JP2006301619A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2006301619A
JP2006301619A JP2006086740A JP2006086740A JP2006301619A JP 2006301619 A JP2006301619 A JP 2006301619A JP 2006086740 A JP2006086740 A JP 2006086740A JP 2006086740 A JP2006086740 A JP 2006086740A JP 2006301619 A JP2006301619 A JP 2006301619A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
group
image
forming apparatus
image forming
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006086740A
Other languages
English (en)
Inventor
Makoto Sakanobe
真 坂廼邉
Kenichi Mishina
憲一 三品
Noritaka Kuroda
能孝 黒田
Akiya Sugiura
聡哉 杉浦
Hiromi Nagai
浩美 永井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP2006086740A priority Critical patent/JP2006301619A/ja
Publication of JP2006301619A publication Critical patent/JP2006301619A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)
  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)

Abstract

【課題】転写領域における像担持体表面への導電性異物の突き刺さりに起因した黒点や色点の発生を抑えること、及びベルト部材の変形に起因した色ずれの発生を抑えることを両立することができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】像担持体11、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段を少なくとも有し、且つ転写ロール及びベルト部材が配置された画像形成装置であって、前記像担持体が、導電性の基体111上に、少なくとも電荷発生層112と電荷輸送層113とをこの順に積層し、且つ、その上に最表層として、メチロール基を有するフェノール誘導体と、水酸基、カルボキシル基、アルコキシシリル基、エポキシ基、チオール基及びアミノ基から選択される少なくとも1種を有する電荷輸送材料と、を含有するオーバーコート層1131を積層し、前記ベルト部材の、ダイナミック硬さが10〜45の範囲である画像形成装置。
【選択図】図3

Description

本発明は、表面にトナー像を担持する像担持体と、その像担持体に担持されたトナー像を所定の被転写面に転写させる転写ロールによって挟み込まれた転写領域を通過しながら所定方向に循環移動するベルト部材を備えた、電子写真方式を利用した複写機、プリンタ、複合機等の画像形成装置に関する。
従来、電子写真プロセスを応用した複写機やプリンタなどの画像形成装置では、像担持体表面に現像像を得るため、まず、像担持体を帯電装置により帯電させる。続いて、帯電された像担持体を像露光することにより、その像担持体表面に静電潜像を形成する。次に、現像装置内に収納されたトナーを像担持体に転移させることにより像担持体上の静電潜像を現像して像担持体上にトナー像を形成する。さらに、像担持体上に形成されたトナー像を、所定の記録媒体上に転写して定着することにより記録媒体上に画像を最終的に形成する。ここで、画像形成装置には、像担持体上に形成されたトナー像を所定の記録媒体上に転写するにあたり、そのトナー像をまず、所定の記録媒体とは異なる中間転写ベルトに転写し、その後、中間転写ベルトに転写されたトナー像を記録媒体に転写する方式を採用したものや、像担持体上に形成されたトナー像を所定の記録媒体上に直接転写する方式を採用したものがある。いずれの方式を採用した画像形成装置であっても、像担持体上に形成されたトナー像を転写する転写領域は、像担持体と転写ロールによって挟み込まれた領域になる。前者の方式を採用した画像形成装置であれば、中間転写ベルトがこの転写領域を通過するように循環移動する。また、後者の方式を採用し、搬送ベルトによってこの転写領域に記録媒体を搬送する画像形成装置であれば、搬送ベルトが、この転写領域を通過するように循環移動する。中間転写ベルトあるいは搬送ベルトといったベルト部材は、複数の支持ロールによって張架されており、ベルト部材には優れた機械的強度が要求される。
従来より、機械的強度に優れたベルト部材として、ポリイミド樹脂に導電性フィラーを分散してなるベルト部材が提案され、例えば、3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とp−フェニレンジアミンと重合物であるポリアミド酸をポリイミド樹脂の原料とし、この原料に導電性フィラーを分散させた材料からなるベルト部材が開示されている(例えば、特許文献1参照)。このベルト部材では、表面のダイナミック硬度が40以上であり、十分な機械的強度を有する。このため、ベルトを駆動している際の応力に対するベルト変形がなく、色ずれのない高品質の転写画質が安定して得られる。
特開平10−63115号公報
ところで、画像形成装置の使用時に、アルミ粉、カーボンファイバー等の先端が尖った導電性の異物が像担持体表面に突き刺さることがある。像担持体表面に導電性異物が突き刺さった状態で帯電を行うと、その異物が、導電性の基体表面にまで達していなくても、その基体への導電路の一部として作用し、電気的なピンホールリークが生じる。こうなると、像担持体表面を帯電させても、像担持体表面の電荷は基体に抜けてしまい、白黒画像を形成する場合には黒点、カラー画像を形成する場合には色点が生じる。像担持体表面への導電性異物の突き刺さりは、導電性異物が、ベルト部材の、像担持体表面に接する面に載ったまま転写領域を通過することで生じやすい。すなわち、転写ロールは像担持体に向けて押し付けられており、従来用いられていたような、表面のダイナミック硬度が40以上であるベルト部材では、転写領域において、像担持体と転写ロールによって挟み込まれても変形量が少なく、このため、像担持体に向けて押し付けられている転写ロールの押付力が像担持体表面に集中し、何ら工夫がなされていない画像形成装置では、この押付力によって導電性異物が突き刺さってしまう。
但し、単純にベルト部材の表面ダイナミック硬さを下げ、転写領域における変形量を多くした場合、前述の様に変形に起因した色ずれが発生する。
本発明は上記問題点を解決することを目的とする。
即ち、本発明の目的は、転写領域における像担持体表面への導電性異物の突き刺さりに起因した黒点や色点の発生を抑えること、及びベルト部材の変形に起因した色ずれの発生を抑えることを両立することができる画像形成装置を提供することにある。
上記課題は、以下の本発明によって達成される。
即ち、本発明の画像形成装置は、
<1> 所定の回転軸を中心に回転する像担持体と、前記像担持体を帯電させる帯電手段と、前記帯電された像担持体を露光し静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーにより現像しトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を転写媒体に転写する転写手段と、を少なくとも有し、且つ、該転写手段の転写領域に所定の回転軸を中心に回転する転写ロールを有し、前記像担持体と前記転写ロールとによって挟み込まれた転写領域を通過するようにベルト部材が配置された画像形成装置であって、前記像担持体が、導電性の基体上に、少なくとも電荷発生層と電荷輸送層とをこの順に積層し、且つ、その上に最表層として、メチロール基を有するフェノール誘導体と、電荷輸送材料と、を含有するオーバーコート層を積層し、前記ベルト部材の、前記像担持体に接する面のダイナミック硬さが10〜45の範囲であることを特徴とする画像形成装置である。
<2> 前記電荷輸送材料が、水酸基、カルボキシル基、アルコキシシリル基、エポキシ基、チオール基及びアミノ基から選択される少なくとも1種を有する電荷輸送材料であることを特徴とする前記<1>に記載の画像形成装置である。
<3> 前記電荷輸送材料が、下記一般式(I)乃至(V)のいずれかで表されることを特徴とする前記<1>又は<2>に記載の画像形成装置である。
F−[D−Si(R1(3-a)ab (I)
式(I)中、Fは正孔輸送能を有する化合物から誘導される有機基を、Dは可とう性を有する2価の基を、R1は水素原子、置換若しくは未置換のアルキル基(炭素数は1〜15が好ましく、1〜10がより好ましい)又は置換若しくは未置換のアリール基(炭素数は6〜20が好ましく、6〜15がより好ましい)を、Qは加水分解性基を、aは1〜3の整数を、bは1〜4の整数を示す。
F−[(X1n12−ZH]n2 (II)
式(II)中、Fは正孔輸送能を有する化合物から誘導される有機基を、X1は酸素原子又は硫黄原子を、R2はアルキレン基を、Zは酸素原子、硫黄原子、NH又はCOOを、n1は0又は1を、n2は1〜4の整数を示す。
F−[(X2n3−(R3n4−(Z)n5G]n6 (III)
式(III)中、Fは正孔輸送能を有する化合物から誘導される有機基を、X2は酸素原子又は硫黄原子を、R3はアルキレン基(炭素数は1〜15が好ましく、1〜10がより好ましい)を、Zは酸素原子、硫黄原子、NH又はCOOを、Gはエポキシ基を、n3、n4及びn5はそれぞれ独立に0又は1を、n6は1〜4の整数を示す。
Figure 2006301619
式(IV)中、Fは正孔輸送能を有するn7価の有機基を、Tは2価の基を、Yは酸素原子又は硫黄原子を、R4、R5及びR6はそれぞれ独立に水素原子又は1価の有機基を、R7は1価の有機基を、m1は0又は1を、n7は1〜4の整数を、それぞれ示す。但し、R6とR7は互いに結合してYをヘテロ原子とする複素環を形成してもよい。
Figure 2006301619
式(V)中、Fは正孔輸送能を有するn8価の有機基を、Tは2価の基を、R8は1価の有機基を、m2は0又は1を、n8は1〜4の整数を、それぞれ示す。
<4> 前記像担持体が、前記基体上に、金属酸化物粒子を含有する下引層を介することなく前記電荷発生層を形成し、前記像担持体の回転軸に対する、前記転写ロールの回転軸の、前記ベルト部材の移動方向下流側へのオフセットが2.4mm未満であると共に、前記像担持体の回転速度に対する、前記ベルト部材の移動方向への速度が100.6%未満であり、前記転写ロール表面のアスカーC硬度が30度以上であり、前記ベルト部材の、前記像担持体に接する面のダイナミック硬さが10〜25の範囲であることを特徴とする前記<1>〜<3>の何れか1項に記載の画像形成装置である。
<5> 前記像担持体が、前記基体上に、金属酸化物粒子を含有する下引層を介することなく前記電荷発生層を形成し、前記像担持体の回転軸に対する、前記転写ロールの回転軸の、前記ベルト部材の移動方向下流側へのオフセットが2.4mm未満であると共に、前記像担持体の回転速度に対する、前記ベルト部材の移動方向への速度が100.6%未満であり、前記転写ロール表面のアスカーC硬度が30度未満であり、前記ベルト部材の、前記像担持体に接する面のダイナミック硬さが10〜29の範囲であることを特徴とする前記<1>〜<3>の何れか1項に記載の画像形成装置である。
<6> 前記像担持体が、前記基体上に、金属酸化物粒子を含有する下引層を介することなく前記電荷発生層を形成し、前記像担持体の回転軸に対する、前記転写ロールの回転軸の、前記ベルト部材の移動方向下流側へのオフセットが2.4mm以上であると共に、前記像担持体の回転速度に対する、前記ベルト部材の移動方向への速度が100.6%以上であることを特徴とする前記<1>〜<3>の何れか1項に記載の画像形成装置である。
<7> 前記転写ロール表面のアスカーC硬度が30度未満であることを特徴とする前記<6>に記載の画像形成装置である。
<8> 前記像担持体が、前記基体上に、金属酸化物粒子を分散させたバインダ樹脂を含んでなる下引層を介して、前記電荷発生層を形成することを特徴とする前記<1>〜<3>の何れか1項に記載の画像形成装置である。
<9> 前記像担持体の回転軸に対する、前記転写ロールの回転軸の、前記ベルト部材の移動方向下流側へのオフセットが2.4mm以上であると共に、前記像担持体の回転速度に対する、前記ベルト部材の移動方向への速度が100.6%以上であることを特徴とする前記<8>に記載の画像形成装置である。
本発明によれば、転写領域における像担持体表面への導電性異物の突き刺さりに起因した黒点や色点の発生を抑えること、及びベルト部材の変形に起因した色ずれの発生を抑えることを両立することができる画像形成装置を提供することができる。
本発明の画像形成装置は、所定の回転軸を中心に回転する像担持体と、前記像担持体を帯電させる帯電手段と、前記帯電された像担持体を露光し静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーにより現像しトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を転写媒体に転写する転写手段と、を少なくとも有し、且つ、該転写手段の転写領域に所定の回転軸を中心に回転する転写ロールを有し、前記像担持体と前記転写ロールとによって挟み込まれた転写領域を通過するようにベルト部材が配置された画像形成装置であって、前記像担持体が、導電性の基体上に、少なくとも電荷発生層と電荷輸送層とをこの順に積層し、且つ、その上に最表層として、メチロール基を有するフェノール誘導体と、水酸基、カルボキシル基、アルコキシシリル基、エポキシ基、チオール基及びアミノ基から選択される少なくとも1種を有する電荷輸送材料と、を含有するオーバーコート層を積層し、前記ベルト部材の、前記像担持体に接する面のダイナミック硬さが10〜45の範囲であることを特徴とする。
高強度表面層である上記オーバーコート層を有し、且つベルト部材の像担持体に接する面のダイナミック硬さが上記範囲であることにより、ベルトの変形に起因した色ずれの発生を抑制しつつ、アルミ紛、カーボンファイバー等の導電性異物の突き刺さりを、効果的に防止することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の画像形成装置の一実施形態を示す概略構成図である。
図1に記載の画像形成装置1は、フルカラータンデム方式を採用した画像形成装置であって、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの4色のトナーそれぞれに対応した、4つのトナー像形成ユニット10を用いて、中間転写ベルト30の送りに同期させて各トナー像形成ユニット10でそれぞれの色のトナー像を形成し、それらトナー像を中間媒体としての中間転写ベルト30上に重ね合わせ(1次転写)、中間転写ベルト30上に重ね合わせたトナー像を記録媒体である用紙Pに転写(2次転写)し、定着するものである。
図1に示す画像形成装置1は、4つのトナー像形成ユニット10、4つの1次転写ロール20、3つの支持ロール31及び35、並びにバックアップロール42に支持されて反時計回りの方向に循環移動する半導電性の中間転写ベルト30、2次転写を行う一括転写装置40、および未定着トナー像を用紙に定着させる定着装置50を備えている。図1に示す中間転写ベルト30は、本発明におけるのベルト部材の一例に相当する。
4つのトナー像形成ユニット10は、中間転写ベルト30の循環方向に並んで配置されており、各トナー像形成ユニット10には、時計回りに回転する多層構造の感光体ドラム11が配備されている。各像担持体(感光体ドラム)11の表面は、中間転写ベルト30の表面に接している。1次転写ロール20は、中間転写ベルト30を挟んで感光体ドラム11と対向する位置に配備されており、感光体ドラム11と1次転写ロール20によって挟み込まれた領域が1次転写領域になる。
また、各トナー像形成ユニット10は、帯電装置13を備えている他、現像装置12、およびクリーニングブラシ14も備えている。現像装置12は、感光体ドラム11の周囲の、1次転写領域の上流側に配備されている。帯電装置13は、その現像装置12よりもさらに上流側に配備されている。さらに、クリーニングブラシ14は、感光体ドラム11の周囲の、1次転写領域の下流側に配備されている。
尚ここで、前記帯電装置13が、前記像担持体11に接触して帯電を行う接触型帯電装置であると、前記像担持体11と帯電装置13との間の抵抗値が小さく帯電時に高電圧が上記像担持体11表面にかかるため、導電性異物が上記像担持体11表面へ少しでも突き刺さっていると電気的なピンホールリークが生じやすくなる。そのため、本発明の画像形成装置1が接触型帯電装置13を備えている場合には、その効果が特に有効に発揮される。
感光体ドラム11の表面は、接触型帯電装置13によって一様に帯電される。接触型帯電装置13により一様に帯電した感光体ドラム11の表面には、図示しない露光装置からレーザ光Lが照射され感光体ドラム11表面に静電潜像が形成される。現像装置12においては、二成分現像方式を採用したものが好ましく、現像装置12には、磁性キャリアと所定の基準バイアスに対して負側に帯電した非磁性トナーが収容される。また、現像装置12にはマグロール121が配備されている。マグロール121の周面には、トナーを付着させた磁性キャリアがブラシ状となった現像剤層(いわゆる磁気ブラシ)が形成され、非磁性トナーは、この現像剤層から静電潜像を担持した感光体ドラム11の表面に移行する。静電潜像は非磁性トナーの移行を受けて現像されトナー像となる。
1次転写ロール20には、トナーの極性とは逆極性の転写バイアス(ここでは所定の基準バイアスに対する正側の極性のバイアス)が印加されており、感光体ドラム11の表面に形成されたトナー像は、1次転写領域において感光体ドラム表面から中間転写ベルト30の表面に移行する。各トナー像形成ユニット10で形成されたトナー像は、中間転写ベルト30の表面上で1つに重なり合ったトナー像となる。すなわち、中間転写ベルト30の表面が1次転写における被転写面になる。
また、一括転写装置40は、中間転写ベルト30の表面(トナー像担持面)側に圧接配置された二次転写ロール41と、中間転写ベルト30の裏面側に配置されたバックアップロール42を備えており、これら2つのロール41,42で中間転写ベルト30を挟みこんでいる。これら2つのロール41,42によって挟み込まれた領域が2次転写領域になる。
さらに、図1に示す画像形成装置1には、用紙トレイ60が配備されており、用紙トレイ60に収容された用紙Pは、フィードロール61によって用紙トレイ60から送り出され、所定のタイミングで2次転写領域へと送り込まれる。2次転写領域では、中間転写ベルト30上で1つに重なり合ったトナー像が、送り込まれてきた用紙P上に転写される。定着装置50は、加熱機構511を有する定着ロール51、および定着ロール51に対向するように設けられた圧力ロール52を備えている。互いに対向する定着ロール51と圧力ロール52との間には、2次転写領域を通過した用紙Pが搬送されてくる。用紙P上のトナー像を構成するトナーは、定着ロール51の加熱機構511により溶融され用紙Pに定着する。
また、一括転写装置40の下流側には、中間転写ベルト30上の残留トナーを除去するベルトクリーナ70が設けられている。このベルトクリーナ70としては、例えばゴム性のブレード71が用いられる。このブレード71の先端は、中間転写ベルト30の表面に押し当てられており、中間転写ベルト30が循環移動すると、表面に残留したトナーが剥がし取られる。
図1に示す画像形成装置1では、感光体ドラム11に当接したクリーニングブレードを省略した、いわゆるクリーナレスシステムが採用されている。すなわち、図1に示すクリーニングブラシ14には、1次転写領域において中間転写ベルト30に転写されず、感光体ドラム11に残留したトナーを回収する回収バイアス(ここでは所定の基準バイアスに対する正側の極性のバイアス)と、回収したトナーを感光体ドラム11に吐き出させる吐出バイアス(ここでは所定の基準バイアスに対する負側の極性のバイアス)とが印加される。クリーニングブラシ14は、画像形成時に回収バイアスが印加されることで残留トナーを一旦回収・保持し、画像形成の合間に吐出バイアスが印加されることで回収・保持していたトナーを感光体ドラム11に吐き出す。感光体ドラム11上に吐き出されたトナーは1次転写領域において中間転写ベルト30に転写され、最終的にはベルトクリーナ70によって中間転写ベルト30上から除去される。
(中間転写ベルト)
続いて、図1の画像形成装置に用いられる中間転写ベルト30について図2を用いて詳述する。図2は、上記中間転写ベルト30の構成を示す概略断面図である。
尚、本発明の画像形成装置1が、図6に示すような直接転写方式である場合においては、搬送ベルト80は、以下に説明する中間転写ベルト30と同様の構成であることが好ましい。
本発明に用いる中間転写ベルトは、特に限定されるわけではないが、図2に示す中間転写ベルト30は、多層構造の無端ベルトであり、基材31と、中間層32と、表面層33とを有する。
基材31は、導電剤が分散され、ポリイミド樹脂等の樹脂材料で構成されたシームレスベルトであり、ヤング率が3500MPa以上であることが好ましい。
導電剤としては、導電性もしくは半導電性の微粉末が使用でき、所望の電気抵抗を安定して得ることができれば、特に制限はないが、ケッチエンブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラック、アルミニウムやニッケル等の金属、酸化錫等の酸化金属化合物、チタン酸カリウム等が例示できる。そしてこれらを単独、あるいは併用して使用してもよい。この基材31を形成するにあたっては、例えばポリアミド酸溶液を円筒状金型の外周面に浸漬する方式や、内周面に塗布する方式や更に遠心する方式、或いは注形型に充填する方式などの適宜な方式でリング状に展開し、その展開層を乾燥製膜してベル卜形に成形し、その成形物を加熱処理してポリアミド酸をイミドに転化して型より回収する方法などの従来に準じた適宜な方法を用いればよく、特開昭61−95361号公報、特開昭64−22514号公報、特開平3−180309号公報等に記載の方法が用いられる。
中間層32は、基材31の表面に裏面が接するように設けられ、弾性材料から構成された層であり、JISA硬度が40〜70度であることが好ましい。
上記弾性材料としては、ポリウレタン、塩素化ポリイソプレン、NBR、クロロプレンゴム、EPDM、水素添加ポリブタジエン、ブチルゴム、シリコーンゴム等を1種類、又は2種類以上をブレンドしてなる材料を用いることができる。弾性材料として用いるゴム生地は、液状や糊状のものではなく、未加硫ゴムの固形シートが好ましい。未加硫ゴムはキャレンダーロール等で精度良くシート状に分出し、その生地を使用する。固形ゴムをシート状に形成し、この固形ゴムを基材31と貼合わせてシームレスに一体成形するようにすることで、基材31との密着性に優れる、基材31と弾性層(中間層)32との2層構成の貼り合わせベルトを得ることができる。なお、この弾性材料にも、必要に応じて、電子伝導性を付与する導電剤やイオン伝導性を付与する導電剤を添加してもよい。
表面層33は、中間層32の表面に裏面が接するように設けられ、中間転写ベルト30の最表面を構成する層である。表面層33は、フッ素系樹脂材料を主成分とする非粘着性を有する樹脂組成物から構成されていることが好ましく、フッ素樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレンおよびこれと共重合可能な少なくとも1種の他のエチレン性不飽和単量体(たとえばエチレン、プロピレンなどのオレフィン類、ヘキサフルオロプロピレン、ビニリデンフルオライド、クロロトリフルオロエチレン、ビニルフルオライドなどのハロゲン化オレフィン類、パーフルオロアルキルビニルエーテル類など)との共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライドなどがあげられる。とくに好ましいフッ素樹脂はポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレンと、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロメチルビニルエーテル、パーフルオロエチルビニルエーテル、パーフルオロプロピルビニルエーテルから選ばれる少なくとも1種(通常テトラフルオロエチレンに対し40モル%以下含まれる)と、の共重合体などである。
なお、トナーが飛散したり、除電機構を必要とする問題を解消するため、表面層33の体積抵抗率は1×108Ωcm以上1×1013Ωcm以下であることが好ましい。
また、図2に示す表面層33の表面、すなわち中間転写ベルト30の表面のダイナミック硬さは、表面微小硬度で10〜45の範囲であることを特徴とする。上記ダイナミック硬さは、更に10〜29の範囲であることが好ましく、15〜25の範囲であることが特に好ましい。ダイナミック硬さが45を越えるものである場合、表面が固いことにより、アルミ紛、カーボンファイバー等の導電性異物の突き刺さりが発生し、結果として形成画像に黒点や色点が発生する。また10未満である場合、ベルトの変形に起因した色ずれが発生し良好な画像が得られず、更には、中間転写ベルト30の表面に、例えば図1に示すようなブレード71の先端を押し当てて付着物等を剥がし取るベルトクリーナ70を設けた態様の場合には、中間転写ベルト30表面が柔らかすぎてしまいブレード71の先端がベルト表面に食い込んでしまい、中間転写ベルト30の循環移動が阻害され、これによっても色ズレが生じる。
尚、感光体ドラム11が中間転写ベルト30の移動方向に複数並んだ図1に示すようなタンデム方式の画像形成装置1においては、中間転写ベルト30の駆動の際の応力に対するほんのわずかな変形が色ずれとなって表れやすいため、本発明における上記中間転写ベルトの効果がより顕著に発揮される。
ここにいう表面微小硬度とは、圧子が試料にどれだけ侵入したかを測定する方法によって求めることができる。試験荷重P(mN)、圧子の試料への侵入量(押し込み深さ)D(μm)とした時、表面微小硬度DHは下記式(A)で定義される。
式(A) DH≡αP/D2
ここで、αは圧子形状による定数で、α=3.8584(使用圧子:三角錐圧子の場合)である。
この表面微小硬度は、圧子を押し込んで行く過程の荷重と押し込み深さから得られる硬さで、試料の塑性変形だけでなく、弾性変形をも含んだ状態での材料の強度特性を表すものである。なおかつ、その計測面積は微小であり、トナー粒径に近い範囲でより正確な硬度の測定が可能になる。
本発明においては、中間転写ベルト30表面における表面微小硬度を下記の方法によって求めた。中間転写ベルト30を5mm角程度に切り、その小片を瞬間接着剤で硝子版に固定する。この試料の表面の表面微小硬度を超微小硬度計DUH−201S(株式会社島津製作所製)を用いて測定する。測定条件は、以下の通りである。
測定環境:23℃、55%RH
使用圧子:三角錐圧子
試験モード:3(軟質材料試験)
試験荷重:0.70gf
負荷速度:0.0145gf/sec
保持時間:5sec
上記中間転写ベルト30表面のダイナミック硬さは、前記中間層32の膜厚を調整することによって制御することができ、膜厚を厚くすればするほどダイナミック硬さは小さくなる。また、中間層のクロロプレンゴムを発泡させることでも、ダイナミック硬さを小さくすることができる。
(像担持体)
次に、図1の画像形成装置に用いられる像担持体(感光体ドラム)11について図3を用いて詳述する。
図3は、上記感光体ドラム11の層構成を示す概略断面図である。
図3に示す感光体ドラム11は、導電性の基体111と、基体111の表面に裏面を接するように設けられた電荷発生層112と、電荷発生層112の表面に裏面を接するように設けられた電荷輸送層113とさらに表面にオーバーコート層1131を有する。
−基体−
導電性の基体(支持体)111としては、例えば、アルミニウム、銅、亜鉛、ステンレス、クロム、ニッケル、モリブデン、バナジウム、インジウム、金、白金等の金属又は合金を用いた金属板、金属ドラム、金属ベルト、あるいは導電性ポリマー、酸化インジウム等の導電性化合物やアルミニウム、パラジウム、金等の金属又は合金を塗布、蒸着、あるいはラミネートした紙、プラスチックフィルム、ベルト等が挙げられる。感光体ドラム11がレーザープリンターに使用される場合には、レーザーの発振波長としては350nmから850nmのものが好ましく、短波長のものほど解像度に優れるため好ましい。また、レーザー光を照射する際に生じる干渉縞を防止するために、支持体111表面は、中心線平均粗さRaで、0.04μm〜0.5μmに粗面化することが好ましい。粗面化の方法としては、研磨剤を水に懸濁させて支持体111に吹き付けることによって行う湿式ホーニング、あるいは、回転する砥石に支持体111を圧接し、連続的に研削加工を行うセンタレス研削、陽極酸化などが好ましい。Raが0.04μm以上であれば、鏡面に近くなるので干渉防止効果が得られ、Raが0.5μm以下であれば、形成される画質が粗くなることを効果的に防止できる。尚、非干渉光を光源に用いる場合には、干渉縞防止の粗面化は特に必要なく、基材の表面の凹凸による欠陥の発生が防げるため、より長寿命化に適する。
陽極酸化処理はアルミニウムを陽極とし電解質溶液中で陽極酸化することによりアルミニウム表面に酸化膜を形成するものである。電解質溶液としては硫酸溶液、シュウ酸溶液等が挙げられる。しかし、そのままの多孔質陽極酸化膜は化学的に活性であり、汚染され易く、環境による抵抗変動も大きい。そこで、陽極酸化膜の微細孔を加圧水蒸気または沸騰水中(ニッケル等の金属塩を加えてもよい)で水和反応による体積膨張でふさぎ、より安定な水和酸化物に変える封孔処理を行う。
陽極酸化膜の膜厚については0.3〜15μmが好ましい。0.3μmより薄い場合は注入に対するバリア性が乏しく効果が十分でない。また、15μmより厚い場合は繰り返し使用による残留電位の上昇を招く。
リン酸、クロム酸及びフッ酸からなる酸性処理液による処理は以下の様に実施される。酸性処理液におけるリン酸、クロム酸およびフッ酸の配合割合は、リン酸が、10〜11質量%の範囲、クロム酸が3〜5質量%の範囲、フッ酸が0.5〜2質量%の範囲であって、これらの酸全体の濃度は、13.5〜18質量%の範囲が好ましい。処理温度は、42〜48℃であるが、処理温度を高く保つことにより、一層速く、かつ厚い被膜を形成することができる。
また、ベーマイト処理を行う場合、90〜100℃の純水中に5〜60分間浸漬するか、90〜120℃の加熱水蒸気に5〜60分間接触させることにより行うことができる。被膜の膜厚については0.1〜5μmが好ましい。これをさらにアジピン酸、硼酸、硼酸塩、燐酸塩、フタル酸塩、マレイン酸塩、安息香酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩などの皮膜溶解性の低い電解質溶液を用いて陽極酸化処理してもよい。
−電荷発生層−
次に電荷発生層112について説明する。
電荷発生材料としては、ビスアゾ、トリスアゾなどのアゾ顔料、ジブロモアントアントロンなどの縮環芳香族顔料、ペリレン顔料、ピロロピロール顔料、フタロシアニン顔料等の有機顔料や、三方晶セレン、酸化亜鉛などの無機顔料など既知のもの全て使用することができるが、特に380nm〜500nmの露光波長を用いる場合には無機顔料が好ましく、700nm〜800nmの露光波長を用いる場合には、金属及び無金属フタロシアニン顔料が好ましい。その中でも、特開平5−263007及び特開平5−279591に開示されたヒドロキシガリウムフタロシアニン、特開平5−98181に開示されたクロロガリウムフタロシアニン、特開平5−140472及び特開平5−140473に開示されたジクロロスズフタロシアニン、特開平4−189873及び特開平5−43813に開示されたチタニルフタロシアニンが好ましい。
電荷発生層112を構成する結着樹脂としては、広範な絶縁性樹脂から選択することができ、また、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン、ポリシランなどの有機光導電性ポリマーから選択することもできる。好ましい結着樹脂としては、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアリレート樹脂(ビスフェノールAとフタル酸の重縮合体等)、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂等の絶縁性樹脂をあげることができるが、これらに限定されるものではない。これらの結着樹脂は単独あるいは2種以上混合して用いることができる。
電荷発生材料と結着樹脂の配合比(質量比)は10:1〜1:10の範囲が好ましい。またこれらを分散させる方法としてはボールミル分散法、アトライター分散法、サンドミル分散法等の通常の方法を用いることができるが、この際、分散によって該の結晶型が変化しない条件が必要とされる。ちなみに前記の分散法のいずれについても分散前と結晶型が変化していないことが確認されている。さらにこの分散の際、粒子を0.5μm以下、好ましくは0.3μm以下、さらに好ましくは0.15μm以下の粒子サイズにすることが有効である。またこれらの分散に用いる溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロルベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤を単独あるいは2種以上混合して用いることができる。また、本発明で用いる電荷発生層112の厚みは一般的には、0.1〜5μm、好ましくは0.2〜2.0μmが適当である。また、電荷発生層112を設けるときに用いる塗布方法としては、ブレードコーティング法、マイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を用いることができる。
−電荷輸送層−
次いで、電荷輸送層113について説明する。
電荷輸送層113としては、公知の技術によって形成されたものを使用できる。それらの電荷輸送層113は、電荷輸送材料と結着樹脂を含有して形成されるか、あるいは高分子電荷輸送材を含有して形成されることが好ましい。
電荷輸送材料としては、p−ベンゾキノン、クロラニル、ブロマニル、アントラキノン等のキノン系化合物、テトラシアノキノジメタン系化合物、2,4,7−トリニトロフルオレノン等のフルオレノン化合物、キサントン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノビニル系化合物、エチレン系化合物等の電子輸送性化合物、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、アリールアルカン系化合物、アリール置換エチレン系化合物、スチルベン系化合物、アントラセン系化合物、ヒドラゾン系化合物などの正孔輸送性化合物があげられる。これらの電荷輸送材料は単独または2種以上混合して用いることができるが、これらに限定されるものではない。また、これらの電荷輸送材料は単独あるいは2種以上混合して用いることができるが、モビリティーの観点から、以下の構造のものが好ましい。
Figure 2006301619
式中、R14は、水素原子又はメチル基を示す。また、nは1又は2を意味する。Ar6及びAr7は置換又は未置換のアリール基或いは、−C(R18)=C(R19)(R20)、−CH=CH−CH=C(Ar)2を表わし、R18、R19、R20は水素原子、置換又は未置換のアルキル基、置換又は未置換のアリール基を表し、Arは置換又は未置換のアリール基を表す。
上記アリール基への置換基としてはハロゲン原子、炭素数が1〜5の範囲のアルキル基、炭素数が1〜5の範囲のアルコキシ基、又は炭素数が1〜3の範囲のアルキル基で置換された置換アミノ基が挙げられる。
Figure 2006301619
式中R15、R25は同一でも異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、を表わす。R16、R26、R17、R27は同一でも異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜2のアルキル基で置換されたアミノ基、置換又は未置換のアリール基、或いは、−C(R18)=C(R19)(R20)、−CH=CH−CH=C(Ar)2を表わし、R18、R19、R20は水素原子、置換又は未置換のアルキル基、置換又は未置換のアリール基を表し、Arは置換又は未置換のアリール基を表す。m及びnは0〜2の整数である。
上記アリール基への置換基としてはハロゲン原子、炭素数が1〜5の範囲のアルキル基、炭素数が1〜5の範囲のアルコキシ基、又は炭素数が1〜3の範囲のアルキル基で置換された置換アミノ基が挙げられる。
Figure 2006301619
式中R21は水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、置換又は未置換のアリール基、又は、−CH=CH−CH=C(Ar)2を表す。Arは、置換又は未置換のアリール基を表す。R22、R23は同一でも異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜2のアルキル基で置換されたアミノ基、置換又は未置換のアリール基を表す。
上記アリール基への置換基としてはハロゲン原子、炭素数が1〜5の範囲のアルキル基、炭素数が1〜5の範囲のアルコキシ基、又は炭素数が1〜3の範囲のアルキル基で置換された置換アミノ基が挙げられる。
さらに電荷輸送層113に用いる結着樹脂は、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコン樹脂、シリコン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂や、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリシラン、特開平8−176293号公報や特開平8−208820号公報に示されているポリエステル系高分子電荷輸送材など高分子電荷輸送材を用いることもできる。これらの結着樹脂は単独あるいは2種以上混合して用いることができる。電荷輸送材料と結着樹脂との配合比(質量比)は10:1〜1:5が好ましい。
また、上記高分子電荷輸送材を単独で用いることもできる。高分子電荷輸送材としては、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリシランなどの電荷輸送性を有する公知のものが挙げられる。特に、特開平8−176293号公報や特開平8−208820号公報に示されているポリエステル系高分子電荷輸送材は、高い電荷輸送性を有しており好ましいものである。高分子電荷輸送材はそれだけでも電荷輸送層113として使用可能であるが、上記結着樹脂と混合して成膜してもよい。
本発明で用いる電荷輸送層113の厚みは一般的には、5〜50μm、好ましくは10〜30μmが適当である。塗布方法としては、ブレードコーティング法、マイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を用いることができる。さらに電荷輸送層113を設けるときに用いる溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロルベンゼン等の芳香族炭化水素類、アセトン、2−ブタノン等のケトン類、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロンゲン化脂肪族炭化水素類、テトラヒドロフラン、エチルエーテル等の環状もしくは直鎖状のエーテル類等の通常の有機溶剤を単独あるいは2種以上混合して用いることができる。また、画像形成装置1中で発生するオゾンや酸化性ガス、あるいは光、熱による感光体11の劣化を防止する目的で、電荷輸送層113中に酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤等の添加剤を添加することができる。例えば、酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール、ヒンダードアミン、パラフェニレンジアミン、アリールアルカン、ハイドロキノン、スピロクロマン、スピロインダノンおよびそれらの誘導体、有機硫黄化合物、有機燐化合物等があげられる。光安定剤の例としては、ベンゾフェノン、ベンゾトリアゾール、ジチオカルバメート、テトラメチルピペリジン等の誘導体があげられる。また、感度の向上、残留電位の低減、繰り返し使用時の疲労低減等を目的として、少なくとも1種の電子受容性物質を含有させることができる。本発明における感光体11に使用可能な電子受容性物質としては、例えば、無水コハク酸、無水マレイン酸、ジブロム無水マレイン酸、無水フタル酸、テトラブロム無水フタル酸、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、o−ジニトロベンゼン、m−ジニトロベンゼン、クロラニル、ジニトロアントラキノン、トリニトロフルオレノン、ピクリン酸、o−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、フタル酸等をあげることができる。これらのうち、フルオレノン系、キノン系やCl、CN、NO2等の電子吸引性置換基を有するベンゼン誘導体が特に好ましい。
−オーバーコート層−
次いで、像担持体11の最表面層として形成するオーバーコート層1131について説明する。
本発明における像担持体11には、架橋構造を有する樹脂であるメチロール基を有するフェノール誘導体と、電荷輸送材料と、を含有するオーバーコート層1131を有することを必須の要件とする。
この電荷輸送材料としては水酸基、カルボキシル基、アルコキシシリル基、エポキシ基、チオール基及びアミノ基から選択される少なくとも1種を有する電荷輸送材料や、後述する特定構造の電荷輸送材料が好適に用いられる。
高強度表面層である上記オーバーコート層1131を有することにより、表面の傷などに対する耐性を持たせ長寿命化をはかることができると共に、アルミ紛、カーボンファイバー等の導電性異物の突き刺さりを効果的に抑制することができ、それによって黒点や色点の発生を防止することができる。また、上記オーバーコート層1131は、電荷輸送材料を含み電荷輸送能を有しているため、前述の電荷輸送層113と同様の機能を果たす。
更に当該フェノール誘導体含有層(即ち上記オーバーコート層)の赤外吸収スペクトルが下記式で示される条件を満たすことで電気特性に優れ高画質化が図れる為より好ましい。
(P2/P1)≦0.2
[式中、P1は1560cm-1〜1640cm-1に存在する最大吸収ピークの吸光度を、P2は1645cm-1〜1700cm-1に存在する最大吸収ピークの吸光度を示す。]
上記式で上述の効果が得られる理由は必ずしも明確ではないが、本発明者らは以下のように推察する。
すなわち、メチロール基を有するフェノール誘導体を用いて塗膜を形成する過程において、フェノール誘導体のメチロール基のうちの一部は、ホルミル基等の酸化物になると考えられる。このようなホルミル基等の酸化物は、感光体中の電荷輸送を妨げるキャリアトラップとして作用し、感光体の電気特性を低下させると考えられる。ここで、赤外吸収スペクトルにおいて、1560cm-1〜1640cm-1に存在する最大吸収ピーク(P1)は、フェノール誘導体の芳香族C−C伸縮振動に相当する。また、1645cm-1〜1700cm-1に存在する最大吸収ピーク(P2)は、ホルミル基等の酸化物に由来すると考えられる。
つまり、吸光度比(P2/P1)が小さい感光体は、感光体中のホルミル基等の酸化物が少なく、キャリア輸送性に優れると考えられる。そして、上記電子写真感光体は、上記特定の材料を用い且つ吸光度比(P2/P1)が0.2以下であることから、電気特性に優れ、高画質化が達成できたと考えられる。なお、上記電子写真感光体は、電気特性と共に機械強度も優れており、この点も高画質化が達成できた要因であると考えられる。
なお、吸光度比(P2/P1)は、0.18以下が好ましく、0.17以下がより好ましい。吸光度比(P2/P1)が0.2を超えると、キャリア輸送性が低下し、感光体の電気特性が不十分となり、画質が低下することがある。
本発明におけるメチロール基を有するフェノール誘導体としては、モノメチロールフェノール類、ジメチロールフェノール類若しくはトリメチロールフェノール類のモノマー、それらの混合物、それらがオリゴマー化されたもの、又はそれらモノマーとオリゴマーの混合物が挙げられる。このようなメチロール基を有するフェノール誘導体は、レゾルシン、ビスフェノール等、フェノール、クレゾール、キシレノール、パラアルキルフェノール、パラフェニルフェノール等の水酸基を1個含む置換フェノール類、カテコール、レゾルシノール、ヒドロキノン等の水酸基を2個含む置換フェノール類、ビスフェノールA、ビスフェノールZ等のビスフェノール類、ビフェノール類等、フェノール構造を有する化合物と、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド等と、を酸触媒又はアルカリ触媒下で反応させることで得られるもので、一般にフェノール樹脂として市販されているものも使用できる。なお、本明細書では、分子の構造単位の繰り返しが2〜20程度の比較的大きな分子をオリゴマーといい、それ以下のものをモノマーという。
上記酸触媒としては、硫酸、パラトルエンスルホン酸、リン酸等が用いられる。また、アルカリ触媒としては、NaOH、KOH、Ca(OH)2、Ba(OH)2等のアルカリ金属及びアルカリ土類金属の水酸化物やアミン系触媒が用いられる。
アミン系触媒としては、アンモニア、ヘキサメチレンテトラミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。塩基性触媒を使用した場合には、残留する触媒によりキャリアが著しくトラップされ、電子写真特性を悪化させる傾向がある。そのため、酸で中和するか、シリカゲル等の吸着剤や、イオン交換樹脂等と接触させることにより不活性化又は除去することが好ましい。
また、メチロール基を有するフェノール誘導体としては、フェノール樹脂が好ましく、レゾール型フェノール樹脂がより好ましい。
本発明における電荷輸送材料としては、下記一般式(I)〜(V)で示される化合物又はその誘導体が強度、安定性に優れ特に好ましい。
F−[D−Si(R1(3-a)ab (I)
式(I)中、Fは正孔輸送能を有する化合物から誘導される有機基を、Dは可とう性を有する2価の基を、R1は水素原子、置換若しくは未置換のアルキル基(炭素数は1〜15が好ましく、1〜10がより好ましい)又は置換若しくは未置換のアリール基(炭素数は6〜20が好ましく、6〜15がより好ましい)を、Qは加水分解性基を、aは1〜3の整数を、bは1〜4の整数を示す。
また、上記可とう性を有する2価の基Dとしては、具体的には、光電特性を付与するためのFの部位と、3次元的な無機ガラス質ネットワークの構築に寄与する置換ケイ素基とを結びつける働きを担う2価の基である。また、Dは、堅い反面もろさも有する無機ガラス質ネットワークの部分に適度な可とう性を付与し、膜としての機械的強靱さを向上させる働きを担う有機基構造を表す。Dとして具体的には、−CαH2α−、−CβH2β-2−、−CγH2γ-4−で表わされる2価の炭化水素基(ここで、αは1〜15の整数を表し、βは2〜15の整数を表し、γは3〜15の整数を表す)、−COO−、−S−、−O−、−CH2−C64−、−N=CH−、−(C64)−(C64)−、及び、これらの特性基を任意に組み合わせた構造を有する特性基、更にはこれらの特性基の構成原子を他の置換基と置換したもの等が挙げられる。また、上記加水分解性基Qとしては、アルコキシ基が好ましく、炭素数1〜15のアルコキシ基がより好ましい。
F−[(X1n12−ZH]n2 (II)
ここで、上記式(II)中、Fは正孔輸送能を有する化合物から誘導される有機基を、X1は酸素原子又は硫黄原子を、R2はアルキレン基または単結合を、Zは酸素原子、硫黄原子、NH又はCOOを、n1は0又は1を、n2は1〜4の整数を示す。
F−[(X2n3−(R3n4−(Z)n5G]n6 (III)
上記式(III)中、Fは正孔輸送能を有する化合物から誘導される有機基を、X2は酸素原子又は硫黄原子を、R3はアルキレン基(炭素数は1〜15が好ましく、1〜10がより好ましい)を、Zは酸素原子、硫黄原子、NH又はCOOを、Gはエポキシ基を、n3、n4及びn5はそれぞれ独立に0又は1を、n6は1〜4の整数を示す。
Figure 2006301619
ここで、式(IV)中、Fは正孔輸送能を有するn7価の有機基を、Tは2価の基を、Yは酸素原子又は硫黄原子を、R4、R5及びR6はそれぞれ独立に水素原子又は1価の有機基を、R7は1価の有機基を、m1は0又は1を、n7は1〜4の整数を、それぞれ示す。但し、R6とR7は互いに結合してYをヘテロ原子とする複素環を形成してもよい。
Figure 2006301619
ここで、式(V)中、Fは正孔輸送能を有するn8価の有機基を、Tは2価の基を、R8は1価の有機基を、m2は0又は1を、n8は1〜4の整数を、それぞれ示す。
上記一般式(I)、(II)、(III)、(IV)又は(V)で示される化合物における正孔輸送能を有する化合物から誘導される有機基Fとしては、下記一般式(VI)で示される化合物が好ましい。
Figure 2006301619
ここで、式(VI)中、Ar1、Ar2、Ar3及びAr4はそれぞれ独立に置換又は未置換のアリール基を、Ar5は置換若しくは未置換のアリール基又はアリーレン基を、kは0又は1を、それぞれ示す。但し、Ar1、Ar2、Ar3、Ar4及びAr5のうち1〜4個は、上記一般式(I)、(II)、(III)、(IV)又は(V)で示される化合物における、−[D−Si(R1(3-a)a]、−[(X1n12−ZH]、−[(X2n3−(R3n4−(Z)n5G]、下記式(IV−1)で示される構造単位、又は下記式(V−1)で示される構造単位で表される部位と結合するための結合手を有する。
Figure 2006301619
一般式(VI)で示される化合物におけるAr1〜Ar4で示される置換又は未置換のアリール基としては、具体的には、下記式(VI−1)〜(VI−7)に示されるアリール基が好ましい。
Figure 2006301619
上記式(VI−7)で示されるアリール基におけるArとしては、下記式(VI−8)又は(VI−9)で示されるアリール基が好ましい。
Figure 2006301619
また、上記式(VI−7)で示されるアリール基におけるZとしては、下記式(VI−10)〜(VI−17)で示される2価の基が好ましい。
Figure 2006301619
ここで、上記式(VI−1)〜(VI−17)中、R36は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、それらで置換されたフェニル基若しくは未置換のフェニル基、又は炭素数7〜10のアラルキル基を、R37〜R43はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、それらで置換されたフェニル基若しくは未置換のフェニル基、炭素数7〜10のアラルキル基又はハロゲン原子を、m及びsはそれぞれ独立に0又は1を、q及びrはそれぞれ独立に1〜10の整数を、tはそれぞれ独立に1〜3の整数を示す。
また、上記式(VI−1)〜(VI−7)中、Xは上記式(I)〜(V)で示される化合物における、−[D−Si(R1(3-a)a]、−[(X1n12−ZH]、−[(X2n3−(R3n4−(Z)n5G]、上記式(IV−1)で示される構造単位、又は上記式(V−1)で示される構造単位で表される部位と結合するための結合手を有する。
また、上記式(VI−16)〜(VI−17)中、Wは下記式(VI−18)〜(VI−26)で示される2価の基を示す。なお、式(VI−25)中、uは0〜3の整数を示す。
Figure 2006301619
また、上記一般式(VI)におけるAr5の具体的構造としては、k=0の時は上記Ar1〜Ar2の具体的構造におけるm=1の構造が、k=1の時は上記Ar1〜Ar4の具体的構造におけるm=0の構造が挙げられる。
また、上記一般式(I)で示される化合物としては、より具体的には、下記化合物(F−1)〜(F−60)が挙げられる。なお、下記化合物(F−1)〜(F−60)は、一般式(VI)で示される化合物のAr1〜Ar5及びkを下記の表に示されるように組み合わせ、且つ、アルコキシシリル基(Y)を下記の表に示される特定のものとしたものである。なお、下記において、Meはメチル基を、Etはエチル基を、Prはプロピル基を示す。
Figure 2006301619
Figure 2006301619
Figure 2006301619
Figure 2006301619
Figure 2006301619

Figure 2006301619
Figure 2006301619
Figure 2006301619
また、上記一般式(I)の他の具体例として、下記化合物(F−61)が挙げられる。
Figure 2006301619
上記一般式(II)で示される化合物の具体例としては、下記化合物(II−1)〜(II−26)を挙げることができる。なお、下記において、Me又は結合手は記載されているが置換基が記載されていないものはメチル基を、Etはエチル基を示す。
Figure 2006301619
Figure 2006301619
Figure 2006301619
上記一般式(III)で示される化合物の具体例としては、下記化合物(III−1)〜(III−47)を挙げることができる。なお、下記において、Me又は結合手は記載されているが置換基が記載されていないものはメチル基を、Etはエチル基を示す。
Figure 2006301619
Figure 2006301619
Figure 2006301619
Figure 2006301619
Figure 2006301619
Figure 2006301619
Figure 2006301619
Figure 2006301619
上記一般式(IV)で示される化合物の具体例としては、下記化合物(IV−1)〜(IV−40)を挙げることができる。なお、下記において、Me又は結合手は記載されているが置換基が記載されていないものはメチル基を、Etはエチル基を示す。
Figure 2006301619
Figure 2006301619
Figure 2006301619
Figure 2006301619
Figure 2006301619
Figure 2006301619
Figure 2006301619
上記一般式(V)で示される化合物の具体例としては、下記化合物(V−1)〜(V−13)を挙げることができる。なお、下記において、Me又は結合手は記載されているが置換基が記載されていないものはメチル基を、Etはエチル基を示す。
Figure 2006301619
Figure 2006301619
また、可塑剤、表面改質剤、酸化防止剤、光劣化防止剤等の添加剤を使用することもできる。可塑剤としては、例えば、ビフェニル、塩化ビフェニル、ターフェニル、ジブチルフタレート、ジエチレングリコールフタレート、ジオクチルフタレート、トリフェニル燐酸、メチルナフタレン、ベンゾフェノン、塩素化パラフィン、ポリプロピレン、ポリスチレン、各種フルオロ炭化水素等が挙げられる。オーバーコート層1131にはヒンダートフェノール、ヒンダートアミン、チオエーテル又はホスファイト部分構造を持つ酸化防止剤を添加することができ、環境変動時の電位安定性・画質の向上に効果的である。
酸化防止剤としては以下のような化合物が挙げられる。例えば、ヒンダートフェノール系としては、「Sumilizer BHT−R」、「Sumilizer MDP−S」、「Sumilizer BBM−S」、「Sumilizer WX−R」、「Sumilizer NW」、「Sumilizer BP−76」、「Sumilizer BP−101」、「Sumilizer GA−80」、「Sumilizer GM」、「Sumilizer GS」(以上、住友化学社製)、「IRGANOX1010」、「IRGANOX1035」、「IRGANOX1076」、「IRGANOX1098」、「IRGANOX1135」、「IRGANOX1141」、「IRGANOX1222」、「IRGANOX1330」、「IRGANOX1425WL」、「IRGANOX1520L」、「IRGANOX245」、「IRGANOX259」、「IRGANOX3114」、「IRGANOX3790」、「IRGANOX5057」、「IRGANOX565」(以上、チバスペシャリティーケミカルズ社製)、「アデカスタブAO−20」、「アデカスタブAO−30」、「アデカスタブAO−40」、「アデカスタブAO−50」、「アデカスタブAO−60」、「アデカスタブAO−70」、「アデカスタブAO−80」、「アデカスタブAO−330」(以上、旭電化製)、ヒンダートアミン系としては、「サノールLS2626」、「サノールLS765」、「サノールLS770」、「サノールLS744」(以上、三共ライフテック社製)、「チヌビン144」、「チヌビン622LD」(以上、チバスペシャリティーケミカルズ社製)、「マークLA57」、「マークLA67」、「マークLA62」、「マークLA68」、「マークLA63」、「スミライザーTPS」(以上、住友化学社製)、チオエーテル系としては、「スミライザーTP−D」(以上、住友化学社製)、ホスファイト系としては、「マーク2112」、「マークPEP・8」、「マークPEP・24G」、「マークPEP・36」、「マーク329K」、「マークHP・10」(以上、旭電化製)が挙げられ、特にヒンダートフェノール、ヒンダートアミン系酸化防止剤が好ましい。さらに、これらは架橋膜を形成する材料と架橋反応可能な例えばアルコキシシリル基等の置換基で変性してもよい。
また、オーバーコート層1131には、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアリレート樹脂(ビスフェノールAとフタル酸の重縮合体等)、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂等の絶縁性樹脂を含有させてもよい。この場合、絶縁性樹脂は、所望の割合で添加することができ、これにより、電荷輸送層113との接着性、熱収縮やハジキによる塗布膜欠陥等を抑制することができる。
オーバーコート層1131は、上述した構成材料を含有するオーバーコート層形成用塗布液を、電荷輸送層113上に塗布して硬化させることで形成できる。
オーバーコート層1131は、上述した電荷輸送材料を用いて形成されることから、オーバーコート層形成用塗布液に触媒を添加すること、又はオーバーコート層形成用塗布液作製時に触媒を用いることが好ましい。用いられる触媒としては、塩酸、酢酸、リン酸、硫酸等の無機酸、蟻酸、プロピオン酸、シュウ酸、パラトルエンスルホン酸、安息香酸、フタル酸、マレイン酸等の有機酸、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、アンモニア、トリエチルアミン等のアルカリ触媒、さらに系に不溶な固体触媒を用いることもできる。
また、メチロール基を有するフェノール誘導体から、合成時の触媒を除去するために、フェノール誘導体をメタノール、エタノール、トルエン、酢酸エチル等の適当な溶剤に溶解させ、水洗、貧溶剤を用いた再沈殿等の処理を行うか、イオン交換樹脂、又は無機固体を用いて処理を行うことが好ましい。
例えば、イオン交換樹脂としては、アンバーライト15、アンバーライト200C、アンバーリスト15E(以上、ローム・アンド・ハース社製);ダウエックスMWC−1−H、ダウエックス88、ダウエックスHCR−W2(以上、ダウ・ケミカル社製);レバチットSPC−108、レバチットSPC−118(以上、バイエル社製);ダイヤイオンRCP−150H(三菱化成社製);スミカイオンKC−470、デュオライトC26−C、デュオライトC−433、デュオライト−464(以上、住友化学工業社製);ナフィオン−H(デュポン社製)等の陽イオン交換樹脂;アンバーライトIRA−400、アンバーライトIRA−45(以上、ローム・アンド・ハース社製)等の陰イオン交換樹脂が挙げられる。
また、無機固体としては、Zr(O3PCH2CH2SO3H)2,Th(O3PCH2CH2COOH)2等のプロトン酸基を含有する基が表面に結合されている無機固体;スルホン酸基を有するポリオルガノシロキサン等のプロトン酸基を含有するポリオルガノシロキサン;コバルトタングステン酸、リンモリブデン酸等のヘテロポリ酸;ニオブ酸、タンタル酸、モリブデン酸等のイソポリ酸;シリカゲル、アルミナ、クロミア、ジルコニア、CaO、MgO等の単元系金属酸化物;シリカ−アルミナ、シリカ−マグネシア、シリカ−ジルコニア、ゼオライト類等複合系金属酸化物;酸性白土、活性白土、モンモリロナイト、カオリナイト等の粘土鉱物;LiSO4,MgSO4等の金属硫酸塩;リン酸ジルコニア、リン酸ランタン等の金属リン酸塩;LiNO3,Mn(NO32等の金属硝酸塩;シリカゲル上にアミノプロピルトリエトキシシランを反応させて得られた固体等のアミノ基を含有する基が表面に結合されている無機固体;アミノ変性シリコーン樹脂等のアミノ基を含有するポリオルガノシロキサン等が挙げられる。
オーバーコート層形成用塗布液には、必要に応じてメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;テトラヒドロフラン;ジエチルエーテル、ジオキサン等のエーテル類等の他、種々の溶媒が使用できる。なお、感光体11の生産に一般的に使用されるディップコーティング法を適用するためには、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、又はそれらの混合系溶剤が好ましい。また、使用される溶媒の沸点は50〜150℃のものが好ましく、それら任意に混合して使用することができる。
なお、溶剤としてアルコール系溶剤、ケトン系溶剤、又はそれらの混合系溶剤が好ましいことから、オーバーコート層1131の形成に使用される電荷輸送材料としては、それらの溶剤に可溶であることが好ましい。
また、溶媒量は任意に設定できるが、少なすぎると構成材料が析出しやすくなるため、オーバーコート層形成用塗布液中に含まれる固形分1質量部に対し好ましくは0.5〜30質量部、より好ましくは1〜20質量部とする。
オーバーコート層形成用塗布液を用いてオーバーコート層1131を形成する際の塗布方法としては、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を用いることができる。ただし、1回の塗布により必要な膜厚が得られない場合、複数回重ね塗布することにより必要な膜厚を得ることができる。なお、複数回の重ね塗布を行なう場合、加熱処理は塗布の度に行なってもよいし、複数回重ね塗布した後でもよい。
電荷輸送層113上にオーバーコート層形成用塗布液を塗布した後には、硬化処理を行うことが好ましい。通常、硬化処理の際には、フェノール誘導体の架橋反応を促進し、オーバーコート層1131の機械強度を上げるために硬化温度を高くし、硬化時間を長くすることが好ましい。しかし、そうした場合には、吸光度比(P2/P1)が0.2を超えやすく、電気特性が著しく悪化してしまうことがあるため、オーバーコート層1131のIRスペクトルが上記条件を満たすように、硬化温度、硬化時間、架橋雰囲気又は硬化触媒で制御することが好ましい。
すなわち、オーバーコート層1131のIRスペクトルが(P2/P1)≦0.2の条件を満たすようにするために、硬化処理の際の硬化温度は100〜170℃が好ましく、100〜150℃が、さらに100〜140℃がより好ましい。また、硬化時間は、30分〜2時間が好ましく、30分〜1時間がより好ましい。
また、硬化処理(架橋反応)を行う雰囲気としては、窒素、ヘリウム、アルゴン等の、いわゆる酸化に対して不活性なガス雰囲気(不活性ガス雰囲気)下が吸光度比(P2/P1)を小さくするのに効果的である。不活性ガス雰囲気下で架橋反応を行う場合には、空気雰囲気(酸素含有雰囲気)下よりも硬化温度を高く設定することができ、硬化温度は100〜160℃(好ましくは110〜150℃)とすることが可能である。また、硬化時間は30分〜2時間(好ましくは30分〜1時間)とすることが可能である。また、一般式(II)で示される化合物において、(−(X1n1−R2−ZH)で示される部位が−CH2−OHの場合が最も硬化温度による電気特性の影響が大きい傾向があり、酸化に対して敏感であるので、上記好ましい温度範囲で硬化処理を行うことが好ましい。
さらに、硬化処理の際には、硬化触媒を使用することが好ましい。硬化触媒としては、例えば、ビス(イソプロピルスルホニル)ジアゾメタンのようなビススルホニルジアゾメタン類、メチルスルホニルp−トルエンスルホニルメタンのようなビススルホニルメタン類、シクロヘキシルスルホニルシクロヘキシルカルボニルジアゾメタンのようなスルホニルカルボニルジアゾメタン類、2−メチル−2−(4−メチルフェニルスルホニル)プロピオフェノンのようなスルホニルカルボニルアルカン類、2−ニトロベンジルp−トルエンスルホネートのようなニトロベンジルスルホネート類、ピロガロールトリスメタンスルホネートのようなアルキル及びアリールスルホネート類、(g)ベンゾイントシレートのようなベンゾインスルホネート類、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)フタルイミドのようなN−スルホニルオキシイミド類、(4−フルオロベンゼンスルホニルオキシ)−3,4,6−トリメチル−2−ピリドンのようなピリドン類、2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチル−1−(3−ビニルフェニル)−エチル−4−クロロベンゼンスルホネートのようなスルホン酸エステル類、トリフェニルスルホニウムメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネートのようなオニウム塩類等の光酸発生剤や、プロトン酸或いはルイス酸をルイス塩基で中和した化合物、ルイス酸とトリアルキルホスフェートの混合物、スルホン酸エステル類、リン酸エステル類、オニウム化合物、無水カルボン酸化合物等が挙げられる。
プロトン酸或いはルイス酸をルイス塩基で中和した化合物としては、ハロゲノカルボン酸類、スルホン酸類、硫酸モノエステル類、リン酸モノ及びジエステル類、ポリリン酸エステル類、ホウ酸モノ及びジエステル類等を、アンモニア、モノエチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピペリジン、アニリン、モルホリン、シクロヘキシルアミン、n−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の各種アミン若しくはトリアルキルホスフィン、トリアリールホスフィン、トリアルキルホスファイト、トリアリールホスファイトで中和した化合物、さらには酸−塩基ブロック化触媒として市販されているネイキュア2500X、4167、X−47−110、3525、5225(キングインダストリー社製)等が挙げられる。また、ルイス酸をルイス塩基で中和した化合物としては、例えば、BF3、FeCl3、SnCl4、AlCl3、ZnCl2等のルイス酸を上記のルイス塩基で中和した化合物が挙げられる。
オニウム化合物としては、トリフェニルスルホニウムメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート等が挙げられる。
無水カルボン酸化合物としては、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸、無水イソ酪酸、無水ラウリン酸、無水オレイン酸、無水ステアリン酸、無水n−カプロン酸、無水n−カプリル酸、無水n−カプリン酸、無水パルミチン酸、無水ミリスチン酸、無水トリクロロ酢酸、無水ジクロロ酢酸、無水モノクロロ酢酸、無水トリフルオロ酢酸、無水ヘプタフルオロ酪酸等が挙げられる。
ルイス酸の具体例としては、例えば、三フッ化ホウ素、三塩化アルミニウム、塩化第一チタン、塩化第二チタン、塩化第一鉄、塩化第二鉄、塩化亜鉛、臭化亜鉛、塩化第一スズ、塩化第二スズ、臭化第一スズ、臭化第二スズ等の金属ハロゲン化物、トリアルキルホウ素、トリアルキルアルミニウム、ジアルキルハロゲン化アルミニウム、モノアルキルハロゲン化アルミニウム、テトラアルキルスズ等の有機金属化合物、ジイソプロポキシエチルアセトアセテートアルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、トリス(アセチルアセトナト)アルミニウム、ジイソプロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタニウム、ジイソプロポキシ・ビス(アセチルアセトナト)チタニウム、テトラキス(n−プロピルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(アセチルアセトナト)ジルコニウム、テトラキス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジブチル・ビス(アセチルアセトナト)スズ、トリス(アセチルアセトナト)鉄、トリス(アセチルアセトナト)ロジウム、ビス(アセチルアセトナト)亜鉛、トリス(アセチルアセトナト)コバルト等の金属キレート化合物、ジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズエステルマレート、ナフテン酸マグネシウム、ナフテン酸カルシウム、ナフテン酸マンガン、ナフテン酸鉄、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸銅、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸ジルコニウム、ナフテン酸鉛、オクチル酸カルシウム、オクチル酸マンガン、オクチル酸鉄、オクチル酸コバルト、オクチル酸亜鉛、オクチル酸ジルコニウム、オクチル酸スズ、オクチル酸鉛、ラウリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸コバルト、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸鉛等の金属石鹸が挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これら硬化触媒の使用量は特に制限されないが、オーバーコート層形成用塗布液に含まれる固形分の合計100質量部に対して0.1〜20質量部が好ましく、0.3〜10質量部が特に好ましい。
また、オーバーコート層1131を形成する際に、有機金属化合物を触媒として用いる場合には、ポットライフ、硬化効率の面から、多座配位子を添加することが好ましい。このような多座配位子としては、以下に示すようなもの及びそれらから誘導されるものを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
具体的には、アセチルアセトン、トリフルオロアセチルアセトン、ヘキサフルオロアセチルアセトン、ジピバロイルメチルアセトン等のβ−ジケトン類;アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等のアセト酢酸エステル類;ビピリジン及びその誘導体;グリシン及びその誘導体;エチレンジアミン及びその誘導体;8−オキシキノリン及びその誘導体;サリチルアルデヒド及びその誘導体;カテコール及びその誘導体;2−オキシアゾ化合物等の2座配位子;ジエチルトリアミン及びその誘導体;ニトリロトリ酢酸及びその誘導体等の3座配位子;エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)及びその誘導体等の6座配位子;等を挙げることができる。さらに、上記のような有機系配位子の他、ピロリン酸、トリリン酸等の無機系の配位子を挙げることができる。多座配位子としては、特に2座配位子が好ましく、具体例としては、上記の他、下記一般式(VII−4)で示される2座配位子が挙げられる。
Figure 2006301619
上記式(VII−4)中、R32及びR33はそれぞれ独立に炭素数1〜10のアルキル基、フッ化アルキル基、又は炭素数1〜10のアルコキシ基を示す。
多座配位子としては、上記の中でも、上記一般式(VII−4)で示される2座配位子がより好ましく、上記一般式(VII−4)中のR32とR33とが同一のものが特に好ましい。R32とR33とを同一にすることで、室温付近での配位子の配位力が強くなり、オーバーコート層形成用塗布液のさらなる安定化を図ることができる。
多座配位子の配合量は、任意に設定することができるが、有機金属化合物の使用量1モルに対し、好ましくは0.01モル以上、より好ましくは0.1モル以上、さらに好ましくは1モル以上である。
オーバーコート層1131の25℃における酸素透過係数は、4×1012fm/s・Pa以下であることが好ましく、3.5×1012fm/s・Pa以下であることがより好ましく、3×1012fm/s・Pa以下であることがさらに好ましい。
ここで、酸素透過係数は層の酸素ガス透過のし易さを表す尺度であるが、見方を変えると、層の物理的な隙間率の代用特性と捕らえることもできる。なお、ガスの種類が変われば透過率の絶対値は変わるものの、検体となる層間で大小関係の逆転は殆どない。したがって、酸素透過係数は、一般的なガス透過のし易さを表現する尺度と解釈してよい。
つまり、オーバーコート層1131の25℃における酸素透過係数が上記条件を満たす場合には、オーバーコート層1131においてガスが浸透しにくい。したがって、画像形成プロセスにより生じる放電生成物の浸透が抑制され、オーバーコート層1131に含有される化合物の劣化が抑制され、電気特性を高水準に維持することができ、高画質化、長寿命化に有効である。
また、赤外吸収スペクトルの吸光度比(P2/P1)が前記条件を満たすようにオーバーコート層1131を形成しようとする場合には、空気雰囲気下では硬化温度を比較的低く設定することが必要である。そのため、オーバーコート層1131の25℃における酸素透過係数を下げることは困難であるが、吸光度比(P2/P1)が上記条件を満たすようにすると共に、オーバーコート層1131の25℃における酸素透過係数が上記条件を満たすようにすることで、電気特性がさらに向上し、さらに高画質を達成できる感光体11が得られる。
本発明におけるオーバーコート層1131の膜厚は、0.5〜15μmが好ましく、1〜10μmがさらに好ましく、1〜5μmがより好ましい。
−下引層−
次に、図1の画像形成装置に用いられる像担持体(感光体ドラム)11であって、下引層114を有する像担持体11について図5を用いて詳述する。
図5は、下引層114を有する感光体ドラム11の層構成を示す概略断面図である。
図5に示す感光体ドラム11は、導電性の基体111と、基体111の表面に裏面を接するように設けられた下引層114と、下引層114の表面に裏面を接するように設けられた電荷発生層112と、電荷輸送層113と電荷輸送層の表面側にオーバーコート層1131を有する。すなわち、基体111と電荷発生層112との間には下引層114が介在する。
本発明における像担持体11には、バインダ樹脂を用いた従来公知の下引層114を設けることができるが、リーク耐性獲得のための適切な抵抗を得る目的から、金属酸化物粒子を分散させたバインダ樹脂を含んでなる下引層114を設けることが好ましい。金属酸化物粒子を分散させたバインダ樹脂を含んでなる下引層114を形成することにより、仮にアルミ紛やカーボンファイバー等の導電性異物が像担持体表面に突き刺さった場合であっても、高い抵抗値により電気的なピンホールリークを生じることがなく、黒点や色点の発生をより効果的に抑制することができる。
ここで用いられる金属酸化物粒子としては102〜1011Ω・cm程度の粉体抵抗をもつことが好ましく、この範囲の粉体抵抗値を有する金属酸化物であればいかなるものでも使用可能である。中でも上記抵抗値を有する酸化亜鉛、酸化錫、酸化チタン等の金属酸化物粒子が好ましく用いられる。上記範囲の下限よりも金属酸化物粒子の抵抗値が低いと十分なリーク耐性が得られず、この範囲の上限よりも高いと残留電位上昇を引き起こす場合がある。
また、上記下引層114には、カップリング剤により表面処理を行った金属酸化物粒子を用いることが好ましい。
カップリング剤としては、シランカップリング剤や、チタネート系カップリング剤やアルミネート系カップリング剤が用いられ、アミノ基を有する化合物であることが好ましい。また、これらのカップリング剤は2種以上を混合して使用することもできる。
カップリング剤の具体例としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピル−トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルメトキシシラン、N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−クロルプロピルトリメトキシシランなどのシランカップリング剤が挙げられる。
金属酸化物粒子の表面処理にあたっては、その金属酸化物粒子の表面積が表面処理後の電子写真特性に大きく影響する。金属酸化物粒子としては、比表面積が10m2/g以上のものが好ましく用いられる。比表面積値が10m2/g未満であると帯電性低下を招きやすく、良好な電子写真特性を得にくい欠点がある。
なお、金属酸化物粒子は、表面処理の異なるもの或いは粒子径の異なるものなどを混合して用いることもできる。
金属酸化物粒子を分散させる方法としては、ロールミル、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、コロイドミル、ペイントシェーカーなどの公知の方法を用いることができる。
下引層114を形成するバインダ樹脂としては、ポリビニルブチラールなどのアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、カゼイン、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂などの公知の高分子樹脂化合物、また電荷輸送性基を有する電荷輸送性樹脂やポリアニリン等の導電性樹脂などを用いることができる。中でも上層の塗布溶剤に不溶な樹脂が好ましく用いられ、特にフェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂などが好ましく用いられる。
下引層形成用塗布液中の金属酸化物粒子とバインダ樹脂との比率は、所望する電子写真感光体特性を得られる範囲で任意に設定することができる。
下引層形成用塗布液を調製するための溶剤としては、公知の有機溶剤、例えばアルコール系、芳香族系、ハロゲン化炭化水素系、ケトン系、ケトンアルコール系、エーテル系、エステル系等から任意で選択することができる。なお、これらの分散に用いる溶剤は単独あるいは2種以上混合して用いることができる。混合する際、使用される溶剤としては、混合溶剤としてバインダー樹脂を溶かすことができる溶剤であれば、いかなるものでも使用することが可能である。
なお、下引層形成用塗布液には電気特性向上、環境安定性向上、画質向上のために種々の添加物を用いることができる。添加物としては、クロラニル等の電子輸送性物質、多環縮合系、アゾ系等の電子輸送性顔料、テトライソプロピルチタネート等のチタニウムキレート化合物、ビニルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤等の公知の材料を用いることができる。シランカップリング剤は上述のごとく金属酸化物粒子の表面処理に用いられるが、添加剤としてさらに塗布液に添加して用いることもできる。
下引層114を設けるときに用いる塗布方法としては、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を用いることができる。
また、下引層114は、ビッカース硬度が35以上とされていることが好ましい。
さらに、下引層114の厚さとしては、15μm以上が好ましく、20μm以上50μm以下とされていることがより好ましい。また、下引層114の表面粗さはモアレ像防止のために、使用される露光用レーザー波長λの1/4n(nは上層の屈折率)〜λに調整されていることが好ましい。
(1次転写ロール)
本発明の画像形成装置に用いられる1次転写ロールは、特に限定されるわけではなく、従来公知のものを用いることができるが、特には、導電性の基体上に、導電性発泡ウレタン層を1層有してなる1次転写ロールが好ましい。
尚、本発明の画像形成装置1が、図6に示すような直接転写方式である場合における、転写ロール20も同様である。
上記1次転写ロールの表面は、アスカーC硬度が50度以下であることが好ましい。アスカーC硬度が50度以下であることにより、アルミ紛、カーボンファイバー等の導電性異物の突き刺さりを、より効果的に防止することができ、黒点又は色点の発生を防止することができる。
また、転写性能(画像中抜け)の観点から、30度未満であることが特に好ましい。また、ベルトの姿勢制御の観点から、一般的に、下限値としてアスカーC硬度25度以上の1次転写ロールが用いられる。
尚、アスカーC硬度は、JIS−K6301に記載の方法により測定することができる。
上記1次転写ロール20の表面のアスカーC硬度は、発泡ウレタン層の厚さを厚くするもしくは発泡密度を疎にする等の方法によって30度未満の範囲に制御することができる。
(1次転写領域)
次いで、図1に示す画像形成装置1の1次転写領域について詳述する。図1に示す画像形成装置1には、4つの1次転写領域が存在するが、いずれの1次転写領域も同じ条件に整えられていることが好ましい。
尚、本発明の画像形成装置が、図6に示すような直接転写方式である場合においては、感光体11と搬送ベルト80とで挟まれた転写領域は、以下に説明する1次転写領域と同様の条件であることが好ましい。
図4は、図1に示す画像形成装置1に存在する4つの1次転写領域のうちの1つの1次転写領域を拡大して示す概略構成図である。
図4には、時計回りに回転する感光体ドラム11の回転中心軸11Aが示されている。また、1次転写ロール20は回転自在なものであって、この図4には、1次転写ロール20の回転中心軸20Aも示されている。図4に示す中間転写ベルト30は、図の右から左に向かって移動するものである。したがって、感光体ドラム11の回転中心軸11Aを基準にすると、その回転中心軸11Aよりも、右側が中間転写ベルト30の移動方向上流側になり、左側が下流側になる。
1次転写ロール20の回転中心軸20Aは、感光体ドラム11の回転中心軸11Aに対して中間転写ベルト30の移動方向下流側に、所定の距離(図4の矢印O)だけオフセットしていることが好ましく、具体的には、0.5mm以上オフセットしていることが好ましい。以下、このように1次転写ロール20の回転中心軸20Aが中間転写ベルト30の移動方向下流側にオフセットしている量を、単に、1次転写ロールのオフセット量と称することがある。
また、中間転写ベルト30の移動速度は感光体ドラム11の回転速度より速いことが好ましく、具体的には、感光体ドラム11の回転速度に対する中間転写ベルト30の移動速度の比が100.1%以上であることが好ましい。以下、このような感光体ドラム11の回転速度に対する中間転写ベルト30の移動速度の比を、単に、中間転写ベルトの速度比と称することがある。
尚、上記二つの条件のより好ましい値は、画像の中抜けと画像の飛び散りという観点から、1次転写ロールのオフセット量が2mm以上であって、且つ中間転写ベルトの速度比が+0.25%以上であり、特に好ましい値は、1次転写ロールのオフセット量が2.4mm以上であって、且つ中間転写ベルトの速度比が+0.6%以上である。
上記二つの条件、即ち1次転写ロールのオフセット量が2.4mm以上であり、且つ中間転写ベルトの速度比が100.6%以上であるという条件を満たすことにより、更に効果的に導電性異物の突き刺さりを抑制することができ、黒点や色点の発生を防止することができる。
上述の効果が得られる理由は必ずしも明確ではないが、以下のように推察される。
アルミ紛やカーボンファイバー等の導電性異物が感光体ドラム11に突き刺さる場合、上記導電性異物は、中間転写ベルト30上で印加バイアスの影響によって、尖った先端を感光体ドラム11方向に向けて立っている状態であると思われる。しかし、上記二つの条件を満たすことにより、立っていた導電性異物が倒され、突き刺さりにくくなるものと推察される。
尚、上記二つの条件におけるそれぞれの上限値は、特に限定されるわけではないが、1次転写ロールのオフセット量は、印加電圧と転写効率という観点から、5mm以下であることが好ましい。また、中間転写ベルトの速度差は、画像の伸びという観点から、1.0%以下であることが好ましい。
尚、ここで、1次転写ロール20の感光体ドラム11に向けての押し付け圧力は、0.05〜0.5N/mmであることが好ましく、0.1〜0.3N/mmであることがより好ましい。また、1次転写ロール20に印加される転写バイアスは10〜100μAであることが好ましく、20〜70μAであることがより好ましい。(ただしこの値は感光体の速度によって大きく変わってくる)
(画像形成装置)
本発明の画像形成装置は、像担持体が、その最表層として前述のオーバーコート層を有し、且つ、ベルト部材表面(像担持体に接する面)のダイナミック硬さが10〜45の範囲であることを必須の要件とするが、上述の諸条件を組み合わせることでより好ましい効果を得ることができる。
先ず第1に、前記像担持体が、前記基体と電荷発生層との間に、金属酸化物粒子を分散させたバインダ樹脂からなる下引層を有しておらず、前記転写ロールのオフセット量が2.4mm未満であると共に、前記転写ベルトの速度差が100.6%未満であり、前記転写ロール表面のアスカーC硬度が30度以上である場合には、表面(像担持体に接する面)のダイナミック硬さが10〜25の範囲であるベルト部材を用いることにより、より効果的に黒点または色点の発生を抑制することができる。
また第2に、上記第1の諸条件の内、転写ロールが、表面のアスカーC硬度30度未満のものとした画像形成装置で場合には、表面(像担持体に接する面)のダイナミック硬さが10〜29の範囲であるベルト部材を用いることにより、より効果的に黒点または色点の発生を抑制することができる。
また第3に、上記オーバーコート層を有し、且つ、ベルト部材の上記ダイナミック硬さが10〜45の範囲である本発明の画像形成装置であって、前記像担持体が、前記基体と電荷発生層との間に、金属酸化物粒子を分散させたバインダ樹脂からなる下引層を有していない場合、上記転写ロールのオフセット量が2.4mm以上であると共に、前記転写ベルトの速度差が100.6%以上であることにより、より効果的に黒点または色点の発生を抑制することができる。
また第4に、上記第3の諸条件においては、更に前記転写ロール表面のアスカーC硬度が30度未満であることにより、更に効果的に黒点または色点の発生を抑制することができる。
また第5に、上記オーバーコート層を有し、且つ、ベルト部材の上記ダイナミック硬さが10〜45の範囲である本発明の画像形成装置は、像担持体の、基体と電荷発生層との間に、金属酸化物粒子を分散させたバインダ樹脂を含んでなる下引層を有していることにより、より効果的に黒点または色点の発生を抑制することができる。
また第6に、上記第5の諸条件においては、上記転写ロールのオフセット量が2.4mm以上であると共に、前記転写ベルトの速度差が100.6%以上であることにより、更に効果的に黒点または色点の発生を抑制することができる。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
本実施例においては、表面のダイナミック硬さが異なる11本の中間転写ベルトを用意し、感光体ドラムの層構造、1次転写ロールの表面の硬さ、および1次転写領域における設定条件を変えて実験を行った。
まず、上記中間転写ベルト、感光体ドラム、及び1次転写ロールについて説明する。
〔中間転写ベルト〕
上記の通り、表面のダイナミック硬さが異なる11本の中間転写ベルト、即ち表面のダイナミック硬さが1以下,10,20,23,24,26,28,30,32,45,及び46である中間転写ベルト1〜11を作製した。
具体的には、中間転写ベルト1(ダイナミック硬さが1以下)及び中間転写ベルト2(同10)は、ポリイミド系樹脂の基材にクロロプレンゴムの中間層及びフッ素系樹脂材料の表面層を設けたものであり、中間層膜厚の調整によってダイナミック硬さを調整した。
また、中間転写ベルト3〜11(ダイナミック硬さが、それぞれ上記の通り20〜46)ポリイミド系樹脂の単層構造からなるものであり、ポリイミド材料の種類によってダイナミック硬さを調整した。
(ベース感光体1)
先ず、酸化亜鉛(SMZ−017N:テイカ社製)を100部及びトルエンを500部攪拌混合し、シランカップリング剤(A1100:日本ユニカー社製)を2部添加し、5時間攪拌した。その後トルエンを減圧蒸留にて留去し、120℃で2時間焼き付けを行った。得られた表面処理酸化亜鉛を蛍光X線により分析した結果、Si元素強度は亜鉛元素強度の1.8×10-4であった。
表面処理を施した酸化亜鉛を35部、硬化剤としてブロック化イソシアネート(スミジュール3175、住友バイエルンウレタン社製)を15部、ブチラール樹脂を(BM−1、積水化学社製)を6部、及びメチルエチルケトンを44部混合し、1mmφのガラスビーズを用いてサンドミルにて2時間の分散を行い分散液を得た。得られた分散液に触媒としてジオクチルスズジラウレートを0.005部、及びトスパール130(GE東芝シリコン社製)を17部添加し、下引層形成用塗布液を得た。この塗布液を、浸漬塗布法にてアルミニウム基材(外径84mmφ、円筒状)上に塗布し、160℃で100分の乾燥硬化を行い、膜厚20μmの下引層Aを形成した。表面粗さは、東京精密社製表面粗さ形状測定器サーフコム570Aを使用し、測定距離2.5mm、走査速度0.3mm/secで測定し、Rz値0.24であった。
次に、X線回折スペクトルにおけるブラッグ角(2θ±0.2°)が、7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°及び28.3°に強い回折ピークを持つヒドロキシガリウムフタロシアニンを1部、ポリビニルブチラール(エスレックBM−S、積水化学社製)を1部、及び酢酸n−ブチルを100部混合し、さらにガラスビーズとともにペイントシェーカーで1時間処理して分散し、電荷発生層形成用塗布液を得た。この塗布液を下引層A上に浸漬塗布し100℃で10分間加熱乾燥し、膜厚約0.15μmの電荷発生層を形成した。
次に、下記式(CT−1)で示されるベンジジン化合物を2部、下記式(B−1)で示される構造単位を有する高分子化合物(粘度平均分子量39,000)を3部及びクロロベンゼンを20部混合し溶解させ、電荷輸送層形成用塗布液を得た。この塗布液を、電荷発生層上に浸漬コーティング法で塗布し、110℃で40分の加熱を行ない、膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。このように、アルミニウム基材上に、下引層A、電荷発生層及び電荷輸送層が形成された感光体を「ベース感光体1」とした。
Figure 2006301619
(ベース感光体2)
先ず、ホーニング処理を施した外径84mmφの円筒状アルミニウム基材を準備した。次に、ジルコニウム化合物(商品名:オルガチックスZC540、マツモト製薬社製)を100部、シラン化合物(商品名:A1100、日本ユニカー社製)を10部、イソプロパノールを400部、及びブタノールを200部混合し、下引層形成用塗布液を得た。この塗布液をアルミニウム基材上に浸漬塗布し、150℃で10分間加熱乾燥し、膜厚0.1μmの下引層Bを形成した。
前記下引層B上にベース感光体1と同様にして電荷発生層、電荷輸送層を順次形成したものを「ベース感光体2」とした。
下記式(v−4)で示される化合物を2部、メチロール基を有するフェノール誘導体としてレジトップPL4852(群栄化学製)を3部、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(AO−80:旭電化製)を0.1部、フッ素グラフトポリマー(ZX007C:富士化成製)を0.2部、及びフッ素カップリング剤(KBM−7803:信越化学製)を0.1部混合し、イソプロピルアルコール10部に溶解させ、保護層形成用塗布液を得た。この塗布液をベース感光体1またはベース感光体2の電荷輸送層の上にリング型浸漬塗布法により塗布し、室温で30分風乾した後、135℃で1時間加熱処理して硬化させ、膜厚約5μmの保護層を形成し感光体1(ベース感光体1上に保護層形成したもの)、および感光体2(ベース感光体2上に上記保護層を形成したもの)を得た。
Figure 2006301619
〔1次転写ロール〕
表面のアスカーC硬度が30度である1次転写ロール1と、29度である1次転写ロール2と、を作製した。
具体的には、いずれも、導電性の基体上に、導電性発泡ウレタン層で形成されたものであり、アスカーC硬度の調整は、発泡ウレタン層厚さと発泡密度によって行った。
(実験例1)
画像形成装置として、富士ゼロックス社製の画像形成装置(Docu Centre1250CP)を改造したものを用いた。このDocu Centre1250CPはフルカラーのロータリ現像器を備えた画像形成装置であって、感光体ドラムの帯電方式はチャージコロトロンによる非接触帯電方式を採用したものであるが、これを以下の様に改造した。
まず、帯電装置を図1に示す接触型帯電装置(帯電ロール)に変更し、感光体ドラムには前記より得られた感光体ドラム2(金属酸化物粒子を含有する下引層を有さない感光体ドラム)を用いた。また、1次転写ロールとして、前記より得られた1次転写ロール1(表面のアスカーC硬度が30度である1次転写ロール)を用い、中間転写ベルトとしては、前記より得られた表面のダイナミック硬さが異なる中間転写ベルト1〜11を用い、各中間転写ベルト1〜11を付け替えて画像形成をその都度行った。
尚、1次転写領域における転写条件は以下のようにした。
1次転写ロールのオフセット量;0.3mm
感光体ドラムの回転速度;220.0mm/sec
中間転写ベルトの速度差;感光体ドラムの回転速度の100.25%
1次転写ロールの押付力;0.0017N/mm
1次転写ロールに流す転写バイアス電流値;30μA
以下、1次転写領域における上記転写条件を、第1転写条件と称する。
画像形成にあたっては、1次転写領域に意図的に導電性異物を混入させて画像形成を行った。すなわち、まず、黒トナーカートリッジに、トナーとの質量比1/1000の割合でカーボンファイバー(東レ(株)製トレカ ミドルファイバーMLD−300)を混入させておき、最初に、濃度50%の画像をA3用紙(富士ゼロックス社製、商品名:C2用紙)全面に100枚プリントした。続いて、A3サイズ全面に濃度50%の画像を形成したサンプルとA3サイズ全面を白紙にしたサンプルとの2枚セットを15セットプリントし、その後、A3サイズ全面に濃度30%の画像を形成したサンプルとA3サイズ全面を白紙にしたサンプルとの2枚セットを1セットプリントし、得られた総てのサンプルを用いて、感光体ドラム1周分の面積に相当する部分に表れた色点の数を目視にてカウントした。また、形成された画像に色ズレが生じていないかについても目視にて確認した。結果を表10に示す。この表10では、上段に色点発生数を記し、下段に色ずれの有無を記す。
(実験例2)
実験例1で用いた画像形成装置における1次転写領域の転写条件を以下に示すように変更した以外は、実験例1において用いた画像形成装置に手を加えず、実験例1と同様に、表面のダイナミック硬さが異なる中間転写ベルト1〜11をそれぞれ取り付け、画像形成をその都度行い、上記の通り色点数のカウントおよび色ズレの有無の確認を行った。すなわち、感光体ドラムの層構造、および1次転写ロール表面のアスカーC硬度は実験例1と同じである。結果を表10に示す。
1次転写ロールのオフセット量;4.5mm
中間転写ベルトの速度差;感光体ドラムの回転速度の101.0%
以下、1次転写領域における上記転写条件を、第2転写条件と称する。
(実験例3)
実験例1で用いた画像形成装置における1次転写ロールを、表面の硬さがアスカーC硬度で29度である1次転写ロール2に変更した以外は、実験例1において用いた画像形成装置に手を加えず、実験例1と同様に、表面のダイナミック硬さが異なる中間転写ベルト1〜11をそれぞれ取り付け、画像形成をその都度行い、上記の通り色点数のカウントおよび色ズレの有無の確認を行った。すなわち、感光体ドラムの層構造、および1次転写領域における転写条件は実験例1と同じである。結果を表10に示す。
(実験例4)
実験例3で用いた画像形成装置における1次転写領域の転写条件を、実験例2で用いた第2転写条件に変更した以外は、実験例3において用いた画像形成装置に手を加えず、実験例3と同様に、表面のダイナミック硬さが異なる中間転写ベルト1〜11をそれぞれ取り付け、画像形成をその都度行い、上記の通り色点の数のカウントおよび色ズレの有無の確認を行った。すなわち、感光体ドラムの層構造、および1次転写ロール表面のアスカーC硬度は実験例3と同じである。結果を表10に示す。
(実験例5)
実験例1で用いた画像形成装置における感光体ドラムを、前記より得た感光体ドラム1
(金属酸化物粒子を含有する下引層を有する感光体ドラム)に変えた以外は、実験例1において用いた画像形成装置に手を加えず、実験例1と同様に、表面のダイナミック硬さが異なる中間転写ベルト1〜11をそれぞれ取り付け、画像形成をその都度行い、上記の通り色点数のカウントおよび色ズレの有無の確認を行った。すなわち、1次転写ロール表面のアスカーC硬度、および1次転写領域における転写条件は実験例1と同じである。結果を表10に示す。
(実験例6)
実験例5で用いた画像形成装置における1次転写領域の転写条件を、実験例2で用いた第2転写条件に変更した以外は、実験例5において用いた画像形成装置に手を加えず、実験例5と同様に、表面のダイナミック硬さが異なる中間転写ベルト1〜11をそれぞれ取り付け、画像形成をその都度行い、上記の通り色点数のカウントおよび色ズレの有無の確認を行った。すなわち、感光体ドラムの層構造、および1次転写ロール表面のアスカーC硬度は実験例5と同じである。結果を表10に示す。
(実験例7)
実験例5で用いた画像形成装置における1次転写ロールを、表面の硬さがアスカーC硬度で29度である1次転写ロール2に変更した以外は、実験例5において用いた画像形成装置に手を加えず、実験例5と同様に、表面のダイナミック硬さが異なる中間転写ベルト1〜11をそれぞれ取り付け、画像形成をその都度行い、上記の通り色点数のカウントおよび色ズレの有無の確認を行った。すなわち、感光体ドラムの層構造、および1次転写領域における転写条件は実験例5と同じである。結果を表10に示す。
(実験例8)
実験例6で用いた画像形成装置における1次転写ロールを、表面の硬さがアスカーC硬度で29度である1次転写ロール2に変更した以外は、実験例6において用いた画像形成装置に手を加えず、実験例6と同様に、表面のダイナミック硬さが異なる中間転写ベルト1〜11をそれぞれ取り付け、画像形成をその都度行い、色点数のカウントおよび色ズレの有無の確認を行った。すなわち、感光体ドラムの層構造、および1次転写領域における転写条件は実験例6と同じである。結果を表10に示す。
Figure 2006301619
表10に示すそれぞれの条件において、感光体ドラムが最表層としてオーバーコート層を有し、且つ中間転写ベルト表面のダイナミック硬さが45以下である本発明の画像形成装置と、上記ダイナミック硬さが45を越えている中間転写ベルトを用いた画像形成装置と、を比べてみると、本発明の画像形成装置は意図的に導電性異物を混入させたストレス条件であっても、効果的に色点の発生を抑制することができている。
一方、中間転写ベルト表面のダイナミック硬さが10未満の場合には、いずれの条件であっても色ズレが確認されている。これは、中間転写ベルトを駆動している際の応力によってベルトが変形し、転写画像に色ズレが生じたことが原因であると考える。また、各実験例で用いた画像形成装置にはいずれにも、循環移動する中間転写ベルトの表面に図1に示すようなゴム性のブレード71の先端を押し当てて付着物等を剥がし取るベルトクリーナ70が設けられている。中間転写ベルト表面のダイナミック硬さが10未満の場合には、中間転写ベルト表面が柔らかすぎてしまいブレードの先端がベルト表面に食い込んでしまい、中間転写ベルトの循環移動が阻害され、これによっても色ズレが生じたと考える。したがって、色ズレの発生を抑えるには、中間転写ベルト表面のダイナミック硬さの値を10以上にすることが必要である。
尚、色点の発生数に着目してみると、ストレス条件での実験であることから、色点の発生数は20個未満であることが特に好ましいものと思われる。したがって、感光体ドラムが、その最表層として前述のオーバーコート層を有し、中間転写ベルト表面(像担持体に接する面)のダイナミック硬さが10〜45の範囲である本発明の画像形成装置は、更に感光体ドラムの、基体と電荷発生層との間に、金属酸化物粒子を分散させたバインダ樹脂を含んでなる下引層を有していることが特に好ましいものであることがわかる。
また同様に、本発明の画像形成装置は、更に1次転写領域における転写条件が第2転写条件(即ち、1次転写ロールのオフセット量が2.4mm以上で、且つ中間転写ベルトの速度差が100.6%以上)を満たしていることが特に好ましいものであることがわかる。
更には、本発明の画像形成装置が、上記下引層を有さず、1次転写領域における転写条件が第1転写条件(即ち、1次転写ロールのオフセット量が2.4mm未満で、且つ中間転写ベルトの速度差が100.6%未満)であり、且つ1次転写ロール表面のアスカーC硬度が29度(30度未満)である場合、中間転写ベルト表面のダイナミック硬さが10〜29であることが特に好ましく、上記アスカーC硬度が30度以上である場合、中間転写ベルト表面のダイナミック硬さが10〜25であることが特に好ましいものであることがわかる。
(実験例9)
続いて、実験計画法を用いて実験を行った結果について説明する。画像形成装置としては、実験例1と同様、富士ゼロックス社製の画像形成装置(Docu Centre1250CP)を改造したものを用いた。
結果の要因効果図を図7に示す。
ここでは、実験計画法の直交表に基づき以下の7つの要因と、それぞれの要因の水準をL18直交表にわりつけ、更にその他に外乱を2水準もうけて、L18×2の直交テストを実施した。ここでも実験例1〜8と同じように1次転写領域に意図的に導電性異物を混入させて画像形成を行い、発生した色点数のカウントを行った。
尚、7つの要因としては、(1)中間転写ベルト材質,(2)一次転写ロールのアスカーC硬度,(3)感光体ドラムにおける金属酸化物粒子を含有する下引層の介在,(4)1次転写ロールのオフセット量,(5)中間転写ベルトの速度差,(6)1次転写ロールの押付圧力,(7)1次転写ロールに流す転写バイアス電流値を用いた。
図7に示すグラフは、各要因ごとにそれぞれの水準の色点の数をカウントした結果を表すものであって、縦軸は発生した色点の量を示し、上にいくほど発生した色点の量が少なかったことを表している。また、このグラフに示す1点鎖線は、色点発生数の全体の平均値を示すものである。
以下、各要因ごとのそれぞれの水準について説明するが、各水準の末尾に括弧でくくった記号は、図7に示すグラフにおけるプロットの記号に対応している。
(1)中間転写ベルト材質の水準としては、(i)ポリイミド系樹脂の単層構造であって表面のダイナミック硬さが46のもの(即ち、前記中間転写ベルト11)(×),(ii)同じくポリイミド系樹脂の単層構造であって表面のダイナミック硬さが28のもの(即ち、前記中間転写ベルト7)(◇),(iii)同じくポリイミド系樹脂の単層構造であって表面のダイナミック硬さが20のもの(即ち、前記中間転写ベルト3)(△),(iv)ポリイミド系樹脂の基材に厚さ0.2mmのクロロプレンゴムの中間層およびフッ素系樹脂材料の表面層を設けたもの(□),(v)ポリイミド系樹脂の基材に厚さ0.3mmのクロロプレンゴムの中間層およびフッ素系樹脂材料の表面層を設けたもの(○),(vi)ポリイミド系樹脂の基材に厚さ0.5mmのクロロプレンゴムの中間層およびフッ素系樹脂材料の表面層を設けたもの(◎)からなる6水準を用いた。なお、(iv)〜(vi)の各水準においては、中間層を設けたことにより中間転写ベルト表面のダイナミック硬さの値は10以上20未満であり、中間層の厚みが厚ければ厚いほど中間転写ベルト表面のダイナミック硬さの値は小さい値になる。
(2)一次転写ロールのアスカーC硬度の水準としては、(i)20度(△),(ii)29度(即ち、前記1次転写ロール2)(×),(iii)30度(即ち、前記1次転写ロール1)(○)からなる3水準を用いた。
尚、(i)の1次転写ロールは、前記1次転写ロール1及び2と同様の層構成であり、同様の方法によってアスカーC硬度の調整を行った。
(3)感光体ドラムにおける金属酸化物粒子を含有する下引層の介在の水準としては、(i)金属酸化物粒子を含有する下引層有さない(即ち、前記感光体ドラム2)(×),(ii)金属酸化物粒子を含有する下引層を有する(即ち、前記感光体ドラム1)(○)からなる2水準を用いた。
(4)1次転写ロールのオフセット量の水準としては、(i)1.5mm(×),(ii)3.0mm(△),(iii)4.5mm(○)からなる3水準を用いた。
(5)感光体ドラムの回転速度に対する中間転写ベルトの移動速度の比の水準としては、(i)101.0%(○),(ii)100.25%(×)からなる2水準を用いた。
(6)1次転写ロールの押付圧力の水準としては、(i)0.0024N/mm(×),(ii)0.0020N/mm(○),(iii)0.0017N/mm(◎)からなる3水準を用いた。
(7)1次転写ロールに流す転写バイアス電流値の水準としては、(i)45.0μA(◇),(ii)37.5μA(×),(iii)30.0μA(○)からなる3水準とした。
図7に示す(1)中間転写ベルト材質についての結果からも、中間転写ベルト表面のダイナミック硬さの値が45以下であると、色点の発生が抑えられることがわかる。また、(2)一次転写ロールのアスカーC硬度についての結果から、硬度が30度以上となることで色点の発生が多くなることがわかる。(3)感光体ドラムにおける金属酸化物粒子を含有する下引層の介在についての結果から、感光体ドラムの上記下引層の存在によっても色点の発生が抑えられることがわかる。またさらに、この図7に示すグラフからは、1次転写領域における設定条件についての細かな検証を行うことができる。すなわち、(4)1次転写ロールのオフセット量についての結果から、1次転写ロールのオフセット量を大きくする(即ち、2.4mm以上とする)と、色点の発生が抑えられることがわかり、(5)感光体ドラムの回転速度に対する中間転写ベルトの移動速度の差についての結果からは、中間転写ベルトの移動速度を速くする(即ち、100.6%以上とする)と、色点の発生が抑えられることがわかる。また、効果はやや小さいものの(6)1次転写ロールの押付力についての結果からは、1次転写ロールの押付力を0.0020N/mm以下にすることでも色点の発生が抑えられ、(7)1次転写ロールに流す転写バイアス電流値についての結果からは、転写バイアス電流値を30μAにすることで色点の発生が抑えられる傾向がある。
本発明の画像形成装置の一実施形態を示す概略構成図である。 図1の画像形成装置に用いられる中間転写ベルトの構成を示す概略断面図である。 図1の画像形成装置に用いられる感光体ドラムの構成を示す概略断面図である。 図1に示す画像形成装置に存在する4つの1次転写領域のうちの1つの1次転写領域を拡大して示す概略構成図である。 図1の画像形成装置に用いられる、下引層を有する感光体ドラムの構成を示す概略断面図である。 本発明の画像形成装置の一実施形態を示す概略構成図である。 実験計画法を用いて実験を行った結果の要因効果図である。
符号の説明
1 画像形成装置
10 トナー像形成ユニット
11 像担持体(感光体ドラム)
11A 回転中心軸
111 基体
112 電荷発生層
113 電荷輸送層
1131 オーバーコート層
114 下引層
12 現像装置
121 マグロール
13 帯電装置
14 クリーニングブラシ
20 1次転写ロール
20A 回転中心軸
30 中間転写ベルト
31 基材
32 中間層
33 表面層
35 支持ロール
40 一括転写装置
41 2次転写ロール
50 定着装置
51 定着ロール
511 加熱機構
52 圧力ロール
60 用紙トレイ
61 フィードロール
70 ベルトクリーナ
71 ブレード
80 用紙搬送ベルト
85 支持ロール
L レーザー光
P 記録媒体(用紙)

Claims (1)

  1. 所定の回転軸を中心に回転する像担持体と、前記像担持体を帯電させる帯電手段と、前記帯電された像担持体を露光し静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーにより現像しトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を転写媒体に転写する転写手段と、を少なくとも有し、且つ、該転写手段の転写領域に所定の回転軸を中心に回転する転写ロールを有し、前記像担持体と前記転写ロールとによって挟み込まれた転写領域を通過するようにベルト部材が配置された画像形成装置であって、
    前記像担持体が、導電性の基体上に、少なくとも電荷発生層と電荷輸送層とをこの順に積層し、且つ、その上に最表層として、メチロール基を有するフェノール誘導体と、電荷輸送材料と、を含有するオーバーコート層を積層し、
    前記ベルト部材の、前記像担持体に接する面のダイナミック硬さが10〜45の範囲であることを特徴とする画像形成装置。
JP2006086740A 2005-03-25 2006-03-27 画像形成装置 Pending JP2006301619A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006086740A JP2006301619A (ja) 2005-03-25 2006-03-27 画像形成装置

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005090257 2005-03-25
JP2006086740A JP2006301619A (ja) 2005-03-25 2006-03-27 画像形成装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006301619A true JP2006301619A (ja) 2006-11-02

Family

ID=37469907

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006086740A Pending JP2006301619A (ja) 2005-03-25 2006-03-27 画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006301619A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010002567A (ja) * 2008-06-19 2010-01-07 Konica Minolta Business Technologies Inc 中間転写体
JP2013044824A (ja) * 2011-08-22 2013-03-04 Fuji Xerox Co Ltd 画像形成装置、及びプロセスカートリッジ
JP2016148840A (ja) * 2015-02-11 2016-08-18 ゼロックス コーポレイションXerox Corporation 改善された耐コロナ性のためのフッ素化構造化有機膜への非網目正孔輸送分子の添加

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010002567A (ja) * 2008-06-19 2010-01-07 Konica Minolta Business Technologies Inc 中間転写体
JP2013044824A (ja) * 2011-08-22 2013-03-04 Fuji Xerox Co Ltd 画像形成装置、及びプロセスカートリッジ
JP2016148840A (ja) * 2015-02-11 2016-08-18 ゼロックス コーポレイションXerox Corporation 改善された耐コロナ性のためのフッ素化構造化有機膜への非網目正孔輸送分子の添加

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4715259B2 (ja) 画像形成装置、プロセスカートリッジ及び画像形成方法
KR101398905B1 (ko) 대전 부재 청소 부재, 대전 부재 청소 부재의 제조 방법, 대전 장치, 프로세스 카트리지 및 화상 형성 장치
JP2009063862A (ja) 帯電装置、プロセスカートリッジ、画像形成装置、およびクリーニング部材
JP2019095672A (ja) プロセスカートリッジ及び電子写真画像形成装置
JP2006251400A (ja) 画像形成方法および画像形成装置
JP2006276065A (ja) 画像形成装置
JP2006072293A (ja) 電子写真感光体、画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP2007086441A (ja) クリーニング装置および画像形成装置
JP4765605B2 (ja) 画像形成装置
JP4544096B2 (ja) 画像形成装置、電子写真用トナー、および電子写真用現像剤
JP5422927B2 (ja) 帯電部材、帯電装置、プロセスカートリッジおよび画像形成装置
JP2008026399A (ja) 帯電部材クリーニングロール、帯電装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP4674447B2 (ja) 画像形成装置
JP2006301619A (ja) 画像形成装置
JP2006259389A (ja) 画像形成装置及び画像形成方法
JP2006276263A (ja) 画像形成装置
JP5453874B2 (ja) 画像形成装置
JP2005309383A (ja) クリーニング装置、および画像形成装置
JP2006276103A (ja) 画像形成装置
JP4506582B2 (ja) 電子写真感光体、画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP2008134573A (ja) 電子写真感光体、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法
JP4840064B2 (ja) 電子写真感光体、画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP4810897B2 (ja) 積層体、電子写真感光体、画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP2006178005A (ja) 画像形成装置
JP2006259616A (ja) 画像形成装置