要が増大する場合は、前記等価内部インピーダンスが前記第1の設定値にある一部又は全部の前記インバータ装置の前記等価内部インピーダンスを前記第2の設定値にして負荷装置へ給電することを特徴とする請求項1に記載の電源装置の運転方法。
  4. 電圧フィードバックゲインをα、電流フィードフォワードゲインをβ、インバータ電流ゲインをGとするとき、(1−β・G)/(α・G)で表される直流抵抗値を等価内部インピーダンスとするインバータ装置を複数台並列接続してなり、前記複数のインバータ装置が同一の周波数で動作する電源装置であって、
    前記インバータ装置の前記電圧フィードバックゲインαと前記電流フィードフォワードゲインβの双方又はいずれか一方を変えることによって前記等価内部インピーダンスを変化させて前記インバータ装置の負荷分担を調整することを特徴とする電源装置。
  5. 一部の前記インバータ装置が負荷電力を実質的に分担しないように前記等価内部インピーダンスを大きな第1の設定値にして事実上の休止状態にし、残りの前記インバータ装置の前記等価内部インピーダンスは負荷電力を供給することができる前記第1の設定値よりも小さい任意の第2の設定値にして負荷装置へ給電運転しているときに、又は全ての前記インバータ装置の前記等価内部インピーダンスを前記任意の第2の設定値にして負荷装置へ給電しているときに、
    負荷需要が減少するときは、給電運転している一部、又は全部のインバータの前記等価内部インピーダンスを前記第1の設定値にして前記インバータ装置を事実上の休止状態にすることを特徴とする請求項4に記載の電源装置。
  6. 一部の前記インバータ装置が負荷電力を実質的に分担しないように前記等価内部インピーダンスを前記第1の設定値にして事実上の休止状態にし、残りの前記インバータ装置の前記等価内部インピーダンスは前記任意の第2の設定値にして負荷装置へ給電運転しているときに、
    負荷需要が増大するときは、前記等価内部インピーダンスが前記第1の設定値にある一部又は全部の前記インバータ装置の前記等価内部インピーダンスを前記任意の第2の設定値にして負荷装置へ給電運転することを特徴とする請求項4記載の電源装置。
  7. 前記インバータ装置は、
    直流入力を交流出力に変換するインバータと、
    該インバータの出力側に備えられている出力フィルタと、
    前記インバータと前記出力フィルタ間を流れる交流電流を検出する第1の電流検出手段と、
    出力端子に流れる交流電流を検出する第2の電流検出手段と、
    前記出力フィルタの電圧を検出する交流電圧検出手段と、
    前記第2の電流検出手段からの電流検出信号に一方の制御パラメータである電流フィードフォワードゲインβを乗じた信号と、前記交流電圧検出手段からの電圧検出値と指令電圧値との差を示す電圧信号値に他方の制御パラメータである電圧フィードバックゲインαを乗じて得られる信号値とを加算して得られる電流目標関数信号値J(t)を生じる電流目標値形成部と、
    前記電流目標関数信号値J(t)と前記第1の電流検出手段からの電流検出信号値との差を示す誤差信号値Δ(t)を低減するように、一定のサンプリング周期毎に前記誤差信号Δ(t)をサンプリングしてインバータ電流の瞬時値を制御するゲート指令を前記インバータに与えるゲート指令・PWM制御部とを備えることを特徴とする請求項4から請求項6のいずれかに記載の電源装置。
  8. 前記インバータ装置の並列接続台数をN、総需要負荷電力をWt、前記インバータ装置の定格電力をPr、電力効率の許容限度値Xuに対応する出力電力の下限値をPu、定格電力Prと出力電力の下限値Puとの間の任意の電力をPdとするとき、Pd・m>Wt>Pd・(m−1)となる式を満足する台数m(m≦N)で運転を行うことを特徴とする請求項4から請求項7のいずれかに記載の電源装置。
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