JP2006305850A - バルブゲート式金型装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】構造が簡単であり、かつ短時間でパージングを行なうことができるバルブゲート式金型装置を提供することを課題とする。
【解決手段】型閉時に製品キャビティ23を相互間に形成する複数の型体21,22と、これら型体のうち製品キャビティ23における孔部に相当する位置へ開口するゲート形成孔24を有する型体21に設けられ前記ゲート形成孔24の軸方向に移動してこのゲート形成孔24に挿脱自在に嵌合する筒状のバルブ体25と、前記ゲート形成孔24を有する型体21に対向する型体22に設けられ型閉時に前記筒状のバルブ体25の内周面に摺動自在に嵌合するコア体26とを備え、前記ゲート形成孔24の内周面と前記コア体26の外周面との間に、前記製品キャビティ23へ成形材料を注入する筒状のゲート27を形成するバルブゲート式金型装置20において、前記筒状のバルブ体25に横孔28を設け成形材料が前記横孔28を流通するようにした。
【選択図】 図1
【解決手段】型閉時に製品キャビティ23を相互間に形成する複数の型体21,22と、これら型体のうち製品キャビティ23における孔部に相当する位置へ開口するゲート形成孔24を有する型体21に設けられ前記ゲート形成孔24の軸方向に移動してこのゲート形成孔24に挿脱自在に嵌合する筒状のバルブ体25と、前記ゲート形成孔24を有する型体21に対向する型体22に設けられ型閉時に前記筒状のバルブ体25の内周面に摺動自在に嵌合するコア体26とを備え、前記ゲート形成孔24の内周面と前記コア体26の外周面との間に、前記製品キャビティ23へ成形材料を注入する筒状のゲート27を形成するバルブゲート式金型装置20において、前記筒状のバルブ体25に横孔28を設け成形材料が前記横孔28を流通するようにした。
【選択図】 図1
Description
本発明は、孔部を有する成形品の製造に用いるバルブゲート式金型装置に関し、特に熱可塑性樹脂の色替えや材料替えに際して必要となるパージング作業に好適なバルブゲート式金型装置に関する。
図7は、成形材料である熱可塑性樹脂により一体成形される製品としての成形品1の一例を示している。この成形品1は、回転体形状を有している。ボス部である略円筒形の筒状部2を中央部に有し、この筒状部2内に孔部3を有している。筒状部2の外周側には薄肉の円盤部4が延設され、更に、この円盤部4の外周部には大径の筒状部5が円盤部と一体成形されている。
一般的に、このような成形品1を成形するには、図8に示すように互いに開閉する型体である固定型11および可動型12を備えた金型装置10が用いられる。固定型11および可動型12を型閉してこれら固定型11および可動型12間に製品キャビティ13を形成し、固定型11に設けたゲート14から製品キャビティ13内に溶融した樹脂を注入して固化させるようにしている。具体的には、互いに開閉し型閉時に製品キャビティ13を相互間に形成する複数の型体11,12と、これら型体のうち製品キャビティ13における孔部3に相当する位置へ開口するゲート形成孔15を有する型体11に設けられ前記ゲート形成孔15の軸方向に移動してこのゲート形成孔15に挿脱自在に嵌合する筒状のバルブ体16と、前記ゲート形成孔15を有する型体11に対向する型体12に設けられ、型閉時に前記筒状のバルブ体16の内周面に摺動自在に常時嵌合するコア体17とを備え、前記ゲート形成孔15の内周面と前記コア体17の外周面との間に、前記製品キャビティ13へ成形材料を注入する筒状のゲート14を形成している。このようなバルブゲート式金型装置により、製品キャビティ13内に樹脂を均一に充填することができる(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−79550号公報
しかし、射出成形で製造される成形品は多種多様化する傾向にある。特に情報機器や家電製品等においては、多数の色の樹脂が用いられることと、多品種少量生産が要求されることとが相俟って、製造現場では頻繁にパージング作業を行う必要がある。すなわち、樹脂材料の変更や色替えに伴うパージング作業が頻繁に必要になる。
従来、射出成形機におけるパージング作業は、例えばA色からB色への色替え作業を例にとると、A色樹脂による成形運転を中止した後、ホッパー内の原料をA色樹脂からB色樹脂に交換し、ノズルバックさせた状態(加熱シリンダーと共にノズルを後退させてノズル先端を成形金型の樹脂注入口から離間させた状態)でB色樹脂を可塑化してこれをノズルから押し出すことで、加熱シリンダーとノズル内部をA色からB色に洗浄することで行われる。そして、このA色からB色への洗浄完了後、ノズルタッチさせて(加熱シリンダーと共にノズルを前進させてノズル先端を成形金型の樹脂注入口に押し付けて)、B色樹脂による成形運転を開始し、成形品の品質が安定するまで捨てショット行った後、製品取りのための連続成形運転に入るようにされていた。
このように射出成形機におけるパージング作業は、成形運転を中断した状態で行われるので、パージング作業(原料交換、洗浄)によるロスタイムが生じる。特に、濃い色の樹脂から無色,白色乃至は淡色樹脂への色替えや、高温成形樹脂から低温成形樹脂への樹脂替えには時間がかかり、ロスタイムが大きくなるという問題がある。
ここで、パージング作業は射出成型機のみならず、金型装置についても行なう必要がある。すなわち、上記樹脂の色替えを例にとると、ホットランナー等金型内に残留しているA色樹脂を排出する必要がある。この作業は捨てショットにより行なうことができるが、バルブ体として筒状のバルブスリーブ16を用いると、捨てショットだけではバルブスリーブ16内に残留しているA色樹脂を排出することはできない。そこで、バルブスリーブ16内に残留している樹脂を排出するため、図8に示すようにバルブスリーブ16の孔内において排出ピン18を往復動させる駆動装置19を別途装備する必要があった。すなわち、バルブスリーブ16の孔内において摺動可能な排出ピン18を設け、その排出ピン18を軸方向に往復動作させるための排出ピン駆動装置19を設けていた。その結果、金型装置全体として構造が複雑となり、金型製作期間と製作費用の増大を招来していた。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、短時間でパージングを行なうことができ、かつ構造が簡単で製造費用が安価なバルブゲート式金型装置を提供することを目的とする。また、本発明は捨てショットを行なう際に、バルブスリーブとコアピンとの嵌合を容易にすることを他の目的とする。
請求項1記載の発明は、孔部を有する成形品を成形するバルブゲート式金型装置であって、互いに開閉し型閉時に製品キャビティを相互間に形成する複数の型体と、これら型体のうち製品キャビティにおける前記孔部に相当する位置へ開口するゲート形成孔を有する型体に設けられ前記ゲート形成孔の軸方向に移動してこのゲート形成孔に挿脱自在に嵌合する筒状のバルブ体と、前記ゲート形成孔を有する型体に対向する型体に設けられ型閉時に前記筒状のバルブ体の内周面に摺動自在に嵌合するコア体とを備え、前記ゲート形成孔の内周面と前記コア体の外周面との間に、前記製品キャビティへ成形材料を注入する筒状のゲートを形成したバルブゲート式金型装置において、前記筒状のバルブ体に横孔を設け成形材料が前記横孔を流通するようにしたことを特徴とするものである。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記筒状のバルブ体の横孔が複数設けられていることを特徴とするものである。
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の発明において、前記筒状のバルブ体の先端内隅部および/またはコア体の先端隅部に面取りを施したことを特徴とするものである。
請求項1記載のバルブゲート式金型装置によれば、可塑化した成形材料は筒状のバルブ体に設けられた横孔を通って流通し、筒状のバルブ体の内外を循環するようになる。したがって、熱可塑性樹脂の色替えや材料替えに際して必要となるパージング作業において、筒状のバルブ体の内部に存在した樹脂も筒状のバルブ体の外部に出て、バルブゲートから排出される。その結果、筒状のバルブ体の内部の樹脂を排出するための樹脂排出機構を設ける必要がなくなり、金型全体の構造が簡素化され金型製作期間と製作費用を低減できる。また、パージング作業が短時間で済むようになるという効果もある。
請求項2記載のバルブゲート式金型装置によれば、前記請求項1記載のバルブゲート式金型装置が奏する効果が、より一層確実に実現できる。
請求項3記載のバルブゲート式金型装置によれば、前記筒状のバルブ体の先端内隅部および/またはコア体の先端隅部に面取りが施されているので、筒状のバルブ体の先端孔とコア体の先端部との嵌合が容易となる。したがって、嵌合代を少なくすることが可能となり、寸法精度の高い成形品を製作することができる。
以下、本発明によるバルブゲート式金型装置の一実施例について、図面を参照しながら説明する。製造されるのは、先に説明した図7に示すような成形品1である。図1は本発明による金型装置20の部分断面図であり、図8に示す従来技術による金型装置10と基本構成において共通するものである。本発明による金型装置20と従来技術による金型装置10の異なる点は、バルブ体としてのバルブスリーブ16,25の構造およびバルブスリーブ16内に往復動可能に設けられた排出ピン18を駆動する排出ピン駆動装置19の有無にあるが、このことについては後述する。
先ず、図1に示すバルブゲート式金型装置20の構成について説明する。本発明は、孔部3を有する成形品1を成形するバルブゲート式金型装置20であって、互いに開閉し型閉時に製品キャビティ23を相互間に形成する複数の型体21,22と、これら型体21,22のうち製品キャビティ23における前記孔部3に相当する位置へ開口するゲート形成孔24を有する型体21に設けられ前記ゲート形成孔24の軸方向に移動してこのゲート形成孔24に挿脱自在に嵌合する筒状のバルブ体としてのバルブスリーブ25と、前記ゲート形成孔24を有する型体21に対向する型体22に設けられ、型閉時に前記バルブスリーブ25の内周面に摺動自在に嵌合するコア体としてのコアピン26とを備え、前記ゲート形成孔24の内周面と前記コアピン26の外周面26aとの間に、前記製品キャビティ23へ成形材料を注入する筒状のゲート27を形成したバルブゲート式金型装置20において、前記バルブスリーブ25に横孔28を設け成形材料が前記横孔28を流通するようにしたものである。
図1において、21は固定型、22は可動型であり、いずれも図示しない射出成形機に装着される。相互に対向する型体であるこれら固定型21および可動型22は、互いに図示上下方向(型開閉方向)に移動して開閉し、型閉時に相互間に前記成形品1の形状をした製品キャビティ23を一つまたは複数形成するものである。
前記固定型21は、図示していない射出成形機の固定側プラテンに取り付けられる固定側取り付け板29と、この固定側取り付け板29における図示下側すなわち可動型22側の面にスペーサブロック(図示していない)を介して固定された固定側型板31とを備えている。また、前記固定側取り付け板29と固定側型板31との間にはマニホールド32が設けられている。このマニホールド32には材料通路であるランナー33が形成されている。ランナー33は、射出成形機のノズルが接続されるスプルーブッシュ(図示していない)内のスプルーに連通するものである。また、マニホールド32には、図示していないが、加熱用のヒーターが設けられており、ランナー33は、いわゆるホットランナーとされている。さらに、前記固定側型板31における可動型22側の面にはキャビティブロック34が埋め込まれて固定されている。
そして、キャビティブロック34には、製品キャビティ23における成形品1の孔部3に相当する位置へ開口する円柱形状のゲート形成孔24が形成されている。このゲート形成孔24の軸方向は前記型開閉方向に一致している。
また、固定型21には、前記ゲート形成孔24によって形成されるゲート27を開閉するバルブ装置35が組み込まれている。つぎに、このバルブ装置35の構成を説明する。前記固定側型板31には、前記型開閉方向に貫通する組み込み孔36が形成されている。そして、この組み込み孔36内にバルブ装置たる略筒状のバルブ本体35が組み込まれている。このバルブ本体35の一端部はフランジ部37になっており、前記マニホールド32および固定側型板31間に挟まれて固定されている。
また、バルブ本体35の内部には、マニホールド32内のランナー33と前記ゲー27とを連通させる材料通路38が形成されている。この材料通路38は、マニホールド32側の一部以外、前記型開閉方向に沿い略直線状になっているが、材料通路38の図示下端部、すなわちゲート27側の先端部には、材料通路38の他の部分よりも径が小さいバルブ体支持部としてのバルブスリーブ支持部39が形成されている。さらに、このバルブスリーブ支持部39の周辺部の内面には、図2および図3に詳細を示すように、互いに等間隔離れた複数の凹溝41が前記型開閉方向に貫通して形成されている。これらの凹溝41は、バルブ本体35内の材料通路38をゲート27に連通させるものである。ここで、前記バルブスリーブ支持部39の詳細につき、図2及び図3を参照してさらに説明する。バルブスリーブ支持部39は、前記ゲート27側で前記材料通路38の内周面に型開閉方向に延びる3枚の支持羽根42を一体に形成し、これら支持羽根42間が前記凹溝41となっている。前記支持羽根42は、材料通路38の中心軸に対して120°間隔で放射状に配置されている。また、支持羽根42の内側縁は、ゲート27と反対の部分である基端側が凹状湾曲縁43となり、他の縁は前記型開閉方向と平行で前記バルブスリーブ25の外周面に摺動する摺動縁44となっており、それら複数の支持羽根42によりバルブスリーブ25の外周面25aを摺動自在に支持する。なお、前述のような支持羽根42を一体に有するバルブ本体35は、例えば放電加工により製造できる。
また、前記バルブスリーブ25のゲート27側先端部には、前記ゲート27に挿脱可能に嵌合してゲート27の開閉を行うゲート閉塞部45が設けられ、このゲート閉塞部45はバルブスリーブ25の基端側に比べて径小に形成されている。そして、バルブスリーブ25のゲート27側先端部には、図2に示すように軸中心部に孔25aが設けられ、該孔25aと交差するように2箇所に横孔28が設けられている。なお、横孔28の数は2箇所に限定されるものではなく、1箇所であってもよいし3箇所以上であっても構わない。
また、バルブ本体35の先端側では、キャビティブロック34に設けられたバルブ本体35の組み込み孔46とバルブ本体35の先端側外面との間に隙間47が形成され、この隙間は、前記材料通路38及びゲート27に連通することにより、成形材料である樹脂が侵入して樹脂断熱層が形成される。
また、前記バルブ本体35の外周面には、材料通路38を加熱するバンドヒータ48およびこのヒーター48を外側から覆うほぼ円筒状のヒーターカバー49が嵌合されている。さらに、ヒーターカバー49よりもゲート27側に位置してバルブ本体35の外周側には円板状の固定リング51が嵌合されている。そして、バルブ本体35は、そのゲート27側先端部においてキャビティブロック34内に支持されている。なお、この支持部以外においては、断熱のために組み込み孔36の内面とヒーターカバー49の外面との間には隙間50が設けられ、空気断熱層を形成している。
また、前記バルブ本体35の材料通路38内の中心軸部を貫通して、前記型開閉方向に移動して前記ゲート形成孔24に挿脱自在に嵌合するバルブ体として円筒形状のバルブスリーブ25が設けられている。このバルブスリーブ25のゲート27側先端部は、前記バルブスリーブ支持部39に常時摺動自在に嵌合している。一方、バルブ本体35におけるマニホールド32側の端部では、バルブ本体35内に固定されたガイドブッシュ52によりバルブスリーブ25が支持されている。すなわち、バルブスリーブ25はガイドブッシュ52内を摺動自在に貫通している。さらに、前記バルブスリーブ25は、マニホールド32を貫通し、固定側取り付け板29に設けられた駆動源としてのエアシリンダーなどの流体圧シリンダー53により駆動されて軸方向に移動可能なようになっている。すなわち、流体圧シリンダー53によりバルブスリーブ25を駆動してゲート形成孔24を開閉することができる。
前記可動型22は、図示していない射出成形機の可動側プラテンに取り付けられる可動側取り付け板と、スペーサブロック(図示していない)を介して固定された可動側型板54とを備えている。この可動側型板54における固定型21側の面にはコアブロック55が埋め込まれて固定されている。
また、前記可動型22には、前記固定型21側のバルブスリーブ25内の孔部25aに挿脱自在に嵌合するコア体としてのコアピン26が設けられている。このコアピン26は、前記型開閉方向を軸方向とする細長い円柱形状になっている。そして、このコアピン26は図示しないコアピン駆動装置により軸方向に往復動作可能にされている。
さらに、固定型21と可動型22との型閉時には、コアピン26の先端部が前記固定型21側の筒状のバルブスリーブ25内の孔部25aの内周面に摺動自在に嵌合するようになっている。すなわち、コアピン26は、成形品1の孔部3を形成するものである。そして、固定型21側のゲート形成孔24の内周面とコアピン26の外周面との間に、前記製品キャビティ23へ成形材料を注入する筒状のゲート27が形成されるようになっている。
次に、本発明によるバルブゲート式金型装置20のパージング作業について説明する。ただし、金型装置20のパージング作業は、成形品1の捨てショットにより行なわれるものであるから、具体的には成形品1の製造方法について説明することになる。パージング作業、すなわち成形品1の成形に際しては、まず固定型21と可動型22とを型閉する。この状態で、固定型21と可動型22との間に製品キャビティ23が形成されるとともに、可動型22側のコアピン26の段部26bが成形品1のボス部2端面となる位置にセットされる。その結果、コアピン26の先端部は固定型21のゲート27部まで挿入されることになる。次に、エアシリンダー53の駆動によりバルブスリーブ25を可動型22と反対側に移動させ、ゲート27を開放状態にする。図4は、この状態を示すゲート部の拡大断面図である。
そして、図示していない射出成形機のノズルからスプルー内に成形材料である溶融したナイロンなどの熱可塑性樹脂を射出する。この溶融した樹脂は、スプルーからマニホールド32内のランナー33、バルブ本体35内の材料通路38およびそのバルブスリーブ支持部39の凹溝41を通り、ゲート27から製品キャビティ23内に注入される。このように製品キャビティ23内に樹脂が充填された後、保圧を経て、エアシリンダー53の駆動によりバルブスリーブ25を可動型22側に移動させてゲート27に嵌合し、このゲート27を閉塞する。これにより、製品キャビティ23内の樹脂、すなわち製品である成形品1とゲート27までの材料通路38内の樹脂とが互いに遮断されることになる。図5は、この状態を示すゲート部の拡大断面図である。
この過程において、エアシリンダー53の駆動によりバルブスリーブ25を可動型22側に移動させると、移動の途中においてバルブスリーブ25の先端部の孔25aがコアピン26の先端部に嵌合し始める。そして、嵌合後さらにバルブスリーブ25を可動型22側に移動させると、図5に示すように、バルブスリーブ25の中心部の孔25a内に存在する樹脂材料はコアピン26により加圧されることになり、結局加圧された樹脂材料は、図5中の矢印で示すようにバルブスリーブ26の横孔28から外方に押出されることになる。
そして、製品キャビティ23内の樹脂が冷却して固化した後、固定型21と可動型22とを型開して、成形された成形品1を取り出す。このとき、固定型21と可動型22との型開に伴い、固定型21側の離型抵抗と可動型22側の離型抵抗との相違により、成形品1はまず固定型21から離れる。ついで、図示しない駆動装置によりコアピン26を引き下げ、成形品1のボス部2からコアピン26を引き抜く。そして、射出成形機に装備されている取り出し機により成形品1を可動型22から取り出す。
その後、固定型21と可動型22とが再び型閉されて、上記した成形サイクルが繰り返される。そして、全成形サイクルを通じて、スプルー、マニホールド32のランナー33およびバルブ本体35の材料通路38内の樹脂は、ヒーター48等の加熱により常時溶融状態に保たれている。
上記に説明したようにして、パージング作業としての捨てショットの1サイクルが完了する。そして、バルブスリーブ25を可動型22側に移動させてバルブスリーブ25の中心部の孔25a内にコアピン26が嵌合されるたびにバルブスリーブ25の孔25a内に存在する樹脂材料はバルブスリーブ25に設けられた横孔28の外方に押出されて循環し、捨てショットを何回か繰り返すことによりバルブスリーブ25の孔25a内のA色樹脂をB色樹脂に入れ替えることができる。
以上述べたように、本発明によれば樹脂材料の変更に伴うパージング作業において、何回かの捨てショットを行なうだけでパージング作業を完了することができる。図8に示す従来技術による金型装置10のようにバルブスリーブ16内に往復動作可能な樹脂排出ピン18を設け、さらに該樹脂排出ピン18を往復動作させる排出ピン駆動装置19を設ける必要がなくなる。したがって、本発明の金型装置20によれば、金型装置全体の構造が簡素になり、金型装置20の製作費用を低減できる。さらに、捨てショットを行なうだけでパージング作業を実施できることから、パージングを短時間に完了することができる。
次に、本発明の他の目的である捨てショットを行なう際に、バルブスリーブ25とコアピン26との嵌合を容易にする構成について説明する。嵌合を容易にするためには、バルブスリーブ25をゲート27に対して正確に芯合わせする必要がある。そして、本発明においては、ゲート形成孔24を有する固定型21側の材料通路38にバルブスリーブ支持部39を設け、このバルブスリーブ支持部39により、バルブスリーブ25を支持する。このようにしてバルブスリーブ25の内周面に嵌合するコアピン26をもゲート27に正しく芯合わせできるようにされている。その結果、バルブスリーブ25とコアピン26とゲート形成孔24との三者の芯合わせが正確になされるようになっている。
しかし、前記三者の芯合わせが正確にできるように構成されているといっても、しょせん程度問題であり、金型装置20を構成する各部材の製作誤差を完全に無くすことはできない。成形品1の寸法精度を上げるためにバルブスリーブ25の孔径寸法とコアピン26の外径寸法をタイトにすると、バルブスリーブ25の孔部へのコアピン26の嵌合は困難となる。また、ゲート形成孔24の内径寸法とバルブスリーブ25の先端部の外形寸法をタイトにすると、ゲート形成孔24へのバルブスリーブ25の挿入は困難となる。そこで、本発明における金型装置20では、図6に示すようにバルブスリーブ25の先端内隅部25cおよび/またはコアピン26の先端隅部26cに面取りを施している。このことにより、バルブスリーブ25中心とコアピン26の中心との間に多少の芯ずれが生じても、バルブスリーブ25の孔部へのコアピン26の嵌合を容易に行なうことが可能となる。また、ゲート形成孔24へのバルブスリーブ25の挿入が容易になる。ここで、面取りはいわゆるC面取りに限られるものではなく、丸みをつけたR面としてもよい。
なお、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、種々の変形実施をすることができる。例えば、成形品1の形状は図7に示すようなものには限らず、孔部3を有するギヤなど任意の形状の成形品に本発明を適用することもできる。また、本発明は熱可塑性樹脂の射出成形のみならず、熱可塑性の成形材料の射出成形一般に適用可能である。さらに、本実施例ではバルブスリーブ25の駆動装置としてエアシリンダーを用いたものについて説明したが、エアシリンダーに代えて油圧シリンダーを用いることもできる。
1 成形品
3 孔部
20 金型装置
21 型体(固定型)
22 型体(可動型)
23 製品キャビティ(キャビティ)
24 ゲート形成孔
25 バルブ体(バルブスリーブ)
25c バルブ体の先端内隅部
26 コア体(コアピン)
26c コア体の先端隅部
27 ゲート
28 横孔
3 孔部
20 金型装置
21 型体(固定型)
22 型体(可動型)
23 製品キャビティ(キャビティ)
24 ゲート形成孔
25 バルブ体(バルブスリーブ)
25c バルブ体の先端内隅部
26 コア体(コアピン)
26c コア体の先端隅部
27 ゲート
28 横孔
Claims (3)
- 孔部を有する成形品を成形するバルブゲート式金型装置であって、互いに開閉し型閉時に製品キャビティを相互間に形成する複数の型体と、これら型体のうち製品キャビティにおける前記孔部に相当する位置へ開口するゲート形成孔を有する型体に設けられ前記ゲート形成孔の軸方向に移動してこのゲート形成孔に挿脱自在に嵌合する筒状のバルブ体と、前記ゲート形成孔を有する型体に対向する型体に設けられ型閉時に前記筒状のバルブ体の内周面に摺動自在に嵌合するコア体とを備え、前記ゲート形成孔の内周面と前記コア体の外周面との間に、前記製品キャビティへ成形材料を注入する筒状のゲートを形成したバルブゲート式金型装置において、前記筒状のバルブ体に横孔を設け成形材料が前記横孔を流通するようにしたことを特徴とするバルブゲート式金型装置。
- 前記筒状のバルブ体の横孔が複数設けられていることを特徴とする請求項1記載のバルブゲート式金型装置。
- 前記筒状のバルブ体の先端内隅部および/またはコア体の先端隅部に面取りを施したことを特徴とする請求項1または2記載のバルブゲート式金型装置。
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2005
- 2005-04-28 JP JP2005130842A patent/JP2006305850A/ja active Pending
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