JP2006308152A - 除加湿ユニット - Google Patents

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Sadayasu Inagaki
定保 稲垣
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Abstract

【課題】 大気中の物質をイオン化させ、水分子をイオン吸着させることにより、大気空間内で水分濃度のコントロールを行えるようにし、部品点数が少なく、構成が簡単な除加湿ユニットを低コストに提供する。
【解決手段】 水分子が通過することのできる多孔質部材3を介して2方向の空気が交差して流れるように空気通路2,4を構成する一方、上記多孔質部材3内の空間部にイオン化手段5aを設けて空気中の物質の一部をイオン化することにより水分子のクラスター化を図り、該水分子のクラスター化に伴って生じる空気通路2,4間の濃度勾配により、上記多孔質部材3を介して水分子の移動を生ぜしめ、一方側空気通路4の空気の水分濃度を低くする一方、他方側空気通路2の空気の水分濃度を高くするようにした。
【選択図】 図2

Description

本願発明は、除湿および加湿の両機能を備えた除加湿ユニットの構造に関するものである。
これまでに提供されている除湿手段は、所定の熱交換器を備えていて空気中の水分を露点以下に冷却する方式が一般的であり、また加湿手段は、水を加熱又は超音波振動によって蒸発させるか、または吸着剤に吸着させた水を脱着させる方式が採用されている(特許文献1,2参照)。
特開2005−69519号公報 特開平8−327100号公報
しかし、これら従来の除湿および加湿手段は、構造が複雑で、部品点数も多く、消費電力も大きい問題がある。
また、除湿手段と加湿手段が機能的に別体構造となっており、単体構造に形成しにくく、設置、取扱いにも不便である。
本願発明は、このような事情に基いてなされたもので、大気中で所定の物質をイオン化させ、同物質を核として水分子のクラスター化を図ることにより、大気空間内で自由に水分濃度のコントロールを行えるようにした除加湿ユニットを提供することを目的とするものである。
本願発明は、上記の問題を解決することを目的としてなされたものであって、次のような有効な課題解決手段を備えて構成されている。
(1) 第1の課題解決手段
この発明の第1の課題解決手段は、水分子が通過することのできる多孔質部材3を介して2方向の空気が交差して流れるように空気通路2,4を構成する一方、上記多孔質部材3内の空間部にイオン化手段5aを設けて空気中の物質の一部をイオン化することにより水分子のクラスター化を図り、該水分子のクラスター化に伴って生じる空気通路2,4間の濃度勾配により、上記多孔質部材3を介して水分子の移動を生ぜしめ、一方側空気通路4の空気の水分濃度を低くする一方、他方側空気通路2の空気の水分濃度を高くするようにしたことを特徴としている。
このような構成によると、一方側空気通路2に供給される空気中のH3+、O2 -、N2 +をイオン化手段5aでイオン化すると、これらのイオン化物質H3+、O2 -、N2 +を核として、その周囲に極く短時間で大気中の多数の水分子H2Oが集まり水分子クラスターを形成する。
そして、該クラスターの形成に伴う濃度勾配により上記多孔質部材3を介して、上記2つの空気通路2,4間で水分子の移動が生じ、上記一方側空気通路2内の水分子数は増大して加湿される一方、他方側空気通路4内の水分子数は減少して除湿される。
(2) 第2の課題解決手段
この発明の第2の課題解決手段は、上記第1の課題解決手段の構成において、多孔質部材3が、金属製のメッシュ部材であることを特徴としている。
このような構成によると、金属製メッシュ部材のメッシュ部(孔部)を介して2つの空気通路2,4間で水分子の移動が生じ、一方側空気通路2内の空気が加湿される一方、他方側空気通路4内の空気が除湿される。
(3) 第3の課題解決手段
この発明の第3の課題解決手段は、上記第1又は第2の課題解決手段の構成において、イオン化手段5aが、プラズマ放電可能な放電電極であることを特徴としている。
このような構成によると、同放電電極のプラズマ放電により、例えば空気中のH3+、O2 -、N2 +等の物質が効率良くイオン化される。そして、これらを核として水分子H2Oが極めて短時間で吸着され、クラスター構造を形成するようになる。
(4) 第4の課題解決手段
この発明の第4の課題解決手段は、上記第2又は第3の課題解決手段の構成において、金属製のメッシュ部材を接地したことを特徴としている。
このような構成によると、金属製メッシュ部材にシールド作用が生じ、上記放電電極を用いてプラズマ放電させた時の電磁波が、金属製メッシュ部材内の空気通路外の他方側空気通路には作用しないようにすることができ、他方側の空気通路中でのクラスター形成作用を確実に阻止することができる。
以上の結果、本願発明によると、大気中で作動する除加湿ユニットを比較的簡単に実現することができる。
しかも、電力を消費するのは、放電とファン動力のみであるため、きわめて省エネ性の高い機器になる。また、その構造が簡単かつコンパクトで、部品点数が少なく、低コスト、省資源である。
図1〜図3は、本願発明の最良の実施の形態に係る除加湿ユニットの構成および作用を示している。
先ず図1は、同除加湿ユニットの全体的な構成を示す断面図、図2は除加湿ユニットの単位除加湿デバイス部の構成を示す断面図である。
図1において、符号1は除加湿ユニットであり、該除加湿ユニット1は、本体ケーシング1Aの図示の状態におけるX軸方向およびY軸方向の両端に、それぞれ吸気口2A,4A、吹出口2B,4Bを設け、その中にY軸方向の吸気口4Aと吹出口4Bとを連通させる内部ケーシング4を配置するとともに、該内部ケーシング4部分(Y軸方向の送風通路部分)に複数本のX軸方向の送風通路2,2・・・を並設して構成されている。
この送風通路2,2・・・は、例えば図2に詳細に示すように、水分子が通過し得る程度の微細な孔部を有する金属メッシュ構造の筒体よりなっており、その中を矢印方向(X軸方向の左から右方向)に空気が流れるとともに同方向の通路部を横切って(メッシュ部3をクロス方向に貫通して)矢印方向(Y軸方向の下方から上方)にも空気が流れるようになっている。
この送風通路2,2・・・を形成する金属メッシュ構造の筒体のメッシュ部3は、例えばアース配線3aを介して負電位に接地されている。
一方、符号5aは、上記送風通路2,2・・・の空気入口部2a,2a・・・付近に設けられたイオン化用のプラズマ放電電極であり、イオン化用の高圧電源5に接続されている。そして、そのプラズマ放電により、上記吸気口2Aを介して上記送風通路2,2・・・に供給される空気中の所定の分子(物質)H3+、O2 -、N2 +を電離し、イオン化するようになっている。このようにしてイオン化物質a′を発生させると、このイオン化物質a′を核として、その周囲に極く短時間で大気中の水分子aが集まり(吸着されて)、図2に示すような水分子クラスターCを形成する。その結果、該クラスターの形成に伴う濃度勾配により上記多孔質部材である金属製メッシュ部3を介して、上記2つの空気送風通路2,4間で水分子H2Oの移動が生じ(破線の矢印を参照)、他方側の通路である内部ケーシング4側の水分子数は減少して除湿される一方、一方側の通路である送風通路2,2・・・内の水分子数は増大して加湿される。
なお、上記プラズマ放電の際に発生する電磁波は、上記のように金属メッシュ部3が接地されているために、同金属メッシュ部3でシールドされ、上記送風通路2,2・・・の外部には漏洩せず、一方側送風通路2,2・・・内でのみイオン化作用を生じ、他方側送風通路である内部ケーシング4内ではイオン化作用を生じない。したがって、他方側送風通路である内部ケーシング4内での加湿作用は生じ得ない。
上記のように、電気的にアースされた微細な穴のある金属メッシュ製の送風通路2,2・・・中で、放電電極5aにより放電を生ぜしめて上記のようなH3+、O2 -、N2 +等のイオン化およびそれらを核とする水分子H2Oのクラスター形成作用を発生させれば、図3に示すように、同送風通路2,2・・・の内部をX軸方向に流れる空気は水分濃度が上昇(入口空気A50%→出口空気A′70%)し、逆に同送風通路2,2・・・の外側をY軸方向に流れる内部ケーシング4内の空気は水分濃度が減少(入口空気B50%→出口空気B′30%)する。図1中のT1〜T4は、それぞれ上記の湿度を検出した湿度センサーである。
つまり、一方側空気通路である送風通路2,2・・・内をX軸方向に流れる空気を加湿し、逆に他方側空気通路である内部ケーシング4内をY軸方向に流れる空気を除湿することができる。
このような水分子のクラスター形成を利用すれば、大気中で自由に作動する除加湿ユニットを、比較的簡単に実現することができる。
しかも、電力を消費するのは、放電とファン動力のみであるため、きわめて省エネ性の高い機器になる。また、その構造が簡単かつコンパクトで、部品点数が少なく、低コスト、省資源である。
本願発明の最良の実施の形態に係る除加湿ユニットの全体的な構成を示す断面図である。 同ユニットの要部の構成を示す拡大断面図である。 同ユニットの作用を示す説明図である。
符号の説明
1は除加湿ユニット、1Aは本体ケーシング、2は送風通路、2a,4aは吸気口、2b,4bは吹出口、3はメッシュ部、3aはアース配線、5は高圧電源、5aは放電電極、T1〜T4は湿度センサーである。

Claims (4)

  1. 水分子が通過することのできる多孔質部材(3)を介して2方向の空気が交差して流れるように空気通路(2),(4)を構成する一方、上記多孔質部材(3)内の空間部にイオン化手段(5a)を設けて空気中の物質の一部をイオン化することにより水分子のクラスター化を図り、該水分子のクラスター化に伴って生じる空気通路(2),(4)間の濃度勾配により、上記多孔質部材(3)を介して水分子の移動を生ぜしめ、一方側空気通路(4)の空気の水分濃度を低くする一方、他方側空気通路(2)の空気の水分濃度を高くするようにしたことを特徴とする除加湿ユニット。
  2. 多孔質部材(3)が、金属製のメッシュ部材であることを特徴とする請求項1記載の除加湿ユニット。
  3. イオン化手段(5a)が、プラズマ放電可能な放電電極であることを特徴とする請求項1又は2記載の除加湿ユニット。
  4. 金属製のメッシュ部材を接地したことを特徴とする請求項2又は3記載の除加湿ユニット。
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