JP2006308348A - 傾斜センサ用パッケージ及びそれを用いた傾斜センサ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 表面実装が容易で、傾斜センサ装置の生産性に優れ、可導体が封入された容器の気密性が良好で、長期にわたって誤作動することなく傾きを検知することが可能な傾斜センサ装置を形成するためのパッケージ、およびそのパッケージを用いて成る傾斜センサ装置を提供する。
【解決手段】 傾斜センサ用パッケージ8は、基板1と、基板1の上面に取着された枠体2と、一端が枠体2の内面に導出されている複数の配線導体3とを具備し、枠体2上に蓋体6が取着されるとともに、蓋体6下面と基板1上面と枠体2内面とで囲まれる収納領域内に、横断面が円形状で、且つ少なくとも表面に導電性を付与した可動体4が収容され、枠体2内面で、隣接する配線導体3の導出部間に、可動体4の最大径よりも小さな開口幅で枠体内面に開口する切り欠き1aを設ける。
【選択図】 図1
【解決手段】 傾斜センサ用パッケージ8は、基板1と、基板1の上面に取着された枠体2と、一端が枠体2の内面に導出されている複数の配線導体3とを具備し、枠体2上に蓋体6が取着されるとともに、蓋体6下面と基板1上面と枠体2内面とで囲まれる収納領域内に、横断面が円形状で、且つ少なくとも表面に導電性を付与した可動体4が収容され、枠体2内面で、隣接する配線導体3の導出部間に、可動体4の最大径よりも小さな開口幅で枠体内面に開口する切り欠き1aを設ける。
【選択図】 図1
Description
本発明は、傾斜の方向を検知する傾斜センサ装置を形成するための傾斜センサ用パッケージおよびそれを用いた傾斜センサ装置に関する。
従来、傾斜を検知するための傾斜センサ装置としては、樹脂等の電気的な絶縁体から成る筐体と、線状の金属材料等から成り、筐体の内側から外側に貫通するようにして配設され、互いに電気的に独立した複数の導電ピンと、筐体の内部に封入された導電性の可導体とを具備した構造のものが知られている。
筐体は、通常、上板と下板とから構成され、導電ピンは、上板と下板との間に挟みこまれるようにして、または上板や下板を厚み方向に貫通するようにして取着される。また、上板と下板とを接合するときに、その間に可導体を入れておくことにより、上板と下板とから成る筐体内に可導体が封入される。また、可動体は、球状等の、上板や下板の表面に沿って移動することができるような形状、寸法を有し、金属等により形成されている(特許文献1,2参照。)。
このような傾斜センサ装置は、導電ピンのうち筐体の外側に露出している部分を外部電気回路基板の電気回路に半田等を介して電気的に接続している。導電ピンが接続される外部の電気回路は、電流計等の検知器やブザー等を含む検知器等に電気的に接続されている。
そして、傾斜センサ装置の傾きに応じて筐体内で可導体が移動し、隣り合う2本の導電ピンの間が導電性の可導体で電気的に接続され、この電気的な接続を導電ピンに接続されて外部に配置された電流計等の検知器で検知することにより、導電性の可導体が移動した方向、つまり傾きの方向を検知することができる。
この傾斜センサ装置を、携帯電話やデジタルカメラ等の電子機器や、トラクター等の不整地での作業用の車両の転倒防止装置、自動車の盗難防止装置等の機器を構成する外部電気回路基板に部品として搭載することにより、この傾斜センサ装置が搭載された各種機器の傾きの方向を検知することができる。
例えば、デジタルカメラやカメラ付き携帯電話に部品として搭載して用いると、カメラの向き(いわゆる縦位置や横位置)に応じて画像の写しこまれる向きを変え、常に撮影時の上方向を保存されている画像の上方向と一致させるようにして撮像,保存することができる。
また、デジタルカメラや携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant)等で画像を見る時も、デジタルカメラや携帯電話等の画像表示機の方向がどうであれ、常に写真の上側が地球の重力の反対側に表示されるように、つまり画像表示機を見ている利用者が写真等の画像を見やすいようにして表示することができる。
特開平11−162306号公報
特開2004−55316号公報
しかしながら、従来の傾斜センサ装置においては、導電ピンを筐体の内側から外側に貫通するようにして配設し、この導電ピンを外部電気回路基板上に検知装置等に電気的に接続されるようにして実装する必要があるため、表面実装が可能な形態とすることが難しく、また薄型化や小型化が難しいという問題があった。
また、例えば、筐体を構成する上板と下板、導電ピンおよび導電性の可導体を準備し、上板および下板を導電ピンが貫通するようにし、かつ導電性の可導体が封入されるようにして接合する必要があるため、部品の個数が多く、製作工程も煩雑で生産性が低いという問題があった。
さらに、筐体内部に外気の湿気等が侵入すると誤動作する危険性があるので筐体内の気密性を高くする必要があるが、導電ピンが筐体を貫通する部分で気密性が劣化する危険性があり、長期信頼性が低いという問題があった。
またさらに、激しい振動が生じるような環境で使用した場合、可導体が導電ピンに当たって導電ピンを変形させたり、隣り合う2本の導電ピンの間に可導体が挟みこまれたりして、正常に傾きを検知することが不可となる問題もあった。
本発明は上述の問題点に鑑み案出されたもので、その目的は、小型化、薄型化や表面実装が容易で、傾斜センサ装置の生産性に優れ、可導体が封入された容器の気密性が良好で、長期にわたって誤作動することなく傾きを検知することが可能な傾斜センサ装置を形成するための傾斜センサ用パッケージ、および傾斜センサ装置を提供することにある。
本発明の傾斜センサ用パッケージは、基板と、該基板の上面に取着された枠体と、一端が前記枠体の内面に導出されている複数の配線導体とを具備し、前記枠体上に蓋体が取着されるとともに、該蓋体下面と前記基板上面と前記枠体内面とで囲まれる収納領域内に、横断面が円形状で、且つ少なくとも表面に導電性を付与した可動体が収容される傾斜センサ用パッケージであって、前記枠体内面で、隣接する前記配線導体の導出部間に、前記可動体の最大径よりも小さな開口幅で枠体内面に開口する切り欠きが設けられていることを特徴とするものである。
また、本発明の傾斜センサ用パッケージは、隣接する前記配線導体の導出部の間の距離が前記可動体の横断面における最大径よりも小さく設定されていることを特徴とするものである。
さらに、本発明の傾斜センサ用パッケージは、前記枠体の内側に位置する前記基板の上面に、前記配線導体と離間する導体層が形成されており、該導体層と前記配線導体との離間距離が前記可動体の横断面における最大径よりも小さく設定されていることを特徴とするものである。
またさらに、本発明の傾斜センサ装置は、上記構成の傾斜センサ用パッケージの前記枠体内に、横断面が円形状で、且つ少なくとも表面に導電性を付与した可動体を収容してなることを特徴とするものである。
本発明の傾斜センサ用パッケージによれば、パッケージの傾斜している方向に可動体が移動し、その移動した方向で、隣接する配線導体の間が可動体を介して電気的に接続される。この電気的な接続を検知することによりパッケージの傾斜の方向を検知することができる。この場合、例えば、各配線導体を、他端が基板の外側面や下面に導出するようにして形成しておき、この他端を外部電気回路に電気的に接続することにより配線導体が外部の電気回路と電気的に接続され、配線導体間の電気的な接続を検知させることができるので、表面実装が容易な傾斜センサ用パッケージを構成することができる。
また、本発明の傾斜センサ用パッケージは、導電ピン等を配設する必要がないので、薄型化、小型化が容易であり、生産性にも優れる。
さらに、本発明の傾斜センサ用パッケージによれば、枠体内面で、隣接する配線導体の導出部間に、可動体の最大径よりも小さな開口幅で枠体内面に開口する切り欠きを設けておくことにより、切り欠きを挟んで隣接する配線導体の間が可導体を介して電気的に接続されたときに、可動体の一部を切り欠きの中に入り込ませて保持させることができ、可動体を介した配線導体間の電気的な接続を確実に行なわせて、傾斜の検知の信頼性を優れたものとすることができる。この場合、切り欠きの開口幅が可動体の最大径よりも小さいため、可動体が切り欠きの中に嵌まりこんで動かなくなるようなことは効果的に防止され、長期にわたって正常に傾きを検知することができる。
またさらに、本発明の傾斜センサ用パッケージによれば、基板と枠体とを、例えば一体焼成されたセラミック焼結体や、一体成形された樹脂材料で形成することができるとともに、導電ピン等の他の部材が貫通する部分がないので、蓋体を枠体上に取着することにより、可動体を収納領域内に、気密性に優れた状態で封入することができ、長期信頼性を優れたものとすることができる。
さらにまた、本発明の傾斜センサ用パッケージによれば、可動体が接触するのが、枠体の内面に導出されている平面状の配線導体の一端であるため、可動体が繰り返し当たったとしても配線導体に変形が生じるようなことは効果的に抑制され、長期にわたって正常に傾斜を検知させることができる。
またさらに、本発明の傾斜センサ用パッケージによれば、隣接する配線導体の導出部の間の距離を可動体の横断面における最大径よりも小さく設定することにより、可導体が横方向に滑って移動しても、隣り合う配線導体の間に可動体が挟まったりするようなことは効果的に抑制され、長期にわたって正常に傾きを検知することができる。
さらにこの場合、隣接する配線導体の間が、可動体の最大径よりも小さいので、配線導体間に跨るようにして可動体が(例えば一部が切り欠きに入り込んだ状態で)、接することはより確実となり、傾斜の検知の信頼性、精度をさらに高くすることができる。
さらにまた、本発明の傾斜センサ用パッケージによれば、枠体の内側に位置する基板の上面に、配線導体と離間する導体層を形成し、導体層と配線導体との離間距離を可動体の横断面における最大径よりも小さく設定することにより、可導体が配線導体の一つのみに接した場合でも、配線導体と導体層との間の電気的接続を検知することにより傾きの方向を検知することができ、傾きの有無の検知、および傾きの方向の検知の精度をより一層高くすることができる。
そして、本発明によれば、上記構成の傾斜センサ用パッケージの枠体内に、横断面が円形状で、且つ少なくとも表面に導電性を付与した可動体を収容することにより、小型化、薄型化や表面実装が容易で、生産性に優れ、且つ、傾斜の検知や気密性等の信頼性に優れた傾斜センサ装置を提供することができる。
また、本発明の傾斜センサ装置によれば、可動体の外形を球状になすことにより、傾斜の方向への可動体の移動がよりスムーズになり、傾斜の有無や傾斜の方向の検知をより一層確実に行うことができる。
本発明の傾斜センサ用パッケージ及びそれを用いた傾斜センサ装置を添付の図面に基づいて詳細に説明する。
図1(a)は、本発明の傾斜センサ用パッケージ及びそれを用いた傾斜センサ装置の実施の形態の一例を示す平面図であり、図1(b)はその断面図である。図1において、1は基板、2は枠体、3は配線導体、4は可導体、5は蓋体、8は傾斜センサ用パッケージである。
基板1の上面に枠体2が取着されていることにより、基板1の上面と枠体2の内側との間に、可導体4を収容するための凹状の収納部が形成される。
基板1および枠体2は、酸化アルミニウム質焼結体(酸化アルミニウム質セラミックス)や窒化アルミニウム質焼結体,ムライト質焼結体,炭化珪素質焼結体,窒化珪素質焼結体,ガラスセラミックス等のセラミック材料や、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂等の樹脂材料、樹脂系複合材料等の電気絶縁材料から成る。
基板1および枠体2は、例えば同じセラミック材料から成り、一体焼成することにより枠体2の基板1に対する取着が行なわれている。この場合、基板1と枠体2との外形形状を同じにしておくと、互いの外側面が上下方向で位置ずれしないように合わせるだけで、基板1に枠体2を容易に位置合わせして取着することができる。
基板1および枠体2は、例えば、ともに酸化アルミニウム質焼結体から成る場合、酸化アルミニウムや酸化珪素,酸化マグネシウム,酸化カルシウム等のセラミック原料粉末に適当な有機バインダ,溶剤,可塑剤および分散剤を添加混合して泥漿状となし、これを従来周知のドクターブレード法等によりシート状に成形することで複数枚のセラミックグリーンシート(以下、グリーンシートともいう)を得、しかる後、これらのグリーンシートに適当な打ち抜き加工を施して基板となる板状のグリーンシートと枠状のグリーンシートとを形成し、板状のグリーンシートの上に枠状のグリーンシートを積層して、約1600℃の温度で焼成することにより製作される。
枠体2の内面に一端が導出されるようにして、複数の配線導体3が設けられている。各配線導体3は電気的に独立している。
また、枠体2内面で、隣接する配線導体3の導出部間に、可動体4の最大径よりも小さな開口幅で枠体内面に開口する切り欠き1aが設けられている。
この枠体2の上に蓋体5が取着されるとともに、蓋体5の下面と基板1上面と枠体2内面とで囲まれる収納領域内に、横断面が円形状で、且つ少なくとも表面に導電性を付与した可導体4が収容される。
そして、傾斜センサ用パッケージ8が傾いたときに、その傾いた方向に可導体4が基板1の上面に沿って移動し、その方向で隣り合う配線導体3の間が導電性の可導体4を介して電気的に接続される。この電気的な接続を、例えば、各配線導体3に検知器を電気的に接続させておいて、その検知器で検知することにより、可導体4が移動した方向、つまり傾斜センサ用パッケージ8の傾きの方向を検知することができる。
この場合、例えば、各配線導体3の他端を基板1の側面および下面の少なくとも一方に導出させておき、この導出させた部分を、電流計等の検知器やブザー等を含む検知器等が接続されている外部の電気回路に電気的に接続することにより、各配線導体3を検知器と
電気的に接続させることができる。
電気的に接続させることができる。
配線導体3の他端と外部電気回路基板の電気回路との電気的な接続は、半田等の導電性接合材を介して両者を接合することにより行なうことができる。そのため、基板1の側面や下面に導出された配線導体3の他端を外部の電気回路に半田を介して位置合わせし、加熱するだけで実装できるので、表面実装を容易に行なうことができる。また、従来のように導電ピン等を配設する必要がないので、薄型化、小型化が容易である。
なお、可動体4は、いったん枠体2の内面に達した後、傾斜の方向の変動等に応じて、枠体2の内面に沿って移動する場合もあり、このような場合にも傾斜の方向は良好に検知される。
また、枠体2内面で、隣接する配線導体3の導出部間に、可動体4の最大径よりも小さな開口幅で枠体内面に開口する切り欠き1aを設けたことから、
切り欠き1aを挟んで隣接する配線導体3の間が可導体4を介して電気的に接続されたときに、可動体4の一部を切り欠き1aの中に入り込ませて保持させることができ、可動体1aを介した配線導体3間の電気的な接続を確実に行なわせて、傾斜の検知の信頼性を優れたものとすることができる。
切り欠き1aを挟んで隣接する配線導体3の間が可導体4を介して電気的に接続されたときに、可動体4の一部を切り欠き1aの中に入り込ませて保持させることができ、可動体1aを介した配線導体3間の電気的な接続を確実に行なわせて、傾斜の検知の信頼性を優れたものとすることができる。
この場合、切り欠き1aの開口幅が可動体4の最大径よりも小さいため、可動体4が切り欠き1aの中に嵌まりこんで動かなくなるようなことは効果的に防止され、長期にわたって正常に傾斜を検知することができる。
また、基板1と枠体2とを、上述したように一体焼成されたセラミック焼結体で形成することができるとともに、導電ピン等の他の部材が貫通する部分がないので、蓋体5を枠体2上に取着することにより、可動体4を収納領域内に、気密性に優れた状態で封入することができ、長期信頼性を優れたものとすることができる。
また、可導体4が接触するのが、枠体2の内面に導出された平面状の配線導体3の一端であるため、可導体4が繰り返し当たったとしても配線導体3に変形等が生じることは効果的に抑制され、長期にわたって正常に傾きを検知することができる。
また、枠体2上に蓋体5を取着し、収納領域内に可動体4を収容することにより傾斜センサ装置9を構成することができ、製作が簡単であるため、傾斜センサ装置9の生産性を良好とすることができる。
なお、切り欠き1aを形成するには、例えば以下の方法を用いることができる。
まず、複数のセラミックグリーンシートを準備し、
セラミックグリーンシートの所定のものに打抜き加工を施して、中央に開口部を有する枠状セラミックグリーンシートを形成する。
セラミックグリーンシートの所定のものに打抜き加工を施して、中央に開口部を有する枠状セラミックグリーンシートを形成する。
次に、枠状セラミックグリーンシートの開口部の内面に一端が露出するようにして、後述する配線導体3の所定のパターンに導体ペーストを塗布し、
その後、枠状セラミックグリーンシートの開口部の内面で、印刷された導体ペーストのそれぞれの間に、所定の切り欠き部1aの形状に打抜き加工を施す。
その後、枠状セラミックグリーンシートの開口部の内面で、印刷された導体ペーストのそれぞれの間に、所定の切り欠き部1aの形状に打抜き加工を施す。
そして、打抜き加工を施していないセラミックグリーンシートの上面の外周部に、
開口部が上下に重なるようにして枠状セラミックグリーンシートを積層し、焼成することにより、切り欠き1aを備えた枠体2および基板1が得られる。
開口部が上下に重なるようにして枠状セラミックグリーンシートを積層し、焼成することにより、切り欠き1aを備えた枠体2および基板1が得られる。
基板1および枠体2は、可導体4を気密に収納するための収納領域の基体となる部分であり、可導体4の移動した方向により傾斜センサ用パッケージ8の傾きの方向を精度良く検知するために、円形状、または四角形以上の多角形状に形成される。この場合、基板1および枠体2が例えば三角形状等であると、配線導体3を三方向にしか形成できないため、平面視で上下左右の四方向の傾きを検知することができない。従って、基板1および枠体2は、円形状または四角形以上の多角形状とする必要がある。
また、配線導体3は、タングステンやモリブデン,マンガン,銅,銀,パラジウム,白金,金等の金属材料から成り、例えば、タングステンのメタライズ層から成る場合であれば、タングステンの粉末に適当な有機バインダ,溶剤,可塑剤および分散剤等を添加混合して得たメタライズペーストを従来周知のスクリーン印刷法により基板1および枠体2用の各グリーンシートに所定のパターンに印刷塗布し、これをグリーンシートの積層体とともに焼成することによって形成される。
なお、配線導体3の露出表面には、配線導体3が酸化腐食するのを防止するとともに配線導体3と導電性の可導体4とが接触したときの電気的接続の感度を向上させるために、厚みが1〜10μm程度のニッケルめっき層と厚みが0.1〜5μm程度の金めっき層とが順次被着されていることが好ましい。
また、導電性の可導体4が繰り返し配線導体3に接触したときのめっき層の磨耗を効果的に防止するために、白金やパラジウム等の耐食性が良好で金よりも硬い金属層を最表層のめっき層として被着させてもよい。また、ニッケルめっき層にホウ素成分等を混在させニッケルめっき層の硬度を高くするようにしてもよい。
また、このようにして配線導体3を形成する場合、上述のように切り欠き1aとなる打抜き加工を施すことにより、隣接する配線導体3の間で、枠状セラミックグリーンシートの開口部の内面に付着した余分なメタライズペーストが、打抜かれるセラミックグリーンシートの一部とともに除去されるので、隣接する配線導体3間の電気絶縁性を良好に確保することもできる。
可導体4は、球状や半球状等の部分球状、半楕円球状等の部分楕円球状、円柱状、円錐状等、横断面が円形状のものが用いられ、基板1の上面に沿って、転がって、または滑って移動できるように収納領域に収納される。例えば、可動体4が球状であれば、可動体4を単に収納領域に収容すればよく、円柱状、半球状等であれば、平らな底面が基板1の上面に沿って滑るようにして収容する必要がある。
可動体4は、移動して枠体2の内面(配線導体3の導出部分)に接したときの向きに関係なく、隣接する配線導体3に接する必要があるので、横断面を円形状とする必要がある。例えば、横断面が四角形状等の角部を有する形状であれば、角部分が枠体内面に開口する切り欠き部に嵌まり込んでスムーズに動かないということが起こり、個々の配線導体3との電気的な接続や、可動体4を介した隣接する配線導体3間の電気的な接続ができなくなるおそれがある。
なお、可動体4が、枠体2の内面に移動したときに、可動体4が確実に配線導体3に接するように、配線導体3の位置や形状、寸法を適宜調整する必要がある。
例えば、可動体4が球状であれば、可動体4の最大径の部分、つまり高さ方向の中央部分が接するので、少なくともその高さに導出部分が位置するように配線導体3を形成する。また、半球状や円錐状であれば、底部に相当する高さに配線導体3の導出部分を位置させる。なお、配線導体3は、枠体2の内面の下端から上端にまで達するようにして形成されていてもよい。
また、可動体4が配線導体3に確実に接することができるようにするため、配線導体3は切り欠き1aの側端に達するように形成しておくことが好ましい。
可導体4の大きさは、平面視で枠体2の内側の向かい合う辺の間の距離の約50%〜80%程度、たとえば直径約0.4mm程度がよい。
また、可動体4は、隣接する配線導体3の間を電気的に接続するために、少なくとも表面に導電性が付与されている。
少なくとも表面に導電性が付与された可動体4は、銅や鉄、ステンレス鋼(JIS規格SUS304等)、タングステン等の金属材料を研磨加工等で球状等の所定の形状に加工したものや、球状等に成型した樹脂の表面にニッケル、銅等の導電性の被膜をめっき法等の手段で被着させたものを用いることができる。また、可導体4は、表面に周知の光沢ニッケルめっき層等の光沢のあるめっき層を被着させて、表面をより滑らかにして転がり易くさせたり、酸化腐食をより有効に防止するようにしたものでもよい。また、クロム等の硬質めっき層を被着させてもよい。
蓋体5は、酸化アルミニウム質焼結体や窒化アルミニウム質焼結体、ムライト質焼結体、炭化珪素質焼結体、窒化珪素質焼結体、ガラスセラミックス等のセラミック材料や鉄−ニッケル−コバルト合金や鉄−ニッケル合金等の金属材料から成る。
また、蓋体5は、枠体2の上面に取着して収納部を気密に封止することができるものであれば、特に形状、寸法等に制約はないが、例えば、取り扱いや枠体2の上面に取着する作業を容易とすること等を考慮して、枠体2と外形形状を同形状の板状に形成するのが好ましい。
なお、蓋体5は、酸化アルミニウム質焼結体から成る場合、基板1や枠体2と同様にしてグリーンシートを作製し、これを所定の寸法に切断加工して焼成することにより製作することができる。また、傾斜センサ装置の内部に異常が発生していないか常時確認できるように、蓋体5をガラス、透明樹脂等の透光性材料によって作製してもよい。
蓋体5の枠体2に対する取着は、ガラスやろう材、樹脂接着剤等の接合材を介して接合すること等の方法により行なうことができる。
また、本発明の傾斜センサ用パッケージ8は、隣接する配線導体3の導出部の間の距離が可動体4の横断面における最大径よりも小さく設定されていることが好ましい。
この場合、可導体4が横方向に滑って移動しても、隣り合う配線導体3の間に可動体が挟まったりするようなことは効果的に抑制され、長期にわたって正常に傾きを検知することができる。
また、隣接する配線導体3の間が、可動体4の最大径よりも小さいので、配線導体3間に跨るようにして可動体4が(例えば一部が切り欠き1aに入り込んだ状態で)、接することはより確実となり、傾斜の検知の信頼性、精度をさらに高くすることができる。
なお、隣接する配線導体3の導出部の間の距離は、可動体4の横断面における最大径に対して1/2程度が好ましい。
また、本発明の傾斜センサ用パッケージ8は、枠体2の内側に位置する基板1の上面に、配線導体3と離間する導体層6が形成されており、導体層6と配線導体3との離間距離が可動体4の横断面における最大径よりも小さく設定されていることが好ましい。
この場合、導体層6を基板1の下面または側面に導出し、この導出部分を、配線導体3と同様の外部の電気回路に電気的に接続しておくことにより、可導体4が枠体2の辺部で止まり、配線導体3の一つのみに接した場合でも、配線導体3と導体層6との間の電気的接続により傾きの方向を検知することができるため、傾きの有無や傾きの方向の検知の精度をより一層高くすることができる。
なお、導体層6は、配線導体3との電気的短絡を防ぐために離間させる必要がある。また、その離間距離が可動体4の横断面における最大径よりも大きい場合には、可動体4が配線導体3と導体層6の両者に接することは難しく、傾斜の検知の精度を高めることが難しくなるので、離間距離は可動体4の横断面における最大径よりも小さく設定する。
また、導体層6は、上述した範囲内で、枠体2の内側の基板1の上面の略全面に形成されていることが好ましい。この場合、配線導体3と導体層6との間の電気的接続をより確実に行なわせることができる。
そして、上記構成の傾斜センサ用パッケージ8の枠体2内に、横断面が円形状で、且つ少なくとも表面に導電性を付与した可動体4を収容することにより本実施形態の傾斜センサ装置9が形成される。
この傾斜センサ装置9によれば、上記構成の傾斜センサ用パッケージ8の枠体2内に可動体4を収容してなることから、小型化、薄型化や表面実装が容易で、生産性に優れ、且つ、傾斜の検知や気密性等の信頼性に優れた傾斜センサ装置9を提供することができる。
可導体4が配線導体3の一つのみに接した場合でも、配線導体3と導体層6との間の電気的接続を検知することにより傾きの方向を検知することができ、傾きの有無の検知、および傾きの方向の検知の精度をより一層高くすることができる。
また、本発明の傾斜センサ装置9は、可動体4の外形が球状であることが好ましい。
可動体4を球状とすることにより、傾斜の方向への可動体4の移動がよりスムーズになり、傾斜の有無や傾斜の方向の検知をより一層確実に検知することができる。
また、可動体4を収容するときに、特にその向きに注意を払う必要は無く、単に枠体2の内側に入れるだけでよいので、生産性を高くすることもできる。
また、磨耗し難い形状であるので、長期にわたって安定して使用することができ、長期信頼性、実用性を高めることもできる。
なお、可動体4を球状とする場合、完全な球体とする必要は無く、可動体4が全方向に容易に転がることができるようなものであれば、概略球形でもよい。
また、本発明の傾斜センサ装置において、可導体4の上端と蓋体5の下面との間の距離は50μm以上に設定することが好ましい。これにより、可導体4が蓋体5の下面に頻繁に接触することを効果的に防止し、可導体4の移動をより滑らかにして傾きの検知の精度をより確実に高く確保することができる。また、可導体4と蓋体5との間の距離が広くなりすぎてしまうのを防ぎ、可導体4を自由に移動できるものとするとともに、可導体4が蓋体5に強く衝突するようなことを効果的に防止し、気密封止の信頼性向上等のために、50μm乃至300μmに設定することがより好ましい。
また、可動体4を球状とするとともに、枠体2について、平面視で内面が円形状(切り欠き部1aを除く)としておくと、可動体4と枠体2との接触や、枠体2の内面に沿って移動するときの移動を、摩擦等の抵抗を少なくして、より一層滑らかに行なわせることができ、さらに傾斜の方向等の検知の信頼性に優れた傾斜センサー装置を構成することができる。
なお、本発明は上述の実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内であれば種々の変更は可能である。
1・・・基板
1a・・・切り欠き
2・・・枠体
3・・・配線導体
4・・・可導体
5・・・蓋体
6・・・導体層
8・・・傾斜センサ用パッケージ
9・・・傾斜センサ装置
1a・・・切り欠き
2・・・枠体
3・・・配線導体
4・・・可導体
5・・・蓋体
6・・・導体層
8・・・傾斜センサ用パッケージ
9・・・傾斜センサ装置
Claims (5)
- 基板と、該基板の上面に取着された枠体と、一端が前記枠体の内面に導出されている複数の配線導体とを具備し、前記枠体上に蓋体が取着されるとともに、該蓋体下面と前記基板上面と前記枠体内面とで囲まれる収納領域内に、横断面が円形状で、且つ少なくとも表面に導電性を付与した可動体が収容される傾斜センサ用パッケージであって、
前記枠体内面で、隣接する前記配線導体の導出部間に、前記可動体の最大径よりも小さな開口幅で枠体内面に開口する切り欠きが設けられていることを特徴とする傾斜センサ用パッケージ。 - 隣接する前記配線導体の導出部の間の距離が前記可動体の横断面における最大径よりも小さく設定されていることを特徴とする請求項1に記載の傾斜センサ用パッケージ。
- 前記枠体の内側に位置する前記基板の上面に、前記配線導体と離間する導体層が形成されており、該導体層と前記配線導体との離間距離が前記可動体の横断面における最大径よりも小さく設定されていることを特徴とする請求項1に記載の傾斜センサ用パッケージ。
- 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の傾斜センサ用パッケージの前記枠体内に、横断面が円形状で、且つ少なくとも表面に導電性を付与した可動体を収容してなる傾斜センサ装置。
- 前記可動体の外形が球状であることを特徴とする請求項4に記載の傾斜センサ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005129156A JP2006308348A (ja) | 2005-04-27 | 2005-04-27 | 傾斜センサ用パッケージ及びそれを用いた傾斜センサ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005129156A JP2006308348A (ja) | 2005-04-27 | 2005-04-27 | 傾斜センサ用パッケージ及びそれを用いた傾斜センサ装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2006308348A true JP2006308348A (ja) | 2006-11-09 |
Family
ID=37475416
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2005129156A Withdrawn JP2006308348A (ja) | 2005-04-27 | 2005-04-27 | 傾斜センサ用パッケージ及びそれを用いた傾斜センサ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2006308348A (ja) |
-
2005
- 2005-04-27 JP JP2005129156A patent/JP2006308348A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
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A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20080118 |
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A761 | Written withdrawal of application |
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