JP2006310450A - アサーマル光増幅器またはアサーマル・レーザ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】温度による光学長変化が少なく、かつ信頼性の高い光増幅器またはレーザ装置を構成する方法を提供する。
【解決手段】少なくとも、所定の波長(波長1)で光信号を増幅できる増幅媒体と、該増幅媒体を増幅可能な状態に励起できる波長(波長2)の光を放射する励起光源と、波長1の信号光を入力する入力ポートと、波長1の光と波長2の光を合波できる合波器と、増幅された波長1の光を出力する出力ポートとを備えた光増幅器において、増幅媒体の一部がフッ化物ガラスからなり、実効的な光学長の温度依存性(dL/dT)を小さくすることを特徴とするアサーマル光増幅器および、アサーマル・レーザ装置。
【選択図】 図1
【解決手段】少なくとも、所定の波長(波長1)で光信号を増幅できる増幅媒体と、該増幅媒体を増幅可能な状態に励起できる波長(波長2)の光を放射する励起光源と、波長1の信号光を入力する入力ポートと、波長1の光と波長2の光を合波できる合波器と、増幅された波長1の光を出力する出力ポートとを備えた光増幅器において、増幅媒体の一部がフッ化物ガラスからなり、実効的な光学長の温度依存性(dL/dT)を小さくすることを特徴とするアサーマル光増幅器および、アサーマル・レーザ装置。
【選択図】 図1
Description
本発明は、温度による光学長変化がほとんどない、アサーマル光増幅器およびアサーマル・レーザ装置に関する。
光増幅器やレーザは、光通信や計測などの分野において、主に石英ファイバを用いた装置として実用化されている。
例えば、1.3〜1.65μm帯での光通信用ファイバ光増幅器では、石英ファイバのコア部にEr、Pr、Nd、Tmなどを添加して増幅媒体として使用する例が多数報告されている。また、リン酸塩系のガラス導波路を用いた小型の光増幅器、ビスマス系ガラスファイバを用いた光増幅器、テルライト系ガラスを用いた光増幅器、フッ化物ガラスファイバを用いた光増幅器なども報告されている。
増幅器と同様にレーザにおいても、石英ファイバや他の組成のガラスファイバや導波路を用いた種々の構成のレーザが報告されている。
これらの装置では、高出力化、使用可能な波長の探索、分散の補償による短パルス化は精力的に行われているが、温度依存性の解消に関しては簡単かつ有効な手だてが見つかっていない。石英ファイバを例に取ると、使用ファイバ長が20mの一般的なEr添加光増幅器では、石英ガラスの熱膨張係数は0.5×10-6/K程度であり、この影響だけを考慮してもdL/dT=10μm/Kとなる。実際には屈折率の温度依存性も正なので、実効的光学長変化は250μm/Kに達する。このような変化量は、例えば繰り返し周波数40GHz以上の高繰り返し信号に対して、タイミングずれによるビットエラーレート増加を引き起こす危険性が高い。
光増幅器やレーザ装置の光学経路長の温度依存性(dL/dT)は、以下の式で与えられる。
上記の式で、通常の光学材料の屈折率の温度依存性(dn/dT)と膨張係数(k)は正の値であることから、各光学部品の dL/dT を相殺するには、k または dn/dT またはその両方が負の材料を使用する必要があると判る。
k が負の材料としては、結晶化ガラスや一部の酸化物が知られているものの、光学経路内に挿入できるような、光学的に十分に低損失な材料は知られていない。
dn/dT が負の材料としては、シリコーン樹脂などの樹脂材料、フッ化物ガラスなどイオン性結合のガラス材料や結晶材料、一部のリン酸塩ガラスやホウ珪酸塩ガラスなどの酸化物ガラスが知られている。シリコーン樹脂などの樹脂材料を用いた光学長の温度補償はアレイ導波路回折格子(AWG)素子で検討されており、実際にアサーマルAWG素子として販売もされている(特許文献1)。
dn/dT が負の材料としては、シリコーン樹脂などの樹脂材料、フッ化物ガラスなどイオン性結合のガラス材料や結晶材料、一部のリン酸塩ガラスやホウ珪酸塩ガラスなどの酸化物ガラスが知られている。シリコーン樹脂などの樹脂材料を用いた光学長の温度補償はアレイ導波路回折格子(AWG)素子で検討されており、実際にアサーマルAWG素子として販売もされている(特許文献1)。
また、近年フッ化物ファイバの取り扱い技術が飛躍的に向上し、実用的な光学材料として浮上してきた。そのため、上記温度補償にフッ化物ガラスを使用することが考えられる。この場合、増幅器外で使用される一般的なファイバは石英ガラスファイバであるため、フッ化物ファイバと石英ファイバを接続する必要がある。従来の接続方法としては、接着剤などで固定する方法が紹介されている(特許文献2)。
特開平10−227930号公報
特開平6−27343号公報
しかし、前述した特開平10−227930号公報によるような、接着剤などの樹脂材料は短パルスの高ピークパワーや急峻な電界強度変化によって破壊されやすく、耐久性に問題がある。このため、これらの装置の光学部分を温度制御したり、使用温度範囲を狭く制限する必要があった。また、樹脂で補償する方法は、樹脂材料の透明性に限界があるために、補償可能な素子サイズが小さい。さらに、損失は吸収と等価であり、樹脂材料を用いた補償方法が高強度短パルス用素子に使用できないことは明白である。
また、フッ化物ガラスを使用して温度補償を行う場合でも、前述した特開平6−27343号公報によるような樹脂や接着剤を用いる方法では、前述の樹脂材料による補償方法と同じように、短パルスや高光強度パルスが通過すると損傷が起きやすいため、実用的でない。接着剤を用いずに空間を空けて固定した場合は、空気との屈折率差により電界集中が起こり、損傷が起こりやすいため、短パルス応用には不向きである。
さらに、フッ化物などのイオン性固体であっても、一般的に負の dn/dT の値は、他の光学部品に使用される光学材料の正の dn/dT の値と絶対値が同程度であり、補正できる値が小さいか、または長尺の光学長が必要となる。例えば、フッ化物ガラスのdn/dT値は-15×10-6/K程度であり、石英ガラスのもつ11.9×10-6/Kと同程度であるため、温度補償のためには同程度の長さが必要である。
このように、従来の技術では、dL/dTを小さくし、かつ信頼性の高い光増幅器またはレーザ装置を構成できない問題がある。
本発明は、少なくとも、所定の波長(波長1)で光信号を増幅できる増幅媒体と、該増幅媒体を増幅可能な状態に励起できる波長(波長2)の光を放射する励起光源と、波長1の信号光を入力する入力ポートと、波長1の光と波長2の光を合波できる合波器と、増幅された波長1の光を出力する出力ポートとを備えた光増幅器において、増幅媒体の一部がフッ化物ガラスからなり、実効的な光学長の温度依存性(dL/dT)を小さくすることを特徴とするアサーマル光増幅器である。
また、少なくとも、所定の波長(波長1)で光信号を増幅できる増幅媒体と、該増幅媒体を増幅可能な状態に励起できる波長(波長2)の光を放射する励起光源と、波長1の光と波長2の光を合波できる合波器と、波長1の光でレーザ発振可能な帰還方法と、波長1のレーザ光を出力する出力ポートとを備えたレーザ装置において、増幅媒体の一部がフッ化物ガラスからなり、実効的な光学長の温度依存性(dL/dT)を小さくすることを特徴とするアサーマル・レーザ装置である。
また、増幅媒体が、少なくとも光を導波するコア部とそれを取り巻くクラッド部から成り、少なくともコア部に増幅作用の得られるドーピング剤が添加されていることを特徴とする、上記のアサーマル光増幅器またはアサーマル・レーザ装置である。
また、増幅媒体の一部が酸化物ガラス、ハライド酸化物ガラス,ハライドガラス,カルコゲナイドガラス,カルコハライドガラス,テルライトガラス,ビスマス酸塩ガラス,ゲルマネートガラス,ガリウム酸塩ガラスから選ばれる少なくとも一種類のガラスからなることを特徴とする、上記のアサーマル光増幅器またはアサーマル・レーザ装置である。
また、増幅媒体、励起光源、合分波器などの光学要素が各々または集積化されてモジュール化されており、各モジュール間を石英ファイバで接続し、入力ポートおよび出力ポートが光アダプタまたは光コネクタで終端されており、増幅媒体の少なくとも一部に用いられるフッ化物ガラスの媒体長を調整することでアサーマル化を達成することを特徴とする、上記のアサーマル光増幅器またはアサーマル・レーザ装置である。
また、フッ化物ガラス増幅媒体がフッ化物ファイバであり、入力端と出力端を備え、該入力端と出力端は石英ファイバから成り、フッ化物ファイバと石英ファイバが融着されており、少なくともフッ化物ファイバと融着部分がハーメチックシールされたモジュールであることを特徴とする、上記のアサーマル光増幅器またはアサーマル・レーザ装置である。
さらに、フッ化物ガラス増幅媒体の長さが5m以下であることを特徴とする、上記ののアサーマル光増幅器またはアサーマル・レーザ装置である。
さらにまた、実効的な光学長の温度依存性(dL/dT)が±50μm/K以内であることを特徴とする上記のアサーマル光増幅器またはアサーマル・レーザ装置である。
さらにまた、実効的な光学長の温度依存性(dL/dT)が±50μm/K以内であることを特徴とする上記のアサーマル光増幅器またはアサーマル・レーザ装置である。
本発明によれば、dL/dTを小さくすることにより、伝送情報の到達時間の差を抑制出来るため、実効的にエラーのない通信を実現かつ信頼性の高い光増幅器またはレーザ装置を構成することが可能となり、広い温度範囲で安定に同期動作可能な通信システムや計測システムを構築できる。
本発明の重要な点は、増幅媒体に温度補償用の材料を使用することにある。光増幅作用は、励起光によって所定の上準位に励起された状態で、共鳴周波数の光が入力することにより、所定の下準位に脱励起することによって得られる。この際、増幅作用が得られる光子エネルギーと、励起波長の光子エネルギーでは後者の方が大きいため、励起光のエネルギーの一部は増幅媒体中で熱に変換される。このため、増幅媒質は加熱され、周囲温度よりも高温になる事が判っている。この結果、増幅媒体に負の dn/dT を持つ材料を使用した場合、増幅時に放出される余剰の熱によって負の屈折率変化が増長され、比較的短尺で大きな温度補償効果を得ることができる。
フッ化物増幅媒体は、他の増幅媒体と組み合わせた場合にも同様の効果を発揮できることは明白である。このような使用方法は、カスケード型光増幅器やリジェネレイティブ・レーザパワー増幅や注入型増幅器などで見られるが、他の増幅媒体の dn/dT が正の場合は熱による正の屈折率変化が増長されるので、フッ化物の温度補償効果と打ち消し合う事に注意する必要がある。
フッ化物材料を増幅媒体として使用すれば、前述の理由により短尺でも十分に温度補償可能で、一般的には5m以下、小型装置では3m以下の長さで補償できる。一方、短尺すぎる場合には効果が期待できないことから、集積化光部品の場合においても1mm以上の長さであることが好ましい。
この構成でフッ化物ファイバと異種材料ファイバの接続が必要な場合、融着によることが望ましい。融着により、光学経路は樹脂材料を全く使用しない構成が可能となり、短パルスや高光強度パルスが通過した場合の耐光損傷性が向上する。また、耐熱性も向上するため、増幅媒体が加熱するような本発明の構成において、好ましい。
補償後の実効光学長の温度依存性は±50μm/K以内であることが好ましい。この値を超えると、40GHz以上の同期でビットエラーレートが大きくなり、実用的でない。さらに好ましい値として、補償後の実効光学長の温度依存性は±10μm/K以内である。
フッ化物は温度安定化のために、金属または金属箔を用いた熱伝導性の良好な容器にハーメチックシールで収容することが好ましい。また、ファイバを収容した容器を積極的に温度制御することで、より大きな温度補償効果を得ることもできる。
上述の温度依存性補償方法は、物質の根元的な性質を利用しているため、使用する波長などによらず、適用範囲が広い事は自明である。本発明の方法によるアサーマル光増幅器やアサーマル・レーザは、増幅媒体に希土類や遷移金属を添加する光増幅器やレーザ装置、ラマン増幅器やラマンレーザ、誘導ブリュアン増幅器や誘導ブリュアンレーザ、光パラメトリック増幅器や光パラメトリックレーザ、半導体レーザ励起固体レーザ(DPSS)など、全ての型式の装置に適用可能である。
実施例1の光増幅器の構成を図1に示す。励起には波長0.69μmの半導体レーザ2と、波長1.40μmの半導体レーザ3を合波し、光合分波素子4と高NAの石英ファイバ5を介して光増幅用フッ化物ファイバモジュール1と結合している。
コアにTmF3を0.2mol%、添加したフッ化物ファイバを石英ファイバと融着接続し、ステンレス製の金属パッケージに封入したファイバモジュールを増幅媒質として用いた。フッ化物ファイバ長は4m、石英ファイバや他の光学部品の合計長さは12mである。
1.47μm帯の高繰り返し信号発生器6からの信号光を1×2スプリッタ9に通して光合分波素子4に入射し、そのあと光増幅用フッ化物ファイバモジュール1に入射し、増幅された出射光を光アイソレータ7に通して計測器8に導いた。1×2スプリッタ9で分離された信号は温度一定に保たれた基準光路10を通して計測器8に導かれている。計測器8では、パルス到着時間と光増幅系11の温度の関係を計測した。光増幅器の入出力端と光源、計測器はSC/APCコネクタ12で接続した。
結果を図2に示す。温度範囲として10〜40℃において、パルス到着時間のずれは0.05ps/℃以下であり、光学長の温度依存性は10μm/℃以下と判った。
実施例2に使用した光増幅器の構成を図3に示す。励起には波長0.977μmの半導体レーザ22を、光合分波素子24と高NAの石英ファイバ25を介して、S−EDF付き光増幅用フッ化物ファイバモジュール21と結合している。
コアにErF3を0.5mol%、CeF3を5.0mol%、YbF3を0.15mol%添加したフッ化物ファイバを、Er添加石英ファイバ(S−EDF)と融着接続し、ステンレス製の金属パッケージに封入したファイバモジュールを増幅媒質として用いた。フッ化物ファイバ長は2m、S−EDFの長さは合計1m、その他石英ファイバや他の光学部品の合計長さは3mである。
1.55μm帯の高繰り返し信号発生器26からの信号光を1×2スプリッタ29に通して光合分波素子24に入射し、そのあと光増幅用フッ化物ファイバモジュール21に入射し、増幅された出射光を光アイソレータ27に通して計測器28に導いた。1×2スプリッタ29で分離された信号は温度一定に保たれた基準光路30を通して計測器28に導かれている。計測器28では、パルス到着時間と光増幅系31の温度の関係を計測した。光増幅器の入出力端と光源、計測器はSC/APCコネクタ32で接続した。
結果を図4に示す。温度範囲として10〜40℃において、パルス到着時間のずれは0.15ps/℃以下であり、光学長の温度依存性は32μm/℃と判った。
実施例3のレーザの構成を図5に示す。励起には波長0.977μmの半導体レーザ42を、高NAの石英ファイバ45を介して、上記共振器モジュール41と結合している。
コアにErF3を0.25mol%、CeF3を3.0mol%、YbF3を4.0mol%添加したフッ化物ファイバと、1.55μmの光を100%反射するファイバ・ブラッグ・グレーティング(FBG)を融着接続し、フッ化物ファイバの反対側には1.55μm帯の光を10%反射するFBGを融着接続し、ステンレス製の金属パッケージに封入して、共振器モジュールとした。共振器モジュールに使用したフッ化物ファイバ長は0.25mで、FBGを含む石英ファイバの長さは合計1m、その他石英ファイバや他の光学部品の合計長さは0.5mである。
FBG44とフッ化物ファイバで構成される共振器モジュール41の一部には偏光制御素子43が挿入されており、モードロック動作するように調整されている。レーザの発振周波数は88MHzである。レーザ出力は光アイソレータ47を通って計測器48に導かれる。1.55μm帯の基準用高繰り返し信号発生器46からの信号光は温度一定に保たれた基準光路50を通して計測器48に直接導かれている。計測器48では、パルス到着時間とレーザ系51の温度の関係を計測した。レーザ装置の出力端はSC/APCアダプタ52であり、計測器とはSC/APCコネクタ付きパッチコード53で接続した。
結果を図6に示す。温度範囲として10〜40℃において、パルス到着時間のずれは0.2〜0.24ps/℃であり、光学長の温度依存性は41〜50μm/℃と判った。
実施例4の次に測定に使用した光増幅器の構成を図7に示す。励起には波長0.977μmの半導体レーザ62を用い、光合分波素子64と高NAの石英ファイバ65を介して上記の光増幅用ファイバモジュール61と結合している。
コアにErF3を0.2mol%、添加したフッ化物ファイバをEr2O3添加テルライトファイバと融着接続し、さらに石英ファイバと融着して、ステンレス製の金属パッケージに封入したファイバモジュールを増幅媒質として用いた。フッ化物ファイバ長は2.5m、テルライトファイバ長は0.4m、石英ファイバや他の光学部品の合計長さは5mである。
1.55μm帯の高繰り返し信号発生器66からの信号光を1×2スプリッタ69に通して光合分波素子64に入射し、そのあと光増幅用ファイバモジュール61に入射し、増幅された出射光を光アイソレータ67に通して計測器68に導いた。1×2スプリッタ69で分離された信号は温度一定に保たれた基準光路70を通して計測器68に導かれている。計測器68では、パルス到着時間と光増幅系71の温度の関係を計測した。光増幅器の入出力端はSC/APCアダプタ72であり、光源、計測器とはSC/APCコネクタ付きパッチコード73で接続した。
結果を図8に示す。温度範囲として10〜40℃において、パルス到着時間のずれは0.05ps/℃以下であり、光学長の温度依存性は10μm/℃以下と判った。
実施例5のレーザの構成を図9に示す。励起には波長0.974μmの半導体レーザ82を、高NAの石英ファイバ85を介して、上記のFBG84とフッ化物ファイバで構成される共振器モジュール81と結合している。
コアにErF3を0.25mol%、YbF3を0.1mol%添加したフッ化物ファイバと、0.543μmの光を100%反射するファイバ・ブラッグ・グレーティング(FBG)を融着接続し、フッ化物ファイバの反対側には0.543μm帯の光を80%反射するFBGを融着接続し、フッ化物ファイバと融着接続部をステンレス製の金属パッケージに封入して、共振器モジュールとした。FBGはパッケージの外側に出ている。フッ化物ファイバ長は2mで、FBGを含む石英ファイバの長さは合計2m、その他石英ファイバや他の光学部品の合計長さは5mである。
共振器モジュールの一部には外部変調器83が挿入されており、モードロック動作するように調整されている。レーザの発振周波数は37MHzである。レーザ出力は光アイソレータ87を通して計測器88に導かれている。1.55μm帯の基準用高繰り返し信号発生器86からの信号光は温度一定に保たれた基準光路90を通して計測器88に直接導かれている。計測器88では、パルス到着時間とレーザ系91の温度の関係を計測した。レーザの出力端と計測器はSC/APCコネクタ92で接続した。
結果を図10に示す。温度範囲として10〜40℃において、パルス到着時間のずれは−0.05〜0.2ps/℃であり、光学長の温度依存性は−10〜41μm/℃と判った。
1 光増幅用フッ化物ファイバモジュール
2 波長0.69μmの励起波長を供給する半導体レーザ
3 波長1.40μmの励起波長を供給する半導体レーザ
4 光合分波素子
5 高NA石英ファイバ
6 波長1.47μm帯の高繰り返し信号光発生器
7 光アイソレータ
8 計測器
9 1×2スプリッタ
10 温度一定に保たれた基準光路
11 光増幅系
21 光増幅用フッ化物ファイバモジュール
22 波長0.977μmの励起波長を供給する半導体レーザ
24 光合分波素子
25 高NA石英ファイバ
26 波長1.55μm帯の高繰り返し信号光発生器
27 光アイソレータ
28 計測器
29 1×2スプリッタ
30 温度一定に保たれた基準光路
31 光増幅系
41 レーザ共振器モジュール
42 波長0.977μmの励起波長を供給する半導体レーザ
43 偏光制御素子
44 ファイバ・ブラッグ・グレーティング(FBG)
45 高NA石英ファイバ
46 波長1.55μm帯の基準用高繰り返し信号光発生器
47 光アイソレータ
48 計測器
50 温度一定に保たれた基準光路
51 レーザ系
52 SC/APCアダプタ
53 SC/APCコネクタ付きパッチコード
61 光増幅用ファイバモジュール
62 波長0.977μmの励起波長を供給する半導体レーザ
64 光合分波素子
65 高NA石英ファイバ
66 波長1.55μm帯の高繰り返し信号光発生器
67 光アイソレータ
68 計測器
69 1×2スプリッタ
70 温度一定に保たれた基準光路
71 光増幅系
72 SC/APCアダプタ
73 SC/APCコネクタ付きパッチコード
81 レーザ共振器モジュール
82 波長0.974μmの励起波長を供給する半導体レーザ
83 外部変調器
84 ファイバ・ブラッグ・グレーティング(FBG)
85 高NA石英ファイバ
86 波長1.55μm帯の基準用高繰り返し信号光発生器
87 光アイソレータ
88 計測器
90 温度一定に保たれた基準光路
91 レーザ系
92 SC/APCコネクタ
2 波長0.69μmの励起波長を供給する半導体レーザ
3 波長1.40μmの励起波長を供給する半導体レーザ
4 光合分波素子
5 高NA石英ファイバ
6 波長1.47μm帯の高繰り返し信号光発生器
7 光アイソレータ
8 計測器
9 1×2スプリッタ
10 温度一定に保たれた基準光路
11 光増幅系
21 光増幅用フッ化物ファイバモジュール
22 波長0.977μmの励起波長を供給する半導体レーザ
24 光合分波素子
25 高NA石英ファイバ
26 波長1.55μm帯の高繰り返し信号光発生器
27 光アイソレータ
28 計測器
29 1×2スプリッタ
30 温度一定に保たれた基準光路
31 光増幅系
41 レーザ共振器モジュール
42 波長0.977μmの励起波長を供給する半導体レーザ
43 偏光制御素子
44 ファイバ・ブラッグ・グレーティング(FBG)
45 高NA石英ファイバ
46 波長1.55μm帯の基準用高繰り返し信号光発生器
47 光アイソレータ
48 計測器
50 温度一定に保たれた基準光路
51 レーザ系
52 SC/APCアダプタ
53 SC/APCコネクタ付きパッチコード
61 光増幅用ファイバモジュール
62 波長0.977μmの励起波長を供給する半導体レーザ
64 光合分波素子
65 高NA石英ファイバ
66 波長1.55μm帯の高繰り返し信号光発生器
67 光アイソレータ
68 計測器
69 1×2スプリッタ
70 温度一定に保たれた基準光路
71 光増幅系
72 SC/APCアダプタ
73 SC/APCコネクタ付きパッチコード
81 レーザ共振器モジュール
82 波長0.974μmの励起波長を供給する半導体レーザ
83 外部変調器
84 ファイバ・ブラッグ・グレーティング(FBG)
85 高NA石英ファイバ
86 波長1.55μm帯の基準用高繰り返し信号光発生器
87 光アイソレータ
88 計測器
90 温度一定に保たれた基準光路
91 レーザ系
92 SC/APCコネクタ
Claims (8)
- 少なくとも、所定の波長(波長1)で光信号を増幅できる増幅媒体と、該増幅媒体を増幅可能な状態に励起できる波長(波長2)の光を放射する励起光源と、波長1の信号光を入力する入力ポートと、波長1の光と波長2の光を合波できる合波器と、増幅された波長1の光を出力する出力ポートとを備えた光増幅器において、増幅媒体の一部がフッ化物ガラスからなり、実効的な光学長の温度依存性(dL/dT)を小さくすることを特徴とするアサーマル光増幅器。
- 少なくとも、所定の波長(波長1)で光信号を増幅できる増幅媒体と、該増幅媒体を増幅可能な状態に励起できる波長(波長2)の光を放射する励起光源と、波長1の光と波長2の光を合波できる合波器と、波長1の光でレーザ発振可能な帰還方法と、波長1のレーザ光を出力する出力ポートとを備えたレーザ装置において、増幅媒体の一部がフッ化物ガラスからなり、実効的な光学長の温度依存性(dL/dT)を小さくすることを特徴とするアサーマル・レーザ装置。
- 増幅媒体が、少なくとも光を導波するコア部とそれを取り巻くクラッド部から成り、少なくともコア部に増幅作用の得られるドーピング剤が添加されていることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のアサーマル光増幅器またはアサーマル・レーザ装置。
- 増幅媒体の一部が酸化物ガラス、ハライド酸化物ガラス,ハライドガラス,カルコゲナイドガラス,カルコハライドガラス,テルライトガラス,ビスマス酸塩ガラス,ゲルマネートガラス,ガリウム酸塩ガラスから選ばれる少なくとも一種類のガラスからなることを特徴とする、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のアサーマル光増幅器またはアサーマル・レーザ装置。
- 増幅媒体、励起光源、合分波器などの光学要素が各々または集積化されてモジュール化されており、各モジュール間を石英ファイバで接続し、入力ポートおよび出力ポートが光アダプタまたは光コネクタで終端されており、
増幅媒体の少なくとも一部に用いられるフッ化物ガラスの媒体長を調整することでアサーマル化を達成することを特徴とする、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のアサーマル光増幅器またはアサーマル・レーザ装置。 - フッ化物ガラス増幅媒体がフッ化物ファイバであり、入力端と出力端を備え、該入力端と出力端は石英ファイバから成り、フッ化物ファイバと石英ファイバが融着されており、少なくともフッ化物ファイバと融着部分がハーメチックシールされたモジュールであることを特徴とする、請求項1乃至請求項5のいずれか記載のアサーマル光増幅器またはアサーマル・レーザ装置。
- フッ化物ガラス増幅媒体の長さが5m以下であることを特徴とする、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のアサーマル光増幅器またはアサーマル・レーザ装置。
- 実効的な光学長の温度依存性(dL/dT)が±50μm/K以内であることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載のアサーマル光増幅器またはアサーマル・レーザ装置。
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JP2005129472A JP2006310450A (ja) | 2005-04-27 | 2005-04-27 | アサーマル光増幅器またはアサーマル・レーザ装置 |
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JP2005129472A Pending JP2006310450A (ja) | 2005-04-27 | 2005-04-27 | アサーマル光増幅器またはアサーマル・レーザ装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010050126A (ja) * | 2008-08-19 | 2010-03-04 | Central Glass Co Ltd | Ase光源 |
CN113764980A (zh) * | 2021-09-15 | 2021-12-07 | 南京大学 | 一种自脉冲激光器及脉冲产生方法 |
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2005
- 2005-04-27 JP JP2005129472A patent/JP2006310450A/ja active Pending
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JP2010050126A (ja) * | 2008-08-19 | 2010-03-04 | Central Glass Co Ltd | Ase光源 |
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