JP2006305755A - ポリエステル多層シート及びその用途 - Google Patents
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Abstract
【課題】ポリカーボネートの透明性、耐熱性を有したまま耐薬品性に優れたポリエステル多層シート及びポリエステル成形体を提供すること。
【解決手段】ポリカーボネート及び芳香族ポリエステル及び芳香族成分を一切有しない脂環族ポリエステルからなる樹脂組成物を中間層に持ち、芳香族ポリエステルを上下層に積層する多層シート。特にポリカーボネート及び芳香族ポリエステルの合計100重量部に対して、芳香族成分を一切有しない脂環族ポリエステルが1重量部以上含まれる物が好ましい。
【選択図】なし
【解決手段】ポリカーボネート及び芳香族ポリエステル及び芳香族成分を一切有しない脂環族ポリエステルからなる樹脂組成物を中間層に持ち、芳香族ポリエステルを上下層に積層する多層シート。特にポリカーボネート及び芳香族ポリエステルの合計100重量部に対して、芳香族成分を一切有しない脂環族ポリエステルが1重量部以上含まれる物が好ましい。
【選択図】なし
Description
本発明は、ポリカーボネート及び芳香族ポリエステル及び芳香族成分を一切有しない脂環族ポリエステルからなる透明性、耐熱性、耐薬品性に優れたポリエステル多層シート及び該シートを熱成形もしくは裁断、打ち抜き、折り曲げ、接着及び組み立て加工して得られるポリエステル成形体に関する。
ポリカーボネート樹脂は透明性、衝撃性、耐熱性等に優れたプラスチックであり、各種容器等に幅広く使用されているが有機溶剤に対する耐久性が悪く改良が望まれている。
そこで、ポリカーボネートに耐薬品性の良いポリエステルをブレンドして用いることが検討されている。例えば、ポリカーボネートとポリエチレンテレフタレート(以下PETと略す)は無配向状態の屈折率が近いために、溶融ブレンドした場合には比較的透明性の良いシートを得ることが出来ることが知られている(特許文献1)。しかしながらこの方法では、熱成形による延伸を受けた場合に、配向による屈折率の変化が生じるために、透明性が極端に低下する。又、共重合成分の導入によりポリエステルの屈折率を、ポリカーボネートにより近づけたポリマーを使用して改善する方法も検討されている(特許文献2)。その結果、配向度の低い場合にはほぼ透明であることが知られている。しかしながら、熱成形等の様な高延伸を受ける場合には、大幅な透明性の低下を引き起こし殆ど効果が無い。
ポリカーボネートとポリブチレンテレフタレートを改質剤として溶融混練する方法も検討されている(特許文献3)。しかしながら、透明性は十分とは言えず耐熱性も著しく低下するという問題があった。
本発明者等はこのような従来の問題点を解決するために鋭意検討した結果、本発明に到達したものであって、その目的とするところは、ポリカーボネートの透明性、耐熱性を有したまま耐薬品性に優れたポリエステル多層シート及びポリエステル成形体を提供することにある。
上記目的はポリカーボネート及び芳香族ポリエステル及び芳香族成分を一切有しない脂環族ポリエステルからなる樹脂組成物を中間層に持ち、芳香族ポリエステルを上下層に積層することにより達成される。
本発明の多層シートは透明性と耐熱性のほかに、耐薬品性にも優れた性質を持つことが可能となる。
以下、本発明について詳細に説明する。先ず中間層に使用されるポリエステル樹脂組成物の(A)、(B)、(C)成分について説明する。
(A)ポリカーボネートは、ビスフェノールAを主たる二価フェノール単位とするものが好ましいが、本発明の効果を損なわない範囲でビスフェノールA以外の二価フェノール単位を含んでいてもよい。ビスフェノールA以外の二価フェノール単位としては、例えばハイドロキノン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロアルカン、ビス(4−ヒドロキシフェニルスルフィド、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−スルホン(以下「ビスフェノールS」と略す)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテルのような化合物または(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニルプロパン、ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパンのようなハロゲン化ビスフェノール類を挙げることができる。これらの二価フェノール単位が一種類のみ使用されていても、二種類以上併用されていてもよい。また、多官能性芳香族化合物を二価フェノール及び/又はカーボネート前駆体と反応させた熱可塑性ランダム分岐ポリカーボネートであってもよい。
(B)芳香族ポリエステルは構成単位に芳香族環を持つ。また、ジカルボン酸成分及びジオール成分からなることが好ましい。
(B)芳香族ポリエステルのジカルボン酸成分としてはテレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、ジフェニルカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルスルフォンジカルボン酸、セバシン酸、ナフタレンジカルボン酸等が挙げられる。中でもテレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸が好ましい。
また、(B)芳香族ポリエステルのジオール成分としてはエチレングリコール、ジエチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、トリメチレングリコール、プロピレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、ブチレングリコール等のグリコール成分が挙げられる。中でもエチレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコールが好ましい。
(C)芳香族成分を一切有しない脂環族ポリエステルは構成単位に脂環族成分を持ち、ジカルボン酸成分及びジオール成分からなることが好ましい。
(C)芳香族成分を一切有しない脂環族ポリエステルのジカルボン酸成分としては、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ヘキサヒドロナフタレンジカルボン酸、ノルボルネンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸の誘導体などの脂環族ジカルボン酸およびその誘導体が挙げられる。また、アジピン酸、コハク酸のような直鎖ジカルボン酸を使用してもよい。中でも1,4−シクロヘキサンジカルボン酸とその誘導体が好ましい。
(C)芳香族成分を一切有しない脂環族ポリエステルのジオール成分としては、1,2−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,1−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジエタノール、1,4−シクロヘキサンジプロパノール、1,4−シクロヘキサンジブタノールなどの脂環族ジオールが挙げられる。また、1,2−エチレンジオール、1,3−プロピレンジオールのような直鎖状脂肪族ジオールを使用してもよい。中でも1,4−シクロヘキサンジメタノールが好ましい。
(C)芳香族成分を一切有しない脂環族ポリエステルを得る手段としては公知の技術が利用できる。例えば、脂環族ジカルボン酸成分と脂環族ジオール成分を反応槽に仕込み、エステル化反応またはエステル交換反応をさせ、その後溶融重縮合させて脂環族ポリエステルを得る方法がある。
本発明のポリエステル多層シートは、中間層に(A)ポリカーボネート成分および(B)芳香族ポリエステル成分および(C)芳香族成分を一切有しない脂環族ポリエステル、上下層に芳香族ポリエステルを積層することによって、透明性、耐熱性、耐薬品性に優れた性質を持つことが可能となる。
更に、(A)、(B)及び(C)の比率を適宜選択することで、発明の効果をより高めることが出来る。
すなわち、(A)ポリカーボネート成分および(B)芳香族ポリエステル成分の合計100重量部に対して、(C)芳香族成分を一切有しない脂環族ポリエステル成分は1重量部以上となることが好ましい。更に好ましくは1.5重量部以上とするのがよい。(C)芳香族成分を一切有しない脂環族ポリエステル成分が1重量部以下になると(A)ポリカーボネートと(B)芳香族ポリエステルの相溶性が低下し十分な透明性が得られない。
また、(A)ポリカーボネート成分および(B)芳香族ポリエステル成分の重量比は、80/20〜20/80となることが好ましい。(A)ポリカーボネート成分および(B)芳香族ポリエステル成分の重量比がこの範囲にあると、ポリエステル成形体を得るための後工程である熱成形等加工性が向上する。更に好ましくは70/30〜30/70とするのがよい。
次に上下層に使用される(D)芳香族ポリエステルについて説明する。
(D)芳香族ポリエステルはジカルボン酸成分とジオール成分とからなり、各成分は中間層に使用される(B)芳香族ポリエステルと同様の成分が好適に使用できるが、ジオール成分としては耐薬品性の点から1,4−シクロヘキサンジメタノールが含まれることが更に好ましい。
本発明は積層されていることが必須であるが、積層体総厚みに占める中間層および上下層の厚みの割合は特に限定されない。しかし、リサイクル適正や、熱成形性の加工適性の点から考えると、積層体総厚みに占める中間層の厚みの割合は50%以上の方が好ましい。
通常、積層体を生産する場合には、Tダイから押出されたシートを所定の巾にカットし、その際に発生する耳部や成形体を加工した後に発生するスケルトン部の粉砕品を再度原料として戻されることが多いが、該多層シートにも同様に適用でき透明性や、加工適性等物性を極端に低下させない範囲で中間層及び上下層に配合することが可能である。場合によっては、ペットボトルを回収して得られるリサイクル原料も配合が可能である。
また、本発明のポリエステル多層シートには透明性を低下させない範囲内で滑り剤、熱安定剤、流動性改善剤、紫外線吸収剤、制電剤、防曇剤などの少なくとも一種以上を添加しても差し支えない。
本発明のポリエステル多層シートを得る手段としては公知の技術が利用できる。例えば、ポリカーボネートと芳香族ポリエステルと脂環族ポリエステルを混合し、二軸ベント式押出機のような通常のエクストルーダーにより溶融混練する方法が利用できる。
本発明のポリエステル樹脂組成物を用いてシートを製膜する方法としては金属ロール間で挟み冷却する方法(タッチロール法)や静電印加法、エアーナイフ法等があるが、シートの光沢性、厚みの均一性の点から、タッチロール法が好ましい。
ポリエステルに配合する滑り剤、紫外線吸収剤の添加方法は公知の技術が利用でき、特別な制約はない。例えば、各成分をタンブラーやブレンダー等で予め均一にブレンドしておき、上記混合物を押出機へ供給する方法、或いはポリエステルに添加する成分を予めマスターバッチとしてペレット状にし、押出時に供給する方法等がある。
また、滑り剤、制電剤、防曇剤、ハードコート剤等をシートの片面あるいは両面に塗布することができる。その方法は公知の技術が利用でき、特別な制約はない。
このようにして得られたシートは熱成形によりポリエステル成形体とすることが出来る。用いる熱成形方法は真空成形、圧空成形、熱盤成形、プラグアシスト成形、エアースリップ成形等またはこれらを組み合わせた成形方法が常法として考えられるが、本発明では何れの方法も用いられる。
また、製膜直後および後加工において所定のサイズに裁断した枚葉品や当該シートを通常の方法によって裁断、打ち抜き、折り曲げ、接着及び組み立て加工する事によりポリエステル成形体とすることが出来る。
以下に、実施例および比較例によって本発明をさらに詳細に説明するが、これらは本発明を限定するものではない。
本発明のポリエステル多層シートに用いた原料を紹介する。
まず、中間層に用いたポリエステル樹脂組成物を構成する(A)、(B)、(C)成分について紹介する。(A)ポリカーボネートは三菱エンジニアリングプラスチックス社製「ユーピロン H−3000」を使用した。
まず、中間層に用いたポリエステル樹脂組成物を構成する(A)、(B)、(C)成分について紹介する。(A)ポリカーボネートは三菱エンジニアリングプラスチックス社製「ユーピロン H−3000」を使用した。
中間層に用いたポリエステル樹脂組成物を構成する(B)芳香族ポリエステルには、イソフタル酸12モル%共重合PETを使用した。
中間層に用いたポリエステル樹脂組成物を構成する(C)芳香族成分を一切有しない脂環族ポリエステルは、脂環族ジカルボン酸および脂環族ジオールをエステル化反応および重縮合にて製造したものを用いた。すなわち、所定量の1,4−シクロヘキサンジカルボン酸と1,4−シクロヘキサンジメタノールをステンレス製オートクレーブに仕込み、エステル化反応触媒としてチタニウムテトラブトキシドをポリマー換算で30ppm添加して、窒素気流中、250℃、常圧の条件下でエステル化反応を行った。エステル化反応終了後、重縮合反応触媒としてチタニウムテトラブトキシドをポリマー換算で60ppm添加して、280℃、66Paの減圧下にて重縮合反応を行って得られたものを用いた。
次に、上下層に用いられる(D)芳香族ポリエステルには、イーストマンケミカルジャパン社製「EASTAR6763」(1,4−シクロヘキサンジメタノール33モル%共重合PET)を使用した。
(実施例1〜5;ポリエステル多層シートの製造)
ポリエステル多層シートの製造には、主押出機および副押出機からなる多層押出機を用いた。すなわち、<主押出機>中間層に用いる(A)ポリカーボネートおよび(B)芳香
族ポリエステルおよび(C)芳香族成分を一切有しない脂環族ポリエステルを表1に記載の重量比にて混合した後、二軸押出機に投入し、シリンダ温度300℃の条件で溶融押出し、<副押出機>上下層に用いる表1記載の(D)芳香族ポリエステルを二軸押出機に投入し、シリンダ温度295℃の条件で溶融押出した。主押出機および副押出機から溶融押出しされたポリマーはTダイを経て、タッチロール法により温度50℃に設定した冷却ロールで急冷してシート製膜を行い、厚さ0.5mm、積層体全体の厚みに占める中間層の厚さの比が88%、上下層の各厚みの比がいずれも6%のポリエステル多層シートを採取した。その後、以下の評価を行った。
ポリエステル多層シートの製造には、主押出機および副押出機からなる多層押出機を用いた。すなわち、<主押出機>中間層に用いる(A)ポリカーボネートおよび(B)芳香
族ポリエステルおよび(C)芳香族成分を一切有しない脂環族ポリエステルを表1に記載の重量比にて混合した後、二軸押出機に投入し、シリンダ温度300℃の条件で溶融押出し、<副押出機>上下層に用いる表1記載の(D)芳香族ポリエステルを二軸押出機に投入し、シリンダ温度295℃の条件で溶融押出した。主押出機および副押出機から溶融押出しされたポリマーはTダイを経て、タッチロール法により温度50℃に設定した冷却ロールで急冷してシート製膜を行い、厚さ0.5mm、積層体全体の厚みに占める中間層の厚さの比が88%、上下層の各厚みの比がいずれも6%のポリエステル多層シートを採取した。その後、以下の評価を行った。
(比較例1および比較例2;ポリエステル多層シートの製造)
ポリエステル多層シートの製造には、主押出機および副押出機からなる多層押出機を用いた。すなわち、<主押出機>中間層に用いる(A)ポリカーボネートおよび(B)芳香族ポリエステルを表1に記載の重量比にて混合した後、二軸押出機に投入し、シリンダ温度300℃の条件で溶融押出し、<副押出機>上下層に用いる表1記載の(D)芳香族ポリエステルを二軸押出機に投入し、シリンダ温度295℃の条件で溶融押出した。主押出機および副押出機から溶融押出しされたポリマーはTダイを経て、タッチロール法により温度50℃に設定した冷却ロールで急冷してシート製膜を行い、厚さ0.5mm、積層体全体の厚みに占める中間層の厚さの比が88%、上下層の各厚みの比がいずれも6%のポリエステル多層シートを採取した。その後、以下の評価を行った。
ポリエステル多層シートの製造には、主押出機および副押出機からなる多層押出機を用いた。すなわち、<主押出機>中間層に用いる(A)ポリカーボネートおよび(B)芳香族ポリエステルを表1に記載の重量比にて混合した後、二軸押出機に投入し、シリンダ温度300℃の条件で溶融押出し、<副押出機>上下層に用いる表1記載の(D)芳香族ポリエステルを二軸押出機に投入し、シリンダ温度295℃の条件で溶融押出した。主押出機および副押出機から溶融押出しされたポリマーはTダイを経て、タッチロール法により温度50℃に設定した冷却ロールで急冷してシート製膜を行い、厚さ0.5mm、積層体全体の厚みに占める中間層の厚さの比が88%、上下層の各厚みの比がいずれも6%のポリエステル多層シートを採取した。その後、以下の評価を行った。
(比較例3;ポリエステル多層シートの製造)
ポリエステル多層シートの製造には、主押出機および副押出機からなる多層押出機を用いた。すなわち、<主押出機>中間層に用いる(A)ポリカーボネートおよび(C)芳香族成分を一切有しない脂環族ポリエステルを表1に記載の重量比にて混合した後、二軸押出機に投入し、シリンダ温度300℃の条件で溶融押出し、<副押出機>上下層に用いる表1記載の(D)芳香族ポリエステルを二軸押出機に投入し、シリンダ温度295℃の条件で溶融押出した。主押出機および副押出機から溶融押出しされたポリマーはTダイを経て、タッチロール法により温度50℃に設定した冷却ロールで急冷してシート製膜を行い、厚さ0.5mm、厚さ0.5mm、積層体全体の厚みに占める中間層の厚さの比が88%、上下層の各厚みの比がいずれも6%のポリエステル多層シートを採取した。その後、以下の評価を行った。
ポリエステル多層シートの製造には、主押出機および副押出機からなる多層押出機を用いた。すなわち、<主押出機>中間層に用いる(A)ポリカーボネートおよび(C)芳香族成分を一切有しない脂環族ポリエステルを表1に記載の重量比にて混合した後、二軸押出機に投入し、シリンダ温度300℃の条件で溶融押出し、<副押出機>上下層に用いる表1記載の(D)芳香族ポリエステルを二軸押出機に投入し、シリンダ温度295℃の条件で溶融押出した。主押出機および副押出機から溶融押出しされたポリマーはTダイを経て、タッチロール法により温度50℃に設定した冷却ロールで急冷してシート製膜を行い、厚さ0.5mm、厚さ0.5mm、積層体全体の厚みに占める中間層の厚さの比が88%、上下層の各厚みの比がいずれも6%のポリエステル多層シートを採取した。その後、以下の評価を行った。
(比較例4;ポリエステル多層シートの製造)
ポリエステル多層シートの製造には、主押出機および副押出機からなる多層押出機を用いた。すなわち、<主押出機>中間層に用いる(B)芳香族ポリエステルおよび(C)芳香族成分を一切有しない脂環族ポリエステルを表1に記載の重量比にて混合した後、二軸押出機に投入し、シリンダ温度300℃の条件で溶融押出し、<副押出機>上下層に用いる表1記載の(D)芳香族ポリエステルを二軸押出機に投入し、シリンダ温度295℃の条件で溶融押出した。主押出機および副押出機から溶融押出しされたポリマーはTダイを経て、タッチロール法により温度50℃に設定した冷却ロールで急冷してシート製膜を行い、厚さ0.5mm、厚さ0.5mm、積層体全体の厚みに占める中間層の厚さの比が88%、上下層の各厚みの比がいずれも6%のポリエステル多層シートを採取した。その後、以下の評価を行った。
ポリエステル多層シートの製造には、主押出機および副押出機からなる多層押出機を用いた。すなわち、<主押出機>中間層に用いる(B)芳香族ポリエステルおよび(C)芳香族成分を一切有しない脂環族ポリエステルを表1に記載の重量比にて混合した後、二軸押出機に投入し、シリンダ温度300℃の条件で溶融押出し、<副押出機>上下層に用いる表1記載の(D)芳香族ポリエステルを二軸押出機に投入し、シリンダ温度295℃の条件で溶融押出した。主押出機および副押出機から溶融押出しされたポリマーはTダイを経て、タッチロール法により温度50℃に設定した冷却ロールで急冷してシート製膜を行い、厚さ0.5mm、厚さ0.5mm、積層体全体の厚みに占める中間層の厚さの比が88%、上下層の各厚みの比がいずれも6%のポリエステル多層シートを採取した。その後、以下の評価を行った。
<透明性評価;表2>
日本電色(株)製ヘイズメーター NDH−20Dを使用し、JIS−K−7105に準じた方法にてシート(原反)のヘイズ(曇価)を測定した。すなわち、ヘイズ値が10%未満のものを ○ 、10%以上のものを × として評価した。
さらに、シートを熱成形した後のヘイズ測定も行った。この際の延伸倍率は約1.2倍とし、評価方法は上記の通りとした。
日本電色(株)製ヘイズメーター NDH−20Dを使用し、JIS−K−7105に準じた方法にてシート(原反)のヘイズ(曇価)を測定した。すなわち、ヘイズ値が10%未満のものを ○ 、10%以上のものを × として評価した。
さらに、シートを熱成形した後のヘイズ測定も行った。この際の延伸倍率は約1.2倍とし、評価方法は上記の通りとした。
<耐熱性評価;表2>
シートを長さ10cm、幅1cmに切り、一端を固定後、長手方向に45°に傾けた状態で90℃の恒温槽に30分入れた後のシートの状態と、45°に傾けた元の状態とを比較し、地面と垂直方向の高さにより算出した懸垂保持率を用いて評価した。すなわち、懸垂保持率が50%以上のものを ○ 、50%未満のものを × として評価した。
シートを長さ10cm、幅1cmに切り、一端を固定後、長手方向に45°に傾けた状態で90℃の恒温槽に30分入れた後のシートの状態と、45°に傾けた元の状態とを比較し、地面と垂直方向の高さにより算出した懸垂保持率を用いて評価した。すなわち、懸垂保持率が50%以上のものを ○ 、50%未満のものを × として評価した。
<耐薬品性評価;表2>
ポリエステル多層シートを、曲率半径125mmの円筒に貼り付け、インキの希釈剤(セイコーアドバンス社製、TR912)をシートに塗布し、その直後に70℃の恒温槽に5分入れて乾燥させた。取り出したシートのクラッキング発生状況を目視により観察し、クラックの無いものを○、クラックが観察されたものを×として評価した。
ポリエステル多層シートを、曲率半径125mmの円筒に貼り付け、インキの希釈剤(セイコーアドバンス社製、TR912)をシートに塗布し、その直後に70℃の恒温槽に5分入れて乾燥させた。取り出したシートのクラッキング発生状況を目視により観察し、クラックの無いものを○、クラックが観察されたものを×として評価した。
表2より、実施例のように中間層に(A)ポリカーボネートおよび(B)芳香族ポリエステルおよび(C)芳香族成分を一切有しない脂環族ポリエステルからなる樹脂組成物を使用し、且つ上下層に(D)芳香族ポリエステルを使用することで、透明性および加熱延伸後の透明性、耐熱性、耐薬品性に優れた結果となった。
それに対して、比較例1および比較例2のように中間層が(A)ポリカーボネートと(B)芳香族ポリエステルのみからなり、且つ上下層に(D)芳香族ポリエステルを使用し
た場合、耐熱性および耐薬品性が良好な組成もあるが、透明性が不十分であることがわかった。
た場合、耐熱性および耐薬品性が良好な組成もあるが、透明性が不十分であることがわかった。
また、比較例3のように中間層が(A)ポリカーボネートと(C)芳香族成分を一切有しない脂環族ポリエステルのみからなり、且つ上下層に(D)芳香族ポリエステルを使用した場合、透明性および加熱延伸後の透明性、耐熱性は良好であったが、耐薬品性に劣る結果となった。
また、比較例4のように中間層が(B)芳香族ポリエステルと(C)芳香族成分を一切有しない脂環族ポリエステルのみからなり、且つ上下層に(D)芳香族ポリエステルを使用した場合、透明性および加熱延伸後の透明性、耐薬品性は良好であったが、耐熱性に劣る結果となった。
以上の結果より、本発明の、中間層がポリカーボネートおよび芳香族ポリエステルおよび脂環族ポリエステルからなり、上下層が芳香族ポリエステルからなる多層シートが透明性、耐熱性、耐薬品性に優れ、本発明の目的を達成していることは明らかである。
本発明のポリカーボネートおよび芳香族ポリエステルおよび脂環族ポリエステルから得られる多層シートは、透明性、耐熱性、耐薬品性に優れた性質を持ち、多くの用途に利用することが可能である。具体的には、自動販売機用ダミー缶、自動販売機用たばこダミーケース、広告表示板等の用途に最適である。
Claims (8)
- (A)ポリカーボネート及び(B)芳香族ポリエステル及び(C)芳香族成分を一切有しない脂環族ポリエステルからなるポリエステル樹脂組成物を中間層に持ち、(D)芳香族ポリエステルを上下層に持つ多層シート。
- (B)芳香族ポリエステルがジカルボン酸成分及びジオール成分からなり、且つジカルボン酸成分の一部にイソフタル酸が含まれることを特徴とする請求項1記載の多層シート。
- (C)芳香族成分を一切有しない脂環族ポリエステルがジカルボン酸成分及びジオール成分からなることを特徴とする請求項1記載の多層シート。
- (A)ポリカーボネート及び(B)芳香族ポリエステルの合計100重量部に対して、(C)芳香族成分を一切有しない脂環族ポリエステルが1重量部以上含まれることを特徴とする請求項1記載の多層シート。
- (A)ポリカーボネート及び(B)芳香族ポリエステルの重量比が80/20〜20/80であることを特徴とする請求項1記載の多層シート。
- (D)芳香族ポリエステルの構成単位のジオール成分の一部に1,4−シクロヘキサンジメタノールが含まれることを特徴とする請求項1記載の多層シート。
- 請求項1〜6いずれかに記載の多層シートを熱成形して得られるポリエステル成形体。
- 請求項1〜6いずれかに記載の多層シートを裁断、打ち抜き、折り曲げ、接着及び組み立て加工して得られるポリエステル成形体。
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