JP2006307004A - ポリアミノ酸を構成成分とするハイドロゲル - Google Patents

ポリアミノ酸を構成成分とするハイドロゲル Download PDF

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Abstract

【課題】 異なる電荷を有する2種以上のポリアミノ酸材料から製造されるハイドロゲルであって、温和な条件下で製造することができ、かつ生体適合性と生分解性に優れたハイドロゲルを提供することを課題とする。
【解決手段】 重合度が5以上のカチオン性ポリアミノ酸またはその塩と、アニオン性ポリアミノ酸またはその塩との縮合による架橋ハイドロゲル、およびその製造方法。
【選択図】 図1−1

Description

本発明は、異なる電荷を有する、2種以上のポリアミノ酸が架橋された架橋ハイドロゲルとその製造方法に関する。
タンパク質やコラーゲンなどのアミノ酸からなるポリアミノ酸材料は、生体外においては生分解性に優れるため環境に負荷をかけず、また生体内においては分解生成物が毒性の少ないアミノ酸となるため生体に適合しやすい、という二つの特徴を有する。さらに、ポリアミノ酸材料は親水性を有することから、化粧品や医療用用途に利用可能なハイドロゲルとしても開発されている。このようなハイドロゲルとして、例えば、酸性ポリアミノ酸をジアミンで架橋させて得られるハイドロゲルが報告されている。
岩月らはポリ(L−グルタミン酸−γ−ベンジルエステル)をL−リジンの二量体を用いて架橋させて得られたハイドロゲルが、膜性生体材料として利用可能であると報告している(特許文献1を参照)。
また、鈴木らはL−アスパラギン酸を出発原料として得られた無水ポリ酸性アミノ酸のジアミン架橋体からなる親水性樹脂を報告している(特許文献2を参照)。
さらに、ポリアミノ酸の有する電荷を利用した特徴あるハイドロゲルも報告されている。互いに異なる電荷を有するポリマー同士によるハイドロゲル化は、ポリマーの有する静電気的相互作用を利用して行われるため比較的温和な条件で行うことができ、得られるハイドロゲルには薬剤や有用生理活性物質を内包させやすいという利点がある。
このようなハイドロゲルの例である、両性イオンを有するコラーゲンまたはその誘導体と、天然系ポリアニオンであるヒアルロン酸とから製造されるハイドロゲルは、軟骨等の組織再生用材料として利用可能であると報告されている(特許文献3および4を参照)。
このような静電気的相互作用を利用したハイドロゲルを、医療や化粧品用の基材として利用するためには、天然系材料であって、かつ安全性が確認された材料を使用して製造することが望まれる。このような材料を使用して得られたハイドロゲルとして、以下の報告がされている。
国岡らは、食品分野で利用される、微生物由来のγポリグルタミン酸とεポリリジンをガンマ線照射することによって得られるハイドロゲルを報告している(非特許文献1を参照)。しかし、工業的観点からは、放射線照射設備を利用することは設備上、管理上の問題から現実的ではない。
原田らは、酸性ポリアミノ酸としてのポリアスパラギン酸ナトリウムと、塩基性ポリアミノ酸としてのポリリジンを混合し、加熱して架橋させることによって得られる吸水性樹脂を報告している(特許文献5を参照)。この吸水性樹脂は、天然系のポリアミノ酸材料にとって過酷な反応条件である200〜300℃の加熱条件下で製造される。
さらに、前述した特許文献4で報告されたコラーゲンとヒアルロン酸とから製造されるハイドロゲルは、ポリイオン複合体を形成させないために、0.4Mと高い塩濃度の条件下で製造されるため、生体適合性用途に適するハイドロゲルになりにくい。
このように、食品分野で利用されるなど安全が確認された電荷の異なるポリアミノ酸材料を用いて製造されるハイドロゲルであって、優れた生分解性を有し、温和な条件下で製造されるハイドロゲルは未だ見出されておらず、開発が望まれていた。
特開平5−279416号公報 特開平7−309943号公報 特開平7−196704号公報 特開2002−80501号公報 特開平8−59820号公報 Journal of Applied Polymer Science、58、807−814、1995
本発明の課題は、異なる電荷を有する2種以上のポリアミノ酸材料から製造されるハイドロゲルであって、温和な条件下で製造することができ、かつ生体適合性と生分解性に優れたハイドロゲルを提供することである。
本発明者は、ポリイオン複合体を形成させることなく溶媒中に溶解されている、電荷の異なる2種以上のポリアミノ酸を、縮合剤を用いて縮合反応させて架橋させることにより、温和な反応条件でハイドロゲルが作製できることを見出した。
さらに、前記縮合反応における縮合剤の量や、ポリアミノ酸の濃度を調整することにより、得られるハイドロゲルの物性(膨潤度や弾性率を含む)を制御できることを見出した。
また、得られたハイドロゲルがプロテアーゼによって経時的に分解されることを見出し、徐放性組成物の基剤として用いられ得ることを見出した。
すなわち、本発明の第一の態様は以下に示すハイドロゲルに関する。
[1] 重合度が5以上のカチオン性ポリアミノ酸またはその塩と、アニオン性ポリアミノ酸またはその塩とが縮合により架橋されてなるハイドロゲル。
[2] カチオン性ポリアミノ酸がεポリリジンである、[1]に記載のハイドロゲル。[3] εポリリジンがストレプトマイセス属細菌により生産されたεポリリジンである、[2]に記載のハイドロゲル。
[4] アニオン性ポリアミノ酸がγポリグルタミン酸である、[1]〜[3]のいずれかに記載のハイドロゲル。
[5] γポリグルタミン酸がバチルス属細菌により生産されたポリγグルタミン酸である、[4]のいずれかに記載のハイドロゲル。
[6] 前記カチオン性ポリアミノ酸がストレプトマイセス属細菌により生産されたεポリリジンであり、前記アニオン性ポリアミノ酸がバチルス属細菌により生産されたγポリグルタミン酸である、[1]に記載のハイドロゲル。
本発明の第二の態様は、以下に示すハイドロゲルの製造方法に関する。
[7] [1]に記載のハイドロゲルを製造する方法であって、
ポリイオン複合体を形成しない条件で水性溶液中に含まれる、重合度が5以上のカチオン性ポリアミノ酸またはその塩とアニオン性ポリアミノ酸またはその塩とを、水溶性カルボジイミドを用いて縮合反応させるステップを含むことを特徴とする方法。
[8] 前記水性溶液における、前記カチオン性ポリアミノ酸またはその塩およびアニオン性ポリアミノ酸またはその塩の溶解量は、それぞれ25mg/1.5mlおよび50mg/1.5ml以上であり、かつ前記水性溶液のpHは6.5〜11.0である、[7]に記載の方法。
本発明の第三の態様は、以下に示す徐放性組成物に関する。
[9] [1]〜[6]のいずれかに記載のハイドロゲル、プロテアーゼ、および有効成分を含む徐放性組成物。
[10] プロテアーゼがアスペルギルス(Aspergillus)属細菌由来のプロテアーゼである、[9]に記載の徐放性組成物。
本発明のハイドロゲルは、ポリアミノ酸を構成成分とするので生体適合性に優れ、また酵素等により分解される性質を有することから、経皮吸収用の薬剤保持材料、医療用足場材料やドラッグキャリアー材料、および創傷被覆剤等に利用することができる。
<本発明のハイドロゲル>
本発明のハイドロゲルは、重合度が5以上のカチオン性ポリアミノ酸またはその塩と、アニオン性ポリアミノ酸またはその塩とが架橋されて形成される架橋物を含む。カチオン性ポリアミノ酸の塩とはカチオン性ポリアミノ酸と酸性物質とから得られる塩であり、アニオン性ポリアミノ酸の塩とはアニオン性ポリアミノ酸と塩基性物質とから得られる塩であり、いずれも特に制限されない。しかしながら、ハイドロゲルを医薬または化粧用として用いるためには、食品分野で利用されるなど安全性が確認された塩であることが好ましい。
前記の通り本発明のハイドロゲルは、カチオン性ポリアミノ酸またはその塩と、アニオン性ポリアミノ酸またはその塩とが架橋されて形成される架橋物を含むが、ここで「架橋」とは、例えばカチオン性ポリマーのカチオン性基と、アニオン性ポリマーに含まれるアニオン性基とが縮合(例えば、脱水縮合)したときに、これらの結合によりポリマーが網目構造を形成することをいう。ここで架橋をつくる結合は、例えばカチオン性ポリアミノ酸に含まれるアミノ基と、アニオン性ポリマーに含まれるカルボキシル基との脱水縮合反応により形成されるアミド結合である。
本発明のハイドロゲルにおける架橋密度は特に制限されず、ゲルとしての強度が得られる程度の密度であればよい。架橋密度は、後述のハイドロゲルの製造方法において使用される縮合剤の量や、各ポリアミノ酸の濃度などを調整することにより制御される。
本発明のハイドロゲルを構成するカチオン性ポリアミノ酸の重合度は5以上であれば任意であるが、例えば5〜40であればよい。カチオン性ポリアミノ酸の例には、ポリリジン、ポリアルギニンなどが含まれるが、好ましくはポリリジンである。ポリリジンは、その結合様式によってεポリリジンもしくはαポリリジンまたはその混合物でありうるが、好ましくはεポリリジンである。ポリリジンのリジン重合度は5〜40であることが好ましく、重量平均分子量(Mw)は600〜5500であることが好ましい。
またカチオン性ポリアミノ酸は、食品添加物として認可されているなど、安全性が確認されているものであることが好ましい。例えばεポリリジンであれば、食品添加物として認可されているストレプトマイセス アルブラス(Steptomyces albulus)細菌より醗酵生産されるεポリリジンが好ましく例示される(特開平09−173057号公報に記載のリジン重合度25〜35のポリリジンを主成分とするポリリジン)。さらに、この醗酵生産されるεポリリジンを、特開平10−306160号公報の処理法により低含水化したεポリリジンも好ましく例示される。
本発明のハイドロゲルを構成するアニオン性ポリアミノ酸の重合度は任意であるが、例えば30〜100000であればよい。アニオン性ポリアミノ酸の例には、ポリアスパラギン酸やポリグルタミン酸などが含まれるが、好ましくはポリグルタミン酸である。ポリグルタミン酸は、その結合様式によってγポリグルタミン酸もしくはαポリグルタミン酸またはその混合物でありうるが、好ましくはγポリグルタミン酸である。γグルタミン酸の重合度は30〜100000であることが好ましく、ハイドロゲルの形成の観点からは200〜50000であることがさらに好ましい。またγポリグルタミン酸の重量平均分子量(Mw)は、30000〜8000000であることが好ましい。
またアニオン性ポリアミノ酸は、食品添加物として認可されているなど、安全性が確認されているものであることが好ましい。例えばγポリグルタミン酸であれば、バチルス属細菌により生産されたγポリグルタミン酸が好ましく例示される。さらに、食経験のある納豆菌より醗酵生産されたγポリグルタミン酸も好ましく例示される。
また、ポリグルタミン酸のナトリウム塩も好ましく例示される。
ストレプトマイセス アルブラス細菌より醗酵生産されるεポリリジン、バチルス属細菌により生産されたγポリグルタミン酸の利用については、例えば、Shihらの総説(Mini Rev Med Chem.4、179−788、2004)に詳しい。
一般的にハイドロゲルは網目構造を形成しており、その内部に水などの溶媒を取り込むことができるが、本発明のハイドロゲルも同様に水などを取り込むことができ、膨潤し得る。
本発明のハイドロゲルの膨潤度(水分を取り込む程度)は、例えば、後述のハイドロゲルの製造方法における1)架橋されるポリアミノ酸に対する縮合剤の量比、2)溶媒におけるポリアミノ酸の濃度を調整することにより制御することができるが、これらについては後に説明する。
また、本発明のハイドロゲルの弾性率はゲルとしての強度が維持される程度であればよいが、例えば、ゲルの貯蔵弾性率が5Pa以上であることが好ましく、50Pa以上であることがさらに好ましい。ゲルの弾性率は、後述のハイドロゲルの製造方法における縮合剤の使用量を調整することにより制御できる。本発明のハイドロゲルの弾性率は、後述の実施例において示された方法により測定される。
本発明のハイドロゲルは、後述の通り高濃度の無機塩が存在しない条件下でポリアミノ酸同士を縮合反応させて得ることができる。したがって、本発明のハイドロゲルには無機塩が含まれないことが好ましい。
本発明のハイドロゲルは、プロテアーゼ(タンパク質分解酵素)により分解される性質(生分解性)を有する。本発明のハイドロゲルは、プロテアーゼにより分解されることによりゲルとしての強度を失い、やがて崩壊する。本発明のハイドロゲルのプロテアーゼによる分解速度は、プロテアーゼの存在量により制御できる。
したがって本発明のハイドロゲルは、プロテアーゼおよび有効成分(例えば生理活性物質)と組み合わされることにより、有効成分を徐放する徐放性組成物の基剤となり得る。この徐放性組成物については後に説明する。
<本発明のハイドロゲルの製造方法>
本発明のハイドロゲルは、例えば、カチオン性ポリアミノ酸またはその塩と、アニオン性ポリアミノ酸またはその塩とを縮合反応(例えば脱水縮合反応)させて架橋させることにより製造することができる。すなわち縮合反応により、カチオン性ポリマーが有するカチオン性基(アミノ基など)と、アニオン性ポリマーが有するアニオン性基(カルボキシル基など)とが縮合して結合(アミド結合など)を形成して、両ポリマーが架橋される。
縮合により架橋されるカチオン性ポリアミノ酸またはその塩、およびアニオン性ポリアミノ酸またはその塩は、それぞれ前述のハイドロゲルの説明において記載した各ポリアミノ酸またはその塩と同様である。
本発明のハイドロゲルの製造における縮合反応は、縮合剤を用いて行われる。好ましい縮合剤の例は水溶性カルボジイミドなどである。一般的に縮合剤はpH域が弱酸性〜アルカリ性のpH範囲で活性であるので、縮合反応もこの範囲のpH条件下で行われればよい
しかしながら、一般的にカチオン性ポリマーとアニオン性ポリマーが混合されると、互いの静電気的相互作用によりポリイオン複合体を形成して沈殿物となることがある。ポリイオン複合体(沈殿物)が形成された状態で縮合反応を行っても縮合反応がほとんど進行しないため、ハイドロゲルが生成しないか、ほとんど生成しない。たとえハイドロゲルが生成しても、弾性率が極めて低いなどの問題がある。
このポリイオン複合体の形成は、高濃度の塩の溶解によって生じたイオンを利用して抑制され得ることが知られている(特開2002−80501)。しかしながら、高濃度の塩の存在下で縮合させて得られたカチオン性ポリマーとアニオン性ポリマーとの架橋物(ハイドロゲル)は、塩を含有するため生体適合性が低く、このハイドロゲルを医薬または化粧品成分として利用するためには、塩を除く必要がある。
本発明の製造方法においては、水性溶液中に含まれているカチオン性ポリアミノ酸またはその塩とアニオン性ポリマー又はその塩とを縮合反応させるが、ここで水性溶液中において、カチオン性ポリアミノ酸またはその塩とアニオン性ポリマー又はその塩とは、ポリイオン複合体を形成しないことを特徴とする。
ポリイオン複合体の形成は、水性溶媒中に添加されるカチオン性ポリアミノ酸またはその塩と、アニオン性ポリアミノ酸またはその塩との比率を適切に調整することによって抑制され得る。ここで適切な比率は、カチオン性ポリアミノ酸の種類、アニオン性ポリアミノ酸の種類および水性溶媒の種類などによって異なるが、各ポリアミノ酸の溶解性と解離定数の組合せから適宜選択できる。
一般的にポリイオン複合体は、溶液中でのポリアニオン(例えばポリカルボン酸塩)とポリカチオン(例えばポリアンモニウム塩)との混合により形成するので、溶液中でポリカチオンまたはポリアニオンが形成しなければ、複合体の形成も抑制されると考えられる。ポリカチオンまたはポリアニオンが形成するかどうかは、溶液のpHと各ポリアミノ酸の解離定数との関係による。溶液のpHは、各ポリアミノ酸の溶解量によって変化するので、前述の通り、各ポリアミノ酸の溶解性と解離定数とを考慮して各ポリアミノ酸の添加量を選択することにより、ポリイオン複合体の形成を抑制することができる。
また、ポリイオン複合体の形成は、水性溶媒中に添加される各ポリアミノ酸またはその塩の量(溶媒に対する量)を適切に調整することによっても制御できる。ここで適切な量は、カチオン性ポリアミノ酸の種類、アニオン性ポリアミノ酸の種類および水性溶媒の種類などによって異なるが、溶媒に対する各ポリアミノ酸の添加量が少なすぎると、ポリイオン複合体を形成しやすい傾向があり、また複合体を形成することなく溶解したとしてもゲルを形成しにくいという傾向がある。したがって、一定以上の量の、前記比率の各ポリアミノ酸を添加して溶解させることにより、ポリイオン複合体の形成を抑え、かつゲルを形成することができきる。ここで「一定以上の量」とは、各ポリアミノ酸や溶媒の種類などによって異なるが、当業者によって適宜に選択される。
さらに本発明の製造方法において、縮合される各ポリアミノ酸を含む水性溶液のpHの範囲は6.5〜11.0であることが好ましい。本発明の製造方法において、ポリアミノ酸の縮合反応(架橋反応)は縮合剤を用いて行われるので、上記pH範囲から大きくずれると縮合剤が作用しにくく、縮合反応が進行しないことがある。
また、本発明の製造方法において、水性溶液におけるカチオン性ポリアミノ酸またはその塩と、アニオン性ポリアミノ酸又はその塩の溶解量は、それぞれ25mg/1.5mlおよび50mg/1.5ml以上であることが好ましい。水性溶液における各ポリアミノ酸又はその塩の溶解量が、2)に示された溶解量よりも低いと、ゲルが形成されないことがある。
具体例として、カチオン性ポリアミノ酸である重量平均分子量(Mw)が約5000のεポリリジン、およびアニオン性ポリアミノ酸である重量平均分子量(Mw)が約30万のγポリグルタミン酸は、質量比でεポリリジン:γポリグルタミン酸=1:5〜10:1(好ましくは1:3〜3:1)の比率で水性溶液中に溶解されて、縮合されることが好ましい。
さらに、この水性溶液中に溶解されるγポリグルタミン酸の量は、20mg/ml〜150mg/mlであることが好ましい。
さらに具体的に説明すると、カチオン性ポリアミノ酸である重量平均分子量(Mw)が約5000のεポリリジン、およびアニオン性ポリアミノ酸である重量平均分子量(Mw)が約30万のγポリグルタミン酸は、例えば、水1.5mlにそれぞれ100mgおよび200mg添加されても、ポリイオン複合体を形成することなく溶解している。
したがって、重量平均分子量(Mw)が約5000のεポリリジンと、重量平均分子量(Mw)が約30万のγポリグルタミン酸を、上記の比率および量の各アミノ酸を水に添加して溶解させ、縮合反応させれば、本発明のハイドロゲルが製造される。
本発明の製造方法における縮合は、高濃度の塩の存在下でなくても、pH域が6.5〜11.0の条件下で、ポリイオン複合体を形成することなく行われることができる。
本発明の製造方法における縮合反応は、縮合剤を用いて行うことができる。用いられる縮合剤は、アニオン性基(例えばカルボキシル基)とカチオン性基(例えばアミノ基)とを縮合反応させた場合に、縮合剤由来の残基を形成させないものであれば特に制限されない。
また、本発明の製造方法における縮合反応は水性溶媒で行われることが好ましいので、縮合剤は水溶性の縮合剤であることが好ましい。水溶性の縮合剤の例には、水溶性カルボジイミド、トリアジン型の脱水縮合剤などが含まれるが、好ましくは水溶性カルボジイミドである。さらに、ハイドロゲルを医薬や化粧品の成分として用いるためには、縮合剤は毒性を有さないことが好ましい。
これらの点から、本発明の製造方法に用いられる縮合剤の特に好ましい例には、水溶性カルボジイミドである1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(以下、「WSC」とも称する)が含まれる。
WSCは弱酸性〜塩基性pH域の条件下でカルボキシル基を活性化し、その活性中間体がアミノ基または水酸基と反応し、アミド結合またはエステル結合を形成することが知られている。WSCの使用例は、Biomaterials 17 765-773 (1996)、またはJournal of Applied Polymer Science 90 747-753 (2003)に記載されている。
前記縮合反応において用いられる縮合剤の量は、カチオン性ポリアミノ酸とアニオン性ポリアミノ酸の総質量に対して、10〜50質量%程度用いることが好ましい。用いられる縮合剤の量を調整することにより、得られるハイドロゲルの物性(弾性率や膨潤度を含む)を制御できる。したがって、製造されるハイドロゲルの用途や目的に応じて、縮合剤の量は適宜に調整される。
前記縮合は、縮合剤とあわせてその活性助剤を用いて行うこともできる。活性助剤とは、縮合剤の活性を上げるものである。水溶性カルボジイミドの活性助剤の例には、N−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)などが含まれる。活性助剤としてNHSを用いる場合は、水溶性カルボジイミド1モルに対して、0.1〜3モル程度用いることが好ましい。
前記縮合は、縮合されるカチオン性ポリアミノ酸およびアニオン性ポリアミノ酸を溶解している溶液中で行われればよく、例えば水性溶媒を溶媒とする水性溶液中で行われる。
水性溶媒とは、少なくとも水を含む溶媒であって、それ以外の溶媒、例えば水と均一に混合される溶媒(メタノール、エタノール、アセトン、DMF、DMSO、DMAc、N-メチル-2-ピロリドンなど)を含んでいてもよい。
本発明の製造方法における縮合反応は、例えば常温にて行われることができるが、特に限定されるわけではない。
本発明のハイドロゲルの製造方法によれば、ポリアミノ酸に対する縮合剤の量を調整することによりゲル化時間や、製造されるハイドロゲルの膨潤度(水分含有度)や弾性率などを制御できる。すなわち、ポリアミノ酸に対する縮合剤の量を多くすることによりゲル化時間を短くすることができ、また製造されるハイドロゲルの膨潤度を低くし、ゲルの強度を上げることができる。これらは後述の実施例においても説明されている。
<本発明の徐放性組成物>
本発明の徐放性組成物は、前述の本発明のハイドロゲル、プロテアーゼおよび有効成分を含む。組成物に含まれる有効成分の例には、生理活性物質(タンパク質や薬剤、ビタミン)や、香料等の医療や化粧品用途上有用な成分が含まれる。
組成物に含まれるプロテアーゼは、本発明のハイドロゲルを生分解することができる酵素であれば特に限定されず、例えばハイドロゲルの製造に用いられたポリアミノ酸を分解することが知られている酵素であればよい。さらにプロテアーゼは、ハイドロゲルの製造に用いられたポリアミノ酸に対する基質特異性の高いプロテアーゼであることが好ましい。ハイドロゲルの分解速度をより厳密に制御できるからである。
例えば、εポリリジンを用いて製造されたハイドロゲルを含む組成物は、Aspergillus oryzae(アルペルギルス・オリゼー)の産生するプロテアーゼAや、Aspergillus sojae(アスペルギルス・ソーや)の産生する中性プロテアーゼなどを含むことが好ましい。これらのプロテアーゼはεポリリジンに対して特異的に作用するので(特許第3022615号)、εポリリジンを用いて製造されたハイドロゲルの分解速度がより厳密に制御され得る。
前記徐放性組成物は、含まれる有効成分の種類に応じて、医薬品や化粧料の製剤として用いることができる。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらによって限定されるものではない。
<実施例1>
εポリリジン200mg(分子量4,700 チッソ社製)、およびγポリグルタミン酸ナトリウム塩400mg(分子量300,000 明治製菓社製)を、蒸留水3mlに室温にて撹拌しながら添加して溶解させた。この溶液のpHは約9であった。得られた溶液を撹拌しながら、さらにN−ヒドロキシスクシンイミド40mg(NHS、和光純薬社製)を加えて溶解させた。このとき、不溶体は析出していないことを確認した。
1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド80mg(WSC、和光純薬社製)を蒸留水1mlに溶解させて得られた溶液を、前述の溶液に添加して、WSCの失活を防ぐため素早く混合して、全体を均一とした。この溶液を室温で数分間放置することによりゲル化させて、ハイドロゲルPL1を製造した。
<実施例2>
実施例1において、WSCの添加量を80mgから120mgに変更し、かつNHSの
添加量を40mgから60mgに変更すること以外は同様にして、ハイドロゲルPL2を製造した。
<実施例3>
実施例1において、WSCの添加量を80mgから160mgに変更し、かつNHSの添加量を40mgから80mgに変更すること以外は同様にして、ハイドロゲルPL3を製造した。
<実施例4>
εポリリジン200mg(分子量4,700 チッソ社製)、およびγポリグルタミン酸ナトリウム塩400mg(分子量300,000 明治製菓社製)を、蒸留水6mlに室温にて撹拌しながら添加して溶解させた。この溶液のpHは約9であった。得られた溶液を撹拌しながら、さらにN−ヒドロキシ−スクシンイミド80mg(NHS、和光純薬社製)を加えて溶解させた。このとき、不溶体は析出していないことを確認した。
1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド160mg(WSC、和光純薬社製)を蒸留水2mlに溶解させて得られた溶液を前述の溶液に添加して、WSCの失活を防ぐため素早く混合して、全体を均一とした。この溶液を室温で数分間放置することにより、ハイドロゲルPL4を製造した。
<実施例5>
εポリリジン200mg(分子量4,700 チッソ社製)、およびγポリグルタミン酸ナトリウム塩400mg(分子量300,000 明治製菓社製)を、蒸留水12mlに室温にて撹拌しながら添加して溶解させた。この溶液のpHは約9であった。得られた溶液を撹拌しながら、さらにN−ヒドロキシ−スクシンイミド80mg(NHS、和光純薬社製)を加えて溶解させた。このとき、不溶体は析出していないことを確認した。
1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド160mg(WSC、和光純薬社製)を蒸留水4mlに溶解させて得られた溶液を前述の溶液に添加して、WSCの失活を防ぐため素早く混合して、全体を均一とした。この溶液を室温で数分間放置することにより、ハイドロゲルPL5を製造した。
実施例1〜5のハイドロゲルの製造条件を表1にまとめた。蒸留水の量は、WSC溶液に由来する量もあわせた量である。
Figure 2006307004
<ハイドロゲルの物性評価>
実施例1〜5のハイドロゲルPL1〜5の製造において、NHSが添加された後の反応混合物の弾性率を測定し、その経時変化を追跡した。弾性率は、ThermoHaake社製の粘弾性測定装置レオストレス(Rheostress)RS1を用いて、以下の条件で測定された。
1)35mm径のパラレルプレート(222−1266)を使用
2)せん断応力τ0=0.118Pa
3)周波数f=1.0Hz
4)測定ギャップ:0.500mm
5)測定温度:25℃
ハイドロゲルPL1〜5の製造における、反応混合物の貯蔵弾性率(G')の経時による変化を図1に示した。図1−1に示されたように、PL1,PL2,PL3の順に貯蔵弾性率(G')が高いことがわかる。このことから、用いられる縮合剤の量が多いほど、製造されるハイドロゲルの弾性が高くなることがわかる。図1−2に示されたように、PL3,PL4,PL5の順に貯蔵弾性率(G')が低いことがわかる。このことから、用いられる反応溶媒(水)の量が多いほど、製造されるハイドロゲルの弾性が低くなることがわかる。
また、前記粘弾性の測定において、貯蔵弾性率(G')と損失弾性率(G")とが一致する点をゲル化点として、ゲル化点に達したときの、NHS添加時からの経過時間をゲル化時間とした。このゲル化点とは、液体から固体への相転移した瞬間を意味する(Materials Science and Engineering, C24, 787-790 (2004))。求められたゲル化時間を表2に示した。
さらに、実施例1〜5で製造されたハイドロゲルPL1〜5(貯蔵弾性率が一定になった後のハイドロゲル)の膨潤度を、以下のようにして求めた。
24時間、蒸留水に浸されたハイドロゲルPL1〜5の重量(W0)を測定した。そのゲルを24時間凍結乾燥により乾燥させ、乾燥重量(Wd)を測定した。W0とWdを以下の式に代入して膨潤度を求めた。求められた膨潤度を表2に示した。
膨潤度=(W0−Wd)/Wd
Figure 2006307004
表2に示されたように、PL1,2,3の順にゲル化時間が短く、かつ膨潤度が低いことがわかる。このことから、ハイドロゲルの調製に用いた縮合剤の量が多いと、ゲル化時間が早くなり、膨潤度も低くなることがわかる。
また、PL3,4,5の順にゲル化時間が長く、かつ膨潤度が高いことがわかる。このことから、反応溶媒に対するポリマーの添加量が多いほど、ゲル化時間が長くなり、膨潤度も高くなることがわかる。
以上のように、本発明のハイドロゲルの製造法において、縮合剤やポリマーの濃度を調整することにより、製造されるゲルの物性を制御できることがわかる。
<ハイドロゲルの生分解性の評価>
実施例1で製造されたハイドロゲルPL1について酵素による分解性を調べた。
0.1mMのリン酸緩衝液(pH7.0)に、37℃で24時間浸して膨潤させたPL1の質量(W0)を測定した。膨潤させたゲルを、10mgのAspergillus oryzae由来のプロテアーゼA(天野エンザイム社)が溶解されている5mlの0.
1mMのリン酸緩衝液(pH7.0)中に再び浸し、37℃で放置した。
放置されているゲルの質量(Wt)を測定し、その経時変化を追跡した。時間と相対的ゲル重量(Wt/W0)との関係を図2に示した。
酵素を溶解したリン酸緩衝液の代わりに、酵素を溶解していないリン酸緩衝液を用いること以外は上記と同様にして、ゲルの質量の経時変化を追跡した。時間と相対的ゲル重量(Wt/W0)との関係を図2に示した。
図2に示されたように、プロテアーゼを溶解していない緩衝液中のゲルの重量はほとんど変化しなかったのに対し、プロテアーゼを溶解している緩衝液中のゲルの重量が増加したことがわかる。この重量の増加は、ゲルの構成成分であるεポリリジンが経時的にプロテアーゼAにより分解され、架橋密度が減少し、ゲルが膨潤していくためである。
このように本発明のハイドロゲルは、生分解性を有することがわかる。
実施例1〜3で製造されたハイドロゲル(PL1〜3)の、貯蔵弾性率(G')の経時変化を示すグラフである。 実施例3〜5で製造されたハイドロゲル(PL3〜5)の、貯蔵弾性率(G')の経時変化を示すグラフである。 実施例1で製造されたハイドロゲルゲルPL1の酵素による分解、すなわち相対的なゲル重量の変化を示すグラフである。

Claims (10)

  1. 重合度が5以上のカチオン性ポリアミノ酸またはその塩と、アニオン性ポリアミノ酸またはその塩とが縮合により架橋されてなるハイドロゲル。
  2. 前記カチオン性ポリアミノ酸がεポリリジンである、請求項1に記載のハイドロゲル。
  3. 前記εポリリジンがストレプトマイセス属細菌により生産されたεポリリジンである、請求項2に記載のハイドロゲル。
  4. 前記アニオン性ポリアミノ酸がγポリグルタミン酸である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のハイドロゲル。
  5. 前記γポリグルタミン酸がバチルス属細菌により生産されたγポリグルタミン酸である、請求項4に記載のハイドロゲル。
  6. 前記カチオン性ポリアミノ酸がストレプトマイセス属細菌により生産されたεポリリジンであり、前記アニオン性ポリアミノ酸がバチルス属細菌により生産されたγポリグルタミン酸である、請求項1に記載のハイドロゲル。
  7. 請求項1に記載のハイドロゲルを製造する方法であって、
    ポリイオン複合体を形成しない条件で水性溶液中に含まれる、重合度が5以上のカチオン性ポリアミノ酸またはその塩とアニオン性ポリアミノ酸またはその塩とを、水溶性カルボジイミドを用いて縮合反応させるステップを含むことを特徴とする方法。
  8. 前記水性溶液における、前記カチオン性ポリアミノ酸またはその塩およびアニオン性ポリアミノ酸またはその塩の溶解量は、それぞれ25mg/1.5mlおよび50mg/1.5ml以上であり、かつ
    前記水性溶液のpHは6.5〜11.0である、請求項7に記載の方法。
  9. 請求項1〜6のいずれか一項に記載のハイドロゲル、プロテアーゼ、および有効成分を含む徐放性組成物。
  10. プロテアーゼがアスペルギルス属細菌由来のプロテアーゼである、請求項9に記載の徐放性組成物。
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