JP2014072883A - 圧電デバイス - Google Patents

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Takehiro Takahashi
岳寛 高橋
Shuichi Mizusawa
周一 水沢
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Abstract

【課題】圧電デバイスの固定時や搬送時等において外力を受けた場合においても、リッド部やベース部の破損を防止することを目的とする。
【解決手段】枠部132と、枠部132の内側に連結部133を介して支持された振動部131との間に貫通孔138が形成された圧電振動片130と、圧電振動片130の表面に接合されるリッド部110と、圧電振動片130の裏面に接合されるベース部150と、を備え、リッド部110及びベース部150の少なくとも一方は、中央部111、151を囲んだ周辺部112、152の厚さが中央部111、151に対して圧電振動片130へ向けて厚く形成され、中央部111、151と周辺部112、152との境界部120.140の少なくとも一部は、リッド部110またはベース部150において貫通孔138及び連結部133と対向する部分に設定された対応領域r内に配置される。
【選択図】図1

Description

本発明は、圧電デバイスに関する。
圧電デバイスとしては、水晶振動片などの圧電振動片の表面(一方の主面)に接合材を介してリッド部が接合されるとともに、裏面(他方の主面)に同じく接合材を介してベース部が接合されたタイプが知られている(例えば、特許文献1参照)。このタイプで用いられる圧電振動片は、所定の振動数で振動する振動部と、振動部を囲むように形成される枠部と、振動部及び枠部を連結する連結部と、を有している。また、圧電振動片の振動部の表面及び裏面にはそれぞれ励振電極が形成され、各励振電極から枠部までそれぞれ引出電極が形成されるとともに、この引出電極がベース部の外部電極に電気的に接続されている。
特許文献1に記載された圧電デバイスは、圧電振動片として振動部と枠部とが連結部を介して一体化されたものが用いられる。このため、振動部を内部空間(キャビティ)内に支持する剛性は得られるものの、この圧電振動片の表面及び裏面にはリッド部及びベース部がそれぞれ接合されるので、完成品としての圧電デバイスが厚くなってしまう。近年の電子機器の小型化に伴い、圧電デバイスについてもさらなる小型化・薄型化が求められるため、リッド部やベース部、圧電振動片を薄くするとともに、圧電振動片の振動部と干渉しないように、リッド部やベース部において振動部に対向する中央部分を薄くして、全体の薄型化に対応することも提案されている。
特開2010−200118公報
しかしながら、圧電デバイスを回路基板等へ実装する際、この圧電デバイスを回路基板等へ押し付けた状態でモールド固定することが一般的であるが、この押し付け力によってリッド部やベース部が破損するといった問題を有している。特に、リッド部やベース部の中央部分が広くかつ薄く形成された場合は押し付けられたときに破損しやすい。さらに、リッド部やベース部の中央部分が広くかつ薄く形成されると、製造段階において圧電振動片にリッド部やベース部を接合するときの力や、搬送時などロボットアームやマニピュレータ等の力を受けたときでも破損するおそれがある。
以上のような事情に鑑み、本発明は、圧電デバイスの固定時や搬送時等において外力を受けた場合においても、リッド部やベース部の破損を防止することが可能な圧電デバイスを提供することを目的とする。
本発明では、矩形状の枠部と、枠部の内側に連結部を介して支持された振動部との間に貫通孔が形成され、振動部に設けられた励振電極と電気的に接続された引出電極を枠部に備える圧電振動片と、圧電振動片の表面に接合されるリッド部と、圧電振動片の裏面に接合され、引出電極と電気的に接続される外部電極を備えるベース部と、を備える圧電デバイスにおいて、リッド部及びベース部の少なくとも一方は、中央部を囲んだ周辺部の厚さが中央部に対して圧電振動片へ向けて厚く形成され、中央部と周辺部との境界部の少なくとも一部は、リッド部またはベース部において貫通孔及び連結部と対向する部分に設定された対応領域内に配置されるように形成される。
また、周辺部は、圧電振動片と接合するための接合材を含んで形成されてもよい。また、周辺部は、板状のリッド部または板状のベース部から中央部に相当する部分を凹ませるように除去することで形成されてもよい。また、境界部は、平面視において矩形状でありかつその四隅部分が曲線で構成されてもよい。また、境界部は、平面視において矩形状でありかつその四隅部分が直交方向を中央部に向けた直線で構成されてもよい。また、周辺部は、連結部と対向する部分の厚さが他の部分より薄くなった凹部を備えてもよい。
本発明によれば、圧電デバイスの固定時や搬送時等において外力を受けた場合においても、リッド部やベース部の破損を防止することができ、ひいては小型化・薄型化を実現しつつも信頼性を向上させることができる圧電デバイスを提供することができる。
第1実施形態に係る圧電デバイスを示し、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A線に沿った分解断面図である。 第1実施形態に係る圧電デバイスの概略分解斜視図である。 第2実施形態に係る圧電デバイスを示し、(a)は平面図、(b)は(a)のB−B線に沿った断面図である。 (a)は境界部の他の形態を示す平面図、(b)は境界部の更に他の形態を示す平面図である。 境界部の他の形態を示す平面図である。 第3実施形態に係る圧電デバイスを示し、(a)は平面図、(b)は(a)のC−C線に沿った断面図である。
以下、実施形態に係る圧電デバイスについて図面を参照しながら説明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。また、以下の実施形態では、図面においては実施形態を説明するため、一部分を大きくまたは強調して記載するなど適宜縮尺を変更して表現している。また、図面において導電性の膜や接合材の断面についてハッチングして表している。以下の説明では、圧電デバイスの長辺方向をX軸方向とし、圧電デバイスの高さ方向をY軸方向とし、X軸方向及びY軸方向に垂直な方向をZ軸方向として説明する。なお、図1(a)、図3(a)、図6(a)は、いずれも圧電デバイスの平面図であり、分り易くするためリッド部を透視して圧電振動片を実線で示している。
<第1実施形態>
圧電デバイス100は、図1及び図2に示すように、それぞれが矩形平板状のリッド部110と、圧電振動片130と、ベース部150とを積層することにより形成されている。なお、図1(b)では、説明を容易にするためリッド部110、圧電振動片130、ベース部150を分離して表している。これら圧電振動片130、リッド部110、及びベース部150は、例えばATカットの水晶材が用いられている。ATカットは、水晶振動子等の圧電デバイスが常温付近で使用されるにあたって良好な周波数特性が得られる等の利点があり、人工水晶の3つの結晶軸である電気軸、機械軸及び光学軸のうち、光学軸に対して結晶軸周りに35°15′だけ傾いた角度で切り出す加工手法である。
圧電振動片130は、所定の振動数で振動する振動部131と、振動部131を囲む枠部132と、振動部131と枠部132とを連結する連結部133とから成る。更に、振動部131と枠部132との間であって連結部133を除いた部分には、圧電振動片130をY軸方向に貫通する貫通孔138が形成されている。振動部131のY軸方向の厚みは所定の振動数に設定されるように枠部132より薄くなっている。連結部133は、振動部131と同等のY軸方向厚みに設定されており、枠部132との間に段差134が設けられている。振動部131の表面(+Y側の面)及び裏面(−Y側の面)には、それぞれ励振電極135、136が形成されている。これら励振電極135、136から連結部133の表面(+Y側の面)及び裏面(−Y側の面)を介して、枠部132の表面(+Y側の面)及び裏面(−Y側の面)に、それぞれ引出電極135a、136aが形成されている。
引出電極135aは、励振電極135から連結部133を通って枠部132まで帯状に延び、圧電振動片130の表面(+Y側の面)において+Z側かつ−X側に寄った矩形領域(図1(a)では左下の領域)に形成されている。この矩形領域には、振動部131の表面(+Y側の面)の一部、連結部133の表面(+Y側の面)の一部、枠部132の表面(+Y側の面)の一部、及び貫通孔138の一部を含んでいる。
さらに、引出電極135aは、上述した矩形領域内において貫通孔138に面した部分に形成された引出電極135bを介して、圧電振動片130の裏面(−Y側の面)に形成された引出電極135cと電気的に接続されている。引出電極135bは、図1(a)に示すように、振動部131の−X側及び+Z側の側面の一部、連結部133の+Z側の側面、枠部132の+X側及び−Z側の側面の一部、において形成されている。
引出電極135cは、圧電振動片130の裏面において+Z側かつ−X側に寄った矩形領域(図1(a)では左下の領域)に形成されている。この引出電極135cは、励振電極135から延びる帯状部分を除いて、Y方向から見たときに表面側の引出電極135aとほぼ重なっている。また、引出電極135cは、圧電振動片130の裏面に設けられる励振電極136及び引出電極136aと電気的に接続されない。
引出電極136aは、励振電極136から連結部133を通って枠部132まで帯状に延び、圧電振動片130の裏面(−Y側の面)において−Z側の領域(図1(a)では上側の領域)に形成されている。この引出電極136aは、励振電極136の−X側の辺から−X方向に向けて帯状に延び、枠部132に沿って−Z方向から+X方向、続けて+Z方向に折り返され、引出電極135cと対角にある領域を含んで形成されている。引出電極136aは、圧電振動片130の裏面のみに形成されており、表面には形成されていない。なお、上述したように、この引出電極136aは、励振電極135及び引出電極135cとは電気的に接続されない。
また、引出電極135a、135cと引出電極136aは、枠部132の表裏面のそれぞれにおいて、枠部132の幅のほぼ全体にわたって形成されている。このように広い領域を用いることから、これら引出電極135a等に起因する電気抵抗の上昇が抑えられており、圧電振動片130のクリスタルインピーダンス値の上昇が抑えられている。また、圧電振動片130に形成される各電極は、例えば、圧電振動片130を構成する水晶片の表面に形成される第1金属層と、この第1金属層の表面に形成される第2金属層と、を有する二層構造となっている。第1金属層は、圧電振動片130を構成する水晶片に対する各電極の密着性を向上させる役割を有するものであり、例えばニッケルタングステン(Ni−W)などを用いて形成されている。第2金属層は、導電性を確保しつつ、電極を保護する役割を有するものであり、例えば金(Au)などを用いて形成されている。ただし、各電極を二層構造に限定するものではなく、例えばクロム(Cr)などで下地層を形成することにより三層構造としてもよい。
リッド部110は、裏面(−Y側の面)において中央部分が凹んだ中央部111と、中央部111を囲む周辺部112とを有している。従って、周辺部112の厚さは、中央部111の厚さに比べて、圧電振動片130に向けて(−Y方向に)厚くなっている。中央部111の深さは、振動部131と干渉しないような深さに設定される。なお、周辺部112は、板状の部材から中央部111に相当する部分を凹ませるように除去することで形成される。従って、中央部111と周辺部112とは一体となっており、リッド部110の剛性を向上させることができる。周辺部112は、接合材117を介して圧電振動片130の枠部132と接合する接合面112aを備える。接合材117としては低融点ガラスが用いられる。
中央部111と周辺部112との境界部120は、リッド部110の裏面において、圧電振動片130の貫通孔138及び連結部133に対向する対応領域r内に配置される。対応領域rは、図1(a)で示すように、貫通孔138のX方向の幅(長さ)及びZ方向の幅(長さ)をもって帯状かつ環状に設定された領域である。このように、境界部120が対応領域r内に配置されることにより、厚い周辺部112が振動部131と干渉することはない。その一方、厚い周辺部112の範囲が広くなっているため、リッド部110の剛性が向上している。なお、図1(a)では境界部120が対応領域rの中間部分に配置されているが、対応領域rの内側に沿って配置することも可能である。この場合、周辺部112は最も広い状態となる。
ベース部150は、表面(+Y側の面)において中央部分が凹んだ中央部151と、中央部151を囲む周辺部152とを有している。従って、周辺部152の厚さは、中央部151の厚さに比べて、圧電振動片130に向けて(+Y方向に)厚くなっている。中央部151の深さは、振動部131と干渉しないような深さに設定される。なお、周辺部152は、板状の部材から中央部151に相当する部分を凹ませるように除去することで形成される。従って、中央部151と周辺部152とは一体となっており、ベース部150の剛性を向上させることができる。周辺部152は、接合材160を介して圧電振動片130の枠部132と接合する接合面152aを備える。接合材160としては、接合材117と同様に低融点ガラスが用いられる。
中央部151と周辺部152との境界部140は、ベース部150の表面において、圧電振動片130の貫通孔138及び連結部133に対向する対応領域r内に配置される。対応領域rについては上述のとおりである。このように、境界部140が対応領域r内に配置されることにより、厚い周辺部152が振動部131と干渉することはない。その一方、厚い周辺部152の範囲が広くなっているため、ベース部150の剛性が向上している。なお、境界部140を対応領域rの内側に沿って配置することが可能な点は、リッド部110の境界部120と同様である。なお、境界部120と境界部140とは、図1に示すようにY方向から見たときに一致しているが、これに限定されず、互いに異なる配置としてもよい。
ベース部150は、裏面(−Z側の面)に一対の外部電極154、155が形成される。また、ベース部150の四隅にはキャスタレーション(切り欠き部)156が形成される。4つのキャスタレーション156のうち対角位置にある2か所には、外部電極154、155に電気的に接続するキャスタレーション電極154a、155aがそれぞれ形成されている。このキャスタレーション電極154a、155aは、キャスタレーション156の表面と、ベース部150の表面(+Y側の面)の一部に形成されている。
ベース部150を圧電振動片130の裏面に接合した際、圧電振動片130の引出電極135c、136aが、それぞれキャスタレーション電極155a、154aと電気的に接続される。これにより、励振電極135、136のそれぞれは、引出電極135a、135b、135c、136a及びキャスタレーション電極154a、155aを介して外部電極154、155と電気的に接続される。
このとき、リッド部110とベース部150とで挟まれたキャビティ内(内部空間)には振動部131が位置している。なお、このキャビティは、凹形状を成す中央部111、151が面しているので振動部131と干渉することはない。すなわち、Y軸方向から見ると境界部120、140は、振動部131と重なっておらず、振動部131の外側に位置しているため、境界部120、140が振動部131に接触するのを防止するだけでなく、接合材117、160が振動部131と接触することを防止している。例えば、リッド110やベース部150を圧電振動片130に接合する場合に接合材117、160がキャビティ側へ流れ込むことが考えられるが、この流れ込みは境界部120、140によって制限されるため、接合材117、160が振動部131に付着する可能性を低減でき、振動特性の悪化を防止できる。また、キャビティ内は、リッド部110の接合面112aと枠部132の表面との間に配置された接合材117と、ベース部120の接合面152aと枠部132の裏面との間に配置された接合材160とによってシールされており、例えば真空雰囲気や窒素やアルゴンなどの不活性雰囲気などに設定されている。
このように、リッド部110の境界部120が対応領域r内に配置され、さらにベース部150の境界部140が同じく対応領域r内に配置されるので周辺部112、152の範囲を広くすることになり、リッド部110及びベース部150の剛性が向上することにより、圧電デバイス100の固定時や搬送時等において外力を受けた場合においても、リッド部110やベース部150の破損を防止することができる。その結果、小型化・薄型化を実現しつつも信頼性の高い圧電デバイス100を提供することができる。なお、第1実施形態では、リッド部110及びベース部150の双方の境界部120、140を対応領域r内に配置したが、これに代えていずれか一方、例えばリッド部110の境界部120のみを対応領域r内に配置してもよい。
次に、圧電デバイス100の製造方法について説明する。
リッド部110、圧電振動片130、ベース部150のいずれも、例えば人工水晶をATカットして作成されたウエハから個々を切り出す多面取りが行われる。
リッド部110は、リッドウエハの裏面に、フォトリソグラフィ法及びエッチングによって中央部111に相当する部分が凹むように除去され、周辺部112が形成される。同じく、ベース部150は、ベースウエハの表面に、フォトリソグラフィ法及びエッチングによって中央部151に相当する部分が凹むように除去され、周辺部152が形成される。また、ベースウェハの所定箇所には、キャスタレーション(切り欠き部)156を形成するための貫通穴が形成される。さらに、ベースウェハは、裏面に外部電極154、155が、また貫通穴にキャスタレーション電極154a、155aがそれぞれ形成される。
リッド部110やベース部150の製造と並行して圧電振動片130も製造される。まず、圧電振動片130を構成する振動部131が所望の周波数特性を備えるように、ウエハの厚さが調整される。この厚さ調整は、例えば、ウエハのうち振動部131を含んだ領域をエッチングすること等により行うことができる。その後、フォトリソグラフィ法及びエッチングによって、振動部131、枠部132及び連結部133をウエハに形成する。
次に、振動部131、枠部132及び連結部133に対して、励振電極135、136、引出電極135a、135b、135c、136aが形成される。これら電極は、例えば下地層としてクロム(Cr)による金属膜が形成された後、第1金属層としてニッケルタングステン(Ni−W)による金属膜が形成され、次いで第2金属層として金(Au)による金属膜が形成される。
続いて、真空雰囲気下において、圧電振動片130の枠部132の表面に、接合材117を介してリッド部110の接合面112a(周辺部112の裏面の一部)が接合される。また、同様に、圧電振動片130の枠部132の裏面に、接合材160を介してベース部150の接合面152a(周辺部152の表面の一部)が接合される。その後、予め設定されたスクライブラインに沿って切断することにより、個々の圧電デバイス100が完成する。なお、圧電デバイス100の製造方法としては、以上の方法に限定されず、種々の手法が用いられる。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態に係る圧電デバイス200について説明する。以下の説明において、第1実施形態と同一または同等の構成部分については同一符号を付けて説明を省略または簡略化する。
図3に示すように、圧電デバイス200は、第1実施形態のリッド部110及び接合材117に代えて、リッド部210及び接合材217が用いられる。リッド部210は、凹凸のない矩形の平板形状のものが用いられる。このリッド210には、接合面212aを含んだ領域に接合材217によって周辺部212が形成され、この周辺部212に囲まれた部分に中央部211が形成されている。接合材217は、例えば低融点ガラスが用いられ、リッド部210の裏面において外周縁に沿って形成されている。なお、接合材217の形成は、フレキソ印刷、スクリーン印刷、インクジェットやディスペンサによる吐出方式など、各種の印刷手法により行われる。
接合材217は、硬化することによりリッド部210と一体となって、リッド部210を補強する。なお、接合材217の厚さは、周辺部211の厚さに相当し、リッド部210の中央部211が圧電振動片130と干渉しないように設定される。中央部211と周辺部212との境界部220(接合材217の内側の周縁)は、図3に示すように、対応領域r内に配置される。対応領域rについては、上述のとおりである。境界部220が対応領域r内に配置されることにより、厚い周辺部212が振動部131と干渉することはない。すなわち、Y軸方向から見ると接合材217(境界部220)は、振動部131と重なっておらず、振動部131の外側に位置しているため、接合材217が振動部131に接触するのを防止している。従って、接合材217が振動部131に付着する可能性を低減でき、振動特性の悪化を防止できる。また、厚い周辺部212の範囲が広くなっているため、リッド部210の剛性が向上している。図3(b)に示すように、接合材217の内側部分(境界部220の近傍部分)は圧電振動片130との接合には用いられず、キャビティ内に位置している。なお、図3(a)では境界部220が対応領域rの中間部分に配置されているが、対応領域rの内側に沿って配置することも可能である。この場合、周辺部212は最も広い状態となる。
このように、リッド部210の境界部220が対応領域r内に配置されるので、リッド部210と一体の接合材217の範囲、すなわち周辺部212の範囲が広くなり、リッド部210の剛性が向上することにより、圧電デバイス200の固定時や搬送時等において外力を受けた場合においても、リッド部210の破損を防止することができる。また、リッド部210としては平板状のものが用いられるため、製造段階でリッド部210の加工が不要となり、製造コストを低減させることができる。
次に、圧電デバイス200の製造方法について説明する。
リッド部210は、例えば人工水晶をATカットして作成されたウエハから個々を切り出す多面取りが行われる点は、第1実施形態と同様である。ただし、リッド部210となるリッドウエハとしては、その裏面に中央部211を形成するためのエッチング等の必要はなく、平板状のものが用いられる。なお、圧電振動片130となる圧電ウエハや、ベース部150となるベースウエハの加工については第1実施形態と同様である。
続いて、リッド部210の裏面に接合材217が上記した印刷手法等によって塗布される。このとき、接合材217の厚さは、硬化した後に周辺部212が所望の厚さとなるように設定される。そして、真空雰囲気下において、圧電振動片130の表面にリッド部210が接合され、また、圧電振動片130の裏面にベース部150が接合材160を介して接合された後に、スクライブラインに沿って切断され、個々の圧電デバイス200が完成する点は、第1実施形態と同様である。なお、圧電デバイス200の製造方法としては、以上の方法に限定されず、種々の手法が用いられる。
<境界部の他の形態>
第1及び第2実施形態の圧電デバイス100、200では、境界部120、220の形状が平面視(Y方向から見たとき)において4つの角部を持つ矩形状となっている。この圧電デバイス100等に外力が働くと、角部に応力が集中するため、境界部120、220の四隅から中央部111、211の中心に向けてヒビや割れが生じる可能性がある。従って、境界部の形状として四隅部分の形状を適宜変更してもよい。
図4(a)は境界部の他の形態、(b)は境界部の更に他の形態、図5は境界部の更に他の形態を示している。なお、第1及び第2実施形態と同様の部分については、同じ符号を付して説明を省略する。また、図4及び図5においては、分かり易くするため、圧電振動片130の外形を実線で表し、リッド部110(図1参照)の境界部を点線で表している。また、図4及び図5に示す曲線境界部120a、120bや直線境界部120c、120dは、第1実施形態における境界部120の変形例とする他に、第2実施形態における境界部220の変形例、ベース部150の境界部140の変形例も含んでいる。
図4(a)に示す境界部は、平面視において矩形状でありかつその四隅部分に曲線境界部120aを有している。この曲線境界部120aは、対応領域r内に配置されている。なお、境界部においてX方向及びZ方向の直線部分は、圧電振動片130の貫通孔138の外側縁部と一致している。すなわち、図4(a)では、境界部の一部(曲線境界部120a)が対応領域r内に配置されたものといえる。なお、曲線境界部120aの曲率は、この曲線境界部120aが対応領域rの範囲に収まるように設定される。
図4(b)に示す境界部は、平面視において矩形状でありかつその四隅部分に曲線境界部120bを有している。また、曲線境界部120a及び直線境界部120cは、図4(a)に示す境界部とは異なり、双方とも対応領域r内に配置されている。なお、曲線境界部120bは、曲線境界部120aと同様に、対応領域rの範囲に収まるような曲率に設定される。
このように、曲線境界部120aや、曲線境界部120b及び直線境界部120cが対応領域r内に配置されることにより、リッド部110の周辺部112の範囲が広くなり、リッド部110の剛性を向上させることができる。さらに、曲線境界部120a、120bによって四隅部分が曲線となっているため角部がなく、この四隅部分が補強されることになり、リッド部110に外力を受けた場合においても角部への応力集中が抑制されるので、リッド部110の破損を一層防止することができる。また、図4(b)に示す内容は、後述する第3実施形態にも適用可能である。
図5に示す境界部は、平面視において矩形状でありかつその四隅部分には直交方向を中央部111に向けた直線境界部120dを有している。この直線境界部120dは、対応領域r内に配置されている。なお、境界部においてX方向の直線部分は、圧電振動片130の貫通孔138の外側縁部と一致している。すなわち、図5では、境界部の一部(直線境界部120d)が対応領域r内に配置されたものといえる。また、図5に示す境界部は、平面視において六角形状となっているが、これに限定されず八角以上の多角形状としてもよい。また、境界部のうち、貫通孔138の外側縁部と一致している部分を対応領域r内に配置してもよい。
このように、直線境界部120dが対応領域r内に配置されることにより、リッド部110の周辺部112の範囲が広くなり、リッド部110の剛性を向上させることができる。さらに、四隅部分に形成されていた直角部分が直線境界部120dによって直角より大きな鈍角の角部に分けられるため、リッド部110に外力を受けた場合においても直角の角部と比較して応力集中が抑制されるので、リッド部110の破損を一層防止することができる。また、図5に示す内容は、後述する第3実施形態にも適用可能である。
<第3実施形態>
次に、第3実施形態に係る圧電デバイス300について説明する。以下の説明において、第1実施形態と同一または同等の構成部分については同一符号を付けて説明を省略または簡略化する。
図6に示すように、圧電デバイス300は、リッド部310が用いられる。リッド部310は、第1実施形態のリッド部110と同様に、裏面(−Y側の面)において中央部分が凹んだ中央部311と、中央部311を囲む周辺部312とを有している。従って、周辺部312の厚さは、中央部311の厚さに比べて、圧電振動片130に向けて(−Y方向に)厚くなっている。また、周辺部312の裏面には、接合材317を介して圧電振動片130の枠部132と接合する接合面312aを備える。接合材317としては低融点ガラスが用いられる。
中央部311と周辺部312との境界部320は、対応領域r内に配置される。対応領域rは、上述のとおりである。また、図6(a)に示すように、周辺部312のうち、圧電振動片130の連結部133に対向する部分には凹部320aが形成されている。凹部320aの部分では、図6(b)に示すように、Y方向の厚さが中央部311と同様の厚さとなっている。この凹部320aによって連結部133との干渉が防止される。また、境界部320が対応領域r内に配置されるので、厚い周辺部312が振動部131と干渉することはない。
このように、リッド部310の境界部320が凹部320aを除いて対応領域r内に配置されるので、周辺部312の範囲が広くなり、リッド部310の剛性が向上することにより、圧電デバイス300の固定時や搬送時等において外力を受けた場合においても、リッド部310の破損を防止することができる。また、周辺部312は、連結部133の対向部分に凹部320aを有しているので、周辺部312が不用意に連結部133に接触して振動特性の変動等を引き起こすことを防止できる。なお、図6では、リッド部310の境界部320に凹部320aを形成しているが、ベース部150の周辺部152においても連結部133との対向部分に凹部が形成されてもよい。
次に、圧電デバイス300の製造方法について説明する。
リッド部310は、例えば人工水晶をATカットして作成されたウエハから個々を切り出す多面取りが行われる点は、第1実施形態と同様である。リッド部310が複数形成されるリッドウエハの裏面に、フォトリソグラフィ法及びエッチングによって中央部311に相当する部分が凹むように除去され、周辺部312が形成される。周辺部312の形成と同時またはその後に、周辺部312の所定部分(連結部133と対向する部分)に凹部320aが形成される。なお、圧電振動片130となる圧電ウエハや、ベース部150となるベースウエハの加工については第1実施形態と同様である。
続いて、真空雰囲気下において、圧電振動片130の表面に接合材317を介してリッド部310が接合され、また、圧電振動片130の裏面にベース部150が接合材160を介して接合される。その後、スクライブラインに沿って切断され、個々の圧電デバイス300が完成する点は、第1実施形態と同様である。なお、圧電デバイス300の製造方法としては、以上の方法に限定されず、種々の手法が用いられる。
以上、第1〜第3実施形態について説明したが、本発明は、上述した説明に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。また、変形例として第1及び第2実施形態で説明した内容を適宜組み合わせることも可能である。例えば、リッド部において中央部に対する周辺部の厚さをわずかに厚くするように形成し、接合材を用いて周辺部全体の厚さを調整するものでもよい。
また、他の変形例として、第2及び第3実施形態で説明した内容を適宜組み合わせることも可能である。例えば、凹凸のない矩形の平板形状のリッド部210を用い、接合材217によって形成される周辺部212に、第3実施形態の凹部320aに相当する凹部が形成されてもよい。これにより、リッド部120において連結部133と対向する領域には接合材217が配置されず、接合材217が連結部133に付着するのを防止している。なお、凹部を持つ接合材217は、凹部に相当する部分を除外した印刷パターンを用いて接合材217をリッド部210の裏面に印刷することにより形成される。
また、上記した実施形態では、圧電デバイスとして水晶振動子(圧電振動子)を示しているが、発振器であってもよい。発振器の場合は、ベース部150にIC等が搭載され、圧電振動片130の引出電極135a等や、ベース部150の外部電極154等がそれぞれICに接続される。また、上記した実施形態では、圧電振動片として水晶振動片を用いているが、これに代えて、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム等から形成された圧電振動片を用いてもよい。また、リッド部110及びベース部150として水晶材を用いているが、これに代えて、ガラスやセラミックス等を用いてもよい。
r…対応領域
100、200、300…圧電デバイス
110、210、310…リッド部
111、151、211、311…中央部
112、152、212、312…周辺部
117、160、217、317…接合材
120、140、220、320…境界部
120a、120b…曲線境界部
120c、120d…直線境界部
130…圧電振動片
131…振動部
132…枠部
133…連結部
135、136…励振電極
135a、135b、135c、136a…引出電極
138…貫通孔
150…ベース部
154,155…外部電極
156…キャスタレーション
320a…凹部

Claims (6)

  1. 矩形状の枠部と、前記枠部の内側に連結部を介して支持された振動部との間に貫通孔が形成され、前記振動部に設けられた励振電極と電気的に接続された引出電極を前記枠部に備える圧電振動片と、
    前記圧電振動片の表面に接合されるリッド部と、
    前記圧電振動片の裏面に接合され、前記引出電極と電気的に接続される外部電極を備えるベース部と、を備える圧電デバイスにおいて、
    前記リッド部及び前記ベース部の少なくとも一方は、中央部を囲んだ周辺部の厚さが前記中央部に対して前記圧電振動片へ向けて厚く形成され、
    前記中央部と前記周辺部との境界部の少なくとも一部は、前記リッド部または前記ベース部において前記貫通孔及び前記連結部と対向する部分に設定された対応領域内に配置される圧電デバイス。
  2. 前記周辺部は、前記圧電振動片と接合するための接合材を含んで形成される請求項1記載の圧電デバイス。
  3. 前記周辺部は、板状の前記リッド部または板状の前記ベース部において前記中央部に相当する部分を凹ませるように除去することで形成される請求項1記載の圧電デバイス。
  4. 前記境界部は、平面視において矩形状でありかつその四隅部分が曲線で構成される請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の圧電デバイス。
  5. 前記境界部は、平面視において矩形状でありかつその四隅部分が直交方向を前記中央部に向けた直線で構成される請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の圧電デバイス。
  6. 前記周辺部は、前記連結部と対向する部分の厚さが他の部分より薄くなった凹部を備える請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の圧電デバイス。





















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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016152478A (ja) * 2015-02-17 2016-08-22 セイコーエプソン株式会社 振動子、振動デバイス、発振器、電子機器、および移動体
JPWO2017077972A1 (ja) * 2015-11-06 2018-08-23 株式会社大真空 圧電振動デバイス
WO2023017743A1 (ja) * 2021-08-12 2023-02-16 株式会社大真空 圧電振動デバイス及び圧電振動デバイスの製造方法

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