JP2006299414A - 低温靭性に優れた低降伏比電縫鋼管の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】低温靭性に優れた低降伏比電縫鋼管を得る。
【解決手段】質量%でC:0.01〜0.09%、Si:0.50%以下、Mn:2.5%以下、Al:0.01〜0.10%、Nb:0.005〜0.10%、Cr:0.50超え〜3.0%、さらに必要に応じて、Ti:0.1%以下、V:0.1%以下、Zr:0.1%以下のうちの1種または2種以上または/およびMo:0.5%以下、Cu:0.5%以下、Ni:0.5%以下のうちの1種または2種以上を含有し、残部鉄および不可避的不純物からなるスラブを熱間圧延し、5℃/s以上の冷却速度で650℃以下まで冷却して巻き取り、冷却停止時の温度±50℃に10分以上滞留させて冷却して熱延鋼板とし、該熱延鋼板を電縫管に造管する。
【選択図】なし

Description

本発明は、特に原油、ガスなどのパイプライン、水道配管、建築・土木用の柱などに好適な、低温靭性に優れた低降伏比電縫鋼管の製造方法に関するものである。
電縫鋼管、スパイラル鋼管、継目無鋼管、UOE鋼管、プレスベンド鋼管などの炭素鋼鋼管あるいは低合金鋼鋼管は、大量にかつ安定して製造できるため、その優れた経済性や溶接施工性とあいまって、原油、ガスなどのラインパイプや水道配管などのような流体輸送用配管あるいは建築・土木用の柱として広く用いられている。
しかしながら、大地震が発生した場合、これら鋼管の長手方向には引張りおよび圧縮の大きな力が繰り返し加わり、外径/管厚比がある程度大きな鋼管では局部座屈を起こし、場合によっては円周方向のき裂の発生や破断に至ることがある。
一般的に、鋼材に冷間加工を加えると加工硬化により降伏応力と引張強さ、特に降伏応力が上昇して、降伏比が高くなり、塑性変形吸収能が低下するといわれている。特に電縫鋼管の場合、コイル板幅方向(管円周方向)の降伏比は造管時に曲げ加工が施され、板での最終材質評価試験時の平板への展開によるバウシンガー効果により、母材の降伏比よりも低くなることがあるが、コイル長手方向(管軸方向)は、バウシンガー効果を期待することができないので降伏比の低い鋼管を得ることはできない。
降伏比の低い鋼管の製造方法としては、例えば、特許文献1に、耐震性能として降伏応力と引張強さの比である降伏比を小さくするための建築用鋼管の製造方法が開示されているが、熱間圧延後、再加熱したり、焼き入れたり、また造管時に焼き戻したりと熱処理工程が複雑である。
また、特許文献2には、C:0.10〜0.18%と炭素含有量の多い素材を780℃以上の温度域で最終仕上熱延を行った後、空冷で冷却する方法が開示されているが、板厚が12mm以上と厚く、かつ炭素含有量の多い鋼を空冷で冷却した場合、冷却速度が遅いため鋼組織はフェライトと粗大なパーライト組織になり、低温靭性や耐サワー性が極めて劣悪な素材となってしまい、ラインパイプなどの高機能が要求される鋼管などには適用できない。
特開平3−173719号公報 特開平5−156357号公報
したがって本発明の目的は、上記従来技術の課題を解決し、低温靭性に優れるとともに、大地震の際などに軸方向に作用する圧縮や曲げ応力に対して局部座屈を起こしにくい塑性変形吸収能を有する低降伏比電縫鋼管の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するための本発明の要旨は以下の通りである。
[1]鋼の成分組成が、質量%でC:0.01〜0.09%、Si:0.50%以下、Mn:2.5%以下、Al:0.01〜0.10%、Nb:0.005〜0.10%、Cr:0.50超え〜3.0%、残部が鉄および不可避的不純物からなるスラブを熱間圧延し、5℃/s以上の冷却速度で650℃以下まで冷却して巻き取り、冷却停止時の温度±50℃に10分以上滞留させて冷却して熱延鋼板とし、該熱延鋼板を造管することを特徴とする低温靭性に優れた低降伏比電縫鋼管の製造方法。
[2]上記[1]の製造方法において、スラブがさらに、質量%で、Ti:0.1%以下、V:0.1%以下、Zr:0.1%以下のうちの1種または2種以上を含有することを特徴とする低温靭性に優れた低降伏比電縫鋼管の製造方法。
[3]上記[1]または[2]の製造方法において、スラブがさらに、質量%で、Mo:0.5%以下、Cu:0.5%以下、Ni:0.5%以下のうちの1種または2種以上を含有することを特徴とする低温靭性に優れた低降伏比電縫鋼管の製造方法。
[4]上記[3]の製造方法において、スラブが、質量%で、Mo:0.5%以下を含有することを特徴とする低温靭性に優れた低降伏比電縫鋼管の製造方法。
[5]上記[1]〜[4]のいずれかの製造方法において、造管工程において、管長手方向に10%以下の圧縮歪み、または5%以下の引張歪みを付与することを特徴とする低温靭性に優れた低降伏比電縫鋼管の製造方法。
[6]上記[1]〜[5]のいずれかの製造方法において、造管後、300℃以下の温度で塗装焼付けを行うことを特徴とする低温靭性に優れた低降伏比電縫鋼管の製造方法。
本発明によれば、低温靭性、特に溶接熱影響部靭性に優れ、かつ高い塑性変形吸収能を有する低降伏比電縫鋼管を製造することができる。したがって、本発明法により得られた電縫鋼管を用いることにより、大地震が発生した際に、原油、ガスなどのラインパイプや水道配管の破損と内部流体の流出、あるいは高速道路の橋脚柱の破断による倒壊などの災害を防ぐことができ、また寒冷地に敷設されても脆性破壊の危険を回避することができる。
本発明者等は、鋭意検討を重ねた結果、鋼の成分組成と熱間圧延条件を最適化し、特定の鋼組織に制御することによって、低温靭性に優れた低降伏比電縫鋼管を製造できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の電縫鋼管の製造方法は、鋼の成分組成が、質量%でC:0.01〜0.09%、Si:0.50%以下、Mn:2.5%以下、Al:0.01〜0.10%、Nb:0.005〜0.10%、Cr:0.50超え〜3.0%を含有し、さらに必要に応じて、Ti:0.1%以下、V:0.1%以下、Zr:0.1%以下のうちの1種または2種以上または/およびMo:0.5%以下、Cu:0.5%以下、Ni:0.5%以下のうちの1種または2種以上を含有し、残部鉄および不可避的不純物からなるスラブを熱間圧延し、5℃/s以上の冷却速度で650℃以下まで冷却して巻き取り、冷却停止時の温度±50℃に10分以上滞留させて冷却し、これにより得られた、母相がベイニティック・フェライトであって、かつマルテンサイトの体積率が3%以上、さらに必要に応じて残留オーステナイトの体積率が1%以上である組織を有する熱延鋼板を造管するものである。また、この造管工程では、管長手方向に10%以下の圧縮歪み、または5%以下の引張歪みを付与することが好ましい。また、造管後に塗装焼付けを行う場合には、これを300℃以下の温度で行うことが好ましい。
本発明は、上記のように鋼の成分組成と製造条件を限定することにより、大地震の際に軸方向に作用する圧縮や曲げ応力に対して局部座屈を起こしにくく、パイプライン、水道配管、建築・土木用の柱などに好適な耐震性に優れた鋼管を得ることができる。
本発明の成分組成および製造条件について、以下に具体的に説明する。
(1)成分組成について
以下、成分組成の限定理由について説明する。なお、成分組成における各元素の含有量は、全て質量%を意味する。
(C:0.01〜0.09%)
C量が0.01%未満では、結晶粒が粗大化することによって固溶C量が増大し、降伏比が高くなる。一方、0.09%を超えると、鋼の組織において粗大なパーライトが生成しやすくなり、低温靭性が劣化する。このためC量は0.01〜0.09%とする。
(Si:0.5%以下)
Si量が0.5%を超えると電縫溶接時に酸化物が生成しやすくなり、溶接熱影響部靭性が劣化する。このためSi量は0.5%以下、好ましくは0.3%以下とする。
(Mn:2.5%以下)
Mnは鋼の強度確保に有効な元素であるが、2.5%を超えて添加すると溶接熱影響部靭性が劣化する。このためMn量は2.5%以下とする。なお、低温変態相をより安定して生成させるには、Mn量を1.15%超とすることが好ましい。
(Al:0.01〜0.10%)
Alは製鋼段階での脱酸剤として用いられる他、歪み時効の原因であるNを固定するのに有効な元素であり、0.01%以上含有するように添加する必要がある。但し、0.10%超の含有量になるような添加は、溶鋼コストを不必要に上昇させるので好ましくなく、また、鋼中酸化物を増加させて母材および電縫溶接部の靭性を低下させたり、加熱炉中で表層に窒化を引き起こし降伏比の増加をもたらすおそれもある。このためAl量は0.01〜0.10%、好ましくは0.02〜0.05%とする。
(Nb:0.005〜0.10%)
Nbは、熱延中もしくは熱延終了後にNbCを析出させ、かつ鋼の再結晶挙動、粒成長を抑制して、結晶粒を微細化、ベイニティック・フェライト化し、強度上昇を促すとともに、靭性を確保するのに有効な元素であることから必須元素とした。その効果を出すためには0.005%以上含有する必要がある。但し、0.10%超の含有は溶鋼コストを上昇させるとともに、熱延の変形抵抗が大きくなるため好ましくない。また、溶接時の析出物の粗大化を招き、溶接熱影響部靭性を損なうおそれもある。このためNb量は0.005〜0.10%、好ましくは0.02〜0.07%とする。
(Cr:0.5%超え〜3.0%)
Crはマルテンサイトを生成し、強度確保に有効な元素であることから必須元素とした。また、Crはγ相安定化に寄与し、低温変態生成物を生成しやすくし、低降伏比化にも有効な元素である。また、Crの0.5%超の添加は、低温変態生成物のうち残留γの生成に極めて有効であり、靭性改善に加えて、延性とくに一様伸びの向上に寄与する。この一様伸びの向上は、塑性変形吸収能を改善し、低降伏比化と類似の効果をもたらす。しかし、Cr添加量が3.0%を超えると溶接部の靭性が劣化する。このためCr量は0.5%超え〜3.0%とする。
本発明では、さらに、鋼管の強度や靭性などの目標に応じて、以下の選択元素のうちの1種以上を含有させてもよい。
(Ti:0.1%、V:0.1%以下、Zr:0.1%以下)
Ti、V、Zrは微細な炭窒化物を形成し、鋼の靭性および強度を上昇させる元素である。しかし、Ti:0.1%、V:0.1%、Zr:0.1%を超える添加は、溶接熱影響部靭性を劣化させる。したがって、Ti:0.1%以下、V:0.1%以下、Zr:0.1%以下のうちの1種以上を添加する。また、好ましくはそれぞれ0.05%以下とするのがよい。
(Cu:0.5%以下、Ni:0.5%以下、Mo:0.5%以下)
Cu、Ni、Moは、鋼板の強度上昇に有効な元素である。いずれも0.5%を超える添加は、溶接性および溶接熱影響部靭性の劣化を招く。このためCu:0.5%以下、Ni:0.5%以下、Mo:0.5%以下のうちの1種以上を添加する。
また、上記元素群のなかで、Moは低温変態生成物の生成と低降伏比化に寄与する。Moのより好ましい添加量は0.3%以下であり、また、Mo添加量は0.05%以上とすることが好ましい。
その他、不純物元素として混入するP、Sについては、本発明で特に限定するものではないが、Pは粒界に偏析して粒界強度を弱め、溶接熱影響部靭性を劣化させる。このためP量は0.03%以下であることが好ましい。また、Sは0.01%を超えて含有すると溶接熱影響部靭性を劣化させる。したがって、S量は0.01%以下、好ましくは0.005%以下とすることが望ましい。
(2)製造条件等について
以下に望ましい製造条件について説明する。
(熱延後の冷却速度:5℃/s以上)
熱延後の冷却速度を5℃/s以上としたのは、冷却速度が5℃/s未満では、γ→α変態が高温で開始するため、生成するフェライト組織がポリゴナルフェライトとなり、強度および靭性の確保が難しくなるからである。したがって、母相組織をベイニティック・フェライトにして強度と靭性を確保するためには、5℃/s以上の冷却速度とする必要がある。
但し、冷却速度が45℃/sを超えると、冷却過程でγ/αの二相分離が十分に行われず、所望の低温変態生成物が得られにくくなる。このため低温変態生成物の生成の観点からは、冷却速度は45℃/s以下が望ましい。
(熱延後の巻取り温度:650℃以下)
熱延後の巻取り温度を650℃以下としたのは、650℃を超えると靭性によくないパーライト組織が生成してしまうからである。ベイナイト、パーライトの生成ノーズを回避し、主な低温変態生成物をマルテンサイトにするためには、熱延後の巻取り温度を650℃以下とする必要がある。また、より好ましい巻取り温度は600℃以下である。
(巻取り後の冷却条件:冷却停止時の温度±50℃に10分以上滞留させて冷却)
巻取り後、冷却停止時の温度±50℃に10分以上滞留させて冷却する理由は、10分未満の滞留では、ベイナイトの生成ノーズを通過し、低温変態生成物のほとんどがベイナイト組織となってしまい、低降伏比化に有利なマルテンサイト、残留オーステナイトが得られなくなってしまうからである。
(熱延板組織)
本発明において得られる熱延板組織は、母相(体積率で50%超の相)がベイニティック・フェライトで、残部が低温変態相からなり、この低温変態相としてマルテンサイトの体積率が3%以上、さらに必要に応じて残留オーステナイトの体積率が1%以上の組織である。
ここで、ベイニティック・フェライトは、ベイナイト組織が転位密度の高いラス状組織を持った下部組織を有しており、組織内に鉄の炭化物を有していない点で、ベイナイト組織とは明らかに異なる。また、転位密度がないか或いは極めて少ない下部組織を有するポリゴナル・フェライト組織、或いは細かいサブグレイン等の下部組織を持った準ポリゴナル・フェライト組織とも異なっている。
母相をベイニティック・フェライトとし、低温変態生成物のうちマルテンサイトの体積率を3%以上、さらに必要に応じて残留オーステナイトの体積率を1%以上としたのは、強度と靭性を確保するためであり、マルテンサイトの体積率が3%未満、或いは均一伸びを増大して造管時の歪み量が多い場合でも、加工硬化による急激な応力増加を抑制し、降伏比の上昇を軽減したい場合、残留オーステナイトの体積率が1%未満では、目的とする低降伏比化が困難である。低温変態生成物の中には一部ベイナイトが含まれていても特に問題はない。なお、過剰なマルテンサイトは低温靱性を損なうため、マルテンサイトの体積率は20%以下、望ましくは10%以下とすることが好ましい。また、残留オーステナイトは造管歪によってマルテンサイトに変態するので、同様に過剰なマルテンサイトによって低温靱性を損なわないようにするため、残留オーステナイトの体積率は10%以下、望ましくは5%以下とすることが好ましい。
(造管条件)
電縫鋼管は、基本的に通常の方法で製造する。すなわち、例えば、鋼帯をケージロールフォーミングで成形し、電気抵抗溶接を行い、内外面のビード研削を施した後、ポストアニーラにて熱処理を付与し、サイジングを行う。
造管時、降伏比の増大を防止する目的から圧縮予歪みを付与することは、バウシンガー効果を利用して低降伏比化を図る上で有効な手段であるが、無理に10%超の圧縮歪み、或いは5%超の引張変形(引張歪)を付与すると、加工硬化によって降伏比が上昇してしまうので、そのような圧縮歪みまたは引張歪の付与は避けることが好ましい。このため造管時に管長手方向に付与する圧縮歪みは10%以下、好ましくは5%以下とすることが望ましい。同じく引張歪みは5%以下とするのが望ましい。
また、造管後300℃超の温度で塗装焼付けを行うと、降伏比が著しく上昇し、耐震性が劣化することから、焼付温度は300℃以下とすることが好ましい。
なお、本発明の製造方法は電縫鋼管に限らず、UOE鋼管やスパイラル鋼管、プレスベンド鋼管など種々の素材の方法にも採用することもできる。
表1に本発明鋼及び比較鋼の成分組成を示す。表2および表3には、各製造方法で鋼管素材を製造し、外径18インチの電縫鋼管にした後、溶接部から管周方向180°部(素材コイルの幅中央部)の管軸方向(素材コイルの圧延方向)の材料特性を示した。
引張特性は小型丸棒引張試験片を用いて測定した。ここで、本発明における降伏比とは、0.5%歪み時の応力/引張強さの比を言い、降伏比が85%以下のものを“良好”、降伏比が85%超のものを“不良”とする。
鋼板のミクロ組織は、鋼板の圧延方向断面を走査型電子顕微鏡にて観察することにより調査した。倍率3000倍の断面組織写真を用いて、画像解析により任意に設定した100mm四方の正方形領域内に存在するマルテンサイトの占有面積率を求め、マルテンサイトの体積率とした。
また、残留オーステナイト量は、鋼板を板厚方向の中心面まで研磨し、板厚中心面での回折X線強度測定により求めた。入射X線にはMoKα線を使用し、残留オーステナイト相の{111}、{200}、{220}、{311}各面の回折X線強度比を求め、これらの平均値を残留オーステナイトの体積率とした。
母材および溶接熱影響部靭性はJIS Z 2202の4号試験片を用いシャルピー衝撃試験で評価し、JIS Z 2242で示される破面遷移温度で示した。なお、破面遷移温度が−50℃以下のものを“良好”、−50℃超を“不良”とする。
表1〜表3から明らかなように、本発明条件を満足する鋼管は降伏比が低く、かつ良好な溶接熱影響部靭性を有している。
これに対して比較例は、降伏比と溶接熱影響部靭性の少なくとも一方が劣っている。
Figure 2006299414
Figure 2006299414
Figure 2006299414

Claims (6)

  1. 鋼の成分組成が、質量%でC:0.01〜0.09%、Si:0.50%以下、Mn:2.5%以下、Al:0.01〜0.10%、Nb:0.005〜0.10%、Cr:0.50超え〜3.0%、残部が鉄および不可避的不純物からなるスラブを熱間圧延し、5℃/s以上の冷却速度で650℃以下まで冷却して巻き取り、冷却停止時の温度±50℃に10分以上滞留させて冷却して熱延鋼板とし、該熱延鋼板を造管することを特徴とする低温靭性に優れた低降伏比電縫鋼管の製造方法。
  2. スラブがさらに、質量%で、Ti:0.1%以下、V:0.1%以下、Zr:0.1%以下のうちの1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の低温靭性に優れた低降伏比電縫鋼管の製造方法。
  3. スラブがさらに、質量%で、Mo:0.5%以下、Cu:0.5%以下、Ni:0.5%以下のうちの1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の低温靭性に優れた低降伏比電縫鋼管の製造方法。
  4. スラブが、質量%で、Mo:0.5%以下を含有することを特徴とする請求項3に記載の低温靭性に優れた低降伏比電縫鋼管の製造方法。
  5. 造管工程において、管長手方向に10%以下の圧縮歪み、または5%以下の引張歪みを付与することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の低温靭性に優れた低降伏比電縫鋼管の製造方法。
  6. 造管後、300℃以下の温度で塗装焼付けを行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の低温靭性に優れた低降伏比電縫鋼管の製造方法。
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