JP2006300544A - 車両変形計測方法および車両変形計測システム - Google Patents

車両変形計測方法および車両変形計測システム Download PDF

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Abstract

【課題】 車両衝突実験において、各部の変形状態をより精度良く計測することができる車両変形計測方法および車両変形計測システムを得る。
【解決手段】 車両変形計測システムは、長手方向一端側が車両1Aに固定される一方、他端側にターゲット3が固定された支柱4と、支柱4に設けられ、支柱4の変形を検出する変形センサ6と、を含む指標体2と、撮像手段を用いて取得されたターゲット3の位置情報と、変形センサ6を用いて取得された支柱4の車両固定位置とターゲット3の取付位置との間の支柱4の変形情報と、に基づいて、支柱4の車両固定位置を取得する車両固定位置取得手段と、を含む。
【選択図】 図2

Description

本発明は、車両衝突実験に用いられる車両変形計測方法および車両変形計測システムに関する。
従来、車両衝突実験において、車両の変形を加速度計を用いて計測する方法が知られている(例えば、特許文献1)。また、従来より、映像によって車両の変形を観察することも一般的に行われている。
特開2002−90383号公報
しかしながら、上記加速度計を用いた計測では、車両の先端部等、車両の変形によって加速度計の取付姿勢が変化する部位については、精度の良いデータを得ることができない。
また、映像によって車両の変形を観察する方法では、車両の先端部等、衝突によって隠れてしまう箇所については、変形状態を精度良く把握することが難しい。
そこで、本発明は、車両衝突実験において、各部の変形状態をより精度良く計測することができる車両変形計測方法および車両変形計測システムを得ることを目的とする。
本発明にかかる車両変形計測方法にあっては、撮像手段を用いて車両に支柱を介して取り付けられたターゲットの位置情報を取得するステップと、上記支柱に設けられた変形センサを用いて、支柱の変形情報を取得するステップと、上記ターゲットの位置情報と上記支柱の変形情報とに基づいて支柱の車両固定位置を取得するステップと、を含むことを最も主要な特徴とする。
また、本発明にかかる車両変形計測システムにあっては、長手方向一端側が車両に固定される一方、他端側にターゲットが固定された支柱と、上記支柱に設けられ、支柱の変形を検出する変形センサと、を含む指標体と、撮像手段を用いて取得された上記ターゲットの位置情報と、上記変形センサを用いて取得された支柱の変形情報と、に基づいて、支柱の車両固定位置を取得する車両固定位置取得手段と、を含むことを最も主要な特徴とする。
本発明によれば、変形センサによって支柱の変形情報を取得することができるため、衝突による変形によって隠れたり、姿勢や方向が変化したりする箇所についても、より確実に変形状態を取得することができ、従来に比べて精度の良い計測を行うことができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本実施形態にかかる車両変形計測システムを用いて車両衝突実験を行う車両の衝突実験開始前の状態を示す図であって、(a)は側面図、および(b)は平面図、図2は、車両変形計測システムの概略構成を示す正面図、図3は、車両変形計測システムに含まれる指標体の斜視図、図4は、車両衝突実験を行った車両の一例を示す図であって、(a)は側面図、および(b)は平面図、図5は、車両衝突実験に用いた指標体の一例を示す側面図である。なお、以下の実施形態では、車両1A,1B同士を車幅方向にオフセットさせ、車両1A,1Bの前部の右側領域同士を衝突させる車両衝突実験(所謂オフセット衝突実験)を行う場合を例示する。
本実施形態では、車両1Aの前端部(例えばフロントバンパの前面)に、車幅方向に間隔をあけて三つの指標体2が取り付けられており、これら指標体2を固定した位置(車両1Aの前端部=変形センサ6の車両固定側の端点Q;図5)の変形状態が計測される。車両1Aには、参照用に二つのターゲット3A,3Bが固定されており、本実施形態では、指標体を固定した位置の変形状態を、指標体2を固定した位置とターゲット3Bとの間の距離の変化として計測する。なお、これらターゲット3A,3Bは、衝突による影響を受けない位置、すなわち、車両前面衝突の実験の場合は、車両後部の側面に設置しておくのが好適である。
指標体2は、位置を特定しやすくするための指標(例えば十字線や円等)を記した板状のターゲット3と、長手方向一端側が車両1Aに固定される一方、他端側にターゲット3が固定される支柱4と、を有している。ターゲット3は、ブラケット5aを用いて支柱4に固定され、支柱4は、ブラケット5bを用いて車両(例えばフロントバンパの前面)等に固定される。
支柱4は、筒状空間を維持しながら少なくとも二次元(車両1Aの進行方向と上方向とを含む平面内)、好適には三次元での屈曲が可能な蛇腹状のパイプとして構成されており、その内部に、細長い変形センサ6が固定されている。
変形センサ(プロファイルセンサ)6は、二点間(本実施形態では両端間)に亘る変形を検出することができるセンサであって、例えば光ファイバセンサ等として実用化されている。本実施形態では、この変形センサ6の一端を、ターゲット3の近傍に固定する一方、他端を、支柱4を車両1Aに固定するブラケット5bの近傍に固定し、この間の支柱4の変形状態を取得する。なお、変形センサ6の端部間の中間部でも、ブラケットを用いるなどして、支柱4の筒内壁に変形センサ6を沿わせるようにしてもよい。
そして、ターゲット3の位置情報が、ビデオカメラ11等の撮像手段および画像処理手段によって取得され、各支柱4の変形情報が、変形センサ6を含む変形情報取得手段によって取得される。そして、ターゲット3の位置情報と、支柱4の変形情報とに基づいて、支柱4の車両1Aへの固定位置(車両固定位置)の位置情報が取得される。ここで、画像処理手段、位置検出手段、固定位置情報を取得する固定位置情報取得手段等は、コンピュータ8のCPUが、メモリに格納されたプログラムにしたがって動作することによって、具現化することができる。
本実施形態では、ビデオカメラ11で撮影された映像情報は、ケーブル10を介してコンピュータ8に向けて伝送される。例えば、コンピュータ8にビデオキャプチャボード(図示せず)等を装備し、映像情報をCPUで処理可能な情報に変換することができる。なお、衝突前と衝突後の静止画データのみで良い場合は、ビデオカメラ11に替えてディジタルスチルカメラ等を用いればよい。
また、変形センサ6で取得された情報は、ケーブル9を介してコンピュータ8に向けて伝送される。このとき、変形センサ6とコンピュータ8との間に、所定の機器を装備し、変形センサ6で取得された情報をCPUで処理可能な情報に変換する。変形センサ6の情報は、衝突前後の所定のタイミング(一定の時間間隔)で取得してもよいし、衝突後のみデータを取得してもよい。
以下、支柱4の車両固定位置の変位を取得する手法の一例について説明する。なお、以下の処理は、コンピュータ8の演算処理として実行することができる。
まず、図1に示す衝突前の状態において、ビデオカメラ11で取得され、画像処理された情報から、指標体2に取り付けられたターゲット3(の中心)と、参照用のターゲット3B(の中心)との距離Xc0が取得される。支柱4が垂直に取り付けられ、ターゲット3の中心が支柱4の車両固定位置のほぼ真上に位置している場合、当該車両固定位置とターゲット3Bとの距離X0は、距離Xc0とほぼ等しくなる。
図4に示す衝突後の状態においても、ビデオカメラ11で取得され、画像処理された情報から、指標体2に取り付けられたターゲット3(の中心)と、参照用のターゲット3B(の中心)との距離Xc1が取得される。
ただし、衝突後は、指標体2が変形し、ターゲット3の中心と支柱4の車両固定位置とが前後方向にずれ、図4に示すように、支柱4の車両固定位置とターゲット3Bとの距離X1と、ターゲット間の距離Xc1との間に、前後方向のずれ(距離ΔX)が生じることになる。ここで、本実施形態では、距離ΔXを、変形センサ6からの変形情報に基づいて取得する。
変形センサ6により、一方の端点Pから他方の端点Q(支柱4の車両固定位置)までの変形した後の形状等を示す変形情報を取得することができる。よって、この変形情報から端点P−Q間の距離Xsを取得することができる。ただし、支柱4の車両固定位置(端点Q近傍)で傾きが生じた場合、端点P−Q間の車両前後方向の距離Xsを得るには、変形区間の傾斜角を考慮する必要がある。この場合、例えば、画像処理した情報から、ターゲット3の傾斜角(ターゲット3の十字の縦線の傾斜角等)を取得し、支柱4が車両1A,1Bに挟まれずに変形していない区間(ターゲット3に近い側の所定区間)が、当該傾斜角だけ傾いているとして演算処理することで、傾きを考慮したより精度の高い距離Xsを取得することができる。なお、Xδは、端点Pとターゲット3の中心との前後方向の距離であって、ターゲット3の傾斜角から容易に取得することができる。端点Pとターゲット3の中心とを一致させている場合には、Xδ=0となるため、これを考慮する必要は無い。
こうして、ターゲット3の中心と端点Qとの車両前後方向の距離ΔXを、XsとXδとの和として取得することができるため、支柱4の車両固定位置(端点Q)とターゲット3Bとの距離X1を、ターゲット間の距離Xc1と、上記距離ΔXとの和として取得することができる。すなわち、本実施形態によれば、ビデオカメラ11を含む撮像手段を用いて取得したターゲットの位置情報から距離Xc1を取得し、変形センサを用いて取得した支柱4の変形情報から距離ΔXを取得し、これらにより、当該車両固定位置とターゲット3Bとの距離X1を取得することができる。
なお、各タイミングで、映像情報から参照用のターゲット3A,3B間の距離を取得することで、映像情報から取得するデータの補正を行うのが好適である。また、以上の例では、衝突前と衝突後についてターゲット3(の中心)とターゲット3B(の中心)との距離X0,X1を取得する場合を例示したが、車両1A,1Bが衝突を開始してから車両1A,1Bが静止するまでの間の任意のタイミングについても、上述したのと全く同様の処理で、支柱4の車両固定位置(所定の原点から当該車両固定位置までの距離)を取得することができる。
以上の本実施形態によれば、支柱4の車両固定位置とターゲット3の取付位置との間の支柱4の変形情報を取得することができるため、衝突による変形によって隠れたり、姿勢や方向が変化したりする箇所についても、より確実に変位量を取得することができ、従来に比べて精度の良い計測を行うことができる。
また、本実施形態によれば、支柱4を屈曲可能な蛇腹状パイプとして構成し、変形センサ6を支柱4内に収容したため、変形センサ6の保護性を高めて、より確実に変形状態を計測することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態には限定されず、種々の変形が可能である。例えば、指標体に取り付けるターゲットの位置を取得する場合の原点を、別のターゲットとしても良いし、車両以外に設定してもよい。
また、例えば図6に示すように、ターゲットを下方に配置した姿勢で指標体13を取り付けてもよいし、図7に示すように、指標体14のターゲットの表面を上方に向け、上方から撮像するようにしてもよい。この場合、参照用のターゲット15,16の表面も上方に向けるのが好適である。
本発明の実施形態にかかる車両変形計測システムを用いて車両衝突実験を行う車両の衝突実験開始前の状態を示す図であって、(a)は側面図、および(b)は平面図。 本発明の実施形態にかかる車両変形計測システムの概略構成を示す正面図。 本発明の実施形態にかかる車両変形計測システムに含まれる指標体の斜視図。 本発明の実施形態にかかる車両変形計測システムを用いて車両衝突実験を行った車両の衝突実験時の状態の一例を示す図であって、(a)は側面図、および(b)は平面図。 本発明の実施形態にかかる車両変形計測システムに含まれる指標体が車両衝突実験によって変形した状態の一例を示す側面図。 本発明の別の実施形態にかかる車両変形計測システムを用いて車両衝突実験を行う車両の衝突実験開始前の状態を示す図であって、(a)は側面図、および(b)は平面図。 本発明のさらに別の実施形態にかかる車両変形計測システムを用いて車両衝突実験を行う車両の衝突実験開始前の状態を示す図であって、(a)は側面図、および(b)は平面図。
符号の説明
1A,1B 車両
2,13,14 指標体
3 ターゲット
4 支柱
6 変形センサ
8 コンピュータ(車両固定位置取得手段)
11 ビデオカメラ(撮像手段)

Claims (4)

  1. 車両に支柱を介して取り付けられたターゲットの位置情報を撮像手段を用いて取得するステップと、
    前記支柱に設けられた変形センサを用いて、支柱の変形情報を取得するステップと、
    前記ターゲットの位置情報と前記支柱の変形情報とに基づいて支柱の車両固定位置を取得するステップと、
    を含む車両変形計測方法。
  2. 長手方向一端側が車両に固定される一方、他端側にターゲットが固定された支柱と、前記支柱に設けられ、支柱の変形を検出する変形センサと、を含む指標体と、
    撮像手段を用いて取得された前記ターゲットの位置情報と、前記変形センサを用いて取得された支柱の変形情報と、に基づいて、支柱の車両固定位置を取得する車両固定位置取得手段と、
    を含む車両変形計測システム。
  3. 前記支柱を屈曲可能な蛇腹状パイプとして構成し、前記変形センサを支柱内に収容したことを特徴とする請求項2に記載の車両変形計測システム。
  4. 請求項2または3に記載の車両変形計測システムで用いられる指標体であって、
    長手方向一端側が車両に固定される一方、他端側にターゲットが固定された支柱と、前記支柱に設けられ、支柱の変形を検出する変形センサと、を含むことを特徴とする指標体。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20150371092A1 (en) * 2014-06-23 2015-12-24 Ford Global Technologies, Llc Low-speed impact detection sensor array
KR101657002B1 (ko) * 2015-05-22 2016-09-12 홍익대학교세종캠퍼스산학협력단 사고 차량의 충돌변형량 측정장치

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