JP2006300693A - 放射線線量計 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 放射線を検出して放射線相当電気信号に変換する手段(プローブ3)と、該電気信号を所定周期で計測して放射線値に変換・積算する手段と、計測開始日時情報と前記所定周期での計測時間情報を得る手段と、所定の放射線量を照射して正規に照射を終了したことを示す情報(RESET情報)を設定する手段と、前記積算放射線量・計測開始日時情報・所定周期での計測時間情報・所定の線量を照射して正規に照射を終了したことを示す情報(RESET情報)を、前記記憶手段(電池407から電源が供給されるSRAM406)に2組記憶し、更に記憶された情報の必要範囲を指定する手段を設け、指定された範囲の情報をPC等に出力可能にする。
【選択図】 図1
Description
上記[特許文献1]に記載された血液バッグ用放射線照射装置は、複数の血液バッグを並べて載置でき、かつそれらの相互位置関係を保持したまま上下面を反転可能なターンテーブルと、このターンテーブルの血液バッグ載置面の上方又は下方から当該載置面上の血液バッグに放射線を照射する放射線源と、ターンテーブルを回転させつつ放射線源からターンテーブル上の複数の血液バッグに放射線を照射させ、その複数の血液バッグへの設定総放射線照射量に応じた所定照射量に達した際にターンテーブルの上下面を反転させ、再びターンテーブルを回転させつつ放射線源からそのターンテーブル上の複数の血液バッグに放射線照射させる制御手段とを設けることで、処理能力を低下させることなく、血液バッグの厚み方向の線量分布均一化と装置の低価格化の両立を図る旨、記載されている。
例えば、輸血用血液を封入した血液バッグに対してなされた正確な照射線量の確認ができないから、バッグ内の血液が輸血に用いるために適合するか否かがわからないため、照射途中の血液バックを廃棄しなければならなかった。このため、貴重な輸血血液を有効活用したいとの要求に応えることができなかった。
また上記[特許文献1]では、長期間、多回数の照射履歴を管理するに便利な機能に対する配慮がされておらず、照射の度に照射条件等を筆記記録することが実情であり、照射歴の容易な管理という要求にも応えられていなかった。
なお、具体的には、放射線を検出して放射線相当電気信号に変換する手段と、該電気信号を所定周期で計測して放射線値に変換後積算する手段と、計測開始日時情報と前記所定周期での計測時間情報を得る手段と、所定の放射線量を照射して正規に照射を終了したことを示す情報(RESET情報)を設定する手段と、前記積算放射線量・計測開始日時情報・所定周期での計測時間情報・所定の線量を照射して正規に照射を終了したことを示す情報(RESET情報)を、前記記憶手段に2組記憶し、更に記憶された情報の必要範囲を指定する手段を設け、指定された範囲の情報をパーソナルコンピュータ等(以下PC等と略す)に出力可能にすることで達成される。
また、長期間分の多回数の照射暦を線量計本体に記憶し、前記記憶された照射暦から、必要な範囲の照射暦を表示したり、PC等に出力可能にしたりすることにより、照射履歴の管理を容易にすることができる。
図1は本発明による放射線線線量計を組み合わせたX線照射システムの概略構成を示すブロック図である。
X線照射システムは、X線管装置1と、X線管装置1からのX線の照射方向に配置された照射対象物2と、対象物2への照射線量と等価のX線を検出できる位置に配置されるイオンチャンバー型プローブ(以下プローブと略す)3と、放射線線量計本体(以下線量計と略す)4と、X線照射装置5と、データケーブル6と、高圧ケーブル7と、プリンタ8と、USB変換器9と、照射録出力用PC等10と、を有している。
X線管装置1は、X線照射装置本体5から、高圧ケーブル7を通して高電圧を供給されることにより、X線を発生する。プローブ3はX線照射を受けると電離電流を発生する。線量計本体4は、その中に計測線量の表示や操作指令を受け付けるタッチパネル(以下TPと略す)401と全体を制御する演算器(以下CPUと略す)402、CPU402のプログラムを記憶するROM403、個々の照射データを、プリンタ6にRS232方式で出力するためのシリアル通信IF404、演算過程のデータなどを格納するRAM405、線量計の校正定数やTRIP値を記憶しておくRAMで、カレンダ用クロックを内蔵しており、電池407で線量計の電源が遮断された間もデータ−を保持し続けることができるよう構成されているSRAM406、プローブ3用の高電圧発生器409に、基準電圧を供給するためのディジタル/アナログ変換器(以下DACと略す)408を内蔵している。高電圧発生器409の出力は、DAC408のアナログ出力を変化させることで、所定高電圧、例えば300Vを発生する。
アナログマルチプレクサ(以下MPXと略す)416は、積分回路の出力とプローブ3への高電圧を抵抗418,419で分圧した高電圧相当信号とを切り替えてAD変換器417(以下ADCと略す)に入力する。
通常、X線管装置1、照射対象物2、プローブ3は、X線照射装置本体5の中に内蔵されているが、説明の容易化のため、図1の如く独立して図示してある。
まず、線量計の電源(通常、X線照射装置の電源と同時に投入・遮断される)が投入されると、CPU402は図2に示すように、周辺のIC等に所定の初期設定と自動オフセット・自動ゼロ調整(ステップ:101)を行う。
(ステップ:102)
照射録やTRIP値・校正定数等は、例えば図9に示したデータがRAM405に記録されており、異常があるか否かはそれらのデータをブロック毎にバイト単位で単純に積算し、その値が記録されているSUM値と一致するか否かで判断する。本発明による線量計では、図9の同一データを2ブロック分RAM405に記録してあるため、いずれか一方に異常があった場合は、異常の無い方から異常の有る方へコピーして、常に2ブロックともSUM値が一致するように修正する。(ステップ:104)
(ステップ:107)
以下、各々の処理内容について図1乃至図9を用いて詳述する。
CPU402は、線量計4のTP401から、日時情報の設定指示が入力されると、図2のステップ109で検出し、図3の「I.カレンダ設定処理」を起動して、TP401に設定された日時設定情報を、カレンダ機能を持ったSRAM406のクロック部にセット(図3のステップ:158)する。これによりSRAM406のクロック部はカレンダとして時刻を刻み、CPU402が任意の時点でその内容を読取ることにより、その時点の西暦日時情報を、秒単位で読み取れる。この種のSRAMとしては、STマイクロ社のTIMEKEEPER SRAMのM48T37Yがある。
CPU402は、線量計4のTP401もしくは照射装置5のTP52からTRIP値の設定指示が入力されると、ステップ:110で認識し、図4の「II.TRIP値設定処理」を起動する。具体的にはCPU402は、TP401に設定されたTRIP値、例えば15Gyという値を読取り、以降の照射線量計測時のTRIP値として図1のSRAM406の第1ブロックに記録し、そのときのSUM値も計算して記録する。(ステップ:121)
次にCPU402は、同じ値を図1のSRAM406の第2ブロックに記録し、そのときのSUM値も計算して記録する(ステップ:122)。この記録の例を図9の定数等の部分に示す。
次いでCPU402は読取ったTRIP値を、積算線量計測時に使用するRAM405の所定アドレスのワークRAMに記録しTP401に表示する。(ステップ:123)
図9中の較正定数は、標準計測原器と比較しての較正定数であり、大気補正係数は計測時の気候条件により決定される補正定数であり、既知の方法で決定し記録したものである。
これらの定数は、積算線量の演算過程で積算線量値の精度を確保するため使用する。
CPU402は、TRIP値が新しい値に設定される毎に、それをSRAM406の2ブロックに対し上書きし、SUM値も2ブロックに対し上書きする。
RESET処理は、対象物への照射が所定の手順で完全に終了した時点で、図示しない操作者が線量計を含む照射装置全体5に1照射の終了を入力し、CPU402に必要な処理をさせるためのものである。
線量計4のTP401か照射装置5のTP52で、RESET指令が設定されると、CPU402はステップ111で認識し、図5の「III.RESET処理」を起動する。CPU402はこの処理が起動されると、図1に示すSRAM406の第1ブロックの所定アドレスに、RESETで終了の情報を記録し、SUM値を計算して記録する。(ステップ:124)
次にCPU402は、同一情報を図1に示すSRAM406の第2ブロックの所定アドレスに、RESETで終了の情報を記録し、SUM値も計算して記録する。(ステップ:125)
線量計4のTP401か照射装置5のTP52で、照射開始指令が設定されると、線量計4のCPU402はステップ112で認識し、図6の「IV.計測処理」を起動する。この処理が起動されると、CPU402はSRAM406内の照射録から最新の照射記録を参照し、その照射がRESETで終了したか否かを判定する。(ステップ:127)
RESETで終了していた場合、CPU402は照射録に記録すべき新しい照射であると判断し、リングカウンタの示すSRAM406の第1ブロック用アドレスに、照射開始日時情報とSUM値を記録する。次にCPU402は同一情報を、第2ブロック用アドレスに記録する。(ステップ: 128)
RESETで終了していなかった場合、CPU402はその計測開始指令が電源立上げ直後であるか否かをステップ129で判定する。
電源立上げ直後であった場合、CPU402は電源遮断前に行われていた照射が継続されるものと判断し、計測開始日時情報をSRAM406に記録せず、計測回路のロックのみ開放してステップ130の計測処理に移行する。電源立上げ直後でなかった場合、CPU402は前回の照射が一旦中断していたものと判断し、ステップ130の計測処理に移行する。
CPU402は線量の積算演算を、
今回の計測値−前回の計測値=積算すべき線量値
として、ディジタル的にワークRAMに積算する。計測を中断していた場合や電源立上げ直後で、前回がRESETで終了していなかった場合、CPU402は計測再開直後の計測値を次回の計測値から減算することで、積算すべき線量値を得るため、中断期間に積分器がリークすることによる計測値の誤差を無くすることができる。(ステップ:131)
更にCPU402は、同一データをSRAM406の第2ブロックの所定アドレスに上書きし、SUM値も演算し上書きする。(ステップ:133)
このようにして記録された照射録の例を図9に示す。
(今回の計測積算線量値−前回の計測積算線量値)×240の演算を行うことで、得ることができ、これを積算線量値と同様に照射録情報として加えて記録することが容易にできることは言うまでもない。これにより、照射線量だけでなく照射線量率の管理も可能である。
STOP指令があるか、TRIP値に到達した場合、CPU402は計測終了とし、照射装置5のSQ51に計測終了信号を送り、線量計4が計測終了状態に入ったことを、例えばそのメッセージを表示するなどして操作者に知らせる。このように計測毎(250ms毎)に計測時間情報を記録し、積算線量値・SUM値もあわせて、電池407により電源がバックアップされたSRAM406に2ブロック記録することから、照射中のどの時点で電源遮断などの異常事態が発生しても、250ms間分の積算線量値と250msの照射終了時間の誤差しか発生しない。つまり、血液バッグの照射条件は通常15Gy程度、照射時間は約8分であるから、8分に対する250msの誤差は約0.05%であるため許容される。また前記したTRIP値・RESET情報の予期せぬ電源遮断などによる破損からの保護と同様に、照射録データも充分な信頼度を持って記録・保持できる。
線量計4のTP401もしくは照射装置5のTP52により、この処理の起動が指令されると、 CPU402はステップ113で検出し、「III.計測処理」で計測・積算されている積算照射線量値をプリンタ8にプリントする。ついでCPU42は、「III.計測処理」で記録された、計測終了日時情報と共に、線量計のワークRAM405の所定アドレスに記録されている管電圧、管電流情報をプリンタ8にプリントさせる。このプリントされたものは、血液バッグなどの照射対象物に貼り付けるなどして、照射対象物の識別管理に利用される。
照射録出力指令が線量計4のTP401で設定され、線量計4のCPU402にて認識される(ステップ:112)と、CPU402は「VI.照射録出力処理」を起動する。この処理が起動されると、線量計4のCPU402はTP401に指定されている表示もしくはプリントすべき照射録の組数(N)を読取り、RAM405の所定アドレスのワークRAMにセットする。
(ステップ:138)
次にCPU402は、SRAM406内のリングカウンタの示すアドレス情報から、最新の照射録の記録されているアドレスを読取り、RAM405の所定アドレスのワークRAMにセットする。
(ステップ:139)
次いで、CPU402はSRAM406内の照射録から計測日情報・計測開始時間情報・計測終了時間情報(前記で説明した最後の計測時間で、計測毎に上書きされた時間情報)・積算線量値を、各々TP401に表示もしくはCSV形式(各データをコンマで区切ったテキストファイル)に変換し、RS232IF404から、USB変換器6を経由してPC10等に順次出力する。出力の順序は、図8に示すように、並べ易いように行う。(ステップ:140乃至143)
次にCPU402は、指定された個数分表示もしくは出力したか否かを判定する。(ステップ:144)。この判定の結果、N組の表示もしくは出力が未完の場合、CPU402は前記した取出しアドレスを1組分(本実施形態では12)減算し、前記と同様の表示もしくは出力処理を繰り返す。これにより、N組の表示もしくは出力は、最新のものから古いものの順に行える。
また、上述では250ms周期で計測するが、その計測により誤差が問題となる場合には、計測周期をより短くする、例えば100ms周期にすることで改善できる。
更に上記実施形態では、プローブ3の出力電流を積分回路で積分した後、AD変換して計測することとしたが、プローブ3の出力電流を電圧変換し、より高い繰り返し頻度でAD変換し、ディジタル的に積分することでも、本発明の目的を達成することができる。
Claims (7)
- 放射線を検出する手段と、該放射線を所定周期で計測して積算する手段と、前記積算手段によって積算された積算データを自装置の電源が遮断されても保持する手段とを備えた放射線線量計において、前記所定周期で計測・積算された放射線積算値、もしくは前記所定周期で計測された線量値と前記所定周期情報から演算した線量率情報の少なくとも1つを、前記所定周期で、前記保持手段に記録する制御手段を備えたことを特徴とする放射線線量計。
- 前記放射線の計測開始日時情報と前記所定周期毎の計測時間情報を得る手段を備え、前記制御手段は、前記計測開始日時情報と前記所定周期毎の計測時間情報の少なくとも1つをも、前記所定周期で、前記保持手段に記録することを特徴とする請求項1に記載の放射線線量計。
- 前記放射線の計測・積算処理が所定の手順で終了したことを示す情報を設定する手段を備え、前記制御手段は、前記所定の手順で終了した情報をも、前記電源が遮断されて情報を保持できる手段に記録し、前記計測の中断からの復帰時もしくは電源の再投入時に、前記所定手順で終了した情報の有無により、前記計測の継続の要否を判定することを特徴とする、請求項1,2の何れか一項に記載の放射線線量計。
- 前記電源が遮断されても情報を保持できる手段に記録する情報群を1組の情報組とし、複数の情報組のデータを前記電源が遮断されても前記保持手段に2組記録し、各組の情報の総和値(SUM値)も前記電源が遮断されても情報を前記保持手段に各組単位で2組記録し、かつ2組の情報組の記録及びそのSUM値の記録は、第1組の記録が終わってから第2組の記録を行うことを特徴とする、請求項1〜3の何れか一項に記載の放射線線量計。
- 積算照射線量情報もしくは線量率情報の少なくとも一つを計測する計測手段と、計測開始日時情報もしくは計測終了日時情報の少なくとも一つを得る情報取得手段と、自装置の電源が切れても情報を保持する手段に一組の計測が終了するたびに前記計測手段と前記情報取得手段によって入手された情報類を順次記録する手段と、前記電源が遮断されても情報を前記保持手段に記録された情報類の必要範囲を指定する手段と、該指定された範囲の情報類をコンピュータに出力する制御手段とを備えたことを特徴とする放射線線量計。
- 前記制御手段は、前記情報類に加えて、管電圧、管電流等の放射線照射条件をも、前記電源が切れても情報を保持する手段に記録する手段を加えたことを特徴とする、請求項5に記載の放射線線量計。
- 前記制御手段は、前記情報類の必要範囲を指定する手段によって指定された情報類を、CSVフォーマット形式に変換出力する手段をさらに備えたことを特徴とする請求項5,6の何れか一項に記載の放射線線量計。
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