JP2006299454A - 省エネルギー型機械パルプの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 リグノセルロースを材料とした機械パルプ製造時の電力量を削減し得る新規省エネルギー型機械パルプ製造方法を提供する。
【解決手段】 リグノセルロース材料、特に木材チップに10−100kGyでγ線を照射し、ついで該材料を機械的に磨砕してパルプを製造することを特徴とする機械パルプ製造方法。
【発明の効果】
リグノセルロース特に木材チップの段階でγ線照射をすることにより機械パルプを製造する際の磨砕時の消費エネルギーを削減することができる。
【選択図】 なし
【解決手段】 リグノセルロース材料、特に木材チップに10−100kGyでγ線を照射し、ついで該材料を機械的に磨砕してパルプを製造することを特徴とする機械パルプ製造方法。
【発明の効果】
リグノセルロース特に木材チップの段階でγ線照射をすることにより機械パルプを製造する際の磨砕時の消費エネルギーを削減することができる。
【選択図】 なし
Description
この発明は、リグノセルロースを材料とした機械パルプ製造時の電力量を削減し得る新規省エネルギー型機械パルプ製造方法に関する。
紙の原料であるパルプの製造方法は、機械的にパルプ原料を磨砕して作製する機械パルプと、化学的にパルプ原料中のリグニンを薬品と熱によって取り除くことにより作製する化学パルプに分けることができる。機械的処理、あるいは化学的処理により作製されたパルプは、目的とする紙の種類により、適宜組み合わせて使用される。
機械パルプというのは、リグノセルロース材料に湿潤状態でせん断力を加え、繊維間の中間層を破壊し、繊維を単離するもので、例えば、材料をリファイナーで磨砕してパルプ化したリファイナーメカニカルパルプ(RMP)、高温高圧下でチップをリファイニングすることで得られるサーモメカニカルパルプ(TMP)、丸太を砥石で磨砕するGP、TMPを製造する前で、亜硫酸ナトリウムなどの薬品で化学的前処理を行ったCTMP、高圧下で磨砕する砕木パルプ(PGW)がある。また、水酸化ナトリウム溶液でチップを浸せきしてからリファイニングすることで得られるケミグランドパルプ(CGP)などがある。これらのパルプの製造において、機械的磨砕に要する動力エネルギーが大きいため、このエネルギーを削減することが望まれている。
機械パルプ製造時における磨砕の消費エネルギーを削減する試みとしては、原料の種類、磨砕時の濃度、圧力、リファイナーディスクの種類及びその使用時間、ディスクの回転数、リファイナー機種など多くの因子と関係がある。機械パルプ製造工場においては、経験的あるいは実験的にこれらの因子を調整し、エネルギーを最小化するような機械パルプ製造方法を行ってきている(例えば、非特許文献1参照。)。
こうした試みにも関わらず、コスト削減や京都議定書発効にともなう地球温暖化ガスの抑制の必要性から、さらなる消費エネルギーの削減が求められてきている。例えば、前処理を行うことにより、消費エネルギーを削減するという試みが行われてきており、キノコの一種である白色腐朽菌を用いた前処理により、機械パルプ製造エネルギー30〜40%程度削減されたという報告があり、パイロットスケールレベルでの検討が行われてきている(例えば、非特許文献2参照。)。一方、こうした生物学的処理は、処理期間が必要であることから、時間のかからない前処理方法が求められてきている。
木材を放射線、その中でもエネルギー量の大きいγ線で照射を行い、照射が木材の強度特性に与える影響について調べられてきている。引っ張り強さ、圧縮強さ、曲げ強さ、衝撃破壊仕事などの静的強度は、照射放射線量の増加にともない低下し、比動的弾性率や衝撃曲げ破壊仕事の動的強度に関しても同様に、照射放射線量の増加とともに低下するという報告されている(例えば、非特許文献3参照。)。しかし、この報告では、木材の強度低下については述べているが、機械パルプ製造時への利用については述べていない。また、5×107 rad(=500kGy)をスプルース、ブナ及びポプラ材についてγ線を照射した場合、照射材を機械的に崩壊させると、形態的な構造を維持しながらも容易に崩壊するという報告がある(例えば、非特許文献4参照。)。 しかし、機械パルプ製造時への利用については述べていない。また、照射強度が本発明と比べて高い。
パルプ製造工程において、γ線を利用する試みも行われてきており、例えば、木材チップをγ線照射後にクラフトパルプ化を行うと、広葉樹材を原料として用いる場合は、収率に変化はなかったが(例えば、非特許文献5参照。)、針葉樹材ではパルプ収率が増加したと報告されている(例えば、非特許文献6参照。)。また、未漂白針葉樹クラフトパルプをγ線照射すると、パルプの叩解時間を20−30%削減することができるとの報告がある(例えば、非特許文献7参照)。しかし、チップにγ線照射を行うことにより、機械パルプ製造時の動力を削減しようという報告はされていない。
高歩留パルプ・機械パルプ、昭和60年10月1日増補、紙パ技術協会編 M. Akhtar et al, 57, 159, 1997, Advances in Biomechemical Engineering/Biotechnology 今村ら、木材利用の化学、昭和58年3月1日発行、共立出版株式会社 K.J. Harrington et al., 18, 102, 1964, Holzforschung. 森 見二ら, 31(1), 54, 1977, 紙パ技協誌 G.A. Nicholls et al, Tappi 57, 91,1974 森 見二ら、34(2),57, 1980, 紙パ技協誌
高歩留パルプ・機械パルプ、昭和60年10月1日増補、紙パ技術協会編 M. Akhtar et al, 57, 159, 1997, Advances in Biomechemical Engineering/Biotechnology 今村ら、木材利用の化学、昭和58年3月1日発行、共立出版株式会社 K.J. Harrington et al., 18, 102, 1964, Holzforschung. 森 見二ら, 31(1), 54, 1977, 紙パ技協誌 G.A. Nicholls et al, Tappi 57, 91,1974 森 見二ら、34(2),57, 1980, 紙パ技協誌
本発明は、リグノセルロースを材料とした機械パルプ製造時における磨砕時の消費エネルギーを削減するための前処理方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題に基づいて鋭意研究を行った結果、γ線をリグノセルロース材料に特定の照射線量で照射し、これを原料とすることにより、機械パルプ製造時のエネルギーが削減できること、かつ強度特性が実用上十分であることを見出し、本発明を完成するに至った。本発明は以下の各発明を包含する。
(1)リグノセルロース材料に10−100kGyでγ線を照射し、ついで該材料を機械的に磨砕してパルプを製造することを特徴とする機械パルプ製造方法。
(2)前記リグノセルロース材料が木材チップであることを特徴とする(1)記載の機械パルプ製造方法。
(3)前記木材チップが、針葉樹に由来することを特徴とする(2)記載の機械パルプ製造方法。
(4)前記木材チップが、広葉樹に由来することを特徴とする(2)記載の機械パルプ製造方法。
(5)照射線源がコバルト60である(1)〜(4)のいずれかに記載の機械パルプ製造方法。
(2)前記リグノセルロース材料が木材チップであることを特徴とする(1)記載の機械パルプ製造方法。
(3)前記木材チップが、針葉樹に由来することを特徴とする(2)記載の機械パルプ製造方法。
(4)前記木材チップが、広葉樹に由来することを特徴とする(2)記載の機械パルプ製造方法。
(5)照射線源がコバルト60である(1)〜(4)のいずれかに記載の機械パルプ製造方法。
本発明により、リグノセルロースを材料とする機械パルプを製造する際の磨砕時の消費エネルギーを削減することができる。
本発明の第1は、リグノセルロース材料に10−100 kGyのγ線照射、ついで該材料を機械的に磨砕してパルプを製造することを特徴とする省エネルギー型機械パルプ製造方法に関する。
γ線を照射する際の線源は、γ線を発するものであれば、どのようなものでもよく、例えば、バリウム133、カドミウム109、コバルト57、コバルト60、セシウム137、マンガン54、ナトリウム22などを使用することができる。また、線源強度は、試料に目的とする照射線量が照射される場合であれば、どのような強度であっても構わない。照射の方法は、照射線量が十分であれば、どのような方法でもよく、例えば、インクリメンタル照射、静置照射を用いることができる。インクリメンタル照射では、コンベアーに乗せられた試料を照射室に送り、線源の周囲を一定の時間で回るという動作を繰り返し、所望の線量を照射する。静置照射では、線量率が既知の場所で一定の時間照射し、所望の線量を照射する。照射線量は10〜100kGyの範囲が好ましい。10kGy未満では機械パルプを製造する際の磨砕時の消費エネルギーを削減効果が不充分であるし、100kGyを超えた照射線量となると、木材自体が劣化し、所望の強度(紙力特性)を有する機械パルプを得ることができない。
γ線を照射する際の線源は、γ線を発するものであれば、どのようなものでもよく、例えば、バリウム133、カドミウム109、コバルト57、コバルト60、セシウム137、マンガン54、ナトリウム22などを使用することができる。また、線源強度は、試料に目的とする照射線量が照射される場合であれば、どのような強度であっても構わない。照射の方法は、照射線量が十分であれば、どのような方法でもよく、例えば、インクリメンタル照射、静置照射を用いることができる。インクリメンタル照射では、コンベアーに乗せられた試料を照射室に送り、線源の周囲を一定の時間で回るという動作を繰り返し、所望の線量を照射する。静置照射では、線量率が既知の場所で一定の時間照射し、所望の線量を照射する。照射線量は10〜100kGyの範囲が好ましい。10kGy未満では機械パルプを製造する際の磨砕時の消費エネルギーを削減効果が不充分であるし、100kGyを超えた照射線量となると、木材自体が劣化し、所望の強度(紙力特性)を有する機械パルプを得ることができない。
照射時の木材チップの水分は、本発明の効果にはあまり影響しないが、水分が少なすぎると照射効果がやや減少し、多すぎると材料の搬送エネルギーが無駄であるので、水分は10〜90質量%、好ましくは30〜70質量%である。
照射時の温度も高い程効果が上がるが、その照射効果に対する影響は低いので、特に温度を制御する装置を付けることは経済的に得策ではなく、おおむね10〜40℃度程度の室温で行えば良い。
照射は大気中で行えば良く、特に真空室、加圧室、不活性ガス室などで行う必要性はないと考えられる。
照射時の温度も高い程効果が上がるが、その照射効果に対する影響は低いので、特に温度を制御する装置を付けることは経済的に得策ではなく、おおむね10〜40℃度程度の室温で行えば良い。
照射は大気中で行えば良く、特に真空室、加圧室、不活性ガス室などで行う必要性はないと考えられる。
また、ここでいう機械パルプとは、リグノセルロース材料に湿潤状態でせん断力を加え、繊維間の中間層を破壊し、繊維を単離するものであればいずれでもよく、例えば、木材チップをリファイナーで磨砕してパルプ化して得られるリファイナーメカニカルパルプ(RMP)、高温高圧下で木材チップをリファイニングして得られるサーモメカニカルパルプ(TMP)、TMPの製造に先立ち、亜硫酸ナトリウムなどの薬品で化学的前処理を行って得られるCTMP、高圧下で磨砕する砕木パルプ(PGW)が含まれる。また、水酸化ナトリウム溶液にチップを浸せきした後に上述の方法でリファイニングすることで得られるケミグランドパルプ(CGP)を含む。
本発明の第2は、原料が木材チップであり、γ線照射ついで該材料を機械的に磨砕してパルプを製造することを特徴とする省エネルギー型機械パルプ製造方法に関する。ここでいう木材とは木本植物のことであり、通道組織である維管束を有し、地上に長年にわたって生き続ける茎をもつ多年生植物であり、維管束形成層の働きにより木部組織が肥大成長するという性質を有する。
本発明の第3は、木材チップが針葉樹に由来し、γ線照射ついで該材料を機械的に磨砕してパルプを製造することを特徴とする省エネルギー型機械パルプ製造方法に関する。針葉樹には、マツ、スギ、モミ、トウヒ、ダグラスファー、ラジアータパイン等を含む。
本発明の第4は、木材チップが広葉樹に由来し、γ線照射ついで該材料を機械的に磨砕してパルプを製造することを特徴とする省エネルギー型機械パルプ製造方法に関する。広葉樹には、ブナ、カバ、ハンノキ、カエデ、ユーカリ、ポプラ、アカシア、ラワン、アスペン、ゴム等を含む。
以下、実施例にしたがって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例等によって限定されるものではない。
実施例1
北海道内で伐採したエゾマツをチッピングを行った後、フラットスクリーン(東西精器製)を用いて、チップ厚を2〜6mmの間にチップの厚みをそろえた。チップの水分量を測定した結果50質量%であった。このチップを絶乾質量で600gになるように、ポリエチレン製の袋にはかり取り、大気中、室温(25℃)下に、コバルト60を線源として用いて30kGyの照射量に達するようにγ線照射行った。γ線照射後の木材チップは、最初に粗砕を行った。粗砕には、プレートにNo.2501C(熊谷理機社製, 粗砕用)を装着したKRK高濃度リファイナープレート(熊谷理機社製)を用いた。クリアランスは、1mmで行った。木材チップは、粗砕の前に、恒温漕により40℃、20分間保温した。粗砕後のチップは、No.2501A(熊谷理機社製, 中砕用)を装着したKRK高濃度リファイナー(熊谷理機社製)を用いて、精砕を行った。1次リファイニングのクリアランスは0.5mm、 2次リファイニングのクリアランスは0.3mm、 3次リファイニングのクリアランスは0.1mmで行った。いずれのリファイニングもパルプ濃度が8 %になるように行った。リファイニング時の消費電力量の測定はワットメーターと積分計を用いた。リファイニング後のパルプは、80℃の温水で、15分間ディスインテグレーターを用いて離解を行い、レイテンシーを除去した後、JIS P8121に従い、フリーネスの測定を行った。エネルギーの削減量の指標となる電力原単位は、下記式(1)に示す計算式を用いて算出した。
北海道内で伐採したエゾマツをチッピングを行った後、フラットスクリーン(東西精器製)を用いて、チップ厚を2〜6mmの間にチップの厚みをそろえた。チップの水分量を測定した結果50質量%であった。このチップを絶乾質量で600gになるように、ポリエチレン製の袋にはかり取り、大気中、室温(25℃)下に、コバルト60を線源として用いて30kGyの照射量に達するようにγ線照射行った。γ線照射後の木材チップは、最初に粗砕を行った。粗砕には、プレートにNo.2501C(熊谷理機社製, 粗砕用)を装着したKRK高濃度リファイナープレート(熊谷理機社製)を用いた。クリアランスは、1mmで行った。木材チップは、粗砕の前に、恒温漕により40℃、20分間保温した。粗砕後のチップは、No.2501A(熊谷理機社製, 中砕用)を装着したKRK高濃度リファイナー(熊谷理機社製)を用いて、精砕を行った。1次リファイニングのクリアランスは0.5mm、 2次リファイニングのクリアランスは0.3mm、 3次リファイニングのクリアランスは0.1mmで行った。いずれのリファイニングもパルプ濃度が8 %になるように行った。リファイニング時の消費電力量の測定はワットメーターと積分計を用いた。リファイニング後のパルプは、80℃の温水で、15分間ディスインテグレーターを用いて離解を行い、レイテンシーを除去した後、JIS P8121に従い、フリーネスの測定を行った。エネルギーの削減量の指標となる電力原単位は、下記式(1)に示す計算式を用いて算出した。
、電力削減率は、下記式(2)に示すように同一フリーネス時における比較例(γ線未照射チップ)の電力原単位に対するγ線照射後の電力原単位の差の百分率から計算した。電力原単位とフリーネスの関係のグラフを図1に、フリーネス100mlにおける電力削減率を表1に示す。この結果、30 kGyの強度でγ線照射を行うことにより、電力原単位が9.3%削減することが示された。
電力原単位(Wh/kg)=消費電力(Wh)/仕込みチップ絶乾質量(kg)…(1)
電力削減率(5)=〔(比較例の電力原単位−γ線照射後の電力原単位)/(比較例の電力原単位)〕×100(%)…(2)
電力削減率(5)=〔(比較例の電力原単位−γ線照射後の電力原単位)/(比較例の電力原単位)〕×100(%)…(2)
実施例2
γ線の照射強度を60kGyで行った以外は、実施例1と同様に行った。フリーネス100mlにおける電力削減率を表1に示す。この結果、60 kGyの強度でγ線照射を行うことにより、電力原単位が19.6%削減することが示された。
γ線の照射強度を60kGyで行った以外は、実施例1と同様に行った。フリーネス100mlにおける電力削減率を表1に示す。この結果、60 kGyの強度でγ線照射を行うことにより、電力原単位が19.6%削減することが示された。
実施例3
γ線の照射強度を100kGyで行った以外は、実施例1と同様に行った。フリーネス100mlにおける電力削減率を表1に示す。この結果、100 kGyの強度でγ線照射を行うことにより、電力原単位が32.0%削減することが示された。
γ線の照射強度を100kGyで行った以外は、実施例1と同様に行った。フリーネス100mlにおける電力削減率を表1に示す。この結果、100 kGyの強度でγ線照射を行うことにより、電力原単位が32.0%削減することが示された。
比較例 1
γ線の照射強度を行わなかった以外は、実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
γ線の照射強度を行わなかった以外は、実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
比較例2
γ線の照射強度を5kGyで行った以外は、実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。この結果、5 kGyの強度でγ線照射を行った場合は、電力削減率はほとんど0%であることが示された。
γ線の照射強度を5kGyで行った以外は、実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。この結果、5 kGyの強度でγ線照射を行った場合は、電力削減率はほとんど0%であることが示された。
比較例3
γ線の照射強度を150kGyで行った以外は、実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。この結果、150 kGyの強度でγ線照射を行うことにより、電力原単位が42.1%削減することが示された。
γ線の照射強度を150kGyで行った以外は、実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。この結果、150 kGyの強度でγ線照射を行うことにより、電力原単位が42.1%削減することが示された。
実施例4
実施例1で作製したフリーネス100mlのMPパルプと、フリーネス550mlの市販の針葉樹クラフトパルプを重量比で、30:70の割合で混合し、Tappi試験法T205om−812準拠してパルプ物理用試験用手抄きシートの調製を行った。パルプ手抄きシートの物理試験はTappi法T220om−832準拠して行った。この結果を表2に示す。
実施例1で作製したフリーネス100mlのMPパルプと、フリーネス550mlの市販の針葉樹クラフトパルプを重量比で、30:70の割合で混合し、Tappi試験法T205om−812準拠してパルプ物理用試験用手抄きシートの調製を行った。パルプ手抄きシートの物理試験はTappi法T220om−832準拠して行った。この結果を表2に示す。
実施例5
実施例2で作製したフリーネス100mlのMPパルプと、フリーネス550mlの市販の針葉樹クラフトパルプを重量比で、30:70の割合で混合した。評価試験は実施例4と同様に行った。この結果を表2に示す。
実施例2で作製したフリーネス100mlのMPパルプと、フリーネス550mlの市販の針葉樹クラフトパルプを重量比で、30:70の割合で混合した。評価試験は実施例4と同様に行った。この結果を表2に示す。
実施例6
実施例3で作製したフリーネス100mlのMPパルプと、フリーネス550mlの市販の針葉樹クラフトパルプを重量比で、30:70の割合で混合した。評価試験は実施例4と同様に行った。この結果を表2に示す。
実施例3で作製したフリーネス100mlのMPパルプと、フリーネス550mlの市販の針葉樹クラフトパルプを重量比で、30:70の割合で混合した。評価試験は実施例4と同様に行った。この結果を表2に示す。
比較例4
比較例1で作製したフリーネス100mlのMPパルプと、フリーネス550mlの市販の針葉樹クラフトパルプを重量比で、30:70の割合で混合した。評価試験は実施例4と同様に行った。この結果を表2に示す。
比較例1で作製したフリーネス100mlのMPパルプと、フリーネス550mlの市販の針葉樹クラフトパルプを重量比で、30:70の割合で混合した。評価試験は実施例4と同様に行った。この結果を表2に示す。
比較例5
比較例2で作製したフリーネス100mlのMPパルプと、フリーネス550mlの市販の針葉樹クラフトパルプを重量比で、30:70の割合で混合した。評価試験は実施例4と同様に行った。この結果を表2に示す。
比較例2で作製したフリーネス100mlのMPパルプと、フリーネス550mlの市販の針葉樹クラフトパルプを重量比で、30:70の割合で混合した。評価試験は実施例4と同様に行った。この結果を表2に示す。
比較例6
比較例3で作製したフリーネス100mlのMPパルプと、フリーネス550mlの市販の針葉樹クラフトパルプを重量比で、30:70の割合で混合した。評価試験は実施例4と同様に行った。この結果を表2に示す。
比較例3で作製したフリーネス100mlのMPパルプと、フリーネス550mlの市販の針葉樹クラフトパルプを重量比で、30:70の割合で混合した。評価試験は実施例4と同様に行った。この結果を表2に示す。
実施例7
オーストラリアで伐採したユーカリ・グロブラスは、チッピングを行った後、フラットスクリーン(東西精器製)を用いて、チップ厚を2〜6mmの間にチップの厚みをそろえた。チップの水分量を測定した結果50質量%であった。このチップを絶乾質量で600gになるように、ポリエチレン製の袋にはかり取り、大気中、室温(25℃)下にコバルト60を線源として用いて30kGyの照射量に達するまでγ線照射行った。γ線照射後の木材チップは、最初に粗砕を行った。粗砕にはプレートにNo.2501C(熊谷理機社製, 粗砕用)を装着したKRK高濃度リファイナープレート(熊谷理機社製)を用いた。クリアランスは1mmで行った。木材チップは、粗砕の前に、恒温漕により40℃、20分間保温した。粗砕後のチップは、No.2501A(熊谷理機社製, 中砕用)を装着したKRK高濃度リファイナー(熊谷理機社製)を用いて、精砕を行った。1次リファイニングのクリアランスは0.5mm、 2次リファイニングのクリアランスは0.3mm、 3次リファイニングのクリアランスは0.1mmで行った。いずれのリファイニングもパルプ濃度が8 %になるように行った。リファイニング時の消費電力量の測定はワットメーターと積分計を用いた。リファイニング後のパルプは、80℃の温水で、15分間ディスインテグレーターを用いて、離解を行いレイテンシーを除去した後、JIS P8121に従い、フリーネスの測定を行った。エネルギーの削減量の指標となる電力原単位は、前記式(1)に示す計算式を用いて算出した。また、電力削減率は、前記式(2)に示すように同一フリーネス時における比較例の電力原単位に対する比較例とγ線照射後の電力原単位の差の百分率から計算した。電力原単位とフリーネスの関係のグラフを図2に、フリーネス100mlにおける電力削減率を表3に示す。この結果、30kGyでγ線照射を行うことにより、電力原単位が13.6 %削減することが示された。
オーストラリアで伐採したユーカリ・グロブラスは、チッピングを行った後、フラットスクリーン(東西精器製)を用いて、チップ厚を2〜6mmの間にチップの厚みをそろえた。チップの水分量を測定した結果50質量%であった。このチップを絶乾質量で600gになるように、ポリエチレン製の袋にはかり取り、大気中、室温(25℃)下にコバルト60を線源として用いて30kGyの照射量に達するまでγ線照射行った。γ線照射後の木材チップは、最初に粗砕を行った。粗砕にはプレートにNo.2501C(熊谷理機社製, 粗砕用)を装着したKRK高濃度リファイナープレート(熊谷理機社製)を用いた。クリアランスは1mmで行った。木材チップは、粗砕の前に、恒温漕により40℃、20分間保温した。粗砕後のチップは、No.2501A(熊谷理機社製, 中砕用)を装着したKRK高濃度リファイナー(熊谷理機社製)を用いて、精砕を行った。1次リファイニングのクリアランスは0.5mm、 2次リファイニングのクリアランスは0.3mm、 3次リファイニングのクリアランスは0.1mmで行った。いずれのリファイニングもパルプ濃度が8 %になるように行った。リファイニング時の消費電力量の測定はワットメーターと積分計を用いた。リファイニング後のパルプは、80℃の温水で、15分間ディスインテグレーターを用いて、離解を行いレイテンシーを除去した後、JIS P8121に従い、フリーネスの測定を行った。エネルギーの削減量の指標となる電力原単位は、前記式(1)に示す計算式を用いて算出した。また、電力削減率は、前記式(2)に示すように同一フリーネス時における比較例の電力原単位に対する比較例とγ線照射後の電力原単位の差の百分率から計算した。電力原単位とフリーネスの関係のグラフを図2に、フリーネス100mlにおける電力削減率を表3に示す。この結果、30kGyでγ線照射を行うことにより、電力原単位が13.6 %削減することが示された。
実施例8
γ線の照射強度を60kGyで行った以外は、実施例7と同様に行った。フリーネス100mlにおける電力削減率を表3に示す。60 kGyの強度でγ線照射を行うことにより、電力原単位が21.0 %削減できた。
γ線の照射強度を60kGyで行った以外は、実施例7と同様に行った。フリーネス100mlにおける電力削減率を表3に示す。60 kGyの強度でγ線照射を行うことにより、電力原単位が21.0 %削減できた。
実施例9
γ線の照射強度を100kGyで行った以外は、実施例7と同様に行った。フリーネス100mlにおける電力削減率を表3に示す。100 kGyの強度でγ線照射を行うことにより、電力原単位が28.9 %削減できた。
γ線の照射強度を100kGyで行った以外は、実施例7と同様に行った。フリーネス100mlにおける電力削減率を表3に示す。100 kGyの強度でγ線照射を行うことにより、電力原単位が28.9 %削減できた。
比較例7
γ線の照射強度を行わなかった以外は、実施例7と同様に行った。結果を表3に示す。
γ線の照射強度を行わなかった以外は、実施例7と同様に行った。結果を表3に示す。
比較例8
γ線の照射強度を5kGyで行った以外は、実施例1と同様に行った。結果を表3に示す。この結果、5kGyの強度でγ線照射を行った場合は、電力削減率はほとんど0%であることが示された。
γ線の照射強度を5kGyで行った以外は、実施例1と同様に行った。結果を表3に示す。この結果、5kGyの強度でγ線照射を行った場合は、電力削減率はほとんど0%であることが示された。
比較例9
γ線の照射強度を150kGyで行った以外は、実施例1と同様に行った。結果を表3に示す。この結果、150 kGyの強度でγ線照射を行うことにより、電力原単位が37.8%削減することが示された。
γ線の照射強度を150kGyで行った以外は、実施例1と同様に行った。結果を表3に示す。この結果、150 kGyの強度でγ線照射を行うことにより、電力原単位が37.8%削減することが示された。
実施例10
実施例7で作製したフリーネス100mlのMPパルプと、フリーネス550mlの市販の針葉樹クラフトパルプを重量比で、30:70の割合で混合した。評価試験は実施例4と同様に行った。この結果を表4に示す。
実施例7で作製したフリーネス100mlのMPパルプと、フリーネス550mlの市販の針葉樹クラフトパルプを重量比で、30:70の割合で混合した。評価試験は実施例4と同様に行った。この結果を表4に示す。
実施例11
実施例8で作製したフリーネス100mlのMPパルプと、フリーネス550mlの市販の針葉樹クラフトパルプを重量比で、30:70の割合で混合した。評価試験は実施例4と同様に行った。この結果を表4に示す。
実施例8で作製したフリーネス100mlのMPパルプと、フリーネス550mlの市販の針葉樹クラフトパルプを重量比で、30:70の割合で混合した。評価試験は実施例4と同様に行った。この結果を表4に示す。
実施例12
実施例9で作製したフリーネス100mlのMPパルプと、フリーネス550mlの市販の針葉樹クラフトパルプを重量比で、30:70の割合で混合した。評価試験は実施例4と同様に行った。この結果を表4に示す。
実施例9で作製したフリーネス100mlのMPパルプと、フリーネス550mlの市販の針葉樹クラフトパルプを重量比で、30:70の割合で混合した。評価試験は実施例4と同様に行った。この結果を表4に示す。
比較例10
比較例7で作製したフリーネス100mlのMPパルプと、フリーネス550mlの市販の針葉樹クラフトパルプを重量比で、30:70の割合で混合した。評価試験は実施例4と同様に行った。この結果を表4に示す。
比較例7で作製したフリーネス100mlのMPパルプと、フリーネス550mlの市販の針葉樹クラフトパルプを重量比で、30:70の割合で混合した。評価試験は実施例4と同様に行った。この結果を表4に示す。
比較例11
比較例8で作製したフリーネス100mlのMPパルプと、フリーネス550mlの市販の針葉樹クラフトパルプを重量比で、30:70の割合で混合した。評価試験は実施例4と同様に行った。この結果を表4に示す。
比較例8で作製したフリーネス100mlのMPパルプと、フリーネス550mlの市販の針葉樹クラフトパルプを重量比で、30:70の割合で混合した。評価試験は実施例4と同様に行った。この結果を表4に示す。
比較例12
比較例9で作製したフリーネス100mlのMPパルプと、フリーネス550mlの市販の針葉樹クラフトパルプを重量比で、30:70の割合で混合した。評価試験は実施例4と同様に行った。この結果を表4に示す。
比較例9で作製したフリーネス100mlのMPパルプと、フリーネス550mlの市販の針葉樹クラフトパルプを重量比で、30:70の割合で混合した。評価試験は実施例4と同様に行った。この結果を表4に示す。
本発明により、木材を原料とする機械パルプを製造する際の磨砕時の消費エネルギーを削減することができる結果、コスト削減ができるのみならず、京都議定書発効にともなう地球温暖化ガスの抑制に寄与する方法が提供される。
Claims (5)
- リグノセルロース材料に10−100kGyでγ線を照射し、ついで該材料を機械的に磨砕してパルプを製造することを特徴とする機械パルプ製造方法。
- 前記リグノセルロース材料が木材チップであることを特徴とする請求項1記載の機械パルプ製造方法。
- 前記木材チップが、針葉樹に由来することを特徴とする請求項2記載の機械パルプ製造方法。
- 前記木材チップが、広葉樹に由来することを特徴とする請求項2記載の機械パルプ製造方法。
- 照射線源がコバルト60である請求項1〜4のいずれかに記載の機械パルプ製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005121823A JP2006299454A (ja) | 2005-04-20 | 2005-04-20 | 省エネルギー型機械パルプの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005121823A JP2006299454A (ja) | 2005-04-20 | 2005-04-20 | 省エネルギー型機械パルプの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2006299454A true JP2006299454A (ja) | 2006-11-02 |
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ID=37468087
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JP2005121823A Pending JP2006299454A (ja) | 2005-04-20 | 2005-04-20 | 省エネルギー型機械パルプの製造方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2006299454A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008308530A (ja) * | 2007-06-13 | 2008-12-25 | Forestry & Forest Products Research Institute | 可溶性リグノセルロースの製造方法 |
FR2945978A1 (fr) * | 2009-05-27 | 2010-12-03 | Pierre Herve | Procede de traitement du bois par ionisation |
CN112796150A (zh) * | 2020-12-24 | 2021-05-14 | 珠海横琴森禾生物科技控股有限公司 | 一种纸浆纤维的制备方法 |
-
2005
- 2005-04-20 JP JP2005121823A patent/JP2006299454A/ja active Pending
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FR2945978A1 (fr) * | 2009-05-27 | 2010-12-03 | Pierre Herve | Procede de traitement du bois par ionisation |
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