以下、図面を参照して本発明の実施の一例を詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、本実施の形態に係るデジタルカメラ10の外観上の構成を示した図である。
図1に示すように、デジタルカメラ10の正面には、被写体像を結像させるためのレンズ21と、撮影時に被写体へ向けてLEDによる撮影補助光を照射するストロボ62と、撮影する被写体の構図を決定するために用いられるファインダ88と、が備えられている。また、デジタルカメラ10の上面には、撮影を実行する際にユーザによって押圧操作されるレリーズボタン(所謂シャッタ)92と、電源スイッチ94と、が備えられている。本実施の形態では、ストロボ62の光源としてLEDを採用したが、本発明はこれに限定されるものではなく、低消費電力の光源であればよい。
なお、本実施の形態に係るデジタルカメラ10のレリーズボタン92は、中間位置まで押下される状態(以下、「半押し状態」という。)と、当該中間位置を超えた最終押下位置まで押下される状態(以下、「全押し状態」という。)と、の2段階の押圧操作が検出可能に構成されている。そして、デジタルカメラ10では、レリーズボタン92を半押し状態にすることによりAE(Automatic Exposure、自動露出)機能が働いて露出状態(シャッタスピード、絞りの状態)が設定された後、AF(Auto Focus、自動合焦)機能が働いて合焦制御され、その後、引き続き全押し状態にすると露光すなわち、後述する電荷結合素子24への光の照射(撮影)が行われる。
一方、デジタルカメラ10の背面には、前述のファインダ88の接眼部と、撮影によって得られたデジタル画像データにより示される被写体像や各種メニュー画面、メッセージ等を表示するための液晶ディスプレイ(以下、「LCD」という。)44と、撮影を行うモードである撮影モード及び撮影によって得られたデジタル画像データにより示される被写体像をLCD44に表示(再生)するモードである再生モードの何れか一方のモードに設定する際にユーザによってスライド操作されるモード切替スイッチ96と、LCD44の表示領域における上・下・左・右の4方向の移動方向を示す4つの矢印キー及び当該4つの矢印キーの中央部に位置された決定キーの合計5つのキーを含んで構成された十字カーソルボタン98と、以後の撮影時にストロボ62を強制的に発光させるモードである強制発光モードを設定する際にユーザによって押圧操作される強制発光スイッチ99と、が備えられている。
次に、本実施の形態に係るデジタルカメラ10の電気系の構成を説明する。
図2に示すように、デジタルカメラ10は、前述のレンズ21を含んで構成された光学ユニット22と、レンズ21の光軸後方に配設された電荷結合素子(以下、「CCD」という。)24と、相関二重サンプリング回路(以下、「CDS」という。)を含んで構成されたアナログ信号処理部26と、入力されたアナログ信号をデジタルデータに変換するアナログ/デジタル変換器(以下、「ADC」という。)28と、所定容量のラインバッファを内蔵し、かつ入力されたデジタル画像データを後述するメモリ72の所定領域に直接記憶させる制御を行うと共に、デジタル画像データに対して各種のデジタル画像処理を行うデジタル信号処理部30と、を含んで構成されている。
なお、CDSによる相関二重サンプリング処理は、固体撮像素子の出力信号に含まれるノイズ(特に熱雑音)等を軽減することを目的として、固体撮像素子の1画素毎の出力信号に含まれるフィードスルー成分レベルと画素信号成分レベルとの差をとることにより正確な画素データを得る処理である。
一方、デジタルカメラ10は、デジタル画像データにより示される画像やメニュー画面等をLCD44に表示させるための信号を生成してLCD44に供給するLCDインタフェース42と、デジタルカメラ10全体の動作を司るCPU(中央処理装置)50と、主として撮影により得られたデジタル画像データを記憶するVRAM(Video RAM)により構成されたメモリ72と、メモリ72に対するアクセスの制御を行うメモリインタフェース70と、スマートメディア(Smart Media(登録商標))により構成されたメモリカード82をデジタルカメラ10でアクセス可能とするための外部メモリインタフェース80と、所定の圧縮形式でデジタル画像データに対して圧縮処理を施す一方、圧縮処理されたデジタル画像データに対して圧縮形式に応じた伸張処理を施す圧縮・伸張処理回路86と、を含んで構成されている。
デジタル信号処理部30、LCDインタフェース42、CPU50、メモリインタフェース70、外部メモリインタフェース80、及び圧縮・伸張処理回路86はシステムバスBUSを介して相互に接続されている。従って、CPU50は、デジタル信号処理部30及び圧縮・伸張処理回路86の作動の制御、LCD44に対するLCDインタフェース42を介した各所情報の表示、メモリ72及びメモリカード82へのメモリインタフェース70及び外部メモリインタフェース80を介したアクセスを行うことができる。
一方、デジタルカメラ10には、主としてCCD24を駆動させるためのタイミング信号を生成してCCD24に供給するタイミングジェネレータ32が備えられており、CCD24の駆動はCPU50によりタイミングジェネレータ32を介して制御される。
また、デジタルカメラ10にはモータ駆動部34が備えられている。モータ駆動部34は、焦点調整モータ駆動部34Aと、絞り駆動モータ駆動部34Bと、ズームモータ駆動部34Cと、シャッタスピード駆動部34Dと、を含んで構成されている。
光学ユニット22に備えられた焦点調整モータM1、絞り駆動モータM2及びズームモータM3はCPU50によりそれぞれ、焦点調整モータ駆動部34A、絞り駆動モータ駆動部34B及びズームモータ駆動部34Cを介して制御される。
すなわち、本実施の形態に係る光学ユニット22に含まれるレンズ21は複数枚のレンズを有し、焦点距離の変更(変倍)が可能なズームレンズとして構成されており、レンズ駆動機構を備えている。このレンズ駆動機構に上記焦点調整モータM1、絞り駆動モータM2及びズームモータM3は含まれるものであり、これらのモータはCPU50から出力される制御信号に応じて、焦点調整モータ駆動部34A、絞り駆動モータ駆動部34B及びズームモータ駆動部34Cの各々で駆動信号が生成され、その駆動信号によって駆動される。
CPU50は、光学ズーム倍率を変更する際にはズームモータM3をズームモータ駆動部34Bを介して駆動制御して光学ユニット22に含まれるレンズ21の焦点距離を変化させる。
また、CPU50は、CCD24による撮像によって得られた画像のコントラスト値が最大となるように上記焦点調整モータM1を焦点調整モータ駆動部34Aを介して駆動制御することによって合焦制御を行う。すなわち、本実施の形態に係るデジタルカメラ10では、合焦制御として、読み取られた画像のコントラストが最大となるようにレンズの位置を設定する、所謂TTL(Through The Lens)方式を採用している。
また、光学ユニット22は、検出部33及び液晶シャッタ23を備えている。検出部33は、被写体からの光量を検出するものである。液晶シャッタ23は、被写体からの光を透過及び遮断するためのものである。検出部33は、CPU50に接続されており、液晶シャッタ23は、シャッタスピード駆動部34Dを介してCPU50に接続されている。
CPU50は、検出部33で検出された被写体からの光量に基づいて、シャッタスピード及び絞りの開口状態を適正露出となるように光学ユニット22に備えられた液晶シャッタ23をシャッタスピード駆動部34Dを介して駆動制御し、また、上記絞り駆動モータM2を絞り駆動モータ駆動部34Bを介して駆動制御することによって露出制御を行う。
なお、本実施の形態ではシャッタとして、液晶シャッタ23を用いているが、電子シャッタ等、他のシャッタを用いた構成としてもよい。例えば、CCD24の読み取り時間等を調整するいわゆる電子シャッタ機構すなわちタイミングジェネレータ32を介して、CCD24を制御する構成の場合には、液晶シャッタ23を設ける必要はない。また、CCD24により被写体からの光量を検知する構成とする場合には、検出部33は設ける必要はない。
更に、前述のレリーズボタン92、電源スイッチ94、モード切替スイッチ96、十字カーソルボタン98、及び強制発光スイッチ99の各種ボタン類及びスイッチ類(「操作部90」と総称する。)はCPU50に接続されており、CPU50は、これらの操作部90に対する操作状態を常時把握できる。
また、デジタルカメラ10には、ストロボ62とCPU50との間に介在されると共に、CPU50の制御によりストロボ62を発光させるための電力を充電する充電部60が備えられている。更に、ストロボ62はCPU50にも接続されており、ストロボ62の発光はCPU50によって制御される。
検出部33は、本発明の検出手段に対応し、CPU50は、本発明の制御手段に対応し、ストロボ62は、本発明の補助光源に対応し、レリーズボタン92は、本発明の撮影指示手段に対応する。
次に、本実施の形態に係るデジタルカメラ10の作用を説明する。まず、撮影時におけるデジタルカメラ10の全体的な動作について簡単に説明する。
ユーザがデジタルカメラ10で被写体を撮影する際には、まず、電源スイッチ94の押圧により、デジタルカメラ10の電源がオンされる。
また、CPU50から指示がなされ、CCD24は所定のタイミングで光学ユニット22を介した撮像を行い、被写体像を示すR(赤)、G(緑)、B(青)の信号をアナログ信号処理部26に順次出力する。アナログ信号処理部26は、CCD24から入力された信号に対して相関二重サンプリング処理等のアナログ信号処理を施した後にADC28に順次出力する。ADC28は、アナログ信号処理部26から入力されたR、G、Bの信号を各々12ビットのR、G、Bの信号(デジタル画像データ)に変換してデジタル信号処理部30に順次出力する。デジタル信号処理部30は、内蔵しているラインバッファにADC28から順次入力されるデジタル画像データを蓄積して一旦メモリ72の所定領域に格納する。
メモリ72の所定領域に格納されたデジタル画像データは、CPU50による制御によりデジタル信号処理部30によって読み出され、これらに所定の物理量に応じたデジタルゲインをかけることでホワイトバランス調整を行うと共に、ガンマ処理及びシャープネス処理を行なって8ビットのデジタル画像データを生成し、更にYC信号処理を施して輝度信号Yとクロマ信号Cr、Cb(以下、「YC信号」という。)を生成し、YC信号をメモリ72の上記所定領域とは異なる領域に格納する。
なお、LCD44は、CCD24による連続的な撮像によって得られた動画像(スルー画像)を表示してファインダとして使用することができるものとして構成されているが、このようにLCD44をファインダとして使用する場合には、生成したYC信号を、LCDインタフェース42を介して順次LCD44に出力する。これによってLCD44にスルー画像が表示されることになる。
ここで、レリーズボタン92がユーザによって半押し状態とされた場合、前述のようにAE機能が働いて露出状態が設定された後、AF機能が働いて合焦制御され、その後、引き続き全押し状態とされた場合、この時点でメモリ72に格納されているYC信号を、圧縮・伸張処理回路86によって所定の圧縮形成(本実施の形態では、JPEG形式)で圧縮した後に外部メモリインタフェース80を介してメモリカード82に記録することにより撮影が行われる。
次に、本実施形態の作用を説明する。ここでは、本実施形態のデジタルカメラ10における撮影処理を主にデジタルカメラ10の作動を説明する。
図3は本発明のデジタルカメラ10の撮影処理においてCPU50で実行される制御処理を示すフローチャートである。また、図4は撮影処理と、ストロボ62の発光量とCCD24への露光量の変化の関係を示すタイムチャートである。図4(a)は撮影処理のタイミングを示しており、(b)は、ストロボ62の発光量とCCD24への露光量の変化を示している。
レリーズボタン92が半押しされ(図4の時間T10)、撮影指示が入力されると図3に示す処理ルーチンが実行される。まず、ステップ100では、AE制御を行って、絞りの開口状態及びシャッタスピードを決定し、被写体からの光量すなわち、CCD24への露光量を決定する(図4の時間T12)。この決定値は、メモリに記憶する。また、被写体像をCCD24に結像させ、AF制御を行う(図4の時間T14)。
次に、ステップ102では、レリーズボタン92が全押しされたか否かを判定する。レリーズボタン92が全押しされていない場合は、否定判定を繰り返し、全押し(図4の時間T16)されると(ステップ102で肯定)ステップ104へ進む。
ステップ104では、ストロボ62の点灯制御を開始し、ストロボ62に点灯信号を出力する(図4の時間T18)。これによって、ストロボ62に含まれるLEDは発光し、被写体へ向けて撮影補助光の照射が開始される。図4(b)に示すように、ストロボ62の発光量は、一定光量(例えば最大光量)になるまで徐々に増加する。
ここで、ストロボ62の光源として用いたLEDは、点灯を開始してから一定光量になるまでの立上がり時間tx0を伴って点灯する。従って、点灯を開始してから立上がり時間tx0以内に撮像(CCD24への露光)を開始すると、光量不足になる場合がある。そこで本実施の形態では、ストロボ62の点灯を開始し、立上がり時間tx0を経過した後に、撮像を開始する。このため、立上がり時間tx0を予め、メモリに記憶する。そして、ステップ104では、立上がり時間tx0を図示しないタイマー等で計測し、立上がり時間tx0を経過した後に、ステップ106へ進む。
ステップ106では、撮像制御を開始し、被写体を撮像するようにCCD24への露光を開始させる(図4の時間T20)。これによって、CCD24には、被写体からの光が、光学ユニット22を介して照射される。露光開始時T20には、ストロボ62の発光量は一定光量(最大光量)に達している。従って、露光開始時T20からCCD24には、露光に必要な光量の光が照射される。
次のステップ108では、被写体の撮像制御を終了する。これによって、CCD24に対する、露光が終了され(図4の時間T22)、被写体の画像が取り込まれて、画像データとして取得される。
次のステップ110では、ストロボ62に対して、消灯信号を出力して、本ルーチンを終了する。これによって、ストロボ62は、発光を停止する。発光量は徐々に減少し、T24の時点で発光量が0になる。CCD24の露光時間t10の範囲内では、ストロボ62の発光量は一定光量を維持した状態である。従って、露光時間中は、充分な光量がCCD24に照射できる。
このように、本実施の形態では、ストロボ62(すなわちLED)が点灯を開始した後、一定光量に達してから撮像を開始している。従って、ストロボ62の発光についての立上がり特性がなだらかである場合であっても、ストロボ62が本来有する発光能力すなわち一定光量による被写体への光の照射が可能となる。これによって、被写体へ照射する光が不足することを抑制することができる。従って、被写体を撮像した画像の画質を向上することができる。
[第2の実施の形態]
本実施の形態は、ストロボ62の点灯が開始された後にAF制御するものである。なお、実施の形態に係るデジタルカメラ10の構成は、上記実施の形態のデジタルカメラ10と略同様であるので、同一部分には、同一符号を付して詳細な説明は省略する。
本実施の形態では、撮影補助光の光量を制御可能なストロボ62が設けられている。
次に、本実施形態の作用を説明する。ここでは、上記実施の形態と異なる部分であるデジタルカメラ10における撮影処理について図5の処理ルーチンを参照して説明する。
まず、デジタルカメラ10に電源投入されると図5のステップ200に進み、レリーズボタン92が半押しされたか否かを判定する。レリーズボタン92が半押しされていない場合は、否定判定を繰り返し、半押し(図6の時間T20)されると(ステップ200で肯定)ステップ202へ進む。
ステップ202では、AE制御を行って、絞りの開口状態及びシャッタスピードを決定し、被写体からの光量、すなわちCCD24への露光量を決定する(図6の時間T22)。ステップ202では、検出部33によって検出された被写体からの光量に基づく周知のAE制御演算によって得ることができる、被写体の撮像に必要なストロボ62による撮影補助光の光量Ix1を読み取る。本実施の形態では、ストロボ62の所定光量(例えばLEDの最大光量)が光量Ix1として記憶されている。
次のステップ204では、予めメモリに記憶されたモードデータやスイッチの設定に基づいて、ストロボ制御モードが否かを判定する(図6の時間T24)。例えば、スイッチの設定にはストロボ62を強制発光させるために強制発光スイッチ99のオンオフ設定がある。また、モードデータの設定には、LCD44に表示される図示しないメニュー画面から十字カーソルボタン98によってストロボ制御モードが選択されたときにメモリに格納されるデータの設定がある。これらの設定は、ルーチンが開始される前に予めデジタルカメラ10に入力されている。従って、ストロボ制御モードが設定されている場合は、ステップ204で肯定され、ステップ208へ進む。一方ステップ204で否定されると、ステップ206に進んで、通常の撮影処理を行った後に本撮影処理を終了する。
なお、ステップ206の通常撮影処理は、後述するストロボ制御モード時のストロボ制御を含まない処理である。例えば、ストロボ非点灯、図3の処理、その他、デジタルカメラが有する所定の処理である。
ところで、撮影のために被写体の合焦を行うが、その合焦時には例えばコントラストが得られるだけの被写体からの光が必要である。この場合、ストロボ62の光量は微弱でもよく、本実施の形態では、AF時に必要な光量として予め定めた所定の光量(撮影補助光の光量)をAF用補助光光量Iy1として、予めメモリに記憶している。なお、AF用補助光光量Iy1は、図6(b)に示すように、CCD24への露光のための光量Ix1より少量としたが、図6(c)に示すように、上記の光量Ix1と一致させてもよい。
従って、ステップ204で肯定されると、ステップ208において、AF用補助光光量Iy1を読み取って、ストロボ62の点灯制御を開始し、ストロボ62に点灯信号を出力する(図6の時間T26)。これによって、ストロボ62は発光し、被写体へ向けてAF用補助光の照射が開始される。図6(b)に示すように、ストロボ62の発光量は、Iy1になるまで徐々に増加する。
ここで、ストロボ62は、光量の増加を開始してから一定光量(Iy1)になるまでの立上がり時間ty1を伴って点灯する。従って、点灯を開始してから立上がり時間ty1以内にAFを開始すると、光量不足になる場合がある。そこで本実施の形態では、ストロボ62の光量の増加を開始し、立上がり時間ty1を経過した後に、AFを開始する。このため、立上がり時間ty1を予め、メモリに記憶する。そして、ステップ208では、立上がり時間ty1を図示しないタイマー等で計測し、立上がり時間ty1を経過した後に、ステップ210へ進む。
なお、本実施の形態で示すように、AF用補助光の光量を図6(b)に示すように、AF用補助光光量Iy1を光量Ix1より少量とした場合は、ストロボ62における消費電力を低減することができる。
次のステップ210では、被写体像をCCD24に結像させ、AF制御を行う(図6の時間T28)。AF制御時は、ストロボ62の発光量はAF用補助光光量Iy1に達して一定光量を維持しているので、AF制御に利用するために充分な光量の光が被写体に照射されている。
次に、ステップ212では、レリーズボタン92が全押しされたか否かを判定する。レリーズボタン92が全押しされていない場合は、否定判定を繰り返し、全押し(図6の時間T30)されると(ステップ212で肯定)ステップ214へ進む。
ステップ212で肯定されると撮像のためのCCD24への露光が行われるが、AF用補助光光量Iy1がステップ202で読み取った光量Ix1よりも少量の場合、CCD24への露光が充分に行われない等問題が生じる場合がある。
そこで、ステップ214では、発光制御処理を実行する。この発光制御処理は、ストロボ62の発光量をAF用補助光の光量Iy1からステップ202で読み取った光量Ix1に変更するように、ストロボ62に信号を出力する処理である。これによって、図6(b)に示すようにAF用補助光光量Iy1が光量Ix1より少ない場合は、ストロボ62の発光量が、光量Ix1になるまで徐々に増加する。
なお、上記実施形態と同様に、ストロボ62は、光量の増加を開始してから一定光量(Ix1)になるまでの立上がり時間tx1を伴って点灯する。従って、点灯を開始してから立上がり時間tx1以内に撮像(CCD24への露光)を開始すると、光量不足になる場合がある。そこで本実施の形態では、ストロボ62の光量の増加を開始し、立上がり時間tx1を経過した後に、撮像を開始する。このため、立上がり時間tx1を予め、メモリに記憶する。そして、ステップ214では、立上がり時間tx1を図示しないタイマー等で計測し、立上がり時間tx1を経過した後に、ステップ216へ進む。
また、図6(c)に示すようにAF用補助光光量Iy1と光量Ix1が同量である場合は、ストロボ62の発光量を維持するように指示を出力し、ステップ216へ進む。
ステップ216では、撮像制御を開始し、被写体を撮像するようにCCD24への露光を開始させる(図6の時間T34)。これによって、CCD24には、被写体からの光が、光学ユニット22を介して照射される。露光開始時T34には、ストロボ62の発光量は光量Ix1に達している。従って、露光開始時T34からCCD24には、光量Ix1の照射によって充分な光が被写体から得られる。
次のステップ218では、被写体の撮像制御を終了する。これによって、CCD24に対する露光が終了され(図6の時間T36)、被写体の画像が取り込まれ、画像データとして取得される。
次のステップ220では、ストロボ62に対して、消灯信号を出力して、本ルーチンを終了する。これによって、ストロボ62は、発光を終了する。ストロボ62の光量は徐々に減少し、T38の時点で発光量が0になる。
このように、本実施の形態では、ストロボ62がAF用補助光光量Iy1により発光されてから、CPU50によってAF制御が行われ、その後にCCD24への露光を開始している。これによって、ストロボ62からのAF用補助光の照射によってAF制御が行えるので、合焦の精度の高い、高画質の画像を得ることができる。
なお、ストロボ62にLEDが複数含まれる場合は、ステップ208において、複数のLEDのうち少なくとも1つのLEDのみ、発光させてもよい。この場合、光軸(撮影光軸)に沿う被写体へ向かう方向を担当する中心位置のLEDが好ましく、被写体が選択的な場合には、選択して被写体に対して照射するLEDを指定することが好ましい。また、ストロボ62に含まれるLEDの照射方向が可動な場合は被写体の中心に向けて照射させてもよい。
[第3の実施の形態]
本実施の形態は、ストロボ62の点灯が開始された後にAE制御及びAF制御するものである。なお、実施の形態に係るデジタルカメラ10の構成は、上記実施の形態のデジタルカメラ10と略同様であるので、同一部分には、同一符号を付して詳細な説明は省略する。
次に、本実施形態の作用を説明する。ここでは、上記実施の形態と異なる部分であるデジタルカメラ10における撮影処理について図7の処理ルーチンを参照して説明する。
まず、デジタルカメラ10に電源投入されると図7のステップ300に進み、レリーズボタン92が半押しされたか否かを判定する。レリーズボタン92が半押しされていない場合は、否定判定を繰り返し、半押し(図8の時間T40)されると(ステップ300で肯定)ステップ302へ進む。
ステップ302では、上記ステップ204と同様に予めメモリに記憶されたモードデータやスイッチの設定に基づいて、ストロボ制御モードが否かを判定する(図8の時間T42)。ストロボ制御モードが設定されている場合は、ステップ302で肯定され、ステップ306へ進む。一方ステップ302で否定されると、ステップ304に進んで、通常の撮影処理を行った後に本撮影処理を終了する。
ところで、上述のように、デジタルカメラ10では、検出部33で検出した被写体からの光量により適正露出値(シャッタスピード及び絞りの開口状態)が求められる。適正露出値は、求めたときの被写体からの光量と実際の撮像時の被写体からの光量の光量差が大きいほど、すなわち被写体が暗いほど、誤差が大きくなる。従って、露出制御時に、微少な光を照射して、露出制御の補助を行うことが好ましい。
そこで、本実施の形態では、AE制御時及びAF制御時に補助的に所定の光量の撮影補助光を照射して、AE制御及びAF制御を補助している。このストロボ62による撮影補助光の光量をAF用補助光光量Iy2として、予めメモリに記憶している。
まず、AF用補助光光量Iy2の値が後述する光量Ix2より小さい(Iy2<Ix2)の場合を説明する。
上記、ステップ302で肯定されると、ステップ306において、AF用補助光光量Iy2を読み取って、ストロボ62の点灯制御を開始し、ストロボ62に点灯信号を出力する(図8の時間T44)。
これによって、ストロボ62は発光し、被写体へ向けてAF用補助光の照射が開始される。図8(b)に示すように、ストロボ62の発光量は、一定光量(Iy2)になるまで徐々に増加する。
ここで、ストロボ62のLEDは、光量の増加を開始してから一定光量(Iy2)になるまでの立上がり時間ty2を伴って点灯する。従って、点灯を開始してから立上がり時間ty2以内にAE制御及びAF制御を開始すると、光量不足になる場合がある。そこで本実施の形態では、ストロボ62の光量の増加を開始し、立上がり時間ty2を経過した後に、AE制御及びAF制御を開始する。このため、立上がり時間ty2を予め、メモリに記憶する。そして、ステップ208では、立上がり時間ty2を図示しないタイマー等で計測し、立上がり時間ty2を経過した後に、ステップ308へ進む。
次のステップ308では、AE制御を行って、絞りの開口状態及びシャッタスピードを決定し、被写体からの光量、すなわちCCD24への露光量を決定する(図8の時間T46)。AE制御時は、AF用補助光光量Iy2の一定光量を照射しているので、適正露出値を容易に求めることができる。このとき、検出部33によって検出された被写体からの光量に基づく周知のAE制御演算によって得ることができる、被写体の撮像に必要な光量Ix2を読み取る。本実施の形態では、光量Ix2はメモリに記憶されている。
次のステップ310では、被写体像をCCD24に結像させ、AF制御を行う(図8の時間T48)。AF制御時においても、AF用補助光光量Iy2の一定光量を照射している。
次に、ステップ312では、レリーズボタン92が全押しされたか否かを判定する。レリーズボタン92が全押しされていない場合は、否定判定を繰り返し、全押し(図8の時間T50)されると(ステップ312で肯定)ステップ314へ進む。
ステップ314では、光量Ix2が、AF用補助光光量Iy2より多い場合、AF用補助光光量Iy2と一致する場合、AF用補助光光量Iy2より少なく、0より大きい場合、0の場合のうちのいずれの場合かを判定する。
ここでは、光量Ix2が補助光光量Iy2よりも多い場合(Iy2<Ix2)なので、ステップ316へ進む。
ステップ316では、図5のステップ214と略同様に発光を制御する処理を実行する。この発光を制御する処理は、ストロボ62の発光量をAF用補助光の光量Iy2からステップ308で読み取った光量Ix2に変更するように、ストロボ62に信号を出力する処理である。これによって、ストロボ62の発光量が、Ix2になるまで徐々に増加する(図8の時間T52)。
ここで、ストロボ62は、光量の増加を開始してから一定光量(Ix2)になるまでの立上がり時間tx2を伴って点灯する。従って、点灯を開始してから立上がり時間tx2以内に撮像(CCD24への露光)を開始すると、光量不足になる場合がある。そこで本実施の形態では、LEDの光量の増加を開始し、立上がり時間tx2を経過した後に、撮像を開始する。このため、立上がり時間tx2を予め、メモリに記憶する。そして、ステップ316では、立上がり時間tx2を図示しないタイマー等で計測し、立上がり時間tx2を経過した後に、ステップ320へ進む。
ステップ320では、撮像制御を開始し、被写体を撮像するようにCCD24への露光を開始させる(図8の時間T54)。
これによって、CCD24には、被写体からの光が、光学ユニット22を介して照射される。露光開始時T54には、ストロボ62の発光量は光量Ix2に達している。
次のステップ322では、被写体の撮像制御を終了する。これによって、CCD24に対する露光が終了され(図8の時間T56)、被写体の画像が取り込まれ、画像データとして取得される。
次のステップ324では、ストロボ62に対して、消灯信号を出力して、本ルーチンを終了する。
これによって、ストロボ62は、発光を終了する。ストロボ62の光量は徐々に減少し、T58の時点で発光量が0になる。
このように、ストロボ62が発光してから、CPU50によってAE制御が行われ、その後にCCD24への露光を開始している。これによって、ストロボ62からのAF用補助光の照射によって適正露出値が求められるので、容易に求めることができる。従って、露出のあった、高画質の画像を得ることができる。
また、適正露出値を求めるときの被写体からの光量とCCD24への露光時の被写体からの光量の差を小さくすることができる。
一方、光量Ix2がAF用補助光光量Iy2と一致する(Ix2=Iy2)場合には、ステップ314の判断結果としてステップ318へ処理を移行する判断を行う。
Ix2=Iy2の場合には、例えば、光量Ix2とAF用補助光光量Iy2とを、ストロボ62の発光量の最大光量とした(図8(c))の場合がある。
この場合は、AF用補助光光量Iy2が撮像時の光量Ix2と一致するため、ステップ318では、ストロボ62の発光量を維持するように制御する処理を実行しステップ320へ進む。
このように、AF用補助光光量Iy2と光量Ix2が一致しているため、精度の高い適正露出値を求めることができ、従って、露出のあった、高画質の画像を得ることができる。
また、AF用補助光光量Iy2から光量Ix2に変更するにあたって、光量の増加がないので、それに伴う時間が不要になる。
さらに、AF用補助光光量Iy2より光量Ix2が少ない場合、特に、光量Ix2が0の場合(Ix2=0)には、ステップ314の判断として、ステップ326へ処理を移行する判断を行う。
AF用補助光光量Iy2より光量Ix2が少ない場合の一例に、Ix2=0がある。図9には、撮像のためのCCD24への露光にストロボ62が発光せずとも充分な光量の光が被写体から得られる場合の一例を示した。
ステップ326では、ストロボ62に対して、消灯信号を出力して(図9の時間T72)、ステップ328へ進む。これによって、ストロボ62は、発光を終了する。発光量は徐々に減少し、T74の時点で発光量が0になる。
なお、Ix2>0の場合には、ストロボ62を点灯してもよい。
ステップ328では、撮像制御を開始し、被写体を撮像するようにCCD24への露光を開始させる(図9の時間T76)。
これによって、CCD24には、被写体からの光が、光学ユニット22を介して照射される。露光開始時T76には、ストロボ62の発光は終了している。
次のステップ330では、被写体の撮像制御を終了して、本ルーチンを終了する。これによって、CCD24に対する露光が終了され(図9の時間T78)、被写体の画像が取り込まれ、画像データとして取得される。
このように、特に、光量Ix2が0、すなわち、ストロボ62の発光が不要である場合に消灯(または減光)してから撮像を行っているため、ストロボ62による過剰な光の照射を抑制でき、また消費電力を軽減できる。更に、被写体が明るくなりすぎるのを防止し、被写体を撮像した画像が白トビ等するのを軽減させることができる。従って、被写体を撮像した画像の画質を向上することができる。
なお、AF用補助光光量Iy2は、図9(b)に示すようにストロボ62の発光量の最大光量としてもよいし、図9(c)に示すように、最大光量よりも少量であってもよい。