JP2006300605A - 非共振型ノッキングセンサ - Google Patents
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Abstract
【課題】 圧電素子に発生する電気信号を取り出すための端子部がセンサの側面に配置されたノッキングセンサにおいて、端子部およびその近傍に発生した不要な振動が圧電素子に伝わることを防止することにより、センサの周波数特性を向上させる。
【解決手段】 非共振型ノッキングセンサ1において、電極部材17a,19aは、支持部材11の本体部12を挿通するための挿通孔と切欠部173,174,193,194とが形成され圧電素子23の端面の少なくとも一方に積層して配置される環状部172,192と、環状部172,192から外側に延出する端子部171,191と、を備えている。従って、電極部材17a,19aに切欠部173,174,193,194を形成することにより端子部171,191およびその近傍で発生した振動が電極部材17a,19aを伝わり難くすることができる。
【選択図】 図4
【解決手段】 非共振型ノッキングセンサ1において、電極部材17a,19aは、支持部材11の本体部12を挿通するための挿通孔と切欠部173,174,193,194とが形成され圧電素子23の端面の少なくとも一方に積層して配置される環状部172,192と、環状部172,192から外側に延出する端子部171,191と、を備えている。従って、電極部材17a,19aに切欠部173,174,193,194を形成することにより端子部171,191およびその近傍で発生した振動が電極部材17a,19aを伝わり難くすることができる。
【選択図】 図4
Description
本発明は、内燃機関に発生するノッキングを検出する非共振型ノッキングセンサに関する。
従来より、内燃機関に発生するノッキングを検出する非共振型ノッキングセンサとして、センサ素子である圧電素子を支持する支持部材の中央に挿通孔を形成し、この挿通孔にボルト等の固定部材を挿通することにより、この固定部材を介して内燃機関の取付部に固定されるものが知られている。
この非共振型ノッキングセンサにおいては、支持部材の中央に固定部材を挿通するよう構成されているため、支持部材の中央には圧電素子に発生する電気信号を取り出すための端子部を配置することができない。このため、このセンサにおいて端子部は、センサの側面方向に突出して配置されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−251792号公報
一般的に非共振型ノッキングセンサは、ノッキング周波数として知られている1〜20kHzの振動周波数において、通常時(ノッキングが発生していない状態)の出力が極力一定となるよう設計されている。
しかしながら、上記非共振型ノッキングセンサにおいては、端子部がセンサの側面方向に向けて配置されているため、特定の振動周波数で端子部およびその近傍の部材(例えばコネクタ部)が共振を起こす虞があり、これらが共振すると、この共振に伴う不要な振動が原因で、センサから一定の出力が得られなくなる虞がある。
即ち、端子部およびその近傍の部材が共振すると、ここで発生した振動が端子部を介して圧電素子に伝わってしまい、特定の振動周波数におけるセンサ出力が、他の周波数のセンサ出力から大きく変化してしまうものと考えられる。
そこで、このような問題点を鑑み、圧電素子に発生する電気信号を取り出すための端子部がセンサの側面に配置されたノッキングセンサにおいて、端子部およびその近傍に発生した不要な振動が圧電素子に伝わることを防止することにより、センサの周波数特性を向上させることを本発明の目的とする。
かかる目的を達成するために成された請求項1に記載の発明は、筒状の本体部を有する支持部材と、前記支持部材の本体部の外周に位置する環状の圧電素子と、前記支持部材の本体部の外周に位置し前記圧電素子の端面の少なくとも一方に積層して配置される環状部、および該環状部から径方向外側に延出する端子部、を有し、前記圧電素子に発生する電気信号を外部に引き出すための電極部材と、を備えた非共振型ノッキングセンサであって、前記電極部材の環状部に、切欠部を形成したことを特徴としている。
従って、このような非共振型ノッキングセンサによれば、電極部材に切欠部を形成することにより端子部およびその近傍で発生した振動が電極部材を伝わり難くすることができるので、端子部およびその近傍で発生した振動が電極部材を介して圧電素子に影響を与えることを防止することができる。
また、請求項1に記載の非共振型ノッキングセンサにおいて、切欠部は、請求項2に記載のように、端子部と環状部との接続部分の近傍に形成されていることが望ましい。
このような非共振型ノッキングセンサによれば、端子部に近い位置に切欠部が形成されているので、振動が圧電素子に伝わることをより防止することができる。
このような非共振型ノッキングセンサによれば、端子部に近い位置に切欠部が形成されているので、振動が圧電素子に伝わることをより防止することができる。
さらに、請求項1または請求項2に記載の非共振型ノッキングセンサにおいて、切欠部は、請求項3に記載のように、環状部において、端子部と環状部との接続部分と対向する位置に形成されていることが望ましい。
このような非共振型ノッキングセンサによれば、端子部と環状部との接続部分と対向する位置に形成された切欠部により、端子部から環状部に伝わった振動により環状部が共振することを防止することができる。
また、請求項1〜請求項3の何れかに記載の非共振型ノッキングセンサにおいて、圧電素子と電極部材の環状部とが略円環状に形成されている場合には、圧電素子の端面と直交する方向から電極部材を見たときにおいて、端子部は、請求項4に記載のように、環状部が配置された仮想平面上であって、環状部の中心を通る仮想中心線に対して平行であり、しかもこの仮想中心線から一定距離離れて配置されており、切欠部は、端子部近傍の仮想中心線上に形成されていることが望ましい。
ここで、端子部から侵入する振動の影響を受け易いのは仮想中心線上の領域であると考えられるが、本発明の非共振型ノッキングセンサによれば、切欠部が仮想中心線上に位置するので、この振動を消去し易くすることができる。
さらに、請求項4に記載の非共振型ノッキングセンサにおいて、電極部材が圧電素子の両端面と接触する2箇所に配置されている場合には、圧電素子の端面と直交する方向から各電極部材を見たときにおいて、一方の電極部材と他方の電極部材とは、請求項5に記載のように、端子部と切欠部とが、仮想中心線を挟んで線対称に配置されていることが望ましい。
このような非共振型ノッキングセンサによれば、仮想中心線を挟んだ各領域において、電極部材を構成する端子部および切欠部の重量のバランスを取ることができるので、センサの振動特性を向上させることができる。
以下に本発明にかかる実施の形態を図面と共に説明する。
[実施例]
まず、本発明が適用された非共振型ノッキングセンサ1(以下、単に「ノッキングセンサ1」ともいう。)について、図1を用いて説明する。図1は非共振型ノッキングセンサ1の外観を表す正面図である。
[実施例]
まず、本発明が適用された非共振型ノッキングセンサ1(以下、単に「ノッキングセンサ1」ともいう。)について、図1を用いて説明する。図1は非共振型ノッキングセンサ1の外観を表す正面図である。
図1に示すように、本実施形態の非共振型ノッキングセンサ1は、内部に圧電素子23(図2参照)などの構成部品を収納する絶縁材料(PA(ポリアミド)等の各種樹脂材料など)からなるケース61を備えている。
ケース61は、上面側(図1における上側を示す。以下同じ。)がテーパ状に成形された円柱形状の素子収納部63と、外部機器(例えば、点火時期制御装置など)に繋がる外部コネクタを接続するコネクタ部65と、を備えている。コネクタ部65は、素子収納部63の外周壁から外向きに突出して形成される。
次に、ノッキングセンサ1の内部構造について図2および図3用いて説明する。図2はノッキングセンサ1の内部構造を示す断面図、図3は下面側電極部材17aおよび上面側電極部材19aを示す上面図である。
図2に示すように、ノッキングセンサ1は、支持部材11、下面側電極部材17a、圧電素子23、上面側電極部材19a、錘部材31、ナット21、抵抗素子27、ケース61を備えて構成されている。
支持部材11は、例えば、樹脂(ナイロンMXD6)等の絶縁材料からなり、軸線方向(圧電素子23をその端面と直交する方向から見たときの方向:図2における上下方向)に延びる円筒形状の本体部12を有すると共に、本体部12のうち軸線方向における下面部から径方向外向きに突出する鍔部13を備えている。
本体部12の内部には、軸線方向に貫通する貫通孔71が備えられている。また、本体部12における外周面の上端部および鍔部13の外周面には、ケース61との密着性を高めるための溝部75,76が備えられている。そして、本体部12の外周面のうち溝部75の下面側(図1における下側を示す。以下同じ。)には、ナット21と螺合するネジ溝74が備えられている。
圧電素子23は、圧電効果を有する材料(チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)や、チタン酸バリウム等の各種セラミックス、水晶等の各種結晶、ポリフッ化ビニリデン等の各種有機材料、等)からなり、本体部12の外周を取り囲む環状形状に形成されて、鍔部13の上面側に配置されている。
錘部材31は、環状形状の金属材料(真鍮等の各種金属材料)により形成されており、上面側電極部材19aの上面側において、本体部12の外周を取り囲むように配置されて、圧電素子23に対して荷重を印加するために備えられている。
ナット21は、環状形状の金属材料で形成されており、内周面に本体部12のネジ溝74と螺合するネジ溝(図示省略)が形成されて、本体部12に螺合固定できるように構成されている。なお、ナット21は、軸線方向に垂直な面における外周形状が多角形(例えば、六角形)に形成されており、工具などを用いて締め付け固定できるように構成されている。
上面側電極部材19aは、図3に示すように、円環状の環状部192と、この環状部192から突出する端子部191とを備えている。
環状部192は、本体部12の外周を取り囲む環状形状に形成されており、図2に示すように、圧電素子23の上面に当接している。
環状部192は、本体部12の外周を取り囲む環状形状に形成されており、図2に示すように、圧電素子23の上面に当接している。
また、端子部191は、圧電素子23の上面(環状部192)からコネクタ部65までの区間を電気的に接続し、圧電素子23の上面から出力される電気信号の通電経路として使用される。この端子部191は、所定の位置でコネクタ部65の高さに合わせて上面側に曲げられている。ただし、端子部191が曲げられる方向は、軸線方向および端子部191の突出方向のみであって、この上面側電極部材19aを軸線方向から見たとき(図3の上面図の状態)において、端子部191は、仮想中心線200に対して平行であって一定距離離れて配置されている。
なお、仮想中心線200とは、環状部192が配置されている仮想平面上であって、環状部192の外周(および内周)が描く円弧の中心Oを通る直線を示すものとする。
そして、環状部192には、第1切欠部193および第2切欠部194が形成されている。
そして、環状部192には、第1切欠部193および第2切欠部194が形成されている。
第1切欠部193は、端子部191近傍であって仮想中心線200上の領域に形成されている。また、この第1切欠部193は、仮想中心線200上の領域において、環状部192を分断している。
一方、第2切欠部194は、環状部192の中心Oに対して端子部191とは対向する位置に形成されている。しかもこの第2切欠部194は、仮想中心線200上の領域において、環状部192の外周側から環状部192の幅が半分程度になる深さに設定されている。つまり、この第2切欠部194は、第1切欠部193とは異なり、環状部192を分断することはない。
次に、下面側電極部材17aは、図3に破線にて示すように、円環状の環状部172と、この環状部172から突出する端子部171とを備えている。
下面側電極部材17aの環状部172は、前述の上面側電極部材19aを仮想中心線200を中心軸として反転させたものとなっている。即ち、環状部172は、上面側電極部材19aの環状部192と全く同様の構成であって、上面側電極部材19aの第1切欠部193および第2切欠部194と同様の第1切欠部173(図4参照)および第2切欠部174(図4参照)を備えている。
下面側電極部材17aの環状部172は、前述の上面側電極部材19aを仮想中心線200を中心軸として反転させたものとなっている。即ち、環状部172は、上面側電極部材19aの環状部192と全く同様の構成であって、上面側電極部材19aの第1切欠部193および第2切欠部194と同様の第1切欠部173(図4参照)および第2切欠部174(図4参照)を備えている。
一方、下面側電極部材17aの端子部171は、上面側電極部材19aの端子部191とはその長さや折り曲げられる位置が異なる(図4参照)。
そして、下面側電極部材17aの端子部171の先端部は、コネクタ部65において、上面側電極部材19aの端子部191の先端部と軸線方向位置が同一となるように配置されることになる。
そして、下面側電極部材17aの端子部171の先端部は、コネクタ部65において、上面側電極部材19aの端子部191の先端部と軸線方向位置が同一となるように配置されることになる。
この結果、各電極部材17a,19aを軸線方向から見た場合においては、図3に示すように、下面側電極部材17aの端子部171および切欠部173,174と、上面側電極部材19aの端子部191および切欠部193,194とは、仮想中心線200に対して線対称に配置されることになる。
次に、ノッキングセンサ1の組み立て作業について図4を用いて説明する。図4はノッキングセンサ1の内部に備えられる構成部品の一部の分解斜視図である。
図4に示すように、ノッキングセンサ1の組み立て作業においては、まず、支持部材11における本体部12の外周を取り囲むように、下面側から上面側に向けて、下面側電極部材17a、圧電素子23、上面側電極部材19a、および錘部材31を、この順に積層する作業を行う。
図4に示すように、ノッキングセンサ1の組み立て作業においては、まず、支持部材11における本体部12の外周を取り囲むように、下面側から上面側に向けて、下面側電極部材17a、圧電素子23、上面側電極部材19a、および錘部材31を、この順に積層する作業を行う。
このとき、下面側電極部材17aの端子部171と、上面側電極部材19aの端子部191とを、抵抗素子27を介して電気的に接続する作業を行う。
次に、ナット21を支持部材11のネジ溝74に螺合する作業を行い、支持部材11の鍔部13とナット21との間で、下面側電極部材17a、圧電素子23、上面側電極部材19a、錘部材31を、挟持固定する。
次に、ナット21を支持部材11のネジ溝74に螺合する作業を行い、支持部材11の鍔部13とナット21との間で、下面側電極部材17a、圧電素子23、上面側電極部材19a、錘部材31を、挟持固定する。
このあと、これらの構成部品を射出成型用金型で取り囲み、これらの構成部品を覆うように絶縁材料を射出成形して、ケース61を形成する作業を行う。
このようにして、非共振型ノッキングセンサ1は組み立てられる。
このようにして、非共振型ノッキングセンサ1は組み立てられる。
なお、ノッキングセンサ1は、ケース61の下面側から支持部材11の鍔部13の下面側の端部が露出し、ケース61の上面側からは支持部材11の本体部12の上面側の端部が露出するように形成される。また、コネクタ部65は、その内側において、下面側電極部材17aの端子部171および上面側電極部材19aの端子部191の一部が露出するように形成される。
このように構成された非共振型ノッキングセンサ1は、自身の下面(詳細には、支持部材11における鍔部13の下面)が内燃機関の最適な箇所(一般にはシリンダブロックの取付部)に当接するようにして、内燃機関に対して取り付けられる。
なお、内燃機関でノッキングなどの異常振動が発生すると、その異常振動が支持部材11の鍔部13を介して圧電素子23に達し、その異常振動に応じて圧電素子23から出力される電気信号が、下面側電極部材17aの端子部171および上面側電極部材19aの端子部191から外部機器に対して出力される。
以上のように構成された非共振型ノッキングセンサ1においては、筒状の本体部12を有する支持部材11と、支持部材11の本体部12の外周に位置する環状の圧電素子23と、圧電素子23に発生する電気信号を外部に引き出すための電極部材17a,19aと、を備えている。
そして、電極部材17a,19aは、支持部材11の本体部12の外周に位置し、切欠部173,174,193,194が形成され、圧電素子23の端面の少なくとも一方に積層して配置される環状部172,192と、環状部172,192から径方向外側に延出する端子部171,191と、を備えている。
従って、この非共振型ノッキングセンサ1によれば、電極部材17a,19aに切欠部173,174,193,194を形成することにより端子部171,191およびその近傍で発生した振動が電極部材17a,19aを伝わり難くすることができる。このため、端子部171,191およびその近傍で発生した振動が電極部材17a,19aを介して圧電素子23に影響を与えることを防止することができる。
また、第1切欠部173,193は、端子部171,191と環状部172,192との接続部分の近傍に形成されている。
従って、この非共振型ノッキングセンサ1によれば、端子部171,191に近い位置に第1切欠部173,193が形成されているので、振動が圧電素子23に伝わることをより防止することができる。
従って、この非共振型ノッキングセンサ1によれば、端子部171,191に近い位置に第1切欠部173,193が形成されているので、振動が圧電素子23に伝わることをより防止することができる。
さらに、第2切欠部174,194は、環状部172,192において、端子部171,191と環状部172,192との接続部分と対向する位置に形成されている。
従って、この非共振型ノッキングセンサ1によれば、端子部171,191と環状部172,192との接続部分と対向する位置に形成された第2切欠部174,194により、端子部171,191から環状部172,192に伝わった振動により環状部172,192が共振することを防止することができる。
従って、この非共振型ノッキングセンサ1によれば、端子部171,191と環状部172,192との接続部分と対向する位置に形成された第2切欠部174,194により、端子部171,191から環状部172,192に伝わった振動により環状部172,192が共振することを防止することができる。
また、圧電素子23と電極部材17a,19aの環状部172,192とは略円環状に形成されている。そして、圧電素子23の端面と直交する方向から電極部材17a,19aを見たときにおいて、端子部171,191は、環状部172,192が配置された仮想平面上であって、環状部172,192の中心を通る仮想中心線に対して平行であり、しかもこの仮想中心線から一定距離離れて配置されている。加えて、切欠部173,174,193,194は、端子部171,191近傍の仮想中心線上に形成されている。
従って、この非共振型ノッキングセンサ1によれば、端子部171,191から侵入する振動の影響を受け易い仮想中心線上の領域に切欠部173,174,193,194を形成しているので、この振動を消去し易くすることができる。
さらに、電極部材17a,19aは圧電素子23の両端面と接触する2箇所に配置されており、圧電素子23の端面と直交する方向から各電極部材17a,19aを見たときにおいて、一方の電極部材17aと他方の電極部材19aとは、端子部171,191と切欠部173,174,193,194とが、仮想中心線200を挟んで線対称に配置されている。
従って、この非共振型ノッキングセンサ1によれば、仮想中心線200を挟んだ各領域において、電極部材17a,19aを構成する端子部171,191および切欠部173,174,193,194の重量のバランスを取ることができるので、センサの振動特性を向上させることができる。
[実験例]
ここで、本願出願人は、本発明の効果を立証するために実験を行った。
本実験例においては、実験に使用するノッキングセンサとして、上述の実施例の各電極部材17a,19aを有するノッキングセンサ1に加えて、このノッキングセンサ1の各電極部材17a,19aのみを交換した、変形例および比較例のノッキングセンサを準備した。ここで、図5(a)に変形例のノッキングセンサにおける上面側電極部材19bの上面図を示し、図5(b)に比較例のノッキングセンサにおける上面側電極部材19yの上面図を示す。
ここで、本願出願人は、本発明の効果を立証するために実験を行った。
本実験例においては、実験に使用するノッキングセンサとして、上述の実施例の各電極部材17a,19aを有するノッキングセンサ1に加えて、このノッキングセンサ1の各電極部材17a,19aのみを交換した、変形例および比較例のノッキングセンサを準備した。ここで、図5(a)に変形例のノッキングセンサにおける上面側電極部材19bの上面図を示し、図5(b)に比較例のノッキングセンサにおける上面側電極部材19yの上面図を示す。
なお、以下に説明するノッキングセンサにおいて、下面側電極部材は、上面側電極部材とほぼ同様のもの(実験例の各電極部材17a,19aの関係と同様に、変形例および比較例のノッキングセンサにおいても、各電極部材は、端子部171,191のみが異なるもの)を使用するため、以下、上面側電極部材についてのみ説明し、下面側電極部材についてはその説明を省略する。
まず、変形例のノッキングセンサにおける上面側電極部材19bは、図5(a)に示すように、実施例の上面側電極部材19aにおける端子部191から遠い側に形成された第2切欠部194が形成されていないものとされている。即ち、変形例のノッキングセンサにおける上面側電極部材19bは、端子部191に近い側の切欠部193が形成された環状部192と、端子部191とを備えた構成とされている。
次に、比較例のノッキングセンサにおける上面側電極部材19yは、図5(b)に示すように、環状部192には切欠部が形成されていないものとされている。即ち、比較例のノッキングセンサにおける上面側電極部材19yは、切欠部が形成されていない環状部192と、端子部191とを備えた構成とされている。
このように構成された各ノッキングセンサをそれぞれ12個ずつ準備し、センサを加振器(ブリュエルケアー社製4809)に取り付け、振動加速度を1G(9.8m/s2)とし、振動周波数を変化させたときのセンサ出力を測定した。この実験結果を図6に示す。
なお、図6は振動周波数(kHz)に対するセンサ出力(mV)を示す散布図である。
また、図6においては、電極部材の種類毎に各振動周波数におけるノッキングセンサからの出力の平均値(具体的には12個のサンプルの平均値)を表示している。
また、図6においては、電極部材の種類毎に各振動周波数におけるノッキングセンサからの出力の平均値(具体的には12個のサンプルの平均値)を表示している。
図6から解るように、比較例のノッキングセンサにおいては、振動周波数が14kHz付近において、センサ出力にピークが現れ、そのピーク値が約36mVである。これに対し、実施例および変形例のノッキングセンサにおいては、センサ出力にピークが現れるものの、そのピーク値が比較例に対して小さくなっている。
具体的には、変形例のノッキングセンサにおいては、ピーク値のセンサ出力が約34mVになっており、実施例のノッキングセンサにおいては、ピーク値のセンサ出力が約32mVになっている。
また、それぞれのノッキングセンサにおいて、振動周波数が7kHzのときに対する振動周波数が14kHzのときの出力比は、比較例のノッキングセンサにおいては1.36、変形例のノッキングセンサにおいては1.33、実施例のノッキングセンサにおいては1.22となっている。
即ち、比較例のノッキングセンサでは、出力比が大きくなっており、周波数特性が乱れている。これに対し、実施例および変形例のノッキングセンサにおいては、比較例に比べ出力比が小さくなっており、周波数特性が改善されていることが解る。特に、実施例のノッキングセンサにおいては、センサ出力に急峻なピークがなく、周波数特性が大きく改善していることが解る。
[変形例]
本発明の実施の形態は、上記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
本発明の実施の形態は、上記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
例えば、本実施例の非共振型ノッキングセンサ1においては、支持部材11に形成されたネジ溝と係合するナット21(締結部材)を使用して、圧電素子23や錘部材31等を支持部材11の鍔部13に載置した状態で固定したが、例えば、接着剤を用いて、圧電素子23や錘部材31等を鍔部13に載置することなく、支持部材11に直接固定してもよい。
また、支持部材11には、鍔部13が形成されている必要はなく、支持部材11に鍔部13が形成されていない場合には、例えば、ノッキングセンサ1の上面側および下面側の両側からナット21等の締結部材を用いて、圧電素子23および錘部材31を挟持するよう構成してもよい。
さらに、本実施形態において、支持部材11は、絶縁性の樹脂材料から構成したが、例えば、セラミック(ケイ酸塩鉱物を原料とする陶磁器、ガラス、セメントや、各種の非金属、金属の酸化物、炭化物、窒化物等を原料とし、これを熱処理したもの)や鉄等の導電性の材料から構成してもよい。ただし、支持部材11を導電性の材料から構成する場合には、圧電素子23の一方の端子と支持部材11とを絶縁するための絶縁部材を圧電素子23と支持部材11との間に配置する必要がある。
また、各電極部材17a,19aの形状は、本実施例にて示したものに限定されるものではなく、例えば、実験例において変形例として示した電極部材19b(図5(a)参照)のような形状としてもよいし、図7に示すような形状としてもよい。
即ち、図7(a)に示す上面側電極部材19cのように、変形例として示した電極部材19bにおいて、環状部192に形成された第1切欠部193に換えて、環状部192を分断することなく接続した状態で、外周側のみを切り欠いた第3切欠部195を備えていてもよい。
また、図7(b)に示す上面側電極部材19dのように、実施例にて示した電極部材19aにおいて、環状部192に形成された第1切欠部193に換えて、図7(a)に示した上面側電極部材19cと同様の第3切欠部195を備えていてもよい。
また、下面側電極部材17aおよび上面側電極部材19aの形状は同一である必要はなく、少なくとも一方の電極部材17a,19aに任意形状の切欠部が形成されているものであればどのような組み合わせであってもよい。
1…ノッキングセンサ、1…非共振型ノッキングセンサ、11…支持部材、12…本体部、13…鍔部、17a…下面側電極部材、19a,19b,19c,19d,19y…上面側電極部材、21…ナット、23…圧電素子、27…抵抗素子、31…錘部材、61…ケース、63…素子収納部、65…コネクタ部、71…貫通孔、74…ネジ溝、75…溝部、171…端子部、172…環状部、173…第1切欠部、174…第2切欠部、191…端子部、192…環状部、193…第1切欠部、194…第2切欠部、195…第3切欠部、200…仮想中心線。
Claims (5)
- 筒状の本体部を有する支持部材と、
前記支持部材の本体部の外周に位置する環状の圧電素子と、
前記支持部材の本体部の外周に位置し前記圧電素子の端面の少なくとも一方に積層して配置される環状部、および該環状部から径方向外側に延出する端子部、を有し、前記圧電素子に発生する電気信号を外部に引き出すための電極部材と、
を備えた非共振型ノッキングセンサであって、
前記電極部材の環状部に、切欠部を形成したことを特徴とする非共振型ノッキングセンサ。 - 前記切欠部は、前記端子部と前記環状部との接続部分の近傍に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の非共振型ノッキングセンサ。
- 前記切欠部は、前記環状部において、前記端子部と前記環状部との接続部分と対向する位置に形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の非共振型ノッキングセンサ。
- 前記圧電素子と前記電極部材の環状部とは、略円環状に形成されており、
前記圧電素子の端面と直交する方向から前記電極部材を見たときにおいて、前記端子部は、前記環状部が配置された仮想平面上であって、前記環状部の中心を通る仮想中心線に対して平行であり、しかもこの仮想中心線から一定距離離れて配置されており、
前記切欠部は、前記端子部近傍の前記仮想中心線上に形成されていること
を特徴とする請求項1〜請求項3の何れかに記載の非共振型ノッキングセンサ。 - 前記電極部材は、前記圧電素子の両端面と接触する2箇所に配置されており、
前記圧電素子の端面と直交する方向から前記各電極部材を見たときにおいて、一方の電極部材と他方の電極部材とは、前記端子部と前記切欠部とが、前記仮想中心線を挟んで線対称に配置されていること
を特徴とする請求項4に記載の非共振型ノッキングセンサ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005119810A JP2006300605A (ja) | 2005-04-18 | 2005-04-18 | 非共振型ノッキングセンサ |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2005119810A JP2006300605A (ja) | 2005-04-18 | 2005-04-18 | 非共振型ノッキングセンサ |
Publications (1)
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JP2006300605A true JP2006300605A (ja) | 2006-11-02 |
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ID=37469085
Family Applications (1)
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Country Status (1)
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JP (1) | JP2006300605A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009175015A (ja) * | 2008-01-24 | 2009-08-06 | Ngk Spark Plug Co Ltd | ノッキングセンサ |
CN105339768A (zh) * | 2013-06-25 | 2016-02-17 | 日本特殊陶业株式会社 | 爆震传感器 |
-
2005
- 2005-04-18 JP JP2005119810A patent/JP2006300605A/ja not_active Withdrawn
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US10094727B2 (en) | 2013-06-25 | 2018-10-09 | Ngk Spark Plug Co., Ltd. | Knocking sensor |
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Legal Events
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A621 | Written request for application examination |
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A761 | Written withdrawal of application |
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