JP2006299298A - 薄膜加工用マスク、及びその製造方法、並びに圧電振動片の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 薄膜を正確に形成することができる薄膜加工用マスク、及びその製造方法、並びに、この薄膜加工用マスクを利用した圧電振動片の製造方法を提供すること。
【解決手段】 被加工対象物10の表面側に配置される上マスク30と、被加工対象物10の裏面側に配置される下マスク40とを備え、上マスク30及び/又は下マスク40には、被加工対象物10に設けられる薄膜の領域に対応した貫通孔32,42が形成されており、下マスク40には、被加工対象物10の外形に対応した凹部44が形成されている薄膜加工用マスク。
【選択図】 図3
【解決手段】 被加工対象物10の表面側に配置される上マスク30と、被加工対象物10の裏面側に配置される下マスク40とを備え、上マスク30及び/又は下マスク40には、被加工対象物10に設けられる薄膜の領域に対応した貫通孔32,42が形成されており、下マスク40には、被加工対象物10の外形に対応した凹部44が形成されている薄膜加工用マスク。
【選択図】 図3
Description
本発明は、被加工対象物に薄膜を形成するための薄膜加工用マスク、及びその製造方法、並びに圧電振動片に薄膜電極を形成する製造方法に関する。
図8は、従来の薄膜加工用マスク1が圧電振動片2を挟みこんだ状態における概略縦断面図である。
この図に示されるように、薄膜加工用マスク1は、圧電振動片2の表面側に配置される上マスク4と、圧電振動片2の裏面側に配置される下マスク6とを備えている。
これら上マスク4と下マスク6には、圧電振動片2の薄膜電極(図示せず)を設ける領域に対応して貫通孔4a,6aが形成されている。
そして、圧電振動片2を上マスク4と下マスク6とで挟み込んで、スパッタリング等でCr(クロム)、Au(金)を蒸着することにより、貫通孔4a,6aの部分に薄膜電極を形成するようにしている。
この図に示されるように、薄膜加工用マスク1は、圧電振動片2の表面側に配置される上マスク4と、圧電振動片2の裏面側に配置される下マスク6とを備えている。
これら上マスク4と下マスク6には、圧電振動片2の薄膜電極(図示せず)を設ける領域に対応して貫通孔4a,6aが形成されている。
そして、圧電振動片2を上マスク4と下マスク6とで挟み込んで、スパッタリング等でCr(クロム)、Au(金)を蒸着することにより、貫通孔4a,6aの部分に薄膜電極を形成するようにしている。
また、圧電振動片2にCr(クロム)、Au(金)を蒸着する際、圧電振動片2が所定の位置からズレてしまうと、薄膜電極(図示せず)を正確に形成することができない。このため、図8では、圧電振動片2の外形に対応した孔8aを有する外形マスク8を設け、この孔8aに圧電振動片2を入れることで、圧電振動片2の位置決めをしている。
ところで、近年の圧電振動片2の薄型化に伴い、圧電振動片2を収容する外形マスク8も薄くせざるを得なくなっている。このため、外形マスク8の強度が不足して、外形マスク8の反りや曲げによる破損が問題となっていた。また、この外形マスク8の反りや曲げは、圧電振動片2の位置決めを不正確にし、その結果、薄膜電極の不良を原因とする圧電振動片の歩留まりの悪さも問題となっていた。
そこで、図9に示すような薄膜加工用マスク3を用いて、圧電振動片に薄膜電極を形成する方法も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
図9に示す薄膜加工用マスク3においては、圧電振動片2を位置決めするための外形マスク9は、圧電振動片2の厚みよりも厚く形成されることにより、外形マスク9の強度不足を防止している。そして、外形マスク9の厚みを大きくした分を、上マスク4および下マスク6に形成された凹部4b,6bが収納する構造になっており、これにより、外形マスク9を厚くしても、上マスク4および下マスク6が圧電振動片2に密着するようになっている。
図9に示す薄膜加工用マスク3においては、圧電振動片2を位置決めするための外形マスク9は、圧電振動片2の厚みよりも厚く形成されることにより、外形マスク9の強度不足を防止している。そして、外形マスク9の厚みを大きくした分を、上マスク4および下マスク6に形成された凹部4b,6bが収納する構造になっており、これにより、外形マスク9を厚くしても、上マスク4および下マスク6が圧電振動片2に密着するようになっている。
ところが、図9の薄膜加工用マスク3においては、3枚のマスク4,6,9を用いて薄膜電極を形成し、外形マスク9の厚みと上下マスク4,6の凹部4b,6bとが関係し合う等して、薄膜電極を形成する構造になっている。このため、薄膜加工用マスクにおける各部品毎の設計公差が累積し、貫通孔4a,6aの位置が不正確となったり、上下マスク4,6が圧電振動片2と十分に密着しなかったりして、薄膜電極を正確に形成することが困難な構造であると言える。
そして、薄膜電極の位置が正確でなかったり、薄膜電極の輪郭がボケて異なる形状になってしまうと、クリスタルインピーダンス値や機械結合係数等が変化して、振動特性が悪化するという問題を生じさせることになる。
特に、近年の極小化された圧電振動片においては、薄膜電極は極めて精密に形成する必要があるため、このような薄膜電極の位置や形状の不正確さが問題になってきている。
特に、近年の極小化された圧電振動片においては、薄膜電極は極めて精密に形成する必要があるため、このような薄膜電極の位置や形状の不正確さが問題になってきている。
本発明は、薄膜を正確に形成することができる薄膜加工用マスク、及びその製造方法、並びに、この薄膜加工用マスクを利用した圧電振動片の製造方法を提供することを目的とする。
上述の目的は、第1の発明によれば、被加工対象物の表面側に配置される上マスクと、前記被加工対象物の裏面側に配置される下マスクとを備え、前記上マスク及び/又は下マスクには、前記被加工対象物に設けられる薄膜の領域に対応した貫通孔が形成されており、前記下マスクには、前記被加工対象物の外形に対応した凹部が形成されている薄膜加工用マスクにより達成される。
第1の発明の構成によれば、上マスク及び/又は下マスクには、被加工対象物に設けられる薄膜の領域に対応した貫通孔が形成されているため、上マスクと下マスクとで被加工対象物を挟みんで、スパッタリング等により貫通孔の領域に薄膜を形成できる。
ここで、下マスクには、被加工対象物の外形に対応した凹部が形成されているため、この凹部に被加工対象物を入れれば、凹部が被加工対象物の位置を規制することになる。このため、従来のように、被加工対象物の位置決めをする外形マスクを用いる必要がなくなり、上マスクと下マスクだけで、被加工対象物の位置決めを可能にしつつ、薄膜を形成することができる。
したがって、薄膜加工用マスクの部品点数を少なくして、各部品の設計公差が累積することにより生じるズレや、各部品間のズレを抑えることができる。
かくして、薄膜を正確に形成することができる薄膜加工用マスクを提供することができる。
ここで、下マスクには、被加工対象物の外形に対応した凹部が形成されているため、この凹部に被加工対象物を入れれば、凹部が被加工対象物の位置を規制することになる。このため、従来のように、被加工対象物の位置決めをする外形マスクを用いる必要がなくなり、上マスクと下マスクだけで、被加工対象物の位置決めを可能にしつつ、薄膜を形成することができる。
したがって、薄膜加工用マスクの部品点数を少なくして、各部品の設計公差が累積することにより生じるズレや、各部品間のズレを抑えることができる。
かくして、薄膜を正確に形成することができる薄膜加工用マスクを提供することができる。
第2の発明は、第1の発明の構成において、前記上マスクには、前記下マスクの凹部に入り込むようにして、前記被加工対象物の前記薄膜が設けられる領域以外の領域に密着する凸部が形成されていることを特徴とする。
第2の発明の構成によれば、上マスクには、被加工対象物の薄膜が設けられる領域以外の領域に密着する凸部があるため、この凸部が密着していない領域に薄膜が形成されることになる。そして、この凸部は、下マスクの凹部に入り込むように形成されている。したがって、凹部の深さが被加工対象物の厚み寸法よりも大きく形成されていても、確実に被加工対象物と凸部とを密着することができる。
第2の発明の構成によれば、上マスクには、被加工対象物の薄膜が設けられる領域以外の領域に密着する凸部があるため、この凸部が密着していない領域に薄膜が形成されることになる。そして、この凸部は、下マスクの凹部に入り込むように形成されている。したがって、凹部の深さが被加工対象物の厚み寸法よりも大きく形成されていても、確実に被加工対象物と凸部とを密着することができる。
第3の発明は、第1または第2の発明の構成において、前記下マスクには、前記凹部の開口端面が上向き段部となるようにして、前記凹部の開口面積よりも大きな面積を有する開口部が形成されていることを特徴とする。
第3の発明の構成によれば、下マスクには、凹部の開口端面が上向き段部となるようにして、凹部の開口面積よりも大きな面積を有する開口部が形成されている。そうすると、凹部の開口形状と被加工対象物の外形とが殆ど一致するために、凹部に被加工対象物をしっかり入れられなかった場合であっても、被加工対象物は、凹部の開口面積よりも大きな面積を有する開口部に一旦入って、上向き段部で支持されることになる。そして、その後、被加工対象物の上向き段部に接触している部分を上に持ち上げるようにして下マスクを傾斜させ、振動を加えることで、被加工対象物を凹部にしっかり納めることができる。
したがって、被加工対象物を凹部内に入れるための特別な治具等を使う必要がなく、また、その治具によって被加工対象物に損傷を加える恐れを防止することができる。
第3の発明の構成によれば、下マスクには、凹部の開口端面が上向き段部となるようにして、凹部の開口面積よりも大きな面積を有する開口部が形成されている。そうすると、凹部の開口形状と被加工対象物の外形とが殆ど一致するために、凹部に被加工対象物をしっかり入れられなかった場合であっても、被加工対象物は、凹部の開口面積よりも大きな面積を有する開口部に一旦入って、上向き段部で支持されることになる。そして、その後、被加工対象物の上向き段部に接触している部分を上に持ち上げるようにして下マスクを傾斜させ、振動を加えることで、被加工対象物を凹部にしっかり納めることができる。
したがって、被加工対象物を凹部内に入れるための特別な治具等を使う必要がなく、また、その治具によって被加工対象物に損傷を加える恐れを防止することができる。
第4の発明は、第1ないし第3の発明のいずれかの構成において、前記凹部は、前記被加工対象物の側面に対向する内壁が、略垂直であることを特徴とする。
第4の発明の構成によれば、凹部は、被加工対象物の側面に対向する内壁が略垂直であるため、被加工対象物を凹部に納まりよく入れることができる。
第4の発明の構成によれば、凹部は、被加工対象物の側面に対向する内壁が略垂直であるため、被加工対象物を凹部に納まりよく入れることができる。
また、上述の目的は、第5の発明によれば、被加工対象物の表面側に配置される上マスク、及び/又は前記被加工対象物の裏面側に配置される下マスクに、前記被加工対象物の薄膜を設ける領域に対応した貫通孔をエッチングにより形成する貫通孔形成工程と、前記下マスクに、前記被加工対象物の外形に対応した凹部をハーフエッチングにより形成する凹部形成工程とを有する薄膜加工用マスクの製造方法により達成される。
第5の発明の構成によれば、上マスク及び/又は下マスクには、被加工対象物の薄膜を設ける領域に対応した貫通孔をエッチングにより形成する貫通孔形成工程を有するため、上マスクと下マスクとで被加工対象物を挟んで薄膜を蒸着等するための貫通孔をエッチングにより正確に形成できる。
そして、下マスクに、被加工対象物の外形に対応した凹部をハーフエッチングにより形成する凹部形成工程とを有するため、被加工対象物の位置決めをする凹部を正確に形成することができる。
そして、下マスクに、被加工対象物の外形に対応した凹部をハーフエッチングにより形成する凹部形成工程とを有するため、被加工対象物の位置決めをする凹部を正確に形成することができる。
第6の発明は、第5の発明の構成において、前記凹部形成工程は、前記被加工対象物の外形全体に対応した領域をハーフエッチングする前に、前記凹部内の周縁部に対応した領域をハーフエッチングすることを特徴とする。
第6の発明の構成によれば、凹部形成工程は、被加工対象物の外形全体に対応した領域をハーフエッチングする前に、凹部内の周縁部に対応した領域をハーフエッチングする。このため、被加工対象物の外形全体に対応した領域をハーフエッチングすると、凹部内の周縁部に対応した領域は、凹部内のその他の領域よりも深くエッチングされる。そうすると、ハーフエッチングの際、エッチング残りのように周縁部に生じる曲面形状等は、被加工対象物を支持する中央付近等よりも、深い位置に形成されることになる。したがって、この曲面形状等が被加工対象物に干渉することを防止して、被加工対象物を凹部に納まりよく入れることができる。
第6の発明の構成によれば、凹部形成工程は、被加工対象物の外形全体に対応した領域をハーフエッチングする前に、凹部内の周縁部に対応した領域をハーフエッチングする。このため、被加工対象物の外形全体に対応した領域をハーフエッチングすると、凹部内の周縁部に対応した領域は、凹部内のその他の領域よりも深くエッチングされる。そうすると、ハーフエッチングの際、エッチング残りのように周縁部に生じる曲面形状等は、被加工対象物を支持する中央付近等よりも、深い位置に形成されることになる。したがって、この曲面形状等が被加工対象物に干渉することを防止して、被加工対象物を凹部に納まりよく入れることができる。
また、上述の目的は、第7の発明によれば、圧電振動片の外形を形成する工程と、前記圧電振動片の少なくとも主面に薄膜電極を形成する工程とを備えた圧電振動片の製造方法であって、前記薄膜電極を形成する工程においては、前記圧電振動片の裏面側の下マスクに設けられた前記圧電振動片の外形に対応した凹部に、前記圧電振動片を載置してから、前記圧電振動片の表面側に上マスクを配置し、その後、前記下マスク及び/又は上マスクに形成した前記薄膜電極の領域に対応する貫通孔に、前記薄膜電極用の形成部材を吹きつける圧電振動片の製造方法により達成される。
第7の発明の構成によれば、薄膜電極を形成する工程においては、圧電振動片の裏面側の下マスクに設けられた圧電振動片の外形に対応した凹部に、圧電振動片を載置するため、この凹部で、圧電振動片の位置決めが可能となる。
そして、圧電振動片の表面側に上マスクを配置し、その後、下マスク及び/又は上マスクに形成した薄膜電極の領域に対応する貫通孔に、薄膜電極用の形成部材を吹きつければ、貫通孔が設けられた領域に薄膜電極が形成される。
したがって、従来のように被加工対象物の位置決めをする外形マスクを用いなくても、上マスクと下マスクだけで、被加工対象物の位置決めを可能にしつつ、薄膜を形成することができる。
かくして、薄膜電極を正確に形成することができる圧電振動片の製造方法を提供することができる。
そして、圧電振動片の表面側に上マスクを配置し、その後、下マスク及び/又は上マスクに形成した薄膜電極の領域に対応する貫通孔に、薄膜電極用の形成部材を吹きつければ、貫通孔が設けられた領域に薄膜電極が形成される。
したがって、従来のように被加工対象物の位置決めをする外形マスクを用いなくても、上マスクと下マスクだけで、被加工対象物の位置決めを可能にしつつ、薄膜を形成することができる。
かくして、薄膜電極を正確に形成することができる圧電振動片の製造方法を提供することができる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る薄膜加工用マスクを用いて薄膜を形成する被加工対象物の例示として、圧電振動片10の概略斜視図を示している。
この圧電振動片10は、例えば水晶で形成されており、水晶以外にもタンタル酸リチウム等の圧電材料を利用することができる。ここでは、水晶ウエハを定められた方向に沿って、矩形にカットした所謂ATカット振動片を用いられているが、本実施形態はこれに限られるものではない。
この圧電振動片10は、例えば水晶で形成されており、水晶以外にもタンタル酸リチウム等の圧電材料を利用することができる。ここでは、水晶ウエハを定められた方向に沿って、矩形にカットした所謂ATカット振動片を用いられているが、本実施形態はこれに限られるものではない。
また、圧電振動片10は、少なくともその主面に、薄膜である薄膜電極12が設けられている。この薄膜電極12は駆動用の電極であり、本実施形態では、例えばクロム(Cr)および金(Au)をスパッタリング方式等で蒸着することにより形成されている。
具体的には、薄膜電極12は、圧電振動片10の中央付近の表裏面に、互いに異極となるように、対向して形成された励振電極14と、この励振電極14と接続され、パッケージ側の電極(図示せず)と接続されるマウント電極16とを有している。なお、表面のマウント電極16は、圧電振動片10の端面を引き回されて裏面のマウント電極(図示せず)に接続されている。
具体的には、薄膜電極12は、圧電振動片10の中央付近の表裏面に、互いに異極となるように、対向して形成された励振電極14と、この励振電極14と接続され、パッケージ側の電極(図示せず)と接続されるマウント電極16とを有している。なお、表面のマウント電極16は、圧電振動片10の端面を引き回されて裏面のマウント電極(図示せず)に接続されている。
次に、このような圧電振動片10を形成する製造方法について説明する。
本実施形態では、水晶ウエハを定められた方向に沿って矩形状にカットして、所謂ATカット振動片の外形を形成するようにして、一度に複数の圧電振動片10の外形を形成する工程を行い、その後、この複数の圧電振動片のそれぞれに、一度に薄膜電極12を形成する工程を行って、圧電振動片10を完成させている。
本実施形態では、水晶ウエハを定められた方向に沿って矩形状にカットして、所謂ATカット振動片の外形を形成するようにして、一度に複数の圧電振動片10の外形を形成する工程を行い、その後、この複数の圧電振動片のそれぞれに、一度に薄膜電極12を形成する工程を行って、圧電振動片10を完成させている。
図2および図3は、この薄膜電極を形成する工程を説明するための図であり、図2は薄膜加工用マスク20の概略外観図、図3は薄膜加工用マスク20で圧電振動片10を挟み込んで、図2のA−A線の位置で切断した場合の切断断面図である。
これらの図に示すように、薄膜電極形成の工程では、まず、図3に示すように、薄膜加工用マスク20の一部を構成する下マスク40に圧電振動片10を載置してから、薄膜加工用マスク20の一部を構成する上マスク30を配置して、圧電振動片10を挟み込む。そして、上マスク30と下マスク40とで圧電振動片10を挟持した状態で、薄膜電極用の形成部材である例えばCr(クロム)およびAu(金)を、スパッタリング方式等で吹きつけて、薄膜加工用マスク20の貫通孔32,42が設けられた領域にのみ、薄膜を形成するようにしている。
なお、本実施形態の薄膜加工用マスク20では、図2に示すように、複数の圧電振動片10のそれぞれの主面に、一度に、薄膜電極12を形成するようにしている。
これらの図に示すように、薄膜電極形成の工程では、まず、図3に示すように、薄膜加工用マスク20の一部を構成する下マスク40に圧電振動片10を載置してから、薄膜加工用マスク20の一部を構成する上マスク30を配置して、圧電振動片10を挟み込む。そして、上マスク30と下マスク40とで圧電振動片10を挟持した状態で、薄膜電極用の形成部材である例えばCr(クロム)およびAu(金)を、スパッタリング方式等で吹きつけて、薄膜加工用マスク20の貫通孔32,42が設けられた領域にのみ、薄膜を形成するようにしている。
なお、本実施形態の薄膜加工用マスク20では、図2に示すように、複数の圧電振動片10のそれぞれの主面に、一度に、薄膜電極12を形成するようにしている。
ここで、上マスク30と下マスク40について、さらに詳細に説明する。
上マスク30は、SUS(ステンレス)等の金属材料からなり、図3に示すように、圧電振動片10の表面側(図3の上側)に配置され、成膜する際には、裏面30aが圧電振動片10の薄膜電極が形成されない表面(図3の上側)に密着するようになっている。
そして、上マスク30には、圧電振動片10に設けられる薄膜電極の領域に対応して、貫通孔32が形成されている。この貫通孔32は、薄膜電極用の形成材料をスパッタリング等で蒸着する際に、正確な領域に吹きつけることができるように規制する案内手段であり、本実施形態の場合、ウエットエッチングにより形成しているが、精度よく薄膜電極を形成するために、ドライエッチングで形成するようにしてもよい。
上マスク30は、SUS(ステンレス)等の金属材料からなり、図3に示すように、圧電振動片10の表面側(図3の上側)に配置され、成膜する際には、裏面30aが圧電振動片10の薄膜電極が形成されない表面(図3の上側)に密着するようになっている。
そして、上マスク30には、圧電振動片10に設けられる薄膜電極の領域に対応して、貫通孔32が形成されている。この貫通孔32は、薄膜電極用の形成材料をスパッタリング等で蒸着する際に、正確な領域に吹きつけることができるように規制する案内手段であり、本実施形態の場合、ウエットエッチングにより形成しているが、精度よく薄膜電極を形成するために、ドライエッチングで形成するようにしてもよい。
下マスク40は、SUS(ステンレス)等の金属材料からなり、圧電振動片10の裏面側(図3の下側)に配置されて、成膜する際には、図3に示すように、表面40aが圧電振動片10の薄膜電極が形成されない裏面(図3の下側)に密着するようになっている。
そして、下マスク40には、圧電振動片10に設けられる薄膜電極の領域に対応して貫通孔42が形成されている。この貫通孔42も、上マスク30と同様に、薄膜電極用の形成部材をスパッタリング等で蒸着する際に、正確な領域に吹きつけることができるように規制する案内手段である。
そして、下マスク40には、圧電振動片10に設けられる薄膜電極の領域に対応して貫通孔42が形成されている。この貫通孔42も、上マスク30と同様に、薄膜電極用の形成部材をスパッタリング等で蒸着する際に、正確な領域に吹きつけることができるように規制する案内手段である。
さらに、下マスク40については、被加工対象物である圧電振動片10の外形に対応した凹部44が形成されている。この凹部44は、ハーフエッチングにより、圧電振動片10の水平方向の外形よりも若干だけ大きく形成されて、圧電振動片10を位置決めするための手段となる。
すなわち、凹部44は、図3では理解の便宜上、圧電振動片10よりもかなり大きく図示しているが、幅W1は圧電振動片10の幅W2に比べて、殆ど同様であると言ってよいほど僅かに大きく、長さも圧電振動片10の長さに比べて、殆ど同様であると言ってよいほど僅かに大きく形成されている(図示せず)。
一方、凹部44の高さ(深さ)H1については、圧電振動片10の厚みH2以下の寸法で形成されている。これにより、上マスク30を配置した際、圧電振動片10の表面と上マスク30の裏面30aとが密着できるようになっている。なお、図3では、便宜上、凹部44の深さH1を圧電振動片10の厚みH2より大きく図示している。
すなわち、凹部44は、図3では理解の便宜上、圧電振動片10よりもかなり大きく図示しているが、幅W1は圧電振動片10の幅W2に比べて、殆ど同様であると言ってよいほど僅かに大きく、長さも圧電振動片10の長さに比べて、殆ど同様であると言ってよいほど僅かに大きく形成されている(図示せず)。
一方、凹部44の高さ(深さ)H1については、圧電振動片10の厚みH2以下の寸法で形成されている。これにより、上マスク30を配置した際、圧電振動片10の表面と上マスク30の裏面30aとが密着できるようになっている。なお、図3では、便宜上、凹部44の深さH1を圧電振動片10の厚みH2より大きく図示している。
本発明の第1の実施形態は以上のように構成されており、上マスク30及び下マスク40には、被加工対象物である圧電振動片10に設けられる薄膜電極の領域に対応した貫通孔32,42が形成されているため、上マスク30と下マスク40とで圧電振動片10を挟んで、スパッタリング等により貫通孔32,42の領域に薄膜電極を形成できる。
そして、下マスク40には、圧電振動片10の外形に対応した凹部44が形成されているため、この凹部44に圧電振動片10を入れて、凹部44の内壁や内底が圧電振動片10の位置を規制できる。
したがって、圧電振動片10の外形に対応した外形マスク(例えば図8に示す従来の外形マスク8)を用いなくても、圧電振動片10の位置決めを可能にしつつ薄膜電極を形成でき、薄膜加工用マスク20の部品点数を従来よりも少なくして、各部品の設計公差が累積することにより生じるズレや、各部品間のズレを抑えることができる。
さらに、上下マスク30,40は、その厚みを制限する必要もないため、薄膜加工用マスク20の強度を充分に確保して、反りや曲げ等による薄膜加工用マスク20の破損を防止し、薄膜電極の位置や形状についての精度を向上できる。
そして、下マスク40には、圧電振動片10の外形に対応した凹部44が形成されているため、この凹部44に圧電振動片10を入れて、凹部44の内壁や内底が圧電振動片10の位置を規制できる。
したがって、圧電振動片10の外形に対応した外形マスク(例えば図8に示す従来の外形マスク8)を用いなくても、圧電振動片10の位置決めを可能にしつつ薄膜電極を形成でき、薄膜加工用マスク20の部品点数を従来よりも少なくして、各部品の設計公差が累積することにより生じるズレや、各部品間のズレを抑えることができる。
さらに、上下マスク30,40は、その厚みを制限する必要もないため、薄膜加工用マスク20の強度を充分に確保して、反りや曲げ等による薄膜加工用マスク20の破損を防止し、薄膜電極の位置や形状についての精度を向上できる。
図4は、本発明の第1の実施形態の変形例に係る薄膜加工用マスク50の概略断面図であって、第1の実施形態の図3に対応した図である。
この図において、図1ないし図3の説明で用いた符号と同一の符号を付した箇所は共通する構成であるから、重複した説明は省略し、以下、相違点を中心に説明する。
図4の薄膜加工用マスク50が、図1ないし図3の薄膜加工用マスク20と異なるのは、下マスク40の凹部44の深さと、上マスク30の圧電振動片10に密着する部分についてである。
この図において、図1ないし図3の説明で用いた符号と同一の符号を付した箇所は共通する構成であるから、重複した説明は省略し、以下、相違点を中心に説明する。
図4の薄膜加工用マスク50が、図1ないし図3の薄膜加工用マスク20と異なるのは、下マスク40の凹部44の深さと、上マスク30の圧電振動片10に密着する部分についてである。
すなわち、本変形例の薄膜加工用マスク50においては、下マスク40の凹部44は、その深さH3が、圧電振動片10の厚みH2よりも大きな寸法となるように、ハーフエッチングされている。
そして、上マスク30は、この下マスク40の凹部44に入り込むようにして、圧電振動片10の薄膜電極が設けられる領域以外の領域に密着する凸部34が形成されている。
すなわち、凸部34は、その水平方向における形状が、凹部44の開口形状よりも若干だけ小さ目に形成されており、また、その高さH4が、下マスク40の凹部44の深さ(高さ)H3から圧電振動片10の厚みH2分をマイナスした寸法以上の寸法を有するようにハーフエッチングで形成されている。
そして、上マスク30は、この下マスク40の凹部44に入り込むようにして、圧電振動片10の薄膜電極が設けられる領域以外の領域に密着する凸部34が形成されている。
すなわち、凸部34は、その水平方向における形状が、凹部44の開口形状よりも若干だけ小さ目に形成されており、また、その高さH4が、下マスク40の凹部44の深さ(高さ)H3から圧電振動片10の厚みH2分をマイナスした寸法以上の寸法を有するようにハーフエッチングで形成されている。
本発明の第1の実施形態の変形例は以上のように構成されており、このため、下マスク40の凹部44の深さH3が、圧電振動片10の厚みH2よりも大きな寸法であっても、上マスク30の凸部34と圧電振動片10とを確実に密着することができる。したがって、第1の実施形態の薄膜加工用マスク20のように、圧電振動片10の厚み寸法よりも浅い寸法の凹部を正確に形成する困難性を緩和して、極めて薄い圧電振動片10に薄膜電極を形成する場合においても、確実に薄膜電極を形成することができる。
なお、凸部34の高さH4は、下マスク40の凹部44の深さ(高さ)H3から圧電振動片10の厚みH2分をマイナスした寸法よりも大きく形成されることが好ましい。これにより、凹部44の深さH3が設計より深く形成されてしまった場合であっても、確実に凸部34と圧電振動片10とを密着できる。そして、本実施形態の場合は、例えば、図9に示すように上下マスク4,6が外形マスク9を挟持して保持するような構造ではないので、上マスク30と下マスク40との間に隙間があっても構わない。
なお、凸部34の高さH4は、下マスク40の凹部44の深さ(高さ)H3から圧電振動片10の厚みH2分をマイナスした寸法よりも大きく形成されることが好ましい。これにより、凹部44の深さH3が設計より深く形成されてしまった場合であっても、確実に凸部34と圧電振動片10とを密着できる。そして、本実施形態の場合は、例えば、図9に示すように上下マスク4,6が外形マスク9を挟持して保持するような構造ではないので、上マスク30と下マスク40との間に隙間があっても構わない。
図5は、本発明の第2の実施形態に係る薄膜加工用マスク60の概略断面図であって、第1の実施形態の図3に対応した図である。
この図において、図1ないし図4の説明で用いた符号と同一の符号を付した箇所は共通する構成であるから、重複した説明は省略し、以下、相違点を中心に説明する。
図5の薄膜加工用マスク60が、図1ないし図4の薄膜加工用マスク20,50と主に異なる点は、下マスク40の表面に、圧電振動片10を位置決めする凹部44に連続するようにして、圧電振動片10の水平方向の面積よりも大きな開口面積を有する部分を設けたことである。
この図において、図1ないし図4の説明で用いた符号と同一の符号を付した箇所は共通する構成であるから、重複した説明は省略し、以下、相違点を中心に説明する。
図5の薄膜加工用マスク60が、図1ないし図4の薄膜加工用マスク20,50と主に異なる点は、下マスク40の表面に、圧電振動片10を位置決めする凹部44に連続するようにして、圧電振動片10の水平方向の面積よりも大きな開口面積を有する部分を設けたことである。
すなわち、下マスク40は、凹部44の開口端面が上向き段部46となるようにして、凹部44の開口面積よりも大きな面積を有する開口部62が形成されている。
具体的には、開口部62は、ハーフエッチングにより、上マスク30側に開口する凹状に形成されており、この凹状は、外周側が高く凹部44側が低くなるように傾斜する傾斜面62aを有している。
具体的には、開口部62は、ハーフエッチングにより、上マスク30側に開口する凹状に形成されており、この凹状は、外周側が高く凹部44側が低くなるように傾斜する傾斜面62aを有している。
また、上マスク30は、この開口部62の形状に合わせた凸部36が形成されている。この凸部36の先端30aは、圧電振動片10の表面と密着するようになっており、薄膜電極が設けられる領域に対応した貫通孔32は、この凸部36に形成されている。なお、図5における凸部36は、開口部62の形状のみに合わせられているが、より好ましくは、開口部62の形状に合わせると共に、図4に示した凸部34と同様に、圧電振動片10を位置決めする凹部44内に入り込むように形成するとよい。
本発明の第2の実施形態は以上のように構成され、このため、圧電振動片10を凹部44に納める際には、一旦、圧電振動片10を開口部62に入れて、上向き段部46で支持し、その後、圧電振動片10の上向き段部46に接触している部分を上にするようにして下マスク40を傾斜させ、振動を加えることで、圧電振動片10を凹部44に納めることができる。
したがって、水平方向における凹部44の開口形状と圧電振動片10の外形とが殆ど一致するために、凹部44に圧電振動片10を納めることが困難な場合であっても、圧電振動片10を凹部44内に入れるための特別な治具を用いることなく、容易に圧電振動片10を凹部44に納めることができる。また、その特別な治具によって圧電振動片10に損傷を加える恐れも防止することができる。
したがって、水平方向における凹部44の開口形状と圧電振動片10の外形とが殆ど一致するために、凹部44に圧電振動片10を納めることが困難な場合であっても、圧電振動片10を凹部44内に入れるための特別な治具を用いることなく、容易に圧電振動片10を凹部44に納めることができる。また、その特別な治具によって圧電振動片10に損傷を加える恐れも防止することができる。
図6は、本発明の第3の実施形態に係る薄膜加工用マスク70の特徴的な部分を説明するための概略斜視断面図である。
この図において、図1ないし図5の説明で用いた符号と同一の符号を付した箇所は共通する構成であるから、重複した説明は省略し、以下、相違点を中心に説明する。
図6の薄膜加工用マスク70が、図1ないし図5の薄膜加工用マスク20,50,60と主に異なるのは、下マスク40の凹部44の形状についてである。
この図において、図1ないし図5の説明で用いた符号と同一の符号を付した箇所は共通する構成であるから、重複した説明は省略し、以下、相違点を中心に説明する。
図6の薄膜加工用マスク70が、図1ないし図5の薄膜加工用マスク20,50,60と主に異なるのは、下マスク40の凹部44の形状についてである。
すなわち、下マスク40に設けられた凹部44は、圧電振動片10を載置した場合における、圧電振動片10の側面に対向する内壁44aが略垂直に形成されている。
また、凹部44の周縁には、圧電振動片10を支持するとともに密着する中央付近の内底40aに比べて、より深く形成された深奥部72が設けられている。この深奥部72は、本実施形態ではハーフエッチングにより形成されており、ハーフエッチングの際のエッチングの残りである曲面72aが、中央付近の内底40aより深い位置(図6の下側)に配置されるようにハーフエッチングされている。
なお、本実施形態の上マスク30には、第1の実施形態の変形例である図4で説明した凸部34が設けられ、これにより、凹部44の深さH3が不正確な場合であっても、確実に凸部34が圧電振動片10と密着できるようになっている。
また、凹部44の周縁には、圧電振動片10を支持するとともに密着する中央付近の内底40aに比べて、より深く形成された深奥部72が設けられている。この深奥部72は、本実施形態ではハーフエッチングにより形成されており、ハーフエッチングの際のエッチングの残りである曲面72aが、中央付近の内底40aより深い位置(図6の下側)に配置されるようにハーフエッチングされている。
なお、本実施形態の上マスク30には、第1の実施形態の変形例である図4で説明した凸部34が設けられ、これにより、凹部44の深さH3が不正確な場合であっても、確実に凸部34が圧電振動片10と密着できるようになっている。
図7は、このような薄膜加工用マスク70における下マスク40を形成する方法を説明するための図である。
この図に示されるように、下マスクを形成する方法では、凹部44を形成する凹部形成工程と、貫通孔42を形成する貫通孔形成工程とを同時に行うようにしている。そして、凹部形成工程では、圧電振動片の外形全体に対応したハーフエッチングをする前に、凹部の周縁部に対応した領域をハーフエッチングするようにしている。
この図に示されるように、下マスクを形成する方法では、凹部44を形成する凹部形成工程と、貫通孔42を形成する貫通孔形成工程とを同時に行うようにしている。そして、凹部形成工程では、圧電振動片の外形全体に対応したハーフエッチングをする前に、凹部の周縁部に対応した領域をハーフエッチングするようにしている。
具体的には、先ず、図7(a)に示すように、貫通孔42を形成する領域42−1以外の領域にマスク74を配置してハーフエッチングしておく。この際、ハーフエッチングは、後述する図7(b)(c)のハーフエッチングにおいて、下マスクに貫通孔42が形成できるようにハーフエッチングをしておけばよい。
次いで、図7(b)に示すように、深奥部72を形成する領域72−1、および貫通孔42を形成する領域42−1以外の領域にマスク76を配置してハーフエッチングする。この際、ハーフエッチングは、例えば、深奥部72を形成する領域72−1について、内壁72−1aに略垂直な部分が形成できるまでハーフエッチングすれば足りる。
次いで、図7(c)に示すように、深奥部72を形成する領域72−1や貫通孔42を形成する領域42−1を含む凹部44を形成する全体の領域44−1以外の領域にマスク78を配置して、ハーフエッチングし、下マスク40を完成させる。
なお、この図7(c)におけるハーフエッチングは、凹部44に圧電振動片10を載置した際に、上マスク30の凸部34が圧電振動片10の表面に密着できる深さまでエッチングしている。
なお、この図7(c)におけるハーフエッチングは、凹部44に圧電振動片10を載置した際に、上マスク30の凸部34が圧電振動片10の表面に密着できる深さまでエッチングしている。
本発明の第3の実施形態は以上のように構成されており、凹部44は、深奥部72を形成したことで、圧電振動片10の側面に対向する内壁44aが略垂直に形成されるようになっている。したがって、圧電振動片10を凹部44に納まりよく入れることができる。
すなわち、ハーフエッチングのエッチング残りにより形成された凹部周縁の曲面形状72aが、圧電振動片10を凹部44に納める際に、正確な位置に納めることを邪魔するような事態が防止される。したがって、スパッタリング等で薄膜電極を蒸着した際、正確に薄膜電極を形成することができる。
また、本実施形態の凹部44は、図7(a)ないし(c)に示すように、複数のハーフエッチングの工程を経て形成されるため、凹部44の設計公差は、1回又は2回のハーフエッチングで凹部44を形成する場合に比べ、大きめに設定しなければならないが、その公差分を上マスク30の凸部34でカバーすることができる。
すなわち、ハーフエッチングのエッチング残りにより形成された凹部周縁の曲面形状72aが、圧電振動片10を凹部44に納める際に、正確な位置に納めることを邪魔するような事態が防止される。したがって、スパッタリング等で薄膜電極を蒸着した際、正確に薄膜電極を形成することができる。
また、本実施形態の凹部44は、図7(a)ないし(c)に示すように、複数のハーフエッチングの工程を経て形成されるため、凹部44の設計公差は、1回又は2回のハーフエッチングで凹部44を形成する場合に比べ、大きめに設定しなければならないが、その公差分を上マスク30の凸部34でカバーすることができる。
本発明は上述の実施形態に限定されない。実施形態や各変形例の各構成はこれらを適宜組み合わせたり、省略し、図示しない他の構成と組み合わせることができる。
10・・・被加工対象物(圧電振動片)、12・・・薄膜(薄膜電極)、20・・・薄膜加工用マスク、30・・・上マスク、40・・・下マスク、32・・・貫通孔、44・・・凹部
Claims (7)
- 被加工対象物の表面側に配置される上マスクと、
前記被加工対象物の裏面側に配置される下マスクと
を備え、
前記上マスク及び/又は下マスクには、前記被加工対象物に設けられる薄膜の領域に対応した貫通孔が形成されており、
前記下マスクには、前記被加工対象物の外形に対応した凹部が形成されている
ことを特徴とする薄膜加工用マスク。 - 前記上マスクには、前記下マスクの凹部に入り込むようにして、前記被加工対象物の前記薄膜が設けられる領域以外の領域に密着する凸部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の薄膜加工用マスク。
- 前記下マスクには、前記凹部の開口端面が上向き段部となるようにして、前記凹部の開口面積よりも大きな面積を有する開口部が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の薄膜加工用マスク。
- 前記凹部は、前記被加工対象物の側面に対向する内壁が、略垂直であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の薄膜加工用マスク。
- 被加工対象物の表面側に配置される上マスク、及び/又は前記被加工対象物の裏面側に配置される下マスクに、前記被加工対象物の薄膜を設ける領域に対応した貫通孔をエッチングにより形成する貫通孔形成工程と、
前記下マスクに、前記被加工対象物の外形に対応した凹部をハーフエッチングにより形成する凹部形成工程と
を有することを特徴とする薄膜加工用マスクの製造方法。 - 前記凹部形成工程は、前記被加工対象物の外形全体に対応した領域をハーフエッチングする前に、前記凹部内の周縁部に対応した領域をハーフエッチングすることを特徴とする請求項5に記載の薄膜加工用マスクの製造方法。
- 圧電振動片の外形を形成する工程と、前記圧電振動片の少なくとも主面に薄膜電極を形成する工程とを備えた圧電振動片の製造方法であって、
前記薄膜電極を形成する工程においては、
前記圧電振動片の裏面側の下マスクに設けられた前記圧電振動片の外形に対応した凹部に、前記圧電振動片を載置してから、前記圧電振動片の表面側に上マスクを配置し、
その後、前記下マスク及び/又は上マスクに形成した前記薄膜電極の領域に対応する貫通孔に、前記薄膜電極用の形成部材を吹きつける
ことを特徴とする圧電振動片の製造方法。
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JP2005118401A JP2006299298A (ja) | 2005-04-15 | 2005-04-15 | 薄膜加工用マスク、及びその製造方法、並びに圧電振動片の製造方法 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010057087A (ja) * | 2008-08-29 | 2010-03-11 | Kyocera Kinseki Corp | 圧電デバイスの製造方法及び圧電振動素子搭載装置 |
JP2011190509A (ja) * | 2010-03-15 | 2011-09-29 | Seiko Instruments Inc | マスク材、圧電振動子、圧電振動子の製造方法、発振器、電子機器および電波時計 |
CN103805950A (zh) * | 2012-11-02 | 2014-05-21 | 矽品精密工业股份有限公司 | 用于溅镀工艺的夹具与溅镀半导体封装件的方法 |
-
2005
- 2005-04-15 JP JP2005118401A patent/JP2006299298A/ja active Pending
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CN103805950B (zh) * | 2012-11-02 | 2017-03-01 | 矽品精密工业股份有限公司 | 用于溅镀工艺的夹具与溅镀半导体封装件的方法 |
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