JP2008046374A - 手振れ補正制御装置 - Google Patents

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智之 水田
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Abstract

【課題】デジタルフィルタの初期化時間を短縮して、手振れ補正を迅速に行うことが可能な手振れ補正制御装置を提供する。
【解決手段】ジャイロセンサ40は、角速度信号をBPF41に出力する。この角速度信号は、BPF41によって高周波成分が抽出されてA/D変換器44に出力される。A/D変換器44は、この角速度信号をデジタル信号に変換して、IIRフィルタで構成されたHPF45に出力する。制御部43は、補正演算再開時に、A/D変換器44から出力される初期AD値を取得し、この初期AD値と振れの角速度が無い状態の標準AD値との差に基づいて初期値X(−T)を設定する。さらに、制御部43は、標準AD値と初期値X(−T)との差に基づいて初期値Y(−T)を設定し、これらの初期値X(−T),Y(−T)に基づいてHPF45を制御してフィルタ演算を開始させる。
【選択図】図2

Description

本発明は、振れ検出手段の出力から特定の周波数成分を抽出した出力信号によって算出された振れ角に基づいて、光軸の振れの補正を制御する手振れ補正制御装置に関する。
近年、手振れによって生じる光軸の振れを補正する手振れ補正装置を備えたカメラが市販されている。このような手振れ補正装置は、撮影レンズの光軸の振れを検出する振れ検出手段を備え、この振れ検出手段の出力信号に基づいて振れ角を算出し、この振れ角に応じて、光軸の振れを補正する補正手段である補正レンズを変位させることによって、カメラの結像面、例えばフイルム面や光電変換素子の結像面上での被写体像の移動を補正している。
このような手振れ補正装置は、振れ検出手段として、例えば、ジャイロセンサ等の角速度検出センサを備えている。このジャイロセンサの出力信号は、BPF(バンドパスフィルタ)によって、所定範囲の周波数成分が抽出される。また、ジャイロセンサの出力信号には、角速度の無い停止状態を示す標準電圧があるが、この標準電圧は、温度を主成分とする外乱によって出力信号の電圧が変動するため、DC成分(低周波成分)をさらに除去する必要がある。
前述のDC成分を除去するために、アナログのHPF(ハイパスフィルタ)を設けた手振れ補正装置が知られている(例えば、特許文献1〜4参照)。また、このHPFをデジタルフィルタ(ICやソフトウェア等による演算でフィルタ処理を行うフィルタ)で構成した手振れ補正装置も知れられている(例えば、特許文献5参照)。
この特許文献5記載の手振れ補正装置では、手振れ補正開始時、または補正開始時から一定時間経過時の角速度を基準値とし、この基準値からの差分をとりながらフィルタ演算を行っている。また、この場合、補正開始時が停止状態とは限らないため、大雑把なDC成分の除去しかできないため、後段のデジタルのHPFの時定数を徐々に大きくすることによって、DC成分の除去をより正確に行うことが記載されている。
特開2005−114835号公報
しかしながら、特許文献1〜4に記載の手振れ補正装置では、HPFの初期化をフィルタのリセット等の制御によって実現しているため、HPFの初期化に時間がかかるという問題がある。また、上記特許文献5に記載の手振れ補正装置においても、デジタルのHPFの時定数を徐々に大きくするため、HPFの出力が定常状態となる(収束する)までに時間がかかり、HPFの初期化に時間がかかるという問題がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、デジタルフィルタの初期化時間を短縮して、手振れ補正を迅速に行うことが可能な手振れ補正制御装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の手振れ補正制御装置は、光学機器の光軸の振れを検出する振れ検出手段と、この振れ検出手段の出力から特定の周波数成分を抽出するデジタルフィルタとを備え、前記デジタルフィルタの出力信号に基づいて得られた振れ角に基づいて、前記光軸の振れを補正する補正手段の駆動を制御する手振れ補正制御装置であり、前記光軸の振れが無い状態で前記振れ検出手段から出力される標準出力値と、前記振れ検出手段の初期出力値とに基づいて、前記デジタルフィルタの初期値を設定する初期値設定手段を備えていることを特徴とするものである。
また、本発明の手振れ補正制御装置は、手振れ補正開始時に、前記振れ検出手段から規定時間出力される出力値に基づいて基準値を決定し、この基準値と前記規定時間経過後の出力値とに基づいて前記デジタルフィルタの初期値を設定する初期値設定手段を備えていることを特徴とするものである。さらに、前記初期値設定手段は、前記振れ検出手段から規定時間出力される出力値の分布を検出し、最も出現回数の多い出力値を前記基準値に決定することが好ましい。
また、本発明の手振れ補正制御装置は、前記デジタルフィルタの位相特性に基づいて、前記デジタルフィルタの初期値を設定する初期値設定手段を備えていることを特徴とするものである。
前記デジタルフィルタの位相のズレによって出力信号が進む場合、前記初期値設定手段は、前記振れ検出手段の進み時間分先の出力値を予測し、この予測値に基づいて前記デジタルフィルタの初期値を設定することが好ましい。また、前記デジタルフィルタの位相のズレによって出力信号が遅れる場合、前記初期値設定手段は、起動から遅れ時間経過後に、初期出力値に基づいて前記遅れ時間前の前記デジタルフィルタの初期値を計算し、この初期値を遅れ時間経過後の前記デジタルフィルタの初期値に設定することが好ましい。
本発明の手振れ補正制御装置は、手振れ補正終了前の前記振れ検出手段及び前記デジタルフィルタの出力結果に基づいて、手振れ補正再開時の前記デジタルフィルタの初期値を設定する初期値設定手段を備えていることを特徴とするものである。また、前記初期値設定手段は、手振れ補正終了前の前記出力結果の差分を基準値とし、前記手振れ補正再開時に、前記基準値に基づいて前記デジタルフィルタの初期値を設定することが好ましい。
さらに、前記初期値設定手段は、手振れ補正終了時からの経過時間に基づいて、前記光軸の振れが無い状態で前記振れ検出手段から出力される標準出力値と、前記基準値との混合比率を変化させて、この混合値を新たな基準値とすることが好ましい。
本発明の手振れ補正制御装置によれば、手振れ補正開始時に、初期値設定手段によってデジタルフィルタの初期値を設定することによって、デジタルフィルタの出力が定常状態となるまでの時間を短縮して、デジタルフィルタの初期化時間を短縮することが可能であり、手振れ補正を迅速に行うことが可能である。
図1に示すデジタルカメラ10は、撮影レンズ11と、固体撮像素子であるCCDイメージセンサ(以下、単にCCDと称する)12と、CDS(相関二重サンプリング回路)13と、AMP14と、A/D変換器15と、システムコントローラ16と、LCD17と、操作部18と、レンズモータ19,20と、手振れ補正制御装置21,22とを備えて構成されている。
撮影レンズ11は、レンズ31と、レンズ32と、補正レンズ33とを備えて構成されている。レンズ31は、ズームレンズであり、レンズ32は、フォーカスレンズである。また、補正レンズ33は、光軸Lの振れを補正する補正手段であり、後述するように、光軸Lと垂直な平面内で移動される。CCD12は、この撮影レンズ11の背後に配置されており、撮影レンズ11によって結像された被写体像を電気信号に変換して撮像信号を出力する。
その後、撮像信号は、CDS13によってノイズが除去され、AMP14によって増幅される。さらに、撮像信号は、A/D変換器15によって、アナログ信号からデジタル信号の画像データに変換され、システムコントローラ16に出力される。
システムコントローラ16は、信号処理部25を備えている。信号処理部25は、画像データに対して各種画像処理や圧縮処理を施す。また、このシステムコントローラ16は、カメラ本体に着脱自在に装着される記録メディア26に対する画像データの読み書きを制御する。さらに、システムコントローラ16は、LCD17を制御することによって、スルー画の表示や、記録画像の再生表示等を行う。
また、システムコントローラ16には、複数のボタン等で構成される操作部18が接続されている。システムコントローラ16は、この操作部18から操作信号を取得し、各操作信号に対応する処理を実行する。例えば、シャッタボタンが操作された時に、システムコントローラ16は、シャッタボタンから操作信号を取得し、各部を制御して撮影処理を実行する。
前述のように、シャッタボタンが操作された時に撮影処理が実行されるが、この撮影時に手振れが発生すると、1フレーム内で被写体の画像がCCD12の受光面上で動くために、CCD12からは、ぼけた画像の撮像信号が出力される。デジタルカメラ10は、この手振れを補正するために、レンズモータ19,20によって、前述の補正レンズ33を光軸Lと垂直な平面内で移動させて手振れの補正を行っている。なお、レンズモータ19は、補正レンズ33をH(水平)方向に駆動するモータであり、レンズモータ20は、補正レンズ33をV(垂直)方向に駆動するモータである。
また、レンズモータ19は、手振れ補正制御装置21によって制御され、レンズモータ20は、手振れ補正制御装置22によって制御される。以下に、手振れ補正制御装置21について説明する。
手振れ補正制御装置21は、図2に示すように、ジャイロセンサ40と、BPF(バンドパスフィルタ)41と、デジタル演算ブロック42と、制御部43とを備えて構成されている。ジャイロセンサ40は、光軸Lの振れを検出する振れ検出手段であり、水平方向の振れの角速度を検出して、角速度信号をアナログ回路で構成されたBPF41に出力する。
このBPF41は、角速度信号を増幅する増幅機能を備えており、高周波(例えば、3〜10Hz程度)の角速度信号を抽出するとともに、この角速度信号を増幅してデジタル演算ブロック42に出力する。これにより、デジタルカメラ10がゆっくり動かされたときに発生する角速度信号が除去され、デジタルカメラ10が急激に動かされたときに発生する角速度信号だけが増幅される。
また、デジタル演算ブロック42は、A/D変換器44と、HPF(ハイパスフィルタ)45と、積分回路46と、PWM(パルス幅変調)ドライバ47とを備えて構成されている。BPF41から出力された角速度信号は、最初にA/D変換器44に入力される。
このA/D変換器44は、例えば、16kHzのサンプリングパルスによって、アナログ信号である角速度信号をサンプリングして、符号付き10ビットのデジタル信号である角速度信号に変換する。この時、DC変動やオフセット変動等のDC成分を含んでA/D変換される。A/D変換器44は、デジタル信号に変換された角速度信号をHPF45に出力する。
HPF45は、IIR(Infinite Impulse Response)型フィルタまたはFIR(Finite Impulse Response)型フィルタで構成されるデジタルフィルタであり、角速度信号からDC成分を除去して、角速度信号を積分回路46に出力する。積分回路46は、角速度信号を積分することによって振れ角を算出し、この角度情報をレンズ駆動量情報に変換する。積分回路46は、このレンズ駆動量情報をPWMドライバ47に出力する。PWMドライバ47は、このレンズ駆動量情報に基づいてPWM出力波形を生成して、レンズモータ19に出力する。レンズモータ19は、PWM出力波形によって駆動され、補正レンズ33を変位させて振れ角度分の補正を行う。
また、制御部43は、HPF45の初期値を設定する初期値設定手段であり、HPF45に接続されている。制御部43は、A/D変換器44から出力されたデジタルの角速度信号(以下、AD値と称する)を取得し、HPF45のフィルタ初期値を設定する。以下に、このフィルタ初期値の設定について説明する。
最初に、HPF45を単純な(フィルタ次数の低い)IIRフィルタによって構成した場合、すなわち、HPF45が、下記式1で示すフィルタ演算を行う場合について説明する。なお、この式1において、Tはサンプリング時間、X(n)は入力信号、Y(n)はフィルタ出力であり、Aはフィルタ特性を決定する定数である。この式1によってフィルタ演算を行う場合、フィルタ特性は、例えば、図3(A)〜図3(C)に示すような振幅特性、位相特性、遅延特性を有している。
Figure 2008046374
制御部43は、電源ON時、補正機能の有効時、または補正演算再開時、すなわち、図4のグラフにおいて時間t=0となる初期AD値をA/D変換器44から取得する。その後、制御部43は、A/D変換器44から出力される標準AD値と、この初期AD値との差を算出する。この標準AD値とは、角速度が「0」の時にA/D変換器44から出力される標準的なAD値である。さらに、制御部43は、これらの差に基づいて、以下に説明するように、HPF45の初期値を設定する。
最初に、初期値である入力X(−T)について説明する。入力X(−T)を設定する場合、図5に示す特性グラフを用いる。この特性グラフは、横軸が「標準AD値と初期AD値との差」を示しており、縦軸は「入力X(−T)」を示している。この特性グラフは、初期AD値と標準AD値との差が小さい場合は前回も略停止状態であると推測し、入力X(−T)を初期AD値と同等とし、差が大きい場合は加速中と判断して、前回の値は小さいものと推測し、入力X(−T)を初期AD値より小さい値とし、さらに、その中間にあたる場合は、減速中と判断して前回の値は大きいものと推測し、入力X(−T)を初期AD値よりも大きい値とする特性を有している。
前述の特性グラフは、制御部43内の内臓ROM等に記憶されている。制御部43は、標準AD値と初期AD値との差を算出するとともに、この差に基づいて、前述の特性グラフを参照することにより、初期値X(−T)を設定する。
次に、初期値である入力Y(−T)について説明する。入力Y(−T)を設定する場合、図6に示す特性グラフを用いる。この特性グラフは、横軸が「標準AD値とX(−T)との差」を示しており、縦軸は「Y(−T)」を示している。この特性グラフは、前述の処理で設定されたX(−T)と標準AD値との差が小さい場合は、振れが少なく、温度などの外乱による変動によって標準AD値が変化する影響分の方が大きいことを想定し、HPFの初期値を抑え、逆に差が大きい場合、振れを含む激しい動作が発生している状態であるので、補正をすべき高周波成分が主成分であることが想定されるので、HPFの初期値を初期AD値と同等とする特性を有している。
この特性グラフは、図5に示す特性グラフと同様に、制御部43内の内臓ROM等に記憶されている。制御部43は、標準AD値とX(−T)との差を算出するとともに、これらの差に基づいて、前述の特性グラフを参照することによって、初期値Y(−T)を設定する。
次に、HPF45のフィルタ演算処理について、図7のフローチャートを用いて説明する。電源ON時、補正機能の有効時、または補正演算再開時に、制御部43は、A/D変換器44から出力される初期AD値を取得する。
制御部43は、A/D変換器44から出力される標準AD値と、この初期AD値との差を算出するとともに、この差に基づいて初期値X(−T)を設定する。さらに、制御部43は、標準AD値と初期値X(−T)との差を算出するとともに、この差に基づいて、初期値Y(−T)を設定する。
その後、制御部43は、HPF45を制御して、これらの初期値X(−T),Y(−T)を設定するとともに、フィルタ演算処理を実行させる。このように、手振れ補正開始時に、制御部43によってHPF45の初期値を設定することによって、HPF45の出力が定常状態となるまでの時間を短縮して、HPF45の初期化時間を短縮することが可能である。
上記フィルタ演算処理の説明において、標準AD値及び初期AD値に基づいて、HPF45の初期値を設定してフィルタ演算を行う場合を例に説明を行ったが、A/D変換器44から規定時間出力されるAD値に基づいて、HPF45の初期値を設定しても良い。
以下に、規定時間出力されるAD値に基づいてHPF45の初期値を設定するフィルタ演算処理について、図8に示すグラフ、及び図9のフローチャートを用いて説明する。この場合、最初に、制御部43は、A/D変換器44から出力されるAD値を規定時間経過するまで取得する。さらに、制御部43は、規定時間内でAD値が現れる回数の統計からAD値の分布計算を行う。
AD値の分布計算を行った後、制御部43は、分布のピークとなる値、すなわち出現回数が最も多いAD値を角速度0とする基準値に設定する。その後、制御部43は、この基準値と、規定時間経過時のAD値とに基づいて、HPF45の初期値を設定する。この初期値の設定では、前述の初期AD値及び標準ADに基づいて初期値を設定する場合と同様に、特性グラフに基づいて初期値を設定する。
上記フィルタ演算処理の説明において、HPF45として、フィルタ次数の低い単純なフィルタ構成のフィルタを用いた場合について説明を行ったが、以下に、フィルタの次数が高いフィルタを用いた場合を例に説明する。
下記式2に示すIIRフィルタは、フィルタの次数が高く、Y(−T)〜Y(−NT)、X(−T)〜X(−NT)までの初期値が必要である。なお、この式2において、Tはサンプリング時間、X(n)は入力信号、Y(n)はフィルタ出力、A及びBはフィルタ特性を決定する定数、Nはフィルタの次数である。この場合のフィルタ演算処理について、図10のグラフ、及び図11のフローチャートを用いて説明する。
Figure 2008046374
制御部43は、AD変換器43から取得したAD値をX(n)に保管しながらサンプリングを行う。その後、制御部43は、次数回分のサンプリングが完了したか否かを判定する。次数回分のサンプリングが完了していないと判定された場合、AD値を保管しながらサンプリングを行う処理を繰り返し実行する。
また、次数回分のサンプリングが完了したと判定された場合、保管されたX(n)に基づいて、前述したように、AD値の分布を計算して、出現回数の最も多いAD値を角速度0とする基準値に設定するとともに、この基準値に基づいて、初期値Y(n)を算出して、フィルタ演算処理を開始する。以上、HPF45として、IIRフィルタを用いた場合を例に説明したが、これに限るものではなく、FIRフィルタを用いても良い。以下に、FIRフィルタを用いた場合について説明を行う。
FIRフィルタを用いた場合のフィルタ演算処理について、図12のグラフ、及び図13のフローチャートを用いて説明する。下記式3に示すIIRフィルタの演算式では、X(−T)〜X(−NT)までの初期値が必要である。なお、この式3において、Tはサンプリング時間、X(n)は入力信号、Y(n)はフィルタ出力、Aはフィルタ特性を決定する定数、Nはフィルタ次数である。
Figure 2008046374
制御部43は、AD変換器43から取得したAD値を保管しながらサンプリングを行う。初めのAD値の傾向をサンプリング値の傾きから判断し、演算開始前の過去のAD値を推測する。その後、制御部43は、傾きが反転したか否かを判定する。この判定は、例えば、AD値の2回微分が0になる位置において、傾きの正負が逆転したか否かによって行われる。
傾きが反転していないと判定された場合、AD値のサンプリング処理に戻って前述の処理を繰り返し行う。また、傾きが反転したと判定された場合、AD値の推測値を過去のAD値に決定する。
その後、制御部43は、AD変換器43から取得したAD値を保管しながらサンプリングを引き続き行う。制御部43は、これらのサンプリング値に基づいて直近の傾きを算出する。さらに、制御部43は、この直近の傾きに基づいて未来のAD値を予測する。
さらに、制御部43は、過去及び未来のAD値を含めてフィルタ次数分の初期値を取得したか否かを判定する。次数分の初期値が取得されていないと判定された場合、次数分の初期値が取得されるまで、サンプリング処理に戻り、未来のAD値の予測を行う。また、次数分の初期値が取得されたと判定された場合、過去及び未来のAD値と、保管されたX(n)とを初期値として設定して、フィルタ演算を開始する。
このように、過去及び未来のAD値と、保管されたX(n)とを初期値として設定することによって、通常よりも初期値の設定を早く行うことができる。例えば、サンプリング時間Tが1msの場合、初期値の設定を2mS早く行うことができる。
次に、フィルタの位相のずれを補正して、フィルタの初期値を設定することによってフィルタの出力を定常状態に効率良く近づける方法について以下に説明する。
デジタルフィルタの位相特性に応じてフィルタ初期値を設定するフィルタ演算処理について、図14のグラフ、及び図15のフローチャートを用いて説明する。HPF45として、式1で示されるフィルタを用いた場合、図3(C)に示す遅延特性より、信号の位相が進むことが分かる。手振れの主成分が2〜4Hzとし、その範囲の補正効果を一番求められている場合、その範囲の進み時間の平均を算出して予め記憶しておく。
制御部43は、起動時(例えば、電源ON時、補正機能の有効時、または補正演算再開時)に、A/D変換器44から出力される初期AD値を保管するとともに、初期AD値以降のAD値を逐次取得する。制御部43は、A/D変換器44から取得したAD値に基づいて、角速度が反転したか否かを判定する。
角速度が反転していないと判定された場合、制御部43は、角速度が反転するまで、AD値を取得する処理を繰り返し行う。また、角速度が反転したと判定された場合、制御部43は、初期AD値とピーク値とから傾きを算出するとともに、平均進み時間分のサンプリング回数先の予想角速度(予想AD値)を算出する。
その後、制御部43は、予想角速度に基づいてフィルタ初期値を設定する。さらに、制御部43は、このフィルタ初期値に基づいて演算を行い、フィルタ演算処理を終了する。
以上のフィルタ演算処理によって、低周波成分は確実にカットされるが高周波成分の影響が残るという懸念がある。しかし、アナログのBPFによって高周波成分の影響が抑制されており、さらに、レンズ駆動の周波数限界があり、高周波成分の影響は殆ど無い。
なお、上記フィルタ演算処理において、信号の位相が進むフィルタを例に説明を行ったが、以下に、位相が遅れるフィルタの場合について説明する。位相に遅れが生じるフィルタの場合のフィルタ演算処理について、図16のグラフ、及び図17のフローチャートを用いて説明する。
制御部43は、起動時(例えば、電源ON時、補正機能の有効時、または補正演算再開時)に、A/D変換器44から出力される初期AD値を取得する。その後、制御部43は、第1の実施形態と同様に、初期AD値に基づいてフィルタ初期値を算出する。
その後、制御部43は、ディレイ時間が経過したか否かを判定する。ディレイ時間が経過していないと判定された場合、ディレイ時間が経過するまで待機状態となる。また、ディレイ時間が経過したと判定された場合、ディレイ時間前のフィルタ初期値をディレイ時間経過後のフィルタ初期値としてフィルタ演算を開始する。
次に、補正演算が停止される直前(手振れ補正終了時)のA/D変換器44及びHPF45の出力結果に基づいて、手振れ補正再開時のHPFの初期値を設定する場合について、図18のグラフを用いて説明する。制御部43は、電源OFF時や、手振れ補正機能停止時や、パンチルト検出等によって、補正演算が停止された時に、この時の低周波成分を基準値として保管する。なお、この低周波成分は、HPF45の出力値とA/D変換器44の出力値との差分から算出される。
その後、電源ON時や、補正機能有効時や、補正演算再開時に、制御部43は、保管された基準値に基づいてフィルタ初期値を設定する。その後、制御部43は、このフィルタ初期値に基づいてフィルタ演算を開始する。
上記フィルタ演算処理において、補正演算停止時間に関わらず、補正演算停止時の低周波成分を基準値としてフィルタ初期値を算出する場合について説明したが、停止時間に基づいてフィルタ初期値の算出方法を変更することが好ましい。以下に、停止時間によってフィルタ初期値の算出方法を変更する場合について、図19のグラフ、及び図20のフローチャートを用いて説明する。
制御部43は、電源OFF時や、手振れ補正機能停止時や、パンチルト検出等によって補正演算が停止された時に、この時の低周波成分を基準値として保管する。なお、この低周波成分は、HPF45の出力値とA/D変換器44の出力値との差分から算出される。
その後、電源ON時や、補正機能有効時や補正演算再開時に、制御部43は、前回の補正演算を停止してからの経過時間が限界時間以上か否かを判定する。この限界時間とは、ジャイロセンサ40の温度変化によって決まる時間である。
限界時間以上経過していると判定された場合、制御部43は、標準AD値に基づいてフィルタ初期値を設定する。また、限界時間以上経過していない、すなわち、限界時間未満であると判定された場合、制御部43は、図19に示すグラフを参照して、前回からの経過時間に対応する標準AD値比率を取得するとともに、この比率に基づいて、基準値と標準AD値との混合でフィルタ初期値を設定する。制御部43は、このフィルタ初期値に基づいて演算を行ってフィルタ演算処理を終了する。
上記実施形態において、手振れ補正制御部21についてのみ説明を行ったが、補正レンズ33をV方向に駆動するレンズモータ20の制御も同様であり、手振れ補正制御装置22の詳しい説明を省略する。
なお、上記実施形態において、光軸の振れを検出するために、角速度検出手段であるジャイロセンサを設ける場合を例に説明を行ったが、これに限るものではなく、振れ検出手段として、角加速度センサ、速度センサ、加速度センサ等を設けても良い。
また、上記実施形態において、初期値設定手段である制御部を手振れ補正制御装置に設けた場合を例に説明したが、この制御部を設けずに、デジタルカメラ全体を制御するシステムコントローラがフィルタ初期値を設置しても良い。
さらに、上記実施形態において、デジタルフィルタであるHPFの初期値の設定を行なう場合を例に説明を行ったが、積分回路もフィルタ機能を備えており、このフィルタの初期値の設定を同様に行っても良い。
また、上記実施形態において、本発明の手振れ補正制御装置をデジタルカメラに適用した場合を例に説明したが、これに限るものではなく、例えば、本発明を銀塩カメラに適用しても良い。
デジタルカメラの電気的構成を示すブロック図である。 手振れ補正制御装置の電気的構成を示すブロック図である。 IIRフィルタのフィルタ特性を示すグラフであり、振幅特性、位相特性、遅延特性を示している。 標準AD値及び初期AD値を示すグラフである。 標準AD値と初期AD値の差と、初期値X(−T)との関係を示すグラフである。 標準AD値と初期値X(−T)との差と、初期値Y(−T)との関係を示すグラフである。 フィルタ演算処理を説明するフローチャートであり、標準AD値と初期AD値の差に基づいて初期値を設定する場合を示している。 規定時間内のAD値と、AD値の分布を示すグラフである。 フィルタ演算処理を説明するフローチャートであり、出現回数の最も多いAD値を基準値として初期値を設定する場合を示している。 フィルタ次数分のサンプリング位置とAD値との関係を示すグラフである。 フィルタ演算処理を説明するフローチャートであり、フィルタ次数分のサンプリングによって初期値Xを設定し、出現回数の最も多いAD値を基準値として初期値Yを設定する場合を示している。 過去のAD値の推測値と、未来のAD値の予測値とを示すグラフである。 フィルタ演算処理を説明するフローチャートであり、過去と未来のAD値に基づいて初期値を設定する場合を示している。 平均進み時間分のサンプリング回数先のAD値の予測値を示すグラフである。 フィルタ演算処理を説明するフローチャートであり、平均進み時間分のサンプリング回数先のAD値を予測して初期値を設定する場合を示している。 ディレイ時間前とディレイ時間経過後のAD値を示すグラフである。 フィルタ演算処理を説明するフローチャートであり、ディレイ時間前のAD値に基づいて初期値を設定する場合を示している。 前回の手振れ補正停止時の基準値を示すグラフである。 手振れ補正停止時からの経過時間と標準AD値の比率との関係を示すグラフである。 フィルタ演算処理を説明するフローチャートであり、手振れ補正停止時からの経過時間に基づいて基準値を変更して初期値を設定する場合を示している。
符号の説明
10 デジタルカメラ
16 システムコントローラ
19,20 レンズモータ
21,22 手振れ補正制御装置
40 ジャイロセンサ
41 BPF
43 制御部
44 A/D変換器
45 HPF
46 積分回路
47 PWMドライバ

Claims (9)

  1. 光学機器の光軸の振れを検出する振れ検出手段と、この振れ検出手段の出力から特定の周波数成分を抽出するデジタルフィルタとを備え、前記デジタルフィルタの出力信号に基づいて得られた振れ角に基づいて、前記光軸の振れを補正する補正手段の駆動を制御する手振れ補正制御装置において、
    前記光軸の振れが無い状態で前記振れ検出手段から出力される標準出力値と、前記振れ検出手段の初期出力値とに基づいて、前記デジタルフィルタの初期値を設定する初期値設定手段を備えていることを特徴とする手振れ補正制御装置。
  2. 光学機器の光軸の振れを検出する振れ検出手段と、この振れ検出手段の出力から特定の周波数成分を抽出するデジタルフィルタとを備え、前記デジタルフィルタの出力信号に基づいて得られた振れ角に基づいて、前記光軸の振れを補正する補正手段の駆動を制御する手振れ補正制御装置において、
    手振れ補正開始時に、前記振れ検出手段から規定時間出力される出力値に基づいて基準値を決定し、この基準値と前記規定時間経過後の出力値とに基づいて前記デジタルフィルタの初期値を設定する初期値設定手段を備えていることを特徴とする手振れ補正制御装置。
  3. 前記初期値設定手段は、前記振れ検出手段から規定時間出力される出力値の分布を検出し、最も出現回数の多い出力値を前記基準値に決定することを特徴とする請求項2記載の手振れ補正制御装置。
  4. 光学機器の光軸の振れを検出する振れ検出手段と、この振れ検出手段の出力から特定の周波数成分を抽出するデジタルフィルタとを備え、前記デジタルフィルタの出力信号に基づいて得られた振れ角に基づいて、前記光軸の振れを補正する補正手段の駆動を制御する手振れ補正制御装置において、
    前記デジタルフィルタの位相特性に基づいて、前記デジタルフィルタの初期値を設定する初期値設定手段を備えていることを特徴とする手振れ補正制御装置。
  5. 前記デジタルフィルタの位相のズレによって出力信号が進む場合、前記初期値設定手段は、前記振れ検出手段の進み時間分先の出力値を予測し、この予測値に基づいて前記デジタルフィルタの初期値を設定することを特徴とする請求項4記載の手振れ補正制御装置。
  6. 前記デジタルフィルタの位相のズレによって出力信号が遅れる場合、前記初期値設定手段は、起動から遅れ時間経過後に、初期出力値に基づいて前記遅れ時間前の前記デジタルフィルタの初期値を計算し、この初期値を遅れ時間経過後の前記デジタルフィルタの初期値に設定することを特徴とする請求項4記載の手振れ補正制御装置。
  7. 光学機器の光軸の振れを検出する振れ検出手段と、この振れ検出手段の出力から特定の周波数成分を抽出するデジタルフィルタとを備え、前記デジタルフィルタの出力信号に基づいて得られた振れ角に基づいて、前記光軸の振れを補正する補正手段の駆動を制御する手振れ補正制御装置において、
    手振れ補正終了前の前記振れ検出手段及び前記デジタルフィルタの出力結果に基づいて、手振れ補正再開時の前記デジタルフィルタの初期値を設定する初期値設定手段を備えていることを特徴とする手振れ補正制御装置。
  8. 前記初期値設定手段は、手振れ補正終了前の前記出力結果の差分を基準値とし、前記手振れ補正再開時に、前記基準値に基づいて前記デジタルフィルタの初期値を設定することを特徴とする請求項7記載の手振れ補正制御装置。
  9. 前記初期値設定手段は、手振れ補正終了時からの経過時間に基づいて、前記光軸の振れが無い状態で前記振れ検出手段から出力される標準出力値と、前記基準値との混合比率を変化させて、この混合値を新たな基準値とすることを特徴とする請求項8記載の手振れ補正制御装置。
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