JP2006305638A - 鋼帯のサイドトリミング状況監視装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】鋼帯のサイドトリミングにおけるトリム付着屑の発生を自動的に検出することができるトリミング状況監視装置を提供する。
【解決手段】多数個の投光素子が一定の光軸ピッチで一列に配設された投光器(21)と、該投光器の投光素子と対をなす多数個の受光素子が一定の光軸ピッチで一列に配設された受光器(23)とを、斜降するトリム屑(10)(10)を挟むようにトリム屑処理ピット(4)内に対抗配置し、投光器から照射される検出光を受光器に入射させ、受光器から出力される信号を処理して、斜降する2条のトリム屑による2つの遮光帯が検出される状態をトリミング運転正常、2つの遮光帯の一方又は両方が検出されない状態をトリミング異常と判定するように構成されている。監視装置は受光器の出力信号を波形パターンとして表示する表示手段、及びトリミング異常発生時にその旨を警報する警報手段とを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、鋼帯の連続移送下に鋼帯のエッジ部を切断除去するトリミングラインにおいて、トリミング異常が発生したとき直ちにその異常を自動的に検出することにより、ライン運転の迅速な復旧を可能にし、トリミング異常による損失を最小限に抑え得るようにしたトリミング状況監視装置に関する。
鋼帯の連続処理ラインにおいては、鋼帯のエッジを揃え所定の板幅サイズに仕上げるために、鋼帯を連続移送しながら、左右のエッジ部をサイドトリマーで切断除去するトリミング作業が行われる。サイドトリマーは、図11に示すように、ライン上の鋼帯(1)を挟む上下一対の回転刃(3,3)(鋼帯の両サイドに対向配置されている)を有し、連続移送される鋼帯(1)はそこを通過する際に、回転刃(3,3)の剪断作用により左右のエッジ部が長手方向に沿って連続的に切断される。鋼帯から切り離された左右のトリム屑(10)(10)は、鋼帯通板方向(矢符A)に略平行な向きに斜降しつつ、ライン下側のトリム屑処理ピット(4)に貯留される。トリム屑処理ピット(4)の底部には、図12(図11の平面説明図)に示すように、片側にトリム屑巻取りドラム(5)、それと向い合う側にプッシャー(6)がそれぞれ配置されている。トリム屑の堆積(10H)は、ある量に達するとプッシャー(6)で巻取りドラム(5)に向って押し出されると共に、該ドラム(5)の回転駆動で巻き取られたうえ、外部に搬出される。プッシャー(6)の進退動作(矢符)、巻取りドラム(5)の駆動及びドラムの交換等は適時反復実施される。
上記トリミング作業において、鋼帯(1)から切り離されるべきトリム屑(10)が切り離されず、図13に示すように、鋼帯(1)に付着したままトリマー部を通過するトリミング異常が発生することがある。トリム屑が付着したまま鋼帯(1)が移送されると、
(イ)ラインの搬送ロールに疵が付く、(ロ)付着屑が装置・機器類に接触・衝突し、装置・機器を毀損する、(ハ)その後の圧延工程で付着屑を起点とする鋼帯の破断が生じる
等の不具合を招く。従って上記トリミング異常が発生した場合には、直ちにラインの運転を停止すると共にトリム屑の除去作業を実施することを要する。このため従来、作業者がトリマーの周辺部を直接又はテレビカメラで常時監視するようにしている。しかし作業者による監視は多大の手間を要するわりに確実性に乏しく、トリミング異常に気付いてライン運転を停止するまでに時間を要し、迅速・的確な対応を確保することが困難である。
そこでトリミング異常の発生を自動的に検出する手段についてこれまで種々の工夫が試みられ次のような提案がなされている。
(a)鋼帯の移送速度とトリマーの上下及び左右に配置された各回転刃の回転とを検出し、鋼帯移送速度の検出値と、回転刃の回転検出値から演算される回転刃周速演算値とを比較して両者が一致するか否かによりトリミング状況の適否を判定する(特許文献1)、
(b)トリミング異常が発生するとトリム屑の巻取り機や剪断機の駆動系の運転状態が変化することを利用し、駆動系の負荷の変動を電気信号として取出しトリミング異常の有無を判定する(特許文献2)、
(c) 回転刃の出側近傍における鋼帯通板ラインの上側と下側とに光学センサーを設置し、各光学センサーから鋼帯の板幅方向に向かう水平方向の光を発射し、該発射光を遮る異物(トリム屑)が検出された場合、トリミング異常発生と判定する(特許文献3)。
特開昭62−173112号公報 特開平06−344218号公報 特開平11−156631号公報
しかし、上記手段aは、信号の検出・処理に複雑な回路構成を必要とし、またトリミング状況を判定するための鋼帯速度検出値と回転刃周速演算値の一致/不一致の判定基準は微妙で判定結果の信頼性に難点がある。手段bは、検出される電気信号にノイズが混入し易く、異常信号を検出してもそれがトリミング異常によるものかノイズによるものかの判別が困難なことが多く信頼性に乏しい。手段cは、比較的構成が簡素でトリミング異常の有無をセンサーの遮光信号の有無から直截に判断することができる。しかしこの方法は、鋼帯から切り離されて排出されるトリム屑が何らかの原因で上方又は下方に飛び出すという異常を検出する(飛び出したトリム屑が照射光を遮断する)ものであるから、トリム屑の付着(図11)というトリミング異常を検出することはできない。
本発明は上記に鑑み、鋼帯サイドトリミングにおけるトリム屑付着(切り離し不良)の発生を確実に検出することができる比較的簡素な構成を有する信頼性の高いトリミング状況監視装置を提供するものである。
本発明は、鋼帯の連続移送下に鋼帯の左右のエッジ部をその長手方向に沿って連続的に切断分離すると共に、鋼帯から切り離される2条のトリム屑を、鋼帯の通板方向と略平行な向きに連続的に斜降させながらライン下側のトリム屑処理ピット内に貯留する鋼帯サイドトリミングにおけるトリミング状況監視装置であって、
投光素子が一定の光軸ピッチで一列に配設された投光器と、該投光器の投光素子と対をなす受光素子が一定の光軸ピッチで一列に配設された受光器とを、前記斜降する2条のトリム屑の斜降空間路を挟んで対抗配置し、該斜降空間路に向けて投光器から照射される検出光を受光器に入射させ、受光器から出力される信号を処理して、斜降する2条のトリム屑による2つの遮光帯が検出される状態をトリミング運転正常、2つの遮光帯の一方又は両方が検出されない状態をトリミング異常と判定するように構成されている。
鋼帯通板ライン上のトリマーによる鋼帯のトリミング操作と、発生するトリム屑をライン下方に斜降させるトリム屑回収操作とは同期連動して行なわれる。従ってトリミング運転が正常に行なわれている限り、鋼帯の両エッジから分離した2条のトリム屑がトリム屑処理ピット内を斜降している状態にある。他方、鋼帯の片側又は両サイドにトリム屑付着(図13)が発生すると、付着したトリム屑は鋼帯の走行に引きずられるためにトリム屑処理ピットへの斜降が妨げられ、斜降空間路に存在しない状態に変化する。
トリム屑処理ピット内を斜降するトリム屑の有無は、斜降空間路を挟んで対向配置された投光器と受光器とを有する光学センサーにより自動的に検知される。投光器の照射光(検出光)がトリム屑に透過を妨げられるとその部分の光は受光器への入射が遮られるので、受光器の出力信号から2つの遮光帯が検出されれば、2条のトリム屑がトリマー部から連続的に斜降している正常運転状態と判定することができ、他方検出される遮光帯が1つの場合は鋼帯の片側にトリム屑付着(図13)が発生し、遮光帯が全く検出されない場合は、鋼帯の両サイドに発生したと判定される。
本発明について実施例を示す図面を参照して具体的に説明する。
図1は、トリム屑処理ピット(4)内に投光器(21)と受光器(23)とを有するトリム屑検出装置(20)を配置した例を示している。鋼帯通板ラインのサイドトリマー(2)によるトリミング操作及びトリム屑(10)をライン下方のトリム屑処理ピット(4)に斜降させるトリム屑回収操作は、前記図11におけるそれと同じである。投光器(21)と受光器(23)は、トリム屑処理ピット(4)を斜降するトリム屑(10)の斜降空間路を挟んで、適宜の架台(図示せず)に固定されて対向配置されている。
図2に示すように投光器(21)は一定の光軸ピッチ(P21)をもって配列された多数個の投光素子(22,22…)を有し、受光器(23)は投光器(21)の各投光素子(22)と対をなす一定の光軸ピッチ(P24)をもって配列された多数個の受光素子(24,24…)を備えている。検出対象であるトリム屑(10)の幅サイズ(鋼帯のトリミング幅)は広狭さまざまであり、狭幅サイズのトリミング作業でもトリム屑検出の確度が高められるように、上記投光素子(22,22…)及び受光素子(24,24…)は密に(光軸ピッチP21,P22を小さく)配列するのがよい。
投光器(21)からの照射光は、トリム屑(10)のない空間部ではそのまま透過して受光器(23)の対応する受光素子(24)に入射し、トリム屑がある部分では、対応する受光素子(24)への入射が遮られる。従って受光器(23)の出力信号は、投光器(21)からの照射光がそのまま入射した高レベルの部分(透光帯)とトリム屑に遮られた低レベルの部分(遮光帯)とを含んでいる。
そこで図3のように、受光器(23)からの出力を信号処理部(25)で処理し、トリム屑の存在を示す遮光帯の有無を容易に視認することができる信号に変換してモニター(表示装置)(27)に出力する。その信号処理においては、例えば、周辺の照明機器等による反射光や、投光器(21)から照射される光のトリム屑による乱反射等の影響を排除するために、受光器(23)の出力を所定の閾値と比較したうえ2値化信号に変換し、その制御出力として、トリム屑に遮光されなかった透過光帯(ON)とトリム屑に遮られた遮光帯(OFF)からなる波形パターンがモニター(27)に表示される。
なお、連続移送ラインに供給される鋼帯(1)は、図4に示すように、先行する鋼帯(1)の尾端と後続する鋼帯(1)の始端とが溶接(1w)で接合されており、溶接部(1w)には、溶接施工時に形成されたクリップカット(1c)(トリミング代Eを横切っている)がある。このため、鋼帯溶接部(1w)がサイドトリマー(2)を通過すると、先行鋼帯のトリム屑(10)と後続鋼帯のトリム屑(10)とが分断されることになり、そのたびにトリム屑の検出信号が消失する。従って鋼帯溶接部のクリップカット(1c)による検出信号の変化(トリム屑の分断でありトリミング異常ではない)と、トリミング異常(トリム屑付着)の発生による検出信号の変化とを区別する必要がある。この区別には、鋼帯溶接部のトラッキング情報が使用される。通常連続移送ラインでは、鋼帯溶接部(1w)が現在ライン内のどの地点を通過しつつあるか常時追跡監視(トラッキング)されるので、そのトラッキング情報を、検出装置(図3)の信号処理部(25)に入力することにより、上記トリム屑の分断とトリミング異常の発生とを判別して出力するようにすればよい。
図5および図6(a)(b)はモニター(表示装置)(26)に表示される出力パターンを示している。図5における(S)(S)(遮光帯)は、投光器(21)からの照射光(検出光)が2条のトリム屑のために受光器(23)への入射が遮られていることを表し、従ってこの出力パターンは、鋼帯のトリミング作業が順調に行なわれていることを示している。他方、トリム屑付着(図13)が発生すると、付着したトリム屑は鋼帯(10)の走行に引きずられて斜降空間路から逸脱し、このためモニター(27)の出力パターンは図6(a)(b)のように変化する。図6(a)の出力パターンは、2つの遮光帯(S)(S)のうち、一方の遮光帯(図示の例では遮光帯S)が消失し、これは鋼帯エッジの一方の側にトリム屑付着が発生したことを表しており、同図(b)の出力パターンは、遮光帯(OFF部)がなく透過光帯のみであることから、鋼帯の両サイドにトリム屑付着が発生したことを表している。
上記のように表示装置(27)の制御信号パターンによりトリミング状態を容易に視認することができ、トリミング異常の発生は警報器(28)により音声として作業者に報知される。また信号処理部(25)で検出される異常発生信号をトリミングライン運転制御部(29)に出力し、異常発生と同時にトリミングラインの鋼帯通板の減速又は通板停止等を指令する回路構成をとることもできる。
このように作業者は、トリミング異常(トリム屑付着)の発生と同時に異常発生を確認することができ、その異常発生に対する措置、例えばトリミングラインの鋼帯通板の減速または停止、および付着屑の排除、サイドトリマーの点検・調整等、ラインの修復・運転再開に必要な手当てを迅速に実施することができる。
本発明においてトリム屑を検出する投光器(21)と受光器(23)とは、例えば図7に示すように鋼帯の通板方向(矢符A)に対して略直交する向きに設置され、あるいは図8のように鋼帯通板方向に略平行な向きに設置される。またトリム屑(10)の断面形状や捩れ変形等を考慮して傾斜する向きに対向配置される場合もある。例えば図10において、実線で示す向きに対向配置された投光器(21)と受光器(23)で検出されるトリム屑(10)の遮光検出幅(I)は、鎖線で示す向きに対向配置された場合の遮光検出幅(I)より大きく、それだけトリム屑の検出精度が高められる。前記図8における鎖線表示の投光器(21)と受光器(23)は適当な角度の傾斜(矢符z)をもたせて対向配置した例を示している。図7(鋼帯通板方向Aに略直交する対向配置)の投光器(21)と受光器(23)についても同じように必要に応じて傾斜配置される。更に、投光器(21)と受光器(23)の設置高さに段差をもたせ、例えば図9のように投光器(21)から斜め上方又は斜め下方に照射して受光器(23)に入射させるようにしてもよい。
上記図7〜図10に示した投光器(21)と受光器(23)の各種の対向配置形態は任意に組み合わせられる。例えば、図7のように鋼帯通板方向(矢符A)に略直交する向きをなして対向ずる投光器(21)・受光器(23)の配置と、図8のように鋼帯通板方向に略平行な向きをなす投光器(21)・受光器(23)の配置とが組み合わせられて設置される場合もあり、更にそれぞれにおける投光器(21)と受光器(23)とを、図9,図10に示すように適宜の傾斜角度をなして対抗配置することも適宜実施される。
本発明はトリム屑処理ピットを斜降するトリム屑の検出信号によりトリミング状況を監視するようにしたので、鋼帯のトリミングの異常発生を看過することがなく、トリム屑の検出信号の変化からトリミング異常を発生と同時に確実に検知することができる。トリム屑の検出はトリム屑処理ピットに設置される投光器と受光器とを介して行われ、装置構成が簡素で既設のトリミング設備にも容易に適用することができ、トリミング不良による損失を最小限に抑えると共に、トリミングラインの運転効率、生産性の向上等の効果をもたらすものである。
本発明のトリミング状況を監視するトリム屑検出装置の配置を示す正面図である。 トリム屑検出装置の投光器及び受光器を示す正面図である。 トリミング状況監視のシステム図である。 鋼帯の溶接接合を示す平面説明図である。 受光器の出力信号を処理して得られるトリミング状況(正常運転状態)を示す出力パターン図である。 受光器の出力信号を処理して得られるトリミング状況(異常発生)を示す出力パターン図である。
トリム屑処理ピットにおける投光器及び受光器の配置例を示す斜視図である。 トリム屑処理ピットにおける投光器及び受光器の他の配置例を示す斜視図である。 トリム屑処理ピットにおける投光器及び受光器の他の配置例を示す斜視図である。 トリム屑による照射光の照射の向きと遮光幅の説明図である。 鋼帯トリミングラインのトリム屑処理ピットを示す正面図である。 鋼帯トリミングラインのトリム屑処理ピットの平面説明図である。 トリム屑付着の発生状態を模式的に示す正面図である。
符号の説明
1:鋼帯
1w:溶接接合部
1c:クリップカット
2:サイドトリマー
3:回転刃
4:トリム屑処理ピット
5:トリム屑巻取りドラム
6:プッシャー
10:トリム屑
10H:トリム屑の堆積
20:トリム屑検出装置
21:投光器
22:投光素子
23:受光器
24:受光素子
25:信号処理部
27:表示手段(モニター)
28:警報手段
29:トリミングライン運転制御部

Claims (3)

  1. 鋼帯の連続移送下に鋼帯の左右のエッジ部をその長手方向に沿って連続的に切断分離すると共に、鋼帯から切り離される2条のトリム屑を、鋼帯の通板方向と略平行な向きに連続的に斜降させてライン下方のトリム屑処理ピットに貯留する鋼帯サイドトリミングにおけるトリミング状況監視装置であって、
    投光素子が一定の光軸ピッチで一列に配設された投光器と、該投光器の投光素子と対をなす受光素子が一定の光軸ピッチで一列に配設された受光器とを、前記斜降する2条のトリム屑の斜降空間路を挟んで対抗配置し、該斜降空間路に向けて投光器から照射される検出光を受光器に入射させ、受光器から出力される信号を処理して、斜降する2条のトリム屑による2つの遮光帯が検出される状態をトリミング運転正常、2つの遮光帯の一方又は両方が検出されない状態をトリミング異常と判定するように構成された鋼帯トリミング状況監視装置。
  2. 投光器と受光器とが、トリム屑処理ピット内を斜降する2条のトリム屑の斜降空間路を挟んで、鋼帯の通板方向に対し略直交する向き、又は/及び鋼帯の通板方向に略平行な向きをなして対抗配置されている請求項1に記載の鋼帯トリミング状況監視装置。
  3. 受光器の出力信号を表示する表示手段、及びトリミング異常発生時にその旨の警報を出力する警報手段とを備えた請求項1に記載の鋼帯トリミング状況監視装置。
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