JP2006305344A - 暖房便座 - Google Patents

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Abstract

【課題】速暖性を備えて、漏洩磁束低減特性に優れた瞬間便座暖房を実現する。
【解決手段】便座に備えたヒータ2を人体検知センサ10、温度検知手段3の信号によって、トライアック5で制御出力に応じて位相制御する。前記ヒータ2は、便座を急速に昇温可能で、前記ヒータ2の制御手段が、ヒータへの入力電力を位相制御することで、速暖性、省エネ性、漏洩磁束の低減を実現する。
【選択図】図1

Description

本発明は便座を短時間で暖房する速温暖房便座のヒータ制御方法に関するものである。
従来のこの種の速温暖房便座では、図7に示すように、内部に空洞部101を持つ便座102の着座部103を透明ポリプロピレン樹脂で構成し、着座部103の表面に設置された輻射熱吸収層104を設置し、空洞部101にはランプヒータを設置していた。ランプヒータ105からの輻射は透明ポリプロピレン樹脂性の着座部103を透過し、表面に設置された輻射熱吸収層104で熱に変換され、着座部103を昇温させるというものであった。臀部が接触する輻射熱吸収層104で熱の発生が行われるので、便座102の内部からコードヒータなど、熱伝導で加熱される方式と比較すると短時間で臀部の暖房が可能となる。また温度制御はランプヒータ105近傍に置かれたサーモスタット106で行い、温度ヒューズ107で異常加熱の危険を防ぐようにしたものであった(例えば特許文献1参照)。
しかしながら上記従来の構成では、温度制御をサーモスタットで行うので、昇温性能に優れた大容量のランプヒータがON/OFF制御されることになり、結果として便座温度を一定に保つことが困難で、さらにはサーモスタットの応答遅れがあるため、温度の変動幅が大きくなり、使用者に不快感を与えることになる。
また、速暖性能を向上しようとすると、短時間に必然的に大電力を投入する必要があり、熱輻射性能に優れたランプヒータが採用されるのが普通である。しかしランプヒータのフィラメントは温度が低い時は抵抗値が小さく、通電されると所定の抵抗値になる。初期の抵抗値は小さいので電圧印加直後には時に大きな突入電流が流れることは避けられなかった。大きな電流が流れるとそれに伴って発生する磁界も大きくなる。
一方、電気機器の使用に伴って発生する磁界の量に関しては、国際的なガイドラインが決められており(例えば非特許文献1参照)、最低限その値を守り、できれば、規制値の1/100程度に抑制することが求められていた。
特に便座については上記のように発生磁界が大きくなる可能性のあるものでありながら、使用者が、磁界発生源に近づいて使用するものであるために、特に漏洩磁束低減の要請が強かった。ところが従来の構成では、人が便座着座した時、ランプヒータを断続制御で制御、消費電力を落として使用したとしても、フィラメントが冷えた状態で電圧が印加されれば、大きな突入電流が流れざるを得ず、速暖性には優れてはいるものの、漏洩磁界抑制性能に優れた便座暖房を実現できない可能性があった。
さらに、便座を短時間で昇温させるには、大容量の加熱手段を用いるだけでなく、被加熱部の熱容量をできるだけ小さくする必要があり、このように構成で制御するには応答性に優れた電力制御が必要となる。
特開2000−14598号公報 時間変化する電界、磁界及び電磁界による暴露を制限するためのガイドライン(300GHzまで) 国際非電離放射線防護委員会 1998年4月
従来の構成では、便座を短時間で昇温させるには、大容量の加熱手段を用いるだけでな
く、被加熱部の熱容量をできるだけ小さくする必要があり、このように構成することで便座の昇温性能を向上させると、当然のことながら加熱手段をOFFしたときの温度降下も速くなる。その結果、便座は加熱手段のON/OFFで急速な温度の上昇/降下を繰り返し、制御性が非常に悪いため、この便座温度を所定値に制御するには応答性に優れた電力制御が必要となる。
前記従来の課題を解決するために、本発明の暖房便座は、便座と、前記便座を急速昇温可能なヒータと、前記便座を使用しようとする人体を検知する人体検知手段と、前記便座の温度を検出する温度検知手段と、前記ヒータを駆動するヒータ制御手段と、位相制御回路とを備え、前記ヒータ制御手段は、前記人体検知手段や前記温度検知手段や前記位相制御回路の信号に基づいて前記ヒータへの入力電力を制御する構成としたものである。
この構成によって、便座を使用しようという人体を検出した時には、ヒータの通電を開始して急速に便座を昇温させることができ、また必要に応じてヒータへの入力電力を位相制御すれば、AC100Vの低い電圧となる位相で通電が行えるため、入力電力をきめ細やかに切り替えることができ、安定した便座温度に制御することができる。
本発明は、速暖性能を有するとともに、省エネルギー性と制御安定性に優れた暖房便座を実現することができる。
第1の発明は、便座と、前記便座を急速昇温可能なヒータと、前記便座を使用しようとする人体を検知する人体検知手段と、前記便座の温度を検出する温度検知手段と、前記ヒータを駆動するヒータ制御手段と、位相制御回路とを備え、前記ヒータ制御手段が、前記人体検知手段や前記温度検知手段や前記位相制御回路の信号に基づいて前記ヒータへの入力電力を制御することにより、速暖性能と省エネルギー性、制御安定性に優れた暖房便座を実現することができる。
第2の発明は、特に第1の発明において、ヒータ制御手段が、ヒータを駆動しない待機状態と、ヒータを定格出力で駆動する高出力状態と、ヒータを弱出力で駆動する低出力状態を有し、少なくとも前記低出力状態では位相制御回路の信号に基づいて位相制御を行なうことにより、速暖性能と省エネルギー性、さらに制御安定性に優れた暖房便座を実現することが可能になる。
第3の発明は、特に第1または第2の発明の暖房便座で、位相制御回路が、電源高調波電流成分を電源周波数の整数倍以外の周波数成分に分散化するように点弧角を変化させるので、高調波電流の発生レベルを低下させることができる。そして、照明器具のフリッカの発生を抑えることができる。
第4の発明は、特に第3の発明の暖房便座で、点弧角を所定基準値に対して変化させる変動幅を所定基準値に対してランダムに変化させることにより、点弧角と関連して特異的なパターンで発生する高調波電流に規則性を持たせずに分散化でき、より高調波電流の減少度を高め、電源電圧の変化にも規則性が現れない。
第5の発明は、特に第3の発明の暖房便座で、基準電力を得るように変化させた点弧角をさらにゆらぎ変化させたので、全ての点弧角において、(すなわち、90度近辺の位相角を避けることなく、)高調波成分を分散化させることが可能で、過大な高調波の発生を防ぐことができる。
第6の発明は、特に、第1〜5のいずれか1つの発明の暖房便座で、ヒータは、定格容量が1500W以下であるとともに、便座表面の温度を少なくとも毎秒1K以上で昇温可能な構成とすることにより、家庭にある一般的なコンセントからの電源供給が可能なため、特別な工事が不要で導入費用を安くすることができるとともに、設置できる範囲を広げることができる。また便座表面の昇温速度が速いので、使用者がトイレに入室したことが人体検知手段により検知されてから便座表面を昇温するのに必要な時間が短縮できるため、使用者が脱衣し、着座するまでの短時間で着座部の温度を、冷感を感じない温度まで十分昇温させることが可能となり、省エネ性に優れた便座暖房を実現することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における暖房便座の構成図である。
図1において、便座1は内部に空洞部を有し(図示せず)、暖房用のランプヒータ2と温度検知手段としてのサーミスタ3が収納されており、便座本体部1aには着座センサ4、ランプヒータ2、制御用のトライアック5、AC100Vから交流信号のゼロクロス点を検出するゼロクロス検出回路6、ゼロクロス検出回路6の出力から位相差信号を出力する位相制御回路6a、ヒータ制御手段7、バッファー8、サーミスタ3と直列に接続される抵抗9、人体検知センサ10からの信号の受信部11などが納められている。
人体検知センサ10、サーミスタ3、着座センサ4、ゼロクロス検出回路6からの信号、位相制御回路6aからの信号はヒータ制御手段7に入力され、その信号入力から演算されて、バッファー8へランプヒータ2の制御信号が出力される。ランプヒータ2はトライアック5を介してスイッチング制御され、AC100電圧が印加されてランプヒータ2の出力が決定される。トライアック5は導通信号が出力されると、次のゼロクロス点まで導通を保持する素子である。
ここで人体検知センサ10は焦電型赤外線センサで人体を検出し、その検出信号を最終的にヒータ制御手段7に送信するものである。人体検知センサ10からの信号は信号受光部11で受信され、ヒータ制御手段7に入力される。
このような構成で、人体検知センサ10で人体を検出して、暖房手段であるランプヒータ2に通電する。ランプヒータ2の通電は、ゼロクロス信号を受けてAC100Vの半波を全区間通電する波数制御と、ゼロクロス信号から、一定時間遅れてAV100Vの電圧の半波を通電する位相制御の二つの制御方法で行なう。全波制御は、人体検知センサ10が人体を検知し、急速に便座1を加熱しなければならない状態での加熱であり、位相制御は人が便座1に着座し、便座1を保温状態に保つときの制御方法である。位相制御は、AC100Vの低い電圧となる位相で通電が行えるので、ランプヒータ2の入力電圧をきめ細やかに切り替えることができ、便座1の保温温度を極めて安定の状態に保つことができる。
このような構成によって、便座の速暖性能を格段に向上できるので、使用時のみ急速に便座を昇温させて使用することが可能となり、大幅な省エネルギー化を図ることができるとともに、きわめて温度安定性に優れた使い勝手のよい暖房便座を実現することができる。また、ランプヒータ2が冷えた状態で通電されても、突入電流は小さく抑えられる。したがって電流によって発生する漏洩磁束の大きさも小さくすることができるので、速暖性能を有しつつ、保温時には、漏洩磁束を抑えた暖房便座を実現することが可能になる。
図2は本発明の実施の形態1における暖房便座制御における状態遷移図である。待機状態12はトライアック5へ信号が出力されていない状態、高出力状態13はトライアック5へ常時出力されている状態、低出力状態14はトライアック5が位相制御されている状態を表す。待機状態12から高出力状態13へのパスAは人体検知センサ10で使用者の検知がなされた時であり、高出力状態13から低出力状態14へのパスBはサーミスタ3が所定の温度を検知した時であり、低出力状態14から待機状態12へのパスCは着座センサ4の出力から人体を検出しなくなった時に移行する。例えば、着座センサ4が赤外線LEDの発光部と受光部を持った形式のものであったら、人体が便座1に着座している時は発光部からの光が人体に反射して受光部で検出することによって着座を検出している。人体が便座1から離れると、受光部での反射光検出ができないので着座なしと判定される。
このような状態遷移を行なう構成によって、人体を検知していない時には、通電を行なわず、検知して初めて通電を行ない、また人が使用を終わったら直ちに通電を停止することから、省エネルギー性に優れた暖房便座の実現が可能となる。
図3は本発明の実施の形態1における暖房便座の構成図である。図3において位相制御回路6aはゼロクロス検出回路からの信号を一定時間遅延させる遅延回路6bで構成されている。AV100V電圧が0Vになる時に出力されるゼロクロスパルスは60Hzにおいて8.3ミリ秒以内の遅延時間を与えて、ヒータ制御手段7へ出力される。トライアック5はゼロ点から設定された遅延時間を経過してから導通し、次のゼロ点までランプヒータ2に電圧を印加させる。この構成ではゼロクロスパルスを一定時間遅延させるだけなので、回路の構成が簡単になる。位相制御のパルス出力回路が簡単になる。
図4は本発明の実施の形態1における暖房便座制御におけるトライアック5の制御パルスおよびヒータ印加電圧波形のタイムチャートである。(a)は波数制御時、(b)は位相制御時のものである。それぞれ上からゲートパルスの出力、ヒータ印加電圧波形を示し、縦軸は、出力電圧、横軸は時間である。
図4(a)の波数制御においてはAC100V電圧のゼロクロス点で、ゲートパルスが1個出力されるとランプヒータ2へは次のゼロ点までの半サイクル電圧が印加される。パルスが印加されないと、ランプヒータ2には電圧が印加されない。図中の斜線部S1、S2、S3、S4で示したものは電圧が印加される波形を示している。
図4(b)の位相制御において、ゲートパルスはゼロクロス点より遅れて(t1〜t4)出力され(V1〜V4)AC100V電圧は斜線で示した部分(A1〜A4)が印加される。ここでパルスが電圧の最大値を過ぎてから出力されると、AC141Vよりも低い電圧が印加され、また印加時間も短くなる。このように低い電圧が印加され、また印加時間も短いことから、突入電流は抑制され、したがって漏洩磁束も低減される。
図5は本発明の実施の形態1における暖房便座制御における状態遷移図である。図2との違いは、待機状態12もトライアック5が位相制御され、低出力状態にあることである。高出力状態13はトライアック5へ常時出力されている状態、低出力状態14はトライアック5が位相制御されている状態である。待機状態12から高出力状態13へのパスAは人体検知センサ10で人体検知がなされた時であり、高出力状態13から低出力状態14へのパスBはサーミスタ3が温度検知した時であり、低出力状態14から待機状態12へのパスCは着座センサ4の出力から人体を検出しなくなった時に移行する。例えば、着座センサ4が赤外線LEDの発光部と受光部を持った形式のものであったら、人体が便座1に着座している時は発光部からの光が人体に反射して受光部で検出することによって着
座を検出している。人体が便座1から離れると、受光部での反射光検出ができないので着座なしと判定される。
この待機状態も低出力でランプヒータ2が駆動されることにより、冬場の暖房のないトイレ空間のように冷えきった環境においても、使用者が不快に感じない温度まで短時間で昇温できるという利点がある。
図6は本発明の実施の形態1における暖房便座制御における状態遷移図である。図2との違いは待機状態12から低出力状態14へのパスDが存在することである。待機状態12で人体検知した時、サーミスタ3で便座1の温度が高いと判断したら、低出力状態14へ移行する。このパスDを設けることによって連続して使用されるなどして便座1が暖房されている時など、ランプヒータ2に余分な電力が供給されるのを防ぎ、省電力性に優れた速暖便座が実現される。
このようにゼロクロス検出回路6および位相制御回路6a、人体検知センサ10およびサーミスタ3および着座センサ4の出力によってトライアック5駆動用のゲートパルスを出力するヒータ制御手段7によって速暖性能を有し、漏洩磁束の小さい、省エネルギー性に富んだ暖房便座を実現する暖房便座を実現することが可能になる。
なお、人体検知センサ10は洗浄条件等を使用者の好みに応じて操作する操作部を有する遠隔操作装置(いわゆるモコン)とは別体で、トイレ室内の例えば、入室扉に対向する壁面や天井や壁面、床面などに設け、視野を入室扉方向や入室者方向として人体の入室を検知できるように、各戸別のトイレ室条件に応じて適宜設置するようにする。そして、入室時の人体を検知して、トイレを使用しようとしている人を検知する。着座センサとは別に設けて、着座するよりも先に確実にトイレを使用しようとする人体を検知するために、この人体検知センサのみ別設可能なので、設置自由度が高く施工性がよい。これは、必ずしもトイレ室内に設ける必要はなく、トイレ室扉手前で、赤外線をさえぎる構成がなければ床面、壁面、天井面など、様々な場所に設置できるような構成であればよい。さらに、赤外線送信をするものでなく、無線送信可能な送受信手段を人体検知センサ10と便座本体部1aとに設けておけば、トイレ室手前や、他の人体検知、入室検知方式を採用してもよく、より早いタイミングでトイレを使用しようとしている人体を検知できる。例えば、入室を検知する構成として扉の開閉を検知する開閉検知センサをトイレ室扉に設けておく、開閉ノブ、ハンドル等に開閉時の操作を検知する開閉操作検知センサを設けるような構成としてもよい。もちろんこれらのセンサからの検知信号は無線送受信する方式の方が、設置自由度が高く好ましいが必ずしもそのような構成でなく直接信号入力するように接続してもよい。
(実施の形態2)
図8は、本発明の第2の実施の形態における暖房便座を備えた衛生洗浄装置のブロック図を示すもので、破線100aで囲んだ部分がヒータ制御手段、同じく破線で囲んだ100bが位相制御回路に
相当する。
この衛生洗浄装置には、交流電源101、加熱器である温水ヒータ102、便座ヒータ103、乾燥ヒータ104、室暖ヒータ105といった負荷、トライアック106〜109、温度設定部110、温度検出部111、点弧角制御部112、トリガー部113、点弧角制御部112、ゼロクロス点検出部114が接続されており、点弧角制御部112とトリガー部113との間にはゆらぎ制御部115が設けてある。
温度設定部110は使用者が設定した所望の温水温度目標値、便座温度目標値、乾燥温
度目標値、室暖温度目標値を設定する。
温水ヒータ102、便座ヒータ103、乾燥ヒータ104、室暖ヒータ105の各負荷に設けた温度検出部111の各センサ(図示せず)は各負荷の温度(温水温度、便座温度、乾燥温度、室暖温度)を電気信号へ変換し、点弧角制御部112へ送る。点弧角制御部112は温度設定部110の値と温度検出部111の値とを比較して点弧角(以下点弧角の所定基準値という)を決め、ゼロクロス点検出部114から得た電源のゼロクロス点を基準とした点弧角の所定基準値に相当する時間値をゆらぎ制御部115へ出力する。ゆらぎ制御部115は点弧角制御部112から受けた点弧角の所定基準値を中心として電源のサイクル毎に大小に点弧角を変動させゆらぎを加えてトリガー部113へ出力する。点弧角制御部112およびゆらぎ制御部115はマイクロコンピュータ、メモリー等で構成されており、ゆらぎ制御部115のメモリーに設定された変化巾設定データに基づき点弧角を変化させた点弧信号をトリガー部113へ送る。トリガー部113はパルス信号を発生しトライアック106〜109を点弧して位相制御を行なう。
図9は本発明の第2の実施の形態における暖房便座を備えた衛生洗浄装置を便器に装着した状態を示す斜視図である。
図9に示すように、便器120上に衛生洗浄装置121が装着される。タンク122は、水道配管に接続されており、便器120内に洗浄水を供給する。
衛生洗浄装置121は、本体部123、遠隔操作装置124、便座部125aおよび蓋部125bにより構成される。
本体部123には、便座部125aおよび蓋部125bが開閉自在に取り付けられる。この便座125aには便座温度を検出する温度検知手段としての便座サーミスタ126が内蔵されている。さらに、本体部123には、ノズル部127を含む洗浄水供給機構が設けられるとともに、制御部が内蔵されている。本体部123の制御部は、後述するように遠隔操作装置124により送信される信号に基づいて、洗浄水供給機構を制御する。さらに、便座部125aには前述の便座ヒータ103が内蔵されており、本体部123には乾燥用の温風供給装置(図示せず)と、脱臭装置(図示せず)と、室内暖房用の室暖装置(図示せず)が収められている。温風供給装置と室暖装置にはそれぞれ前述の乾燥ヒータ104と室暖ヒータ105とが内蔵されている。
なお、便座ヒータ103は、便座部125aの表面を使用者がトイレに入室したことを検知してから適温にまで急速昇温可能なように1200ワットの高耐熱線条ヒータを採用している。この線条ヒータは線条の発熱体に高耐熱樹脂で絶縁被覆を施したものであるが、ヒータの形態はこれに限定されるものはなく、先述した実施の形態1で説明したランプヒータや、箔状の発熱体を絶縁材で被覆したものなど、便座部125aの表面を毎秒1K以上の速度で昇温可能でかつ感電や発煙発火の恐れがないものであれば、さまざまな応用が考えられる。位相制御時に生じる高調波による弊害は、当然ながら負荷であるヒータの容量が大きいほど顕著となるため、昇温速度を速めるために便座ヒータ103を大容量にすれば本発明の効果が発揮されることとなる。
なおまた、便座部125aの着座部は昇温速度が満足できれば樹脂で構成することも可能であるが、本実施例では、昇温速度をできるだけ速くするため、アルミニウム合金で構成した。アルミニウム合金やSUSのような金属でこの便座部125aを構成することで、熱容量が小さいにもかかわらず十分な強度が確保でき、また金属は熱伝導性に優れるため、ヒータの熱が効率的に表面に伝わって昇温速度の向上に寄与するとともに、便座部125aの表面温度の均一化が図れる。
図10は図9の遠隔操作装置124の一例を示す模式図である。
図10に示すように、遠隔操作装置124は、複数のLED(発光ダイオード)128、複数の調整スイッチ129〜134、おしりスイッチ135、ビデスイッチ136、乾燥スイッチ137、脱臭スイッチ138、室暖スイッチ139および停止スイッチ140を備える。
使用者により調整スイッチ129〜134、おしりスイッチ135、ビデスイッチ136、乾燥スイッチ137、脱臭スイッチ138、室暖スイッチ139および停止スイッチ140が押下操作される。それにより、遠隔操作装置124は、後述する衛生洗浄装置121の本体部123に設けられた制御部に所定の信号を無線送信する。本体部123の制御部は、遠隔操作装置124より無線送信される所定の信号を受信し、洗浄水供給機構等を制御する。
例えば、使用者が、おしりスイッチ135またはビデスイッチ136を押下操作することにより図9の本体部123のノズル部127が移動して洗浄水が噴出する。調整スイッチ131の「高」を押下操作することにより図9の本体部123の洗浄水供給機構の温水器の温水温度目標値が変更され、温水温度が上昇する。停止スイッチ140を押下操作することによりノズル部127からの洗浄水の噴出が停止する。
また、乾燥スイッチ137を押下操作することにより人体の局部に対して衛生洗浄装置121の温風供給装置(図示せず)より温風が噴出される。脱臭スイッチ138を押下操作することにより衛生洗浄装置121の脱臭装置(図示せず)により周辺の脱臭が行われる。さらに室暖スイッチ139を押下操作することによりトイレ全体に衛生洗浄装置121の室暖装置(図示せず)より温風が噴出される。
使用者が、調整スイッチ129〜134を押下操作することにより、おしりスイッチ135やビデスイッチ136を押下操作中であれば、図9の衛生洗浄装置121の本体部123のノズル部127の位置が変化したり、ノズル部127より噴出される洗浄水の温度が変化したり、ノズル部127より噴出される洗浄水の圧力が変化する。また、乾燥スイッチ137や室暖スイッチ139を押下操作中であれば、温風温度が変化する。さらに、調整スイッチ129〜134の押下に伴って複数のLED(発光ダイオード)128が点灯する。何のスイッチも押下操作も行われていなければ、便座部125aの設定温度が変化する。
以下、本発明の一実施例の暖房便座を備えた衛生洗浄装置の洗浄水供給機構について説明を行う。図11は本発明の一実施例の衛生洗浄装置の洗浄水供給機構の構成を示す模式図である。
洗浄水供給機構は図8で説明した制御手段の、温水ヒータ102および便座ヒータ103を制御する構成である。
図11に示す本体部123は、制御部141、分岐水栓142、ストレーナ143、逆止弁144、定流量弁145、止水電磁弁146、流量センサ147、熱交換器148、給水温度センサ149、温水温度センサ150、サーモスタット151、ポンプ152、切替弁153およびノズル部127を含む。また、ノズル部127は、おしりノズル154、ビデノズル155およびノズル洗浄用ノズル156を含む。
温水温度センサ150は図8における温度検出部111の中のひとつのセンサである。
図11に示すように、水道配管157に分岐水栓142が介挿される。また、分岐水栓142と熱交換器148との間に接続される配管158に、ストレーナ143、逆止弁144、定流量弁145、止水電磁弁146、流量センサ147および給水温度センサ149が順に介挿されている。さらに、熱交換器148と切替弁153との間に接続される配管159に、温水温度センサ150およびポンプ152が介挿されている。
まず、水道配管157を流れる水が、洗浄水として分岐水栓142によりストレーナ143に供給される。ストレーナ143により洗浄水に含まれるごみや不純物等が除去される。次に、逆止弁144により配管158内における洗浄水の逆流が防止される。そして、定流量弁145により配管158内を流れる洗浄水の流量が一定に維持される。
また、ポンプ152と切替弁153との間にはリリーフ管160が接続され、止水電磁弁146と流量センサ147との間には、逃がし水配管161が接続されている。リリーフ配管160には、リリーフ弁162が介挿されている。リリーフ弁162は、配管159の特にポンプ152の下流側の圧力が所定値を超えると開成し、異常時の機器の破損、ホースの外れ等の不具合を防止する。一方、定流量弁145によって流量が調節され供給される洗浄水のうちポンプ152で吸引されない洗浄水を逃がし水配管160から放出する。これにより、水道供給圧に左右されることなくポンプ152には所定の背圧が作用することになる。
次いで、流量センサ147は、配管158内を流れる洗浄水の流量を測定し、制御部141に測定流量値を与える。また、給水温度センサ149は、配管158内を流れる洗浄水の温度を測定し、制御部141に温度測定値を与える。
続いて、熱交換器148には、温水ヒータ102が内蔵され、制御部141により与えられる制御信号に基づいて、温水ヒータ102が通電制御され、配管158を通して供給された洗浄水を加熱する。温水温度センサ150は、熱交換器111により加熱される洗浄水の温度を測定し、温水温度信号を制御部141に与え、制御部141は温水温度が所望の温水温度目標値となるように温水ヒータ102の加熱量をフィードバック制御する。サーモスタット151は、熱交換器148からの温水温度を検知し、所定の温度を超過した場合に温水ヒータ12への電力供給を遮断する。
なお、上述の所望の温水温度目標値は、遠隔操作装置124の調整スイッチ131、132により設定される値であり、図8の温度設定部110の設定項目のひとつを表している。
ポンプ152は、熱交換器148により加熱された洗浄水を制御部141により与えられる制御信号に基づいて、切替弁153に圧送する。切替弁153は、制御部141により与えられる制御信号に基づいて、ノズル部127のおしりノズル154、ビデノズル155およびノズル洗浄用ノズル156のいずれか1つに洗浄水を供給する。それにより、おしりノズル154、ビデノズル155およびノズル洗浄用ノズル156のいずれか1つより洗浄水が噴出される。
洗浄水供給機構における制御部141は、図9の遠隔操作装置124から無線送信される信号、流量センサ147から与えられる測定流量値、給水温度センサ149から与えられる温度測定値および温水温度センサ150から与えられる温水温度信号に基づき止水電磁弁146、熱交換器148、ポンプ152および切替弁153に対して制御信号を与える。
次に図8で説明した制御手段における位相制御の動作の説明をする。
図12は、ゆらぎ制御部115に与えた電源サイクル毎の点弧位相角の変化を示す図であり、同図の点線で示す点弧角の所定基準値αを中心として各サイクル(全波)毎に異なる変化角度(Δαn)だけ変化した点弧角α1、α2、αnで夫々1サイクル目、2サイクル目、nサイクル目の点弧角を変化させている。尚、各サイクルの正負のサイクルの点弧角は同一である。
(表1)は、ゆらぎ制御部109が点弧角の所定基準値αに与える図12で述べたゆらぎ角度(Δαn)のサイクル順の条件表の1例であり、変化角度の最高値をレベル1で±1.13度、レベル2で±2.26度、レベル3で±3.4度、レベル4で±4.53度とし、正と負の最大値間を15段階に分けて乱数表によりサイクル順に割り当てて変化させた例を示す。
(表1)の左段のnは1から15まで変わると再び1に戻り、同じゆらぎを繰り返すため、ゆらぎ変化は周期的に同じ変化を繰り返すことになる。
ゆらぎの角度の種類(乱数の個数)は、多いほど偏りのない乱数を得られるが、多すぎるとゆらぎの周期が長くなり、短時間に電源高調波を測定すると測定毎に違った結果が得られるという不具合が起こる。
(表1)において、レベル1の条件では1サイクル目を所定基準値+1.13度とし、2サイクル目では所定基準値−0.16度として以下15サイクルを1周期として夫々のサイクルでの点弧角を変化させた。
なおレベル0はゆらぎ変化を与えないことを示す。
上のように構成された衛生洗浄装置を用いて便座ヒータ103の発熱量を制御した場合の動作、作用を以下説明する。
1200ワットの便座ヒータ103の負荷において、表1のゆらぎ変化角度表の条件を加えた場合と加えない場合の高調波発生の状況と照明のフリッカの発生を調べた結果を以下述べる。
図13は、点弧角の所定基準値を90度(発熱量約600ワット)として、表1のゆらぎ角度表のレベル3の変化を加えて位相制御した時、所定の許容範囲をJIS C61000−3−2限度値―高調波電流発生限度値として、これに基づいて行なった実験による第40次までの電源高調波電流の分布を示す。
同図13に於いて、白色の線は高調波の次数毎のJIS C61000−3−2に規定された限度値(以下限度値という)を示し、黒色の線は実測値を示す。
いずれの高調波も限度値を下回り、40次までの各次数の高調波の限度値と実測値との比率を示す余裕度の内の最少の余裕度は35.1%を示す良好な結果が得られ、同時に行なった照明器具のフリッカ試験でもフリッカが観測されなかった。
図14は、点弧角の所定基準値を90度として、ゆらぎ変化なしの時の電源高調波電流の分布を示す。実測値は13次高調波電流から上の奇数次高調波電流が全て限度値を超過していることで、高調波電流の発生が大きいことを示している。また、同時に行なった照明器具のフリッカ試験ではフリッカが観測されなかった。
図13と図14を比較すると図13では偶数次高調波電流が生じていて、点弧角のゆらぎ変化により高調波電流の分散が生じていると判断できる。
さらに図14では電源周波数の整数倍の周波数の電流成分しか表示されていないが、本発明のように点弧角をランダムにゆらがせると高調波電流の周波数成分は、電源周波数の整数倍以外の周波数にも発生する。
(表1)におけるゆらぎ変化は周期的に同じ変化を繰り返しており、この繰り返し周波数は本実施の形態の場合は、電源周波数60Hzの15分の1の4Hzとなる。実はゆらがせた場合の高調波電流の周波数成分は、乱数が一巡する周期に依存し、乱数が15個では電源周波数の15サイクルで一巡するので、電源周波数の整数倍の各周波数を中心に4Hz間隔で分散される。例えば180Hzの3次高調波電流は、揺らがせると180Hzを中心に高い方では184Hz、188Hz、192Hz、・・・、低い方では176Hz、172Hz、168Hz、・・・と、電源周波数の整数倍のところにあった高調波電流成分が4Hz間隔で周囲の周波数に分散され、結果的に高いレベルの高調波電流成分が減少する。
図15は点弧角の所定基準値を90度として、表1のゆらぎ角度表のレベル3の変化を加えて位相制御した時のフーリエ解析結果である。縦軸は高調波電流レベルの相対値であり、ひずみのない60Hzの正弦波の振幅を基準の1としたものである。
このように点弧角をゆらがせた場合は、電源周波数60Hzの奇数倍の各周波数を中心に4Hz間隔で分散された高調波電流が存在している。
図16は図15との比較のために点弧角の所定基準値を90度として、+3.4度と−3.4度の2つの点弧角を1サイクル毎に交番させて位相制御した時のフーリエ解析結果である。電源周波数の2サイクル毎に同じ点弧角が繰り返されるため、30Hzの奇数倍の周波数のところに高調波電流が存在している。しかもこの30Hzの奇数倍の高調波電流は990Hzから2130Hzの周波数において60Hzの奇数倍の高調波電流レベルよりも高くなっている。さらに、図16の30Hzの奇数倍の高調波電流は、点弧角をゆらがせた場合の図8の同じ周波数の高調波電流レベルよりもかなり高いレベルの高調波電流となっている。さらに付け加えると、乱数の種類を15個よりも多く、例えば45個にすると、乱数が一巡する周期が電源周波数の45サイクルになるため電源周波数60Hzの45分の1の1.33Hzとなり、電源周波数の整数倍のところにあった高調波電流成分がさらに細かい1.33Hz間隔で周囲の周波数にさらに細かく分散され、結果的に高いレベルの高調波電流成分がさらに減少することになる。
図17は、点弧角の所定基準値を90度とし、(表1)に示すゆらぎ角度変化表のレベル1から4までと、ゆらぎ変化なしの条件(レベル0)での最少余裕率の観測データを示す図である。
最小余裕率は、ゆらぎ変化なしでは−42%、ゆらぎ変化レベル1では−30%、レベル2では−0.3%限度値を超えているが、レベル3では35.1%、レベル4では36.5%の余裕が生じている。このとき、同時に行なったフリッカの観測ではゆらぎ変化のレベル0からレベル3までは観測されなかったが、レベル4ではわずかにフリッカが観測された。これは、レベル4では変化幅がレベル3よりも大きくなっているが、変化幅が大きくなりすぎるとフリッカ現象を誘引するからである。従って、所定の許容範囲をJISの基準とした場合に、最少余裕率とフリッカの観測からレベル3のゆらぎ変化で良好な結果を得ることができた。従って、1200Wの電熱負荷に於ける点弧角の所定基準値が90度の場合のゆらぎ変化はレベル3が最も好ましい値となった。
本実施の形態の発熱量制御方法で衛生洗浄装置の加熱器が制御される場合、商用電源の配電盤から分岐された屋内配線の末端で並列に、または隣接して接続される電気機器に照明器具が含まれる場合、その照明器具のフリッカ現象の発生が防止される。通常、家庭内で使用される衛生洗浄装置は、交流電源の配線の都合上室内の照明機器と隣接して接続される可能性が非常に高く、照明との同時使用において、フリッカ現象が生じると使用者に非常に不快感を与えることになる。よって、高調波の許容範囲における余裕率とフリッカ現象発生状況によるゆらぎ変化レベルの決定は、必要不可欠である。よって、本実施の形態のように所定の許容範囲に対する余裕率と、フリッカ現象の発生に基づいて点弧角を揺らがせ変動させるレベルを決定することが望ましいが、そうでない電気機器の制御においては、余裕率にのみ基づいて決定してもよい。
次に、図18はゆらぎ変化をレベル3に固定し、点弧角の所定基準値を55度(発熱量1000W)、74度(発熱量800W)、104度(発熱量400W)、124度(発熱量200W)に変化させて、高調波電流の発生とフリッカを試験したが、最少余裕度が夫々45.3%、27.9%、35.1%、31.6%、40.9%を示しいずれも良好な結果が得られ、フリッカも発生しなかった。
(表1)に示すゆらぎ変化角度について更に説明を加えると、所定基準値に対して位相角を大小に変化させているが、これによりゆらぎ変化分の1周期(乱数の1周期)当たりの平均値をゼロとし、ゆらぎ変化の1周期(15サイクル)毎に所定基準値を実現している。
次に所定基準値に対して位相角を全波毎に変化させているが、これは正負のサイクルの実効値が異なると電源に直流分を生じさせ、他の電気器具のトランスに磁気飽和などの悪影響を及ぼすのでこれを避ける為である。
しかしながら、ゆらぎ変化の1周期は15サイクルで構成しているので表1の表には無いが、ゆらぎ変化の最初の1周期と次の1周期で変化の方向を逆にすれば電源に悪影響を及ぼすことも無く半波毎に変化させることも出来、より細かく高調波電流の分散化を行うことが出来る。
更に、表1では所定基準値に対してゆらぎ変化を所定の範囲内で変化させて、高調波電流の分散化を規制し、照明のフリッカ現象の発生を防いでいる。
更に、所定基準値に対してゆらぎ変化の変動幅を予め設定した値に決めている。これは負荷の消費電力が小さくなれば表1のゆらぎ変化角度表より少ないステップ数と少ないゆらぎ変化巾で高調波電流の削減が可能である。
更に、ゆらぎ点弧角を決める場合には、図11に示す様に点弧角が0度又は180度へ近づくにつれて、最小余裕度が大きくなる傾向があり、概ね点弧角30度以下と150度以上では、同一の点弧角の変動幅に対する電力変化も小さくなるのでフリッカの発生も減少し、ゆらぎ変化の変化巾を小さくしたり、変化ステップを少なくすることができる。更に、点弧角が0度、又は180度近辺では変動幅をもうけなくても高調波電流の発生は少なく、点弧角度が0度より進んで点弧の失敗が発生したり、又は180度より遅れて逆位相で誤点弧することを防止できる。
本実施の形態の機器制御においては、望ましくは、点弧角の所定基準値が0度又は180度の±5度以内で制御する場合であれば、変動させなくても、本実施の形態による所定の許容範囲を逸脱することなく、高調波の発生を低減させることが可能となる。
更に、(表1)に示すゆらぎ変化レベルと周期は、温水ヒータ、乾燥ヒータ、室暖ヒータなど負荷の種類とワットの大きさが異なれば、他のゆらぎ変化角度と周期の条件でも高調波電流を限度値以下に削減し、照明器具へのフリッカの発生を防ぐことができるので、表1の条件に制約されることはない。
更に、ゆらぎ変化を起こすための乱数を表1のような表形式で持たずに最長系列符号で生成するようにすれば、制御をつかさどるマイクロコンピュータの処理も更に簡単に行えるようになる。
更に最長系列符号を3ビット以上とすることで、ゆらぎ変化の1周期を15サイクルにでき実質上偏りのない乱数を生成できる。
図19は、本発明の実施の形態2における便座ヒータ103の発熱量制御方法を説明するフローチャートであり、繰り返し行なわれる主ループに関してのみ記述している。図19においてSTEP1は電源1の電圧波形を観測し電圧がゼロボルトになるゼロクロス点を検出するもので、検出できた場合にはSTEP2へ、できなかった場合にはSTEP12へ分岐する。
STEP2からSTEP11まではゼロクロス点を検出した直後に処理が行なわれるもので、まずSTEP2ではタイマーをリセットする。このタイマーはマイクロコンピュータの中のハードウェアで構成されたものであり、プログラムの実行とは独立して一定時間ごと(例えば1マイクロ秒ごと)に計数していくものである。プログラムからはTimと
いう変数を通じてこのタイマー値を読み出したり、値を設定したりすることができる。
STEP3はプログラムの中で設定した15進カウンタ変数Cntをインクリメントする。このカウンタは交流電源の全波が何番目の全波かをカウントするためのもので、本実施の形態1では2半波毎に15進カウンタ変数Cntをインクリメントして15進カウンタとしている。つまり計数値は半波毎のゼロクロス点を検出たびに0、0、1、1、2、2、・・・13、13、14、14のように30回検出するまでに、0から14までカウントアップする。そして14の次は0に戻る。
STEP4は使用者が遠隔操作装置124の調整スイッチ131および132を押下操作して設定した便座温度目標値を、温度設定部110を通じて読み出すものである。使用者が頻繁に設定を変更してもすぐに追従できるように、ゼロクロス点を検知するたびに設定値を読み出すようにしている。
STEP5は温度検出部11の温水温度センサ50の値を読み出し、温水温度目標値に対して現在の温度との偏差を算定する。
STEP6はSTEP5で算定した結果から温水ヒータ2への要求発熱量を算出する。ここでは公知のPID制御を用いて温度偏差がゼロに近づくようにフィードバック制御をおこなう。たとえば、動作開始直後で設定温度に対し現在の温度が充分に低ければ定格電力の発熱量を算出する。また、たとえば温水温度目標値に対し現在の温水温度がまだ低いが徐々に近づきつつあるときには定格の75%の電力の発熱量を算出するなどの演算を行う。
STEP7はSTEP6で算出した発熱量から基準点弧角を算出する。例えば定格の75%の電力が必要な場合は基準点弧角を60度とする。この計算はプログラム中で三角関数演算を行なってもできるし、所望電力値に点弧角を対応させた表をプログラムで参照するようにしてもできる。
STEP8は基準点弧角にゆらぎ変化を与えるか禁止するかの判定を行う。ここでは基準点弧角αが5度(185度)以下か、175度(355度)以上の場合にはゆらぎ変化を禁止するように判定し、STEP9へ進む。一方、基準点弧角αが5度(185度)を超えて且つ175度(355度)未満であれば、ゆらぎ変化を与えるものと判定し、STEP10へ進む。
STEP9ではゆらぎ変化を禁止するために、ゆらぎ変化角度Δαnをゼロとして設定する。
STEP10は予めプログラム中に構成されているゆらぎ変化角度Δαnを取り出せる表(表1参照)からΔαnを求めている。ここでのnは15進カウンタ変数Cntの値であり、15進カウンタ変数Cntがインクリメントするたびにゆらぎ変化角度Δαnが切り換る。
STEP11は基準点弧角αにゆらぎ変化角度Δαnを加算した点弧角α+Δαnに相当する電源電圧波形のゼロクロス点からの遅延時間値τを算出する。その後STEP1に戻る。
ここで、点弧角から遅延時間値τを算出する場合、日本においては電源周波数が50Hzの場合と60Hzの場合があるため、予め電源周波数がどちらなのかを設定しておく必要があるが、電源投入直後に一回行なえば良い極めて一般的な処理であるため、繰り返し
行なわれる主ループに関してのみ説明する本フローチャートではこの電源周波数の判定処理の記述を省略している。
一方、STEP1においてゼロクロス点を検出できなかった場合にはSTEP12へ分岐し、タイマーTimの値を調べる。ここで、Timの値がτと等しければ、ゼロクロス点から点弧角α+Δαnに相当する時間が経過しているということでSTEP13へ進む。また、同様にSTEP12においてタイマーTimの値がτに等しくない場合はSTEP1へ戻る。
STEP13はトリガーパルスを出力してトライアック6をオンさせ温水ヒータ2に通電を開始する。トライアック6は一度導通すると電流がゼロにならない限り初期のオフ状態には戻らないためマイクロコンピュータからオフの制御はできないが、交流電源電圧がゼロクロス点になるとトライアック3を流れる電流もゼロになるためこのゼロクロス点でトライアック6もオフとなり初期状態に戻る。
以上のような交流電源の半波の周期に同期して処理が行なわれるプログラム構成により点弧角を変化させる基準電力制御を容易に行なうことができる。
以上のように本発明の第2の実施の形態では、温度設定部110で使用者が設定した所望の便座温度目標値と、温度検出部111の便座サーミスタ126の電気信号との偏差が小さくなるように制御するフィードバック制御について説明したが、温水ヒータ102、乾燥ヒータ104および室暖ヒータ105についても、それぞれの温度設定部110で設定する温水温度目標値、乾燥温度目標値および室暖温度目標値と、温度検出部111で検出する温水温度、乾燥温度および室暖温度をとの偏差が小さくなるようにフィードバック制御する際に、同様の発熱量制御方法を用いることができる。
以上のように、本発明にかかる暖房便座は、人体検出を初め、各種センサの出力でヒータ電力付勢を制御するものであるので、便座に限らず、暖房装置の安全性確保、人体の有無によって暖房出力をこまめに制御するなど安全、省エネルギーな暖房機器にも応用が可能である。また、位相制御により発生する高調波電流を電源周波数の整数倍以外の周波数成分に分散化することができ、照明器具のフリッカも発生しない。したがって、高ワットの負荷を円滑に制御できるので、電熱負荷のワットコントロール、温度制御、照明器具の明るさ調整、電動機具の回転数制御など多くの特に家庭用など以外にも一般的に使用する電気器具の電力制御方法及び電力制御装置に利用できる。
本発明の実施の形態1における暖房便座の構成図 同暖房便座制御における状態遷移図 同暖房便座制御における暖房便座の構成図 (a)同暖房便座制御におけるトライアックの制御パルスおよびヒータ印加電圧波形の波数制御時のタイムチャート(b)同暖房便座制御におけるトライアックの制御パルスおよびヒータ印加電圧波形の位相制御時のタイムチャート 同暖房便座制御における状態遷移図 同暖房便座制御における状態遷移図 従来の暖房便座の断面構成図 本発明の実施形態2における衛生洗浄装置の制御手段のブロック図 本発明の実施形態2における衛生洗浄装置の斜視図 本発明の実施形態2における衛生洗浄装置の遠隔操作装置の模式図 本発明の実施形態2における衛生洗浄装置の洗浄水供給機構の模式図 同位相制御の点弧角のゆらぎ変化を示す図 本発明の実施の形態2における位相制御のゆらぎ変化時の高調波電流分布を示すグラフ 従来の位相制御の高調波電流分布を示すグラフ 本発明の実施の形態2における位相制御のフーリエ解析を示すグラフ 従来の位相制御のフーリエ解析を示すグラフ 本発明の実施の形態2における位相制御のゆらぎ変化条件と最少余裕度の変化を示すグラフ 本発明の実施の形態2における位相制御の点弧角の所定基準値と最少余裕度の変化を示すグラフ 本発明の実施の形態2における制御方法を説明するフローチャート
符号の説明
1 便座
2 ヒータ
3 温度検知手段
5 トライアック
6 ゼロクロス検出回路
6a 位相制御回路
6b 遅延回路
7 ヒータ制御手段
10 人体検知センサ

Claims (6)

  1. 便座と、前記便座を急速昇温可能なヒータと、前記便座を使用しようとする人体を検知する人体検知手段と、前記便座の温度を検出する温度検知手段と、前記ヒータを駆動するヒータ制御手段と、位相制御回路とを備え、前記ヒータ制御手段は、前記人体検知手段や前記温度検知手段や前記位相制御回路の信号に基づいて前記ヒータへの入力電力を制御する暖房便座。
  2. ヒータ制御手段は、ヒータを駆動しない待機状態と、ヒータを定格出力で駆動する高出力状態と、ヒータを弱出力で駆動する低出力状態を有し、少なくとも前記低出力状態では位相制御回路の信号に基づいて位相制御を行なう請求項1に記載の暖房便座。
  3. 位相制御回路は、高調波電流成分を、電源周波数の整数倍以外の周波数成分に分散化するように点弧角を変化させる請求項1または2に記載の暖房便座。
  4. 点弧角を所定基準値に対して変化させる変動幅を所定基準値に対してランダムに変化させる請求項3に記載の暖房便座。
  5. 点弧角をゆらぎ変化させる請求項3に記載の暖房便座。
  6. ヒータは、定格容量が1500W以下であるとともに、便座表面の温度を少なくとも毎秒1K以上で昇温可能な構成とした請求項1〜6のいずれか1項に記載の暖房便座。

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