JP2006306691A - シリカ粒体及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明のシリカ粒体は、少なくともアモルファス相を有し、かつ透明性を有する表層部、及び、少なくとも石英型結晶相を含む多結晶相を有し、かつ連通孔を有する内層部、からなることを特徴とする。
【選択図】なし
Description
また、該骨材は、独立気泡内での発泡膨張反応により生成されるものであるが、このような独立気泡内での発泡膨張反応を伴う場合、骨材の粒子径を均一にすることは困難であり、粒子径の小さな骨材も得られにくい。さらに、膨張した内部は、粗な状態で強度が不十分となるため、該骨材を攪拌・混練すると、骨材の破損を引き起こすおそれがある。
本発明者は上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、少なくともアモルファス相を有し、かつ透明性を有する表層部と、少なくとも石英型結晶相を含む多結晶相を有する内層部からなるシリカ粒体に想到し、本発明を完成させるに到った。
1.少なくともアモルファス相を有し、かつ透明性を有する表層部、及び
少なくとも石英型結晶相を含む多結晶相を有し、かつ連通孔を有する内層部、
からなることを特徴とするシリカ粒体。
2.少なくともアモルファス相及びトリジマイト型結晶相を有し、かつ透明性を有する表層部、及び
少なくとも石英型結晶相を含む多結晶相を有し、かつ連通孔を有する内層部、
からなることを特徴とするシリカ粒体。
3.表層部が着色透明性を有することを特徴とする1.または2.に記載のシリカ粒体。
4.(1)シリカ多孔体を表面張力が70dyn/cm以下の溶媒に浸漬し、該溶媒をシリカ多孔体の細孔内部に含浸させる工程、
(2)(1)の工程により得られたシリカ多孔体を、水100重量部に対して、アルカリ金属塩及び/またはアルカリ土類金属塩0.1〜30重量部、ホウ素化合物0.1〜20重量部、を溶解させた水溶液に浸漬し、(1)の工程で含浸させた溶媒を該水溶液に置換させる工程、
(3)(2)の工程により得られたシリカ多孔体を、600℃〜1200℃で焼成し、その後常温まで冷却する工程、
を含むことを特徴とする1.または2.に記載のシリカ粒体の製造方法。
5.(1)シリカ多孔体を表面張力が70dyn/cm以下の溶媒に浸漬し、該溶媒をシリカ多孔体の細孔内部に含浸させる工程、
(2)(1)の工程により得られたシリカ多孔体を、水100重量部に対して、アルカリ金属塩及び/またはアルカリ土類金属塩0.1〜30重量部、ホウ素化合物0.1〜20重量部、遷移金属及び/または希土類から選ばれる1種以上の元素を含む無機塩及び/または無機錯体0.1〜20重量部、を含有する水溶液に浸漬し、(1)の工程で含浸させた溶媒を該水溶液に置換させる工程、
(3)(2)の工程により得られたシリカ多孔体を、600℃〜1200℃で焼成し、その後常温まで冷却する工程、
を含むことを特徴とする1.から3.のいずれかに記載のシリカ粒体の製造方法。
6.(2)の工程において、水100重量部に対して、さらに、アルミニウム含有化合物0.1〜20重量部、を溶解させた水溶液を用いることを特徴とする4.または5.に記載のシリカ粒体の製造方法。
7.(1)シリカ多孔体を、表面張力が70dyn/cm以下の溶媒100重量部に対して、アルカリ金属塩及び/またはアルカリ土類金属塩0.1〜30重量部、ホウ素化合物0.1〜20重量部を溶解させた溶液に浸漬し、該溶液をシリカ多孔体の細孔内部に含浸させる工程、
(2)(1)の工程により得られたシリカ多孔体を、600℃〜1200℃で焼成し、その後常温まで冷却する工程、
を含むことを特徴とする1.または2.に記載のシリカ粒体の製造方法。
8.(1)シリカ多孔体を、表面張力が70dyn/cm以下の溶媒100重量部に対して、アルカリ金属塩及び/またはアルカリ土類金属塩0.1〜30重量部、ホウ素化合物0.1〜20重量部、遷移金属及び/または希土類から選ばれる1種以上の元素を含む無機塩及び/または無機錯体0.1〜20重量部、を溶解させた溶液に浸漬し、該溶液をシリカ多孔体の細孔内部に含浸させる工程、
(2)(1)の工程により得られたシリカ多孔体を、600℃〜1200℃で焼成し、その後常温まで冷却する工程、
を含むことを特徴とする1.から3.のいずれかに記載のシリカ粒体の製造方法。
9.(1)の工程において、表面張力が70dyn/cm以下の溶媒100重量部に対して、さらに、アルミニウム含有化合物0.1〜20重量部、を溶解させた溶液を用いることを特徴とする7.または8.に記載のシリカ粒体の製造方法。
10.遷移金属及び/または希土類として、少なくともジルコニウムを含むことを特徴とする5.、6.、8.、9.のいずれかに記載のシリカ粒体の製造方法。
11.アルカリ金属塩及び/またはアルカリ土類金属塩のうち、少なくとも1種がリチウムを含むリチウム塩であることを特徴とする4.から10.のいずれかに記載のシリカ粒体の製造方法。
このようなシリカ粒体は、特定の溶媒や、アルカリ金属塩及び/またはアルカリ土類金属塩、ホウ素化合物等を含有する水溶液を用いた特定の方法により、簡便に製造することができる。この方法によれば、色彩豊かなシリカ粒体を得ることもできる。
本発明のシリカ粒体では、表層部がアモルファス相を有することにより、表層部の透明性が高まり、表面に光沢を付与する効果も得られる。
また、内層部に石英型結晶相を有することで、多結晶体としてきわめて小さい熱膨張を示し、表層部とは異なる透明度によって色彩に深みが付与されるとともに、シリカ粒体の強度を高める効果も得られる。内層部が連通孔を有することで、ガス透過性、透湿性、吸音性等の効果を得ることもできる。
また、表層部においては、その透明性が損なわれない限り、アモルファス相のほかに、種々の結晶相が含まれていてもよい。本発明では特に、トリジマイト型結晶相が含まれていることが好ましく、このような結晶相が含まれていることにより強度を高める効果を得ることができる。
なお、表層部における透明性は、内層部の色彩が認識できる程度であればよい。
シリカ粒体の平均粒子径は、特に限定されず、通常5μm〜5mm(さらには50μmm〜4.5mm、さらには500μmm〜4mm)程度が好ましい。
シリカ粒体における表層部と内層部の比率は、体積比率で1:0.5〜1:5であることが好ましい。
(1)シリカ多孔体を表面張力が70dyn/cm以下の溶媒に浸漬し、該溶媒をシリカ多孔体の細孔内部に含浸させる工程、
(2)(1)の工程により得られたシリカ多孔体を、表面張力が70dyn/cm以下の溶媒100重量部に対して、アルカリ金属塩及び/またはアルカリ土類金属塩0.1〜30重量部、ホウ素化合物0.1〜20重量部を、溶解させた溶液に浸漬し、(1)の工程で含浸させた溶液を該水溶液に置換させる工程、
(3)(2)の工程により得られたシリカ多孔体を、600℃〜1200℃で焼成し、その後常温まで冷却する工程、を含む製造方法。
(1)シリカ多孔体を、表面張力が70dyn/cm以下の溶媒100重量部に対して、アルカリ金属塩及び/またはアルカリ土類金属塩0.1〜30重量部、ホウ素化合物0.1〜20重量部を、溶解させた溶液に浸漬し、該溶液をシリカ多孔体の細孔内部に含浸させる工程、
(2)(1)の工程により得られたシリカ多孔体を、600℃〜1200℃で焼成し、その後常温まで冷却する工程、を含む製造方法。
(i)の方法では、(1)の工程として、シリカ多孔体を表面張力が70dyn/cm以下の溶媒に浸漬し、該溶媒をシリカ多孔体の細孔内部に含浸させる。
また、シリカ多孔体は、Siを主成分とするものであるが、本発明の効果を損なわない程度に、その他の金属元素を含んでいてもよい。例えば、金属元素としては、Fe、Ti、Zr、Cu、Al、Zn、Ca、Mg、Na、K等が挙げられる。
シリカ多孔体は、多孔質なものであり、その比表面積が100cm2/g〜700cm2/g(さらには400cm2/g〜500cm2/g)であるものが好ましい。このような範囲であることによって、シリカ多孔体の細孔内部に、溶媒、溶液が浸漬しやすく、各種成分を均一に浸漬させることができる。
比表面積が小さすぎる場合は、溶媒、溶液が浸漬しにくく、目的とするシリカ粒体が得られ難い。比表面積が大きすぎる場合は、焼成後、強度が著しく低下する可能性がある。
シリカ多孔体の平均粒子径は、特に限定されないが、通常5μm〜5mm(さらには50μmm〜4.5mm、さらには500μmm〜4mm)程度が好ましい。
これに対し、本発明では、まず、シリカ多孔体の細孔内部に表面張力が70dyn/cm以下の溶媒を含浸させることによって、毛細管現象等による破壊を防ぐことができる。
本発明では特に、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール等のアルコール類、ジエチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジプロピルエーテル等のエーテル類等の溶媒を用いることが好ましい。さらには、エタノールを用いることが好ましい。このような溶媒を用いた場合、(1)の含浸工程と、(2)の置換工程とを効率よく行うことができ、(1)の含浸工程ではもちろんのこと、(2)の置換工程においても、シリカ多孔体の破壊を防ぎ、かつ、簡便に、水溶液を含浸させることができる。
なお、表面張力は、温度23℃、相対湿度50%で、表面張力計(CBVP−A3型(協和界面科学株式会社製))を用いて測定した値である。
このような水溶液をシリカ多孔体に含浸させることにより、(3)の工程で、シリカ多孔体が破損することなく、かつ、連通孔を有する内層部を簡便に製造することができる。
置換させるタイミングは、特に限定されないが、(1)の工程後、約0〜30分後(5分〜10分間)の後に行うことが望ましい。置換に要する時間は、10分〜2時間程度である。
具体的には、例えば、フッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化バリウム、塩化セシウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化セシウム等のハロゲン化物、硝酸リチウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム等の硝酸塩、炭酸ナトリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等の炭酸塩、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム等の水酸化物等が挙げられる。本発明では、このうち少なくとも1種以上がリチウムを含むリチウム塩であることが好ましい。
アルカリ金属塩及び/またはアルカリ土類金属塩の混合比率は、水100重量部に対し、0.1重量部〜30重量部(さらには0.3重量部〜10重量部)であることが好ましい。このような範囲であることにより、焼成時の膨張が抑制され、焼成時に連通孔が維持されることにより強度も向上する。0.1重量部より少ない場合は、結晶成長が起こりにくく、本発明の深みのある色彩が発現されにくい。30重量部より多い場合は、焼成時に膨張しやすくなり、強度に劣る場合がある。
ホウ素化合物としては、ホウ酸、酸化ホウ素、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸メチル等が挙げられる。
遷移金属及び/または希土類としては、周期表の3族から11族に属する元素であれば特に限定されないが、例えば、ジルコニウム、コバルト、銅、マンガン、バナジウム、クロム、ニッケル、鉄、モリブデンン、チタン、金、ネオジウム、エルビウム、ユーロピウム、テルビウム、サマリウム等が挙げられる。
遷移金属及び/または希土類から選ばれる1種以上の元素を含む無機塩及び/または無機錯体の混合比率は、水100重量部に対して0.1重量部〜20重量部(好ましくは1重量部〜10重量部、さらに好ましくは1重量部〜5重量部)であることが好ましい。このような範囲であることにより、優れた強度を有し、色彩に富んだシリカ粒体を得ることができる。
(2)の工程において、アルミニウム含有化合物を使用することにより、シリカ多孔体中のSi4+がAl3+に置換される。
Si4+がAl3+に置換されると、ガラスの網目構造の切断が抑えられ、耐久性を向上させることができる。
このような併用により、Al3+に置換された網目構造中では、ジルコニウムおよび修飾イオン等が取り込まれ易くなり、ある程度分相を抑制しながらも白色化を促進することができる。
このような比率で混合することにより、上記効果を十分発揮することができる。このような範囲外である場合、上記効果が十分発揮されず、場合によっては、表層部が形成されにくく、表層部にクラックが生じる可能性がある。
焼成方法は特に限定されないが、常温から5〜50℃/minの速度で昇温し、上記温度範囲内で15分〜2時間焼成することが好ましい。
必要であれば、焼成前に(2)の工程で得られたシリカ多孔体を乾燥させることもできる。ここでの乾燥温度は50〜200℃、乾燥時間は2〜20時間程度であればよい。
また、石英型結晶相、トリジマイト型結晶相、クリストバライト型結晶相間の転移は、構造再編成を伴うことから、かなりの時間を要するが、α、β間の転移では、構造再編成を伴わないため、転移は瞬時に行われる。
したがって、(3)の工程で焼成を実施した場合、シリカ多孔体には、β2−トリジマイト型結晶相が生成している。この状態から、焼成を停止し、降温すると球状シリカ多孔体表面付近では、急激な温度低下によって、トリジマイト型結晶が転移せずに残る。また、一部にはアモルファスなシリカガラスが残っている。
一方、シリカ多孔体内部は、表面よりも相対的にゆっくりと温度が低下するため、トリジマイトから石英型結晶相へと転移する時間的な余裕がある。また、クリストバライト型結晶相やトリジマイト型結晶相等の準安定領域とも重なるため、一部にはこれらの結晶相も残存して、多結晶相を形成している。このような多結晶構造によって、内部は不透明になると同時に、石英型結晶による強度向上効果が得られる。
また、温度の低下とともに〔BO3〕はアルカリ金属イオン及び/またはアルカリ土類金属イオンにより切断されたガラス網目構造のO2−イオンを引き付けて、〔BO4〕四面体構造へと変化し、切れ目を閉じていくことで熱膨張率が低下し強度が向上する。
このような製造方法では、内層部に少なくとも石英型結晶相を含有し、さらにトリジマイト結晶相、クリストバライト結晶相を含有し、表層部に少なくともアモルファス相を有し、さらにトリジマイト結晶相、クリストバライト結晶相を含有するシリカ粒体を得ることができる。さらにこれらの結晶構造は、アルカリ金属塩及び/またはアルカリ土類金属塩、ホウ素化合物の含有量、焼成温度、焼成時間等の条件を制御することでコントロールすることが可能である。
このような方法では、(i)の方法における(1)の工程と(2)の工程を同時に行うことができ、工程期間を短縮することができる。
つまり、一つの工程で、シリカ多孔体が破損することなく、アルカリ金属塩及び/またはアルカリ土類金属塩、ホウ素化合物、さらには遷移金属及び/または希土類から選ばれる1種以上の元素を含む無機塩及び/または無機錯体等を含浸させることができる。
浸漬時間は、通常20℃〜80℃の環境下で、0.5時間〜2時間程度であればよい。
(ii)の方法の(2)の工程は、(i)の方法の(3)の工程と同様の方法で行うことができる。
なお、(ii)の方法で用いる溶媒としては、その表面張力が70dyn/cm以下のものであればよく、(i)の方法で例示したような溶媒が使用できる。表面張力が70dyn/cm以下であれば、水溶性溶媒と水との混合物を使用することもできる。
シリカ多孔体(富士シリシア化学株式会社製 球状シリカゲルB形 on40、平均粒子径3mm)100gをエタノール(表面張力24dyn/cm(20℃))100重量部に15分間浸漬し、エタノールをシリカ多孔体の細孔内部へ含浸させた。
次いで、水100重量部に対し、塩化リチウム0.5重量部、塩化ナトリウム0.5重量部、ホウ酸3重量部、を溶解させた水溶液中に温度30℃で1時間浸漬し、細孔部のエタノールを該水溶液で置換した。その後、濾過してシリカ多孔体を取り出し、80℃で10時間乾燥させた。
次に、シリカ多孔体を電気炉にいれ、初期温度30℃から1000℃まで、10℃/minの割合で昇温し、1000℃に達してから、30分間焼成した。その後電気炉中で室温まで自然冷却し、シリカ粒体(平均粒子径2.8mm)を得た。
以上の方法により得られたシリカ粒体は、内層部が連通孔を有し、かつ、白色化しており、表層部に透明ガラス層を有する深みのある白色を発していた。
なお、得られたシリカ粒体をX線回折装置(RINT−1100、リガク社製)で測定したところ、内層部は石英型結晶相及びクリストバライト型結晶相、表層部はアモルファス相及びトリジマイト型結晶相を有していた。
また、シリカ粒体の強度を評価するために、得られたシリカ粒体20個を用意し、プレス機にて、0.2kN/cm2の加重を加え、10秒間加圧した。その後、圧を取り除き、割れたシリカ粒体の数を求めることによって、その強度を評価した。その結果、割れたシリカ粒体は、わずか4個のみであり、初期の形状は保持されていた。
なお、シリカ多孔体(富士シリシア製 球状シリカゲルB形 on40)を同様の方法で評価したところ、20個全てのシリカ多孔体が割れており、初期の形状は保持されていなかった。
実施例1と同様にエタノールをシリカ多孔体の細孔内部へ含浸させた。
次いで、水100重量部に対し、塩化リチウム0.5重量部、塩化ナトリウム0.5重量部、ホウ酸3重量部、塩化コバルト1重量部を溶解させた水溶液中に浸漬し、細孔部のエタノールを該水溶液と置換した。その後、実施例1と同様に濾過、乾燥、焼成、冷却して、シリカ粒体(平均粒子径2.8mm)を得た。
以上の方法により得られたシリカ粒体は、内層部が連通孔を有し、かつ、白色化しており、表層部に透明青色ガラス層を有する深みのある青色を発していた。
なお、得られたシリカ粒体をX線回折装置(RINT−1100、リガク社製)で測定したところ、内層部は石英型結晶相及びクリストバライト型結晶相、表層部はアモルファス相及びトリジマイト型結晶相を有していた。
また、実施例1と同様の方法でシリカ粒体の強度を評価したところ、割れたシリカ粒体は、わずか4個のみであり、初期の形状は保持されていた。
シリカ多孔体(富士シリシア化学株式会社製 球状シリカゲルB形 on40、平均粒子径3mm)100gを、エタノール100重量部に対し、塩化リチウム1.0重量部、ホウ酸3重量部を溶解させた溶液に15分間浸漬し、該溶液をシリカ多孔体の細孔内部へ含浸させた。その後、濾過してシリカ多孔体を取り出し、80℃で10時間乾燥させた。
次に、実施例1と同様の方法で、シリカ多孔体を焼成し、冷却し、シリカ粒体(平均粒子径2.8mm)を得た。
以上の方法により得られたシリカ粒体は、内層部が連通孔を有し、かつ、白色化しており、表層部に透明ガラス層を有する深みのある白色を発していた。
なお、得られたシリカ粒体をX線回折装置(RINT−1100、リガク社製)で測定したところ、内層部は石英型結晶相及びクリストバライト型結晶相、表層部はアモルファス相及びトリジマイト型結晶相を有していた。
また、実施例1と同様の方法でシリカ粒体の強度を評価したところ、割れたシリカ粒体は、わずか6個のみであり、初期の形状は保持されていた。
シリカ多孔体(富士シリシア化学株式会社製 球状シリカゲルB形 on40、平均粒子径3mm)100gを、エタノール100重量部に対し、塩化リチウム1.0重量部、ホウ酸5重量部、塩化コバルト1重量部を溶解させた溶液に15分間浸漬し、該溶液をシリカ多孔体の細孔内部へ含浸させた。その後、濾過してシリカ多孔体を取り出し、80℃で10時間乾燥させた。
次に、実施例1と同様の方法で、シリカ多孔体を焼成し、冷却し、シリカ粒体(平均粒子径2.8mm)を得た。
以上の方法により得られたシリカ粒体は、内層部が白色化し、表層部に透明青色ガラス層を有する深みのある青色を発していた。
以上の方法により得られたシリカ粒体は、内層部が連通孔を有し、かつ、白色化しており、表層部に透明青色ガラス層を有する深みのある青色を発していた。
なお、得られたシリカ粒体をX線回折装置(RINT−1100、リガク社製)で測定したところ、内層部は石英型結晶相及びクリストバライト型結晶相、表層部はアモルファス相及びトリジマイト型結晶相を有していた。
また、実施例1と同様の方法でシリカ粒体の強度を評価したところ、割れたシリカ粒体は、わずか2個のみであり、初期の形状は保持されていた。
シリカ多孔体(富士シリシア化学株式会社製 球状シリカゲルB形 on40、平均粒子径3mm)100gを、エタノール100重量部に対し、塩化リチウム1.0重量部、ホウ酸5重量部、塩化ネオジウム3重量部を溶解させた溶液に15分間浸漬し、該溶液をシリカ多孔体の細孔内部へ含浸させた。その後、濾過してシリカ多孔体を取り出し、80℃で10時間乾燥させた。
次に、実施例1と同様の方法で、シリカ多孔体を焼成し、冷却し、シリカ粒体(平均粒子径2.8mm)を得た。
以上の方法により得られたシリカ粒体は、内層部が連通孔を有し、白色化し、かつ、白色化しており、表層部に透明藤色ガラス層を有する深みのある藤色を発していた。
なお、得られたシリカ粒体をX線回折装置(RINT−1100、リガク社製)で測定したところ、内層部は石英型結晶相及びクリストバライト型結晶相、表層部はアモルファス相及びトリジマイト型結晶相を有していた。
また、実施例1と同様の方法でシリカ粒体の強度を評価したところ、割れたシリカ粒体は、わずか2個のみであり、初期の形状は保持されていた。
実施例1と同様にエタノールをシリカ多孔体の細孔内部へ含浸させた。
次いで、水100重量部に対し、塩化リチウム0.5重量部、塩化ナトリウム3重量部、塩化カルシウム3重量部、塩化アルミニウム3重量部、塩化ジルコニウム1重量部ホウ酸3重量部、を溶解させた水溶液中に温度30℃で1時間浸漬し、細孔部のエタノールを該水溶液で置換した。その後、濾過してシリカ多孔体を取り出し、80℃で10時間乾燥させた。
次に、このシリカ多孔体を電気炉にいれ、初期温度30℃から700℃まで、10℃/minの速度で700℃まで昇温し、約30分間焼成した。その後、電気炉中で室温まで自然冷却し、シリカ粒体(平均粒子径3.0mm)を得た。
以上の方法により得られたシリカ粒体は、内層部が白色化し、表層部に透明ガラス層を有する深みのある白色を発していた。
なお、得られたシリカ粒体をX線回折装置(RINT−1100、リガク社製)で測定したところ、内層部は石英型結晶相、表層部はアモルファス相を有していた。
また、実施例1と同様の方法でシリカ粒体の強度を評価したところ、割れたシリカ粒体は、わずか1個のみであり、初期の形状は保持されていた。
さらに、得られたシリカ粒体の断面をEPMA(電子プローブマイクロアナライザー、JEOL JXA−8900、日本電子株式会社製)で元素分析した結果、表層部と比較し内層部にカルシウム元素の存在率が高いことを確認した。
実施例1と同様にエタノールをシリカ多孔体の細孔内部へ含浸させた。
次いで、水100重量部に対し、塩化リチウム0.5重量部、塩化ナトリウム3重量部、塩化カルシウム3重量部、塩化アルミニウム3重量部、塩化ジルコニウム1重量部ホウ酸3重量部、塩化コバルト1重量部を溶解させた水溶液中に浸漬し、細孔部のエタノールを該水溶液と置換した。その後、実施例6と同様に濾過、乾燥した。
次に、このシリカ多孔体を電気炉にいれ、初期温度30℃から800℃まで、10℃/minの速度で800℃まで昇温し、約30分間焼成した。その後、電気炉中で室温まで自然冷却し、シリカ粒体(平均粒子径3.0mm)を得た。以上の方法により得られたシリカ粒体は、内層部が白色化し、表層部に透明青色ガラス層を有する深みのある青色を発していた。
なお、得られたシリカ粒体をX線回折装置(RINT−1100、リガク社製)で測定したところ、内層部は石英型結晶相、表層部はアモルファス相及びトリジマイト型結晶相を有していた。
また、実施例1と同様の方法でシリカ粒体の強度を評価したところ、割れたシリカ粒体は、わずか1個のみであり、初期の形状は保持されていた。
さらに、得られたシリカ粒体の断面をEPMA(電子プローブマイクロアナライザー、JEOL JXA−8900、日本電子株式会社製)で元素分析した結果、表層部と比較し内層部にカルシウム元素の存在率が高いことを確認した。
実施例1と同様にエタノールをシリカ多孔体の細孔内部へ含浸させた。
次いで、水100重量部に対し、塩化リチウム0.5重量部、塩化ナトリウム3重量部、塩化カルシウム3重量部、塩化アルミニウム3重量部、塩化ジルコニウム1重量部ホウ酸3重量部、塩化コバルト1重量部を溶解させた水溶液中に温度30℃で1時間浸漬し、細孔部のエタノールを該水溶液で置換した。その後、濾過してシリカ多孔体を取り出し、80℃で10時間乾燥させた。
次に、シリカ多孔体を電気炉にいれ、初期温度30℃から700℃まで、10℃/minの割合で昇温し、700℃に達してから、30分間焼成した。その後電気炉中で室温まで自然冷却し、シリカ粒体(平均粒子径3.0mm)を得た。
以上の方法により得られたシリカ粒体は、内層部が白色化し、表層部に透明青色ガラス層を有する深みのある青色を発していた。
なお、得られたシリカ粒体をX線回折装置(RINT−1100、リガク社製)で測定したところ、内層部は石英型結晶相、表層部はアモルファス相を有していた。
また、実施例1と同様の方法でシリカ粒体の強度を評価したところ、割れたシリカ粒体は、わずか1個のみであり、初期の形状は保持されていた。
さらに、得られたシリカ粒体の断面をEPMA(電子プローブマイクロアナライザー、JEOL JXA−8900、日本電子株式会社製)で元素分析した結果、表層部と比較し内層部にカルシウム元素の存在率が高いことを確認した。
実施例1と同様にエタノールをシリカ多孔体の細孔内部へ含浸させた。
次いで、水100重量部に対し、塩化リチウム0.4重量部、塩化ナトリウム5重量部、塩化カルシウム2重量部、塩化アルミニウム5重量部、オキシ塩化ジルコニウム2重量部、塩化マンガン0.5重量部、塩化ニッケル0.5重量部を溶解させた水溶液中に温度30℃で30分浸漬し、細孔部のエタノールを該水溶液で置換した。その後、濾過してシリカ多孔体を取り出し、80℃で10時間乾燥させた。
次に、このシリカ多孔体を電気炉にいれ、初期温度30℃から700℃まで、10℃/minの速度で700℃まで昇温し、約30分間焼成した。その後、電気炉中で室温まで自然冷却し、シリカ粒体(平均粒子径3.0mm)を得た。
以上の方法により得られたシリカ粒体は、内層部が白色化し、表層部に透明茶色ガラス層を有する深みのある紫色を発していた。
なお、得られたシリカ粒体をX線回折装置(RINT−1100、リガク社製)で測定したところ、内層部は石英型結晶相、表層部はアモルファス相を有していた。
また、実施例1と同様の方法でシリカ粒体の強度を評価したところ、割れたシリカ粒体は、わずか1個のみであり、初期の形状は保持されていた。
さらに、得られたシリカ粒体の断面をEPMA(電子プローブマイクロアナライザー、JEOL JXA−8900、日本電子株式会社製)で元素分析した結果、表層部と比較し内層部にカルシウム元素の存在率が高いことを確認した。
実施例1と同様にエタノールをシリカ多孔体の細孔内部へ含浸させた。
次いで、水100重量部に対し、塩化リチウム0.5重量部、塩化ナトリウム3重量部、塩化カルシウム3重量部、塩化アルミニウム3重量部、ホウ酸3重量部を溶解させた水溶液中に温度30℃で1時間浸漬し、細孔部のエタノールを該水溶液で置換した。その後、濾過してシリカ多孔体を取り出し、80℃で10時間乾燥させた。
次に、このシリカ多孔体を電気炉にいれ、初期温度30℃から700℃まで、10℃/minの速度で700℃まで昇温し、その温度で約30分間焼成した。その後、電気炉中で室温付近まで自然冷却し、シリカ粒体(平均粒子径3.0mm)を得た。
以上の方法により得られたシリカ粒体は、内層部が白色化し、表層部に透明ガラス層を有する深みのある白色を発していた。
なお、得られたシリカ粒体をX線回折装置(RINT−1100、リガク社製)で測定したところ、内層部は石英型結晶相、表層部はアモルファス相を有していた。
また、実施例1と同様の方法でシリカ粒体の強度を評価したところ、割れたシリカ粒体は、わずか1個のみであり、初期の形状は保持されていた。
さらに、得られたシリカ粒体の断面をEPMA(電子プローブマイクロアナライザー、JEOL JXA−8900、日本電子株式会社製)で元素分析した結果、表層部と比較し内層部にカルシウム元素の存在率が高いことを確認した。
実施例1と同様にエタノールをシリカ多孔体の細孔内部へ含浸させた。
次いで、水100重量部に対し、塩化リチウム0.5重量部、塩化ナトリウム3重量部、塩化カルシウム3重量部、塩化ジルコニウム1重量部、ホウ酸3重量部を溶解させた水溶液中に温度30℃で1時間浸漬し、細孔部のエタノールを該水溶液で置換した。その後、濾過してシリカ多孔体を取り出し、80℃で10時間乾燥させた。
次に、このシリカ多孔体を電気炉にいれ、初期温度30℃から700℃まで、10℃/minの速度で700℃まで昇温し、その温度で約30分間焼成した。その後、電気炉中で室温付近まで自然冷却し、シリカ粒体(平均粒子径3.0mm)を得た。
以上の方法により得られたシリカ粒体は、内層部が白色化し、表層部に透明ガラス層を有する深みのある白色を発していた。
なお、得られたシリカ粒体をX線回折装置(RINT−1100、リガク社製)で測定したところ、内層部は石英型結晶相、表層部はアモルファス相を有していた。
また、実施例1と同様の方法でシリカ粒体の強度を評価したところ、割れたシリカ粒体は、わずか1個のみであり、初期の形状は保持されていた。
さらに、得られたシリカ粒体の断面をEPMA(電子プローブマイクロアナライザー、JEOL JXA−8900、日本電子株式会社製)で元素分析した結果、表層部と比較し内層部にカルシウム元素の存在率が高いことを確認した。
Claims (11)
- 少なくともアモルファス相を有し、かつ透明性を有する表層部、及び
少なくとも石英型結晶相を含む多結晶相を有し、かつ連通孔を有する内層部、
からなることを特徴とするシリカ粒体。 - 少なくともアモルファス相及びトリジマイト型結晶相を有し、かつ透明性を有する表層部、及び
少なくとも石英型結晶相を含む多結晶相を有し、かつ連通孔を有する内層部、
からなることを特徴とするシリカ粒体。 - 表層部が着色透明性を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシリカ粒体。
- (1)シリカ多孔体を表面張力が70dyn/cm以下の溶媒に浸漬し、該溶媒をシリカ多孔体の細孔内部に含浸させる工程、
(2)(1)の工程により得られたシリカ多孔体を、水100重量部に対して、アルカリ金属塩及び/またはアルカリ土類金属塩0.1〜30重量部、ホウ素化合物0.1〜20重量部、を溶解させた水溶液に浸漬し、(1)の工程で含浸させた溶媒を該水溶液に置換させる工程、
(3)(2)の工程により得られたシリカ多孔体を、600℃〜1200℃で焼成し、その後常温まで冷却する工程、
を含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシリカ粒体の製造方法。 - (1)シリカ多孔体を表面張力が70dyn/cm以下の溶媒に浸漬し、該溶媒をシリカ多孔体の細孔内部に含浸させる工程、
(2)(1)の工程により得られたシリカ多孔体を、水100重量部に対して、アルカリ金属塩及び/またはアルカリ土類金属塩0.1〜30重量部、ホウ素化合物0.1〜20重量部、遷移金属及び/または希土類から選ばれる1種以上の元素を含む無機塩及び/または無機錯体0.1〜20重量部、を含有する水溶液に浸漬し、(1)の工程で含浸させた溶媒を該水溶液に置換させる工程、
(3)(2)の工程により得られたシリカ多孔体を、600℃〜1200℃で焼成し、その後常温まで冷却する工程、
を含むことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のシリカ粒体の製造方法。 - (2)の工程において、水100重量部に対して、さらに、アルミニウム含有化合物0.1〜20重量部、を溶解させた水溶液を用いることを特徴とする請求項4または請求項5に記載のシリカ粒体の製造方法。
- (1)シリカ多孔体を、表面張力が70dyn/cm以下の溶媒100重量部に対して、アルカリ金属塩及び/またはアルカリ土類金属塩0.1〜30重量部、ホウ素化合物0.1〜20重量部を溶解させた溶液に浸漬し、該溶液をシリカ多孔体の細孔内部に含浸させる工程、
(2)(1)の工程により得られたシリカ多孔体を、600℃〜1200℃で焼成し、その後常温まで冷却する工程、
を含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシリカ粒体の製造方法。 - (1)シリカ多孔体を、表面張力が70dyn/cm以下の溶媒100重量部に対して、アルカリ金属塩及び/またはアルカリ土類金属塩0.1〜30重量部、ホウ素化合物0.1〜20重量部、遷移金属及び/または希土類から選ばれる1種以上の元素を含む無機塩及び/または無機錯体0.1〜20重量部、を溶解させた溶液に浸漬し、該溶液をシリカ多孔体の細孔内部に含浸させる工程、
(2)(1)の工程により得られたシリカ多孔体を、600℃〜1200℃で焼成し、その後常温まで冷却する工程、
を含むことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のシリカ粒体の製造方法。 - (1)の工程において、表面張力が70dyn/cm以下の溶媒100重量部に対して、さらに、アルミニウム含有化合物0.1〜20重量部、を溶解させた溶液を用いることを特徴とする請求項7または請求項8に記載のシリカ粒体の製造方法。
- 遷移金属及び/または希土類として、少なくともジルコニウムを含むことを特徴とする請求項5、6、8、9のいずれかに記載のシリカ粒体の製造方法。
- アルカリ金属塩及び/またはアルカリ土類金属塩のうち、少なくとも1種がリチウムを含むリチウム塩であることを特徴とする請求項4から請求項10のいずれかに記載のシリカ粒体の製造方法。
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