JP2006299758A - 地盤の透水性を低下させる方法および注入管装置 - Google Patents

地盤の透水性を低下させる方法および注入管装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2006299758A
JP2006299758A JP2005127124A JP2005127124A JP2006299758A JP 2006299758 A JP2006299758 A JP 2006299758A JP 2005127124 A JP2005127124 A JP 2005127124A JP 2005127124 A JP2005127124 A JP 2005127124A JP 2006299758 A JP2006299758 A JP 2006299758A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ground
injection
solutions
kinds
injected
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005127124A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4589797B2 (ja
Inventor
Takaaki Shimizu
孝昭 清水
Masamichi Aoki
雅路 青木
Yuji Taya
裕司 田屋
Shuichi Wakai
修一 若井
Takahide Sunai
貴秀 砂井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takenaka Komuten Co Ltd
Original Assignee
Takenaka Komuten Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Takenaka Komuten Co Ltd filed Critical Takenaka Komuten Co Ltd
Priority to JP2005127124A priority Critical patent/JP4589797B2/ja
Publication of JP2006299758A publication Critical patent/JP2006299758A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4589797B2 publication Critical patent/JP4589797B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract


【課題】砂地盤又は砂礫地盤の湧水防止又は軟弱地盤の改良を目的として地盤の透水性を低下させる方法、換言すれば低透水層を形成する方法、および同方法の実施に使用される注入管装置を提供する。
【解決手段】注入管装置2は、2種類の溶液X、Yを別々に送給する2本の注入管10、11及び注入孔18を上下に仕切る仕切り手段6を備え、仕切り手段6により上下に仕切られた注入区間7A〜7Dから地盤中へ2種類の溶液X、Yを互い違いの順列で注入する構成とする。注入孔18内へ設置した注入管装置2は、仕切り手段6で注入孔18を上下方向に注入区間7A〜7Dに仕切った後に、各注入区間7A〜7Dから地盤中へ2種類の溶液X、Yを互い違いの順列でそれぞれ水平方向に注入させる。2種類の溶液X、Yを地盤1内で混合させ反応させて地盤中に微細で水に難溶性の析出物8を複数層発生させ地盤の透水性を低下させる。
【選択図】図1

Description

この発明は、砂地盤又は砂礫地盤の湧水防止又は軟弱地盤の改良を目的として地盤の透水性を低下させる方法、換言すれば低透水層を形成する方法、および同方法の実施に使用される注入管装置の技術分野に属する。
従来、山留め壁の不良部分からの漏水防止、或いは透水性の良い砂地盤又は砂礫地盤が地中深くまで続く場所での開削工事における掘削底部からの湧き水防止などの対策工としては、通例、下記の特許文献1、2に開示されたような薬液注入工法を実施する場合が多い。注入する薬液材料としては、水ガラスを主成分とするもの、又はセメントを主成分とするものが主に使用される。前記特許文献1、2の工法は注入前に2液を接触させ、固化するまでの時間を利用して地盤内に浸透させることが特徴である。
下記の特許文献3に開示された止水方法は、混合することにより不溶性の沈殿を生成する2種類以上の水溶液を別々に地盤内へ注入することを特徴としている。前記2種類以上の水溶液としては、カルシウム塩水溶液と炭酸塩及び/又は炭酸水溶液であることが記載されている。
下記の特許文献4、5は、本願発明者らの発明に係り、本願出願人の出願に係る特許である。2種類の水溶液を別々に地盤内へ注入し、地盤中で混合させ反応させることにより地盤内に微細で水に難溶性の析出物を2層以上発生させ地盤の透水性を低下させることを特徴とする。
下記の特許文献6、7の発明は、薬液注入工法に係るが、パッカーを複数使用して、地盤内に2個以上の改良体を造成することを特徴とする。
特許第3324012号公報 特開平11−36280号公報 特開2000−104066号公報 特許第3600892号公報 特許第3643956号公報 特許第3313351号公報 特許第3500464号公報
上記特許文献1、2に開示された薬液注入工法は、薬液材料として水ガラスを主成分とするもの、又はセメントを主成分とするものを使用し、注入前に2液を接触させ、固化するまでの時間を利用して地盤内に浸透させる方法であり、本願発明とは注入原理を異にするものである。注入範囲が注入孔周りの1m〜2mと狭いため、極めて多数の注入孔が必要となるという問題点が認められる。
上記の特許文献3に開示された止水方法は、2種類以上の水溶液を別々に地盤内へ注入する点を注目できるが、注入手段については具体的な記載は一切されていない。
上記の特許文献4、5は、本願発明者らの発明に係るものであるため、本願発明とは注入原理を一部共通にする。しかし、微細で水に難溶性の析出物を地盤内に1層発生させるだけの構成であるため、地盤内へ注入した2種類の溶液のうち相互に接触して混合、反応することのないまま地盤中へ浸透し残留する溶液量の割合が多い。その分だけ地盤の透水性を低下させるために大量の溶液を注入する必要があり、不経済であるし、工期も長引く。また、生成した低透水層の上下に水圧差を生じた場合には、前記低透水層の層厚が薄いため局所的な動水勾配が作用するが、その圧力に対する低透水層の耐久性(耐圧性)が低いと懸念される。
上記の特許文献6、7は、薬液注入工法ではあるが、パッカーを複数使用して、地盤内に2個以上の改良体を多段に造成する点を注目できる。しかし、何れの工法も注入する前に2種類の溶液を接触させ、1本の注入管を通じて地盤中へ注入する方法であり、注入範囲が狭いという問題点を解決するために、大型の改良体を造成するか、或いは地盤別に改良体を造成する内容に過ぎない。
本発明の目的は、砂地盤又は砂礫地盤中へ容易に浸透する2種類以上の水溶液を別々に地盤中へ注入し、地盤中で反応させることによって地盤内に広範囲に微細で水に難溶性の析出物を発生させて地盤の透水性を低下させる方法であって、特には地盤内へ注入した2種類の溶液の接触効率を高めて混合、反応することのないまま地盤中へ浸透し残留する溶液量の割合を低減し、相対的に地盤の透水性を低下させるために必要な溶液の注入量を節減して経済性を高め、工期を短縮可能な、地盤の透水性を低下させる方法、及び同方法の実施に使用する注入管装置を提供することである。
本発明の次の目的は、地盤内に微細で水に難溶性の析出物を上下に複数層発生させて複合化し、地盤の透水性を低下させる層を実質大厚に形成し、もって低透水層の上下に水圧差を生じて局所的な動水勾配が作用した場合でも、圧力に対する耐久性(耐圧性)が大きく安定な低透水層を造成する方法、及び同方法の実施に使用する注入管装置を提供することである。
上記した従来技術の課題を解決するための手段として、請求項1に記載した発明に係る地盤の透水性を低下させる方法は、
地盤1中に注入孔18を掘削し、前記注入孔18へ注入管装置2を挿入して設置し、地上から前記注入管装置2を通じて2種類の溶液X、Yを別々に注入し、注入した前記2種類の溶液X、Yを地盤内で混合させ反応させて地盤1中に微細で水に難溶性の析出物8を発生させ地盤の透水性を低下させる方法において、
前記注入管装置2は、2種類の溶液X、Yを別々に送給する2本の注入管10、11及び注入孔18を上下に仕切る複数の仕切り手段6を備え、前記仕切り手段6により上下に仕切られた複数の注入区間7A〜7Dから地盤中へ2種類の溶液X、Yを互い違いの順列で注入する構成とし、
注入孔18内へ設置した注入管装置2は、前記仕切り手段6で注入孔18を上下方向に複数の注入区間7A〜7Dに仕切った後に、各注入区間7A〜7Dから地盤中へ2種類の溶液X、Yを互い違いの順列でそれぞれ水平方向に注入させ、
前記2種類の溶液X、Yを地盤1内で混合させ反応させて地盤中に微細で水に難溶性の析出物8を複数層発生させ地盤の透水性を低下させることを特徴とする。
請求項2に記載した発明に係る地盤の透水性を低下させる方法は、
地盤1中に一定の間隔を空けて注入孔18と揚水孔を掘削し、前記注入孔18へは注入管装置2を挿入し、揚水孔へは揚水管装置3を挿入してそれぞれ設置し、地上から前記注入管装置2を通じて2種類の溶液X、Yを別々に注入し、他方の揚水管装置3で地下水を揚水し地盤中に局所的な動水勾配θを形成して地下水流れを生じさせ、注入した前記2種類の溶液X、Yを地盤1内で混合させ反応させて地盤中に微細で水に難溶性の析出物8を発生させ地盤の透水性を低下させる方法において、
前記注入管装置2は、2種類の溶液X、Yを別々に送給する2本の注入管10、11及び注入孔18を上下に仕切る複数の仕切り手段6を備え、前記仕切り手段6により上下に仕切られた複数の注入区間7A〜7Dから地盤1中へ2種類の溶液X、Yを互い違いの順列で注入する構成とし、
注入孔18内へ設置した注入管装置2は、前記仕切り手段6で注入孔18を上下方向に複数の注入区間7A〜7Dに仕切った後に、各注入区間7A〜7Dから地盤1中へ2種類の溶液X、Yを互い違いの順列でそれぞれ水平方向に注入させ、
揚水孔内へ設置した揚水管装置3で、地盤1中の地下水を揚水して地盤中に局所的な動水勾配θを形成し地下水流れを生じさせ、
地盤1中へ注入した前記2種類の溶液X、Yを地盤内で混合させ反応させて地盤1中に微細で水に難溶性の析出物8を複数層発生させ地盤の透水性を低下させることを特徴とする。
請求項3に記載した発明は、請求項1又は2に記載した地盤の透水性を低下させる方法において、
地盤中へ注入する2種類の水溶液X、Yは、+2価又は+3価の鉄イオンを含む水溶液と、これを酸化させる水溶液であることを特徴とする。
請求項4に記載した発明は、請求項1又は2に記載した地盤の透水性を低下させる方法において、
地盤中へ注入する2種類の水溶液X、Yは、硫酸第1鉄水溶液(溶存鉄)と過マンガン酸カリウム水溶液(酸化剤)であることを特徴とする。
請求項5に記載した発明に係る注入管装置2は、
地盤1中に掘削した注入孔18へ挿入して2種類の溶液X、Yを別々に注入し、前記2種類の溶液X、Yを地盤内で混合させ反応させて地盤1中に微細で水に難溶性の析出物8を発生させ地盤の透水性を低下させる注入管装置であって、
地盤1中へ注入する2種類の溶液X、Yを別々に送給し地盤内へ注入する2本の注入管10、11と、仕切り手段6としてのパッカーゴム6cを膨脹させる1本の給水圧管12とを主要部とし、
前記パッカーゴム6cの取り付け位置には、前記各管の外周を覆うパッカーシリンダ6aと、各管を貫通させて固定するシリンダヘッド6bを備え、前記パッカーシリンダ6aの外周にパッカーゴム6cが注入孔18の孔壁に向かって膨脹可能に取り付けられており、パッカーシリンダ6a内を通る前記給水圧管12と接続されていること、
前記2本の注入管10、11には、前記パッカーシリンダ6a及びパッカーゴム6cから成る仕切り手段6で仕切られた注入区間7A〜7Dの位置毎に、2種類の溶液X、Yのいずれか一方の注入管10又は11にのみ、且つ上下に異なる注入区間の位置毎に異なる注入管に複数の注入口13…が上下方向に分布する配置で設けられ、各管の先端は閉止されていることをそれぞれ特徴とする。
本発明は、2種類の水溶液X、Yを別々に地盤1中へ注入し、地盤中で混合させ、反応させて地盤1中に微細で水に難溶性の析出物8を発生させ地盤の透水性を低下させる(低透水層を形成する)方法であるから、従来の例えば上記特許文献1、2および6、7のように注入前に2液を接触させる方法に比較して注入範囲が広く、効率的に低透水層8を形成できる。従って、注入孔18のピッチを拡大して本数を減らすことができ効率的、経済的に工事を進められるし、工期の短縮化が図れる。
また、上下に仕切られた複数の注入区間7A〜7Dに対して2種類の溶液X、Yを互い違いの順列で注入するので、中間の注入区間に注入した溶液はその上下の注入区間に注入した異種の溶液と混合、反応する機会、度合いが高く、その分地盤1内へ注入した2種類の溶液X、Yの接触効率が高まる。よって混合、反応することのないまま地盤中へ浸透し残留する溶液量の割合はぐんと低減し、相対的に地盤の透水性を低下させるために必要な溶液の注入量を節減できる。
本発明は、微細で水に難溶性の析出物8を地盤1内の上下に複数層発生させて複合化し、低透水層を実質大厚に形成するから、この低透水層の上下に水圧差を生じて局所的な動水勾配θが作用した場合でも、その圧力に対する耐久性(耐圧性)が高く安定している。
注入管装置2は、2種類の溶液XYを別々に送給する2本の注入管10、11、および注入孔18を上下に仕切る複数の仕切り手段6を備え、前記仕切り手段6により上下に仕切られた複数の注入区間7A〜7Dから地盤1中へ2種類の溶液X、Yを互い違いの順列で注入する構成とし、
注入孔18内へ設置した注入管装置2は、前記仕切り手段6で注入孔18を上下方向に複数の注入区間7A〜7Dに仕切った後に、各注入区間7A〜7Dから地盤1内へ2種類の溶液X、Yを互い違いの順列でそれぞれ水平方向に注入して、前記2種類の溶液X、Yを地盤中で混合させ反応させて地盤1内に微細で水に難溶性の析出物8を複数層発生させ地盤1の透水性を低下させる。
上記した地盤1の透水性を低下させる方法を実施するための注入管装置2は、
地盤1中へ注入する2種類の溶液X、Yを別々に送給し地盤内へ注入する2本の注入管10、11と、仕切り手段6としてのパッカーゴム6cを膨脹させる1本の給水圧管12とを主要部とする。
前記パッカーゴム6cの取り付け位置には、前記各管の外周を覆うパッカーシリンダ6aと、各管を貫通させて固定するシリンダヘッド6bを備え、前記パッカーシリンダ6aの外周にパッカーゴム6cが注入孔18の孔壁に向かって膨脹可能に取り付け、該パッカーゴム6cはパッカーシリンダ6a内を通る前記給水圧管12と接続する。
前記2本の注入管10、11には、前記パッカーシリンダ6aおよびパッカーゴム6cから成る仕切り手段6で仕切られる注入区間の位置毎に、2種類の溶液のいずれか一方の注入管にのみ、且つ上下に異なる注入区間7A〜7Dの位置毎に異なる注入管10又は11に複数の注入口13を上下方向に分布する配置で設け、各管10、11、12の先端は閉止する。
以下に、本発明を図示した実施例により説明する。
図1は、請求項2に係る発明の実施例として、施工対象地盤1中に一定の間隔Lをあけて注入管装置2(いわゆるリチャージ井戸)と揚水管装置3(揚水井戸)とを対の関係で設置した施工図を示している。
注入管装置2からは、第1の水溶液X(例えば硫酸第1鉄水溶液)と第2の水溶液Y(例えば過マンガン酸カリウム水溶液)の2種類を、それぞれ後述する別異の注入管および注入ポンプ4を使用して(又は注入ポンプを使用することなく重力作用で)別々に注入する。他方の揚水管装置3からは揚水ポンプ5により地下水の揚水を行い、もって地盤中の地下水に局所的な動水勾配θを生じさせ、前記2種類の水溶液X、Yの地盤中への浸透と混合、反応を促進することは上記特許文献4、5の発明と同様である。
但し、本発明に係る地盤の透水性を低下させる方法は、図1のように、注入管装置2(リチャージ井戸)と揚水管装置3(揚水井戸)とを対の関係で設置して実施する内容に限らない。注入管装置2と揚水管装置3とを対の関係で設置して地盤中の地下水に局所的な動水勾配θを生じさせ、前記2種類の水溶液X、Yの浸透と混合、反応を促進することは好ましい実施態様であるが、実施の条件や目的によっては、注入管装置2のみを設置して、2種類の水溶液X、Yの注入を一方的に行う方法によっても、地盤の透水性を低下させる目的は達成できる(請求項1に係る発明)。
また、注入する2種類の水溶液としては、+2価又は+3価の鉄イオンを含む水溶液と、これを酸化させる水溶液の組合せ、具体的には硫酸第1鉄水溶液(溶存鉄)と過マンガン酸カリウム水溶液(酸化剤)を使用することができる。
図1は、注入管装置2が、図2に拡大図を例示したように、後述する構成の5個の仕切り手段6により注入孔を上下方向に仕切った四つの注入区間7A〜7Dを構成し、注入管装置2は各注入区間7A〜7D毎に地盤1に向かって2種類の溶液XとYを上下に互い違いの順列でそれぞれ水平方向に注入する。一方、揚水管装置3は地下水を吸入、揚水して、前記2種類の溶液XとYを地盤1中で効率よく出会わせ混合、反応させて地盤1内に微細で水に難溶性の析出物8による低透水層を合計3層発生させて地盤1の透水性を低下させる方法の概念図である。
図3〜図6に、請求項5に係る発明の実施例として注入管装置2の主要部の構成を具体的に示した。以下、これを説明する。
先ず図3は、注入管装置2を構成する仕切り手段である合計5個のパッカー部6と、前記パッカー部6によって地盤の注入孔を上下方向に仕切る四つの注入区間7A〜7Dの関係、および2種類の溶液XとYを別々に送給する2本の注入管10、11との関連する構成の全体図を示す。一例として、一つのパッカー部6の長さは320mm、一つの注入区間7の長さは670mm程度で、前記長さを1ピッチとする繰り返しで構成されている。
図3はまた、上記2本の注入管10、11のうち、1本の注入管10は最下位の注入区間7Dに到達しているが、他の1本の注入管11は次上位の注入区間7Cで止まっている構成を示している。2種類の溶液XとYを注入する必要上の構成である。
図4は、上下二つのパッカー部6、6と、これらによって仕切られた一つの注入区間7との関連する構成を拡大して示す。パッカー部6は、剛なステンレス鋼製のシリンダ6aとシリンダヘッド6b、及びシリンダ6aの外周に設置したパッカーゴム6c(詳しくは図6を参照。)とで構成されている。上記2本の注入管10、11は前記シリンダヘッド6bを貫通する構成で配管され、これらの外周をシリンダ6aが覆う構成である。因みにシリンダ6aの外径は80mm程度である。
上記一つの注入区間7には、いずれか1本の注入管10又は11にのみ、2種類の溶液XとYのうちの一方の溶液のみを注出する複数の注入口13…が、一例として口径が5mmの大きさで、管軸方向に25mmピッチで一列又は円周方向に複数列に分布する配置で多数設けられている。
図5は更に、注入管装置2には、上記2本の注入管10、11のほかに、仕切り手段としてのパッカーゴム6cを膨脹させる圧力水を供給する1本の給水圧管12が含まれている構成を示している。給水圧管12もまた、シリンダヘッド6bを貫通する構成で配管されている。2本の注入管10、11および1本の給水圧管12はそれぞれ、要所要所を管継手により接続して配管されている。給水圧管12は、各パッカー部6の位置において、ほぼ直角な分岐継手17によりシリンダ外周のパッカーゴム6cと接続されている。
上下に隣接するパッカー部6、6のシリンダ6a及びシリンダヘッド6bの間は、連結具としての連結環15aとスプリングスナップ15bを利用した連結ワイヤー16で一連に強固に連結されている。
図6は、最下位のパッカー部6の構造詳細を示す。パッカー部6のシリンダ6aは、その上下の端部をシリンダヘッド6bで塞がれている。パッカーゴム6cは、地盤に掘削された注入孔18(孔内径は100mm程度)の孔壁に向かって膨脹可能であるようにシリンダ6aの外周に上下の位置をバンド類で締め付けて中間部が膨らむ構成で取り付けられている。シリンダ6aの剛性が大きいので、パッカーゴム6cは外方へのみ膨らんで仕切り効果を発揮する。
本発明の方法を、上記構成の注入管装置2を使用して実施する場合には、先ず図7Aに示すように地盤1中に注入孔18を掘削し、前記孔壁の崩壊防止の為に有孔管(図示は省略)を立込んだ井戸構造とする。前記注入孔18の中へ注入管装置2を挿入して設置(位置を固定)する。そして、地上に用意した給水ポンプ装置(図示省略)と上記注入管装置2の給水圧管12とを接続し、適宜に調整された水圧を給水圧管12へ送って各パッカー部6のパッカーゴム6cを膨脹させて注入孔18を仕切る。各パッカー部6のパッカーゴム6cを等しく同期に膨脹させるので、注入孔18を上下方向に仕切った注入区間7A〜7Dを形成する。
しかる後に、注入管装置2の2本の注入管10、11を、2種類の溶液X、Yの供給源20、21(図1参照)と接続して、2種類の溶液X、Yを別々に注入してゆき、注入した前記2種類の溶液X、Yを地盤内で混合させ反応させて地盤中に微細で水に難溶性の析出物8を発生させ地盤の透水性を低下させる。
上記実施例のようにして三つの低透水層を形成すると、図8に水圧分布の一例を示したように、三つの低透水層の上下に水圧差を生じても、水圧分布の勾配は、従来の図9に例示した1層のみの場合に比較すると極めて緩やかなものとなり、それだけ圧力に対する耐久性(耐圧性)が大きく安定した構造になる。
以上に本発明を図示した実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例の限りではない。本発明の要旨及び技術的思想を逸脱しない範囲で、いわゆる当業者が必要に応じて行う設計変更や変形、応用の態様で種々に実施されるものであることを主張する。
本発明の透水性を低下させる方法の実施例を概念的に示した断面図である。 2種類の溶液の注入態様を示した説明図である。 注入管装置の溶液注入部分の構成を示した立面図である。 注入管装置におけるパッカー部と注入区間の関係する構造を示した断面図である。 注入管装置における給水圧管とパッカー部の関係する構造を示した断面図である。 注入管装置に最下位のパッカー部を拡大して示した断面図である。 A〜Dは本発明の透水性を低下させる方法の実施工程を概念的に示した断面図である。 本発明による透水性を低下させる方法の効果を説明する水圧分布図である。 従来の一つの低透水層の効果を説明する水圧分布図である。
符号の説明
1 地盤
2 注入管装置
3 揚水管装置
X 第1の水溶液
Y 第2の水溶液
10、11 注入管
18 注入孔
6 仕切り手段(パッカー部)
7A〜7D 注入区間
6a シリンダ
6c パッカーゴム
13 注入口

Claims (5)

  1. 地盤中に注入孔を掘削し、前記注入孔へ注入管装置を挿入して設置し、地上から前記注入管装置を通じて2種類の溶液を別々に注入し、注入した前記2種類の溶液を地盤内で混合させ反応させて地盤中に微細で水に難溶性の析出物を発生させ地盤の透水性を低下させる方法において、
    前記注入管装置は、2種類の溶液を別々に送給する2本の注入管、及び注入孔を上下に仕切る複数の仕切り手段を備え、前記仕切り手段により上下に仕切られた複数の注入区間から地盤中へ2種類の溶液を互い違いの順列で注入する構成とし、
    注入孔内へ設置した注入管装置は、前記仕切り手段で注入孔を上下方向に複数の注入区間に仕切った後に、各注入区間から地盤中へ2種類の溶液を互い違いの順列でそれぞれ水平方向に注入させ、
    前記2種類の溶液を地盤内で混合させ反応させて地盤中に微細で水に難溶性の析出物を複数層発生させ地盤の透水性を低下させることを特徴とする、地盤の透水性を低下させる方法。
  2. 地盤中に一定の間隔を空けて注入孔と揚水孔を掘削し、前記注入孔へは注入管装置を挿入し、揚水孔へは揚水管装置を挿入してそれぞれ設置し、地上から前記注入管装置を通じて2種類の溶液を別々に注入し、他方の揚水管装置で地下水を揚水し地盤中に局所的な動水勾配を形成して地下水流れを生じさせ、注入した前記2種類の溶液を地盤内で混合させ反応させて地盤中に微細で水に難溶性の析出物を発生させ地盤の透水性を低下させる方法において、
    前記注入管装置は、2種類の溶液を別々に送給する2本の注入管、及び注入孔を上下に仕切る複数の仕切り手段を備え、前記仕切り手段により上下に仕切られた複数の注入区間から地盤中へ2種類の溶液を互い違いの順列で注入する構成とし、
    注入孔内へ設置した注入管装置は、前記仕切り手段で注入孔を上下方向に複数の注入区間に仕切った後に、各注入区間から地盤中へ2種類の溶液を互い違いの順列でそれぞれ水平方向に注入させ、
    揚水孔内へ設置した揚水管装置で、地盤中の地下水を揚水して地盤中に局所的な動水勾配を形成し地下水流れを生じさせ、
    地盤中へ注入した前記2種類の溶液を地盤内で混合させ反応させて地盤中に微細で水に難溶性の析出物を複数層発生させ地盤の透水性を低下させることを特徴とする、地盤の透水性を低下させる方法。
  3. 地盤中へ注入する2種類の水溶液は、+2価又は+3価の鉄イオンを含む水溶液と、これを酸化させる水溶液であることを特徴とする、請求項1又は2に記載した地盤の透水性を低下させる方法。
  4. 地盤中へ注入する2種類の水溶液は、硫酸第1鉄水溶液(溶存鉄)と過マンガン酸カリウム水溶液(酸化剤)であることを特徴とする、請求項1又は2に記載した地盤の透水性を低下させる方法。
  5. 地盤中に掘削した注入孔へ挿入して2種類の溶液を別々に注入し、前記2種類の溶液を地盤内で混合させ反応させて地盤中に微細で水に難溶性の析出物を発生させ地盤の透水性を低下させる注入管装置であって、
    地盤中へ注入する2種類の溶液を別々に送給し地盤内へ注入する2本の注入管と、仕切り手段としてのパッカーゴムを膨脹させる1本の給水圧管とを主要部とし、
    前記パッカーゴムの取り付け位置には、前記各管の外周を覆うパッカーシリンダと、各管を貫通させて固定するシリンダヘッドを備え、前記パッカーシリンダの外周にパッカーゴムが注入孔の孔壁に向かって膨脹可能に取り付けられ、パッカーシリンダ内を通る前記給水圧管と接続されていること、
    前記2本の注入管には、前記パッカーシリンダ及びパッカーゴムから成る仕切り手段で仕切られた注入区間の位置毎に、2種類の溶液のいずれか一方の注入管にのみ、且つ上下に異なる注入区間の位置毎に異なる注入管に複数の注入口が上下方向に分布する配置で設けられ、各管の先端は閉止されていることをそれぞれ特徴とする、注入管装置。
JP2005127124A 2005-04-25 2005-04-25 地盤の透水性を低下させる方法および注入管装置 Expired - Fee Related JP4589797B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005127124A JP4589797B2 (ja) 2005-04-25 2005-04-25 地盤の透水性を低下させる方法および注入管装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005127124A JP4589797B2 (ja) 2005-04-25 2005-04-25 地盤の透水性を低下させる方法および注入管装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006299758A true JP2006299758A (ja) 2006-11-02
JP4589797B2 JP4589797B2 (ja) 2010-12-01

Family

ID=37468378

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005127124A Expired - Fee Related JP4589797B2 (ja) 2005-04-25 2005-04-25 地盤の透水性を低下させる方法および注入管装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4589797B2 (ja)

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0387412A (ja) * 1989-08-31 1991-04-12 Tokai Rubber Ind Ltd 地山固結工法およびそれに用いる組合わせパイプ
JPH06212620A (ja) * 1992-06-16 1994-08-02 Kyokado Eng Co Ltd 地盤注入工法
JPH07238531A (ja) * 1993-10-28 1995-09-12 Japan Found Eng Co Ltd 可撓性注入管を用いたグラウト注入装置
JP2000104066A (ja) * 1998-09-30 2000-04-11 Mitsubishi Materials Corp 地盤の止水剤及び地盤の止水方法
JP2001131953A (ja) * 1999-08-20 2001-05-15 Kyokado Eng Co Ltd 注入管装置および地盤注入工法
JP2001131951A (ja) * 1999-11-01 2001-05-15 Okumura Corp 地盤改良材の注入装置および注入工法
JP3600892B2 (ja) * 2001-12-10 2004-12-15 株式会社竹中工務店 地盤の透水性を低下させる方法

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0387412A (ja) * 1989-08-31 1991-04-12 Tokai Rubber Ind Ltd 地山固結工法およびそれに用いる組合わせパイプ
JPH06212620A (ja) * 1992-06-16 1994-08-02 Kyokado Eng Co Ltd 地盤注入工法
JPH07238531A (ja) * 1993-10-28 1995-09-12 Japan Found Eng Co Ltd 可撓性注入管を用いたグラウト注入装置
JP2000104066A (ja) * 1998-09-30 2000-04-11 Mitsubishi Materials Corp 地盤の止水剤及び地盤の止水方法
JP2001131953A (ja) * 1999-08-20 2001-05-15 Kyokado Eng Co Ltd 注入管装置および地盤注入工法
JP2001131951A (ja) * 1999-11-01 2001-05-15 Okumura Corp 地盤改良材の注入装置および注入工法
JP3600892B2 (ja) * 2001-12-10 2004-12-15 株式会社竹中工務店 地盤の透水性を低下させる方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4589797B2 (ja) 2010-12-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN106915796B (zh) 一种在地下含水层进行prb原位修复系统施工的方法
CN104136712B (zh) 非冲击管件射孔系统和方法
CN109881660B (zh) 一种微生物固化联合防渗墙的海工建筑物基础冲刷防护施工方法
JP2011074591A (ja) 地盤注入用注入管および地盤注入工法
CN104131594B (zh) 地下水污染填注-抽水二重井处理方法
KR20150097355A (ko) 천공 및 그라우팅 로드장치
JP4589797B2 (ja) 地盤の透水性を低下させる方法および注入管装置
WO2008123674A1 (en) Grouting apparatus and grouting method
JP4294691B2 (ja) 注入管及びグラウト注入方法
CN108331558B (zh) 煤气层用水平井及该水平井的钻井和压裂方法
JP2009002154A (ja) 地盤改良薬液の注入方法および装置
JP2002143828A (ja) 土壌浄化対策工法及び土壌浄化システム
JP4743888B2 (ja) 酸性土壌の中和工法
CN105221164B (zh) 一种用于深埋隧道注浆修复的密封工具及组装方法
JP2007100416A (ja) 通水用鋼矢板、および通水土留壁の構造、およびその施工方法。
JP2008202369A (ja) 地盤改良方法および地盤改良装置
KR101653806B1 (ko) 경사 주입관을 활용한 강변여과수 현장 처리 시스템
JP2011020057A (ja) 土壌汚染浄化ゾーン工法、土壌汚染浄化ゾーン及び土壌汚染浄化方法
JP3102786B2 (ja) 薬液注入工法およびこれに用いる注入装置
JPH11229418A (ja) 鋼管柱列土留壁における地下水復水工法
JP2008081942A (ja) 地中壁の通水部施工方法
CN104499487B (zh) 双液搅拌注浆系统
CN210127858U (zh) 用于泥质地层的衬砌背后导向管注浆堵水装置
JP2019018168A (ja) 地盤の浄化方法
JP3919739B2 (ja) 地盤注入装置および地盤注入工法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080326

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100219

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100316

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100510

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100831

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100910

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130917

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees