JP2006303477A - 記憶素子、記憶装置および半導体装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】製造時以外にデータの追記が可能であり、書き換えによる偽造等を防止可能な不揮発の記憶装置及びそれを有する半導体装置を提供することを目的とする。また、信頼性が高く、安価な不揮発の記憶装置及び半導体装置の提供を課題とする。
【解決手段】第1の導電層と、第2の導電層と、第1の導電層に接する厚さ0.1nm以上4nm以下の第1の絶縁層と、第1の導電層及び第1の絶縁層並びに第2の導電層に挟持される有機化合物層とを有する記憶素子である。
【選択図】図1

Description

本発明は、記憶素子および当該記憶素子を備えた記憶装置、及び半導体装置に関する。
近年、絶縁表面上に複数の回路が集積され、様々な機能を有する半導体装置の開発が進められている。また、アンテナを設けることにより、無線によるデータの送受信が可能な半導体装置の開発が進められている。このような半導体装置は、無線チップ(IDタグ、ICタグ、ICチップ、RF(Radio Frequency)タグ、無線タグ、電子タグ、RFID(Radio Frequency Identification)ともよばれる)タグとよばれ、既に一部の市場で導入されている。
現在実用化されているこれらの半導体装置の多くは、Si等の半導体基板を用いた回路(IC(Integrated Circuit)チップとも呼ばれる)とアンテナとを有し、当該ICチップは記憶回路(メモリとも呼ぶ)や制御回路等から構成されている。特に多くのデータを記憶可能な記憶回路を備えることによって、より高機能で付加価値が高い半導体装置の提供が可能となる。また、これらの半導体装置は低コストで作製することが要求されており、近年、記憶回路等に有機化合物を用いた有機メモリ等の開発が行われている(例えば特許文献1)。
特開2002−26277号公報
記憶回路としては、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)、FeRAM(Ferroelectric Random Access Memory)、マスクROM(Read Only Memory)、EPROM(Electrically Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、フラッシュメモリなどが挙げられる。このうち、DRAM、SRAMは揮発性の記憶回路であり、電源をオフするとデータが消去されてしまうため、電源をオンする度にデータを書き込む必要がある。FeRAMは不揮発性の記憶回路であるが、強誘電体層を含む容量素子を用いているため、作製工程が増加してしまう。マスクROMは、簡単な構造であるが、製造工程でデータを書き込む必要があり、追記することはできない。EPROM、EEPROM、フラッシュメモリは、不揮発性の記憶回路ではあるが、2つのゲート電極を含む素子を用いているため、作製工程が増加してしまう。
一方、有機化合物を用いた記憶素子は、一対の電極間に有機化合物を設けて記憶素子を形成するが、有機化合物層を厚く形成した場合、電流が流れにくくなり書き込み電圧が上昇する。逆に、書き込み電圧を下げるために有機化合物層を薄く形成した場合、初期状態において電極間でショート(短絡)する場合がある。これらの結果、記憶装置及び半導体装置の信頼性の低下を招くおそれがある。
上記問題を鑑み、本発明は、製造時以外にデータの追記が可能であり、書き換えによる偽造等を防止可能な不揮発の記憶素子および当該記憶素子を有する記憶装置及び半導体装置を提供することを目的とする。また、信頼性が高く、安価な記憶装置及び半導体装置の提供を課題とする。
本発明の一は、第1の導電層と、第2の導電層と、前記第1の導電層と前記第2の導電層に挟持される有機化合物層と、前記第1の導電層と前記第2の導電層に間に設けられ、前記第1の導電層に接する厚さ0.1nm以上4nm以下の第1の絶縁層と、を有することを特徴とする記憶素子である。
また、本発明の一は、第1の導電層と、第2の導電層と、前記第1の導電層と前記第2の導電層に挟持される有機化合物層と、前記第1の導電層と前記第2の導電層に間に設けられ、前記第1の導電層に接する厚さ0.1nm以上4nm以下の第1の絶縁層と、前記第1の導電層と前記第2の導電層に間に設けられ、前記第2の導電層に接する厚さ0.1nm以上4nm以下の第2の絶縁層と、を有することを特徴とする記憶素子である。
第1及び第2の絶縁層は、図3(A)に示すように不均一な形状がランダムに分散する非連続層であっても良い。また、図3(B)に示すように縞状の非連続層であってもよい。縞状の非連続層としては、非連続層の幅および隣接する非連続層の間隔が等しくともよい。また、非連続層の幅および隣接する非連続層の間隔が異なっていてもよい。また、図3(C)に示すように網状の非連続層であってもよい。
また、第1及び第2の絶縁層は、図1(C)に示すように少なくとも第1の導電層表面を覆う連続層であってもよい。さらには、図1(D)に示すように凹凸を有してもよい。代表的には、第1の絶縁層または第2の絶縁層と、有機化合物層との界面が凹凸を有していてもよい。また、第1の絶縁層と第1の導電層の界面、または第2の絶縁層と第2の導電層の界面が凹凸を有していてもよい。
また、本発明の一は、第1の導電層と、第2の導電層と、前記第1の導電層と前記第2の導電層に挟持される有機化合物層と、前記第1の導電層と前記第2の導電層に間に設けられ、前記第1の導電層に接する直径0.1nm以上4nm以下の絶縁性粒子と、を有することを特徴とする記憶素子である。
また、本発明の一は、第1の導電層と、第2の導電層と、前記第1の導電層と前記第2の導電層に挟持される有機化合物層と、前記第1の導電層と前記第2の導電層に間に設けられ、前記第1の導電層に接する直径0.1nm以上4nm以下の第1の絶縁性粒子と、前記第1の導電層と前記第2の導電層に間に設けられ、前記第2の導電層に接する直径0.1nm以上4nm以下の第2の絶縁性粒子と、を有することを特徴とする記憶素子である。
本発明の記憶素子の有機化合物層は、電子輸送材料又はホール輸送材料を用いて形成される。また、電圧印加による抵抗値の変化により、データの書き込みをする。また、書き込み後の記憶素子は、対となる第1の導電層及び第2の導電層の一部が接続されている。さらには、第1の導電層又は第2の導電層に接続するダイオードを有してもよい。
また、本発明の一は、上記記憶素子がマトリックス状に配置されたメモリセルアレイ及び書き込み回路を有することを特徴とする記憶装置である。
メモリセルアレイ及び書き込み回路は、ガラス基板もしくは可撓性基板上に設けられており、書き込み回路は薄膜トランジスタで形成されていてもよい。また、メモリセルアレイ及び書き込み回路は、単結晶半導体基板上に設けられており、書き込み回路は電界効果トランジスタで形成されてもよい。
また、本発明の一は、上記記憶素子と、記憶素子に接続する第1のトランジスタと、アンテナとして機能する導電層と、導電層に接続する第2のトランジスタと、を有することを特徴とする半導体装置である。
上記半導体装置において、第1のトランジスタ、第2のトランジスタ、記憶素子、及びアンテナとして機能する導電層は、第1の基板上に形成されていてもよい。また、第1のトランジスタは第1の基板上に形成され、記憶素子は第2の基板上に形成され、第1のトランジスタのソース配線又はドレイン配線として機能する導電層と記憶素子とは、導電性粒子を介して接続されていてもよい。また、第2のトランジスタは第1の基板上に形成され、アンテナとして機能する導電層は第2の基板上に形成され、第2のトランジスタのソース配線又はドレイン配線として機能する導電層とアンテナとして機能する導電層とは、導電性粒子を介して接続されていてもよい。
また、本発明の第1の絶縁層及び第2の絶縁層の膜厚は、AFM(Atomic Force Microscopy、原子間力顕微鏡 )、DFM(dynamic force microscope)、MFM(Magnetic Force Microscopy、磁気力顕微鏡)、EFM(Electric Force Microscopy、電気力顕微鏡)、TEM(Transmission Electron Microscope、透過型電子顕微鏡)等によって測定することができる。
本発明を用いることによって、チップ製造時以外にデータの書き込み(追記)が可能であり、書き換えによる偽造を防止すること可能な半導体装置を得ることができる。また、本発明の記憶素子は、厚さが4nm以下、好ましくは2nm以下の絶縁層を導電層に接するように導電層と有機化合物層との間に設けることにより、当該絶縁層にトンネル電流が流れるため、記憶素子の書き込み時の印加電圧及び電流値のばらつきを低減することが可能である。また、厚さが4nm以下、好ましくは2nm以下の絶縁層を導電層に接するように導電層と有機化合物層との間に設けることにより、トンネル効果による電荷注入性が上昇し、有機化合物層の膜厚を厚くすることが可能であり、初期状態でのショートを防止することが可能である。この結果、記憶装置及び半導体装置の信頼性を向上させることが可能である。さらには、本発明の記憶装置及び半導体装置は、一対の導電層間に有機化合物層が挟まれた単純な構造の記憶素子を有するため、安価な記憶装置及び半導体装置を提供することができる。
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は、以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に説明する本発明の構成において、同じものを指す符号は異なる図面間で共通して用いる。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の記憶装置が有する記憶素子の構成例に関して図面を用いて説明する。より具体的には、記憶装置の構成がパッシブマトリクス型の場合に関して示す。
図5(A)に示したのは本実施の形態の有機メモリの一構成例であり、メモリセル21がマトリクス状に設けられたメモリセルアレイ22、カラムデコーダ26aと読み出し回路26bとセレクタ26cを有するビット線駆動回路26、ロウデコーダ24aとレベルシフタ24bを有するワード線駆動回路24、書き込み回路等を有し外部とのやりとりを行うインターフェース23を有している。なお、ここで示す記憶回路16の構成はあくまで一例であり、センスアンプ、出力回路、バッファ等の他の回路を有していてもよいし、書き込み回路をビット線駆動回路に設けてもよい。
メモリセル21は、ビット線Bx(1≦x≦m)を構成する第1の導電層と、ワード線Wy(1≦y≦n)を構成する第2の導電層と、第1の導電層に接する絶縁層と、有機化合物層とを有する。有機化合物層は、第1の導電層と第2の導電層の間に単層または積層で設けられている。
メモリセルアレイ22の上面構造と断面構造の一例に関して図1に示す。なお、図1(A)はメモリセルアレイ22の上面構造を示しており、図1(A)におけるA−B間の断面構造が図1(B)に対応している。なお、図1(A)において保護膜として機能する絶縁層27は省略している。
メモリセルアレイ22には、メモリセル21がマトリクス状に設けられている(図1(A)参照)。メモリセル21は、記憶素子80を有する(図1(B)参照。)。記憶素子80は、基板30上に、第1の方向に延びた第1の導電層31と、第1の導電層31を覆う有機化合物層29と、第1の方向と直交する第2の方向に延びた第2の導電層28と、第1の導電層31及び有機化合物層29に接する絶縁層32とを有する。絶縁層32は、トンネル効果により所定以上の電圧において、有機化合物層に電荷を注入することが可能な絶縁層である。また、ここでは、第2の導電層28を覆うように、保護膜として機能する絶縁層27を設ける。
上記記憶素子80の構成において、基板30としては、ガラス基板や可撓性基板の他、石英基板、シリコン基板、金属基板、ステンレス基板、繊維質な材料からなる紙等を用いることができる。可撓性基板とは、折り曲げることができる(フレキシブル)基板のことであり、例えば、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリエーテルスルフォン等からなるプラスチック基板等が挙げられる。また、熱可塑性を示すフィルム(ポリプロピレン、ポリエステル、ビニル、ポリフッ化ビニル、塩化ビニルなどからなる)を用いることもできる。また、この他にも、Si等の半導体基板上に形成された電界効果トランジスタ(FET)の上部や、ガラス等の基板上に形成された薄膜トランジスタ(TFT)の上部にメモリセルアレイ22を設けることができる。
また、第1の導電層31と第2の導電層28には、導電性の高い金属、合金、化合物等からなる単層または積層構造を用いることができる。代表的には、仕事関数の大きい(具体的には4.0eV以上)金属、合金、導電性化合物、およびこれらの混合物や、仕事関数の小さい(具体的には3.8eV以下)金属、合金、導電性化合物、およびこれらの混合物などを用いることが可能である。
仕事関数の大きい(具体的には4.0eV以上)金属、合金、導電性化合物の代表例としては、インジウム錫酸化物(以下、ITOと示す)、または珪素を含有したインジウム錫酸化物、2〜20%の酸化亜鉛(ZnO)を含む酸化インジウム等が挙げられる。また、チタン(Ti)、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、または金属材料の窒化物(例えば、窒化チタン:TiN、窒化タングステン(WN)、窒化モリブデン(MoN))等を用いることも可能である。
仕事関数の小さい(具体的には3.8eV以下)金属、合金、導電性化合物の代表例としては、元素周期律の1族または2族に属する金属、即ちリチウム(Li)やセシウム(Cs)等のアルカリ金属、およびマグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)等のアルカリ土類金属、およびこれらのいずれかを含む合金(MgAg、AlLi)、ユーロピウム(Er)、イッテルビウム(Yb)等の希土類金属およびこれらを含む合金等が挙げられる。
なお、第1の導電層31又は第2の導電層28に、有機化合物層に対して正孔を注入する電極、すなわち陽極を用いる場合には、仕事関数の大きな電極を用いるのが好ましい。逆に有機化合物層に対して電子を注入する電極を用いる場合には、仕事関数の小さい電極を用いることが好ましい。
さらには、第1の導電層31と第2の導電層28として、上記導電性の高い金属、合金、化合物で形成される層と、半導体材料で形成される層とを積層して形成してもよい。この場合、絶縁層32または有機化合物層29に接する側に半導体層を設けることが好ましい。
半導体材料で形成される層としては、シリコン、ゲルマニウム等の半導体元素を用いて形成される層、酸化スズ、酸化モリブデン、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化タングステン、酸化チタン、酸化銅、酸化ニッケル、酸化バナジウム、酸化イットリウム、酸化クロム等の半導体酸化物を用いて形成される層等を適宜用いることができる。
第1の導電層31は、蒸着法、スパッタリング法、CVD法、印刷法、電解メッキ法、無電解メッキ法等を用いて導電層を形成する。
第2の導電層28は、蒸着法、スパッタ法、CVD法、印刷法または液滴吐出法を用いて形成することができる。なお、ここでは、液滴吐出法とは微粒子を含む組成物の液滴を微細な孔から吐出して所定の形状のパターンを形成する方法である。
ここでは、50〜200nmのチタン膜をスパッタリング法により成膜した後、フォトリソグラフィ法により所望の形状にエッチングして第1の導電層31を形成する。また、アルミニウムを蒸着法により蒸着して厚さ50〜200nmの第2の導電層28を形成する。
有機化合物層29は、外部からの電圧印加により、結晶状態や導電性、形状が変化する有機化合物で形成する。有機化合物層29は、単層で設けてもよいし、異なる有機化合物で形成された層を複数積層させて設けてもよい。
なお、有機化合物層29は、外部からの電圧印加により記憶素子の電気抵抗が変化する膜厚で形成する。有機化合物層29の代表的な膜厚は、5nmから100nm、好ましくは10nmから60nm、好ましくは5nmから20nm、好ましくは5nmから10nmである。
また、有機化合物層29は、正孔輸送性を有する有機化合物又は電子輸送性を有する有機化合物を用いて形成することができる。
正孔輸送性を有する有機化合物としては、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニル−アミノ]−ビフェニル(略称:α−NPD)や4,4’−ビス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニル−アミノ]−ビフェニル(略称:TPD)や4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニル−アミノ)−トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニル−アミノ]−トリフェニルアミン(略称:MTDATA)や4,4’−ビス(N−(4−(N,N−ジ−m−トリルアミノ)フェニル)−N−フェニルアミノ)ビフェニル(略称:DNTPD)などの芳香族アミン系(即ち、ベンゼン環−窒素の結合を有する)の化合物やフタロシアニン(略称:HPc)、銅フタロシアニン(略称:CuPc)、バナジルフタロシアニン(略称:VOPc)等のフタロシアニン化合物、PVK(ポリビニルカルバゾール)等を用いることができる。ここに述べた物質は、主に10−6cm/Vs以上、好ましくは10−6〜10−2cm/Vsの正孔移動度を有する物質である。
電子輸送性の高い有機化合物としては、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq)、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Almq)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]−キノリナト)ベリリウム(略称:BeBq)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)−4−フェニルフェノラト−アルミニウム(略称:BAlq)等キノリン骨格またはベンゾキノリン骨格を有する金属錯体等からなる材料を用いることができる。また、この他、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾラト]亜鉛(略称:Zn(BOX))、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾラト]亜鉛(略称:Zn(BTZ))などのオキサゾール系、チアゾール系配位子を有する金属錯体などの材料も用いることができる。さらに、金属錯体以外にも、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−(4−エチルフェニル)−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略称:p−EtTAZ)、バソフェナントロリン(略称:BPhen)、バソキュプロイン(略称:BCP)等を用いることができる。ここに述べた物質は、主に10−6cm/Vs以上、好ましくは10−6〜10−2cm/Vsの電子移動度を有する物質である。
さらには、上記有機化合物において、異なる有機化合物を複数積層して有機化合物層を形成してもよい。
さらには、上記有機化合物が複数混合された有機化合物を形成してもよい。
有機化合物層29は、蒸着法、電子ビーム蒸着法、スパッタリング法、CVD法等を用いて形成することができる。また、他の有機化合物層29の形成方法として、スピンコート法、ゾル−ゲル法、印刷法または液滴吐出法等を用いてもよいし、上記方法とこれらを組み合わせてもよい。
絶縁層32は、トンネル効果により第1の導電層または第2の導電層から有機化合物層へ、ホール又は電子を注入する層である。代表的には、電気伝導率が10−10〜10−2S/m以下、好ましくは10−10〜10−14S/mであることが好ましい。絶縁層32は、所定の電圧において、トンネル効果により有機化合物層29へ電荷を注入することが可能な厚さで形成する。絶縁層32の代表的な厚さは、0.1nm以上4nm以下、好ましくは1nm以上4nm以下、好ましくは0.1nm以上2nm以下、好ましくは1nm以上2nm以下の絶縁層である。絶縁層32の膜厚は、0.1nm以上4nm以下と極めて薄いため、絶縁層32においてトンネル効果が生じ、有機化合物層29への電荷注入性が高まる。このため、絶縁層32は、厚さが4nmより厚くなると、絶縁層32におけるトンネル効果が生じず、有機化合物層29への電荷注入が困難となり、記憶素子の書き込み時の印加電圧が上昇する。また、絶縁層32の膜厚は、0.1nm以上4nm以下と極めて薄いため、スループットが向上する。
絶縁層32は、熱的及び化学的に安定な化合物で形成する。代表的には、キャリア注入されない無機化合物又は有機化合物で形成することが好ましい。
絶縁性を有する無機化合物の代表例としては、LiO、NaO、KO、RbO、BeO、MgO、CaO、SrO、BaO、Sc、ZrO、HfO、RfO、TaO、TcO、Fe、CoO、PdO、AgO、Al、Ga、Bi等に代表される絶縁性を有する酸化物、LiF、NaF、KF、RbF、BeF、MgF、CaF、SrF、BaF、AlF、NF、SF、AgF、MnF等に代表される絶縁性を有するフッ化物、LiCl、NaCl、KCl、CsCl、BeCl、CaCl、BaCl、AlCl、SiCl、GeCl、SnCl、AgCl、ZnCl、TiCl、TiCl、ZrCl、FeCl、PdCl、SbCl、SbCl、SrCl、TlCl、CuCl、MnCl、RuCl等に代表される絶縁性を有する塩化物、KBr、CsBr、AgBr、BaBr、SiBr、LiBr等に代表される絶縁性を有する臭化物、NaI、KI、BaI、TlI、AgI、TiI、CaI、SiI、CsI等に代表される絶縁性を有するヨウ化物、LiCO、KCO、NaCO、MgCO、CaCO、SrCO、BaCO、MnCO、FeCO、CoCO、NiCO、CuCO、AgCO、ZnCO等に代表される絶縁性を有する炭酸塩、LiSO、KSO、NaSO、MgSO、CaSO、SrSO、BaSO、Ti(SO、Zr(SO、MnSO、FeSO、Fe(SO、CoSO、Co(SO、NiSO、CuSO、AgSO、ZnSO、Al(SO、In(SO、SnSO、Sn(SO、Sb(SO、Bi(SO等に代表される絶縁性を有する硫酸塩、LiNO、KNO、NaNO、Mg(NO、Ca(NO、Sr(NO、Ba(NO、Ti(NO、Sr(NO、Ba(NO、Ti(NO、Zr(NO、Mn(NO、Fe(NO、Fe(NO、Co(NO、Ni(NO、Cu(NO、AgNO、Zn(NO、Al(NO、In(NO、Sn(NO等に代表される絶縁性を有する硝酸塩、AlN、SiN等に代表される絶縁性を有する窒化物が挙げられる。
なお、絶縁層32を無機化合物で形成する場合、絶縁層の膜厚は、0.1nm以上3nm以下、好ましくは1nm以上2nm以下が好ましい。絶縁層の膜厚が3nmより厚くなると、書き込み時の印加電圧が上昇する。
絶縁層32を絶縁性を有する有機化合物を用いて形成する場合、絶縁性を有する有機化合物としては、キャリア注入されにくいものが好ましく、バンドギャップが3.5〜6eV、好ましくは4eV以上〜5eVである有機化合物である。代表例としては、ポリイミド、アクリル、ポリアミド、ベンゾシクロブテン、ポリエステルなどの高分子材料や、ノボラック樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、珪素樹脂、フラン樹脂、ジアリルフタレート樹脂等に代表される有機樹脂が挙げられる。
なお、有機化合物層を形成する化合物のHOMO準位と異なるHOMO準位を有する有機化合物を用いて絶縁層32を形成することが好ましい。また、絶縁層32を有機化合物で形成する場合、絶縁層の膜厚は、0.1nm以上4nm以下、さらには1nm以上4nm以下が好ましい。
また、絶縁層32を、上記絶縁性を有する無機化合物を複数用いて形成してもよい。また、上記有機化合物を複数用いて形成してもよい。さらには、上記絶縁性を有する無機化合物及び上記有機化合物を複数混合して形成してもよい。
絶縁層32の形成方法としては、蒸着法、電子ビーム蒸着法、スパッタリング法、CVD法等を用いることができる。スピンコート法、ゾル−ゲル法、印刷法または液滴吐出法等を用いることができる。
ここで、絶縁層32の形状について図3を用いて説明する。図3は、絶縁性を有する基板30に第1の導電層31及び絶縁層が形成された上面図である。ここでは、絶縁層32を絶縁層32a、32b、32cとそれぞれ示す。
図3(A)に示すように、絶縁層32aは、第1の導電層上に分散された非連続層である。すなわち、少なくとも第1の導電層31の一部分を覆う島状とすることができる。ここでは、複数の非連続層である絶縁層32aがランダムに第1の導電層31及び絶縁性を有する基板30の表面上に分散されている。
また、図3(B)に示すように、絶縁層32bは、縞状の非連続層とすることができる。ここでは、絶縁層32bは、第1の導電層31が伸びる第1の方向に対して所定の角度(0度より大きく、90度未満)を有する第2の方向に伸びる縞状である。なお、絶縁層32bは、第1の方向と平行な方向に伸びる縞状でもよい。さらには、第1の方向と直交する方向に伸びる縞状でもよい。
また、図3(C)に示すように、絶縁層32cは、網状の非連続層とすることができる。
また、図1(C)に示すように、絶縁層32の代わりに、絶縁層33のような第1の導電層31の表面を覆う連続層を用いてもよい。この場合、絶縁層33は、単分子膜であることが好ましい。さらには、図1(D)に示すように、絶縁層32の代わりに、絶縁層34のような第1の導電層31の表面を覆うと共に凹凸を有する連続層を用いてもよい。但し、この場合、絶縁層の凸部における厚さは1nm以上4nm以下、好ましくは2nm以上4nm以下、凹部における厚さは、0.1nm以上2nm未満、更には1nm以上2nm未満であることが好ましい。
また、図1(E)に示すように、絶縁層32の代わりに、第1の導電層と有機化合物層の間に、絶縁性粒子35を設けてもよい。このときの絶縁性粒子の粒径は0.1nm以上4nm以下である。
さらには、図1(B)乃至(E)に示す絶縁層32〜34又は絶縁性粒子35を、有機化合物層29及び第2の導電層28の間に設けてもよい(図2(A)参照。)。図2(A)においては、図1(B)に示すような形状の絶縁層36を、有機化合物層29及び第2の導電層28の間に設けている。
また、図2(B)に示すように、第1の導電層31及び有機化合物層29の間に第1の絶縁層37を有し、有機化合物層29及び第2の導電層28の間に第2の絶縁層38を有してもよい。このとき、第1の絶縁層37及び第2の絶縁層38はそれぞれ、図1(B)乃至(E)に示す形状の絶縁層32〜34及び絶縁性粒子35を適宜用いることができる。ここでは、第1の絶縁層37及び第2の絶縁層38それぞれは、図1(B)の絶縁層32と同様の形状を有する。
また、上記記憶素子において、第1の導電層31を介して有機化合物層29と反対側に、整流性を有する素子を設けてもよい(図2(C))。整流性を有する素子とは、ショットキーダイオード、PN接合を有するダイオード、PIN接合を有するダイオード、あるいはゲート電極とドレイン電極を接続したトランジスタである。ここでは、第3の導電層41及び半導体層42で構成されるダイオード44を第1の導電層31に接して設ける。なお、第2の導電層を介して有機化合物層と反対側に整流性を有する素子を設けてもよい。さらには、整流性を有する素子は、有機化合物層29と第1の導電層31との間に設けてもよい。また、有機化合物層29と第2の導電層28との間に整流性を有する素子を設けてもよい。ダイオードの代表例としては、PN接合ダイオード、PIN接合を有するダイオードやアバランシェダイオード等が挙げられる。また、他の構成のダイオードを用いてもよい。このように、整流性がある素子を設けることにより、1つの方向にしか電流が流れないために、誤差が減少し、読み出しマージンが向上する。43はダイオードを絶縁する絶縁層である。
また、絶縁性を有する基板上に薄膜トランジスタ(TFT)を設けてその上に記憶素子80を設けてもよいし、絶縁性を有する基板の代わりにSi等の半導体基板やSOI基板を用いて基板上に電界効果トランジスタ(FET)を形成し、その上に記憶素子80を設けてもよい。なお、ここでは、記憶素子を薄膜トランジスタ上または電界効果トランジスタ上に形成する例を示したが、記憶素子と薄膜トランジスタまたは電界効果トランジスタを貼り合わせることによって設けてもよい。この場合、記憶素子と薄膜トランジスタまたは電界効果トランジスタは、別工程で作製し、その後、導電性フィルム、異方性導電接着剤等を用いて貼り合わせることによって設けることができる。また、薄膜トランジスタまたは電界効果トランジスタの構成は、公知のものであればどのような構成を用いてもよい。
また、隣接する各々の記憶素子間において横方向への電界の影響が懸念される場合は、各記憶素子に設けられた有機化合物層を分離するため、各記憶素子に設けられた有機化合物層の間に隔壁(絶縁層)を設けてもよい。また、各メモリセルごとに有機化合物層を選択的に設けた構成としてもよい。
代表的には、第1の導電層31を覆って有機化合物層29を設ける際に、第1の導電層31の段差により生じる有機化合物層29の段切れや各メモリセル間における横方向への電界の影響を防止するために第1の導電層31間に隔壁(絶縁層)39を設けてもよい(図2(D))。なお、隔壁(絶縁層)39の断面において、隔壁(絶縁層)39の側面は、第1の導電層31の表面に対して10度以上60度未満、好ましくは25度以上45度以下の傾斜角度を有することが好ましい。さらには、湾曲していることが好ましい。その後、第1の導電層31および隔壁(絶縁層)39を覆うように絶縁層32、有機化合物層29及び第2の導電層28を形成する。
また、第1の導電層31上に絶縁層32を形成した後、隔壁(絶縁層)39を形成してもよい。この場合、エッチング工程を用いて隔壁(絶縁層)39を形成する工程において、絶縁層32をエッチングせず、隔壁(絶縁層)39を形成する材料を選択的にエッチングされる化合物を用いて、絶縁層32及び隔壁(絶縁層)39を形成することが好ましい。
隔壁(絶縁層)39を形成する場合、エッチング工程を用いて隔壁(絶縁層)39を形成する工程において生じた残渣を絶縁層32として用いてもよい。
また、隔壁(絶縁層)39の代わりに、基板30上に、第1の方向に延びた第1の導電層31上に、第1の導電層31の一部を覆う層間絶縁層40aと、層間絶縁層上に設けられた隔壁(絶縁層)40bを設けてもよい(図2(E))。
第1の導電層31の一部を覆う層間絶縁層40aは、各記憶素子80ごとに開口部を有する。また、隔壁(絶縁層)40bは層間絶縁層において開口部が形成されない領域に設けられる。また、隔壁(絶縁層)40bは、第2の導電層28と同様に第2の方向に伸びる。また、隔壁(絶縁層)40bは、層間絶縁層表面に対して隔壁(絶縁層)40bの側壁の断面が、95度以上135度以下の傾斜角度を有する。
隔壁(絶縁層)40bはフォトリソグラフィ法に従い、未露光部分が残存するポジ型感光性樹脂を用い、パターンの下部がより多くエッチングされるように露光量または現像時間を調節することによって形成する。また、隔壁(絶縁層)40bの高さは、有機化合物層29及び第2の導電層28の厚さより大きく設定する。この結果、基板30全面に有機化合物層29及び第2の導電層28を基板30上に蒸着する工程のみで、電気的に独立した複数の領域に分離され、且つ第1の方向と交差する方向に伸長するストライプ状の有機化合物層29及び第2の導電層28を形成することができる。このため、工程数を削減することが可能である。なお、隔壁(絶縁層)40b上にも有機化合物層29c及び導電層28cが形成されるが、これらは有機化合物層29及び導電層28とは分断される。
電圧印加を加えることによりデータの書き込みを行う場合、ロウデコーダ24a、カラムデコーダ26a、セレクタ26cにより、1つのメモリセル21を選択し、その後、書き込み回路を用いて、当該メモリセル21にデータを書き込む(図5(A)参照)。メモリセルの第1の導電層31と第2の導電層28aとの間に電圧を印加すると、第1の導電層31及び絶縁層32の間で電荷が帯電する(図4(A)参照)。第1の導電層31と第2の導電層28aとの間に、所定の電圧以上の電圧を印加すると、当該電荷が有機化合物層に注入され、有機化合物層29aに電流が流れ、有機化合物層29aにおいてジュール熱が発生する。この熱の発生と共に、有機化合物層の温度がガラス転移点以上に上昇し、有機化合物層29aが流動性を増し、膜厚が不均一になる。この結果、有機化合物層29b及び第2の導電層が変形し、第1の導電層31と第2の導電層28bとが短絡し、記憶素子の電気抵抗が変化する(図4(B)参照。)。なお、図4(B)において29bは変形した有機化合物層である。また、メモリセルにデータを書き込み場合、順方向電圧を印加する。また、逆方向電圧を印加してもよい。
ショートした記憶素子は他の記憶素子と比較すると電気抵抗が大幅に小さくなる。このように、電圧印加により、2つの導電層間の電気抵抗の変化を利用してデータの書き込みを行う。
以下に、有機メモリにデータの書き込みを行う際の具体的な動作について説明する(図5参照)。
メモリセル21にデータ「1」を書き込む場合、まず、ロウデコーダ24a、レベルシフタ24b、カラムデコーダ26a、セレクタ26cによってメモリセル21を選択する。具体的には、ロウデコーダ24a、レベルシフタ24bによって、メモリセル21に接続されるワード線W3に所定の電圧V2を印加する。また、カラムデコーダ26a、セレクタ26cによって、メモリセル21に接続されるビット線B3を読み出し/書き込み回路26bに接続する。そして、読み出し/書き込み回路26bからビット線B3へ書き込み電圧V1を出力する。こうして、当該メモリセル21を構成する第1の導電層と第2の導電層の間には電圧Vw=V1−V2を印加する。電圧Vwを適切に選ぶことで、当該導電層間に設けられた有機化合物層29を物理的もしくは電気的変化させ、データ「1」の書き込みを行う。具体的には、読み出し動作電圧において、データ「1」の状態の第1の導電層と第2の導電層の間の電気抵抗が、データ「0」の状態と比して、大幅に小さくなるように変化させるとよい。例えば、(V1、V2)=(0V、5〜15V)、あるいは(3〜5V、−12〜−2V)の範囲から適宜選べば良い。電圧Vwは5〜15V、あるいは−5〜−15Vとすればよい。
なお、非選択のワード線および非選択のビット線には、接続されるメモリセルにデータ「1」が書き込まれないよう制御する。例えば、非選択のワード線および非選択のビット線を浮遊状態とすればよい。メモリセルを構成する第1の導電層と第2の導電層の間は、ダイオード特性など、選択性を確保できる特性を有する必要がある。
一方、メモリセル21にデータ「0」を書き込む場合は、メモリセル21には電気的作用を加えなければよい。回路動作上は、例えば、「1」を書き込む場合と同様に、ロウデコーダ24a、レベルシフタ24b、カラムデコーダ26a、及びセレクタ26cによってメモリセル21を選択するが、読み出し/書き込み回路26bからビット線B3への出力電位を、選択されたワード線W3の電位あるいは非選択ワード線の電位と同程度とし、メモリセル21を構成する第1の導電層と第2の導電層の間に、メモリセル21の電気特性を変化させない程度の電圧(例えば−5〜5V)を印加すればよい。
続いて、有機メモリからデータの読み出しを行う際の具体的な動作について説明する(図5(B))。データの読み出しは、メモリセルを構成する第1の導電層と第2の導電層の間の電気特性が、データ「0」を有するメモリセルとデータ「1」を有するメモリセルとで異なることを利用して行う。例えば、データ「0」を有するメモリセルを構成する第1の導電層と第2の導電層の間の実効的な電気抵抗(以下、単にメモリセルの電気抵抗と呼ぶ)が、読み出し電圧においてR0、データ「1」を有するメモリセルの電気抵抗を、読み出し電圧においてR1とし、電気抵抗の差を利用して読み出す方法を説明する。なお、R1<<R0とする。読み出し/書き込み回路は、読み出し部分の構成として、例えば、図5(B)に示す抵抗素子46と差動増幅器47を用い読み出し/書き込み回路26bを考えることができる。抵抗素子46は抵抗値Rrを有し、R1<Rr<R0であるとする。抵抗素子46の代わりにトランジスタ48を用いても良いし、差動増幅器の代わりにクロックドインバータ49を用いることも可能である(図5(C))。クロックドインバータ49には、読み出しを行うときにHi、行わないときにLoとなる、信号φ又は反転信号φが入力される。勿論、回路構成は図5(B)及び(C)に限定されない。
メモリセル21からデータの読み出しを行う場合、まず、ロウデコーダ24a、レベルシフタ24b、カラムデコーダ26a、セレクタ26cによってメモリセル21を選択する。具体的には、ロウデコーダ24a、レベルシフタ24b、によって、メモリセル21に接続されるワード線Wyに所定の電圧Vyを印加する。また、カラムデコーダ26a、セレクタ26cによって、メモリセル21に接続されるビット線Bxを読み出し/書き込み回路26bの端子Pに接続する。その結果、端子Pの電位Vpは、抵抗素子46(抵抗値Rr)とメモリセル21(抵抗値R0もしくはR1)による抵抗分割によって決定される値となる。従って、メモリセル21がデータ「0」を有する場合には、Vp0=Vy+(V0−Vy)×R0/(R0+Rr)となる。また、メモリセル21がデータ「1」を有する場合には、Vp1=Vy+(V0−Vy)×R1/(R1+Rr)となる。その結果、図5(B)では、VrefをVp0とVp1の間となるように選択することで、図5(C)では、クロックドインバータの変化点をVp0とVp1の間となるように選択することで、出力電位Voutとして、データ「0」/「1」に応じて、Lo/Hi(もしくはHi/Lo)が出力され、読み出しを行うことができる。
例えば、差動増幅器をVdd=3Vで動作させ、Vy=0V、V0=3V、Vref=1.5Vとする。仮に、R0/Rr=Rr/R1=9とすると、メモリセルのデータが「0」の場合、Vp0=2.7VとなりVoutはHiが出力され、メモリセルのデータが「1」の場合、Vp1=0.3VとなりVoutはLoが出力される。こうして、メモリセルの読み出しを行うことができる。
上記の方法によると、有機化合物層29の電気抵抗の状態は、抵抗値の相違と抵抗分割を利用して、電圧値で読み取っている。勿論、読み出し方法は、この方法に限定されない。例えば、電気抵抗の差を利用する以外に、電流値の差を利用して読み出しても構わない。また、メモリセルの電気特性が、データ「0」と「1」とで、しきい値電圧が異なるダイオード特性を有する場合には、しきい値電圧の差を利用して読み出しても構わない。また、記憶素子の抵抗値を電流の大きさに置き換えて読みとる方法や、ビット線をプリチャージする方法を採用することも可能である。
本実施の形態により、厚さが4nm以下、好ましくは2nm以下の絶縁層を導電層と有機化合物層との間に設けることにより、トンネル効果により有機化合物層に電荷が注入される。当該絶縁層のトンネル効果により、記憶素子の書き込み時の印加電圧及び電流値のばらつきを低減することが可能である。また、厚さが4nm以下、好ましくは2nm以下の絶縁層を導電層と有機化合物層との間に設けることにより、記憶素子の有機化合物層の厚さが薄くても、電極間でのショートを低減することが可能である。また、電荷注入性の上昇により一対の導電層の間に挟まれた有機化合物層を厚く形成することが可能であり、この結果第1の導電層表面の粗さが原因の記憶素子における書き込み前の導電層間のショート(短絡)を防止し、記憶装置の信頼性を向上することができる。この結果、記憶装置及び半導体装置の信頼性を向上させることが可能である。
(実施の形態2)
本実施の形態では、上記実施の形態1とは異なる構成を有する記憶装置について説明する。具体的には、記憶装置の構成がアクティブマトリクス型の場合に関して示す。
図6(A)に示したのは本実施の形態で示す有機メモリの一構成例であり、メモリセル221がマトリクス状に設けられたメモリセルアレイ222、カラムデコーダ226aと読み出し回路226bとセレクタ226cを有するビット線駆動回路226、ロウデコーダ224aとレベルシフタ224bを有するワード線駆動回路224、書き込み回路等を有し外部とのやりとりを行うインターフェース223を有している。なお、ここで示す記憶回路216の構成はあくまで一例であり、センスアンプ、出力回路、バッファ等の他の回路を有していてもよいし、書き込み回路をビット線駆動回路に設けてもよい。
メモリセル221は、ビット線Bm(1≦m≦x)を構成する第1の配線と、ワード線Wn(1≦n≦y)を構成する第2の配線と、トランジスタ240と、記憶素子241とを有する。記憶素子241は、一対の導電層の間に、絶縁層及び有機化合物層が挟まれた構造を有する。
次に、上記構成を有するメモリセルアレイ222の上面図と断面図の一例に関して図7を用いて説明する。なお、図7(A)はメモリセルアレイ222の上面図の一例を示しており、図7(B)は図7(A)におけるA−B間の断面図を示している。なお、図7(A)においては、第1の導電層243上に形成される、隔壁(絶縁層)249、絶縁層242、有機化合物層244、及び第2の導電層245を省略している。
メモリセルアレイ222は、複数のメモリセル221がマトリクス状に設けられている。又、メモリセル221は、絶縁表面を有する基板230上にスイッチング素子として機能するトランジスタ240および当該トランジスタ240に接続された記憶素子241とを有している(図7(A)、図7(B)参照。)。記憶素子241は、絶縁層248上に形成される第1の導電層243と、第1の導電層の一部を覆う隔壁(絶縁層)249と、第1の導電層243上に形成される厚さ0.1nm以上4nm以下、好ましくは1nm以上4nm以下の絶縁層242と、第1の導電層243、隔壁(絶縁層)249、及び絶縁層242を覆う有機化合物層244と、第2の導電層245とを有する。絶縁層242は、実施の形態1に示す絶縁層32〜38の形状を適宜用いることができる。ここでは、図2(D)に示す絶縁層32と同様の形状の絶縁層242を有する記憶素子241を示す。また、トランジスタ240として、薄膜トランジスタを用いている。また、第2の導電層245を覆って保護膜として機能する絶縁層246を有する。
なお、ここでは、隔壁(絶縁層)249及び第1の導電層243上に絶縁層242を形成しているが、隔壁(絶縁層)249を形成するときに第1の導電層243上に残る残渣を絶縁層242として用いてもよい。具体的には、絶縁層248及び第1の導電層243上に絶縁層を形成し、該絶縁層をエッチングして隔壁(絶縁層)249を形成するが、この工程において第1の導電層243上にエッチング残渣が残存する。この残渣を絶縁層242として用いる。この場合、隔壁(絶縁層)249と絶縁層242を形成する化合物は同一の化合物となる。また、第1の導電層243上にのみ絶縁層242が形成され、隔壁(絶縁層)249上には絶縁層242が設けられない。このような構造を有する記憶装置は、絶縁層242の形成工程を省くことが可能であるため、スループットを向上させることが可能である。
トランジスタ240に用いることが可能な薄膜トランジスタの一態様について、図16を参照して説明する。図16(A)はトップゲート型の薄膜トランジスタを適用する一例を示している。絶縁表面を有する基板230上に絶縁層105が設けられ、絶縁層105上に薄膜トランジスタが設けられている。薄膜トランジスタは、絶縁層105上に半導体層1302、ゲート絶縁層として機能することができる絶縁層1303が設けられている。絶縁層1303の上には、半導体層1302に対応してゲート電極1304が形成され、その上層に保護層として機能する絶縁層1305、層間絶縁層として機能する絶縁層248が設けられている。また、半導体層のソース領域及びドレイン領域それぞれに接続する第1の導電層243が形成される。さらにその上層に、保護層として機能する絶縁層を形成しても良い。
半導体層1302は、結晶構造を有する半導体で形成される層であり、非単結晶半導体若しくは単結晶半導体を用いることができる。特に、非晶質若しくは微結晶質の半導体を、レーザ光の照射により結晶化させた結晶性半導体、加熱処理により結晶化させた結晶性半導体、加熱処理とレーザ光の照射を組み合わせて結晶化させた結晶性半導体を適用することが好ましい。加熱処理においては、シリコン半導体の結晶化を助長する作用のあるニッケルなどの金属元素を用いた結晶化法を適用することができる。
レーザ光を照射して結晶化する場合には、連続発振レーザ光の照射若しくは繰り返し周波数が10MHz以上であって、パルス幅が1ナノ秒以下、好ましくは1乃至100ピコ秒である高繰返周波数超短パルス光を照射することによって、結晶性半導体が溶融した溶融帯を、当該レーザ光の照射方向に連続的に移動させながら結晶化を行うことができる。このような結晶化法により、大粒径であって、結晶粒界が一方向に延びる結晶性半導体を得ることができる。キャリアのドリフト方向を、この結晶粒界が延びる方向に合わせることで、トランジスタにおける電界効果移動度を高めることができる。例えば、400cm/V・sec以上を実現することができる。
上記結晶化工程を、ガラス基板の耐熱温度(約600℃)以下の結晶化プロセスを用いる場合、大面積ガラス基板を用いることが可能である。このため、基板あたり大量の半導体装置を作製することが可能であり、低コスト化が可能である。
また、ガラス基板の耐熱温度以上の加熱により、結晶化工程を行い、半導体層1302を形成してもよい。代表的には、絶縁性基板に石英基板を用い、非晶質若しくは微結晶質の半導体を700度以上で加熱して半導体層1302を形成する。この結果、結晶性の高い半導体を形成することが可能である。このため、応答速度や移動度などの特性が良好で、高速な動作が可能な薄膜トランジスタを提供することができる。
絶縁層1303としては、プラズマCVD法またはスパッタリング法などの薄膜形成法を用い、窒化シリコン、酸化シリコン、その他の珪素を含む絶縁膜の単層又は積層構造で形成する。また、絶縁層1303を、液滴吐出法、塗布法、ゾルゲル法等を用いて絶縁性を有する溶液を用いて形成することができる。絶縁性を有する溶液の代表例としては、無機酸化物の微粒子が分散された溶液、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、アクリル、PSG(リンガラス)、BPSG(ボロンリンガラス)、シリケート系SOG(Spin on Glass)、アルコキシシリケート系SOG、ポリシラザン系SOG、ポリメチルシロキサンに代表される、Si−CH結合を有するSiOを適宜用いることができる。
ゲート電極1304は金属又は一導電型の不純物を添加した多結晶半導体で形成することができる。金属を用いる場合は、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、アルミニウム(Al)などを用いることができる。また、した金属を窒化させた金属窒化物を用いることができる。或いは、当該金属窒化物からなる第1層と当該金属から成る第2層とを積層させた構造としても良い。積層構造とする場合には、第1層の端部が第2層の端部より外側に突き出した形状としても良い。このとき第1層を金属窒化物とすることで、バリアメタルとすることができる。すなわち、第2層の金属が、絶縁層1303やその下層の半導体層1302に拡散することを防ぐことができる。
ゲート電極1304の側面には、サイドウォール(側壁スペーサ)1308が形成される。サイドウォールは、基板上にCVD法により酸化珪素で形成される絶縁層を形成し、該絶縁層をRIE(Reactive ion etching:反応性イオンエッチング)法により異方性エッチングすることで形成できる。
半導体層1302、絶縁層1303、ゲート電極1304などを組み合わせて構成される薄膜トランジスタは、シングルドレイン構造、LDD(低濃度ドレイン)構造、ゲートオーバーラップドレイン構造など各種構造を適用することができる。ここでは、サイドウォールが重畳する半導体層において、低濃度不純物領域1310が形成されるLDD構造の薄膜トランジスタを示す。また、シングルゲート構造、等価的には同電位のゲート電圧が印加される薄膜トランジスタが直列に接続された形となるマルチゲート構造、半導体層を上下にゲート電極で挟むデュアルゲート構造を適用することができる。
絶縁層248は、酸化シリコン及び酸化窒化シリコンなどの無機絶縁材料、又はアクリル樹脂及びポリイミド樹脂などの有機絶縁材料で形成する。スピン塗布やロールコーターなど塗布法を用いる場合には、液状の絶縁膜材料を塗布した後、熱処理により酸化シリコンで形成される絶縁層を用いることもできる。例えば、シロキサン結合を含む材料を塗布し、200乃至400度での熱処理により酸化シリコンを含む絶縁層を用いることができる。絶縁層248を、塗布法で形成する絶縁層やリフローにより平坦化した絶縁層を形成することで、その層上に形成する配線の断線を防止することができる。また、多層配線を形成する際にも有効に利用することができる。
絶縁層248の上に形成される第1の導電層243は、ゲート電極1304と同じ層で形成される配線と交差して設けることが可能であり、多層配線構造を形成している。絶縁層248と同様に機能を有する絶縁層を複数積層して、その層上に配線を形成することで多層配線構造を形成することができる。第1の導電層243はチタン(Ti)とアルミニウム(Al)の積層構造、モリブデン(Mo)とアルミニウム(Al)との積層構造、アルミニウム(Al)のような低抵抗材料と、チタン(Ti)やモリブデン(Mo)などの高融点金属材料を用いたバリアメタルとの組み合わせで形成することが好ましい。
図16(B)は、ボトムゲート型の薄膜トランジスタを適用する一例を示している。絶縁表面を有する基板230上に絶縁層105が形成され、その上に薄膜トランジスタが設けられている。薄膜トランジスタには、ゲート電極1304、ゲート絶縁層として機能する絶縁層1303、半導体層1302、チャネル保護層1309、保護層として機能する絶縁層1305、層間絶縁層として機能する絶縁層248が設けられている。さらにその上層には、保護層として機能する絶縁層を形成しても良い。第1の導電層243は、絶縁層1305の層上若しくは絶縁層248の層上に形成することができる。なお、ボトムゲート型の薄膜トランジスタの場合は、絶縁層105が形成されなくともよい。
また、絶縁表面を有する基板230が可撓性を有する基板である場合、耐熱温度がガラス基板等の非可撓性基板と比較して低い。このため、薄膜トランジスタは、有機半導体を用いて形成することが好ましい。
ここで、有機半導体を用いる薄膜トランジスタの構造について、図16(C)、(D)を参照して説明する。図16(C)は、スタガ型の有機半導体トランジスタを適用する一例を示している。可撓性を有する基板1401上に有機半導体トランジスタが設けられている。有機半導体トランジスタは、ゲート電極1402、ゲート絶縁膜として機能する絶縁層1403、ゲート電極及びゲート絶縁膜として機能する絶縁層と重畳する半導体層1404、半導体層1404に接続する第1の導電層243が形成されている。なお、半導体層は、ゲート絶縁膜として機能する絶縁層1403及び第1の導電層243に一部挟持されている。
ゲート電極1402は、ゲート電極1304と同様の材料及び手法により、形成することができる。また、液滴吐出法を用い、乾燥・焼成してゲート電極1402を形成することができる。また、可撓性を有する基板上に、導電性微粒子を含むペーストを印刷法により印刷し、乾燥・焼成してゲート電極1402を形成することができる。導電性微粒子の代表例としては、金、銅、金と銀の合金、金と銅の合金、銀と銅の合金、金と銀と銅の合金のいずれかを主成分とする微粒子でもよい。また、インジウム錫酸化物(ITO)などの導電性酸化物を主成分とする微粒子でもよい。
ゲート絶縁膜として機能する絶縁層1403は、絶縁層1303と同様の材料及び手法により形成することができる。但し、液状の絶縁膜材料を塗布した後、熱処理により絶縁層を形成する場合、熱処理温度が可撓性を有する基板の耐熱温度より低い温度で行う。
有機半導体トランジスタの半導体層1404の材料としては、多環芳香族化合物、共役二重結合系化合物、フタロシアニン、電荷移動型錯体等が挙げられる。例えばアントラセン、テトラセン、ペンタセン、6T(ヘキサチオフェン)、TCNQ(テトラシアノキノジメタン)、PTCDA(ペリレンカルボン酸無水化物)、NTCDA(ナフタレンカルボン酸無水化物)などを用いることができる。また、有機半導体トランジスタの半導体層1404の材料としては、有機高分子化合物等のπ共役系高分子、カーボンナノチューブ、ポリビニルピリジン、フタロシアニン金属錯体等が挙げられる。特に骨格が共役二重結合から構成されるπ共役系高分子である、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチエニレン、ポリチオフェン誘導体、ポリ(3アルキルチオフェン)、ポリパラフェニレン誘導体又はポリパラフェニレンビニレン誘導体を用いると好ましい。
また、有機半導体トランジスタの半導体層の形成方法としては、基板に膜厚の均一な膜が形成できる方法を用いればよい。厚さは1nm以上1000nm以下、好ましくは10nm以上100nm以下が望ましい。具体的な方法としては、蒸着法、塗布法、スピンコーティング法、オ−バーコート法、溶液キャスト法、ディップ法、スクリーン印刷法、ロールコーター法、又は液滴吐出法を用いることができる。
図16(D)は、コプレナー型の有機半導体トランジスタを適用する一例を示している。可撓性を有する基板1401上に有機半導体トランジスタが設けられている。有機半導体トランジスタは、ゲート電極1402、ゲート絶縁膜として機能する絶縁層1403、第1の導電層243、ゲート電極及びゲート絶縁層として機能する絶縁層に重畳する半導体層1404が形成されている。また、第1の導電層243は、ゲート絶縁層として機能する絶縁層及び半導体層に一部挟持されている。
さらには、薄膜トランジスタや有機半導体トランジスタはスイッチング素子として機能し得るものであれば、どのような構成で設けてもよい。
また、単結晶基板やSOI基板を用いて、トランジスタを形成し、その上に記憶素子を設けてもよい。SOI基板はウェハの貼り合わせによる方法や酸素イオンをSi基板内に打ち込むことにより内部に絶縁層を形成するSIMOXと呼ばれる方法を用いて形成すればよい。ここでは、図7(C)に示すように、単結晶半導体基板260上に設けられた電界効果トランジスタ262に記憶素子241が接続されていている。また、電界効果トランジスタ262の配線を覆うように絶縁層250を設け、当該絶縁層250上に記憶素子241を設けている。
このような単結晶半導体で形成されるトランジスタは、応答速度や移動度などの特性が良好なために、高速な動作が可能なトランジスタを提供することができる。また、トランジスタは、その特性のバラツキが少ないために、高い信頼性を実現した半導体装置を提供することができる。
記憶素子241は、絶縁層250上に形成される第1の導電層264と、第1の導電層264及び第1の導電層上に形成される厚さ0.1nm以上4nm以下、好ましくは1nm以上4nm以下の絶縁層242と、隔壁(絶縁層)249、及び絶縁層242を覆う有機化合物層244と、第2の導電層245とを有する。
このように、絶縁層250を設けて記憶素子241を形成することによって第1の導電層264を自由に配置することができる。つまり、図7(A)、(B)の構成では、トランジスタ240の配線を避けた領域に記憶素子241を設ける必要があったが、上記構成とすることによって、例えば、トランジスタを有する層251に設けられたトランジスタ262の上方に記憶素子241を形成することが可能となる。その結果、記憶回路216をより高集積化することが可能となる。即ち、トランジスタ及び記憶回路216が一部または全部重複していてもよい。
なお、図7(B)、(C)に示す構成において、有機化合物層244は基板全面に設けた例を示しているが、各メモリセルのみに有機化合物層244を選択的に設けてもよい。この場合、液滴吐出法等を用いて有機化合物を吐出し焼成して選択的に有機化合物層を設けることにより材料の利用効率を向上させることが可能となる。
第1の導電層243、264及び第2の導電層245の材料および形成方法は、上記実施の形態1で示した第1の導電層81及び第2の導電層28の材料および形成方法のいずれかを用いて同様に行うことができる。
また、絶縁層242、有機化合物層244は、上記実施の形態1で示した有機化合物層29と同様の材料および形成方法を用いて設けることができる。
また、第1の導電層243、264と有機化合物層244との間に、整流性を有する素子を設けてもよい。整流性を有する素子とは、ゲート電極とドレイン電極を接続したトランジスタ、又はダイオードである。なお、整流性を有する素子は、有機化合物層244と第2の導電層245との間に設けてもよい。
また、絶縁表面を有する基板230上に剥離層を設け、剥離層上にトランジスタを有する層253及び記憶素子241を形成した後、トランジスタを有する層253及び記憶素子241を剥離層から剥離し、基板461上に接着層462を介してトランジスタを有する層253及び記憶素子241を貼り合わせても良い(図10参照)。なお剥離方法としては、(1)耐熱性の高い基板とトランジスタを有する層の間に剥離層として金属酸化物層を設け、当該金属酸化物層を結晶化により脆弱化して、当該トランジスタを有する層を剥離する方法、(2)耐熱性の高い基板とトランジスタを有する層の間に剥離層として水素を含む非晶質珪素膜を設け、レーザ光の照射により非晶質珪素膜の水素ガスを放出させて耐熱性の高い基板を剥離する方法、または剥離層に非晶質珪素膜を設け、エッチングにより当該非晶質珪素膜を除去することで、当該トランジスタを有する層を剥離する方法、(3)トランジスタを有する層が形成された耐熱性の高い基板を機械的に削除する、又は溶液によるエッチングで除去する方法、(4)耐熱性の高い基板とトランジスタを有する層の間に剥離層として金属層及び金属酸化物層を設け、当該金属酸化物層を結晶化により脆弱化し、金属層の一部を溶液やNF、BrF、ClF等のフッ化ハロゲンガスによりエッチングで除去した後、脆弱化された金属酸化物層において物理的に剥離する方法等を用いればよい。
また、基板461としては、実施の形態1で示した基板30で示した可撓性基板、熱可塑性を示すフィルム、繊維質な材料からなる紙等を用いることで、記憶装置の小型、薄型、軽量化を図ることが可能である。
次に、記憶回路216にデータの書き込みを行うときの動作について説明する(図6)。
まず、電圧印加によりデータの書き込みを行うときの動作について説明する。ここでは、m列目n行目のメモリセル221にデータの書き込みを行う場合について説明する。この場合、ロウデコーダ224a、カラムデコーダ226a、セレクタ226cにより、m列目のビット線Bmと、n行目のワード線Wnが選択され、m列目n行目のメモリセル221が含むトランジスタ240がオン状態となる。続いて、書き込み回路により、m列目のビット線Bmに、所定の電圧が印加される。ここで印加する電圧は、記憶素子241の両電極が短絡する程度の電圧値であり、通常よりも高い電圧が印加される。
m列目のビット線Bmに印加された電圧は、第1の導電層243に印加され、第1の導電層243と第2の導電層245の間には電位差が生じる(図7(B)参照。)。そうすると、第1の導電層243及び絶縁層242の間で電荷が帯電する。第1の導電層243と第2の導電層245との間に、所定の電圧以上の電圧を印加すると、当該電荷が、有機化合物層に注入される。この結果、有機化合物層244に電流が流れてジュール熱が発生する。この熱の発生と共に、有機化合物層の温度がガラス転移点以上に上昇し、有機化合物層244が流動性を増し、有機化合物層の膜厚が不均一になる。この結果、有機化合物層244及び第2の導電層が変形し、第1の導電層243と第2の導電層245とが短絡し、記憶素子の電気抵抗が変化する。また、電流が流れなかった記憶素子の抵抗値は変化しない。
次に、電圧印加により、データの読み出しを行う際の動作について具体的に説明する(図6、図7参照。)。
メモリセル221にデータ「1」を書き込む場合、まず、ロウデコーダ224a、レベルシフタ224b、カラムデコーダ226a、セレクタ226cによってメモリセル221を選択する。具体的には、ロウデコーダ224a、レベルシフタ224bによって、メモリセル221に接続されるワード線Wnに所定の電圧V22を印加する。また、カラムデコーダ226a、セレクタ226cによって、メモリセル221に接続されるビット線Bmを読み出し/書き込み回路226bに接続する。そして、読み出し/書き込み回路226bからビット線B3へ書き込み電圧V21を出力する。
こうして、メモリセルを構成するトランジスタ240をオン状態とし、記憶素子241に、ビット線を電気的に接続し、おおむねVw=VcomーV21の電圧を印加する。なお、記憶素子241の一方の電極は電位Vcomの共通電極に接続されている。電位Vwを適切に選ぶことで、当該導電層間に設けられた有機化合物層29を物理的もしくは電気的変化させ、データ「1」の書き込みを行う。具体的には、読み出し動作電圧において、データ「1」の状態の第1の導電層と第2の導電層の間の電気抵抗が、データ「0」の状態と比して、大幅に小さくなるように変化させるとよく、単に短絡(ショート)させてもよい。なお、電位は、(V21、V22、Vcom)=(5〜15V、5〜15V、0V)、あるいは(−12〜0V、−12〜0V、3〜5V)の範囲から適宜選べば良い。電圧Vwは5〜15V、あるいは−5〜−15Vとすればよい。
なお、非選択のワード線および非選択のビット線には、接続されるメモリセルにデータ「1」が書き込まれないよう制御する。具体的には、非選択のワード線には接続されるメモリセルのトランジスタをオフ状態とする電位(例えば0V)を印加し、非選択のビット線は浮遊状態とするか、Vcomと同程度の電位を印加するとよい。
一方、メモリセル221にデータ「0」を書き込む場合は、メモリセル221には電気的作用を加えなければよい。回路動作上は、例えば、「1」を書き込む場合と同様に、ロウデコーダ224a、レベルシフタ224b、カラムデコーダ226a、およびセレクタ226cによってメモリセル221を選択するが、読み出し/書き込み回路226bからビット線B3への出力電位をVcomと同程度とするか、ビット線B3を浮遊状態とする。その結果、記憶素子241には、小さい電圧(例えば−5〜5V)が印加されるか、電圧が印加されないため、電気特性が変化せず、データ「0」書き込みが実現される。
次に、電気的作用により、データの読み出しを行う際の動作について説明する。データの読み出しは、記憶素子241の電気特性が、データ「0」を有するメモリセルとデータ「1」を有するメモリセルとで異なることを利用して行う。例えば、データ「0」を有するメモリセルを構成する記憶素子の電気抵抗が読み出し電圧においてR0、データ「1」を有するメモリセルを構成する記憶素子の電気抵抗が読み出し電圧においてR1とし、電気抵抗の差を利用して読み出す方法を説明する。なお、R1<<R0とする。読み出し/書き込み回路は、読み出し部分の構成として、例えば、図6(B)に示す抵抗素子254と差動増幅器247を用いた読み出し/書き込み回路226bを考えることができる。抵抗素子は抵抗値Rrを有し、R1<Rr<R0であるとする。
x行y列目のメモリセル221からデータの読み出しを行う場合、まず、ロウデコーダ224a、レベルシフタ224b、カラムデコーダ226a、およびセレクタ226cによってメモリセル221を選択する。具体的には、レベルシフタ224bによって、メモリセル221に接続されるワード線Wyに所定の電圧V24を印加し、トランジスタ240をオン状態にする。また、カラムデコーダ226a、およびセレクタ226cによって、メモリセル221に接続されるビット線Bxを読み出し/書き込み回路226bの端子Pに接続する。その結果、端子Pの電位Vpは、VcomとV0が抵抗素子254(抵抗値Rr)と記憶素子241(抵抗値R0もしくはR1)による抵抗分割によって決定される値となる。従って、メモリセル221がデータ「0」を有する場合には、Vp0=Vcom+(V0−Vcom)×R0/(R0+Rr)となる。また、メモリセル221がデータ「1」を有する場合には、Vp1=Vcom+(V0−Vcom)×R1/(R1+Rr)となる。その結果、VrefをVp0とVp1の間となるように選択することで、出力電位Voutが、データ「0」/「1」に応じて、Lo/Hi(もしくはHi/Lo)が出力され、読み出しを行うことができる。
例えば、差動増幅器をVdd=3Vで動作させ、Vcom=0V、V0=3V、Vref=1.5Vとする。仮に、R0/Rr=Rr/R1=9とし、トランジスタ240のオン抵抗を無視できるとすると、メモリセルのデータが「0」の場合、Vp0=2.7VとなりVoutはHiが出力され、メモリセルのデータが「1」の場合、Vp1=0.3VとなりVoutはLoが出力される。こうして、メモリセルの読み出しを行うことができる。
次に、抵抗素子254の代わりにトランジスタを用いた場合において、電圧印加により記憶素子のデータの読み出しを行う際の動作について、図11に具体例を挙げて説明する。
図11は、記憶素子に「0」のデータの書き込みを行った記憶素子の電流電圧特性951と、「1」のデータの書き込みを行った記憶素子の電流電圧特性952と、トランジスタの電流電圧特性953を示す。また、データを読み出す際の動作電圧として、第1の導電層243と第2の導電層245の間に3Vを印加した場合について説明する。
図11において、「0」のデータの書き込みが行われた記憶素子を有するメモリセルでは、記憶素子の電流電圧特性951とトランジスタの電流電圧特性953との交点954が動作点となり、このときのノードPの電位はV2(V)となる。ノードPの電位は差動増幅器247に供給され、当該差動増幅器247において、上記メモリセルが記憶するデータは、「0」と判別される。
一方、「1」のデータの書き込みが行われた記憶素子を有するメモリセルでは、記憶素子の電流電圧特性952とトランジスタの電流電圧特性953との交点955が動作点となり、このときのノードPの電位はV1(V)(V1<V2)となる。ノードPの電位は差動増幅器247に供給され、当該差動増幅器247において、上記メモリセルが記憶するデータは、「1」と判別される。
このように、記憶素子241の抵抗値に従って、抵抗分割された電位を読み取ることによって、メモリセルに記憶されたデータを判別することができる。
上記の方法によると、記憶素子241の抵抗値の相違と抵抗分割を利用して、電圧値で読み取っている。しかしながら、記憶素子241が有する情報を、電流値により読み取ってもよい。
なお、本実施の形態は上記実施の形態と自由に組み合わせて行うことができる。
本実施の形態により、厚さが4nm以下、好ましくは2nm以下の絶縁層を導電層と有機化合物層との間に設けることにより、当該絶縁層のトンネル効果により電荷注入性を高め、記憶素子の書き込み時の印加電圧及び電流値のばらつきを低減することが可能である。また、厚さが4nm以下、好ましくは2nm以下の絶縁層を導電層と有機化合物層との間に設けることにより電荷注入性型が高まるため、記憶素子の有機化合物層の厚さが厚くすることが可能であり、初期状態における電極間でのショートを低減することが可能である。この結果、記憶装置及び半導体装置の信頼性を向上させることが可能である。
(実施の形態3)
本実施の形態では、上記実施の形態で示す記憶装置を有する半導体装置の一例に関して図面を用いて説明する。
本実施の形態で示す半導体装置は、非接触でデータの読み出しと書き込みが可能であることを特徴としており、データの伝送形式は、一対のコイルを対向に配置して相互誘導によって交信を行う電磁結合方式、誘導電磁界によって交信する電磁誘導方式、電波を利用して交信する電波方式の3つに大別されるが、いずれの方式を用いてもよい。また、データの伝送に用いるアンテナは2通りの設け方があり、1つはトランジスタおよび記憶素子が設けられた基板上にアンテナを設ける場合、もう1つはトランジスタおよび記憶素子が設けられた基板に端子部を設け、当該端子部に別の基板に設けられたアンテナを接続して設ける場合がある。ここでは、半導体装置の断面の一部として、アンテナ、アンテナに接続される回路、メモリ回路の一部を示す。
まず、複数の素子および記憶素子が設けられた基板上にアンテナを設ける場合の半導体装置の一構成例を図8を用いて説明する。
図8(A)はパッシブマトリクス型で構成される記憶回路を有する半導体装置を示している。半導体装置は、基板350上にトランジスタ451、452を有する層351と、トランジスタを有する層351の上方に形成される記憶素子部352及びアンテナとして機能する導電層353とを有する。
なお、ここではトランジスタを有する層351の上方に記憶素子部352及びアンテナとして機能する導電層353を有する場合を示しているが、この構成に限られず記憶素子部352またはアンテナとして機能する導電層353を、トランジスタを有する層351の下方や同一の層に有してもよい。
記憶素子部352は複数の記憶素子352a、352bを有する。また、記憶素子352aは、絶縁層252上に形成される第1の導電層361と、第1の導電層の一部を覆う隔壁(絶縁層)374と、第1の導電層361及び隔壁(絶縁層)374を覆う厚さ0.1nm以上4nm以下、好ましくは1nm以上4nm以下の絶縁層364aと、第1の導電層361、隔壁(絶縁層)374、及び絶縁層364aを覆う有機化合物層362aと、第2の導電層363aとを有する。また、記憶素子352bは、絶縁層252上に形成される第1の導電層361と、第1の導電層の一部を覆う隔壁(絶縁層)374と、第1の導電層361及び隔壁(絶縁層)374を覆う厚さ0.1nm以上4nm以下、好ましくは1nm以上4nm以下の絶縁層364bと、第1の導電層361、隔壁(絶縁層)374、及び絶縁層364bを覆う有機化合物層362bと、第2の導電層363bとを有する。
また、第2の導電層363a、363b及びアンテナとして機能する導電層353を覆って保護膜として機能する絶縁層366が形成されている。また、記憶素子部352が形成される第1の導電層361は、トランジスタ452の配線に接続する。また、記憶素子部352は上記実施の形態で示した記憶素子と同様の材料または作製方法を用いて形成することができる。また、ここではパッシブマトリクス型で構成される記憶回路を示しているため、第1の導電層361上に、複数の絶縁層364a、364b、有機化合物層362a、362b、第2の導電層363a、363bが形成され、複数の記憶素子352a、352bを構成している。なお、トランジスタ452は、記憶素子部352の第1の導電層361の電位を制御するためのスイッチとして機能する。
また、記憶素子部352において、上記実施の形態で示したように、第1の導電層361と有機化合物層362a、362bとの間、または有機化合物層362a、362bと第2の導電層363a、363bとの間に整流性を有する素子を設けてもよい。整流性を有する素子は、実施の形態1で上述したものを用いることが可能である。
ここでは、アンテナとして機能する導電層353は第2の導電層363a、363bと同一の層で形成された導電層360上に設けられている。なお、第2の導電層363a、363bと同一の層でアンテナとして機能する導電層を形成してもよい。アンテナとして機能する導電層353はトランジスタ451のソース配線又はドレイン配線に接続する。なお、トランジスタ452は、アンテナに接続する回路の一部を構成する。
アンテナとして機能する導電層353の材料としては、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、コバルト(Co)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、マンガン(Mn)、チタン(Ti)等から選ばれた一種の元素または当該元素を複数含む合金等を用いることができる。また、アンテナとして機能する導電層353の形成方法は、蒸着、スパッタ、CVD法、スクリーン印刷やグラビア印刷等の各種印刷法または液滴吐出法等を用いることができる。
トランジスタを有する層351に含まれるトランジスタ451、452は、実施の形態2で示すトランジスタ240、262を適宜用いることができる。
また、基板上に剥離層、トランジスタを有する層351、記憶素子部352、及びアンテナとして機能する導電層353を形成し、実施の形態2に示す剥離方法を適宜用いてトランジスタを有する層351、記憶素子部352、及びアンテナとして機能する導電層353を剥離し、別の基板上に接着層を用いて貼り付けてもよい。別の基板としては、実施の形態1の基板30で示した可撓性基板、熱可塑性を示すフィルム、繊維質な材料からなる紙、基材フィルム等を用いることで、記憶装置の小型、薄型、軽量化を図ることが可能である。
図8(B)にアクティブマトリクス型の記憶回路を有する半導体装置の一例を示す。なお、図8(B)については、図8(A)と異なる部分に関して説明する。
図8(B)に示す半導体装置は、基板350上にトランジスタ451、452を有する層351と、トランジスタを有する層351の上方に記憶素子部356及びアンテナとして機能する導電層353とを有する。なお、ここではトランジスタ451と同一の層に記憶素子部356のスイッチング素子として機能するトランジスタ452を有し、トランジスタを有する層351の上方に記憶素子部356及びアンテナ機能する導電層353を有する場合を示しているが、記憶素子部356やアンテナ機能する導電層353を、トランジスタを有する層351の下方や同一の層に有しても可能である。
記憶素子部356は、記憶素子356a、356bで構成される。記憶素子356aは、絶縁層252上に形成される第1の導電層371aと、第1の導電層371aの一部を覆う隔壁(絶縁層)374と、第1の導電層361及び隔壁(絶縁層)374を覆う厚さ0.1nm以上4nm以下、好ましくは1nm以上4nm以下の絶縁層370と、第1の導電層371a、隔壁(絶縁層)374、及び絶縁層370を覆う有機化合物層372と、第2の導電層373とを有する。記憶素子356bは、絶縁層252上に形成される第1の導電層371bと、第1の導電層371bの一部を覆う隔壁(絶縁層)374と、第1の導電層361及び隔壁(絶縁層)374を厚さ0.1nm以上4nm以下、好ましくは1nm以上4nm以下の覆う絶縁層370と、第1の導電層371b、隔壁(絶縁層)374、及び絶縁層370を覆う有機化合物層372と、第2の導電層373とを有する。また、ここでは、アクティブマトリクス型の記憶回路を示すため、トランジスタそれぞれの配線に、第1の導電層371a、第1の導電層371bが接続されている。すなわち、記憶素子の第1の導電層それぞれは、トランジスタに接続されている。
なお、記憶素子356a、356bは上記実施の形態1及び2で示した材料または作製方法を用いて形成することができる。また、記憶素子356a、356bにおいても、上述したように、第1の導電層371a、371bと有機化合物層372との間、または有機化合物層372と第2の導電層373との間に整流性を有する素子を設けてもよい。
また、トランジスタを有する層351、記憶素子部356、アンテナとして機能する導電層353は、上述したように蒸着、スパッタ法、CVD法、印刷法または液滴吐出法等を用いて形成することができる。なお、各場所によって異なる方法を用いて形成してもかまわない。
基板上に剥離層、トランジスタを有する層351、記憶素子部356、及びアンテナとして機能する導電層353を形成し、実施の形態2に示す剥離方法を適宜用いてトランジスタを有する層351、記憶素子部356、及びアンテナとして機能する導電層353を剥離し、別の基板上に接着層を用いて貼り付けてもよい。別の基板としては、実施の形態1の基板30で示した可撓性基板、熱可塑性を示すフィルム、繊維質な材料からなる紙、基材フィルム等を用いることで、記憶装置の小型、薄型、軽量化を図ることが可能である。
なお、トランジスタに接続するセンサを設けてもよい。センサとしては、温度、湿度、照度、ガス(気体)、重力、圧力、音(振動)、加速度、その他の特性を物理的又は化学的手段により検出する素子が挙げられる。センサは、代表的には抵抗素子、容量結合素子、誘導結合素子、光起電力素子、光電変換素子、熱起電力素子、トランジスタ、サーミスタ、ダイオード静電容量型素子、圧電素子などの素子で形成される。
次に、トランジスタを有する層、トランジスタに接続する端子部、および記憶素子を有する第1の基板と、当該端子部に接続されるアンテナが形成された第2の基板とを有する半導体装置の一構成例に関して図9を用いて説明する。なお、図9に関しては図8と異なる部分に関して説明を行う。
図9(A)はパッシブマトリクス型の記憶回路を有する半導体装置を示している。半導体装置は、基板350上に形成されたトランジスタを有する層351と、トランジスタを有する層351の上方に形成される記憶素子部352と、トランジスタ451に接続する接続端子378と、アンテナとして機能する導電層357が形成された基板365とを有し、導電層357及び接続端子378は導電性粒子により接続している。なお、ここではトランジスタを有する層351の上方に記憶素子部352を設けた場合を示しているが、この構成に限られず記憶素子部352を、トランジスタを有する層351の下方や同一の層に有してもよい。
記憶素子部352は、図8(A)に示す構成の記憶素子部352で構成することができる。
また、トランジスタを有する層351と記憶素子部352とを含む基板と、アンテナとして機能する導電層357が設けられた基板365は、接着性を有する樹脂375により貼り合わされている。そして、トランジスタを有する層351と導電層358とは樹脂375中に含まれる導電性粒子359を介して電気的に接続されている。また、銀ペースト、銅ペースト、カーボンペースト等の導電性接着剤や半田接合を行う方法を用いてトランジスタを有する層351と記憶素子部352を含む基板と、アンテナとして機能する導電層357が設けられた基板365とを貼り合わせてもよい。
図9(B)は実施の形態2に示した記憶装置が設けられた半導体装置を示しており、基板350上に形成されたトランジスタ451、452を含むトランジスタを有する層351と、トランジスタを有する層351の上方に形成される記憶素子部356と、トランジスタ451に接続する接続端子378と、アンテナとして機能する導電層357が形成された基板365とを有し、導電層357及び接続端子378は導電性粒子により接続している。なお、ここではトランジスタを有する層351においてトランジスタ451と同一の層にトランジスタ452を有し、トランジスタを有する層351の上方にアンテナとして機能する導電層357を有する場合を示しているが、この構成に限られず記憶素子部356をトランジスタを有する層351の下方や同一の層に有してもよい。
記憶素子部356は、図8(B)に示す構成の記憶素子356a、356bで構成することができる。
また、図9(B)においてもトランジスタを有する層351と記憶素子部356を含む基板と、アンテナとして機能する導電層357が設けられた基板365は、導電性粒子359を含む樹脂375により貼り合わせられる。また、導電層357及び接続端子378は導電性粒子359により接続している。
また、基板上に剥離層、トランジスタを有する層351、記憶素子部356を形成し、実施の形態2に示す剥離方法を適宜用いてトランジスタを有する層351、記憶素子部356を剥離し、別の基板上に接着層を用いて貼り付けてもよい。別の基板としては、実施の形態1の基板30で示した可撓性基板、熱可塑性を示すフィルム、繊維質な材料からなる紙、基材フィルム等を用いることで、記憶装置の小型、薄型、軽量化を図ることが可能である。
さらには、記憶素子部352、356を、アンテナとして機能する導電層が設けられた基板365に設けてもよい。すなわち、トランジスタを有する層が形成される第1の基板と、記憶素子部及びアンテナとして機能する導電層が形成される第2の基板とを、導電性粒子を含む樹脂により貼り合わせてもよい。また、図8(A)及び(B)に示す半導体装置と同様に、トランジスタに接続するセンサを設けてもよい。
なお、本実施の形態は、上記実施の形態と自由に組み合わせて行うことができる。
厚さが4nm以下、好ましくは2nm以下の絶縁層を導電層と有機化合物層との間に設けることにより、当該絶縁層のトンネル効果により電荷注入性を高め、記憶素子の書き込み時の印加電圧及び電流値のばらつきを低減することが可能である。また、厚さが4nm以下、好ましくは2nm以下の絶縁層を導電層と有機化合物層との間に設けることにより電荷注入性が高まるため、記憶素子の有機化合物層の厚さが厚くすることが可能であり、初期状態における電極間でのショートを低減することが可能である。この結果、半導体装置の信頼性を向上させることが可能である。
本実施例では、基板上に記憶素子を作製し、記憶素子に電圧を印加してデータの書き込みを行ったときの電流電圧特性について、図15を用いて説明する。なお、ここでは、記憶素子に電圧を印加してショートさせることでデータの書き込みを行った。記憶素子は、基板上に、第1の導電層、絶縁層、有機化合物層、第2の導電層の順に積層した素子であり、第1の導電層はチタン、絶縁層はフッ化カルシウム、有機化合物層は4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(NPB)、第2の導電層はアルミニウムを用いて形成した。また、絶縁層は2nm、有機化合物層は8nm、第2の導電層は200nmの厚さで形成した。また、第1の導電層をスパッタリング法により形成し、絶縁層、有機化合物層、及び第2の導電層を蒸着法により形成した。当該構造を有し、上面形状が正方形であり、且つ一辺の長さが100μmの記憶素子を試料1と示す。また、当該構造を有し、上面形状が正方形であり、且つ一辺の長さが10μmの記憶素子を試料2及び試料3と示す。
また、試料1乃至試料3の比較試料として、基板上に、第1の導電層、有機化合物層、第2の導電層の順に積層した素子を形成した。第1の導電層はチタン、有機化合物層は4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(NPB)、第2の導電層はアルミニウムを用いて形成した。また、有機化合物層は8nm、第2の導電層は200nmの厚さで形成した。また、第1の導電層をスパッタリング法により形成し、有機化合物層及び第2の導電層を蒸着法により形成した。当該構造を有し、上面形状が正方形であり、且つ一辺の長さが100μmの記憶素子を比較試料1と示す。また、当該構造を有し、上面形状が正方形であり、且つ一辺の長さが10μmの記憶素子を比較試料2及び比較試料3と示す。
記憶素子(試料1、比較試料1)に電圧を印加して書き込みを行ったときの電圧電流特性について、図15(A)を用いて説明する。図15(A)は、横軸が電圧値、縦軸が電流値である。
図15(A)において、プロット411aは電圧印加による書込み前の試料1の電流値の挙動を示し、プロット411bは書込み後の試料1の電流値の挙動を示す。
プロット412aは電圧印加による書込み前の比較試料1の電流値の挙動を示しプロット412bは書込み後の比較試料1の電流値の挙動を示す。
試料1が書込みした時の電圧は2.9V、電流値は82000μAであった。また、比較試料1が書込みした時の電圧は4.9V、電流値は110μAであった。さらに、書込み前において比較試料1と比較して同電位における電流値は試料1の方が高い。このことから、試料1の記憶素子は、第1の導電層及び有機化合物層の間に絶縁層を有することにより電荷注入性が高いことがわかる。なお、絶縁層は安定なフッ化カルシウムを用いて形成されているため、この機構はトンネル注入であることがわかる。また、電荷注入性が高まっているため、書込み時の印加電圧が低下している。
次に、試料2、3、比較試料2、3に電圧を印加して書き込みを行ったときの電圧電流特性について、図15(B)を用いて説明する。図15(B)は、横軸が電圧値、縦軸が電流値である。
図15(B)において、プロット401aは電圧印加による書込み前の試料3の電流値の挙動を示し、プロット401bは書込み後の試料3の電流値の挙動を示す。
プロット402aは電圧印加による書込み前の試料3の電流値の挙動を示し、プロット402bは書込み後の試料3の電流値の挙動を示す。
プロット403aは電圧印加による書込み前の比較試料3の電流値の挙動、プロット403bは書込み後の比較試料3の電流値の挙動を示す。
プロット404aは電圧印加による書込み前の比較試料3の電流値の挙動、プロット404bは書込み後の比較試料3の電流値の挙動を示す。
試料2における書込み時の電圧は5.1V、電流値は130μAであった。また、試料3における書込み時の電圧は4.2V、電流値は110μAであった。このように、書き込み時の電圧及び電流値にばらつきが少ないことがわかる。このことから、第1の導電層及び有機化合物層の間に絶縁層を有することにより書き込み時の電圧及び電流値のばらつきが低下することがわかる。
一方、比較試料2におけるデータ書き込み時の電圧は2.0V、電流値は6.8×10μAであった。また、比較試料3におけるデータ書き込み時の電圧は7.9V、電流値は0.45μAであった。このように、書き込み時の電圧及び電流値に、ばらつきが多いことがわかる。
次に、有機化合物層をスピンコート法で形成した記憶素子の電圧電流特性について、表1乃至表3を用いて説明する。記憶素子は、基板上に、第1の導電層、絶縁層、有機化合物層、第2の導電層の順に積層した素子であり、第1の導電層はチタン、絶縁層は、フッ化カルシウム、有機化合物層はポリビニルカルバゾール(PVK)、第2の導電層はアルミニウムを用いて形成した。また、絶縁層は1nm、有機化合物層は15nm、第2の導電層は200nmの膜厚で形成した。また、第1の導電層をスパッタリング法により形成し、絶縁層及び第2の導電層を蒸着法により形成し、有機化合物層をスピンコートにより形成した。なお、絶縁層を第1の導電層上に蒸着する前に、第1の導電層として、スパッタリング法によりチタン層を形成し、チタン層上に厚さ100nmのアルミニウム層を形成した後、TMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)を用いてアルミニウム層を除去した。
当該構造の記憶素子において、上面形状が正方形であり、且つ一辺の長さが10μmとした記憶素子を、試料4及び試料5と示す。
また、試料4及び試料5の比較例として、基板上に、第1の導電層、有機化合物層、第2の導電層の順に積層した素子を形成した。第1の導電層はチタン、有機化合物層はポリビニルカルバゾール(PVK)、第2の導電層はアルミニウムを用いて形成した。また、有機化合物層は15nm、第2の導電層は200nmの膜厚で形成した。また、第1の導電層をスパッタリング法により形成し有機化合物層をスピンコーティング法により形成し、及び第2の導電層を蒸着法により形成した。当該構造の記憶素子において、上面形状が正方形であり、且つ一辺の長さを10μmとした記憶素子を、比較試料4〜6と示す。
試料4及び5、比較試料4〜6に電圧を印加し書込み時の電圧、及び電流値を表1に示した。
Figure 2006303477
試料4及び試料5は、書込み時の電圧及び電流値のばらつきが少ない。一方、比較試料4〜6においては、書込み時の電圧の値が高い。また、電流値にはばらつきが生じている。
また、試料1〜5と同様の積層構造であり、上面形状が正方形であり、且つ一辺の長さを5μmとした記憶素子を、試料6、試料7と示す。同様に、比較試料1〜6と同様の積層構造であり、上面形状が正方形であり、且つ一辺の長さを5μmとした記憶素子を、比較試料7〜10と示す。
試料6、7、比較試料7〜10に電圧を印加し書込みさせた時の電圧、及び電流値を表2に示した。
Figure 2006303477
試料6及び試料7は、書込み時の電圧及び電流値のばらつきが少ない。一方、比較試料7及び比較試料10では書込みせず絶縁化が生じた。また比較試料8及び比較試料9においては、書込み時の電圧及び電流値の値が高い。
また、試料4及び試料5と同様の積層構造であり、上面形状が正方形であり、且つ一辺の長さを3μmとした記憶素子を、試料8〜10と示す。同様に、比較試料4〜6と同様の積層構造であり、上面形状が正方形であり、且つ一辺の長さを3μmとした記憶素子を、比較試料11〜13と示す。
試料8〜10、比較試料11〜13に電圧を印加し書込みさせた時の電圧、及び電流値を表3に示した。
Figure 2006303477
試料8〜10は、書込み時の電圧及び電流値のばらつきが少ない。一方、比較試料11〜13では書込みせず絶縁化が生じた。
表1乃至表3に示すように、有機化合物層を有する記憶素子において、4nm以下、好ましくは2nm以下の絶縁層を第1の導電層及び有機化合物層に設けることで、記憶素子の上面面積に関わらず書込み時の電圧及び電流値のばらつきが低減した。
ここで、本発明の半導体装置の構成について、図12を参照して説明する。図12(A)に示すように、本発明の半導体装置20は、非接触でデータを交信する機能を有し、電源回路11、クロック発生回路12、データ復調・変調回路13、他の回路を制御する制御回路14、インターフェース回路15、記憶回路16、バス17、アンテナ18を有する。
また、図12(B)に示すように、本発明の半導体装置20は、非接触でデータを交信する機能を有し、電源回路11、クロック発生回路12、データ復調・変調回路13、他の回路を制御する制御回路14、インターフェース回路15、記憶回路16、バス17、アンテナ18の他、中央処理ユニット1を有しても良い。
また、図12(C)に示すように、本発明の半導体装置20は、非接触でデータを交信する機能を有し、電源回路11、クロック発生回路12、データ復調・変調回路13、他の回路を制御する制御回路14、インターフェース回路15、記憶回路16、バス17、アンテナ18、中央処理ユニット1の他、検出素子3、検出制御回路4からなる検出部2を有しても良い。
本実施の形態の半導体装置は、トランジスタを有する層のトランジスタにより、電源回路11、クロック発生回路12、データ復調・変調回路13、他の回路を制御する制御回路14、インターフェース回路15、記憶回路16、バス17、アンテナ18、中央処理ユニット1の他、検出素子3、検出制御回路4からなる検出部2等を構成することで、小型でセンサ機能を有する半導体装置を形成することが可能である。
電源回路11は、アンテナ18から入力された交流信号を基に、半導体装置20の内部の各回路に供給する各種電源を生成する回路である。クロック発生回路12は、アンテナ18から入力された交流信号を基に、半導体装置20の内部の各回路に供給する各種クロック信号を生成する回路である。データ復調・変調回路13は、リーダライタ19と交信するデータを復調/変調する機能を有する。制御回路14は、記憶回路16を制御する機能を有する。アンテナ18は、電磁波或いは電波の送受信を行う機能を有する。リーダライタ19は、半導体装置との交信、制御及びそのデータに関する処理を制御する。なお、半導体装置は上記構成に制約されず、例えば、電源電圧のリミッタ回路や暗号処理専用ハードウエアといった他の要素を追加した構成であってもよい。
記憶回路16は、実施の形態1または実施の形態2に示す記憶素子から選択される1つ又は複数を有する。有機化合物層を有する記憶素子は、小型化、薄膜化および大容量化を同時に実現することができるため、記憶回路16を有機化合物層を有する記憶素子で設けることにより、半導体装置の小型化、軽量化を達成することができる。
検出部2は、温度、圧力、流量、光、磁気、音波、加速度、湿度、気体成分、液体成分、その他の特性を物理的又は化学的手段により検出することができる。また、検出部2は、物理量または化学量を検出する検出素子3と当該検出素子3で検出された物理量または化学量を電気信号等の適切な信号に変換する検出制御回路4とを有している。検出素子3としては、抵抗素子、容量結合素子、誘導結合素子、光起電力素子、光電変換素子、熱起電力素子、トランジスタ、サーミスタ、ダイオード、静電容量型素子、圧電素子などの素子で形成することができる。なお、検出部2は複数設けてもよく、この場合、複数の物理量または化学量を同時に検出することが可能である。
また、ここでいう物理量とは、温度、圧力、流量、光、磁気、音波、加速度、湿度等を指し、化学量とは、ガス等の気体成分やイオン等の液体成分等の化学物質等を指す。化学量としては、他にも、血液、汗、尿等に含まれる特定の生体物質(例えば、血液中に含まれる血糖値等)等の有機化合物も含まれる。特に、化学量を検出しようとする場合には、必然的にある特定の物質を選択的に検出することになるため、あらかじめ検出素子3に検出したい物質と選択的に反応する物質を設けておくことが好ましい。例えば、生体物質の検出を行う場合には、検出素子3に検出させたい生体物質と選択的に反応する酵素、抗体分子または微生物細胞等を高分子等に固定化して設けておくことが好ましい。
本発明により無線チップとして機能する半導体装置を形成することができる。無線チッフ゜の用途は広範にわたるが、例えば、紙幣、硬貨、有価証券類、無記名債券類、証書類(運転免許証や住民票等、図14(A)参照)、包装用容器類(包装紙やボトル等、図14(C)参照)、記録媒体(DVDソフトやビデオテープ等、図14(B)参照)、乗物類(自転車等、図14(D)参照)、身の回り品(鞄や眼鏡等)、食品類、植物類、衣類、生活用品類、電子機器等の商品や荷物の荷札(図14(E)、図14(F)参照)等の物品に設けて使用することができる。また、動物類、人体に貼り付けたり、埋め込んだりすることができる。電子機器とは、液晶表示装置、EL表示装置、テレビジョン装置(単にテレビ、テレビ受像機、テレビジョン受像機とも呼ぶ)及び携帯電話等を指す。
本発明の半導体装置20は、プリント基板に実装したり、表面に貼ったり、埋め込んだりして、物品に固定される。例えば、本なら紙に埋め込んだり、有機樹脂からなるパッケージなら当該有機樹脂に埋め込んだりして、各物品に固定される。本発明の半導体装置20は、小型、薄型、軽量を実現するため、物品に固定した後も、その物品自体のデザイン性を損なうことがない。また、紙幣、硬貨、有価証券類、無記名債券類、証書類等に本発明の半導体装置2707を設けることにより、認証機能を設けることができ、この認証機能を活用すれば、偽造を防止することができる。また、包装用容器類、記録媒体、身の回り品、食品類、衣類、生活用品類、電子機器等に本発明の半導体装置を設けることにより、検品システム等のシステムの効率化を図ることができる。
次に、本発明の半導体装置を実装した電子機器の一態様について図面を参照して説明する。ここで例示する電子機器は携帯電話機であり、筐体2700、2706、パネル2701、ハウジング2702、プリント配線基板2703、操作ボタン2704、バッテリ2705を有する(図13参照)。パネル2701はハウジング2702に脱着自在に組み込まれ、ハウジング2702はプリント配線基板2703に嵌着される。ハウジング2702はパネル2701が組み込まれる電子機器に合わせて、形状や寸法が適宜変更される。プリント配線基板2703には、パッケージングされた複数の半導体装置が実装されており、このうちの1つとして、本発明の半導体装置を用いることができる。プリント配線基板2703に実装される複数の半導体装置は、コントローラ、中央処理ユニット(CPU、Central Processing Unit)、メモリ、電源回路、音声処理回路、送受信回路等のいずれかの機能を有する。
パネル2701は、接続フィルム2708を介して、プリント配線基板2703と接続される。上記のパネル2701、ハウジング2702、プリント配線基板2703は、操作ボタン2704やバッテリ2705と共に、筐体2700、2706の内部に収納される。パネル2701が含む画素領域2709は、筐体2700に設けられた開口窓から視認できるように配置されている。
上記の通り、本発明の半導体装置は、小型、薄型、軽量であることを特徴としており、上記特徴により、電子機器の筐体2700、2706内部の限られた空間を有効に利用することができる。
また、本発明の半導体装置は、外部からの電圧印加により変化する有機化合物層が一対の導電層間に挟まれた単純な構造の記憶素子を有するため、安価な半導体装置を用いた電子機器を提供することができる。また、本発明の半導体装置は高集積化が容易なため、大容量の記憶回路を有する半導体装置を用いた電子機器を提供することができる。
また、本発明の半導体装置が有する記憶装置は、外部からの電圧印加によりデータの書き込みを行うものであり、不揮発性であって、データの追記が可能であることを特徴とする。上記特徴により、書き換えによる偽造を防止することができ、新たなデータを追加して書き込むことができる。従って、高機能化と高付加価値化を実現した半導体装置を用いた電子機器を提供することができる。
なお、筐体2700、2706は、携帯電話機の外観形状を一例として示したものであり、本実施例に係る電子機器は、その機能や用途に応じて様々な態様に変容しうる。
本実施例では、記憶素子の書込み特性について、図17及び18を用いて説明する。
図17(A)には、本実施例で用いた試料11の構造を示し、図17(B)は試料11の比較となる比較試料14の構造を示す。
試料11は、基板50上に形成された第1の導電層51、第1の導電層51上に形成された絶縁層52、第1の導電層51及び絶縁層52上に形成された有機化合物層53、有機化合物層53上に形成された第2の導電層54で構成される記憶素子55を有する。
比較試料14は、基板50上に形成された第1の導電層51、第1の導電層51上に形成された有機化合物層53、有機化合物層53上に形成された第2の導電層54で構成される記憶素子56を有する。
なお、記憶素子55及び56において、第1の導電層51の端部は、隔壁(絶縁層)57によって覆われる。
記憶素子55及び56においては、基板50にガラス基板を用い、第1の導電層51にスパッタリング法により形成された厚さ100nmのチタン層を用い、有機化合物層53に蒸着法により形成された厚さ10nmのNPBを用い、第2の導電層54に蒸着法により形成された厚さ200nmのアルミニウム層を用いた。また、記憶素子55は、絶縁層52に蒸着法により形成された厚さ1nmのフッ化カルシウム層を用いた。また、記憶素子55及び56の第1の導電層51及び第2の導電層54が重複する上面形状を正方形とし、その一辺の長さを5μmとした。
図18に、試料11及び比較試料14の書込み特性を示す。横軸は書き込み電圧であり、縦軸はその書き込み電圧以下で書込みが成功した確率(書込み成功率)を表す。また、書き込み時間を100msとした。また、試料11及び比較試料14それぞれに形成される64個の記憶素子について評価した。試料11の記憶素子は9Vで書込みが開始され、12Vで書込み成功率が100%に達した。一方、比較試料14は5Vの時点で書込みが開始されるが、電圧の上昇に対する書込み成功率の上昇は鈍く、書込み成功率が100%に達するのに書き込み電圧が14V必要であった。
以上のことから、第1の導電層に接するように第1の導電層及び有機化合物層の間に絶縁層を設けることで、書き込みに必要な電圧のバラツキを低減することが可能であることが分かる。
本実施例では、異なる絶縁層を用いた記憶素子の書込み特性について、図17及び19を用いて説明する。
絶縁層としてハロゲン化リチウム塩を用いた記憶素子を有する試料12〜14において、ハロゲン化リチウム塩の種類及び記憶素子の上面面積による書込み特性を図19に示す。
試料12〜14は、図17(A)に示すような基板50上に形成された第1の導電層51、第1の導電層51上に形成された絶縁層52、第1の導電層51及び絶縁層52上に形成された有機化合物層53、有機化合物層53上に形成された第2の導電層54で構成される記憶素子55を有する。
ここでは、試料12〜14の記憶素子としては、基板50にガラス基板を用い、第1の導電層51にスパッタリング法により形成された厚さ100nmのチタン層を用い、有機化合物層53に蒸着法により形成された厚さ10nmのTPAQnを用い、第2の導電層54に蒸着法により形成された厚さ200nmのアルミニウム層を用いた。また、試料12〜14は、それぞれ第1の導電層51及び第2の導電層54が重複する上面形状が正方形であり、且つ一辺の長さが2μm、または3μmである記憶素子を有する。
試料12〜14の記憶素子に電圧を8V〜12V印加して書込みを行った。このときの、書込み時間を10msとした。
試料12の記憶素子は、絶縁層52に蒸着法により形成された厚さ1nmのフッ化リチウム層を用いた。このときの書込み電圧に対する書込み成功率を図19(A)に示した。
試料13の記憶素子は、絶縁層52に蒸着法により形成された厚さ1nmの塩化リチウム層を用いた。このときの書込み電圧に対する書込み成功率を図19(B)に示した。
試料14の記憶素子は、絶縁層52に蒸着法により形成された厚さ1nmの臭化リチウム層を用いた。このときの書込み電圧に対する書込み成功率を図19(C)に示した。
試料12〜14の記憶素子の構成を表4に示す。
Figure 2006303477
塩化リチウムを用いた絶縁層を有する試料13(図19(B))、及び臭化リチウムを用いた絶縁層を有する試料14(図19(C))と比較して、フッ化リチウムを用いた絶縁層を有する試料12(図19(A))は、書込み成功率の上昇が急峻であった。また、記憶素子の上面面積に関わらず、書込み電圧に対する書込み成功率のばらつきが少なかった。このことから、絶縁層にフッ化リチウムを用いる記憶素子は、記憶素子間の書込み電圧の値のばらつきを低減することが可能であることがわかる。
次に、異なる絶縁層を用いた記憶素子の書込み電圧及び電流値を、図20に示す。本実施例では、絶縁層にアルカリ土類金属のフッ化物塩を用いた記憶素子を有する試料について評価した。
試料15〜20は、図17(A)に示すように、基板50上に形成された第1の導電層51、第1の導電層51上に形成された絶縁層52、第1の導電層51及び絶縁層52上に形成された有機化合物層53、有機化合物層53上に形成された第2の導電層54で構成される記憶素子を有する。
また、試料15〜17としては、基板50にガラス基板を用い、第1の導電層51にスパッタリング法により形成された厚さ100nmのチタン層を用い、有機化合物層53に蒸着法により形成された厚さ10nmのNPBを用い、第2の導電層54に蒸着法により形成された厚さ200nmのアルミニウム層を用いた。また、第1の導電層51及び第2の導電層54が重複する上面形状は正方形であり、且つ一辺の長さを10μmとした。
試料15の記憶素子は、絶縁層52に蒸着法で形成された厚さ1nmのフッ化マグネシウムを用いた。
試料16の記憶素子は、絶縁層52に蒸着法で形成された厚さ1nmのフッ化カルシウムを用いた。
試料17の記憶素子は、絶縁層52に蒸着法で形成された厚さ1nmのフッ化バリウムを用いた。
試料15〜17の記憶素子の構成を表5に示す。
Figure 2006303477
また、試料15〜17と異なる材料で有機化合物層が形成される記憶素子を試料18〜20とした。ここでは、有機化合物層としてNPBの代わりにSFDCzを用いた。また、基板50、第1の導電層51、及び第2の導電層54は、試料15〜17と同様のものを用いた。
試料18の記憶素子は、絶縁層52に蒸着法で形成された厚さ1nmのフッ化カルシウムを用い、有機化合物層53に蒸着法で形成された厚さ10nmのSFDCzを用いて形成した。
試料19の記憶素子は、絶縁層52に蒸着法で形成された厚さ0.1nmのフッ化バリウムを用い、有機化合物層53に蒸着法で形成された厚さ10nmのSFDCzを用いた。
試料20の記憶素子は、絶縁層52に蒸着法で形成された厚さ1nmのフッ化バリウムを用い、有機化合物層53に蒸着法で形成された厚さ10nmのSFDCzを用いた。
試料18〜20の記憶素子の構成を表6に示す。
Figure 2006303477
試料15〜17の書込み電圧及び電流値を図20(A)に示し、試料18〜20の書込み電圧及び電流値を図20(B)に示した。また、図20(A)及び(B)において、それぞれ20μW、100μW、及び200μWの等電力曲線を示した。なお、このときの書込み方法としては、0Vから0.1Vごとに電圧を上昇させながら各電圧での試料の電流値を測定するスイープ測定を行った。また、各電圧の印加時間を100msとした。
図20(A)に示すように、また、絶縁層にフッ化バリウムを用いた記憶素子を有する試料17と比較して、絶縁層にフッ化カルシウムを用いた記憶素子を有する試料16の方が、書込み電圧は高いものの、電流値が低い。このため、消費電力を低減することが可能であることがわかる。なお、試料15の記憶素子は、初期ショートが生じたため、図20(A)にプロットが無い。以下、記憶素子に電圧を印加して書込みを行う前に、既に記憶素子が書き込まれた状態であることを、初期ショートという。
図20(A)及び(B)を比較すると、有機化合物層にNPBの代わりにSFDCzを用いた場合も、絶縁層にフッ化バリウムを用いた記憶素子を有する試料19、20と比較して、絶縁層にフッ化カルシウムを用いた記憶素子を有する試料18の方が、書込み電圧は高いものの、電流値がより低く、この結果消費電力を低減することが可能であった。
また、図20(B)に示すように、絶縁層にフッ化バリウムを用いた記憶素子を有する試料19及び20を比較すると、試料19のように絶縁層の膜厚を薄くすると、書込み電圧を低減することが可能であることがわかる。
次に、本発明の記憶素子において、絶縁層の膜厚に対する記憶素子の書込み電圧及び電流値を、図21に示す。
試料21〜24は、図17(A)に示すように、基板50上に形成された第1の導電層51、第1の導電層51上に形成された絶縁層52、第1の導電層51及び絶縁層52上に形成された有機化合物層53、有機化合物層53上に形成された第2の導電層54で構成される記憶素子を有する。
ここでは、試料21〜24としては、基板50にガラス基板を用い、第1の導電層51にスパッタリング法により形成された厚さ100nmのチタン層を用い、有機化合物層53に蒸着法により形成された厚さ10nmのNPBを用い、第2の導電層54に蒸着法により形成された厚さ200nmのアルミニウム層を用いた。
試料21の記憶素子は、絶縁層52に蒸着法で形成された厚さ1nmのフッ化カルシウムを用いた。
試料22の記憶素子は、絶縁層52に蒸着法で形成された厚さ2nmのフッ化カルシウムを用いた。
試料23の記憶素子は、絶縁層52に蒸着法で形成された厚さ3nmのフッ化カルシウムを用いた。
試料24の記憶素子は、絶縁層52に蒸着法で形成された厚さ5nmのフッ化カルシウムを用いた。
試料21〜24の記憶素子の構成を表7に示す。
Figure 2006303477
次に測定の仕方を以下に示す。はじめに、読み出し電圧0〜3Vを各試料に印加して、各試料の記憶素子において初期ショートしている記憶素子の有無及びその場所を特定した。
次に、初期ショートしていない記憶素子について、電圧を印加して書込みを行った。ここでは、昇圧回路を用いて昇圧した電圧を書込み電圧とし、各試料の記憶素子に印加した。このときの昇圧回路の動作周波数を5MHz、書込み電圧を3Vとした。次に、電圧を0Vから50Vまで0.1Vごと上昇させながら各電圧での試料の電流値を測定するスイープ測定を行った。また、各電圧の印加時間を20msとした。
図21に示すように、試料21の書込み電圧及び電流値のプロットを破線61で囲み、試料22の書込み電圧及び電流値のプロットを破線62で囲み、試料23の書込み電圧及び電流値のプロットを破線63で囲み、試料24の書込み電圧及び電流値のプロットを破線64で囲んだ。試料21〜23と、試料24とを比較すると、絶縁層の膜厚が薄い(1〜3nm)記憶素子は、書込み電圧が低くなると共に、電流値が大きくなることが分かった。しかしながら、試料21〜23においては、書き込み時の電流電圧特性はほぼ変化しないことがわかる。このことから、記憶素子の絶縁層の膜厚を1〜3nmとすることで、書込み電圧及び電流値を安定化させることが可能であることがわかる。
本実施例では、異なる絶縁層を有する記憶素子の書き込み時間及び書込み特性の測定結果について、表8〜11及び図22に示す。
試料25〜27は、図17(A)に示すように、基板50上に形成された第1の導電層51、第1の導電層51上に形成された絶縁層52、第1の導電層51及び絶縁層52上に形成された有機化合物層53、有機化合物層53上に形成された第2の導電層54で構成される記憶素子を有する。
ここでは、試料25〜27としては、基板50上にガラス基板を用い、第1の導電層51にスパッタリング法により形成された厚さ100nmのチタン層を用い、有機化合物層53に蒸着法により形成された厚さ10nmのNPBを用い、第2の導電層54に蒸着法により形成された厚さ200nmのアルミニウム層を用いた。また、試料25〜27は、第1の導電層51及び第2の導電層54が重複する上面形状を正方形とし、その一辺の長さを2μm、3μm、5μm、10μmとする記憶素子をそれぞれ有する。
試料25の記憶素子は、絶縁層52に蒸着法で形成された厚さ1nmのフッ化カルシウムを用いた。
試料26の記憶素子は、絶縁層52に蒸着法で形成された厚さ1nmのフッ化バリウムを用いた。
試料27の記憶素子は、絶縁層52に蒸着法で形成された厚さ1nmのフッ化リチウムを用いた。
試料25〜27の記憶素子の構成を表8に示す。
Figure 2006303477
次に測定の仕方を以下に示す。はじめに、読み出し電圧3Vを各試料に印加して、各試料の記憶素子において初期ショートしている記憶素子の有無及びその場所を特定した。
次に、初期ショートしていない記憶素子について、電圧を印加して書込みを行った。ここでは、昇圧回路を用いて昇圧した電圧を書込み電圧とし、各試料の記憶素子に印加した。このときの昇圧回路の動作周波数を5MHz、書込み電圧を3Vとした。
はじめに各試料の記憶素子に1ms電圧を印加し、書き込みできなかった記憶素子にはさらに書込み時間を2ms、5ms、10ms、20ms、50ms、100msとして電圧を印加して書き込みを行った。
試料25の書込みを行った評価結果を表9に示し、試料26の書込みを行った評価結果を表10に示し、試料27の書込みを行った評価結果を表11に示す。
Figure 2006303477
Figure 2006303477
Figure 2006303477
表9及び表10に示すように、絶縁層にフッ化バリウムを用いた記憶素子を有する試料26と、絶縁層にフッ化カルシウムを用いた記憶素子を有する試料25は、ほぼ同じ書込み特性であった。これに対し、表9乃至表11に示すように、絶縁層にフッ化リチウムを用いた記憶素子を有する試料27は、絶縁層にフッ化カルシウムを用いた記憶素子を有する試料25や、絶縁層にフッ化バリウムを用いた記憶素子を有する試料26よりも書込み成功率が高い。
次に、書込み成功率が高かった試料27書込み成功率と書き込み時間との関係を図22に示す。一辺の長さが10μmの記憶素子であれば、1msの書込みで100%の書込みに成功していることが分かる。
以上のことから、フッ化リチウムを絶縁層に用いた記憶素子を用いることで、書込み成功率高めることが可能であることが分かった。特に、フッ化リチウムを絶縁層に用いた記憶素子は、短い書込み時間においても書き込み成功率が高いため、高速動作が必要な半導体装置に適することがわかる。
本実施例では、異なる有機化合物層を有する記憶素子の書込み特性の測定結果について、表12および13、並びに図23を用いて説明する。
試料28〜33は、図17(A)に示すように、基板50上に形成された第1の導電層51、第1の導電層51上に形成された絶縁層52、第1の導電層51及び絶縁層52上に形成された有機化合物層53、有機化合物層53上に形成された第2の導電層54で構成される記憶素子を有する。
ここでは、試料28〜33としては、基板50上にガラス基板を用い、第1の導電層51にスパッタリング法により形成された厚さ100nmのチタン層を用い、絶縁層52に蒸着法により形成された厚さ1nmのフッ化カルシウム層を用い、第2の導電層54に蒸着法により形成された厚さ200nmのアルミニウム層を用いた。また、試料28〜30において、第1の導電層51及び第2の導電層54が重複する上面形状を正方形とし、その一辺の長さを5μmとする記憶素子をそれぞれ形成した。
試料28の記憶素子は、有機化合物層53に蒸着法で形成された厚さ10nmのNPBを用いた。
試料29の記憶素子は、有機化合物層53に蒸着法で形成された厚さ10nmのt−BuDNAを用いた。
試料30の記憶素子は、有機化合物層53に蒸着法で形成された厚さ10nmのTPAQnを用いた。
試料28〜30の記憶素子の構成を表12に示す。
Figure 2006303477
はじめに、読み出し電圧を各試料に印加して、各試料の記憶素子において初期ショートした割合(以下初期ショート率と示す。)及び、初期ショートしない記憶素子に5Vから14Vまでの書き込み電圧を印加した時の書き込み成功率を、表13に示した。なお、書込み時間は10msと100msの2条件で行った。
Figure 2006303477
表13に示すように、記憶素子の有機化合物層にNPB、t−BuDNA、及びTPAQnをそれぞれ用いた場合でも、各試料の初期ショート率は非常に低い結果となった。
また、5Vから14Vでの書込み成功率はNPBを有機化合物層に用いた記憶素子を有する試料28よりもt−BuDNAを有機化合物層に用いた記憶素子を有する試料29やTPAQnを有機化合物層に用いた記憶素子を有する試料30のほうが高くなった。
次に、図23に、試料28〜30の記憶素子に電圧を印加して書込みを行ったときの電圧電流特性を示す。なお、ここでの各試料の記憶素子の上面形状を正方形とし、且つ一辺の長さを5μmとし、書込み時間を10msとした。
図23に示すように、TPAQnを有機化合物層に用いた記憶素子を有する試料30の書込み電圧が最も低く、次いでt−BuDNAを有機化合物層に用いた記憶素子を有する試料29、NPBを有機化合物層に用いた記憶素子を有する試料28の順に書込み電圧が上昇した。TPAQnを有機化合物層に用いることで、記憶素子の書込み電圧を低減することができる。
本実施例では、実施例9と同様に、異なる有機化合物層を有する記憶素子に電圧を印加して書込みを行ったときの書込み電圧及び電流値の測定結果について、表14及び図24を用いて示す。
ここでは、異なる材料で形成される有機化合物層を用いた記憶素子を有する試料を作製した。その結果を、図24(A)及び(B)に示した。図24(A)は、有機化合物層にホール輸送材料を用いた記憶素子を有する試料31〜34の書込み電圧及び電流値を示し、図24(B)は、有機化合物層に電子輸送材料を用いた記憶素子を有する試料35〜40の書込み電圧及び電流値を示した。
試料31〜40は、図17(A)に示すように、基板50上に形成された第1の導電層51、第1の導電層51上に形成された絶縁層52、第1の導電層51及び絶縁層52上に形成された有機化合物層53、有機化合物層53上に形成された第2の導電層54で構成される記憶素子を有する。
ここでは、試料31〜40としては、基板50上にガラス基板を用い、第1の導電層51にスパッタリング法により形成された厚さ100nmのチタン層を用い、絶縁層52に蒸着法により形成された厚さ1nmのフッ化カルシウム層を用い、第2の導電層54に蒸着法により形成された厚さ200nmのアルミニウム層を用いた。また、試料31〜43において、第1の導電層51及び第2の導電層54が重複する上面形状を正方形とし、且つ一辺の長さを2μm、3μm、5μm、10μmとする記憶素子をそれぞれ形成した。
試料31の記憶素子は、有機化合物層53に蒸着法で形成された厚さ10nmのNPBを用いて有機化合物層を形成した。
試料32の記憶素子は、有機化合物層53に蒸着法で形成された厚さ10nmのSFDCzを用いて有機化合物層を形成した。
試料33の記憶素子は、有機化合物層53に蒸着法で形成された厚さ10nmのPVKを用いた。
試料34の記憶素子は、有機化合物層53に蒸着法で形成された厚さ10nmのTCTAを用いた。
試料35の記憶素子は、有機化合物層53に蒸着法で形成された厚さ10nmのInTzを用いた。
試料36の記憶素子は、有機化合物層53に蒸着法で形成された厚さ10nmのTPQを用いた。
試料37の記憶素子は、有機化合物層53に蒸着法で形成された厚さ10nmのAlqを用いた。
試料38の記憶素子は、有機化合物層53に蒸着法で形成された厚さ10nmのBAlqを用いた。
試料39の記憶素子は、有機化合物層53に蒸着法で形成された厚さ10nmのTPAQnを用いた。
試料40の記憶素子は、有機化合物層53に蒸着法で形成された厚さ10nmのt−BuDNAを用いた。
試料31〜40の記憶素子の構成を表14に示す。
Figure 2006303477
なお、このときの書込み方法としては、電圧を0Vから0.1Vごと上昇させながら各電圧での試料の電流値を測定するスイープ測定を行った。また、各電圧の印加時間を100msとした。
図24(A)に示すように、TCTAを有機化合物層に用いた記憶素子を有する試料34は大幅に書込み電圧が増大している。一方、NPBを有機化合物層に用いた記憶素子を有する試料31、SFDCzを有機化合物層に用いた記憶素子を有する試料32、PVKを有機化合物層に用いた記憶素子を有する試料33は、200μWの等電力曲線より下の領域にプロットされることから、これらの有機化合物層を有する記憶素子を用いることで、半導体装置の消費電力を低減させることが可能であることが分かる。
図24(B)に示すように、Alqを有機化合物層に用いた記憶素子を有する試料37やBAlqを有機化合物層に用いた記憶素子を有する試料38は、ほぼ200μWの等電力曲線より下の領域にプロットされる。また、InTzを有機化合物層に用いた記憶素子を有する試料35、TPQを有機化合物層に用いた記憶素子を有する試料36、TPAQnを有機化合物層に用いた記憶素子を有する試料39、t−BuDNAを有機化合物層に用いた記憶素子を有する試料40は、100μWの等電力曲線より下の領域にプロットされる。このため、これらの有機化合物層を有する記憶素子を用いることで、半導体装置の消費電力を低減させることが可能であることがわかる。
本実施例では、異なる有機化合物層が積層された記憶素子に電圧を印加して書込みを行ったときの電流電圧特性の測定結果を表15に示す。
試料41は、図17(A)に示すように、基板50上に形成された第1の導電層51、第1の導電層51上に形成された絶縁層52、第1の導電層51及び絶縁層52上に形成された有機化合物層53、有機化合物層53上に形成された第2の導電層54で構成される記憶素子をとした。
ここでは、試料41の記憶素子は、蒸着法で形成された厚さ10nmのBCP、及びBCP上に形成された厚さ10nmのNPBを用いて積層された有機化合物層を有する。
また、基板50上にガラス基板を用い、第1の導電層51にスパッタリング法により形成された厚さ100nmのチタン層を用い、絶縁層52に蒸着法により形成された厚さ1nmのフッ化カルシウム層を用い、第2の導電層54に蒸着法により形成された厚さ200nmのアルミニウム層を用いた。
各記憶素子の上面形状は正方形であり、記憶素子の一辺の長さに対する記憶素子の書込電圧及び電流値を、表15に示した。
Figure 2006303477
表15に示すように、有機化合物層を積層した記憶素子において、書込みを行うことが可能であった。また、書込み電圧は高いものの、書き込み時の電流値を低減することが可能であった。また、書込み電圧のばらつきも小さいことがわかった。
本実施例では、記憶素子の上面面積及び有機化合物層の膜厚に対する、書込電圧及び電流値の変化について、表16及び図25〜27を用いて説明する。
試料42〜48は、図17(A)に示すように、基板50上に形成された第1の導電層51、第1の導電層51上に形成された絶縁層52、第1の導電層51及び絶縁層52上に形成された有機化合物層53、有機化合物層53上に形成された第2の導電層54で構成される記憶素子を有する。
また、試料42〜48としては、基板50上にガラス基板を用い、第1の導電層51にスパッタリング法により形成された厚さ100nmのチタン層を用い、絶縁層52に蒸着法により形成された厚さ1nmのフッ化カルシウム層を用い、第2の導電層54に蒸着法により形成された厚さ200nmのアルミニウム層を用いた。
試料42の記憶素子は、有機化合物層53に蒸着法で形成された厚さ5nmのNPBを用いた。
試料43の記憶素子は、有機化合物層53に蒸着法で形成された厚さ10nmのNPBを用いた。
試料44の記憶素子は、有機化合物層53に蒸着法で形成された厚さ10nmのNPBを用いた。
試料45の記憶素子は、有機化合物層53に蒸着法で形成された厚さ20nmのNPBを用いた。
試料46の記憶素子は、有機化合物層53に蒸着法で形成された厚さ30nmのNPBを用いた。
試料47の記憶素子は、有機化合物層53に蒸着法で形成された厚さ40nmのNPBを用いた。
試料48の記憶素子は、有機化合物層53に蒸着法で形成された厚さ50nmのNPBを用いた。
試料42〜48の記憶素子の構成を表16に示す。
Figure 2006303477
また、試料42において、第1の導電層51及び第2の導電層54が重複する上面形状が正方形であり、且つ一辺の長さを2μm、3μm、5μm、10μmとする記憶素子をそれぞれ形成した。なお、このときの書込み方法としては、電圧を0Vから0.1Vごと上昇させながら各電圧での試料の電流値を測定するスイープ測定を行った。また、各電圧の印加時間を100msとした。
図25に、試料42において、記憶素子の一辺の長さを2μm、3μm、5μm、10μmとする記憶素子の書き込み電圧及び書込み特性の測定結果を示す。
図25に示されるように、記憶素子の一辺の長さが長いほうが書込み特性を向上させることが可能である。このような傾向は、図示しないが試料43や、書込み時間を異ならせて評価した結果でも同じ傾向が確認された。
次に、有機化合物層の膜厚を変化させたときの、書き込み電圧及び電流値、並びに書込み特性の測定結果を図26及び27に示す。
図26において、試料44〜48の記憶素子に電圧を印加して書き込みを行ったときの書き込み電圧と電流値を示す。図26において、破線71で囲まれるプロットは試料44のプロットであり、破線72で囲まれるプロットは試料45のプロットであり、破線73で囲まれるプロットは試料46のプロットであり、破線74で囲まれるプロットは試料47のプロットであり、破線75で囲まれるプロットは試料48のプロットを示す。また、破線の楕円内においては、構造が同じでサイズの異なる記憶素子の測定結果がプロットされており、楕円の左上ほどサイズが大きい記憶素子の測定結果のプロットを示し、右下ほどサイズが小さい記憶素子の測定結果のプロットを示す。
図26から、有機化合物層の膜厚が薄くなるほど、電流値はそれほど変化しないものの、書込み電圧が低減することが分かる。また、同じ構造の記憶素子においては、上面面積が小さくなるほど、書込み電圧は低減するものの、そのときの電流値は上昇することが分かる。
次に、有機化合物層の膜厚をさらに薄くしたときの、記憶素子の書込み電圧及び書込み特性を図27に示す。なお、試料42及び43の記憶素子の一辺の長さを3μmとした。
図27に示されるように、記憶素子の一辺の長さが同じ場合、有機化合物層の膜厚が5nmである記憶素子を有する試料42の方が、有機化合物層の膜厚が10nmである記憶素子を有する試料43よりも、低電圧での書込み成功率が高いことが分かった。具体的には、試料42は試料43に比べ4V程度低い電圧で書込み可能である。
本発明の記憶装置を説明する上面図及び断面図。 本発明の記憶装置を説明する断面図。 本発明の記憶装置を説明する上面図。 本発明の記憶装置を説明する断面図。 本発明の記憶装置を説明する図。 本発明の記憶装置を説明する図。 本発明の記憶装置を説明する上面図及び断面図。 本発明の半導体装置を説明する断面図。 本発明の半導体装置を説明する断面図。 本発明の半導体装置を説明する断面図。 記憶素子、抵抗素子の電流電圧特性を説明する図。 本発明の半導体装置の構成例を説明する図。 本発明の半導体装置を有する電子機器を説明する図。 本発明の半導体装置の使用形態について説明する図。 記憶素子の電流電圧特性を示す図。 本発明の記憶装置を説明する断面図。 本発明の記憶素子の構造を説明する断面図。 本発明の記憶素子を用いた実験結果を説明する図。 本発明の記憶素子を用いた実験結果を説明する図。 本発明の記憶素子を用いた実験結果を説明する図。 本発明の記憶素子を用いた実験結果を説明する図。 本発明の記憶素子を用いた実験結果を説明する図。 本発明の記憶素子を用いた実験結果を説明する図。 本発明の記憶素子を用いた実験結果を説明する図。 本発明の記憶素子を用いた実験結果を説明する図。 本発明の記憶素子を用いた実験結果を説明する図。 本発明の記憶素子を用いた実験結果を説明する図。

Claims (33)

  1. 第1の導電層と、
    第2の導電層と、
    前記第1の導電層と前記第2の導電層に挟持される有機化合物層と、
    前記第1の導電層と前記第2の導電層に間に設けられ、前記第1の導電層に接する厚さ0.1nm以上4nm以下の第1の絶縁層と、
    を有することを特徴とする記憶素子。
  2. 第1の導電層と、
    第2の導電層と、
    前記第1の導電層と前記第2の導電層に挟持される有機化合物層と、
    前記第1の導電層と前記第2の導電層に間に設けられ、前記第1の導電層に接する厚さ0.1nm以上4nm以下の第1の絶縁層と、
    前記第1の導電層と前記第2の導電層に間に設けられ、前記第2の導電層に接する厚さ0.1nm以上4nm以下の第2の絶縁層と、
    を有することを特徴とする記憶素子。
  3. 請求項1又は請求項2において、前記第1の絶縁層は、非連続層であることを特徴とする記憶素子。
  4. 請求項3において、前記第1の絶縁層は、縞状であることを特徴とする記憶素子。
  5. 請求項3において、前記第1の絶縁層は、網状であることを特徴とする記憶素子。
  6. 請求項1又は請求項2において、前記第1の絶縁層は、連続層であることを特徴とする記憶素子。
  7. 請求項6において、前記第1の絶縁層は、前記第1の導電層表面を覆うことを特徴とする記憶素子。
  8. 請求項6又は請求項7において、前記第1の絶縁層は、凹凸を有することを特徴とする記憶素子。
  9. 請求項2乃至請求項8のいずれか一項において、前記第2の絶縁層は、非連続層であることを特徴とする記憶素子。
  10. 請求項9において、前記第2の絶縁層は、縞状であることを特徴とする記憶素子。
  11. 請求項9において、前記第2の絶縁層は、網状であることを特徴とする記憶素子。
  12. 請求項2乃至請求項8のいずれか一項において、前記第2の絶縁層は、連続層であることを特徴とする記憶素子。
  13. 請求項12において、前記第2の絶縁層は、前記第2の導電層表面を覆うことを特徴とする記憶素子。
  14. 請求項12又は請求項13において、前記第2の絶縁層は、凹凸を有することを特徴とする記憶素子。
  15. 第1の導電層と、
    第2の導電層と、
    前記第1の導電層と前記第2の導電層に挟持される有機化合物層と、
    前記第1の導電層と前記第2の導電層に間に設けられ、前記第1の導電層に接する直径0.1nm以上4nm以下の絶縁性粒子と、
    を有することを特徴とする記憶素子。
  16. 第1の導電層と、
    第2の導電層と、
    前記第1の導電層と前記第2の導電層に挟持される有機化合物層と、
    前記第1の導電層と前記第2の導電層に間に設けられ、前記第1の導電層に接する直径0.1nm以上4nm以下の第1の絶縁性粒子と、
    前記第1の導電層と前記第2の導電層に間に設けられ、前記第2の導電層に接する直径0.1nm以上4nm以下の第2の絶縁性粒子と、
    を有することを特徴とする記憶素子。
  17. 請求項1乃至請求項16のいずれか一項において、前記第1の導電層又は前記第2の導電層に接続するダイオードを有することを特徴とする記憶素子。
  18. 請求項1乃至請求項17のいずれか一項において、前記第1の導電層及び前記第2の導電層に電圧を印加することにより抵抗値が変化することを特徴とする記憶素子。
  19. 請求項1又は請求項18において、前記有機化合物層は、電子輸送材料又はホール輸送材料からなることを特徴とする記憶素子。
  20. 請求項1乃至請求項19のいずれか一項において、前記第1の導電層及び前記第2の導電層の一部が接続されていることを特徴とする記憶素子。
  21. 請求項1乃至請求項20のいずれか一項に示される記憶素子がマトリックス状に配置されたメモリセルアレイ及び書き込み回路を有することを特徴とする記憶装置。
  22. 請求項21において、前記メモリセルアレイと前記書き込み回路とは、ガラス基板もしくは可撓性基板上に設けられていることを特徴とする記憶装置。
  23. 請求項22において、前記書き込み回路は薄膜トランジスタで形成されていることを特徴とする記憶装置。
  24. 請求項21において、前記メモリセルアレイと前記書き込み回路とは、単結晶半導体基板上に設けられていることを特徴とする記憶装置。
  25. 請求項24において、前記書き込み回路は電界効果トランジスタで形成されていることを特徴とする記憶装置。
  26. 請求項1乃至請求項25のいずれか一項に示される記憶素子と、
    前記記憶素子に接続する第1のトランジスタと、
    アンテナとして機能する導電層と、
    前記導電層に接続する第2のトランジスタと、
    を有することを特徴とする半導体装置。
  27. 請求項26において、前記第1のトランジスタ、前記第2のトランジスタ、前記記憶素子、及び前記アンテナとして機能する導電層は、第1の基板上に形成されていることを特徴とする半導体装置。
  28. 請求項26において、前記第1のトランジスタは第1の基板上に形成され、前記記憶素子は第2の基板上に形成され、前記第1のトランジスタのソース配線又はドレイン配線として機能する導電層と前記記憶素子とは、導電性粒子を介して接続されていることを特徴とする半導体装置。
  29. 請求項26において、前記第2のトランジスタは第1の基板上に形成され、前記アンテナとして機能する導電層は第2の基板上に形成され、前記第2のトランジスタのソース配線又はドレイン配線として機能する導電層と前記アンテナとして機能する導電層とは、導電性粒子を介して接続されていることを特徴とする半導体装置。
  30. 請求項26乃至請求項29のいずれか一項において、前記第1のトランジスタ、前記第2のトランジスタ、及び前記記憶素子とは、ガラス基板もしくは可撓性基板上に設けられていることを特徴とする半導体装置。
  31. 請求項30において、前記第1のトランジスタ及び前記第2のトランジスタは薄膜トランジスタで形成されていることを特徴とする半導体装置。
  32. 請求項26乃至請求項29のいずれか一項において、前記第1のトランジスタ、前記第2のトランジスタ、及び前記記憶素子は、単結晶半導体基板上に設けられていることを特徴とする半導体装置。
  33. 請求項32において、前記第1のトランジスタ及び前記第2のトランジスタは電界効果トランジスタで形成されていることを特徴とする半導体装置。
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