JP2006306051A - 記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】回転する被記録媒体に体積の異なる2種類以上のインク滴を噴射する際に、着弾位置間の距離を被記録媒体の位置に依らずほとんど同じにする。
【解決手段】光ディスクDは、回転駆動装置3のターンテーブル13上に配置されており、光ディスクDの画像記録面Daの上方には画像記録装置4、データ記録面Dbの下方にはデータ記録装置5がそれぞれ配置されている。画像記録装置4のインクジェットヘッド22はガイド軸23に沿って移動可能となっており、インクジェットヘッド22の下面の平面状のインク噴射面26には、複数のノズルの出射口が光ディスクDの半径方向に一列に形成されている。ガイド軸23は光ディスクDの外周側ほどインク噴射面26と画像記録面Daとの離間距離が小さくなるように傾斜している。データ記録装置5は、光ディスクDの中心に関して画像記録装置4と対角の位置に設けられている。
【選択図】図5

Description

本発明は、平面状の画像記録面を有する記録媒体に画像を記録する記録装置に関する。
CD−R、CD−RWのような記録媒体のデータを記録するデータ記録面とは反対側の画像記録面に画像などを記録する装置として、記録媒体にデータを記録するディスクドライブに、回転している記録媒体にノズルからインク滴を噴射して画像の記録を行うインクジェットヘッドが設けられたものがある。例えば、特許文献1(特表2002−531290号公報)に記載のプリント装置は、ディスクを回転させるロータリーモータと、ラジアル軸上に一列に並んで配置された複数のノズルを備えたインクジェットヘッドとを有している。このプリント装置は、ロータリーモータによりディスクを回転させている間に、インクジェットヘッドを駆動させてインク滴をディスク上に噴射してディスク表面に画像の記録を行う。
特表2002−531290号公報
インクジェットヘッドにおいては、ノズルからインク滴を噴射する際に、メイン液滴に伴ってそれよりも体積が小さいサテライト液滴がノズルからほぼ同時に噴射されることがある。このとき、サテライト液滴は、メイン液滴がディスクの画像記録面に着弾した後に画像記録面に着弾する。また、ディスクが回転すると、ディスクの表面近傍の空気がその粘性によってディスクに追従して画像記録面に沿って移動するため、画像記録面付近にはこれに沿った方向への風(空気流)が発生する。それゆえ、本発明者らの分析によると、特許文献1に記載されているプリント装置のように回転しているディスクにインクジェットヘッドのノズルからインク滴を噴射すると、メイン液滴及びサテライト液滴はこの風によって流されるので、ディスクの画像記録面において、メイン液滴及びサテライト液滴はノズルに対向する位置からずれて着弾する。さらに、このとき、サテライト液滴はメイン液滴よりも体積が小さいため、風によりメイン液滴よりも大きく流されるので、特許文献1に記載されているプリント装置では、メイン液滴とサテライト液滴とでディスクの画像記録面における着弾位置が異なる。さらに、ディスクの回転中心から外側に離れるほど、ディスクの表面付近に発生する風の速度も大きくなるため、画像記録面に着弾するまでにメイン液滴が風に流される距離とサテライト液滴が風に流される距離との差、つまり、メイン液滴とサテライト液滴との着弾位置間の距離が大きくなる。このように体積の異なる2種類のインク滴の着弾位置間の距離がディスクの回転中心からの距離に依存して異なると、画像記録面に記録される画像の画質が低下してしまう虞がある。
本発明の目的は、回転する記録媒体の画像記録面に体積の異なる2種類以上のインク滴が噴射されるときに、これら体積の異なるインク滴の着弾位置間の距離が記録媒体の回転中心から外側に離れるほど大きくなることを抑制することによって、高画質画像の記録が可能となる記録装置を提供することである。
課題を解決するための手段及び発明の効果
本発明の態様に従えば、平面状の画像記録面を有する記録媒体に画像を記録する記録装置であって、前記記録媒体を回転駆動する回転駆動装置と、前記記録媒体の前記画像記録面にインクを噴射する複数のノズルを有するインクジェットヘッドとを備え、前記各ノズルはインクの出射口を有し、前記複数のノズルの出射口の前記画像記録面からの離間距離が前記記録媒体の回転中心から外側に離れるほど小さくなるように、前記複数のノズルの出射口が配置されている記録装置が提供される。
これによると、記録媒体の回転中心から外側に離れるほど、ノズルから噴射されたインク滴が記録媒体の画像記録面に着弾するまでの時間が短くなる。また、上述したように、記録媒体の回転中心から外側に離れるほど記録媒体の表面付近の風速が大きくなる場合であっても、インク滴がノズルから噴射されてから記録媒体の画像記録面に着弾するまでの間に風に流される距離は、インク滴の噴射位置の回転中心からの距離が変わってもほとんど変わらなくなる。したがって、本発明の記録装置によれば、上述したような記録媒体の回転中心から外側に離れるほど、体積の異なる2種類以上のインク滴の記録媒体の画像記録面における着弾位置間の距離が大きくなってしまうという現象を抑制することができる。その結果、高画質画像の記録が可能になる。
本発明の記録装置では、前記インクジェットヘッドは前記複数のノズルの出射口が形成された平面状のインク噴射面を有し、前記インク噴射面の前記画像記録面からの離間距離が前記記録媒体の回転中心から外側に離れるほど小さくなるように、前記インク噴射面が前記画像記録面に対して傾斜し得る。これによると、インク噴射面を記録媒体の画像記録面に対して傾斜させるという簡単な構成で、ノズルの出射口と画像記録面との離間距離を記録媒体の回転中心から外側に離れるほど小さくすることができる。
また、本発明の記録装置では、さらに、前記インクジェットヘッドを支持し且つ前記記録媒体の内側から外側に延在したガイド軸を備え、前記インクジェットヘッドは、前記ガイド軸の延在方向に沿って移動可能に前記ガイド軸に支持されており、前記ガイド軸の前記画像記録面からの離間距離が前記記録媒体の回転中心から外側に離れるほど小さくなるように、前記ガイド軸が前記画像記録面に対して傾斜し得る。これによると、インクジェットヘッドがシリアル式のインクジェットヘッドの場合には、ガイド軸を記録媒体の画像記録面に対して傾斜させるという簡単な構成で、インク噴射面を画像記録面に対して傾斜させることができる。
本発明の記録装置では、前記ガイド軸が前記記録媒体の前記画像記録面に対して0.3度傾斜し得る。
本発明の記録装置では、前記回転駆動装置が、回転速度一定で前記記録媒体を回転駆動し得る。
また、本発明の記録装置では、前記複数のノズルが、前記回転駆動装置の回転駆動中心を通る直線に対して平行であって、且つ、該直線から偏倚した位置に列をなして設けられ得る。本発明の記録装置では、上述のようにノズルの出射口と画像記録面との離間距離が記録媒体の回転中心から外側になるほど小さくなるようにノズルの出射口を配置しているので、記録媒体の画像記録面における体積の異なる2種類以上のインク滴の着弾位置間の距離は画像記録面内の位置に関係なくほぼ一定となる。しかしながら、複数のノズルを記録媒体の回転中心を通る直線に沿って配置する場合、記録媒体の画像記録面付近に発生する風により画像記録面においてインク滴が記録媒体の回転中心から外側に向かう方向(記録媒体の回転中心を通る直線)からわずかにずれて着弾し、記録される画像にわずかな歪みが生じる恐れがある。これに対して、上述のように、ノズルの位置を回転中心を通る直線から偏倚させて配置させると、インク滴が記録媒体の回転中心を通る直線上にほぼ着弾し、画像の歪みを補正することができ、画質を向上させることができる。
また、本発明の記録装置では、インクジェットヘッドは、ノズルから体積の異なる液滴を選択的に噴射可能であり得る。これによると、ノズルから体積の異なる液滴を噴射して液滴階調を行う場合にも、記録媒体の回転中心からの距離に関係なく、体積の異なるインク滴の着弾位置間の距離の変化がほとんどないので、記録媒体の画像記録面に記録される画像の画質が向上する。
また、本発明の記録装置では、複数色のインクを夫々噴射する複数の前記インクジェットヘッドを備え、前記複数のインクジェットヘッドが、前記記録媒体の内側から外側へ並べて配置され得る。これによると、複数色のインク滴をそれぞれ噴射する複数のインクジェットヘッドを用いて、記録媒体の画像記録面にカラー画像を記録する場合にも、体積の異なるインク滴の着弾位置間の距離が記録媒体の回転中心から外側に離れるほど大きくなってしまうことを抑制し、記録媒体内の位置に拘わらず、この着弾位置間の距離をほとんど同じにすることができる。これにより、カラー画像を記録する際に記録媒体内の位置によって体積の異なるインク滴の着弾位置間の距離が異なることにより発生する画像の色むらを抑制することができる。
また、本発明の記録装置では、前記インクジェットヘッドの前記複数のノズルが、互いに異なる色のインクをそれぞれ噴射する複数のグループに分けられており、前記複数のグループは、前記記録媒体の内側から外側へ並べて配置され得る。この場合も、カラー画像を記録する際に、記録媒体の回転中心から外側に離れるほど体積の異なるインク滴の着弾位置間の距離が大きくなってしまうことを抑制し、記録媒体内の位置に拘わらず、この着弾位置間の距離をほとんど同じにすることができ、色むらの発生が抑制される。
本発明の記録装置では、さらに、前記記録媒体の前記画像記録面と反対側に形成されたデータ記録面にデータを記録するデータ記録ヘッドを備え、前記インクジェットヘッドと前記データ記録ヘッドが、前記被記録媒体に対して互いに反対側に配置され得る。これによると、1つの記録装置で記録媒体のデータ記録面へのデータ記録と画像記録面への画像記録の両方を行うことができる。さらに、インクジェットヘッドとデータ記録ヘッドとは、記録媒体に対して互いに反対側に配置されているので、インク滴がデータ記録ヘッドに付着しにくくなる。これにより、データ記録ヘッドが故障しにくくなる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ説明するが、本発明はこれに限定されない。本実施の形態は、本発明の記録装置を、CD−R、CD−RWのような光ディスクにデータの記録を行うためのディスクドライブに適用した一例である。
図1は、本実施の形態に係るディスクドライブ1(記録装置)の外観斜視図である。図1に示すように、ディスクドライブ1の筐体は、いわゆるハーフハイトサイズとなっており、一般的なCD−ROM、CD−R/RWドライブと同じものを使用している。記録媒体である光ディスクDは、例えばCD−R、CD−RWなどであり、一方の表面に画像などを記録するための平面状の画像記録面Da(図2参照)有し、これと反対側の面にはデータを記録するための平面状のデータ記録面Db(図2参照)を有する円形の板状体である。ディスクドライブ1は、この光ディスクDの画像記録面Daに画像を記録し、データ記録面Dbにデータを記録する記録装置である。図1に示すように、ディスクドライブ1には、ディスクドライブ1内に光ディスクDを挿入する、あるいは、ディスクドライブ1内から光ディスクDを取り出すためのローディングトレイ2が設けられている。光ディスクDは、画像記録面Daを上にして(画像記録面Daをローディングトレイ2と対向しない方向に向けて)、ローディングトレイ2に搭載される。
図2は、図1に示すようにローディングトレイ2に光ディスクDが搭載され、ローディントレイ2がディスクドライブ1内に挿入されたときのディスクドライブ1内の概略斜視図である。図2に示すように、ディスクドライブ1内において光ディスクDは、回転駆動装置3に装着されている。このとき、光ディスクDの画像記録面Daの上方にはインクジェットヘッド22を有する画像記録装置4が配置され、インクジェットヘッド22のインク噴射面26(図5参照)と画像記録面Daとが対向している。また、光ディスクDのデータ記録面Dbの下方には、データ記録ヘッド32を有するデータ記録装置5が配置され、データ記録ヘッド32のレーザ出射面34(図5参照)とデータ記録面Dbとが対向している。そして、データ記録装置5は、光ディスクDに対して画像記録装置4と反対側、つまり、光ディスクDの中心に対して画像記録装置4と対角の位置にデータ記録装置5が配置されている。すなわち、インクジェットヘッド22とデータ記録ヘッド32とが光ディスクDの回転中心に対して互いに点対称に配置されている。なお、図2においては、回転駆動装置3の一部の図示を省略している。
回転駆動装置3について図3を用いて説明する。図3は、図2の回転駆動装置3の側面図である。回転駆動装置3は、光ディスクDを回転駆動する装置であり、図3に示すように、支持部材11の上面にスピンドルモータ12が配置されている。スピンドルモータ12はその上端部に上方向に延びた回転軸12aを有し、回転軸12aの上端にはターンテーブル13が設けられており、ターンテーブル13は、その上面が円形の平面状であり且つ回転軸12aに垂直になるように設置されている。光ディスクDはこのターンテーブル13の上面に画像記録面Daが上になるように配置される(データ記録面Db側がターンテーブル13の上面と対向するように配置される)。さらに、光ディスクDの上面(画像記録面Da)には、下面が円形の平面状であるクランパ14が配置され、光ディスクDは、ターンテーブル13とクランパ14とにより挟持される。ここで、ターンテーブル13には永久磁石が内蔵されており、また、クランパ14には鉄片が内蔵されている。それゆえ、ローディングトレイ2がディスクドライブ1内に挿入されたときには、クランパ14は磁気力によりターンテーブル13に引き寄せられて光ディスクDの上面に移動し、光ディスクDをターンテーブル13とクランパ14とで挟持する。そして、回転駆動装置3がスピンドルモータ12の回転軸12aを回転させて、ターンテーブル13及びクランパ14を回転させることにより、これらに挟持された光ディスクDを回転駆動する。
次に、画像記録装置4について図2、図4及び図5を用いて説明する。図4は図2に描かれた画像記録装置4及びデータ記録装置5の平面図であり、図5は図2に描かれた画像記録装置4及びデータ記録装置5の側面図である。但し、図4、図5では、回転駆動装置3の一部のみを図示している。
図2、図4及び図5に示すように、画像記録装置4は、インクジェットヘッド22を含むキャリッジ21、キャリッジ21を支持する2本のガイド軸23、インク供給チューブ24及びFFC(フレキシブルフラットケーブル)25を有する。キャリッジ21はインクジェットヘッド22と共に、2本のガイド軸23に沿って移動可能に支持されている。2本のガイド軸23は、互いに平行に配置された円柱形の棒状体であり、光ディスクDの半径方向に延びている。そして、2本のガイド軸23は、光ディスクDの回転中心から外側に離れた位置にあるほど光ディスクDの画像記録面Daとの離間距離が小さくなるように、画像記録面Daに対して傾斜して配置されている。
インクジェットヘッド22は、シリアル式のインクジェットヘッドであり、光ディスクDの画像記録面Daにインク滴を噴射する複数のノズル27を有している。インクジェットヘッド22の下面(光ディスクD側の面)は、ガイド軸23の延在方向に平行な平面状のインク噴射面26となっており、インク噴射面26には多数のノズル27の出射口が光ディスクDの半径方向(回転駆動装置の回転駆動中心を通る直線方向)に沿って一列に形成されている。なお、図4では、図面を簡略化するために多数のノズル27のうち12個だけを示している。
本実施の形態では、上述のように、インクジェットヘッド22のインク噴射面26はガイド軸23の延在方向に平行になっており、ガイド軸23が傾斜しているので、インク噴射面26と画像記録面Daとの離間距離が光ディスクDの回転中心から外側に離れるほど小さくなるように、インク噴射面26は光ディスクDの画像記録面Daに対して傾斜している。これにより、インク噴射面26に設けられた複数のノズル27の出射口も光ディスクDの回転中心から外側に離れるほど光ディスクDの画像記録面Daからの離間距離が小さくなるように配置される。
本実施の形態では、インクジェットヘッド22がガイド軸23に沿って光ディスクDの回転中心との距離が最も小さくなる位置(最内周位置)まで移動した際に、光ディスクDの回転中心との距離が最も小さくなるインク噴射面26の位置(図5のインク噴射面26の右端)におけるインク噴射面26と光ディスクDの画像記録面Daとの離間距離が1.2mmとなるように設定した。また、インクジェットヘッド22がガイド軸23に沿って光ディスクDの回転中心との距離が最も大きくなる位置(最外周位置)まで移動した際に、光ディスクDの回転中心との距離が最も大きくなるインク噴射面26の位置(図5のインク噴射面26の左端)におけるインク噴射面26と光ディスクDの画像記録面Daとの離間距離が0.8mmになるように設定した。なお、後述するように、本実施の形態のディスクドライブ1では、インクジェットヘッド22を光ディスクDの最内周位置まで移動させた際の光インクジェットヘッド22の最内周側のノズル位置(半径位置)は光ディスクDの中心から42mmであり、インクジェットヘッド22を光ディスクDの最外周位置まで移動させた際の光インクジェットヘッド22の最外周側のノズル位置は光ディスクD中心から118mmである。それゆえ、上記インクジェットヘッド22が最内周位置及び最外周位置に移動した際のインク噴射面26と画像記録面Daとの離間距離及びノズル位置の関係から、本実施の形態のディスクドライブにおけるガイド軸の光ディスクDの画像記録面Daに対する傾斜角を求めると、約0.3度となる。
インク供給チューブ24はインクジェットヘッド22と図示しないインクタンクとを接続しており、インク供給チューブ24を介して、インクタンクからインクジェットヘッド22にインクが供給される。FFC25はインクジェットヘッド22の図示しないアクチュエータに接続されており、FFC25の上方に設けられた図示しないドライバICからアクチュエータに駆動電圧が印加される。そして、インクジェットヘッド22は、アクチュエータに駆動電圧を印加して複数のノズル27の各々に連通した図示しない圧力室に圧力を付与することによりノズル27からインク滴を噴射する。このように、インクジェットヘッド22は、ノズル27から画像記録面Daにインク滴を噴射しながら、ガイド軸23に沿って光ディスクDの半径方向に移動することにより画像の記録を行う。なお、インクジェットヘッドの位置制御はディスクドライブ1内の図示しないエンコーダにより制御される。
次に、データ記録装置5について図2、図4及び図5を用いて説明する。データ記録装置5は、図2、図4及び図5に示すように、キャリッジ31と、2本のガイド軸33とを有する。キャリッジ31はデータ記録ヘッド32を有し、データ記録ヘッド32と共に2本のガイド軸33に支持されており、ガイド軸33の延在方向に沿って移動可能に支持されている。データ記録ヘッド32の上面(光ディスクDのデータ記録面Dbと対向する面)は、データ記録面Dbに平行なレーザ出射面34となっており、レーザ出射面34からデータ記録面Dbにレーザ光線を照射することが可能となっている。2本のガイド軸33は、互いに平行に並んだ円柱形の棒状体であり、光ディスクDの内側から外側、つまり、光ディスクDの半径方向に延びており、データ記録面Dbに平行に配置されている。データ記録ヘッド32は、ガイド軸33に沿って光ディスクDの半径方向に移動しながら、レーザ出射面34からデータ記録面Dbにレーザ光線を照射してデータの記録を行う。なお、画像記録装置4により光ディスクDの画像記録面Daへ画像を記録した後、データ記録装置5によりデータ記録面Dbへのデータの記録を行うと、画像記録面Daに付着したインク滴により光ディスクDの重心位置にずれが生じ、これによりデータ記録の際に書き込みエラーなどが発生する虞がある。それゆえ、データ記録装置5によるデータ記録面Dbへのデータの書き込みは、画像記録装置4による画像記録面Daへの画像の記録の前に行うことが好ましい。
ここで、インクジェットヘッド22のノズル27から光ディスクDの画像記録面Daに噴射されるインク滴について図6及び13を用いて説明する。図6は、本実施の形態のディスクドライブ1を用いてノズル27からインクを噴射した場合の画像記録面Daにおける着弾したインク滴の着弾位置を表している。また、図13は、従来のディスクドライブ、すなわち、インクジェットヘッドのインク噴射面と光ディスクDの画像記録面Daとが平行であるディスクドライブを用いてインクを噴射した場合の画像記録面Daにおける着弾したインク滴の着弾位置を表している。なお、図6及び13の二点鎖線は、ノズル27からインク滴を噴射したときのインクジェットヘッド22の位置を示している。また、図6及び13の直線L1は、光ディスクDの中心を通る直線であり、複数のノズル27はこの直線上に配置されている。また、図6及び13中の矢印AR1は光ディスクDの回転方向を示している。
ノズル27からインク滴を噴射したとき、噴射されたインク滴は柱状になり、尾を引く形で飛翔し、この飛翔するインク滴の先頭部分と後尾部分との間に速度差が生ずる。そのため、先行するインク滴であるメイン液滴Mに付随して、メイン液滴よりも体積の小さいインク滴であるサテライト液滴Sが発生する。このとき、光ディスクDは回転しているため、画像記録面Da近傍の空気がその粘性によって光ディスクDに追従して画像記録面Daに沿って移動する。すなわち、画像記録面Da付近では、この面に平行で光ディスクDの回転方向(図6及び13中の矢印AR1方向)に風が発生している。したがって、メイン液滴M及びサテライト液滴Sはこの風により光ディスクDの回転方向に流される。このため、メイン液滴M及びサテライト液滴Sの画像記録面Daにおける実際の着弾位置が、設計着弾位置(各ノズル27の出射口をインク噴射面26に直交する方向から光ディスクDの画像記録面Daに射影した点の位置(図6及び13中の直線L1上の位置))から、光ディスクDの回転方向にずれる。サテライト液滴Sはメイン液滴Mより重量が小さいので、サテライト液滴Sに働く慣性力がメイン液滴Mのそれより小さくなる。それゆえ、上記着弾位置のずれ量は、サテライト液滴Sの方が、メイン液滴Mよりも大きくなる。
また、風速は光ディスクDの外縁に近づくほど大きいので、従来のディスクドライブのようにインクジェットヘッド22のインク噴射面26と光ディスクDの画像記録面Daとが平行である場合、メイン液滴M及びサテライト液滴Sの着弾位置のずれ量は、図13に示すように、光ディスクDの外縁に近づくほど大きくなる。すなわち、従来のディスクドライブでは、光ディスクDの外縁付近でのメイン液滴Mの着弾位置のずれ量D1は、光ディスクDの回転中心と外縁との中央付近でのメイン液滴Mの着弾位置のずれ量D2よりも大きく(D1>D2)、かつ、光ディスクDの外縁付近でのサテライト液滴Sの着弾位置のずれ量D3(D3>D1)は、光ディスクDの回転中心と外縁との中央付近でのサテライト液滴Sの着弾位置のずれ量D4(D4>D2)よりも大きい(D3>D4)。
これに対して、本実施の形態のディスクドライブ1のように光ディスクDの外縁に近づくほどインジェットヘッド22のインク噴射面26と光ディスクDの画像記録面Daとの離間距離が小さくなっている場合、光ディスクDの外縁により近い位置にあるノズル27から噴射されたインク滴ほど、その飛翔時間が短くなるため、画像記録面Da付近に発生している風に流される距離も小さくすることができる。それゆえ、インク噴射面26の画像記録面Daに対する傾斜角を適宜調整することにより、メイン液滴M及びサテライト液滴Sの着弾位置のずれ量を、図6に示すように、光ディスクD内の位置に関係なく均一にすることができる。すなわち、光ディスクDの外縁付近でのメイン液滴Mの着弾位置のずれ量D1を、光ディスクDの回転中心と外縁との中央付近でのメイン液滴Mの着弾位置のずれ量D2とほとんど同じにすることができ(D1≒D2)、かつ、光ディスクDの外縁付近でのサテライト液滴Sの着弾位置のずれ量D3(D3>D1)を、光ディスクDの回転中心と外縁との中央付近でのサテライト液滴Sの着弾位置のずれ量D4(D4>D2)とほとんど同じにすることができる(D3≒D4)。言い換えると、1つのノズル27からほぼ同時に噴射されたメイン液滴Mとサテライト液滴Sとの着弾位置間の距離が、光ディスクD内のどの位置においてもほとんど同じにすることができる。
ここで、本実施の形態のディスクドライブ1を用いた場合の光ディスクDの画像記録面Daにおけるメイン液滴Mとサテライト液滴Sとの着弾位置のずれ量の関係を数値解析により調べた。その結果を表1に示した。なお、比較のために、従来のディスクドライブ(インク噴射面26が画像記録面Daと平行である装置)を用いた場合の解析結果も表2に示した。表1及び2は、インクジェットヘッド22が光ディスクDの最内周位置にある場合及び最外周位置にある場合のそれぞれにおいて、光ディスクDの回転中心に最も近い位置にあるノズル27及び光ディスクDの回転中心から最も遠い位置にあるノズル27からインクを噴射した際のメイン液滴M及びサテライト液滴Sの着弾位置の設計着弾位置からのずれ量を表したものである。なお、表2は、インク噴射面26と画像記録面Daとの離間距離を1.0mmとした場合の結果である。
表1及び2には、光ディスクDの回転中心に最も近い位置にあるノズル27と光ディスクDの回転中心との平面視での距離Xi、その位置における風速Vi、並びに、光ディスクDの回転中心に最も近い位置にあるノズル27からインク滴を噴射した際の、メイン液滴Mのインク滴を噴射した位置からのずれ量Aim、サテライト液滴Sのインク滴を噴射した位置からのずれ量Ais及びメイン液滴Mとサテライト液滴Sとの着弾位置間の距離Aidを示した。さらに、表1及び2には、光ディスクDの回転中心から最も遠い位置にあるノズル27と光ディスクDの回転中心との平面視での距離Xo、その位置における風速Vo、並びに、光ディスクDの回転中心に最も遠い位置にあるノズル27からインク滴を噴射した際の、メイン液滴Mのインク滴を噴射した位置からのずれ量Aom、サテライト液滴Sのインク滴を噴射した位置からのずれ量Aos及びメイン液滴Mとサテライト液滴Sとの着弾位置間の距離Aodを示した。
なお、数値解析の条件は、光ディスクDの外径を120mmとし、光ディスクDの回転速度を角速度ωにおいて約9.2rad/sで一定とした。また、本実施の形態の記録装置におけるインクジェットヘッド22の光ディスクDに対する傾斜角は上述のように約0.3度となるように設定した。なお、メイン液滴Mの噴射速度は8m/s、メイン液滴Mの体積は5pl、サテライト液滴Sの噴射速度は7m/s、そして、サテライト液滴Sの体積は、1plとした。











Figure 2006306051
Figure 2006306051
本実施の形態の場合、表1より明らかなように、インクジェットヘッド22が最内周位置にある場合の光ディスクDの回転中心に最も近い位置にあるノズル27及び光ディスクDの回転中心から最も遠い位置にあるノズル27から噴射されたメイン液滴Mとサテライト液滴Sとの着弾位置間の距離Aid及びAodは、それぞれ、28μm及び31μmとなっており、また、インクジェットヘッド22が最外周位置にある場合のメイン液滴Mとサテライト液滴Sとの着弾位置間の距離Aid及びAodは、それぞれ30μm及び29μmとなっている。一方、従来のディスクドライブようにインク噴射面26と画像記録面Daとを平行にした場合、表2より明らかなように、インクジェットヘッド22が最内周位置にある場合のメイン液滴Mとサテライト液滴Sとの着弾位置間の距離Aid及びAodは、それぞれ、17μm及び24μmとなっており、インクジェットヘッド22が最外周位置にある場合のメイン液滴Mとサテライト液滴Sとの着弾位置間の距離Aid及びAodは、それぞれ38μm及び49μmとなっている。これらの結果から、本実施の形態のディスクドライブ1を用いた場合には、光ディスクD内の位置に依らずメイン液滴Mとサテライト液滴Sとの着弾位置間の距離がほとんど同じになっていることがわかる。
上述のように、本実施の形態のディスクドライブでは、メイン液滴Mとサテライト液滴Sとの着弾位置間の距離が光ディスクD内の位置に拘わらずほとんど同じであるので、印刷される画像にノイズが少なくなり画質が向上する。
また、本実施の形態のインクジェットヘッド22は、画像の記録を行う部分の面積にあわせて、ノズル27から体積の異なるインク滴を同時に噴射させて液滴階調を行うことが可能となっている。ここでは、2種類の異なる体積を有するインク滴(大玉液滴Lと小玉液滴N)を同時に且つ選択的に噴射して液滴階調を行う場合のインク滴の着弾位置について説明する。本実施の形態のディスクドライブを用いて2種類の異なる体積を有するインク滴(大玉液滴Lと小玉液滴N)を光ディスクDの画像記録面Daに噴射した際の大玉液滴Lと小玉液滴Nの着弾位置の関係を図7に示した。また、従来のディスクドライブ(インク噴射面26と画像記録面Daとが平行である装置)を用いて2種類の異なる体積を有するインク滴(大玉液滴Lと小玉液滴N)を光ディスクDの画像記録面Daに噴射した際の大玉液滴Lと小玉液滴Nの着弾位置の関係を図14に示した。なお、図7及び14中の二点鎖線は、ノズル27からインク滴を噴射したときのインクジェットヘッド22の位置を示している。また、図7及び14中の直線L1は、光ディスクDの中心を通る直線であり、複数のノズル27はこの直線上に配置されている。また、図7及び14中の矢印AR1は光ディスクDの回転方向を示している。
ノズル27から大玉液滴L及び小玉液滴Nを同時に噴射する場合、光ディスクDは回転しているので、前述の場合と同様(ノズルからメイン液滴とサテライト液滴とが噴射される場合で説明したように)、光ディスクDの画像記録面Da近傍の空気がその粘性によって光ディスクDに追従して画像記録面Daに沿って移動し、画像記録面Da付近に風が発生する。したがって、ノズル27から大玉液滴L及び小玉液滴Nを同時に噴射する場合もまた、大玉液滴L及び小玉液滴Nはこの風により光ディスクDの回転方向に流される。このため、大玉液滴L及び小玉液滴Nの画像記録面Daにおける着弾位置が、設計着弾位置から、光ディスクDの回転方向にずれる。小玉液滴Nは大玉液滴Lより重量が小さいので、小玉液滴Nに働く慣性力が大玉液滴Lのそれより小さくなる。それゆえ、上記着弾位置のずれ量は、小玉液滴Nの方が、大玉液滴Lよりも大きくなる。
また、画像記録面Da付近に発生する風の速度は光ディスクDの外縁に近づくほど大きいので、従来のディスクドライブのようにインクジェットヘッド22のインク噴射面26と光ディスクDの画像記録面Daとが平行である場合、大玉液滴L及び小玉液滴Nの着弾位置のずれ量は、図14に示すように、光ディスクDの外縁に近づくほど大きくなる。すなわち、従来のディスクドライブでは、光ディスクDの外縁付近での大玉液滴Lの着弾位置のずれ量D5は、光ディスクDの回転中心と外縁との中央付近での大玉液滴Lの着弾位置のずれ量D6よりも大きく(D5>D6)、かつ、光ディスクDの外縁付近での小玉液滴Nの着弾位置のずれ量D7(D7>D5)は、光ディスクDの回転中心と外縁との中央付近での小玉液滴Nの着弾位置のずれ量D8(D8>D6)よりも大きい(D7>D8)。
これに対して、本実施の形態のディスクドライブのように光ディスクDの外縁に近づくほどインジェットヘッド22のインク噴射面26と光ディスクDの画像記録面Daとの離間距離が小さくなっている場合、光ディスクDの外縁により近い位置にあるノズル27から噴射されたインク滴ほど、その飛翔時間が短くなるため、画像記録面Da付近に発生している風に流される距離も小さくすることができる。それゆえ、インク噴射面26の画像記録面Daに対する傾斜角を適宜調整することにより、大玉液滴L及び小玉液滴Nの着弾位置のずれ量は、図7に示すように、光ディスクD内の位置に関係なく均一にすることができる。すなわち、光ディスクDの外縁付近での大玉液滴Lの着弾位置のずれ量D5を、光ディスクDの回転中心と外縁との中央付近での大玉液滴Lの着弾位置のずれ量D6とほとんど同じにすることができ(D5≒D6)、かつ、光ディスクDの外縁付近での小玉液滴Nの着弾位置のずれ量D7(D7>D5)を、光ディスクDの回転中心と外縁との中央付近での小玉液滴Nの着弾位置のずれ量D8(D8>D6)とほとんど同じにすることができる(D7≒D8)。言い換えると、1つのノズル27からほぼ同時に噴射された大玉液滴Lと小玉液滴Nとの着弾位置間の距離が、光ディスクD内のどの位置においてもほとんど同じにすることができる。
ここで、本実施の形態のディスクドライブ1を用いた場合の光ディスクDの画像記録面Daにおける大玉液滴Lと小玉液滴Nとの着弾位置のずれ量の関係を数値解析により調べた。その結果を表3に示した。なお、比較のために、従来のディスクドライブ(インク噴射面26が画像記録面Daと平行である装置)を用いた場合の解析結果も表4に示した。表3及び4は、インクジェットヘッド22が光ディスクDの最内周位置にある場合及び最外周位置にある場合のそれぞれにおいて、光ディスクDの回転中心に最も近い位置にあるノズル27及び光ディスクDの回転中心から最も遠い位置にあるノズル27からインクを噴射した際の画像記録面Daにおける大玉液滴L及び小玉液滴Nの着弾位置の設計着弾位置からのずれ量を表したものである。なお、表4は、インク噴射面26と画像記録面Daとの離間距離を1.0mmとした場合の結果である。
表3及び4には、光ディスクDの回転中心に最も近い位置にあるノズル27と光ディスクDの回転中心との平面視での距離Xi、その位置における風速Vi、並びに、光ディスクDの回転中心に最も近い位置にあるノズル27からインク滴を噴射した際の、大玉液滴Lのインク滴を噴射した位置からのずれ量Ail、小玉液滴Nのインク滴を噴射した位置からのずれ量Ain及び大玉液滴Lと小玉液滴Nとの着弾位置間の距離Aieを示した。さらに、表3及び4には、光ディスクDの回転中心から最も遠い位置にあるノズル27と光ディスクDの回転中心との平面視での距離Xo、その位置における風速Vo、並びに、光ディスクDの回転中心に最も遠い位置にあるノズル27からインク滴を噴射した際の、大玉液滴Lのインク滴を噴射した位置からのずれ量Aol、小玉液滴Nのインク滴を噴射した位置からのずれ量Aon及び大玉液滴Lと小玉液滴Nとの着弾位置間の距離Aoeを示した。
なお、大玉液滴L及び小玉液滴Nを同時に噴射する場合の数値解析の条件は、光ディスクDの外径を120mmとし、光ディスクDの回転速度を角速度ωにおいて約9.2rad/sで一定とした。また、本実施の形態の記録装置におけるインクジェットヘッド22の光ディスクDに対する傾斜角は上述のように約0.3度となるように設定した。なお、大玉液滴L及び小玉液滴Nの噴射速度は8m/s、大玉液滴Lの体積は5pl、そして、小玉液滴Nの体積は、1.5plとした。













Figure 2006306051
Figure 2006306051
本実施の形態の場合、表3より明らかなように、インクジェットヘッド22が最内周位置にある場合の光ディスクDの回転中心に最も近い位置にあるノズル27及び光ディスクDの回転中心から最も遠い位置にあるノズル27から噴射された大玉液滴Lと小玉液滴Nとの着弾位置間の距離Aie及びAoeは、それぞれ10μm及び11μmとなっており、また、インクジェットヘッド22が最外周位置にある場合の大玉液滴Lと小玉液滴Nとの着弾位置間の距離Aie及びAoeは、それぞれ11μm及び11μmとなっている。一方、従来のディスクドライブようにインク噴射面26と画像記録面Daとを平行にした場合、表4より明らかなように、インクジェットヘッド22が最内周位置にある場合の大玉液滴Lと小玉液滴Nとの着弾位置間の距離Aie及びAoeは、それぞれ6μm及び9μmとなっており、また、インクジェットヘッド22が最外周位置にある場合の大玉液滴Lと小玉液滴Nとの着弾位置間の距離Aie及びAoeはそれぞれ14μm及び18μmとなっている。これらの結果から、本実施の形態のディスクドライブ1を用いた場合には、光ディスクD内の位置に依らず大玉液滴Lと小玉液滴Nとの着弾位置間の距離がほとんど同じになっていることがわかる。
上述のように、本実施の形態のディスクドライブでは、大玉液滴Lと小玉液滴Nとの着弾位置間の距離が光ディスクD内の位置に拘わらずほとんど同じであるので、印刷される画像にノイズが少なくなり画質が向上する。
なお、本実施の形態のディスクドライブ1(記録装置)では、光ディスクDの画像記録面に記録される画像の色の濃度を均一にするために、インクジェットヘッド22の半径位置に応じてノズルからの噴射回数を調整することが可能である。これにより、光ディスクDの画像記録面における単位面積当たりのインク着弾量を均一にして色の濃度を均一にすることができる。具体的には、光ディスクDの内周側に位置するノズルほど噴射回数を少なくする(噴射回数を間引く)。なお、体積の異なるインク滴(例えば、大玉液滴、小玉液滴等)を同時に噴射させて液滴階調を行う場合には、各液滴のサイズを調整して画像記録面の単位面積当たりのインク着弾量が均一になるようにしても良い。
また、上記本実施の形態では、光ディスクの回転速度を一定にして画像を記録する装置について説明したが、本発明はこれに限定されず、インクジェットヘッドの半径位置に応じて光ディスクの回転速度を変化させて線速度を一定にするように制御する場合(例えば、光ディスクをCLV制御するような場合)にも適用可能である。その場合には、例えば、インクジェットヘッドの半径位置に応じてインクの液滴速度、噴射タイミング等を調整することにより画像のノイズ、色むら等を抑制することができる。
以上説明した実施の形態によると、インクジェットヘッド22のインク噴射面26に形成された複数のノズル27の出射口は、光ディスクDの回転中心から外側に離れるほど、つまり、光ディスクDの外縁に近いほど、光ディスクDの画像記録面Daからの離間距離が小さくなるように配置されているため、光ディスクD内の位置に依らずメイン液滴Mとサテライト液滴Sとの着弾位置間の距離がほとんど同じになるので、画像記録面Daに記録される画像の画質が向上する。
このとき、複数のノズル27の出射口は、インクジェットヘッド22の平面状のインク噴射面26に形成されているので、インク噴射面26の画像記録面Daからの離間距離が光ディスクDの外縁に向かって小さくなるようにインク噴射面26を画像記録面Daに対して傾斜させることにより、複数のノズル27の出射口を、光ディスクDの回転中心から外側に離れるほど画像記録面Daとの離間距離が小さくなるように容易に配置することができる。
さらに、インクジェットヘッド22のインク噴射面26は、ガイド軸23に平行に配置されているため、ガイド軸23を、光ディスクDの回転中心から外側に離れるほどガイド軸23の画像記録面Daからの離間距離が小さくなるように画像記録面Daに対して傾斜させることにより、インク噴射面26を画像記録面Daに対して容易に傾斜させることができる。
また、インクジェットヘッド22のノズル27から大玉液滴L及び小玉液滴Nを選択的に噴射して液滴階調を行った場合、光ディスクDの回転中心から外側に離れるほどノズル27と画像記録面Daとの離間距離が小さくなっているため、光ディスクD内の位置に依らず、大玉液滴Lと小玉液滴Nとの着弾位置間の距離がほとんど同じになるので、画像記録面Daに記録される画像にノイズが少なくなり画質が向上する。
また、ディスクドライブ1は、画像記録装置4とデータ記録装置5とを備えているため、1つの装置で光ディスクDの画像記録面Daへの画像の記録、及び、データ記録面Dbへのデータの記録の両方を行うことができる。さらに、上述のように、画像記録装置4のインクジェットヘッド22を画像記録面Daの上方に配置し、データ記録装置5のデータ記録ヘッド31を画像記録面Daと反対側のデータ記録面Dbの下方に配置し、且つ、両者を光ディスクDの中心に関して対角の位置に配置しているので、ノズル27から噴射されたインク滴がデータ記録ヘッド31に付着しにくくなる。これにより、データ記録ヘッド31が故障しにくくなる。
次に本実施の形態に種々の変更を加えた変形例について説明する。但し、本実施の形態と同様の構成を有するものについては同一の符号を付し適宜説明を省略する。
図8に示すように、ガイド軸43が光ディスクDの画像記録面Daに平行に配置されており、インクジェットヘッド41のインク噴射面42が画像記録面Daに対して光ディスクDの外周側ほどインク噴射面42と画像記録面Daとの離間距離が小さくなるように傾斜していてもよい(変形例1)。この場合でも、上記で説明した本実施の形態と同様に、光ディスクDの回転中心から外側に離れるほどインク噴射面42に設けられたノズル27の出射口と画像記録面Daとの離間距離が小さくなるため、光ディスクD内の位置に依らず、画像記録面Daにおけるメイン液滴Mとサテライト液滴Sとの着弾位置間の距離をほとんど同じにすることができ、また、液滴階調を行ったときの大玉液滴Lと小玉液滴Nとの着弾位置間の距離もほとんど同じにすることができる。それゆえ、光ディスクDの画像記録面Daに記録された画像の画質を向上させることができる。
なお、上記変形例1では、インクジェットヘッド41の半径位置に関係なくインクジェットヘッド41のインク噴射面42と光ディスクDの画像記録面Daとの位置関係(離間距離)が同じになるので、変形例1のディスクドライブは、インクジェットヘッド41の半径位置に応じて光ディスクDの回転速度を変化させて線速度が一定になるように制御して画像を記録する場合(光ディスクをCLV制御するような場合)に好適である。また、変形例1のディスクドライブは、上記実施の形態と同様に、光ディスクの回転速度を一定にして画像を記録する場合(光ディスクをCAV制御するような場合)にも適用可能であり、この場合には、例えば、インクジェットヘッド41の半径位置に応じてインクの液滴速度、噴射タイミング等を調整することにより、画像のノイズ、色むら等を抑制することができる。
インクジェットヘッドのインク噴射面に形成された複数のノズルが回転駆動装置の回転駆動中心を通る直線に対して平行であって、且つ、その直線から偏倚した位置に列をなして形成されていてもよい(変形例2)。つまり、図9に示すように、インクジェットヘッド51のインク噴射面に形成された複数のノズル52が、平面視で光ディスクDの半径方向を示す直線L1(回転駆動装置の回転駆動中心を通る直線)に平行で且つ光ディスクDの回転方向AR1の後ろ側(上流側、図9上では左側)に偏倚した直線L2上に一列に並ぶように配置されてもよい。上述の実施の形態のように上述のインク噴射面26を光ディスクDの画像記録面Daに対して傾斜させると、光ディスクD内の位置に依らず、体積の異なるインク滴の着弾位置間の距離をほとんど同じにすることはできる。しかしながら、複数のノズル27が光ディスクD半径方向に沿って一列に並んでいると(図9中の直線L1上に並んでいると)、複数のノズル27から同時に噴射された複数のインク滴が、画像記録面Daに着弾したときに、インク滴の列が半径方向からわずかにずれた方向に並んでしまうため(光ディスクDの中心を通る直線上からずれて並ぶため)、記録された画像にわずかな歪みが生じる恐れがある。それに対して、図9に示すように、ノズル52の位置を光ディスクDの半径方向を示す直線L1から偏倚させることにより、メイン液滴Mが光ディスクDの半径方向に平行な直線L1に沿って着弾し、サテライト液滴Sも非常に直線L1に近い位置に着弾するようになる。それゆえ、画像の歪みが補正され、画像記録面Daに記録される画像の画質をより向上させることができる。
また、画像記録装置のキャリッジが、複数色のインク滴をそれぞれ噴射する複数のインクジェットヘッドを備えており、これらのインクジェットヘッドを、光ディスクDの内側から外側、つまり、光ディスクDの回転中心から外縁に向かって並べて配置してもよい(変形例3)。例えば、図10に示すように、キャリッジ60に複数のノズル62(図10ではそのうちの3つを示している)を有する4つのインクジェットヘッド61が光ディスクDの半径方向に並べて設けられており、これら4つのインクジェットヘッド61が光ディスクDの内側に配置されたものから順に、それぞれ、ブラック(K)、シアン(C)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)のインク滴を噴射するように構成されていてもよい。
このように複数色のインクを用いると、光ディスクの画像記録面にカラーの画像の記録を行うことが可能であるが、複数色のインクを用いて画像の記録を行う場合、光ディスクD内の位置によって、体積の異なるインク滴の着弾位置間の距離が異なってしまうと、画像記録面Daに記録された画像に色むらが発生してしまう。しかしながら、本発明の記録装置では、上述のように、光ディスクD内の位置に拘わらず画像記録面Daにおける体積の異なるインク滴の着弾位置間の距離をほとんど同じにすることができるので、このような色むらの発生を抑制することができる。
また、複数色のインク滴を噴射する画像記録装置としては、図10のように複数のインクジェットヘッド61を設ける構成に限らず、例えば、図11のように1つのインクジェットヘッド70のインク噴射面に形成された複数のノズル71がブラック(K)、シアン(C)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)の4色のインク滴を噴射する4つのグループに分割されており、これら4つのグループが光ディスクDの半径方向の内側から外側にこの順に並べて配置されていてもよい(変形例4)。
以上の説明においては、シリアル式のインクジェットヘッドについて説明したが、これに限られず、図12に示すように光ディスクDの画像記録面Daの上方にライン式のインクジェットヘッド80が配置されていてもよい(変形例5)。この場合、インクジェットヘッド80を画像記録面Daに対して傾斜させて配置し、光ディスクDの中心から外側に向かうほど、インクジェットヘッド80のインク噴射面と光ディスクDの画像記録面Daとの離間距離が小さくなるようにすればよい。
また、以上の説明においては、円形の光ディスクDの画像記録面Daに画像を記録するディスクドライブについて説明したが、これに限られず、例えば、平面状の画像記録面を有する円形以外の記録媒体に画像を記録することも可能である。また、データ記録装置5が設けられていなくてもよい。
さらに、以上の説明においては、ノズルから2種類の体積の異なるインク滴を噴射する場合について説明したが、これに限られず、ノズルから3種類以上の体積が異なるインク滴が噴射されていてもよい。この場合であっても本発明は有効である。
図1は、本発明の実施の形態に係るディスクドライブの外観斜視図である。 図2は、図1のローディングトレイがディスクドライブ内に挿入されたときの内部の状態を表す概略斜視図である。 図3は、図2の回転駆動装置の側面図である。 図4は、図2の画像記録装置及びデータ記録装置の平面図である。 図5は、図2の画像記録装置及びデータ記録装置の側面図である。 図6は、本発明の実施の形態の記録装置でインク滴を記録媒体に噴射した際のメイン液滴とサテライト液滴の着弾位置の関係を表した平面図である。 図7は、本発明の実施の形態の記録装置でインク滴を記録媒体に噴射した際の大玉液滴と小玉液滴の着弾位置の関係を表した平面図である。 図8は、変形例1の画像記録装置及びデータ記録装置の側面図である。 図9は、変形例2の画像記録装置及びデータ記録装置の平面図である。 図10は、変形例3の画像記録装置及びデータ記録装置の平面図である。 図11は、変形例4の画像記録装置及びデータ記録装置の平面図である。 図12は、変形例5の画像記録装置及びデータ記録装置の平面図である。 図13は、従来の記録装置でインク滴を記録媒体に噴射した際のメイン液滴とサテライト液滴の着弾位置の関係を表した平面図である。 図14は、従来の記録装置でインク滴を記録媒体に噴射した際の大玉液滴と小玉液滴の着弾位置の関係を表した平面図である。
符号の説明
1 ディスクドライブ
2 回転駆動装置
22 インクジェットヘッド
23 ガイド軸
26 インク噴射面
27 ノズル
31 データ記録ヘッド
52 ノズル
61 インクジェットヘッド




Claims (10)

  1. 平面状の画像記録面を有する記録媒体に画像を記録する記録装置であって、
    前記記録媒体を回転駆動する回転駆動装置と、
    前記記録媒体の前記画像記録面にインクを噴射する複数のノズルを有するインクジェットヘッドとを備え、
    前記各ノズルはインクの出射口を有し、前記複数のノズルの出射口の前記画像記録面からの離間距離が前記記録媒体の回転中心から外側に離れるほど小さくなるように、前記複数のノズルの出射口が配置されていることを特徴とする記録装置。
  2. 前記インクジェットヘッドは前記複数のノズルの出射口が形成された平面状のインク噴射面を有し、前記インク噴射面の前記画像記録面からの離間距離が前記記録媒体の回転中心から外側に離れるほど小さくなるように、前記インク噴射面が前記画像記録面に対して傾斜していることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  3. さらに、前記インクジェットヘッドを支持し且つ前記記録媒体の内側から外側に延在したガイド軸を備え、
    前記インクジェットヘッドは、前記ガイド軸の延在方向に沿って移動可能に前記ガイド軸に支持されており、前記ガイド軸の前記画像記録面からの離間距離が前記記録媒体の回転中心から外側に離れるほど小さくなるように、前記ガイド軸が前記画像記録面に対して傾斜していることを特徴とする請求項2に記載の記録装置。
  4. 前記ガイド軸が前記記録媒体の前記画像記録面に対して0.3度傾斜していることを特徴とする請求項3に記載の記録装置。
  5. 前記回転駆動装置が、回転速度一定で前記記録媒体を回転駆動することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の記録装置。
  6. 前記複数のノズルが、前記回転駆動装置の回転駆動中心を通る直線に対して平行であって、且つ、該直線から偏倚した位置に列をなして設けられていることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の記録装置。
  7. 前記インクジェットヘッドは、ノズルから体積の異なる液滴を選択的に噴射可能であることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の記録装置。
  8. 複数色のインクを夫々噴射する複数の前記インクジェットヘッドを備え、
    前記複数のインクジェットヘッドが、前記記録媒体の内側から外側へ並べて配置されていることを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の記録装置。
  9. 前記インクジェットヘッドの前記複数のノズルが、互いに異なる色のインクをそれぞれ噴射する複数のグループに分けられており、前記複数のグループは、前記記録媒体の内側から外側へ並べて配置されていることを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の記録装置。
  10. さらに、前記記録媒体の前記画像記録面と反対側に形成されたデータ記録面にデータを記録するデータ記録ヘッドを備え、
    前記インクジェットヘッドと前記データ記録ヘッドが、前記被記録媒体に対して互いに反対側に配置されていることを特徴とする請求項1〜9の何れかに記載の記録装置。

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