JP2006299850A - 車両用内燃機関の廃熱利用システム - Google Patents
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Abstract
【課題】 蓄熱容器に高温の冷却流体を貯蔵する際にヒータコアでの冷却流体の放熱を防止し、また、蓄熱容器内が冷却流体よりも低温状態での暖房時に蓄熱容器での冷却流体の放熱を防止することを、3方弁を用いることなく達成可能にして、システムコストを低減する。
【解決手段】 内燃機関1とヒータコア7dとの間で閉回路を形成する暖房用冷却水回路8に、2方弁9を設ける。暖房用冷却水回路8のうちヒータコア7dよりも下流側から分岐した蓄熱用冷却水回路10に、蓄熱容器12と逆止弁3を設ける。そして、蓄熱容器12に冷却流体の熱を蓄える際には、2方弁9を閉弁させてヒータコア7dでの熱交換を停止させる。蓄熱容器内が冷却流体よりも低温状態での暖房時には、第2ポンプ11を停止させるとともに、冷却流体が暖房用冷却水回路8を逆流することを逆止弁13によって防止して、蓄熱容器12での冷却流体の放熱を防止する。
【選択図】 図1
【解決手段】 内燃機関1とヒータコア7dとの間で閉回路を形成する暖房用冷却水回路8に、2方弁9を設ける。暖房用冷却水回路8のうちヒータコア7dよりも下流側から分岐した蓄熱用冷却水回路10に、蓄熱容器12と逆止弁3を設ける。そして、蓄熱容器12に冷却流体の熱を蓄える際には、2方弁9を閉弁させてヒータコア7dでの熱交換を停止させる。蓄熱容器内が冷却流体よりも低温状態での暖房時には、第2ポンプ11を停止させるとともに、冷却流体が暖房用冷却水回路8を逆流することを逆止弁13によって防止して、蓄熱容器12での冷却流体の放熱を防止する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、水冷式内燃機関の暖機促進を図る車両用内燃機関の廃熱利用システムに関するものである。
従来、水冷式内燃機関の廃熱を利用するシステムとして、内燃機関運転中に冷却水回路を流れる高温の冷却水を蓄熱容器に貯蔵しておき、この蓄熱容器に貯蔵されている温水(熱水)を電動ポンプによって次回の内燃機関の始動直前に内燃機関に供給して内燃機関の暖機促進を図り、また、内燃機関の暖気完了後は、高温の冷却水をヒータコアに流して車室内を暖房するものが提案されている。
上記の廃熱利用システムにおいては、長期間内燃機関が作動しなかった場合など、内燃機関始動時において蓄熱容器内の温度が冷却水よりも低い状態が起こりえる。このような状態において、蓄熱容器に冷却流体を流入させると、蓄熱装置が冷却流体の温度上昇を妨げる側に作用してしまうという課題があった。
そこで、3つの入出力口を有する3方弁により冷却水の流れを切り替えることによって、蓄熱容器への冷却水の流通が望まれない場合には、蓄熱容器を迂回させるシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平10−71838号公報
しかしながら、特許文献1に記載のシステムは、3方弁を用いているため、コスト的に高価なものとなっている。
本発明は上記点に鑑みて、3方弁を廃止してシステムコストを低減することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、車両走行用の水冷式の内燃機関(1)と、内燃機関(1)から流出した冷却流体と車室に吹き出される空気とを熱交換させるヒータコア(7d)と、内燃機関(1)とヒータコア(7d)とを繋ぎ、内燃機関(1)とヒータコア(7d)との間で冷却流体が流れる閉回路を形成する第1冷却流体回路(8)、冷却流体を保温貯蔵する蓄熱容器(12)と、第1冷却流体回路(8)のうち、ヒータコア(7d)よりも冷却流体流れ下流側から分岐し、蓄熱容器(12)を介して内燃機関(1)に繋がる第2冷却流体回路(10)と、内燃機関(1)の動力によって機械的に駆動され、第1冷却流体回路(8)と第2冷却流体回路(10)との分岐点よりも内燃機関(1)側の第1冷却流体回路(8)に負圧を発生させ、第1冷却流体回路(8)に冷却流体を循環させる第1ポンプ(4)と、第2冷却流体回路(10)に設けられ、電気をエネルギー源として作動して冷却流体を内燃機関(1)に向けて圧送する第2ポンプ(11)と、第2冷却流体回路(10)に設けられ、第2ポンプ(11)の圧送方向の流れのみを許容する逆止弁(13)とを備え内燃機関(1)の運転中に、第2ポンプ(11)を停止させることで蓄熱容器(12)への冷却流体の流入を防止する制御手段(14)を備えることを特徴とする。
これによると、内燃機関運転中、第2ポンプを停止させると、第1ポンプによる負圧により、第2冷却流体回路への冷却流体の順方向からの流入が抑制され、また逆止弁によって逆方向からの流入も防止される。このため、3方弁を用いることなく、蓄熱容器への冷却水の流通が望まれない場合には、蓄熱容器への冷却流体の流入を防止することができ、システムコストを低減することができる。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の車両用内燃機関の廃熱利用システムにおいて、内燃機関(1)が停止後に、第2ポンプ(11)を作動させてヒータコア(7d)に冷却流体を流入させる暖房能力維持制御手段を備えることを特徴とする。
これによると、第2冷却流体回路、逆止弁、内燃機関および第1冷却流体回路を介して冷却流体がヒータコアに流れ、よって、暖気完了後の内燃機関が停止中に、車室内の暖房を行うことができる。
請求項3に記載の発明では、請求項1または2に記載の車両用内燃機関の廃熱利用システムにおいて、内燃機関(1)を始動させる前に、第2ポンプ(11)を作動させて蓄熱容器(12)内に保温貯蔵された冷却流体を内燃機関(1)に圧送する事前暖気制御手段を備えることを特徴とする。
これによると、第2冷却流体回路および逆止弁を介して、蓄熱容器内に保温貯蔵された冷却流体が内燃機関に供給され、よって、内燃機関の暖機を促進して、車両燃費や排気性能を向上させることができる。
請求項4に記載の発明では、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の車両用内燃機関の廃熱利用システムにおいて、熱交換停止手段は、第1冷却流体回路(8)と第2冷却流体回路(10)との分岐点よりも冷却流体流れ上流側に配置されて、第1冷却流体回路(8)を開閉する2方弁(9)を備えることを特徴とする。
これによると、例えば内燃機関が暖機運転中は第1冷却流体回路を2方弁にて閉じることにより、ヒータコアへの冷却流体の流入を停止し、ヒータコアでの冷却流体の放熱をなくして、内燃機関の暖機促進を図ることができる。
請求項5に記載の発明では、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の車両用内燃機関の廃熱利用システムにおいて、熱交換停止手段は、ヒータコア(7d)への空気の流入を阻止可能な熱交換量抑制手段(7e)を備えることを特徴とする。
これによると、例えば内燃機関が暖機運転中は熱交換量抑制手段にてヒータコアへの空気の流入を阻止することにより、ヒータコアでの冷却流体の放熱を抑制して、内燃機関の暖機促進を図ることができる。
請求項6に記載の発明のように、請求項1ないし5のいずれか1つに記載の車両用内燃機関の廃熱利用システムは、所定の停止条件が成立したときに内燃機関(1)を自動的に停止させるとともに、所定の再始動条件が成立したときに内燃機関(1)を自動的に再始動させる車両に用いることができる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について説明する。図1は本発明の第1実施形態に係る車両用内燃機関の廃熱利用システムの模式図、図2は図1のシステムの作動モードと作動状況を示す図表である。
本発明の第1実施形態について説明する。図1は本発明の第1実施形態に係る車両用内燃機関の廃熱利用システムの模式図、図2は図1のシステムの作動モードと作動状況を示す図表である。
図1において、内燃機関1は、車両を走行させるための駆動力を発生するものであり、所定の停止条件が成立したときに自動的に停止されるとともに、所定の再始動条件が成立したときに自動的に再始動されるようになっている。より詳細には、信号待ち等の一時的な停車時に停止条件が成立して内燃機関1を自動的に停止し、運転者が発進操作をすると再始動条件が成立して内燃機関1を自動的に再始動する。
この内燃機関1は水冷式であり、シリンダブロック1aおよびシリンダヘッド1bには、冷却水を流通させるためのウォータージャケット(図示せず)が形成されている。なお、冷却水は、本発明の冷却流体に相当する。
内燃機関1を冷却して高温になった冷却水は、ラジエータ2にて冷却されるようになっている。周知のように、ラジエータ2は、冷却水と外気とを熱交換して冷却水を冷却するものである。内燃機関1とラジエータ2は、内燃機関1とラジエータ2との間で閉回路を形成する主冷却水回路3によって接続されている。主冷却水回路3には、内燃機関1の動力によって機械的に駆動されて主冷却水回路3等に冷却水を循環させる第1ポンプ4が配設されている。そして、主冷却水回路3内においては、冷却水は、シリンダヘッド1bからラジエータ2を経由してシリンダブロック1aに循環するようになっている。
主冷却水回路3の途中には、ラジエータ2を迂回させて冷却水を流通させるバイパス回路5が、主冷却水回路3に対して並列に接続されている。主冷却水回路3とバイパス回路5との接続部に設けられたサーモスタット6により、バイパス回路5に冷却水を流通させる場合とラジエータ2に冷却水を流通させる場合との切替制御がなされる。因みに、両回路3、5の切り換えは、通常、冷却水温度が約80℃以上の場合にはラジエータ2に流れるように制御され、約80℃未満の場合にはバイパス回路5に流れるように制御される。
車両には、車室内の空調を行う空調装置7が搭載されている。空調装置7は、廃熱利用システムの一部を構成している。
空調装置7は、室内に吹き出す空気の通路を構成する空調ケーシング7aを備え、この空調ケーシング7a内の空気流れ上流側には、室内に空気を送風する送風機7bが配設されている。
空調ケーシング7a内において送風機7bの空気流れ下流側には、送風機7bから送風された空気を冷却する蒸発器7cが配設されている。この蒸発器7cは、周知の蒸気圧縮式冷凍機の冷媒蒸発器である。
空調ケーシング7a内において蒸発器7cの空気流れ下流側には、内燃機関1の冷却水(温水)を熱源として、送風機7bから送風された空気を加熱するヒータコア7dが配設されている。
空調ケーシング7a内においてヒータコア7dの空気流入側には、ヒータコア7dを通過する空気の量とヒータコア7dを迂回して室内側(下流側)に流れる空気の量とを調節することにより、室内に吹き出す空気の温度を調節するエアミックスドア7eが配設されている。なお、このエアミックスドア7eは、電動機によって駆動されるようになっている。
内燃機関1とヒータコア7dは、内燃機関1とヒータコア7dとの間で閉回路を形成する暖房用冷却水回路8によって接続されている。より詳細には、暖房用冷却水回路8の一端はシリンダヘッド1bのウォータージャケットに接続され、暖房用冷却水回路8の他端は、第1ポンプ4とサーモスタット6との間で主冷却水回路3に合流し、第1ポンプ4を経由してシリンダブロック1aのウォータージャケットに接続されている。
暖房用冷却水回路8の途中、より詳細には、シリンダヘッド1bのウォータージャケットとヒータコア7dとの間には、電動機によって駆動されて暖房用冷却水回路8を開閉する2方弁9が配設されている。そして、暖房用冷却水回路8内においては、冷却水は、シリンダヘッド1bから2方弁9を経由した後にヒータコア7dに流入するようになっている。なお、暖房用冷却水回路8は、本発明の第1冷却流体回路に相当する。
暖房用冷却水回路8においてシリンダヘッド1bのウォータージャケットと2方弁9との間には、冷却水温度に応じた電気信号を出力する水温センサSwが配設されている。
暖房用冷却水回路8の途中から蓄熱用冷却水回路10が分岐されている。この蓄熱用冷却水回路10は、暖房用冷却水回路8におけるヒータコア7dよりも冷却水流れ下流側から分岐し、シリンダブロック1aのウォータージャケットに接続されている。なお、蓄熱用冷却水回路10は、本発明の第2冷却流体回路に相当する。
蓄熱用冷却水回路10には、電動機およびこの電動機によって駆動されるポンプにて構成された第2ポンプ11、換言すると、電気をエネルギー源として作動する第2ポンプ11が配設されている。そして、第2ポンプ11の作動により、暖房用冷却水回路8から吸入した冷却水を、蓄熱用冷却水回路10を介してシリンダブロック1aのウォータージャケットに向けて圧送するようになっている。
蓄熱用冷却水回路10において第2ポンプ11よりも冷却水流れ下流側には、冷却水を保温貯蔵する蓄熱容器12が配設されている。蓄熱用冷却水回路10において蓄熱容器12よりも冷却水流れ下流側には、第2ポンプ11の冷却水圧送方向の流れのみを許容する逆止弁13が配設されている。
電子制御装置14は、図示しないCPU、ROM、RAM等からなる周知のマイクロコンピュータを備え、マイクロコンピュータに記憶したプログラムに従って演算処理を行うものであり、具体的には、水温センサSwの出力信号、キースイッチ(図示せず)の操作位置信号、さらには内燃機関1の停止条件や再始動条件を判定するための各種情報が入力され、これらの入力信号に基づいて、内燃機関1、エアミックスドア7e、2方弁9、および第2ポンプ11等の作動を制御する。なお、電子制御装置14は、本発明の制御手段に相当する。
本実施形態に係る廃熱利用システムは、図2に示すように6つの作動モードを有している。以下、各作動モードについて説明する。
(1)プレヒートモード
このモードは、内燃機関1の始動直前に実行される。すなわち、電子制御装置14は、内燃機関1が停止状態のときにキースイッチが始動位置に操作され、且つ冷却水温度が第1設定温度以下である場合は、所定時間の間、2方弁9を開弁状態にして暖房用冷却水回路8を開くとともに第2ポンプ11を作動させて、プレヒートモードを実行させる。なお、このプレヒートモードは、本発明の事前暖気制御手段に相当する。
このモードは、内燃機関1の始動直前に実行される。すなわち、電子制御装置14は、内燃機関1が停止状態のときにキースイッチが始動位置に操作され、且つ冷却水温度が第1設定温度以下である場合は、所定時間の間、2方弁9を開弁状態にして暖房用冷却水回路8を開くとともに第2ポンプ11を作動させて、プレヒートモードを実行させる。なお、このプレヒートモードは、本発明の事前暖気制御手段に相当する。
これにより、図1に矢印で示すように、蓄熱容器12→逆止弁13→シリンダブロック1a→シリンダヘッド1b→2方弁9→ヒータコア7d→第2ポンプ11→蓄熱容器12の順に冷却水が循環するとともに、蓄熱容器12→逆止弁13→シリンダブロック1a→第1ポンプ4→第2ポンプ11→蓄熱容器12の順に冷却水が循環するので、蓄熱容器12内に保温貯蔵された高温の冷却水により内燃機関1が加熱される。したがって、内燃機関1の暖機を促進して、車両燃費や排気性能を向上させることができる。因みに、プレヒートモードの終了後に内燃機関1を始動させる。
(2)機関停止時暖房モード
このモードは、信号待ち等の一時的な停車時に停止条件が成立して内燃機関1を自動的に停止した際に実行される。すなわち、電子制御装置14は、停止条件が成立して内燃機関1が自動的に停止され、且つ冷却水温度が第2設定温度以上である場合は、2方弁9を開弁状態にして暖房用冷却水回路8を開くとともに第2ポンプ11を作動させて、機関停止時暖房モードを実行させる。なお、この機関停止時暖房モードは、本発明の暖房能力維持制御手段に相当する。
このモードは、信号待ち等の一時的な停車時に停止条件が成立して内燃機関1を自動的に停止した際に実行される。すなわち、電子制御装置14は、停止条件が成立して内燃機関1が自動的に停止され、且つ冷却水温度が第2設定温度以上である場合は、2方弁9を開弁状態にして暖房用冷却水回路8を開くとともに第2ポンプ11を作動させて、機関停止時暖房モードを実行させる。なお、この機関停止時暖房モードは、本発明の暖房能力維持制御手段に相当する。
これにより、図1に矢印で示すように(すなわち、プレヒートモードの場合と同様に)冷却水が循環し、内燃機関1の余熱で加熱された冷却水がヒータコア7dに流れる。したがって、暖気完了後の内燃機関1が停止中に、車室内の暖房を行うことができる。
(3)第1蓄熱モード
このモードは、内燃機関1の暖気が完了した後に、次回のプレヒートモードに備えて蓄熱容器12に高温の冷却水を貯蔵するために実行される。すなわち、電子制御装置14は、内燃機関1が運転中で、且つ冷却水温度が第3設定温度まで上昇したときに、2方弁9を開弁状態にして暖房用冷却水回路8を開くとともに、ヒータコア7dへの空気の流入を阻止する位置にエアミックスドア7eを移動させ、さらに第2ポンプ11を作動させて、第1蓄熱モードを開始する。
このモードは、内燃機関1の暖気が完了した後に、次回のプレヒートモードに備えて蓄熱容器12に高温の冷却水を貯蔵するために実行される。すなわち、電子制御装置14は、内燃機関1が運転中で、且つ冷却水温度が第3設定温度まで上昇したときに、2方弁9を開弁状態にして暖房用冷却水回路8を開くとともに、ヒータコア7dへの空気の流入を阻止する位置にエアミックスドア7eを移動させ、さらに第2ポンプ11を作動させて、第1蓄熱モードを開始する。
これにより、第1蓄熱モードを実行中は、図3に矢印で示すように、蓄熱容器12→逆止弁13→シリンダブロック1a→シリンダヘッド1b→2方弁9→ヒータコア7d→第2ポンプ11→蓄熱容器12の順に冷却水が循環する。同時に、主冷却水回路3を循環する冷却水の一部がサーモスタット6を通過後に分流し、第2ポンプ11を介して蓄熱容器12側に循環する。
したがって、プレヒートモード時に蓄熱容器12内に貯蔵された低温の冷却水が、高温の冷却水と入れ替えられ、蓄熱容器12に高温の冷却水が貯蔵される。
また、エアミックスドア7eによりヒータコア7dへの空気の流入を阻止して、ヒータコア7dでの空気と冷却水との熱交換を停止させるため、ヒータコア7dでの冷却水の放熱を抑制することができ、したがって、効率よく高温の冷却流体を蓄熱容器12に貯蔵することができる。
ところで、蓄熱容器12内の低温の冷却水が水温センサSwの設置部位まで流れると、水温センサSwにて検出される冷却水温度が第3設定温度以下まで一端低下する。また、蓄熱容器12内の低温の冷却水が水温センサSwの設置部位まで流れた状態では、蓄熱容器12内での低温の冷却水と高温の冷却水との入れ替えが完了していると推定される。
そこで、電子制御装置14は、第1蓄熱モードを実行中に冷却水温度が第3設定温度以下まで低下したときに、第2ポンプ11を停止させて、第1蓄熱モードを終了する。なお、この第1蓄熱モードは、本発明の蓄熱優先運転制御に相当する。また、エアミックスドア7eは、本発明の熱交換量抑制手段に相当する。
(4)第2蓄熱モード
このモードは、内燃機関1の運転中に冷却水温度が第3設定温度まで上昇せずに、第1蓄熱モードが実行されないまま、乗員のキースイッチの操作により内燃機関1が停止された場合に実行される。
このモードは、内燃機関1の運転中に冷却水温度が第3設定温度まで上昇せずに、第1蓄熱モードが実行されないまま、乗員のキースイッチの操作により内燃機関1が停止された場合に実行される。
すなわち、電子制御装置14は、冷却水温度が第3設定温度まで上昇する前に、乗員のキースイッチの操作により内燃機関1が停止された場合は、所定時間の間、2方弁9を開弁状態にして暖房用冷却水回路8を開くとともに第2ポンプ11を作動させて、第2蓄熱モードを実行させる。
これにより、図1に矢印で示すように(すなわち、プレヒートモードの場合と同様に)冷却水が循環し、プレヒートモード時に蓄熱容器12内に貯蔵された低温の冷却水が、内燃機関1の運転中に加熱された冷却水と入れ替えられる。
(5)機関暖気中モード
このモードは、内燃機関1の暖機運転中に実行される。すなわち、電子制御装置14は、内燃機関1が運転中で、且つ冷却水温度が第3設定温度未満である場合は、2方弁9を閉弁状態にして暖房用冷却水回路8を閉じるとともに第2ポンプ11を停止させて、機関暖気中モードを実行させる。
このモードは、内燃機関1の暖機運転中に実行される。すなわち、電子制御装置14は、内燃機関1が運転中で、且つ冷却水温度が第3設定温度未満である場合は、2方弁9を閉弁状態にして暖房用冷却水回路8を閉じるとともに第2ポンプ11を停止させて、機関暖気中モードを実行させる。
これにより、機関暖気中モードを実行中は、図4に矢印で示すように、第1ポンプ4→シリンダブロック1a→シリンダヘッド1b→バイパス回路5→サーモスタット6→第1ポンプ4の順に冷却水が循環する。
このとき、2方弁9により暖房用冷却水回路8を閉じてヒータコア7dへの冷却水の流入を停止するため、ヒータコア7dでの冷却水の放熱をなくして、内燃機関1の暖機促進を図ることができる。
また、機関暖気中モードを実行中は、第1ポンプ4の作動により、暖房用冷却水回路8と蓄熱用冷却水回路10との分岐点よりも内燃機関1側の暖房用冷却水回路8に負圧が発生し、その負圧により、蓄熱用冷却水回路10への順方向からの冷却水流入が抑制され、また逆止弁13によって蓄熱用冷却水回路10への逆方向からの冷却水流入も防止される。したがって、蓄熱容器12への冷却水の流入を防止し、蓄熱容器12での冷却水の放熱を防止して、内燃機関1の暖機促進を図ることができる。
(6)機関暖気後モード
このモードは、内燃機関1の暖機が完了した後に実行される。すなわち、電子制御装置14は、内燃機関1が運転中で、且つ冷却水温度が第3設定温度以上である場合は、2方弁9を開弁状態にして暖房用冷却水回路8を開くとともに第2ポンプ11を停止させて、機関暖気後モードを実行させる。なお、機関暖気後モードは、本発明の暖房優先運転制御に相当する。
このモードは、内燃機関1の暖機が完了した後に実行される。すなわち、電子制御装置14は、内燃機関1が運転中で、且つ冷却水温度が第3設定温度以上である場合は、2方弁9を開弁状態にして暖房用冷却水回路8を開くとともに第2ポンプ11を停止させて、機関暖気後モードを実行させる。なお、機関暖気後モードは、本発明の暖房優先運転制御に相当する。
これにより、機関暖気後モードを実行中は、図5に矢印で示すように、冷却水は主冷却水回路3を循環するとともに、シリンダヘッド1b→2方弁9→ヒータコア7d→第1ポンプ4→シリンダブロック1a→シリンダヘッド1bの順に循環する。このように、高温の冷却水がヒータコア7dに流れるため、車室内の暖房を行うことができる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について説明する。図6は本発明の第2実施形態に係る車両用内燃機関の廃熱利用システムの模式図、図7は図6のシステムの作動モードと作動状況を示す図表である。なお、第1実施形態と同一もしくは均等部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
本発明の第2実施形態について説明する。図6は本発明の第2実施形態に係る車両用内燃機関の廃熱利用システムの模式図、図7は図6のシステムの作動モードと作動状況を示す図表である。なお、第1実施形態と同一もしくは均等部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施形態は、第1実施形態における2方弁9を廃止したものであり、図2に示すように、各モードにおける内燃機関1および第2ポンプ11の作動状況は第1実施形態と同一である。
そして、2方弁9を廃止したことに伴い、「機関暖気中モード」のときの冷却水の流れおよび作動が第1実施形態と異なっている。
図6は機関暖気中モードのときの冷却水の流れを示すもので、第1ポンプ4→シリンダブロック1a→シリンダヘッド1b→バイパス回路5→サーモスタット6→第1ポンプ4の順に冷却水が循環するとともに、シリンダヘッド1b→ヒータコア7d→第1ポンプ4→シリンダブロック1a→シリンダヘッド1bの順に循環する。
この時、電子制御装置14は、ヒータコア7dへの空気の流入を阻止する位置にエアミックスドア7eを移動させる。これにより、ヒータコア7dでの空気と冷却水との熱交換を停止させ、ヒータコア7dでの冷却水の放熱を抑制して、内燃機関1の暖機促進を図ることができる。
(他の実施形態)
上記各実施形態では、停止条件が成立したときに自動的に内燃機関1が停止されるとともに、再始動条件が成立したときに自動的に内燃機関1が再始動される車両について説明したが、本発明は、走行用動力源として内燃機関1および電動機を搭載したハイブリッド車にも適用することができる。
上記各実施形態では、停止条件が成立したときに自動的に内燃機関1が停止されるとともに、再始動条件が成立したときに自動的に内燃機関1が再始動される車両について説明したが、本発明は、走行用動力源として内燃機関1および電動機を搭載したハイブリッド車にも適用することができる。
上記第1実施形態では、第1蓄熱モード時に、エアミックスドア7eによりヒータコア7dへの空気の流入を阻止して、ヒータコア7dでの空気と冷却水との熱交換を停止させるようにしたが、2方弁9により暖房用冷却水回路8を閉じてヒータコア7dへの冷却水の流入を停止することにより、ヒータコア7dでの冷却水の放熱をなくして、内燃機関1の暖機促進を図るようにしてもよい。
1…内燃機関、4…第1ポンプ、7d…ヒータコア、7e…エアミックスドア(熱交換停止手段)、8…暖房用冷却水回路(第1冷却流体回路)、9…2方弁(熱交換停止手段)、10…蓄熱用冷却水回路(第2冷却流体回路)、11…第2ポンプ、12…蓄熱容器、13…逆止弁、14…電子制御装置(運転制御手段)。
Claims (6)
- 車両走行用の水冷式の内燃機関(1)と、
前記内燃機関(1)から流出した冷却流体と車室に吹き出される空気とを熱交換させるヒータコア(7d)と、
前記内燃機関(1)と前記ヒータコア(7d)とを繋ぎ、前記内燃機関(1)と前記ヒータコア(7d)との間で前記冷却流体が流れる閉回路を形成する第1冷却流体回路(8)と、
前記冷却流体を保温貯蔵する蓄熱容器(12)と、
前記第1冷却流体回路(8)のうち、前記ヒータコア(7d)よりも冷却流体流れ下流側から分岐し、前記蓄熱容器(12)を介して前記内燃機関(1)に繋がる第2冷却流体回路(10)と、
前記内燃機関(1)の動力によって機械的に駆動され、前記第1冷却流体回路(8)と前記第2冷却流体回路(10)との分岐点よりも前記内燃機関(1)側の前記第1冷却流体回路(8)に負圧を発生させ、前記第1冷却流体回路(8)に前記冷却流体を循環させる第1ポンプ(4)と、
前記第2冷却流体回路(10)に設けられ、電気をエネルギー源として作動して前記冷却流体を前記内燃機関(1)に向けて圧送する第2ポンプ(11)と、
前記第2冷却流体回路(10)に設けられ、前記第2ポンプ(11)の圧送方向の流れのみを許容する逆止弁(13)とを備え、
前記内燃機関(1)の運転中に、前記第2ポンプ(11)を停止させることで前記蓄熱容器(12)への前記冷却流体の流入を防止する制御手段(14)を備えることを特徴とする車両用内燃機関の廃熱利用システム。 - 前記内燃機関(1)が停止後に、前記第2ポンプ(11)を作動させて前記ヒータコア(7d)に前記冷却流体を流入させる暖房能力維持制御手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の車両用内燃機関の廃熱利用システム。
- 前記内燃機関(1)を始動させる前に、前記第2ポンプ(11)を作動させて前記蓄熱容器(12)内に保温貯蔵された前記冷却流体を前記内燃機関(1)に圧送する事前暖気制御手段を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用内燃機関の廃熱利用システム。
- 前記第1冷却流体回路(8)と前記第2冷却流体回路(10)との分岐点よりも冷却流体流れ上流側に配置されて、前記第1冷却流体回路(8)を開閉する2方弁(9)を備えることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の車両用内燃機関の廃熱利用システム。
- 前記ヒータコア(7d)への空気の流入を阻止可能な熱交換量抑制手段(7e)を備えることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の車両用内燃機関の廃熱利用システム。
- 所定の停止条件が成立したときに前記内燃機関(1)を自動的に停止させるとともに、所定の再始動条件が成立したときに前記内燃機関(1)を自動的に再始動させる車両に用いられることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の車両用内燃機関の廃熱利用システム。
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-
2005
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