JP2006300971A - 撮像装置、決定方法、並びにプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】複数枚の光学フィルタが円状に配置されているフィルタ固定部材を回転させることにより、前記複数枚の光学フィルタを切り換える撮像装置において、光学フィルタの切り換え時にフィルタ固定部材を停止させる停止位置を、容易にかつ最適に決定することができるようにする。
【解決手段】 制御部102は、角度値検出部104により検出された角度値に応じてフィルタディスク(フィルタ固定部材)を回転駆動するモータ103を制御するとともに、角度値検出部104により検出された角度値が変化しなくなったときの角度値に基づいて、光学フィルタの切り換える時にフィルタディスクを停止させる停止位置を決定する。本発明は、例えば、複数枚の光学フィルタを切り換えて撮像する撮像装置に適用できる。
【選択図】図5
【解決手段】 制御部102は、角度値検出部104により検出された角度値に応じてフィルタディスク(フィルタ固定部材)を回転駆動するモータ103を制御するとともに、角度値検出部104により検出された角度値が変化しなくなったときの角度値に基づいて、光学フィルタの切り換える時にフィルタディスクを停止させる停止位置を決定する。本発明は、例えば、複数枚の光学フィルタを切り換えて撮像する撮像装置に適用できる。
【選択図】図5
Description
本発明は、撮像装置、決定方法、並びにプログラムに関し、特に、複数枚の光学フィルタが円状に配置されているフィルタ固定部材を回転させることにより、前記複数枚の光学フィルタを切り換える撮像装置において、光学フィルタの切り換え時にフィルタ固定部材を停止させる停止位置を、容易にかつ最適に決定することができるようにする撮像装置、決定方法、並びにプログラムに関する。
撮像装置には、被写体からの光の分光特性を調整(補正)するフィルタ(光学フィルタ)が設けられているものがある。一般的には、複数種類の特性にそれぞれ対応する複数枚のフィルタが撮像装置内に用意され、撮像条件に応じて、複数枚のフィルタのなかから1つのフィルタが選択され、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Mental Oxide Semiconductor)などの撮像素子の前面に位置決めされる。
撮像装置内に用意されている複数枚のフィルタのなかから、所定の1枚のフィルタを選択する方法としては、複数枚の光学フィルタが円状に配置されているフィルタディスク(フィルタ固定部材)を用いて、撮影者がフィルタ切り替え用のツマミ等を操作して(回転させ)、複数枚のフィルタが装着されているフィルタディスクを回転させる方法(手動でフィルタを切り換える方法)や、モータによってフィルタディスクを回転させる方法(自動でフィルタを切り換える方法)などがある(例えば、特許文献1参照)。
モータによって自動でフィルタを切り換える場合、複数枚のフィルタそれぞれについて、フィルタディスクを回転させたときにフィルタが撮像素子の前面となる停止位置を前もって決定し、撮像装置に登録しておく必要がある。
従来、フィルタが撮像素子の前面となるフィルタディスクの停止位置を決定する作業(処理)では、撮像装置の調整をする人間(調整者)が、最適と思われる停止位置にフィルタを移動(フィルタディスクを回転)させ、そこの位置を停止位置として決定(登録)するというような、調整する人間の目視確認による作業が行われており、調整する人間による停止位置のバラつきや、フィルタディスクの停止位置を決定する作業の煩わしさなどがあった。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、光学フィルタの切り換え時にフィルタ固定部材を停止させる停止位置を、容易にかつ最適に決定することができるようにするものである。
本発明の撮像装置は、フィルタ固定部材を回転駆動する駆動手段と、フィルタ固定部材の回転角度を表す角度値を検出する角度値検出手段と、角度値検出手段により検出された角度値に応じて駆動手段を制御する制御手段とを備え、制御手段は、さらに、角度値が変化しなくなったときの角度値に基づいて、光学フィルタの切り換え時にフィルタ固定部材を停止させる停止位置をさらに決定することを特徴とする。
制御手段には、角度値検出手段により検出された角度値に応じて駆動手段に印加する電圧値を制御することにより、駆動手段を制御させることができる。
制御手段には、フィルタ固定部材が回転を開始するまでは、駆動手段に印加する電圧値を上昇させ、フィルタ固定部材が回転を開始してからは、駆動手段に印加している電圧値を保持するように、駆動手段に印加する電圧値を制御させることができる。
制御手段には、フィルタ固定部材が時計回りに回転駆動された場合に角度値が変化しなくなったときの角度値と、フィルタ固定部材が反時計回りに回転駆動された場合に角度値が変化しなくなったときの角度値との中間値を、光学フィルタの切り換え時にフィルタ固定部材を停止させる停止位置として決定させることができる。
負荷手段によってフィルタ固定部材の回転と逆方向の負荷がフィルタ固定部材に与えられ、フィルタ固定部材の回転を停止させることができる。
本発明の決定方法は、フィルタ固定部材が回転駆動された場合に、フィルタ固定部材の回転角度を表す角度値を検出する角度値検出ステップと、検出された角度値に応じてフィルタ固定部材の回転駆動を制御するとともに、検出された角度値が変化しなくなったときの角度値に基づいて、光学フィルタの切り換え時にフィルタ固定部材を停止させる停止位置を決定する制御ステップとを含むことを特徴とする。
本発明のプログラムは、フィルタ固定部材が回転駆動された場合に、フィルタ固定部材の回転角度を表す角度値を検出する角度値検出ステップと、検出された角度値に応じてフィルタ固定部材の回転駆動を制御するとともに、検出された角度値が変化しなくなったときの角度値に基づいて、光学フィルタの切り換え時にフィルタ固定部材を停止させる停止位置を決定する制御ステップとを含むことを特徴とする。
本発明においては、フィルタ固定部材が回転駆動された場合に、フィルタ固定部材の回転角度を表す角度値が検出され、その検出された角度値に応じてフィルタ固定部材の回転駆動が制御されるとともに、検出された角度値が変化しなくなったときの角度値に基づいて、光学フィルタの切り換え時にフィルタ固定部材を停止させる停止位置が決定される。
本発明によれば、光学フィルタの切り換え時にフィルタ固定部材を停止させる停止位置を、容易にかつ最適に決定することができる。
以下に本発明の実施の形態を説明するが、請求項に記載の構成要件と、発明の実施の形態における具体例との対応関係を例示すると、次のようになる。この記載は、請求項に記載されている発明をサポートする具体例が、発明の実施の形態に記載されていることを確認するためのものである。従って、発明の実施の形態中には記載されているが、構成要件に対応するものとして、ここには記載されていない具体例があったとしても、そのことは、その具体例が、その構成要件に対応するものではないことを意味するものではない。逆に、具体例が構成要件に対応するものとしてここに記載されていたとしても、そのことは、その具体例が、その構成要件以外の構成要件には対応しないものであることを意味するものでもない。
さらに、この記載は、発明の実施の形態に記載されている具体例に対応する発明が、請求項に全て記載されていることを意味するものではない。換言すれば、この記載は、発明の実施の形態に記載されている具体例に対応する発明であって、この出願の請求項には記載されていない発明の存在、すなわち、将来、分割出願されたり、補正により追加されたりする発明の存在を否定するものではない。
請求項1に記載の撮像装置は、
複数枚の光学フィルタ(例えば、図2のフィルタ31A乃至31D)が円状に配置されているフィルタ固定部材(例えば、図2のフィルタディスク21)を回転させることにより、前記複数枚の光学フィルタを切り換える撮像装置(例えば、図1の撮像装置1)において、
前記フィルタ固定部材を回転駆動する駆動手段(例えば、図5のモータ103)と、
前記フィルタ固定部材の回転角度を表す角度値を検出する角度値検出手段(例えば、図5の角度値検出部104)と、
前記角度値検出手段により検出された前記角度値に応じて前記駆動手段を制御する制御手段(例えば、図5の制御部102)と
を備え、
前記制御手段は、さらに、前記角度値が変化しなくなったときの前記角度値に基づいて、前記光学フィルタの切り換え時に前記フィルタ固定部材を停止させる停止位置を決定する
ことを特徴とする。
複数枚の光学フィルタ(例えば、図2のフィルタ31A乃至31D)が円状に配置されているフィルタ固定部材(例えば、図2のフィルタディスク21)を回転させることにより、前記複数枚の光学フィルタを切り換える撮像装置(例えば、図1の撮像装置1)において、
前記フィルタ固定部材を回転駆動する駆動手段(例えば、図5のモータ103)と、
前記フィルタ固定部材の回転角度を表す角度値を検出する角度値検出手段(例えば、図5の角度値検出部104)と、
前記角度値検出手段により検出された前記角度値に応じて前記駆動手段を制御する制御手段(例えば、図5の制御部102)と
を備え、
前記制御手段は、さらに、前記角度値が変化しなくなったときの前記角度値に基づいて、前記光学フィルタの切り換え時に前記フィルタ固定部材を停止させる停止位置を決定する
ことを特徴とする。
請求項6に記載の決定方法は、
複数枚の光学フィルタが円状に配置されているフィルタ固定部材を回転させることにより、前記複数枚の光学フィルタを切り換える撮像装置の、前記光学フィルタの切り換え時に前記フィルタ固定部材を停止させる停止位置を決定する決定方法において、
前記フィルタ固定部材が回転駆動された場合に、前記フィルタ固定部材の回転角度を表す角度値を検出する角度値検出ステップ(例えば、図11のステップS36の処理)と、
検出された前記角度値に応じて前記フィルタ固定部材の回転駆動を制御するとともに(例えば、図11のステップS32の処理)、検出された前記角度値が変化しなくなったときの前記角度値に基づいて、前記光学フィルタの切り換え時に前記フィルタ固定部材を停止させる停止位置を決定する制御ステップ(例えば、図10のステップS14の処理)と
を含むことを特徴とする。
複数枚の光学フィルタが円状に配置されているフィルタ固定部材を回転させることにより、前記複数枚の光学フィルタを切り換える撮像装置の、前記光学フィルタの切り換え時に前記フィルタ固定部材を停止させる停止位置を決定する決定方法において、
前記フィルタ固定部材が回転駆動された場合に、前記フィルタ固定部材の回転角度を表す角度値を検出する角度値検出ステップ(例えば、図11のステップS36の処理)と、
検出された前記角度値に応じて前記フィルタ固定部材の回転駆動を制御するとともに(例えば、図11のステップS32の処理)、検出された前記角度値が変化しなくなったときの前記角度値に基づいて、前記光学フィルタの切り換え時に前記フィルタ固定部材を停止させる停止位置を決定する制御ステップ(例えば、図10のステップS14の処理)と
を含むことを特徴とする。
請求項7に記載のプログラムの各ステップの具体例も、請求項6に記載の決定方法の各ステップの発明の実施の形態における具体例と同様である。
以下、図を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明を適用した撮像装置1の外観の構成例を示す図である。
図1において、撮像装置1は、図示せぬ被写体を撮像し、その結果得られた画像データ(動画像または静止画像)を記録媒体に記録する撮像装置であり、本体部11、鏡筒部12、およびフィルタサーボユニット13により構成される。
本体部11は、フィルタサーボユニット13により回転駆動制御されるフィルタディスク21と、被写体からの光を受光する撮像素子22とを少なくとも内蔵し、フィルタディスク21に取り付けられているフィルタ(図2で後述するフィルタ31A乃至31Dのいずれか)を介して撮像素子22で受光された被写体からの光を電気信号に変換(光電変換)し、画像データとして、所定の記録媒体に記憶する。
鏡筒部12は、レンズ51や絞り52(ともに図4)などで構成され、被写体からの光を撮像素子22に結像させる。
フィルタサーボユニット13は、フィルタディスク(フィルタ固定部材)21に取り付けられている複数枚のフィルタ(フィルタ31A乃至31D)のなかの所定の1枚のフィルタが撮像素子22の前面となるように、フィルタディスク21を回転駆動させる。なお、本実施の形態においては、フィルタを切り換えるとは、フィルタディスク21を回転駆動させ、所定のフィルタを撮像素子22の前面に配置させることを表す。
なお、フィルタサーボユニット13は、図12で後述するように、元々、フィルタを手動で切り換えるタイプの撮像装置201を、後に自動で切り換えるタイプに変更(改造)する場合との互換性(共用)のため、本体部11とは別に外側に設けているが、予め自動でフィルタを切り換えるタイプとして撮像装置を製造する場合には、フィルタサーボユニット13を本体部11内に内蔵することが可能である。
図2および図3を参照して、フィルタディスク21について詳しく説明する。
図2は、フィルタディスク21の外観構成例を示している。
図2のフィルタディスク21には、4枚のフィルタ31A乃至31Dが円状に配置されて装着されている。
4枚のフィルタ31A乃至31Dそれぞれは、例えば、光の分光特性を変えずに光の強さを減らす(光を吸収する)ND(Neutral density)フィルタや、色の補正(調整)を行うCC(Color Compensation)フィルタなどである。なお、以下において、フィルタ31A乃至31Dそれぞれを特に区別する必要がない場合、単にフィルタ31と称する。
また、フィルタディスク21の円周部には、4枚のフィルタ31A乃至31Dそれぞれに対応する切れ込み(凹部)32A乃至32Dが設けられている。なお、以下において、切れ込み32A乃至32Dそれぞれを特に区別する必要がない場合、単に切れ込み32と称する。
フィルタディスク21は、フィルタサーボユニット13(図1)により、回転軸41を中心に回転駆動されるようになされており、4枚のフィルタ31A乃至31Dが、それぞれ、切れ込み32A乃至32Dにより、図2において点線で示されている撮像素子22の前面に配置されるように位置決めされる。
即ち、図3に示すように、ローラ43が、ローラ固定器42により回転軸41方向(図3で矢印で示す方向)に付勢されて、フィルタディスク21の円周部と接触している。ローラ固定器42は、他の部品(図示せず)に固定されており、ローラ43は、フィルタディスク21の円周上であって、回転軸41の中心点とローラ43の中心点とを結ぶ直線上の位置で、フィルタディスク21の回転に応動して回転する。
フィルタディスク21が回転し、ローラ43がフィルタディスク21の円周上に設けられた切れ込み32A乃至32Dのいずれかに落ち込んだ場合、フィルタディスク21の回転に対する負荷が大きくなり、フィルタディスク21の回転が停止する。従って、切れ込み32A乃至32D(負荷手段)は、フィルタディスク21の回転に負荷を与えて、フィルタディスク21の回転を停止させる。
そして、切れ込み32A乃至32Dにローラ43が落ち込んだ場合、フィルタ31A乃至31Dそれぞれが、ちょうど撮像素子22の前面となるように切れ込み32A乃至32Dが設けられている。図3では、ローラ43が切れ込み32Aに落ち込んだ状態を示しており、フィルタ31Aが、撮像装置22の前面となっている。
図4は、撮像装置1の構成例を示すブロック図である。
撮像装置1は、レンズ51、絞り52、およびフィルタディスク21に装着されているフィルタ31A乃至31D(図3)のいずれかを介して入力された光を電気信号に変換する撮像素子22を有している。
前処理回路53は、図示せぬCDS回路(Correlated Double Sampling circuit)やAGC回路(Automatic Gain Control circuit)等により構成され、例えば、CDS回路において入力された画像信号のノイズ成分を除去したり、AGC回路においてその画像信号のゲインを調整したりし、その処理済の信号をA/D(Analog / Digital)変換部54に供給する。A/D変換部54は、前処理回路53より供給されたアナログの画像信号をディジタルの画像データに変換し、DSP(Digital Signal Processor)55に出力する。
DSP55は、信号処理用プロセッサと画像用RAM(Random Access Memory)を持つブロックで、信号処理用プロセッサが画像用RAMに格納された画像データに対して、例えば、画像データに対応する画像の歪みを抑制する画像補正処理等の、予めプログラムされた画像処理を行うことができるようになっている。DSP55は、画像処理後の画像データを、コーデック部56に供給する。
コーデック部56は、DSP55より供給された画像データに対して、予め定められた所定の方式による符号化処理を行い、符号化された画像データを画像用記憶部57に供給する。画像用記憶部57は、RAMやフラッシュメモリ等の半導体メモリ、ハードディスク等の磁気記録媒体、または、光磁気ディスクや光ディスク等の他の記録媒体等で構成され、コーデック部56より供給された画像データを記憶する。
また、DSP55は、コーデック部56だけでなく、D/A変換部58にも画像処理後の画像データを供給する。D/A変換部58は、D/A変換器等により構成され、DSP55より供給されたディジタル信号である画像データをアナログの画像信号に変換し、ビデオエンコーダ59に供給する。ビデオエンコーダ59は、取得したアナログの画像信号を所定の方式のビデオ信号に変換し、ビデオモニタ60に供給する。ビデオモニタ60は、CRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)のディスプレイ等により構成され、ビデオエンコーダ59より供給されたビデオ信号に対応する画像を表示する。このビデオモニタ60は、撮像装置1のファインダの代わりとして、撮影者により使用される。すなわち、撮影者は、ビデオモニタ60に表示された画像を確認しながら撮像処理を行うことができる。
DSP55、コーデック部56、並びに画像用記憶部57は、バス61を介して、撮像装置1の各部を制御するCPU71等と接続されており、CPU71の制御の下で動作し、必要に応じて所定のデータをCPU71に供給する。
CPU71は、ROM72に記憶されているプログラム、または、ドライブ77に装着されたリムーバブルメディア81や、通信部76を介して撮像装置1の外部からRAM73にロードされたプログラムに従って各部を制御したり、各種の処理を実行したりする。RAM73にはまた、CPU71が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
また、CPU71は、入力部74より入力された撮影者からの指示情報や、DSP55より供給された制御情報、または、各種のプログラムを実行することにより得られた情報等に基づいて、バス61を介して、タイミングジェネレータ(TG)62を制御する。
タイミングジェネレータ62は、動作タイミングを決定するタイミング制御信号を出力する回路であり、タイミング制御信号を供給することにより、撮像素子22、前処理回路53、A/D変換部54、およびDSP55の各部の動作タイミングを制御する。
フィルタ駆動部63は、フィルタ31A乃至31Dのいずれかが撮像素子22の前面となるように、フィルタディスク21を所定の位置に回転駆動させる。なお、フィルタ駆動部63は、図1のフィルタサーボユニット13に対応する。
バス61には、また、操作ボタン(スイッチ)、操作ダイヤル、タッチパネルなどよりなる入力部74、ハードディスクなどより構成される記憶部75、USB(Universal Serial Bus)、IEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)1394、Ethernet(登録商標)等の有線通信インタフェースや、IEEE802.11xやブルートゥース等の無線通信インタフェース等より構成される通信部76が接続されている。通信部76は、インターネットを含む有線または無線のネットワーク等を介した他の装置との通信処理を制御する。
バス61にはまた、必要に応じてドライブ77が接続され、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどのリムーバブルメディア81が適宜装着され、そこから読み出されたコンピュータプログラムやデータが、必要に応じて記憶部75にインストールされる。また、CPU71は、撮影者の指示や、実行しているプログラム等に基づいて、例えば、画像用記憶部57に記憶されている画像データや、DSP55やコーデック部56より供給された画像データ、RAM73や記憶部75に記憶されている画像データ、または通信部76を介して取得した画像データ等を、ドライブ77に装着されたリムーバブルメディア81に記録させる。
電源部91は、撮像装置1内の各ブロックに対して、電源を供給する。
以上のように構成される撮像装置1では、被写体を撮像する場合、撮影(撮像)者が、撮像条件に応じてフィルタ31A乃至31Dのいずれかを選択する操作を行い、撮像装置1は、その撮影者の操作に応じてフィルタディスク21を回転駆動させ、選択されたフィルタ31に対応する停止位置で位置決めする(停止させる)。
この選択されたフィルタ31に対応する停止位置は、撮像装置1を調整する時などに予め登録される。即ち、撮像装置1においては、例えば、工場で撮像装置1を調整する時に行う初期設定処理の一つとして、フィルタディスク21に装着されたフィルタ31A乃至31Dそれぞれが、撮像素子22の前面となるフィルタディスク21の停止位置を決定し、登録する(記憶させる)フィルタ停止位置決定処理が行われる。
図5は、フィルタディスク21を回転駆動させ、フィルタ31A乃至31Dの位置決め制御を行うフィルタ駆動部63の詳細な構成例を示すブロック図である。
操作部101は、フィルタ停止位置決定処理を実行(開始)させる調整ボタンや、フィルタ31A乃至31Dを切り換えるために、フィルタディスク21をCW(時計回り)に回転させる回転ボタン、およびCCW(反時計回り)に回転させる回転ボタン(いずれも図示せず)などで構成され、撮影者の操作に対応する操作信号を制御部102に供給する。
制御部102は、操作部101から供給される操作信号に対応して、フィルタ駆動部63内の各部を制御する。
例えば、ユーザ(撮影者または撮像装置1の調整を行う調整者)により調整ボタンが操作された場合、制御部102は、フィルタ停止位置決定処理の実行を開始する。そして、制御部102は、フィルタ停止位置決定処理により決定したフィルタ31A乃至31Dそれぞれに対応するフィルタディスク21の停止位置を記憶部105に供給し、記憶させる。
また、例えば、ユーザによりフィルタ31をCWまたはCCWに回転(選択)させる回転ボタンが操作された場合、制御部102は、モータ103を制御して、操作されたボタンに対応する回転方向にフィルタディスク21を回転させ、フィルタ31を切り換える。
具体的には、例えば、図3に示したように、いま、撮像素子22の前面にフィルタ31Aが配置されている状態、換言すれば、ローラ43が切れ込み32Aにある(落ち込んでいる)状態において、フィルタディスク21をCCWに回転させる回転ボタンが操作された場合、制御部102は、ローラ43の位置に、切れ込み32Bがくるようにフィルタディスク21をCCWに回転させる。これにより、フィルタが、フィルタ31Aからフィルタ31Bに切り換えられる(フィルタ31Bが撮像素子22の前面に配置される)。
同様にして、撮像素子22の前面にフィルタ31Aが配置されている状態において、フィルタディスク21をCWに回転させる回転ボタンが操作された場合、制御部102は、ローラ43の位置に、切れ込み32Dがくるようにフィルタディスク21をCWに回転させる。これにより、フィルタが、フィルタ31Aからフィルタ31Dに切り換えられる(フィルタ31Dが撮像素子22の前面に配置される)。
なお、制御部102は、電源供給部106がモータ103に供給する電圧値を制御(可変)することにより、モータ103がフィルタディスク21を回転駆動する力(トルク)を制御することができる。
モータ103は、制御部102の制御により、回転軸41(図3)を回転させ、フィルタディスク21をCCWまたはCWに回転させる。
角度値検出部104は、例えば、ポテンショメータやロータリエンコーダなどで構成され、フィルタディスク21が回転した角度を表す値(以下、角度値と称する)を検出し、制御部102に供給する。なお、角度値検出部104が出力する値(角度値)は、角度そのものであっても勿論よい。
記憶部105は、例えば、RAMやフラッシュメモリ等の半導体メモリなどで構成され、フィルタ停止位置決定処理を実行する制御プログラムや、フィルタ停止位置決定処理により決定されたフィルタ31A乃至31Dそれぞれに対応するフィルタディスク21の停止位置を記憶する。
電源供給部106は、本体部11内の電源部91から電源の供給を受け、フィルタ駆動部63(フィルタサーボユニット13)内の各部に電源を供給する。
なお、フィルタサーボユニット13が本体部11に内蔵されている場合には、操作部101、制御部102、または記憶部105は、入力部74、CPU71、または記憶部75それぞれと共有することが可能である。
次に、図6乃至図9を参照して、フィルタ停止位置決定処理について説明する。なお、図6乃至図9では、フィルタ31Aを撮像素子22の前面に配置させる場合の停止位置を決定する処理について説明する。
図6は、フィルタディスク21の一部分であって、フィルタ31Aに対応する切れ込み32Aの周辺部を示している。
フィルタ31Aを撮像素子22の前面に配置させる場合、制御部102は、切れ込み32A内にローラ43が落ち込むようにフィルタディスク21を回転制御する。換言すれば、制御部102は、切れ込み32Aがローラ43の位置にくるようにフィルタディスク21を回転制御する。
なお、フィルタディスク21を回転させると、相対的に、ローラ43がフィルタディスク21の円周上を移動することになるので、「ローラ43がフィルタディスク21の円周上を移動する」は、「フィルタディスク21を回転させる」と同義である。
切れ込み32Aは、フィルタディスク21の回転を停止させるためのものであるが、切れ込み32Aには多少の余裕(あそび)があり、そのあそびは、図6に示すように、ローラ43がローラ43Bとなる位置からローラ43Cとなる位置まで動く範囲に対応する。
この場合、フィルタ31Aに切り換えるときのフィルタディスク21の停止位置としては、ローラ43がローラ43Aに示す位置となる、切れ込み32A内の中心位置POS-Cとするのが望ましい。
切れ込み32A内に落ち込んでいるローラ43が切れ込み32Aを脱出するには、ローラ43が切れ込み32A内を回転する場合や、ローラ43がフィルタディスク21の円周上を回転する場合に比べて大きな力(トルク)を必要とする。
換言すれば、ローラ43をフィルタディスク21の円周上または切れ込み32A内を移動させる力(トルク)には、ローラ43がフィルタディスク21の円周上または、切れ込み32A内を移動させる力FAと、切れ込み32A内にあるローラ43を切れ込み32Aからフィルタディスク21の円周上に脱出させる力FB(>FA)の2種類の力に分類される。なお、ローラ43がフィルタディスク21の円周上を移動させる力と、切れ込み32A内を移動させる力との差は、無視できる範囲であるとする。
フィルタ停止位置決定処理では、この2種類の力FAとFBとの差を利用して位置POS-Lおよび位置POS-Rを求める。即ち、フィルタ停止位置決定処理では、制御部102が、モータ103に供給する電圧値を可変制御して、ローラ43が切れ込み32A内を移動するが切れ込み32Aを脱出しない程度の力FAをモータ103からフィルタディスク21に供給させ、ローラ43Bとなる位置POS-L、または、ローラ43Cとなる位置POS-Rを求める。そして、制御部102は、得られた位置POS-Lと位置POS-Rの中間位置を、フィルタ31Aに切り換える場合のフィルタディスク21の停止位置POS-Cとする。
ここで、フィルタ停止位置決定処理のうちの、上述したローラ43Bとなる位置POS-Lまたはローラ43Cとなる位置POS-Rを求める処理を、切れ込み端部停止位置取得処理と称する。
切れ込み端部停止位置取得処理では、制御部102が、モータ103に印加する電圧値を制御(可変)することにより、モータ103がフィルタディスク21を回転駆動する力(トルク)を制御する。
具体的には、制御部102は、フィルタディスク21が回転を開始するまでは、モータ103に印加する電圧値を徐々に上昇させ、フィルタディスク21が回転を開始してからは、モータ103に印加している電圧値を保持するように、モータ103を制御する。
即ち、制御部102は、図7に示すように、まず時刻t0において、モータ103に対して、電圧の印加(電源の供給)を開始し、電圧値を徐々に上昇させる(トルクを増大させる)。
そして、モータ103に印加される電圧値がV1となった時刻t1において、制御部102は、角度値検出部104から供給される角度値wが変化したことにより、フィルタディスク21の回転が開始されことを検出したとする。この時刻t1において、モータ103によりフィルタディスク21に供給される力が、上述した力FAとなる。
制御部102は、フィルタディスク21が回転したことを検出した時点で、モータ103に印加する電圧値の上昇を中止し、電圧値V1を保持するように電源供給部106を制御する。
従って、時刻t1以降は、フィルタディスク21の円周上または切れ込み32A内を回転(移動)するのに必要な最低の力FAの供給が継続され、ローラ43は、フィルタディスク21の円周上または切れ込み32A内を最低速度(角速度)で移動する。
そして、モータ103に電源の供給を開始してから(即ち、時刻t0から)、T1時間後の時刻t2において、制御部102は、角度値検出部104から供給される角度値wを取得する。なお、時刻t2で取得された角度値wを角度値w1とする。
さらに、時刻t2から、T2時間後の時刻t3において、制御部102は、角度値検出部104から供給される角度値wを取得する。なお、時刻t3で取得された角度値wを角度値w2とする。
制御部102は、角度値w1と角度値w2とを比較し、角度値w1と角度値w2が同一の値となるまで、上述した時刻t0から時刻t3までの処理を繰り返す。そして、角度値w1と角度値w2が同一の値となった場合、その角度値w1(角度値w2)に基づいて、ローラ43がローラ43Bとなる位置POS-L、または、ローラ43Cとなる位置POS-Rが求められる。
ここで、時刻t2を決定するT1時間は、モータ103に対して電源の供給を開始してから、フィルタディスク21が回転している(ローラ43が移動している)と確実に考えられる時間が設定され、本実施の形態では、例えば、実験した値などにより、5秒となされている。なお、角度値w1を取得する時刻t2は、フィルタディスク21が回転してから(ローラ43が移動してから)T1’(例えば、1秒)時間というようにして、時刻t1からの時間を設定して決定することもできる。
また、時刻t3を決定するT2時間は、フィルタディスク21が回転している(ローラ43が移動している)かどうかを確実に判断できる時間、換言すれば、フィルタディスク21が回転している(ローラ43が移動している)場合に、角度値w1と角度値w2が確実に差異化できる時間が設定され、本実施の形態では、例えば、実験した値などにより、3秒となされている。
図8および図9は、図7に示した電圧値の制御に対応するローラ43の動作を示している。
図8に示すように、例えば、ローラ43がローラ43Dで示される位置にある状態で、フィルタ停止位置決定処理が開始されたとする。
制御部102は、フィルタディスク21の回転方向をCWとして、モータ103への電源の供給を開始する。
ローラ43は、モータ103から伝達される力が、フィルタディスク21の円周上を移動するのに必要な最低の力FAとなったところで、移動を開始する(フィルタディスク21が回転を開始する)。
その後、モータ103には電圧値V1が供給され続けるので、ローラ43は、フィルタディスク21の円周上を最低速度(角速度)で移動し、切れ込み32Aに落ち込み、さらに切れ込み32A内を移動する。しかし、ローラ43を移動させている力FA(モータ103からフィルタディスク21に伝達されている力FA)は、切れ込み32A内からフィルタディスク21の円周上に脱出する力FBよりも小さいため、ローラ43は、切れ込み32Aを脱出せず、切れ込み32A内の左端、即ち、位置POS-Lで停止する。
従って、ローラ43が、フィルタディスク21の円周上または切れ込み32A内を移動している間は、時刻t2および時刻t3でそれぞれ取得された角度値w1および角度値w2が同一の値とはならない。そして、ローラ43が切れ込み32Aを脱出できず、切れ込み32A内の左端、即ち、位置POS-Lで停止している状態で、角度値w1および角度値w2が同一の値となる(角度値wが変化しなくなる)。
そこで、制御部102は、電源の供給を開始した時刻t0から、T1時間後の時刻t2で取得した角度値w1と、時刻t2からT2時間後の時刻t3で取得した角度値w2とが同一の値となるまで、端部停止位置取得処理を繰り返す。
即ち、時刻t2で取得した角度値w1と、時刻t3で取得した角度値w2とが異なる値である場合、図8において、ローラ43が、ローラ43Dに示す位置から、切れ込み32Aに向かうフィルタディスク21の円周上か、または、切れ込み32A内を移動していることを表しているので、再度、上述した時刻t0から時刻t3までの処理が繰り返される。
また、時刻t2で取得した角度値w1と、時刻t3で取得した角度値w2とが同一の値である場合、ローラ43Dが、ローラ43Bに示す位置POS-Lで停止していることを表しているので、制御部102は、その角度値w1(角度値w2)を切れ込み32Aの左端の位置POS-Lとして、記憶部105に記憶させる。
次に、制御部102は、フィルタディスク21の回転方向をCCWとして、切れ込み32Aの右端の位置POS-Rを求める切れ込み端部停止位置取得処理を同様に行う。
その結果、ローラ43が図9に示すローラ43Cとなる位置において、角度値w1’と角度値w2’が同一の値となり、その角度値w1’(角度値w2’)が切れ込み32Aの左端の位置POS-Lとして記憶部105に記憶される。
フィルタ停止位置決定処理では、上述した位置POS-Lを求める切れ込み端部停止位置取得処理と、位置POS-Rを求める切れ込み端部停止位置取得処理とを、それぞれ、5回実行し、初回の値は、他の4回と異なる条件で開始されたことによる不安定な要因が含まれている可能性があるため除外し、2乃至4回目の端部停止位置取得処理で求められた値(角度値w1および角度値w1’)の平均値を、最終的な位置POS-Lおよび位置POS-Rとする。
また、上述した例では、ローラ43の現在位置が、図8に示したように、切れ込み32Aに対して図中右側にある状態から、切れ込み端部停止位置取得処理を開始したが、ローラ43の現在位置が、切れ込み32Aに対して図中左側にある場合にはフィルタディスク21の回転方向をCCWとして切れ込み端部停止位置取得処理を開始すればよい。
さらに、切れ込み32A内から切れ込み端部停止位置取得処理を開始するようにすれば、ローラ43の移動が切れ込み32A内だけとなり、より安定して5回の位置POS-Lおよび位置POS-Rを取得することができる。
図6乃至図9では、フィルタ31Aを撮像素子22の前面に配置させる場合のフィルタディスク21の停止位置を決定する処理について説明したが、フィルタ31B乃至31Dそれぞれに対するフィルタディスク21の停止位置についても同様にして求めることができる。
あるいは、求められたフィルタ31Aに対応するフィルタディスク21の停止位置に対して、それぞれ、90度、180度、270度に相当する角度値を加算(または減算)することにより、フィルタ31B乃至31Dに対応するフィルタディスク21の停止位置を求めるようにしてもよい。
図10のフローチャートを参照して、フィルタ31に対応するフィルタディスク21の停止位置を決定するフィルタ停止位置決定処理について説明する。この処理は、上述したように、操作部101の調整ボタンが操作されたときに開始される。また、図10の処理を開始する時点での、ローラ43の現在位置は、切れ込み32Aに対して図8と同様の図中右側にある状態か、または切れ込み32A内にある状態であるとする。
初めに、ステップS1において、制御部102は、繰り返し回数をカウントする変数iに1をセットして、ステップS2に進む。
ステップS2において、制御部102は、フィルタディスク21を回転させるモータ103の回転方向をCWにして、ステップS3に進む。
ステップS3において、制御部102は、切れ込み端部停止位置取得処理を実行し、角度値w1と角度値w2とを取得する。なお、切れ込み端部停止位置取得処理の詳細については、図11のフローチャートを参照して後述する。
ステップS4において、制御部102は、ステップS3の切れ込み端部停止位置取得処理により取得した角度値w1と角度値w2とが同一の値であるかどうかを判定する。
ステップS4で、角度値w1と角度値w2とが同一の値ではないと判定された場合、即ち、ローラ43がフィルタディスク21の円周上を移動しているか、または、切れ込み32A内を移動している場合、ステップS3に戻り、切れ込み端部停止位置取得処理が繰り返される。
一方、ステップS4で、角度値w1と角度値w2とが同一の値であると判定された場合、即ち、ローラ43が、図8のローラ43Bで示される位置POS-Lで停止している場合、ステップS5に進み、制御部102は、i回目の角度値w1を切れ込み32Aの左端の位置POS-Liとして、記憶部105に保存する(記憶させる)。
ステップS5の処理後、ステップS6において、制御部102は、フィルタディスク21を回転させるモータ103の回転方向をCCWにして、ステップS7に進む。
ステップS7において、制御部102は、切れ込み端部停止位置取得処理を実行し、角度値w1’と角度値w2’とを取得する。この切れ込み端部停止位置取得処理は、回転方向が異なる(反対である)以外は、ステップS3の処理と同様である。
ステップS8において、制御部102は、ステップS7の切れ込み端部停止位置取得処理により取得した角度値w1’と角度値w2’とが同一の値であるかどうかを判定する。
ステップS8で、角度値w1’と角度値w2’とが同一の値ではないと判定された場合、即ち、ローラ43がフィルタディスク21の円周上を移動しているか、または、切れ込み32A内を移動している場合、ステップS7に戻り、切れ込み端部停止位置取得処理が繰り返される。
一方、ステップS8で、角度値w1’と角度値w2’とが同一の値であると判定された場合、即ち、ローラ43が、図9のローラ43Cで示される位置POS-Rで停止している場合、ステップS9に進み、制御部102は、i回目の角度値w1’を切れ込み32Aの右端の位置POS-Riとして、記憶部105に保存する(記憶させる)。
ステップS10において、制御部102は、繰り返し回数をカウントする変数iが5に等しいか、即ち、切れ込み32Aの左端の位置POS-Liと切れ込み32Aの右端の位置POS-Riを5回求めたか否かを判定し、切れ込み32Aの左端の位置POS-Liと切れ込み32Aの右端の位置POS-Riを5回求めていない場合、ステップS11に進み、変数iを1だけインクリメントして、ステップS2に処理を戻す。これにより、ステップS2乃至S10の処理が再度実行される。
一方、ステップS10において、切れ込み32Aの左端の位置POS-Liと切れ込み32Aの右端の位置POS-Riを5回求めた場合、ステップS12に進み、制御部102は、2回目乃至4回目の切れ込み32Aの左端の位置POS-Li(i=2乃至4)の平均値を計算し、ステップS13に進む。
ステップS13において、制御部102は、2回目乃至4回目の切れ込み32Aの右端の位置POS-Ri(i=2乃至4)の平均値を計算し、ステップS14に進む。
ステップS14において、制御部102は、ステップS12で求めた切れ込み32Aの左端の位置POS-Li(i=2乃至4)の平均値と、ステップS13で求めた切れ込み32Aの右端の位置POS-Ri(i=2乃至4)の平均値とから、切れ込み32Aの停止位置POS-Cを計算し、記憶部105に保存する(記憶させる)。即ち、制御部102は、切れ込み32Aの左端の位置POS-Li(i=2乃至4)の平均値と、右端の位置POS-Ri(i=2乃至4)の平均値の中間値(平均値)を、切れ込み32Aの停止位置POS-Cとして、記憶部105に保存し、処理を終了する。
次に、図11のフローチャートを参照して、上述したステップS3の切れ込み端部停止位置取得処理について説明する。
初めに、ステップS31において、制御部102は、モータ103に印加する電圧値をリセット(ゼロにセット)し、所定時間(例えば、2秒)待機する。この処理は、上述したステップS4の処理において角度値w1と角度値w2とが同一の値ではないと判定され、切れ込み端部停止位置取得処理が再度繰り返された場合であっても、ローラ43を最低速度(角速度)で移動させるようにローラ43を確実に一旦停止させるためである。
ステップS31の処理後、ステップS32において、制御部102は、モータ103に対して、電圧の印加(電源の供給)を開始し、ステップS33に進む。
ステップS33において、制御部102は、フィルタディスク21の回転を検出したか否かを判定する。そして、ステップS33で、フィルタディスク21が回転していないと判定された場合、ステップS32に戻り、制御部102は、モータ103に印加する電圧値を上昇させる(トルクを増大させる)。
一方、ステップS33で、フィルタディスク21が回転していると判定された場合、ステップS34に進み、制御部102は、フィルタディスク21の回転が検出されたときのモータ103にかかる電圧値V1を保持して、ステップS35に進む。
ステップS35において、制御部102は、モータ103に電源の供給を開始してからT1時間(例えば、5秒)が経過したか否かを判定し、T1時間が経過したと判定されるまで待機する。
そして、モータ103に電源の供給を開始してからT1時間が経過した場合、ステップS36に進み、制御部102は、角度値検出部104から供給される角度値wを角度値w1として取得して、ステップS37に進む。
ステップS37において、制御部102は、ステップS36の角度値w1の取得から、T2時間(例えば、3秒)が経過したか否かを判定し、T2時間が経過したと判定されるまで待機する。
そして、ステップS36の角度値w1の取得からT2時間が経過した場合、ステップS38に進み、制御部102は、角度値検出部104から供給される角度値wを角度値w2として取得し、図10の処理に戻り、ステップS4に進む。
以上のように、フィルタ停止位置決定処理によれば、制御部102は、角度値検出部104により検出された角度値wに応じて(モータ103に印加する電圧値を制御することにより)モータ103を制御し、角度値wが変化しなくなったときの角度値に基づいて、フィルタ31の切り換え時にフィルタディスク21を停止させる停止位置を決定する。
即ち、制御部102は、フィルタディスク21がCW(時計回り)に回転駆動された場合に角度値wが変化しなくなったときの角度値w1と、フィルタディスク21がCCW(反時計回り)に回転駆動された場合に角度値が変化しなくなったときの角度値w1’との中間値を、フィルタ31の切り換え時にフィルタディスク21を停止させる停止位置として決定する。
従って、従来では、撮像装置の調整を行う調整者がフィルタ31に対応するフィルタディスク21の停止位置として最適と思われる位置にフィルタディスク21を移動(回転)させて、いわば目見当で(手動で)、フィルタディスク21の停止位置を決定していたが、フィルタ駆動部63のフィルタ停止位置決定処理によれば、調整者にフィルタ31に対応するフィルタディスク21の停止位置を探索させる作業をさせることなく(自動で)、しかも、最適な停止位置である切れ込み32内の中央の位置を、フィルタ31を使用するときのフィルタディスク21の停止位置として決定することができる。
図1の撮像装置1では、フィルタサーボユニット13を本体部11とは別に外側に設けてあるため、図12に示すような、元々フィルタ31を手動で切り換えるタイプとして製造された撮像装置201に対しても、自動で切り換えるタイプに(後から)容易に変更(改造)することが可能である。
図12に示す撮像装置201では、フィルタディスク21を回転させる(フィルタ31を切り換える)ツマミ121が、図1のフィルタサーボユニット13の代わりに設けられており、撮影者は、フィルタサーボユニット13のモータ103の代わりに、ツマミ121を手動で回転させて、フィルタ31を切り換える。ツマミ121は、複数の歯車(図示せず)を介して、フィルタディスク21を回転させる。
撮像装置1や撮像装置201には、スムーズに回転させるための余裕や、部品の製作誤差、または組み付け誤差などにより生じるあそびがある。
フィルタ31を手動で切り換えるタイプの撮像装置201では、自動で(モータ103の制御で)フィルタ31を切り換えるタイプの撮像装置1よりも、あそびを大きくとるのが一般的である。フィルタ31を手動で切り換えるタイプの撮像装置201では、自動車のハンドルなどと同様に、フィルタ31を切り換える(フィルタディスク21を回転させる)ためにツマミ121を握った撮影者の手が多少震えたり動いたりしても、それが敏感に伝わらないようにするために故意に設けられているものがあるためである。
例えば、撮像装置201において、フィルタディスク21の回転に影響するあそび(誤差)としては、ツマミ121の軸のブレ、ツマミ121の回転をフィルタディスク21の回転軸41まで伝達する歯車の噛み合わせのあそび、および、フィルタディスク21の回転軸41の軸のブレなどが考えられる。
これらのあそび(誤差)を完全に取り除くことは困難であり、また、個別の要因の分析も困難であるが、これらのあそびは、フィルタディスク21の動作(回転)が開始されるまでに影響を及ぼし、一度動作を開始してしまえば考える必要がなくなるという性質を有している。
ここで、撮像装置ごとに異なるあそびの量が、フィルタディスク21を回転させるまでの力FAの違い、換言すれば、フィルタディスク21が回転を開始するときの電圧値V1の違いとなる。フィルタ停止位置決定処理では、モータ103に印加する電圧値を徐々に上昇させ(トルクを増大させ)、フィルタディスク21の回転が検出された時点から電圧値V1を保持するように電源供給部106を制御するので、撮像装置ごとに異なるあそびに応じて電圧値V1が変化するようになされている。従って、フィルタディスク21の回転に影響するあそびを吸収しているといえる。
また、上述したフィルタ停止位置決定処理によれば、フィルタディスク21が回転したことを検出した時点から電圧値V1を保持し、時刻t1および時刻t3で取得された角度値w1(w1’)および角度値w2(w2’)が同一の値となった場合の角度値を、ローラ43がローラ43Bとなる位置POS-L(ローラ43がローラ43Cとなる位置POS-R)として取得するので、切れ込み32のばらつきに対応した、フィルタディスク21の最適な停止位置を決定することができる。
即ち、各撮像装置に装着されるフィルタディスク21ごとに、またはフィルタディスク21内の切れ込み32A乃至23Dごとに、ローラ43が切れ込み32に落ち込んだときに移動可能な範囲(以下、切れ込み32内の範囲と称する)が異なることが考えられる。
しかしながら、フィルタ停止位置決定処理では、個別の切れ込み32に対して、ローラ43が切れ込み32内を最低速度で移動する電圧値V1を探し出し、その電圧値V1によるモータ103の力FAで角度値w1と角度値w2が同一の値となるまで、切れ込み端部停止位置取得処理を繰り返す。
角度値w1と角度値w2が同一の値となる場合は、ローラ43が切れ込み32内で移動(回転)を開始し、力FAでは脱出できずに切れ込み32の端で止まっているか、または、ローラ43がフィルタディスク21の円周上で移動を開始し、その後切れ込み32内に落ち込んで力FAでは脱出できずに切れ込み32の端で止まっているかのいずれかである。
従って、撮像装置に内蔵されるフィルタディスク21ごとに、またはフィルタディスク21の切れ込み32A乃至23Dごとに、切れ込み32内の範囲が異なっていても、それぞれに対応した位置POS-Lおよび位置POS-Rを取得することが可能であり、フィルタ31に対応するフィルタディスク21の最適な停止位置を決定することができる。
また、モータ103を予め決定された所定の電圧で制御するのではなく、フィルタディスク21が回転を開始するまでモータ103に印加する電圧値を徐々に上昇させ、フィルタディスク21が回転を開始してからは、回転が検出されたときの電圧値V1を保持するように制御するので、モータ103の角速度を制御しているといえる。これにより、フィルタサーボユニット13に内蔵されるモータ103ごとに動作電圧が異なる場合であっても同一の方法によりフィルタ31に対応するフィルタディスク21の最適な停止位置を決定することができる(モータ103の動作電圧の違いを吸収することができる)。
さらに、フィルタサーボユニット13に内蔵される角度値検出部104自身で角度値を検出し、さらに、数回(例えば、4回)繰り返して検出された角度値に基づいて、切れ込み32内の位置POS-Lおよび位置POS-Rを取得するので、角度値検出部104のばらつきも吸収して、フィルタ31に対応するフィルタディスク21の最適な停止位置を決定することができる。
なお、従来は、図12に示したフィルタ31を手動で切り換えるタイプの撮像装置201と、自動で切り換えるタイプの撮像装置1とは、予め区別して製造され、自動で切り換えるタイプの撮像装置には、図13に示すような切れ込みがないフィルタディスク131が使用されることが一般的であった。そして、切れ込みがないフィルタディスク131を採用した撮像装置においても、フィルタ31に対応するフィルタディスク131の停止位置を登録する作業を手動で行っていた。
従って、図1の撮像装置1のように、切れ込みがないフィルタディスク131に代えて、図2に示した切れ込み32が設けられているフィルタディスク21を採用することにより、フィルタ31に対応するフィルタディスク21の最適な停止位置の登録の自動化、および、手動で切り換えるタイプの撮像装置との部品の供用が可能となる。
また、操作部101の調整ボタンを操作するだけでフィルタ停止位置決定処理を実行することができるので、撮影者(撮像装置を購入した顧客)でも簡単に実行することができ、定期的に実行することで、経年変化にも対応することができる。
さらに、手動で切り換えるタイプの撮像装置を使用している(購入している)顧客に対しては、自動で切り換えるタイプの撮像装置に後で(購入後に)容易に変更(改造)することができるので、撮像装置に対してオプション機能としての付加価値をつけることができる。
上述した実施の形態では、フィルタディスク21に装着されるフィルタ31が4枚である例について説明したが、フィルタディスク21に装着されるフィルタ31の枚数はこれに限定されない。
なお、本明細書において、フローチャートに記述されたステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
1 撮像装置, 13 フィルタサーボユニット, 21 フィルタディスク, 22 撮像素子, 63 フィルタ駆動部, 71 CPU, 101 操作部, 102 制御部, 103 モータ, 104 角度値検出部, 105 記憶部, 106 電源供給部
Claims (7)
- 複数枚の光学フィルタが円状に配置されているフィルタ固定部材を回転させることにより、前記複数枚の光学フィルタを切り換える撮像装置において、
前記フィルタ固定部材を回転駆動する駆動手段と、
前記フィルタ固定部材の回転角度を表す角度値を検出する角度値検出手段と、
前記角度値検出手段により検出された前記角度値に応じて前記駆動手段を制御する制御手段と
を備え、
前記制御手段は、さらに、前記角度値が変化しなくなったときの前記角度値に基づいて、前記光学フィルタの切り換え時に前記フィルタ固定部材を停止させる停止位置を決定する
ことを特徴とする撮像装置。 - 前記制御手段は、前記角度値検出手段により検出された前記角度値に応じて前記駆動手段に印加する電圧値を制御することにより、前記駆動手段を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。 - 前記制御手段は、前記フィルタ固定部材が回転を開始するまでは、前記駆動手段に印加する電圧値を上昇させ、前記フィルタ固定部材が回転を開始してからは、前記駆動手段に印加している電圧値を保持するように、前記駆動手段に印加する電圧値を制御する
ことを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。 - 前記制御手段は、前記フィルタ固定部材が時計回りに回転駆動された場合に前記角度値が変化しなくなったときの前記角度値と、前記フィルタ固定部材が反時計回りに回転駆動された場合に前記角度値が変化しなくなったときの前記角度値との中間値を、前記光学フィルタの切り換え時に前記フィルタ固定部材を停止させる停止位置として決定する
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。 - 負荷手段によって前記フィルタ固定部材の回転と逆方向の負荷が前記フィルタ固定部材に与えられ、前記フィルタ固定部材の回転が停止する
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。 - 複数枚の光学フィルタが円状に配置されているフィルタ固定部材を回転させることにより、前記複数枚の光学フィルタを切り換える撮像装置の、前記光学フィルタの切り換え時に前記フィルタ固定部材を停止させる停止位置を決定する決定方法において、
前記フィルタ固定部材が回転駆動された場合に、前記フィルタ固定部材の回転角度を表す角度値を検出する角度値検出ステップと、
検出された前記角度値に応じて前記フィルタ固定部材の回転駆動を制御するとともに、検出された前記角度値が変化しなくなったときの前記角度値に基づいて、前記光学フィルタの切り換え時に前記フィルタ固定部材を停止させる停止位置を決定する制御ステップと
を含むことを特徴とする決定方法。 - 複数枚の光学フィルタが円状に配置されているフィルタ固定部材を回転させることにより、前記複数枚の光学フィルタを切り換える撮像装置の、前記光学フィルタの切り換え時に前記フィルタ固定部材を停止させる停止位置を決定する処理を、コンピュータに実行させるプログラムにおいて、
前記フィルタ固定部材が回転駆動された場合に、前記フィルタ固定部材の回転角度を表す角度値を検出する角度値検出ステップと、
検出された前記角度値に応じて前記フィルタ固定部材の回転駆動を制御するとともに、検出された前記角度値が変化しなくなったときの前記角度値に基づいて、前記光学フィルタの切り換え時に前記フィルタ固定部材を停止させる停止位置を決定する制御ステップと
を含むことを特徴とするプログラム。
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