JP2006306755A - 新規なピラゾール誘導体とそれを有効成分とするhsp90阻害剤 - Google Patents

新規なピラゾール誘導体とそれを有効成分とするhsp90阻害剤 Download PDF

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Masaharu Nakamura
雅陽 中村
Yosuke Kasuga
洋祐 春日
Kazutoshi Takashio
一俊 高塩
Mineko Kurotaki
美音子 黒滝
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Abstract

【課題】医薬品として有用なHSP90阻害活性を有する低分子化合物の提供。
【解決手段】下記一般式(1A)または(1B)
Figure 2006306755

で表されるピラゾール誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
【選択図】なし

Description

本発明は、HSP90のATP結合部位に結合することでその機能を阻害し、HSP90と標的蛋白質の結合を阻害して細胞増殖を抑制するピラゾール誘導体とその用途に関する。
分子シャペロンとは、蛋白質の機能的高次構造形成を促進するため標的蛋白質と一時的に複合体を形成する蛋白質の総称であり、蛋白質の折り畳みや会合を促進し、凝集を抑止する活性を持つ。その分子量によって幾つかのファミリーに分類されるが、HSP90は細胞内のシグナル伝達系に関わる多数の分子と相互作用をし、細胞周期制御および癌化・増殖等に深く関与していることが明らかになりつつある。
特に、癌関連のシグナル伝達に関わる多様なkey蛋白質(steroid receptor、Raf serine kinase等)の構造構築に必要とされている。
ゲルダナマイシンやラディシコールおよびそれらの誘導体等のHSP90アンタゴニストによる癌細胞の増殖抑制作用は、該アンタゴニストがHSP90のATP/ADP結合領域へ結合して標的蛋白質とHSP90を含む複合体の構成が変化し、標的蛋白質が複合体から離脱して分解されることによりその量が減少し、それに伴いシグナル伝達の遮断がおきることによるものと考えられる。
しかしながら、ゲルダナマイシンやラディシコールおよびそれらの誘導体等は医薬品として使用するには、何れも分子量、安定性、水溶性等の物性面で問題があるため、医薬品として有用な水溶性低分子HSP90阻害剤が求められている。低分子のHSP90阻害剤として、アデノシン誘導体であるPU3(特許文献1、非特許文献1)、ピラゾール環が結合した1,3−ジヒドロキシベンゼン誘導体(特許文献2、特許文献3、特許文献4)またはイソキサゾール環が結合した1,3−ジヒドロキシベンゼン誘導体(特許文献5)が報告されている。しかしながら、窒素原子で直接結合した含窒素置換基を有するピラゾール環が結合した1,3−ジヒドロキシベンゼン誘導体は知られていない。
国際公開第02/036075号パンフレット 国際公開第03/055860号パンフレット 国際公開第2004/050087号パンフレット 国際公開第2004/056782号パンフレット 国際公開第2004/072051号パンフレット A small molecule designed to bind to the adenine nucleotide pocket of Hsp90 causes Her2 degradation and the growth arrest and differentiation of breast cancer cells.Chem.Biol.,8,(3),p.289−299(2001)
医薬品として有用な低分子HSP90阻害剤が求められている。
本発明者等は鋭意研究を重ねた結果、HSP90を阻害するピラゾール誘導体またはその薬理学的に許容される塩を見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は、以下の(1)〜(15)に関する。
(1)下記一般式(1A)または(1B)
Figure 2006306755
[式中、Nは窒素原子を示し、X、Yは各々独立して水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基若しくは置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよい炭素環若しくは置換基を有していてもよい複素環アリール基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、水酸基、ホルミル基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、カルバモイルオキシ基、置換または無置換アミノ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、ウレイド基、スルホニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、スルホニル基、アミノスルホニル基、またはシリル基を示し、R、Wは各々独立して水素原子または置換基を有していてもよいアルキル基を示し、Zはカルボニル基またはスルホニル基を示し、nは1または0を示し、Qは水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基若しくは置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよい炭素環若しくは置換基を有していてもよい複素環アリール基、またはNRを示し、R、Rは各々独立して水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基若しくは置換基を有していてもよい炭素環アリール基を示し、RとQは結合していてもよく、その場合はnは0で置換基を有していてもよい含窒素芳香族複素環を形成する。]
で表されるピラゾール誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
(2)Zがカルボニル基でnが1で,Qが置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基若しくは置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよい炭素環若しくは置換基を有していてもよい複素環アリール基である上記(1)記載のピラゾール誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
(3)Zがスルホニル基でnが1で,Qが置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基若しくは置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよい炭素環若しくは置換基を有していてもよい複素環アリール基である上記(1)記載のピラゾール誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
(4)QがNRであり、R、Rが各々独立して水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基若しくは置換基を有していてもよい炭素環アリール基である上記(2)または(3)に記載のピラゾール誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
(5)nが0、Wが水素原子、Qが水素原子または置換基を有していてもよいアルキル基若しくは置換基を有していてもよい炭素環アリール基であり、RとQは結合していない上記(1)記載のピラゾール誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
(6)下記一般式(2A)または(2B)
Figure 2006306755
[式中、N、X、Yは一般式(1A)または(1B)と同じ意味を示し、X'はXと同じ意味を示す。]
で表される上記(1)記載のピラゾール誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
(7)X、Y、Rが各々独立して水素原子または置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基であり、Xの置換位置が2,4−ジヒドロキシフェニル基の5位である上記(1)〜(5)のいずれか一項に記載のピラゾール誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
(8)ピラゾール誘導体が
N−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−ベンズアミド、
N−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−2−メトキシ−ベンズアミド、
N−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−3−メトキシ−ベンズアミド、
N−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−4−メトキシ−ベンズアミド、
N−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−3,4,5−トリメトキシ−ベンズアミド、
N−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−ニコチンアミド、
N−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−イソニコチンアミド、
4−ジメチルアミノ−N−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−ベンズアミド、
2−クロロ−N−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−ベンズアミド、
3−クロロ−N−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−ベンズアミド、
4−クロロ−N−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−ベンズアミド、
N−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−N−メチル−ベンズアミド、
N−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−2−メトキシ−N−メチル−ベンズアミド、
N−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−3−メトキシ−N−メチル−ベンズアミド、
N−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−4−メトキシ−N−メチル−ベンズアミド、
N−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−3,4,5−トリメトキシ−N−メチル−ベンズアミド、
N−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−アセトアミド、
ペンタノイックアシド[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−アミド、
N−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−2,2−ジメチル−プロピオンアミド、
N−[3−(5−エチル−2、4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−3,3−ジメチル−ブチラミド、
アダマンタン−1−カルボキシリック アシド[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−アミド、
3−シクロペンチル−N−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−プロピオンアミド、
N−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−3−フェニル−プロピオンアミド、
N−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−2−フェノキシ−アセトアミド、
N−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−N−メチル−アセトアミド、
N−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−ベンゼンスルホンアミド、
N−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−N−メチル−ベンゼンスルホンアミド、
N−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−4−フルオロ−ベンゼンスルホンアミド、
N−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−メタンスルフォンアミド、
プロパン−2−スルホン酸 [3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−アミド、
3−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−1,1−ジメチル−スルファミド、
3−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−1,1−ジメチル−ウレア、
4−(4−アミノ−1H−ピラゾール−3−イル)−6−エチル−ベンゼン−1,3−ジオール、
4−エチル−6−(4−メチルアミノ−1H−ピラゾール−3−イル)−ベンゼン−1、3−ジオール、
4−エチル−6−(4−ジメチルアミノ−1H−ピラゾール−3−イル)−ベンゼン−1、3−ジオール、
または4−[4−(2,5−ジメチル−ピロール−1−イル)−1H−ピラゾール−3−イル]−6−エチル−ベンゼン−1,3−ジオールである上記(1)記載のピラゾール誘導体若しくはその互変異性体またはその薬理学的に許容される塩。
(9)ピラゾール誘導体が
2−クロロ−N−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−ベンズアミド、
N−[3−(5−エチル−2、4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−3,3−ジメチル−ブチラミド、
N−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−2−フェノキシ−アセトアミド、
またはN−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−N−メチル−ベンゼンスルホンアミドである上記(1)記載のピラゾール誘導体若しくはその互変異性体またはその薬理学的に許容される塩。
(10)生体に投与すると上記(1)〜(9)のいずれか一項に記載のピラゾール誘導体を生成する上記(1)〜(9)のいずれか一項に記載のピラゾール誘導体のプロドラッグまたはその薬理学的に許容される塩。
(11)下記一般式(3A)または(3B)
Figure 2006306755
[式中、X、Y、Rは一般式(1A)または(1B)と同じ意味を示し、Rは水素原子若しくはアルキル基を示し、Proはフェノール性水酸基の保護基を示す。]
で表され、上記(1)〜(9)のいずれか一項に記載のピラゾール誘導体の製造に使用し得る4−アミノピラゾール誘導体またはその塩。
(12)上記(1)〜(9)のいずれか一項に記載のピラゾール誘導体またはその薬理学的に許容される塩を有効成分とするHSP90阻害剤。
(13)上記(10)記載のプロドラッグまたはその薬理学的に許容される塩を有効成分とするHSP90阻害剤。
(14)上記(1)〜(9)のいずれか一項に記載のピラゾール誘導体またはその薬理学的に許容される塩あるいは上記(10)記載のプロドラッグまたはその薬理学的に許容される塩を有効成分とする細胞増殖阻害剤。
(15)上記(1)〜(9)のいずれか一項に記載のピラゾール誘導体またはその薬理学的に許容される塩あるいは上記(10)記載のプロドラッグまたはその薬理学的に許容される塩を有効成分とする抗癌剤。
本発明のピラゾール誘導体若しくはそのプロドラッグまたはそれらの薬理学的に許容される塩は優れたHSP90阻害活性を有し、該化合物を有効成分として含有する薬剤は抗癌剤として有用である。
以下に本発明の詳細を述べる。
本発明のピラゾール誘導体は、上記一般式(1A)または(1B)[式中、Nは窒素原子を示し、X、Yは各々独立して水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基若しくは置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよい炭素環若しくは置換基を有していてもよい複素環アリール基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、水酸基、ホルミル基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、カルバモイルオキシ基、置換または無置換アミノ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、ウレイド基、スルホニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、スルホニル基、アミノスルホニル基、またはシリル基を示し、R、Wは各々独立して水素原子または置換基を有していてもよいアルキル基を示し、Zはカルボニル基またはスルホニル基を示し、nは1または0を示し、Qは水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基若しくは置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよい炭素環若しくは置換基を有していてもよい複素環アリール基、またはNRを示し、R、Rは各々独立して水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基若しくは置換基を有していてもよい炭素環アリール基を示し、RとQは結合していてもよく、その場合はnは0で置換基を有していてもよい含窒素芳香族複素環を形成する。]で表される。
本発明においてアルキル基とは、炭素数1〜20の鎖状、分岐状または炭素数3〜20の環状アルキル基が挙げられ、炭素数1〜10の鎖状、分岐状または炭素数3〜10の環状アルキル基が好ましい。鎖状アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基等が挙げられ、分岐状アルキル基としては、例えば、イソプロピル基、tert−ブチル基、2,2−ジメチルプロピル基等が挙げられ、環状アルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基等が挙げられる。
本発明においてアルケニル基とは、いずれか1カ所以上に炭素−炭素二重結合を有する炭素数2〜20の鎖状、分岐状、または環状アルケニル基が挙げられ、炭素数2〜8の鎖状、分岐状、または環状アルケニル基が好ましい。鎖状アルケニル基としては、例えば、エテニル基、1−プロペニル基、1−ブテニル基等の1−アルケニル基;2−ブテニル基、2−ペンテニル基等の2−アルケニル基等が挙げられる。分岐状アルケニル基としては、例えば、イソプロペニル基、3−メチル−1−ブテニル基またはゲラニル基等が挙げられる。環状アルケニル基としては、2−シクロペンテン−1−イル基等が挙げられる。
本発明においてアルキニル基とは、いずれか1カ所以上に炭素−炭素三重結合を有する炭素数2〜20のアルキニル基が挙げられ、炭素数2〜8のアルキニル基が好ましく、具体的には例えば、エチニル基、1−プロピニル基、3,3−ジメチル−1−ブチニル基等の1−アルキニル基;2−プロピニル基、2−ブチニル基、3−フェニル−2−プロピニル基、4,4−ジメチル−2−ペンチニル基、3−トリメチルシリル−2−プロピニル基等の2−アルキニル基等が挙げられる。
本発明において炭素環アリール基としては、炭素数6〜18の芳香族炭化水素基が挙げられ、例えば、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
本発明において複素環アリール基としては、異項原子として窒素原子、酸素原子、硫黄原子から選ばれる1〜複数個を骨格原子として含む芳香族化合物が挙げられ、例えば、ピリジル基、ピリミジル基、キノリル基、キナゾリル基,ナフチリジニル基,フリル基、ピロリル基、インドリル基,イミダゾリル基、ピラゾリル基、オキサゾリル基、イソキサゾリル基、トリアゾリル基等が挙げられる。
本発明においてハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
本発明においてアルコキシ基としては、上記のアルキル基が酸素原子と結合した基やアラルキル基(炭素環または複素環アリール基が置換したアルキル基)が酸素原子と結合した基が挙げられ、具体的には例えば、メトキシ基、イソプロポキシ基、ベンジルオキシ基等が挙げられる。
本発明においてアリールオキシ基としては、上記の炭素環または複素環アリール基が酸素原子と結合した基が挙げられ、具体的には例えば、フェノキシ基、ナフトキシ基、ピリジルオキシ基等が挙げられる。
本発明においてアシルオキシ基としては、上記のアルキル基あるいは炭素環または複素環アリール基が結合したカルボニルオキシ基が挙げられ、具体的には例えば、アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基等が挙げられる。
本発明においてアルコキシカルボニルオキシ基としては、例えば、メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、イソプロポキシカルボニルオキシ基、フェノキシカルボニルオキシ基、ベンジルオキシカルボニルオキシ基、トリフルオロメトキシカルボニル基等が挙げられる。
本発明においてアミノ基としては、無置換アミノ基;モノメチルアミノ基、モノエチルアミノ基、フェニルアミノ基等の2級アミノ基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジベンジルアミノ基、モルホリノ基、ピペリジニル基等の3級アミノ基が挙げられる。
本発明においてアシル基としては、上記アルキル基あるいは炭素環または複素環アリール基がカルボニル基と結合した基が挙げられ、具体的には例えば、アセチル基、プロピオニル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、ピリジンカルボニル基等が挙げられる。
本発明においてアシルアミノ基としては、上記アシル基とアミノ基が結合した基が挙げられ、具体的には例えば、アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基等が挙げられる。
本発明においてアルコキシカルボニル基としては、上記アルコキシ基がカルボニル基と結合した基が挙げられ、具体的には例えば、メトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基等が挙げられる。
本発明においてアルコキシカルボニルアミノ基としては、上記アルコキシカルボニル基がアミノ基と結合した基が挙げられ、具体的には例えば、メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、ベンジルオキシカルボニルアミノ基等が挙げられる。
本発明においてカルバモイル基とは、水素原子、上記アルキル基、炭素環アリール基および複素環アリール基からなる置換基郡から選ばれる1〜2個の基が窒素原子に結合したカルバモイル基が挙げられ、例えば、メチルカルバモイル基、ジメチルカルバモイル基、エチルカルバモイル基、ジエチルカルバモイル基、フェニルカルバモイル基、ジフェニルカルバモイル基、ジベンジルカルバモイル基等が挙げられる。
本発明においてカルバモイルオキシ基としては、上記カルバモイル基が酸素原子と結合した基が挙げられ、具体的には例えば、ジメチルカルバモイルオキシ基、エチルカルバモイルオキシ基、フェニルカルバモイルオキシ基、ジベンジルカルバモイルオキシ基等が挙げられる。
本発明においてウレイド基とは、水素原子、上記アルキル基、炭素環アリール基および複素環アリール基からなる置換基郡から選ばれる1〜2個の基が窒素原子に結合したウレイド基が挙げられ、例えば、トリメチルウレイド基、1−メチル−3−フェニル−ウレイド基等が挙げられる。
本発明においてスルフォニルアミノ基とは、上記アルキル基あるいは炭素環または複素環アリール基が結合したスルフォニルアミノ基が挙げられ、例えば、メタンスルフォニルアミノ基、ベンゼンスルフォニルアミノ基等が挙げられる。
本発明においてスルファモイルアミノ基とは、上記アルキル基あるいは炭素環または複素環アリール基が結合したスルファモイルアミノ基が挙げられ、例えば、ジメチルスルファモイルアミノ基等が挙げられる。
本発明においてスルホニル基とは、上記アルキル基あるいは炭素環または複素環アリール基が結合したスルホニル基が挙げられ、例えば、メタンスルホニル基、ベンゼンスルホニル基等が挙げられる。
本発明においてアミノスルホニル基とは、水素原子、上記アルキル基、炭素環アリール基および複素環アリール基からなる置換基郡から選ばれる1〜2個の基が窒素原子に結合したアミノスルホニル基が挙げられ、例えば、ジメチルアミノスルフォニル基等が挙げられる。
本発明においてシリル基とは、水素原子、上記アルキル基、炭素環アリール基および複素環アリール基からなる置換基郡から選ばれる1〜3個の基が珪素原子に結合したシリル基が挙げられ、例えば、トリメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、tert−ブチル−ジフェニル−シリル基等が挙げられる。
本発明における置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよい炭素環アリール基、置換基を有していてもよい複素環アリール基において、置換基を有する場合の置換基としては、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜8のアルケニル基、炭素数2〜8のアルキニル基、炭素環または複素環アリール基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、水酸基、ホルミル基、カルボキシル基、アルコキシル基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、カルバモイルオキシ基、置換または無置換アミノ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、ウレイド基、スルホニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、スルホニル基、アミノスルホニル基、シリル基等が挙げられる。該置換基は上記の通りである。炭素環または複素環アリール基上の置換位置は、オルト位でもメタ位でもパラ位でもよい。
上記一般式(1A)または(1B)で表される化合物においてRとQが結合していない場合、Rとしては水素原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基等が好ましく、水素原子またはメチル基が特に好ましい。
上記一般式(1A)または(1B)で表される化合物において、Wとしては水素原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基等が好ましく、水素原子が特に好ましい。尚、Wが水素原子の場合、一般式(1A)と(1B)の化合物は互変異性体となる。
上記一般式(1A)または(1B)で表される化合物におけるX、Yにおいて置換基を有していてもよいアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、シクロプロピル基、N,N−ジメチルアミノエチル基、モルホリニルメチル基、ピペリジニルメチル基、メトキシエチル基、ベンジル基、2−フェニルエチル基、ピリジルメチル基等が挙げられ、異性体が存在する場合にはすべての異性体が挙げられる。
上記一般式(1A)または(1B)で表される化合物におけるX、Yにおいて置換基を有していてもよいアルケニル基としては、例えば、エテニル基、1−プロペニル基、イソプロペニル基、1−ブテニル基、3−メチル−1−ブテニル基、3−ヒドロキシ−1−プロペニル基、2−アセチル−エテニル基、2−フェニル−エテニル基、アリル基、2−ブテニル基、2−ペンテニル基、ゲラニル基等が挙げられる。
上記一般式(1A)または(1B)で表される化合物におけるX、Yにおいて置換基を有していてもよいアルキニル基としては、例えば、エチニル基、1−プロピニル基、3,3−ジメチル−1−ブチニル基、2−フェニル−エチニル基、3−トリメチルシリル−1−プロピニル基、2−プロピニル基、2−ブチニル基、3−フェニル−2−プロピニル基、4,4−ジメチル−2−ペンチニル基、3−トリメチルシリル−2−プロピニル基等が挙げられる。
上記一般式(1A)または(1B)で表される化合物におけるX、Yにおいて置換基を有していてもよい炭素環アリール基としては、例えば、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、o−クロロフェニル基、m−クロロフェニル基、p−クロロフェニル基、o−メトキシフェニル基、m−メトキシフェニル基、p−メトキシフェニル基等が挙げられる。
上記一般式(1A)または(1B)で表される化合物におけるX、Yにおいて置換基を有していてもよい複素環アリール基としては、例えば、ピリジル基、キノリル基、ピリミジル基、フリル基等が挙げられる(各置換基の位置異性体を含む)。
上記一般式(1A)または(1B)で表される化合物におけるX、Yにおいて上記以外の置換基としては、例えば、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、水酸基、ホルミル基、カルボキシ基、メトキシ基、イソプロポキシ基、フェノキシ基、ナフトキシ基、ピリジルオキシ基、アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基、メトキシカルボニルオキシ基、トリフルオロメトキシカルボニル基、ジメチルカルバモイルオキシ基、フェニルカルバモイルオキシ基、無置換アミノ基、ジメチルアミノ基、モルホリノ基、ピペリジニル基、フェニルアミノ基、アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、ベンジルオキシカルボニルアミノ基、トリメチルウレイド基、1−メチル−3−フェニル−ウレイド基、メタンスルホニルアミノ基、ベンゼンスルホニルアミノ基、ジメチルスルファモイルアミノ基、アセチル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、ピリジンカルボニル基、メトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、ジメチルカルバモイル基、フェニルカルバモイル基、メタンスルホニル基、ベンゼンスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、トリメチルシリル基、tert−ブチル−ジフェニル−シリル基等が挙げられる。
上記一般式(1A)または(1B)で表される化合物においてXとしては、塩素原子、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、2,2−ジメチルプロピル基、2−プロピニル基、2−ブチニル基が好ましく、中でもエチル基、2−ブチニル基が特に好ましい。
2,4−ジヒドロキシフェニル基上のXの置換位置は、3、5、6位の何れでもよく、モノ置換、ジ置換、トリ置換のいずれでもよいが、中でも5−モノ置換が好ましい。
上記一般式(1A)または(1B)で表される化合物においてYとしては水素原子が特に好ましい。
上記一般式(1A)または(1B)で表される化合物のQがNRである場合のR、Rにおいて、置換基を有していてもよいアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、トリフルオロメチル基等の直鎖状アルキル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、2,2−ジメチルプロピル基等の分岐状アルキル基、シクロプロピル基等の環状アルキル基、または、ベンジル基、ピリジルメチル基等のアラルキル基等が挙げられ、メチル基が特に好ましい。
上記一般式(1A)または(1B)で表される化合物のQがNRである場合のR、Rにおいて、置換基を有していてもよいアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等の炭素環アリール基、または、ピリジル基、ピリミジル基等の複素環アリール基が挙げられる。
上記一般式(1A)または(1B)で表される化合物におけるQにおいて、置換基を有していてもよいアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、トリフルオロメチル基、シクロヘキシルメチル基、2−シクロペンチルエチル基、アリル基、フェノキシメチル基、2−メトキシエチル基、2−フェノキシエチル基、2−ピリジルオキシメチル基、3−ピリジルオキシメチル基、4−ピリジルオキシメチル基、ベンジルオキシメチル基、N,N−ジメチルアミノエチル基、ピペリジニルメチル基、モルホリニルメチル基等の置換基を有していてもよい直鎖状アルキル基;イソプロピル基、tert−ブチル基、2,2−ジメチルプロピル基等の分岐状アルキル基;アダマンチル基、シクロプロピル基、シクロヘキシル基等の環状アルキル基;または、ベンジル基、オルト−、メタ−若しくはパラ−クロロベンジル基、オルト−、メタ−若しくはパラ−メトキシベンジル基、2,3−ジメトキシベンジル基、2,3,4−トリメトキシベンジル基、1−フェネチル基、2−フェネチル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基、2−ピリジルメチル基、3−ピリジルメチル基、4−ピリジルメチル基、2−ピリミジニルメチル基、キノリルメチル基、フルフリル基、2−ピロリルメチル基、2−イミダゾリルメチル基、オキサゾリルメチル基、イソキサゾリルメチル基、トリアゾリルメチル基等のアラルキル基が挙げられる。これらの置換基の可能な位置異性体もすべて本発明に含まれる。
上記一般式(1A)または(1B)で表され、n=1である化合物におけるQにおいて、置換基を有してもよいアルキル基としてはメチル基、n−ブチル基、2−シクロペンチルエチル基、フェノキシメチル基、tert−ブチル基、2,2−ジメチルプロピル基、アダマンチル基、2−フェニルエチル基が特に好ましい。
上記一般式(1A)または(1B)で表され、n=1である化合物におけるQにおいて、置換基を有してもよい炭素環アリール基としては、例えば、フェニル基、2−、3−若しくは4−クロロフェニル基、2−、3−若しくは4−フルオロフェニル基、2−、3−若しくは4−メチルフェニル基、3−若しくは4−ビフェニリル基、2−、3−若しくは4−メトキシフェニル基、2,3−ジメトキシフェニル基、2,3−メチレンジオキシフェニル基、2,3,4−トリメトキシフェニル基、2−、3−若しくは4−(ジメチルアミノ)フェニル基、2−、3−若しくは4−ヒドロキシフェニル基、4−アセチルフェニル基、ナフチル基等が挙げられ、中でもフェニル基、2−、3−若しくは4−クロロフェニル基、4−フルオロフェニル基、2−、3−若しくは4−メトキシフェニル基、2,3,4−トリメトキシフェニル基、4−(ジメチルアミノ)フェニル基が特に好ましい。
上記一般式(1A)または(1B)で表され、n=1である化合物におけるQにおいて、置換基を有してもよい複素環アリール基としては、例えば、2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基、ピリミジル基、キノリル基、キナゾリル基,ナフチリジニル基,フリル基、ピロリル基、インドリル基,イミダゾリル基、ピラゾリル基、オキサゾリル基、イソキサゾリル基、トリアゾリル基等が挙げられ、中でも3−ピリジル基、4−ピリジル基が好ましい。
上記一般式(1A)または(1B)で表され、n=1である化合物におけるQにおいて、NRとしては、例えば、アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、モルフォリノ基、ピペリジノ基,ピロリジン−1−イル基等が挙げられ、中でもジメチルアミノ基が好ましい。
上記一般式(1A)または(1B)で表され、n=1である化合物におけるQとしては、n−ブチル基、2−シクロペンチルエチル基、フェノキシメチル基、tert−ブチル基、2,2−ジメチルプロピル基、2−フェニルエチル基、フェニル基、2−若しくは3−クロロフェニル基、4−フルオロフェニル基、2−、3−若しくは4−メトキシフェニル基、2,3,4−トリメトキシフェニル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基が特に好ましい。
上記一般式(1A)または(1B)で表され、n=0である化合物におけるQとしては、水素原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基、フェニル基等が挙げられ、中でも水素原子、メチル基が特に好ましい。
上記一般式(1A)または(1B)で表される化合物においてRとQが結合している場合には、n=0であるピロール基等の含窒素芳香族複素環を形成する。具体的には例えば、上記一般式(2A)または(2B)で表される化合物が挙げられる。
上記一般式(2A)または(2B)で表される化合物においてX'とは、上記一般式(1A)または(1B)で表される化合物におけるXと同様な置換基を意味し、具体的には炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、モノ置換、ジ置換、トリ置換、テトラ置換のいずれでもよいが、中でも2,5−ジメチル基が特に好ましい。
一般式(1A)で表される化合物としては、下記一般式(4)〜一般式(9)
Figure 2006306755
[式中、Xは、エチル基、塩素原子、2−ブチニル基または水素原子を示し、R、R(C)は独立して水素原子またはメチル基を示し、Qは下記置換基の何れかを示す。]
Figure 2006306755
で表される化合物が好ましい。
一般式(1A)または(1B)で表される化合物として更に具体的には、
N−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−ベンズアミド;(化合物No.4−721)、
N−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−2−メトキシ−ベンズアミド;(化合物No.4−875)、
N−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−3−メトキシ−ベンズアミド;(化合物No.4−876)、
N−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−4−メトキシ−ベンズアミド;(化合物No.4−877)、
N−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−3,4,5−トリメトキシ−ベンズアミド;(化合物No.4−878)、
N−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−ニコチンアミド;(化合物No.4−C48)、
N−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−イソニコチンアミド;(化合物No.4−C49)、
4−ジメチルアミノ−N−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−ベンズアミド;(化合物No.4−C50)、
2−クロロ−N−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−ベンズアミド;(化合物No.4−C51)、
3−クロロ−N−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−ベンズアミド;(化合物No.4−C52)、
4−クロロ−N−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−ベンズアミド;(化合物No.4−C53)、
N−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−N−メチル−ベンズアミド;(化合物No.4−776)、
N−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−2−メトキシ−N−メチル−ベンズアミド;(化合物No.4−C14)、
N−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−3−メトキシ−N−メチル−ベンズアミド;(化合物No.4−C15)、
N−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−4−メトキシ−N−メチル−ベンズアミド;(化合物No.4−C16)、
N−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−3,4,5−トリメトキシ−N−メチル−ベンズアミド;(化合物No.4−C17)、
N−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−アセトアミド;(化合物No.4−879)、
ペンタノイックアシド[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−アミド;(化合物No.4−C42)、
N−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−2,2−ジメチル−プロピオンアミド;(化合物No.4−777)、
N−[3−(5−エチル−2、4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−3,3−ジメチル−ブチラミド;(化合物No.4−C54)、
アダマンタン−1−カルボキシリック アシド[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−アミド;(化合物No.4−C43)、
3−シクロペンチル−N−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−プロピオンアミド;(化合物No.4−C47)、
N−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−3−フェニル−プロピオンアミド;(化合物No.4−C55)、
N−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−2−フェノキシ−アセトアミド;(化合物No.4−C44)、
N−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−N−メチル−アセトアミド;(化合物No.4−C18)、
N−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−ベンゼンスルホンアミド;(化合物No.5−880)、
N−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−N−メチル−ベンゼンスルホンアミド;(化合物No.5−C67)、
N−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−4−フルオロ−ベンゼンスルホンアミド;(化合物No.5−C66)、
N−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−メタンスルフォンアミド;(化合物No.5−881)、
プロパン−2−スルフォン酸 [3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−アミド;(化合物No.5−C68)、
3−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−1,1−ジメチル−スルファミド;(化合物No.6−C13)、
3−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−1,1−ジメチル−ウレア;(化合物No.7−C12)、
4−(4−アミノ−1H−ピラゾール−3−イル)−6−エチル−ベンゼン−1,3−ジオール;(化合物No.8−720)、
4−エチル−6−(4−メチルアミノ−1H−ピラゾール−3−イル)−ベンゼン−1、3−ジオール;(化合物No.8−883)、
4−エチル−6−(4−ジメチルアミノ−1H−ピラゾール−3−イル)−ベンゼン−1、3−ジオール;(化合物No.8−882)、
4−[4−(2,5−ジメチル−ピロール−1−イル)−1H−ピラゾール−3−イル]−6−エチル−ベンゼン−1,3−ジオール;(化合物No.9−C46)、
またはN−{3−[5−(ブチン−2−イル)−2,4−ジヒドロキシ−フェニル]−1H−ピラゾール−4−イル}−N−メチル−4−(モルフォリン−4−イルメチル)−ベンゼンスルフォンアミド;(化合物No.5−Z01)であるピラゾール誘導体若しくはその互変異性体が挙げられる。
一般式(1A)または(1B)で表される化合物としては、中でも以下の化合物またはその互変異性体が特に好ましい。
Figure 2006306755
即ち、2−クロロ−N−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−ベンズアミド;(化合物No.4−C51)、
N−[3−(5−エチル−2、4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−3,3−ジメチル−ブチラミド;(化合物No.4−C54)、
N−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−2−フェノキシ−アセトアミド;(化合物No.4−C44)、
N−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−N−メチル−ベンゼンスルホンアミド;(化合物No.5−C67)、
またはN−{3−[5−(ブチン−2−イル)−2,4−ジヒドロキシ−フェニル]−1H−ピラゾール−4−イル}−N−メチル−4−(モルフォリン−4−イルメチル)−ベンゼンスルフォンアミド;(化合物No.5−Z01)
である。
一般式(3A)または(3B)中、Proで表されるフェノール性水酸基の保護基としては、アミノ基のアシル化、スルホニル化、スルファモイル化またはカルバモイル化条件等で安定であり、これらの反応終了後、保護基以外の部分に影響なく脱保護できるフェノール性水酸基の保護基であれば特に限定されず、具体的には例えば、メトキシメチル基、ベンジルオキシメチル基等のアルコキシメチル基、ベンジル基、パラメトキシベンジル基等の置換または無置換ベンジル基、tert−ブチル−ジメチルシリル基、tert−ブチル−ジフェニルシリル基、トリイソプロピルシリル基等のシリル基等が挙げられる。なかでも、メトキシメチル基、ベンジルオキシメチル基等のアルコキシメチル基が好ましく、メトキシメチル基が特に好ましい。
本発明においてプロドラッグとは、生体に投与すると本発明のピラゾール誘導体を生成する化合物であれば特に限定されず、具体的には例えば、下記一般式(10A)、(10B)、(11A)または(11B)
Figure 2006306755
[式中、X、Y、R、Q、Z、nは前記と同じ意味を示し、Rは生体内でN−R結合またはO−R結合が解離してN−Hまたは水酸基を遊離する置換基を示す]で表される化合物が挙げられる。Rとしては、例えば、アセチル基、トリフルオロアセチル基等のアシル基、ジメチルカルバモイル基等のカルバモイル基、メトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基、(MeO)P(=O)等のフォスフォリル基、メトキシメチル基等のアルコキシメチル基等が挙げられる。
本発明におけるピラゾール誘導体の薬理学的に許容される塩は、酸または塩基と形成する塩であれば特に限定されない。酸との塩としては、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩等の無機酸塩や、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸との塩を挙げることができる。塩基との塩としては、例えば、ナトリウム塩等を挙げることができる。これらの塩は、定法によって製造することができる。
本発明のピラゾール誘導体(一般式(1A)でWが水素原子の化合物)は、例えば反応式(1−1)のように製造することができる。
Figure 2006306755
反応式(1−1)中、R、R、R、X、X'、Y、QおよびProは前記と同様な意味を示し、Lは脱離基を示す。R(C)は水素原子またはアルキル基を示す。Lとしては、ハロゲン原子、アシルオキシ基、スルフォニルオキシ基あるいは水酸基等が挙げられ、これらは前記と同様な意味を示し、中でも塩素原子が特に好ましい。
一般式(1A)または一般式(1B)でWがアルキル基の化合物は、例えば、上記反応式(1−1)のIM14、IM15、IM16、IM17等の水酸基が保護されWが水素原子であるピラゾール誘導体から、反応式(1−2)に示すように製造することができる。
Figure 2006306755
反応式(1−2)中、X、Y、Z、R、およびQは、一般式(1A)または一般式(1B)のX、Y、Z、R、およびQと同様な意味を示す。Wはアルキル基を示す。Proは反応式(1−1)のProと同様な意味を示す。
以下に各工程を詳細に説明する。
反応式(1−1)の工程1−4:一般式(IM7)[式中、R=R(C)=水素原子]または、一般式(IM8)[式中、R=アルキル基,R(C)=水素原子]で表される4−アミノピラゾール誘導体をアシル化することにより、一般式(IM14)で表されるアシルアミノピラゾール誘導体を製造する工程である。本工程ではピラゾール環のN−Hも同時にアシル化されることがあり、アシル化により得られたモノアシル体およびジアシル体の混合物を塩基処理することにより、ピラゾール環のアシル基のみを加水分解して、目的とする4−アシルアミノピラゾール誘導体を得る。或いは、使用するアシル化剤の量を制限することにより直接モノアシル体を製造することもできる。
アシル化剤としては、塩化アセチル、塩化ベンゾイル等のハロゲン化アシル、無水酢酸、無水安息香酸等の酸無水物、または、酢酸、安息香酸等のカルボン酸等が使用でき、なかでもハロゲン化アシルが好ましく、塩化アシルが特に好ましい。アシル化剤は1〜10当量、好ましくは1.5〜3当量使用する。ピラゾール環のN−Hのアシル化を抑えて直接モノアシル体を製造したい場合は、アシル化剤を1当量以下使用するのが好ましい。アシル化剤としてカルボン酸を用いる場合は、ジシクロヘキシルカルボジイミド等の縮合剤の共存下反応を行う等カルボン酸を活性化して反応を行うとよい。本反応で使用可能な溶媒としては、1,2−ジクロロエタン、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、トルエン等の芳香族炭化水素系溶媒等が挙げられ、中でもハロゲン系溶媒が好ましく、クロロホルムが特に好ましい。アシル化剤が液体の場合は無溶媒でもよい。即ち、アシル化工程は、アシル化剤として塩化アシルを用い、ハロゲン系溶媒中、反応温度は−20℃から溶媒の沸点、好ましくは0℃から50℃、より好ましくは10℃から30℃で、反応時間は5分から24時間、好ましくは10分から5時間で行なう。
ジアシル体、または、ジアシル体とモノアシル体の混合物を塩基処理してモノアシル体を製造するには、塩基として炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機塩基、ナトリウムメトキシド、カリウムtert−ブトキシド等の金属アルコキシド等が使用でき、なかでも炭酸カリウムが特に好ましい。塩基の量は0.5〜10当量、好ましくは1〜3当量使用する。塩基が炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の場合、反応溶媒はメタノール、エタノール等のアルコール系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒、水、またはこれらのうち混和する溶媒を混合した混合溶媒等が使用でき、なかでもメタノールとテトラヒドロフランの混合溶媒が好ましい。即ち、塩基として炭酸カリウムを用い、反応溶媒としてメタノールとテトラヒドロフランの混合溶媒を用い、−20℃から溶媒の沸点、好ましくは0℃から50℃、より好ましくは10℃から30℃で、5分から24時間、好ましくは10分から5時間で加水分解する。
反応式(1−1)の工程1−5:一般式(IM7)[式中、R=R(C)=水素原子]または、一般式(IM8)[式中、R=アルキル基,R(C)=水素原子]で表される4−アミノピラゾール誘導体をスルホニル化することにより、一般式(IM15)で表されるスルホニルアミノピラゾール誘導体を製造する工程である。スルホニル化剤としては、メタンスルホニルクロリド、ベンゼンスルフォニルクロリド等のスルホニルハライド、または、メタンスルホン酸無水物、トリフルオロメタンスルホン酸無水物等のスルホン酸無水物等が使用でき、なかでもメタンスルホニルクロリド、ベンゼンスルフォニルクロリドが特に好ましい。スルホニル化剤は0.5〜10当量、好ましくは0.8〜1.3当量使用する。反応で使用可能な溶媒としては、1,2−ジクロロエタン、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、トルエン等の芳香族炭化水素系溶媒等が挙げられ、中でもハロゲン系溶媒が好ましく、クロロホルムが特に好ましい。反応温度は、−20℃から溶媒の沸点で行い、なかでも0℃から50℃で行なうのが好ましく、10℃から30℃で行なうのが特に好ましい。反応時間は5分から48時間であり、なかでも10分から10時間が好ましい。
反応式(1−1)の工程1−6:一般式(IM7)[式中、R=R(C)=水素原子]または、一般式(IM8)[式中、R=アルキル基,R(C)=水素原子])で表される4−アミノピラゾール誘導体をスルファモイル化することにより、一般式(IM16)で表されるスルファモイルアミノピラゾール誘導体を製造する工程である。スルファモイル化剤としては、ジメチルスルファモイルクロリド等のスルファモイルハライド等が使用できる。スルファモイル化剤は0.5〜10当量、好ましくは0.8〜1.3当量使用する。反応で使用可能な溶媒としては、1,2−ジクロロエタン、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、トルエン等の芳香族炭化水素系溶媒等が挙げられ、中でもハロゲン系溶媒が好ましく、クロロホルムが特に好ましい。反応温度は、−20℃から溶媒の沸点で行い、なかでも0℃から50℃で行なうのが好ましく、10℃から30℃で行なうのが特に好ましい。反応時間は5分から48時間であり、なかでも10分から10時間が好ましい。
反応式(1−1)の工程1−7:一般式(IM7)[式中、R=R(C)=水素原子]または、一般式(IM8)[式中、R=アルキル基,R(C)=水素原子]で表される4−アミノピラゾール誘導体をカルバモイル化することにより、一般式(IM17)で表されるウレイドピラゾール誘導体を製造する工程である。カルバモイル化剤としては、ジメチルカルバモイルクロリド等のカルバモイルハライド、または、イソプロピルイソシアネート、フェニルイソシアネート等のイソシアネート化合物等が使用できる。カルバモイル化剤は0.5〜10当量、好ましくは0.8〜1.3当量使用する。反応で使用可能な溶媒としては、1,2−ジクロロエタン、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、トルエン等の芳香族炭化水素系溶媒等が挙げられ、中でもハロゲン系溶媒が好ましく、クロロホルムが特に好ましい。反応温度は−20℃から溶媒の沸点で行い、なかでも、0℃から50℃で行なうのが好ましく、10℃から30℃で行なうのが特に好ましい。反応時間は30分から7日間であり、なかでも、1時間から5日間が好ましい。
反応式(1−1)の工程1−9:一般式(8P)[式中、R=R(C)=水素原子]で表される4−アミノピラゾール誘導体に1,4−ジカルボニル化合物を反応させることにより、一般式(9P)で表されるピロリルピラゾール誘導体を製造する工程である。1,4−ジカルボニル化合物としては、2,5−ヘキサンジオン、3,4−ジメチル−2,5−ヘキサンジオン、1,2−ジアセチルシクロヘキサン等が使用でき、なかでも、2,5−ヘキサンジオンが好ましい。1,4−ジカルボニル化合物は1〜20当量、好ましくは1〜5当量使用する。反応で使用可能な溶媒としては、1,2−ジクロロエタン、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒、メタノール、エタノール等のアルコール系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、トルエン等の芳香族炭化水素系溶媒、または、これらの混合溶媒等が挙げられ、中でも1,2−ジクロロエタンとエタノールの混合溶媒が好ましい。反応温度は0℃から溶媒の沸点で行い、なかでも、50℃から溶媒の沸点で行なうのが好ましい。反応時間は10分から24時間であり、なかでも30分から5時間が好ましい。
反応式(1−2)の工程10:例えば、一般式(IM14)〜一般式(IM17)で表されるWが水素原子であるピラゾール誘導体の環内窒素原子をアルキル化する工程である。アルキル化される環内窒素原子が2個存在するため、本工程では、一般式(IM−AW)の化合物と、一般式(IM−BW)の化合物の混合物を生成することが多い。両者は、例えば、シリカゲルカラムクロマトグラフィー、分取液体クロマトグラフィー等により分離が可能である。本工程は、例えば、水素化ナトリウム、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、ソジウムビス(トリメチルシリル)アミド、ポタシウムビス(トリメチルシリル)アミド、ポタシウムtert−ブトキシド等の塩基存在下、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒、ベンゼン、トルエン等の炭化水素系溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性高極性溶媒、或いはこれらの混合溶媒中、アルキルハライド、スルフォン酸アルキルエステル等をアルキル化剤として実施することができる。例えば、Wがメチル基の場合、水素化ナトリウム存在下、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒中、アルキル化剤としてヨウ化メチルを用い、−10℃から50℃で、1時間〜48時間反応させるのが好ましい。
反応式(1−1)の工程2−4、工程2−5、工程2−6、工程2−7、工程2−8、および、反応式(1−2)の工程2−10A、工程2−10B:一般式(IM14)、(IM15)、(IM16)、(IM17)、(IM8)、(IM−AW)または、(IM−BW)で表されるフェノール性水酸基が保護された化合物の保護基を保護基に適する方法により脱保護し、一般式(4P)、(5P)、(6P)、(7P)、(8P)、(1−AW)または(1−BW)で表されるベンゼン−1,3−ジオール誘導体を製造する工程である。
例えば、フェノール性水酸基の保護基がメトキシメチル基の場合を説明する。メトキシメチル基の脱保護は酸性条件下で行なうことができ、酸触媒としては、塩酸、硫酸等の無機酸;トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロスルホン酸等のスルホン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸等のカルボン酸,ピリジニウムパラトルエンスルホネート等の強酸−弱塩基塩等が挙げられる。その他、メトキシメチル基を脱保護できることが知られている触媒で保護基以外の部分に影響を与えない触媒であれば何れも使用できる。
中でも塩酸が好ましく、塩酸濃度は0.1−5規定で行い、中でも0.5〜2.0規定が好ましい。脱保護反応に使用可能な溶媒としては、メタノール、エタノール等のアルコール系溶媒、水、または、これらの混合溶媒等が挙げられ、水とエタノールの混合溶媒が好ましい。即ち、酸触媒として0.5−2.0規定塩酸を用い、水とエタノールの混合溶媒中、0℃から溶媒の沸点、好ましくは10℃から40℃で、1時間から7日間、好ましくは3時間から3日間で行なう。
反応式(1−1)の出発原料であるIM7またはIM8は、例えば、反応式(2)のように製造することができる。
Figure 2006306755
式中、R、X、YおよびProは前記と同様な意味を示し、Lは水酸基またはジメチルアミノ基を示す。]
反応式(2)の工程3:一般式(IM2)で表されるレゾルシノール誘導体に、2−クロロアセトニトリルをルイス酸存在下縮合させることにより、一般式(IM3)で表される4−(2−クロロアセチル)レゾルシノール誘導体を合成する工程である。本工程は、J.Org.Chem.,46(1),189−191(1981)に記載の方法に準じて行なうことができる。
反応にはルイス酸として、塩化アルミニウム、三塩化ホウ素、三フッ化ホウ素、塩化亜鉛、塩化第二鉄、四塩化チタン等を単独で使用するか、または、これらを複数組み合わせて使用することができ、なかでも三塩化アルミニウムと三塩化ホウ素の組み合わせが好ましい。原料化合物(IM2)に対し、2−クロロアセトニトリルを1〜2当量、三塩化アルミニウムを0.2〜1.5当量、三塩化ホウ素を1〜3当量使用するのが特に好ましい。反応で使用可能な溶媒としては、1,2−ジクロロエタン、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒、ニトロベンゼン等が挙げられ、なかでも、ジクロロメタンが好ましい。反応温度は0℃から溶媒の沸点で行い、なかでも10℃から30℃で行なうのが好ましい。反応時間は30分から5日間であり、なかでも2時間から48時間が好ましい。
反応式(2)の工程4:一般式(IM3)で表されるレゾルシノール誘導体のフェノール性水酸基を保護する工程である。本工程で使用できる保護基Proとしては、例えば、アルコキシメチル基、置換または無置換ベンジル基、シリル基等が挙げられる。なかでも、メトキシメチル基、ベンジルオキシメチル基等のアルコキシメチル基が好ましく、メトキシメチル基が特に好ましい。
Proがメトキシメチル基の場合を説明する。保護はメトキシメチルクロリドまたはジメトキシメタン等を用い行なうことができる。例えば、メトキシメチルクロリドを2〜10当量用い、前記のハロゲン系溶媒、ジメチルホルムアミド等の極性非プロトン溶媒、アセトニトリル等のニトリル系溶媒、または、前記のエーテル系溶媒等の溶媒中、トリエチルアミン、ピリジン、ジイソプロピルエチルアミンまたは炭酸カリウム等の塩基共存下で行なうことができる。あるいは、ジメチルホルムアミド等の極性非プロトン溶媒または前記のエーテル系溶媒等の溶媒中、水素化ナトリウム等の共存下で行なってもよい。好ましくはメトキシメチルクロリドを3〜8当量用い、ジメチルホルムアミド中、ジイソプロピルエチルアミン3〜8当量共存下、−20℃から30℃、好ましくは−5℃から15℃で10分から24時間反応させることにより行なう。
反応式(2)の工程5:一般式(IM4)で表される2−クロロアセトフェノン誘導体とフタルイミドのアルカリ塩とを反応させ、一般式(IM5)で表されるフタルイミド誘導体を製造する工程である。フタルイミドのアルカリ塩としてはナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、セシウム塩等が使用でき、なかでも、カリウム塩が好ましい。反応溶媒としては、クロロホルム等のハロゲン系溶媒、ジメチルホルムアミド等の極性非プロトン溶媒、アセトニトリル等のニトリル系溶媒、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒等が使用できる。好ましくはフタルイミドカリウム塩を1〜3当量用い、ジメチルホルムアミド中、0℃から100℃で30分〜3日間、より好ましくは10℃から40℃で1時間〜24時間反応させることにより行なう。
反応式(2)の工程6:一般式(IM5)で表されるフタルイミド誘導体にアシル基またはアシル等価基を導入し,一般式(IM6)で表される1,3−ジカルボニル化合物またはその等価体を製造する工程である。反応で使用可能なアシル基導入試薬としては、無水酢酸等の酸無水物;塩化アセチル等の酸ハロゲン化物;ジメチルホルムアミドジメチルアセタール、ジメチルアセトアミドジメチルアセタール等のアミドジメチルアセタール等が挙げられる。無水酢酸等の酸無水物、塩化アセチル等の酸ハロゲン化物を用いた場合、Lが水酸基の化合物が得られ、N、N−ジメチルアミドジメチルアセタールを用いた場合、Lがジメチルアミノ基の化合物が得られる。ジメチルホルムアミドジメチルアセタールを用いてアシル等価体を得る場合、使用可能な溶媒としては、トルエン等の芳香族炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒、ハロゲン系溶媒等が挙げられるが、過剰のジメチルホルムアミドジメチルアセタールを溶媒として用いて行なってもよい。反応温度は0℃から溶媒の沸点で行い、なかでも、50℃から120℃で行なうのが好ましい。本工程は過剰のN、N−ジメチルアミドジメチルアセタール中で90℃から溶媒の沸点で5時間〜24時間加熱することにより行なうのが特に好ましい。
反応式(2)の工程7A:一般式(IM6)で表される1,3−ジカルボニル化合物またはその等価体と、ヒドラジン類との反応を塩基共存下で行なうことにより、ピラゾール環構築と同時にフタルイミドをアミノ基に変換し、一般式(IM7A)で表されるアミノピラゾール誘導体を製造する工程である。反応で使用可能なヒドラジン類としてはヒドラジン、ヒドラジン水和物、ヒドラジン塩酸塩のいずれを用いてもよく、なかでもヒドラジン塩酸塩を5から30当量用いるのが好ましい。ヒドラジン塩酸塩を用いた場合には塩酸塩を中和するために十分な量の塩基の共存下で反応を行う。塩酸塩を中和するための塩基としては、ピリジン、トリエチルアミン等の有機アミンあるいは炭酸ナトリウム等の無機塩基が使用でき、なかでもトリエチルアミンが特に好ましい。反応で使用可能な溶媒はメタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系溶媒、テトラヒドロフラン、ジイソプロピルエーテル等のエーテル系溶媒、またはこれらの混合溶媒等が使用できる。反応温度は0℃から溶媒の沸点で行い、なかでも、20℃から100℃で行なうのが好ましい。本工程は、ヒドラジン2塩酸塩2〜5当量、および、使用するヒドラジン2塩酸塩の当量より過剰のトリエチルアミンを用い、エタノール中、20℃〜溶媒の沸点で10分〜10時間撹拌することにより行なうのが特に好ましい。
反応式(2)の工程7B:一般式(IM6)で表される1,3−ジカルボニル化合物またはその等価体と、ヒドラジン2塩酸塩との反応を、塩基を共存させずに行なうことによりフタルイミド環を保持したピラゾール誘導体を製造する工程である。本工程では、溶液は酸性となるため、酸性条件下不安定な水酸基の保護基、例えば、メトキシメチル基は脱保護される。反応で使用可能な溶媒はメタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系溶媒、テトラヒドロフラン、ジイソプロピルエーテル等のエーテル系溶媒、またはこれらの混合溶媒等が使用でき、なかでもエタノールが特に好ましい。本工程はヒドラジン2塩酸塩を1〜3当量用い、エタノール中、溶媒の沸点で10分から10時間加熱するのが特に好ましい。
反応式(2)の工程8:一般式(IM7A)で表される4−アミノピラゾール誘導体のアミノ基をアルキル化することにより、一般式(IM8HR)で表される4−(アルキルアミノ)ピラゾール誘導体を製造する工程である。本工程では副生物として僅かではあるが、一般式(IM8RR)で表される4−(ジアルキルアミノ)ピラゾール誘導体も生成する。本工程は、J.Chem.Soc.,Chem.Commun.,1984,1334−1335に記載の方法に準じて行うことができ、例えば、メタノール溶媒中、原料化合物(IM7A)にナトリウムメトキシド3〜10当量、パラホルムアルデヒド2〜5当量を加えて撹拌し、次いで水素化ホウ素ナトリウム2〜5当量を加えて10分〜2時間加熱することにより行なう。
反応式(2)の工程9:一般式(IM7B)で表されるフタルイミド誘導体をヒドラジンと反応させることによりフタルイミド基をアミノ基に変換し、一般式(6HH)で表されるアミノピラゾール誘導体を製造する工程である。本反応で使用可能なヒドラジンとしてはヒドラジン、ヒドラジン水和物、ヒドラジン塩酸塩のいずれを用いてもよく、なかでもヒドラジン水和物を1から10当量用いるのが好ましい。ヒドラジン塩酸塩を用いた場合には塩酸塩を中和するために十分な量の塩基の共存下で反応を行う。反応で使用可能な塩酸塩を中和するための塩基としては、ピリジン、トリエチルアミン等の有機アミン、または、炭酸ナトリウム等の無機塩基が使用でき、なかでもトリエチルアミンが特に好ましい。反応で使用可能な溶媒は、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系溶媒、テトラヒドロフラン、ジイソプロピルエーテル等のエーテル系溶媒、またはこれらの混合溶媒等である。反応温度は0℃から溶媒の沸点で行い、なかでも、10℃から50℃で行なうのが好ましい。本工程はヒドラジン水和物1〜3当量を用い、エタノール中、10℃〜30℃で10分〜24時間撹拌することにより行なうのが特に好ましい。
尚、一般式(6HH)で表されるアミノピラゾール誘導体は、一般式(IM7A)で表される化合物の水酸基の保護基を反応式(1−1)の工程2−8に準じた方法で脱保護することによっても製造される。
前記反応式(1−1)のIM7またはIM8においてR(C)が水素原子である化合物、即ち、前記一般式(3A)または(3B)[式中、X、Y、Rは一般式(1A)または(1B)におけるX、Y、Rと同じ意味を示し、Proはフェノール性水酸基の保護基を示す。]で表される4−アミノピラゾール誘導体またはその塩は、上記のように本発明の4−アミノピラゾール誘導体またはその塩の製造に使用し得る化合物であり、本発明に含まれる。
本発明には、一般式(1A)または一般式(1B)で表されるピラゾール誘導体、そのプロドラッグ、またはそれらの薬理学的に許容される塩を有効成分とするHSP90阻害剤あるいは抗癌剤も含まれる。
本発明の一般式(1A)または一般式(1B)で表されるピラゾール誘導体、そのプロドラッグ、またはそれらの薬理学的に許容される塩を有効成分とするHSP90阻害剤あるいは抗癌剤は、単独または担体、賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、流動化剤、コーティング剤、懸濁化剤、乳化剤、安定化剤、保存剤、矯味剤、着香剤、希釈剤、溶解補助剤等の通常の製薬上許容し得る添加剤と混粉剤、顆粒剤、錠剤、カブレット剤、カプセル剤、注射剤、座剤、軟膏剤等の製剤形態で、経口または非経口的(全身投与、局所投与等)に投与できる。製剤中の本発明化合物または製薬上許容し得る塩の含量は製剤により種々異なるが、通常0.1〜100重量%である。投与量は投与経路、患者の年齢並びに予防または治療すべき実際の症状等により異なるが、例えば、成人に経口投与する場合、有効成分として1日0.01mg〜2000mg、好ましくは0.1mg〜1000mgとすることができ、1日1回または数回に分けて投与する。
次に本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら制限されるものではない。また、本発明の化合物を用いた試験例を表5に示す。
実施例化合物のLC/MSの[M+H]、保持時間を表1、表2、表3に示した。測定条件は次のとおりである。ESIとは分子量測定質量分析におけるイオン化法の1つであるElectron Spray Ionization(エレクトロスプレーイオン化法)の、POSは正イオン測定の、NEGは負イオン測定の略である。
機種:島津 LCMS−QP8000アルファ
カラム:Inertsil ODS−III、2.1mmx100mm、
移動相A:アセトニトリル/ギ酸(99.9/0.1)
移動相B:水/ギ酸(99.9/0.1)
グラジェント: 時間(分) 0.0 5.5 5.51 10.0
A濃度 a 100 a a
流速:0.3mL/分
測定条件1)a=20%
測定条件2)a=5%
MS:ESI、POS
また、NMRデータを表4に示した。
実施例1 2−クロロ−N−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−ベンズアミド(化合物No.4−C51)の製造
第一工程
アルゴン雰囲気中、室温撹拌下、[3−(5−エチル−2、4−ビス−メトキシメトキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−アミン(IM7a、30.0mg、0.098mmol)のクロロホルム(2mL)溶液中に、2−クロロベンゾイルクロライド(34.1mg、0.195mmol)を加え、室温で1時間40分撹拌した。反応液にメタノール(0.2mL)を加え、室温で20分間撹拌し、次いで飽和食塩水を加え、酢酸エチルで抽出し、抽出液を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。硫酸ナトリウムを濾去、減圧下溶媒を留去し、紫色のシロップを得た。得られた紫色シロップを、アルゴン雰囲気中、室温撹拌下、メタノール(1.4mL)−テトラヒドロフラン(0.7mL)に溶解し、固形炭酸カリウム(27.0mg、0.195mmol)を加え、室温で50分撹拌した。氷冷撹拌下、反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液(2mL)および水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。硫酸ナトリウムを濾去、減圧下溶媒を留去し、2−クロロ−N−[3−(5−エチル−2、4−ビス−メトキシメトキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−ベンズアミド(IM14−C51)を含む赤褐色シロップを得た。
第二工程
第一工程で得られた2−クロロ−N−[3−(5−エチル−2、4−ビス−メトキシメトキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−ベンズアミド(IM14−C51)を含む赤褐色シロップのメタノール(1.0mL)溶液に、5N塩酸(0.5mL、2.5mmol)を加え、室温で7時間撹拌した。氷冷撹拌下、反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。硫酸ナトリウムを濾去、減圧下溶媒を留去し、得られた粗生成物をジエチルエーテルで洗浄し、2−クロロ−N−[3−(5−エチル−2、4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−ベンズアミド(化合物No.4−C51、白色固体、3.7mg、2工程収率11%)を得た。
実施例1と同様の製造法により、表1の化合物No.4−721、化合物No.4−875、化合物No.4−876、化合物No.4−877、化合物No.4−878、化合物No.4−C48、化合物No.4−C49、化合物No.4−C50、化合物No.4−C52、化合物No.4−C53を得た。
実施例2 N−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−N−メチル−ベンズアミド(化合物No.4−776)の製造
第一工程
アルゴン雰囲気中、室温撹拌下、[3−(5−エチル−2,4−ビス−メトキシメトキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−メチル−アミン(IM8Me、17.6mg、0.055mmol)のクロロホルム(1mL)溶液中に、ベンゾイルクロライド(15.4mg、0.110mmol)を加え、室温で40分撹拌した。氷冷撹拌下、反応液にメタノール(0.1mL)を加え、室温で10分間撹拌した。氷冷撹拌下反応液に食塩水を加え、酢酸エチルで抽出し、抽出液を食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。硫酸ナトリウムを濾去、減圧下溶媒を留去し、得られた黄色シロップを分取薄層クロマトグラフィー(シリカゲル、厚さ1mm、20x20cm、2枚、酢酸エチル−メタノール29:1)により精製し、淡黄色シロップ(ジベンゾイル体、26mg、90%)を得た。このものを、アルゴン雰囲気中、室温撹拌下、メタノール(0.6mL)−テトラヒドロフラン(0.3mL)に溶解し、固形炭酸カリウム(14mg、0.1mmol)を加え、室温で40分撹拌した。氷冷撹拌下、反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液(1mL)および食塩水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。硫酸ナトリウムを濾去、減圧下溶媒を留去し、得られた淡黄色シロップを分取薄層クロマトグラフィー(シリカゲル、厚さ1mm、20x20cm、2枚、酢酸エチル−メタノール39:1)により精製し、N−[3−(5−エチル−2,4−ビス−メトキシメトキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−N−メチル−ベンズアミド(淡黄色固体、IM14−776、15.6mg、収率75%)を得た。
第二工程
氷冷撹拌下、第一工程で得られたN−[3−(5−エチル−2,4−ビス−メトキシメトキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−N−メチル−ベンズアミド(IM14−776、15.6mg、0.037mmol)のメタノール(0.9mL)溶液に、6N塩酸(0.15mL、0.9mmol)を加え、室温で31時間撹拌した。氷冷撹拌下、反応液に5%炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した(水層:pH=8〜9)。酢酸エチル抽出液を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。硫酸ナトリウムを濾去、減圧下溶媒を留去し、得られた黄色固体をヘキサン−エーテル(5:1)で洗浄し、N−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−N−メチル−ベンズアミド(化合物No.4−776、淡黄色固体、11.4mg、収率92%)を得た。
実施例2と同様の製造法により、表1の化合物No.4−C14、化合物No.4−C15、化合物No.4−C16、化合物No.4−C17を得た。
実施例3 N−[3−(5−エチル−2、4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−3,3−ジメチル−ブチラミド(化合物No.4−C54)の製造
第一工程
アルゴン雰囲気中、室温撹拌下、[3−(5−エチル−2、4−ビス−メトキシメトキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−アミン(IM7a、30.0mg、0.098mmol)のクロロホルム(2mL)溶液中に、tert−ブチロイルアセチルクロライド(26.3mg、0.195mmol)を加え、室温で2時間30分撹拌した。反応液にメタノール(0.2mL)を加え、室温で10分間撹拌した。反応液に飽和食塩水を加え、酢酸エチルで抽出し、抽出液を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。硫酸ナトリウムを濾去、減圧下溶媒を留去し、紫色シロップを得た。得られた紫色シロップを、アルゴン雰囲気中、室温撹拌下、メタノール(1.4mL)−テトラヒドロフラン(0.7mL)に溶解し、固形炭酸カリウム(27.0mg、0.195mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。氷冷撹拌下、反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液(2mL)および水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。硫酸ナトリウムを濾去、減圧下溶媒を留去し、N−[3−(5−エチル−2、4−ビス−メトキシメトキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−3,3−ジメチル−ブチラミド(IM14−C54)を含む黄褐色シロップを得た。
第二工程
第一工程で得られたN−[3−(5−エチル−2,4−ビス−メトキシメトキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−3,3−ジメチル−ブチラミド(IM14−C54)を含む黄褐色シロップのメタノール(1.0mL)溶液に、5N塩酸(0.5mL、2.5mmol)を加え、室温で8時間撹拌した。氷冷撹拌下、反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。硫酸ナトリウムを濾去、減圧下溶媒を留去し、得られた粗生成物をジエチルエーテルで洗浄し、N−[3−(5−エチル−2、4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−3,3−ジメチル−ブチラミド(化合物No.4−C54、淡赤褐色固体、14.9mg、2工程収率48%)を得た。
実施例3と同様の製造法により、表2の化合物No.4−879、化合物No.4−C42、化合物No.4−777、化合物No.4−C43、化合物No.4−C47、化合物No.4−C55、化合物No.4−C44、化合物No.4−C18を得た。
実施例4 N−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−ベンゼンスルホンアミド(化合物No.5−880)の製造
室温撹拌下、3−(5−エチル−2,4−ビス−メトキシメトキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−アミン(IM7a、30mg、0.0976mmol)のクロロホルム(2.0mL)溶液中に、ベンセンスルホニルクロライド(19.7mg、0.117mmol)を加え、室温で50分撹拌した。反応液にPS−トリサミン(45.2mg、0.195mmol、Argonant社)を加え、室温で6時間撹拌し、その後、PS−トリサミンを濾別した。濾液を減圧濃縮後、エタノール(1.0mL)、1規定塩酸(1.0mL)を加え、室温で一昼夜撹拌した。反応液を酢酸エチルで抽出し、抽出液を食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。硫酸ナトリウムを濾去後、減圧濃縮を行った。得られた液体を、高分解能液体クロマトグラフィー(HPLC)にて分取して精製し、N−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−ベンゼンスルホンアミド(化合物No.5−880)(9.08mg)を得た。
実施例3と同様の製造法により、表3の化合物No.5−C66、化合物No.5−881、化合物No.5−C68を得た。
実施例5 N−[3−(5−エチル−2、4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−N−メチル−ベンゼンスルホンアミド(化合物No.5−C67)の製造
第一工程
アルゴン雰囲気中、室温撹拌下、[3−(5−エチル−2、4−ビス−メトキシメトキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−メチル−アミン(IM8Me、30.0mg、0.112mmol)のクロロホルム(2mL)溶液中に、ベンゼンスルホニルクロライド(19.8mg、0.112mmol)を加え、室温で3時間撹拌した。更にベンゼンスルホニルクロライド(8.3mg、0.047mmol)を加え、室温で終夜撹拌した。反応液にメタノール(0.3mL)を加え、室温で10分間撹拌した。反応液に水および飽和食塩水を加え、酢酸エチルで抽出し、抽出液を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。硫酸ナトリウムを濾去、減圧下溶媒を留去し、N−[3−(5−エチル−2、4−ビス−メトキシメトキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−N−メチル−ベンゼンスルホンアミド(IM15−C67)を含む褐色シロップを得た。
第二工程
第一工程で得られたN−[3−(5−エチル−2、4−ビス−メトキシメトキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−N−メチル−ベンゼンスルホンアミド(IM15−C67)を含む褐色シロップのメタノール(1.0mL)溶液に、5N塩酸(0.5mL、2.5mmol)を加え、室温で終夜撹拌した。20時間後、5N塩酸(0.1mL、0.5mmol)を更に加え、4時間撹拌した。氷冷撹拌下、反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水を加え、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。硫酸ナトリウムを濾去、減圧下溶媒を留去した。得られた粗生成物をHPLCで分取し、減圧下溶媒を留去し、N−[3−(5−エチル−2、4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−N−メチル−ベンゼンスルホンアミド(化合物No.5−C67、18.8mg、2工程収率54%)を得た。
実施例6 3−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−1,1−ジメチル−スルファミド(化合物No.6−C13)の製造
室温撹拌下、3−(5−エチル−2,4−ビス−メトキシメトキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−アミン(IM7a、30mg、0.0976mmol)のクロロホルム(2.0mL)溶液中に、ジメチルスルファモイルクロライド(16.8mg、0.117mmol)を加え、室温で3日間撹拌した。反応液にPS−トリサミン(45.2mg、0.195mmol、Argonant社)を加え、室温で6時間撹拌し、その後、PS−トリサミンを濾別した。濾液を減圧濃縮後、エタノール(1.0mL)、1規定塩酸(1.0mL)を加え、室温で一昼夜撹拌した。反応液を酢酸エチルで抽出し、抽出液を食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。硫酸ナトリウムを濾去後、減圧濃縮を行った。得られた液体を、HPLCにて分取して精製し、3−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−1,1−ジメチル−スルファミド(化合物No.6−C13、9.5mg)を得た。
実施例7 3−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−1,1−ジメチル−ウレア(化合物No.7−C12)の製造
室温撹拌下、3−(5−エチル−2,4−ビス−メトキシメトキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−アミン(IM7a、30mg、0.0976mmol)のクロロホルム(2.0mL)溶液中に、ジメチルカルバモイルクロライド(12.6mg、0.117mmol)を加え、室温で3日間撹拌した。反応液にPS−トリサミン(45.2mg、0.195mmol、Argonant社)を加え、室温で6時間撹拌し、その後、PS−トリサミンを濾別した。濾液を減圧濃縮後、エタノール(1.0mL)、1規定塩酸(1.0mL)を加え、室温で一昼夜撹拌した。反応液を酢酸エチルで抽出し、抽出液を食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。硫酸ナトリウムを濾去後、減圧濃縮を行った。得られた液体を、HPLCにて分取して精製し、3−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−1,1−ジメチル−ウレア(化合物No.7−C12、6.3mg)を得た。
MS(ESI、POS)m/z:291[M+H]
実施例8 4−(4−ジメチルアミノ−1H−ピラゾール−3−イル)−6−エチル−ベンゼン−1、3−ジオール(8−882)の製造
3−(5−エチル−2、4−ビス−メトキシメトキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−ジメチル−アミン(IM8DiMe、22.4mg、0.067mmol)のメタノール(1.0mL)溶液中に、5N塩酸(0.5mL、2.5mmol)を加え、室温で一昼夜撹拌した。氷冷撹拌下、反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え中和(pH6程度)し、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。硫酸ナトリウムを濾去、減圧下溶媒を留去し、4−(4−ジメチルアミノ−1H−ピラゾール−3−イル)−6−エチル−ベンゼン−1、3−ジオール(化合物No.8−882、黄褐色固体、13.5mg、収率82%)を得た。
実施例8と同様の製造法により、表3の化合物No.8−883を得た。
実施例9 4−(4−アミノ−1H−ピラゾール−3)−イル−6−エチル−ベンゼン−1,3−ジオール(化合物No.8−720)の製造
Figure 2006306755
第一工程
2−[2−ジメチルアミノ−1−(5−エチル−2、4−ビス−メトキシメトキシ−ベンゾイル)−ビニル]−イソインドール−1,3−ジオン(IM6a、1.415mmol)のエタノール(14mL)溶液中に、室温撹拌下、ヒドラジン2塩酸塩(223mg、2.123mmol)および水(1.4mL)を加え、1.5時間加熱還流した。室温まで冷却後、減圧下で溶媒を留去した。濃縮液に酢酸エチルを加え、食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。硫酸ナトリウムを濾去、減圧下溶媒を留去し、残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル2:1〜1:1)で精製し、得られた橙色シロップをエーテルで洗浄して、2−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−イソインドール−1,3−ジオン(淡橙色固体、207mg、収率42%)を得た。
LC/MS(測定条件 1):m/z(ESI、POS):350[M+H];保持時間:5.34分
NMR(200MHz、CDCl−DMSO−d6(4drops)、TMS)ppm:0.750(3H、t、J=7.5Hz)、2.295(2H、q、J=7.5Hz)、6.480(1H、s)、6.913(1H、s)、7.698(1H、s)、7.790−7.885(2H、m)、7.915−8.010(2H、m)
第二工程
第一工程で得られた2−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−イソインドール−1,3−ジオン(100mg、0.286mmol)のエタノール(2.5mL)溶液に、室温撹拌下、ヒドラジン1水和物(80%、29mg、0.573mmol)を加え、得られた懸濁液を、室温で5時間撹拌した。析出している固体を濾取し、酢酸エチルに溶解して、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。硫酸ナトリウムを濾去、減圧下溶媒を留去し、残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン−メタノール29:1)で精製し、4−(4−アミノ−1H−ピラゾール−3)−イル−6−エチル−ベンゼン−1,3−ジオール(化合物No.8−720、白色固体、207mg、収率42%)を得た。
実施例10 4−[4−(2,5−ジメチル−ピロール−1−イル)−1H−ピラゾール−3−イル]−6−エチル−ベンゼン−1,3−ジオール(化合物No.9−C46)の製造
試験管に3−(5−エチル−2,4−ビス−メトキシメトキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−アミン(IM7a、30mg、0.0976mmol)、エタノール(1.0mL)、5規定塩酸(1.0mL)を加え、室温で3時間撹拌した。その後、反応液を酢酸エチルで抽出し、抽出液を食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。硫酸ナトリウムを濾去後、減圧濃縮を行った。得られた液体に、1,2−ジクロロエタン(2.0mL)、エタノール(0.2mL)、2,5−ヘキサンジオン(0.13mL)を加え、2時間加熱還流を行った。反応液を酢酸エチルで抽出し、抽出液を食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。硫酸ナトリウムを濾去後、減圧濃縮を行った。得られた液体を、HPLCにて分取して精製し、4−[4−(2,5−ジメチル−ピロール−1−イル)−1H−ピラゾール−3−イル]−6−エチル−ベンゼン−1,3−ジオール(化合物No.9−C46、29.8mg)を得た。
実施例11 3−(5−エチル−2,4−ビス−メトキシメトキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−アミン(IM7a)および3−(5−エチル−2,4−ビス−メトキシメトキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−メチル−アミン(IM8Me)の合成
Figure 2006306755
工程3a
アルゴン雰囲気中、氷冷撹拌下、三塩化ホウ素の1.0Mジクロロメタン溶液(4.34mL、4.34mmol)中に、4−エチルレゾルシン(500mg、3.62mmol)および乾燥ジクロロメタン(3.6mL)を加え、氷冷下15分撹拌した。氷冷撹拌下、2−クロロアセトニトリル(0.275mL、328mg、4.34mmol)および、三塩化アルミニウム(241mg、1.81mmol)をこの順で加え、室温で22.5時間撹拌した。氷冷撹拌下、反応液に、氷および2N塩酸(2.9mL)を加え、室温で30分撹拌した。反応液を、ジクロロメタン−クロロホルム−メタノール混合溶媒で、次いで、酢酸エチルで抽出した。クロロメタン−クロロホルム−メタノール抽出液を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。酢酸エチル抽出液も、同様に、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。クロロメタン−クロロホルム−メタノール抽出液の硫酸ナトリウムを濾去、減圧下溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル4:1)で精製し、2−クロロ−1−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−エタノン(IM3a、淡褐色固体、308mg、収率40%)を得た。酢酸エチル抽出液の硫酸ナトリウムを濾去、減圧下溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル8:1〜6:1)で精製し、同化合物(IM3a、白色固体、24mg、収率3%)を得た。
LC/MS(測定条件 (1)):m/z(NEG):213[M−H]):保持時間;6.139分
NMR(200MHz、CDCl、TMS)ppm:1.231(3H、t、J=7.5Hz)、2.592(2H、q、J=7.5Hz)、4.642(2H、s)、5.610(1H、s)、6.369(1H、s)、7.434(1H、s)、11.978(1H、s)
工程4a
アルゴン雰囲気中、氷冷撹拌下、前工程で得られた2−クロロ−1−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−エタノン(IM3a、5.7g、26.6mmol)のジメチルホルムアミド(50mL)溶液中に、ジイソプロピルエチルアミン(22.8mL、131.0mmol)を加え5分撹拌後、メトキシメチルクロライド(10.1mL、132.9mmol)を加え氷冷下2時間撹拌した。氷冷撹拌下、反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液および飽和食塩水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。硫酸ナトリウムを濾去、減圧下溶媒を留去し、2−クロロ−1−(5−エチル−2,4−ビス−メトキシメトキシ−フェニル)−エタノン(IM4a)を含む粗生成物を得た。
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル4:1)で精製して得られた白色固体の物理化学的データは、次のとおりである。
MS(ESI、POS)m/z:303、305[M+H]、271、273[M+H−MeOH]、195[m/z 271−COCHCl+H]
NMR(200MHz、CDCl、TMS)ppm:1.184(3H、t、J=7.5Hz)、2.608(2H、q、J=7.5Hz)、3.495(3H、s)、3.529(3H、s)、4.772(2H、s)、5.259(2H、s)、5.286(2H、s)、6.911(1H、s)、7.752(1H、s)
工程5a
アルゴン雰囲気中、前工程で得られた2−クロロ−1−(5−エチル−2,4−ビス−メトキシメトキシ−フェニル)−エタノン(IM4a)を含む粗生成物のジメチルホルムアミド(65mL)溶液に、フタル酸イミドカリウム塩(5.4g、29.2mmol)を加え室温下終夜撹拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液および飽和食塩水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。硫酸ナトリウムを濾去、減圧下溶媒を留去し、再結晶(酢酸エチル−ヘキサン)することにより2−[2−(5−エチル−2、4−ビス−メトキシメトキシ−フェニル)−2−オキソ−エチル]−イソインドール−1、3−ジオン(IM5a、9.3g、84%)を得た。
MS(ESI、POS)m/z:414[M+H]
NMR(200MHz、CDCl、TMS)ppm:1.167(3H、t、J=7.5Hz)、2.594(2H、q、J=7.5Hz)、3.506(3H、s)、3.584(3H、s)、5.062(2H、s)、5.277(2H、s)、5.362(2H、s)、6.954(1H、s)、7.71−7.79(3H、m)、7.84−7.95(2H、m)
工程6a
前工程で得られた2−[2−(5−エチル−2、4−ビス−メトキシメトキシ−フェニル)−2−オキソ−エチル]−イソインドール−1、3−ジオン(IM5a、10.1g、24.6mmol)にN、N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(100mL、752.8mmol)を加え、2時間加熱還流した。その後、95℃で終夜撹拌した。減圧下N、N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタールを留去し、新たにN、N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(100mL)を加え、9時間加熱還流した。減圧下N、N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタールを留去後、ヘキサン−酢酸エチル(1:3)混合溶媒を加え結晶化させ、2−[2−ジメチルアミノ−1−(5−エチル−2、4−ビス−メトキシメトキシ−ベンゾイル)−ビニル]−イソインドール−1,3−ジオン(IM6a、10.1g、88%)を得た。
MS(ESI、POS)m/z:469[M+H]
MS(FAB、POS)m/z:469[M+H]、937[2M+H]、424[M+H−(NHMe)]
NMR(200MHz、CDCl、TMS)ppm:1.16(3H、m)、2.586(2H、m)、2.966(6H、s)、3.503(6H、s)、5.141(2H、s)、5.196(2H、s)、6.835(1H、s)、7.365(1H、s)、7.30(1H、bs)、7.69−7.80(2H、m)、7.84−7.97(2H、m)
工程7Aa
アルゴン雰囲気中、氷冷撹拌下、前工程で得られた2−[2−ジメチルアミノ−1−(5−エチル−2、4−ビス−メトキシメトキシ−ベンゾイル)−ビニル]−イソインドール−1,3−ジオン(IM6a、5.0g、10.8mmol)とヒドラジン塩酸塩(2.8g、26.9mmol)のエタノール(100mL)溶液中に、トリエチルアミン(9.0mL、64.6mmol)を加え、その後40分加熱還流した。室温まで冷却後、減圧下で溶媒を留去した。濃縮液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。硫酸ナトリウムを濾去、減圧下溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル−メタノール 19:1)で精製し、3−(5−エチル−2、4−ビス−メトキシメトキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イルアミン(IM7a、淡黄色シロップ、2.5g、収率76%)を得た。
LC/MS(測定条件 (2)):m/z(ESI、POS);308[M+H]:保持時間;4.77分
NMR(200MHz、CDCl、TMS)ppm:1.204(3H、t、J=7.5Hz)、2.642(2H、q、J=7.5Hz)、3.431(3H、s)、3.508(3H、s)、4.2(2H、b)、5.185(2H、s)、5.230(2H、s)、6.999(1H、s)、7.285(1H、s)、7.443(1H、s)
アルゴン雰囲気中、前工程で得られた3−(5−エチル−2、4−ビス−メトキシメトキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イルアミン(IM7a、1.69g、5.5mmol)のメタノール溶液中に、1.0Mナトリウムメトキシド/メタノール溶液(33.0mL、33.0mmol)およびパラホルムアルデヒド(495.5mg、16.5mmol)を加え、しばらく撹拌した。この溶液に水素化ホウ素ナトリウム(624.2mg、16.5mmol)を少量ずつゆっくり加え、30分加熱還流した。室温まで冷やし、減圧下溶媒を半分ほど留去した後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え(pH7〜8)、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。硫酸ナトリウムを濾去、減圧下溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、[3−(5−エチル−2、4−ビス−メトキシメトキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−メチル−アミン(IM8Me、1.11g、収率63%)および3−(5−エチル−2、4−ビス−メトキシメトキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−ジメチル−アミン(IM8DiMe、77.8mg、収率4%)をそれぞれ得た。
IM8Me:MS(ESI、POS)m/z:322[M+H]
NMR(200MHz、CDCl、TMS)ppm:1.20(3H、t、J=7.5Hz)、2.64(2H、q、J=7.5Hz)、2.84(3H、s)、3.42(3H、s)、3.50(3H、s)、5.16(2H、s)、5.22(2H、s)、6.98(1H、s)、7.28(1H、s)、8.06(1H、s)
IM8DiMe:MS(ESI、POS)m/z:336[M+H]
表中、Meはメチル基を、Etはエチル基を、Phはフェニル基を、nはノルマルを、iはイソを、tはターシャリーを表す。
[表1]
Figure 2006306755
[表2]
Figure 2006306755
[表3]
Figure 2006306755
[表4]
Figure 2006306755
試験例1 HSP90 binding assay
本発明の化合物がHSP90に結合することを確認するため、BIACORE(表面プラズモン共鳴(Surface Plasmon Resonance=SPR)を応用して、生体分子の結合をセンサーチップ上で再現し、リアルタイムに測定する生体分子結合活性測定装置)を用いてHSP90 binding assay系を構築した。
HSP90 binding assay系はカルボキシメチルデキストランが導入してあるセンサーチップ(CM5,BIACORE)上のカルボキシル基を介して、後記の17−(6−アミノへキシルアミノ)ハービマイシンAを固定化し、BIACORE−Xにより、センサーチップ表面に固定されたハービマイシンAとrHSP90の結合により生じる質量変化をSPRシグナルとして検出する系であり、方法はBIACOREのプロトコールに従った。
17−(6−アミノへキシルアミノ)ハービマイシンAの調製
ハービマイシンA(472mg、0.82mmol)をクロロホルム(42mL)に溶解し、ヘキサメチレンジアミン(691mg、11.9mmol)を加え室温にて18時間撹拌した。反応液に水(50mL)とクロロホルム(50mL)を加え抽出し分液後、クロロホルム層を飽和食塩水で洗浄し、クロロホルム層を硫酸ナトリウムで乾燥した。硫酸ナトリウムを濾取後、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(150mL、クロロホルム:メタノール:酢酸=30:6:1)を行い、粗化合物(80mg)を得た。次いで、NH−シリカゲルクロマトグラフィー(40mL、クロロホルム、富士シリシア化学株式会社製)を行い、17−(6−アミノへキシルアミノ)ハービマイシンA(48mg)を得た。
MS:m/z(ESI、POS):689[M+H]
ハービマイシンAを固定化したセンサーチップ表面に50μg/mLのrHSP90(Stressgen Biotechnologies Corp., Victoria, BC Canada)を、10秒間添加し、SPRシグナル(相互作用を数値化した値を検出した。その結果、SPRシグナル上昇が認められ、rHSP90とセンサーチップ上の固定化ハービマイシンAとの結合が確認できた。
rHSP90(5×10−7M (50μg/mL))と本発明の化合物とを混合後、ハービマイシンAを固定化したセンサーチップ表面に10秒間添加し、BIACORE−XによりSPRシグナルを測定した。
次いで下記の式(1)を用いて、本発明化合物のrHSP90と固定化ハービマイシンAとの結合に対する阻害活性(結合阻害率(%))を求めた。
式(1)
結合阻害率(%)=((本発明化合物非添加サンプルのSPRシグナル−本発明化合物添加サンプルのSPRシグナル)/本発明化合物非添加サンプルのSPRシグナル)×100
本発明の化合物の濃度と上記の阻害活性から、HSP90蛋白質と固定化ハービマイシンAとの結合を50%阻害する濃度を求め、IC50値とした。
本発明の化合物は濃度依存的にSPRシグナルを低下させ、本発明の化合物がHSP90と固定化ハービマイシンAとの結合を阻害することが示された。表5に結合阻害のIC50値(単位;μM)を示す。
HSP90阻害剤として知られているゲルダナマイシン、ハービマイシンのIC50値は、それぞれ0.35μM、1.4μMであった。
試験例2 細胞増殖阻害試験
本発明の化合物が細胞増殖に与える影響を確認するため、乳癌細胞(MCF7)に既知のHSP90阻害剤(ゲルダナマイシン、ハービマイシン、ラディシコール、PU3)および本発明化合物の各濃度サンプルを72時間処理した。薬剤処理後の細胞の割合はメチレンブルー法による染色を行い、660nmの吸光度をマイクロプレートリーダー(BioRad)にて測定した。
96well plateに細胞を2千個/well散布し、24時間後に薬剤処理した。更に72時間後、培地を除去し、50μLのメタノールを添加して室温で2分間放置し細胞を固定した。メタノールを除去後、100μLの染色液を添加し30分間染色した。200μLの蒸留水で3回洗浄を行い3%HCl溶液を添加し、メチレンブルーの660nmの吸光度をマイクロプレートリーダー(BioRad)にて測定した。
次いで下記の式(2)を用いて細胞増殖阻害率(%)を求めた。
式(2)
細胞増殖阻害率(%)=((試験化合物非添加サンプルの660nmの吸光度−試験化合物添加サンプルの660nmの吸光度)/試験化合物非添加サンプルの660nmの吸光度)×100
本発明の化合物の濃度と上記の細胞増殖阻害率から、コントロールと比較して細胞増殖を50%阻害する濃度を求め、IC50値とした。
本発明化合物の細胞増殖阻害作用のIC50値(単位;μM)を表5に示す。NTは試験していないことを示す。
[表5]
Figure 2006306755
以上の結果より、本発明の化合物はMCF7細胞に対する増殖抑制効果を有することは明らかとなり、本発明の化合物はHSP90阻害活性を有し、癌細胞の増殖阻害効果を有し、癌の治療薬として有用であることがわかった。

Claims (15)

  1. 下記一般式(1A)または(1B)
    Figure 2006306755
    [式中、Nは窒素原子を示し、X、Yは各々独立して水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基若しくは置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよい炭素環若しくは置換基を有していてもよい複素環アリール基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、水酸基、ホルミル基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、カルバモイルオキシ基、置換または無置換アミノ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、ウレイド基、スルホニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、スルホニル基、アミノスルホニル基、またはシリル基を示し、R、Wは各々独立して水素原子または置換基を有していてもよいアルキル基を示し、Zはカルボニル基またはスルホニル基を示し、nは1または0を示し、Qは水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基若しくは置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよい炭素環若しくは置換基を有していてもよい複素環アリール基、またはNRを示し、R、Rは各々独立して水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基若しくは置換基を有していてもよい炭素環アリール基を示し、RとQは結合していてもよく、その場合はnは0で置換基を有していてもよい含窒素芳香族複素環を形成する。]
    で表されるピラゾール誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
  2. Zがカルボニル基でnが1で,Qが置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基若しくは置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよい炭素環若しくは置換基を有していてもよい複素環アリール基である請求項1記載のピラゾール誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
  3. Zがスルホニル基でnが1で,Qが置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基若しくは置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよい炭素環若しくは置換基を有していてもよい複素環アリール基である請求項1記載のピラゾール誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
  4. QがNRであり、R、Rが各々独立して水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基若しくは置換基を有していてもよい炭素環アリール基である請求項2または3に記載のピラゾール誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
  5. nが0、Wが水素原子、Qが水素原子または置換基を有していてもよいアルキル基若しくは置換基を有していてもよい炭素環アリール基であり、RとQは結合していない請求項1記載のピラゾール誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
  6. 下記一般式(2A)または(2B)
    Figure 2006306755
    [式中、N、X、Yは一般式(1A)または(1B)と同じ意味を示し、X'はXと同じ意味を示す。]
    で表される請求項1記載のピラゾール誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
  7. X、Y、Rが各々独立して水素原子または置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基であり、Xの置換位置が2,4−ジヒドロキシフェニル基の5位である請求項1〜5のいずれか一項に記載のピラゾール誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
  8. ピラゾール誘導体が
    N−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−ベンズアミド、
    N−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−2−メトキシ−ベンズアミド、
    N−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−3−メトキシ−ベンズアミド、
    N−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−4−メトキシ−ベンズアミド、
    N−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−3,4,5−トリメトキシ−ベンズアミド、
    N−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−ニコチンアミド、
    N−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−イソニコチンアミド、
    4−ジメチルアミノ−N−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−ベンズアミド、
    2−クロロ−N−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−ベンズアミド、
    3−クロロ−N−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−ベンズアミド、
    4−クロロ−N−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−ベンズアミド、
    N−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−N−メチル−ベンズアミド、
    N−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−2−メトキシ−N−メチル−ベンズアミド、
    N−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−3−メトキシ−N−メチル−ベンズアミド、
    N−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−4−メトキシ−N−メチル−ベンズアミド、
    N−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−3,4,5−トリメトキシ−N−メチル−ベンズアミド、
    N−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−アセトアミド、
    ペンタノイックアシド[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−アミド、
    N−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−2,2−ジメチル−プロピオンアミド、
    N−[3−(5−エチル−2、4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−3,3−ジメチル−ブチラミド、
    アダマンタン−1−カルボキシリック アシド[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−アミド、
    3−シクロペンチル−N−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−プロピオンアミド、
    N−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−3−フェニル−プロピオンアミド、
    N−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−2−フェノキシ−アセトアミド、
    N−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−N−メチル−アセトアミド、
    N−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−ベンゼンスルホンアミド、
    N−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−N−メチル−ベンゼンスルホンアミド、
    N−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−4−フルオロ−ベンゼンスルホンアミド、
    N−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−メタンスルフォンアミド、
    プロパン−2−スルホン酸 [3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−アミド、
    3−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−1,1−ジメチル−スルファミド、
    3−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−1,1−ジメチル−ウレア、
    4−(4−アミノ−1H−ピラゾール−3−イル)−6−エチル−ベンゼン−1,3−ジオール、
    4−エチル−6−(4−メチルアミノ−1H−ピラゾール−3−イル)−ベンゼン−1、3−ジオール、
    4−エチル−6−(4−ジメチルアミノ−1H−ピラゾール−3−イル)−ベンゼン−1、3−ジオール、
    または4−[4−(2,5−ジメチル−ピロール−1−イル)−1H−ピラゾール−3−イル]−6−エチル−ベンゼン−1,3−ジオールである請求項1記載のピラゾール誘導体若しくはその互変異性体またはその薬理学的に許容される塩。
  9. ピラゾール誘導体が
    2−クロロ−N−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−ベンズアミド、
    N−[3−(5−エチル−2、4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−3,3−ジメチル−ブチラミド、
    N−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−2−フェノキシ−アセトアミド、
    またはN−[3−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−N−メチル−ベンゼンスルホンアミドである請求項1記載のピラゾール誘導体若しくはその互変異性体またはその薬理学的に許容される塩。
  10. 生体に投与すると請求項1〜9のいずれか一項に記載のピラゾール誘導体を生成する請求項1〜9のいずれか一項に記載のピラゾール誘導体のプロドラッグまたはその薬理学的に許容される塩。
  11. 下記一般式(3A)または(3B)
    Figure 2006306755
    [式中、X、Y、Rは一般式(1A)または(1B)と同じ意味を示し、Proはフェノール性水酸基の保護基を示す。]
    で表され、請求項1〜9のいずれか一項に記載のピラゾール誘導体の製造に使用し得る4−アミノピラゾール誘導体またはその塩。
  12. 請求項1〜9のいずれか一項に記載のピラゾール誘導体またはその薬理学的に許容される塩を有効成分とするHSP90阻害剤。
  13. 請求項10記載のプロドラッグまたはその薬理学的に許容される塩を有効成分とするHSP90阻害剤。
  14. 請求項1〜9のいずれか一項に記載のピラゾール誘導体またはその薬理学的に許容される塩あるいは請求項10記載のプロドラッグまたはその薬理学的に許容される塩を有効成分とする細胞増殖阻害剤。
  15. 請求項1〜9のいずれか一項に記載のピラゾール誘導体またはその薬理学的に許容される塩あるいは請求項10記載のプロドラッグまたはその薬理学的に許容される塩を有効成分とする抗癌剤。
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