JP2006298921A - ピペラジン誘導体を含む化粧品用組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、皮膚への局所適用に好適な生理学的に許容可能な媒体を含む組成物に関するものであり、この組成物は、定められた式の少なくとも1のピペラジン誘導体を含む。本発明はまた、前記組成物を皮膚へ局所適用することを含む、しわのある皮膚を処置するための美容処理方法に関するものでもあり、かつピペラジン誘導体の2の新規ファミリーに関するものでもある。
現在、女性及び男性でさえ、可能な限り長い間若々しくみせたいと願う傾向があり、従って、そのような人々は、特にしわ及び小じわによって示される皮膚の老化のサインを隠そうと努める。これに関しては、広告及びファッション界が、可能な限り長く、若々しい皮膚のサインである、つやがあり且つしわがない皮膚を保つことを意図した製品を提示しており、外見が精神及び/又は意欲に影響することから、ますますそうなっている。
従来、しわ及び小じわは、皮膚に作用する活性剤を含む化粧品を使用し、例えば、皮膚の細胞の再生を高めること、あるいはまた皮膚組織を作る弾性線維そのものの合成を促進すること、若しくはその分解を防止することによって処置されてきた。
これらの処置は、時間的老化又は本質的老化によって引き起こされるしわ及び小じわに作用することができ、光老化によって引き起こされるしわ及び小じわにも作用できるが、表情じわには効果がなく、表情じわには、筋弛緩剤を介するしわの筋収縮要素への作用又は皮膚脱収縮剤を介する皮膚収縮要素への作用が必要となる。
詳細には、表情じわは、老化に起因するしわを発生させるメカニズムとは異なるメカニズムによって出現する。
具体的には、表情を可能にする皮膚の筋肉によって皮膚に及ぼされる変形作用に起因し、表情じわが出現する。顔の形、表情の頻度、及び起こり得るチックの頻度に応じて、幼児期からでさえ表情じわが現れるかもしれない。年齢、及び太陽光線への暴露などのある種の環境因子も、それらの発生の役割を担うわけではないが、表情じわをより深くかつ永久的にするかもしれない。
表情じわは、周囲が皮膚の筋肉である鼻(鼻溝)、口(口周囲のしわ及び「渋い顔(sour-face)」のしわ)及び目(目尻(crow’s-feet)のしわ)によって形成される人体の開口部周辺の溝の存在によって特徴づけられ、眉(眉間のしわ又はライオンじわ)の間及び額上の溝の存在によっても特徴づけられる。
従来、表情じわに作用させるために一般に使用されている唯一の手段は、ボツリヌス毒素であり、ボツリヌス毒素は、特に、眉の間のしわである眉間のしわに注射される(J. D. Carruters et al., J. Dermatol. Surg. Oncol., 1992, 18, pp. 17-21参照)。
本出願人も、皮膚に局所的に適用した場合、筋弛緩効果を与えることができ、それにより、別の経路で表情じわへの作用が可能な様々な化合物を提案している。これらの化合物の内、特に、カルシウムチャネルに関連した受容体のアンタゴニスト、例えば、ベラパミル(FR‐2 793 681)、特に、マンガン及びその塩(FR‐2 809 005)並びにアルベリン(FR‐2 798 590)について言及することができ;かつ、グリシン(EP‐0 704 210)及びイリスパリダ(Iris pallida)の特定の抽出物(FR‐2 746 641)を含む、塩素チャネルに関連した受容体のアゴニストについて言及することができ;かつ、サポゲニンについて言及することができる(EP‐1 352 643)。
これらの筋弛緩剤の内、様々な皮膚脱収縮化合物、特に、アデノシン化合物(EP‐1 424 064)及びアミン化合物(EP‐1 405 633)が本出願人によって記載されている。
仏国特許発明第2793681号明細書
仏国特許発明第2809005号明細書
欧州特許第1352643号明細書
しかし、しわ、特に表情じわを伸ばすため、又は隠すために他の効果的な化合物が必要であることに変わりはない。
詳細には、本発明の目的は、筋弛緩特性を有する化合物を提案することであり、同時に、前記化合物が、他の皮膚脱収縮剤又は筋弛緩薬(例えば既知のカルシウムインヒビター)と比較して、より一層のバイオアベイラビリティを提示することである。
本出願人は今回、驚くべきことに、特定のピペラジン誘導体がこの要求を満たし得ることを発見した。
従って、本発明の1の主題は、皮膚への局所適用に好適な生理学的に許容可能な媒体を含む組成物であり、この組成物は以下の式(I):
− Z基は各々独立して、フッ素原子、直鎖状のC1〜C6アルキル基若しくは分枝状のC3〜C6アルキル基、直鎖状のC2〜C6アルケニル基若しくは分枝状のC3〜C6アルケニル基、C3〜C6シクロアルキル基、CF3基、OR1基、NR1R2基、COR1基、COOR1基、CONR1R2基、又はN(R1)COR2基を意味し;
− nは0〜5の範囲にあり:
− Aは以下を意味し:
− 水素原子、
− 直鎖状のC1〜C20アルキル基又は分枝状のC3〜C20アルキル基、
− 直鎖状のC2〜C20アルケニル基又は分枝状のC3〜C20アルケニル基、
− C3〜C20シクロアルキル基、
(前記の基は、以下から選択される少なくとも1の基で任意に置換されている:オキソ基、OR1基、NR1R2基、COR1基、COOR1基、CONR1R2基、N(R1)COR2基、又は1〜5のZ基(前記のとおり定義されたもの)で任意に置換されたフェニル基)、
− 1〜5のZ基(前記のとおり定義されたもの)で任意に置換されたフェニル基;
− Bは、水素原子、直鎖状のC1〜C6アルキル基若しくは分枝状のC3〜C6アルキル基、直鎖状のC2〜C6アルケニル基若しくは分枝状のC3〜C6アルケニル基、C3〜C6シクロアルキル基、OR1基、NR1R2基、COR1基、COOR1基、CONR1R2基、又はN(R1)COR2基を意味し;
(前記式中、R1及びR2は独立して、水素原子、フェニル基で任意に置換された直鎖状のC1〜C6アルキル基若しくは分枝状のC3〜C6アルキル基、直鎖状のC2〜C6アルケニル基若しくは分枝状のC3〜C6アルケニル基、C3〜C6シクロアルキル基、又はフェニル基を意味し;R1又はR2基は、それぞれ、同一又は異なっていてもよい);
破線は、二重結合が存在する可能性を意味し、二重結合が存在する場合、Aは、水素原子又はフェニル基以外であることが理解される。]
の化合物、並びにその塩、光学異性体、及び溶媒化合物から選択される少なくとも1のピペラジン誘導体を含む組成物である。
本発明の主題はまた、スキンケアのため、特にしわのある皮膚へのケアのため及び/又はしわを伸ばすため、小じわを弛緩させるため及び/又は皮膚を脱収縮させるための、前記組成物の美容的使用でもある。
本発明の主題はまた、しわを目立たなくするため及び/又は皮膚を脱収縮させるため及び/又は小じわを弛緩させるための作用剤として、前記で定義された少なくとも1のピペラジン誘導体の美容的使用でもある。
本発明の主題はまた、しわのある皮膚、特に顔の皮膚及び/又は額の皮膚を処置するための美容的処理方法でもあり、この方法には、前記で定義された組成物の前記皮膚への局所適用を含む。
本発明において、「しわ」という用語は、具体的には、額を含む顔上のしわ及び首にあるしわを意味する。これらは特に、表情を繰り返すこと及び年齢とともに強調されることによって引き起こされる表情じわである。関連のあるしわとは、好ましくは、口及び/又は目(特に目尻)の周囲に放射状に位置するしわ、及び/又は額に位置するしわ(特に眉の間である眉間の「ライオン」じわ)、及び/又は額に水平に位置するしわである。
本発明の組成物は、表情じわのある顔及び/又は額の領域、及び/又は表情じわのある人に適用することが、有利に意図されている。
さらに、「生理学的に許容可能な媒体」という用語は、皮膚、より詳細には、顔の皮膚及び/又は首の皮膚に適合する媒体を意味する。この媒体は、有利に、化粧品として許容可能であり、すなわち、使用者が本組成物を不快に感じるであろう許容不可能な痒み、刺激、又は赤みのいずれも起こることがなく、好ましい外観、香り、及び手触りを有する。
式(I)において、アルキル基は、場合に応じて、特に以下の基から選択されてもよい:メチル、エチル、n‐プロピル、イソプロピル、n‐ブチル、イソブチル、t‐ブチル、ペンチル、へキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、ミリスチル、及びパルミチル。
加えて、本発明の特許出願に関連して、「アルケニル」という用語は、1以上の共役二重結合又は非共役二重結合を含んでもよい基を意味する。場合に応じて、それらは特に以下の基から選択されてもよい:ビニル、アリル、ブテニル、及びペンテニル。
最後に、シクロアルキル基の例としては、シクロブチル基、シクロペンチル基、及びシクロヘキシル基が挙げられる。
「置換された」という用語は、基、特にアルキル基に言及したものであり、これは、前記の基の側基、又は前記の基の鎖末端に位置する基で置換されてもよい。従って、「フェニル基で置換されたアルキル基」という用語は、特に、別に「アラルキル」として既知の基を意味する。
式(I)の化合物の塩として、特に塩酸、硫酸及びリン酸から選択される無機酸、又は特に以下から選択される有機酸に式(I)の化合物を添加することによって得られる塩を挙げてもよい:酢酸、プロピオン酸、コハク酸、フマル酸、乳酸、グリコール酸、クエン酸、及び酒石酸。
好ましくは、本発明のピペラジン誘導体は、Bが水素原子である場合は、Aは任意に置換されたフェニル基以外であるものである。
加えて、本発明の有利な実施態様の1つでは、Z基はそれぞれ独立して、以下から選択される基を意味する:フッ素原子、OR1基、NR1R2基、N(R1)COR2基、COOR1基、又はCF3基。より優先的には、Zは、OR1基又はCOOR1基を意味し、好ましくはOR1基を意味する。好ましい実施態様の1つでは、従って、R1及びR2は、独立して以下を意味する:水素原子、又は直鎖状のC1〜C6アルキル基若しくは分枝状のC3〜C6アルキル基、好ましくは、メチル基又はエチル基。
変形として、本発明のピペラジン誘導体は、n=0のものである。
加えて、本発明の有利な実施態様の1つでは、Aは以下を意味する:
− 水素原子、
− 直鎖状のC1〜C8アルキル基又は分枝状のC3〜C8アルキル基、
− 直鎖状のC2〜C8アルケニル基又は分枝状のC3〜C8アルケニル基、
− C3〜C8シクロアルキル基、
(前記の基は、以下から選択される少なくとも1の基で任意に置換されている:オキソ基、OR1基、NR1R2基、又は1〜5のZ基(式(I)で定義されたもの)で任意に置換されたフェニル基)、又は
− 1〜5のZ基(式(I)で定義されたもの)で任意に置換されたフェニル基。
− 水素原子、
− 直鎖状のC1〜C8アルキル基又は分枝状のC3〜C8アルキル基、
− 直鎖状のC2〜C8アルケニル基又は分枝状のC3〜C8アルケニル基、
− C3〜C8シクロアルキル基、
(前記の基は、以下から選択される少なくとも1の基で任意に置換されている:オキソ基、OR1基、NR1R2基、又は1〜5のZ基(式(I)で定義されたもの)で任意に置換されたフェニル基)、又は
− 1〜5のZ基(式(I)で定義されたもの)で任意に置換されたフェニル基。
さらに好ましくは、Aが水素原子、又は以下から選択される少なくとも1の基で任意に置換された直鎖状のC1〜C6アルキル基若しくは分枝状のC3〜C6アルキル基を意味する:オキソ基、OR1基、又はフェニル基(式中、R1は、好ましくは水素原子を意味し、直鎖状のC1〜C6アルキル基又は分枝状のC3〜C6アルキル基(例えばメチル基)を意味してもよい)。
加えて、本発明の好ましいピペラジン誘導体とは、例えば、Bが水素原子;直鎖状のC1〜C6アルキル基若しくは分枝状のC3〜C6アルキル基;NR1R2基;COR1基;又はOR1基であり、式中、R1は、水素原子、又はフェニル基で任意に置換された直鎖状のC1〜C6アルキル基若しくは分枝状のC3〜C6アルキル基を意味する。
さらに好ましくは、Bが水素原子、OR1基、又はCOR1基を意味し、式中、R1は、フェニル基で任意に置換された直鎖状のC1〜C6アルキル基又は分枝状のC3〜C6アルキル基を意味する。
前記の式(I)で表される化合物の内、使用に好ましいものは、式中、以下の意味を有する:
− Aは、フェニル基で任意に置換された直鎖状のC1〜C8アルキル基を意味し、Bは、水素原子又はヒドロキシル基を意味し、かつn=0であるか;
又は
− Aは水素原子を意味し、Bは、OR1基又はCOR1基を意味し、式中、R1は、フェニル基で任意に置換された直鎖状のC1〜C6アルキル基を意味し、かつn=0である。
− Aは、フェニル基で任意に置換された直鎖状のC1〜C8アルキル基を意味し、Bは、水素原子又はヒドロキシル基を意味し、かつn=0であるか;
又は
− Aは水素原子を意味し、Bは、OR1基又はCOR1基を意味し、式中、R1は、フェニル基で任意に置換された直鎖状のC1〜C6アルキル基を意味し、かつn=0である。
優先的に使用される式(I)の化合物は、式中、以下の意味を有する:
− Aは、フェニル基で任意に置換された直鎖状のC1〜C8アルキル基を意味し、Bは水素原子を意味し、かつn=0であるか;
又は
− Aは水素原子を意味し、BはOR1基を意味し、式中、R1は、フェニル基で任意に置換された直鎖状のC1〜C6アルキル基を意味し、かつn=0であるか;
又は
− AはC1〜C8アルキル基を意味し、BはOH基を意味し、かつn=0であるか;
又は
− Aは水素原子を意味し、BはCOR1基を意味し、式中、R1は、直鎖状のC1〜C6アルキル基を意味し、かつn=0である。
− Aは、フェニル基で任意に置換された直鎖状のC1〜C8アルキル基を意味し、Bは水素原子を意味し、かつn=0であるか;
又は
− Aは水素原子を意味し、BはOR1基を意味し、式中、R1は、フェニル基で任意に置換された直鎖状のC1〜C6アルキル基を意味し、かつn=0であるか;
又は
− AはC1〜C8アルキル基を意味し、BはOH基を意味し、かつn=0であるか;
又は
− Aは水素原子を意味し、BはCOR1基を意味し、式中、R1は、直鎖状のC1〜C6アルキル基を意味し、かつn=0である。
使用に好ましい本発明のピペラジン誘導体を以下の表1に記載する。この表はまた、本発明の化合物の分子量及びcLogP値も示している。このcLogP値は、Advanced Chemistry Developmentソフトウェア(ACD/Labs) Software Solaris V4.67に記載のとおりに計算することができる。
化粧品用化合物のバイオアベイラビリティの研究に関連して、皮膚の表面の層である角質層を通過するためには、化粧品用化合物、特にピペラジンなどのイオン性化合物の分子量は400未満、好ましくは350未満、及び/又はそれらのcLogP値(オクタノール/水 分配係数を計算した)は、好ましくは5未満、可能ならば4未満である必要があることを、本出願人は実際に示している。
表1から明らかなように、本発明の全ての化合物は、分子量が400未満であり、及び/又はcLogP値が5未満である。
比較する目的として、シンナリジン及びフルナリジン(本発明の化合物の構造と同様の構造を有する2つの参照の抗カルシウム作用剤)のcLogP値は、それぞれ6.0及び6.3である。
従って、本発明の化合物は、同様の構造を有する既知の抗カルシウム作用剤より優れたバイオアベイラビリティを有する。
本発明のピペラジン誘導体は、特に、以下の反応スキームによって調製され得る:
反応剤(Ia)は、J.Med.Chem.1998,25,4950に記載されたプロセスに従って、ジメチルホルムアミドなどの極性溶媒中で、1当量のピペラジンと1当量の1‐クロロ‐3‐アリールプロピルとを反応させることによって調製されてもよい。
変形として、反応物(Ib)を反応物(Ic)と置き換えてもよい:
本発明のピペラジン誘導体はまた、Zikolova,S.Bul.Trudova 1978,10,33−46又はMatecka,D.et al.J.Med.Chem.1996,32(24),4704−4716に記載されたとおりに調製されてもよい。
特定のピペラジン誘導体は、従来技術で記載されており、特に以下の文献に記載されている:
化合物2及び14は、特許出願 WO 2004/092 123に記載されている。
化合物3は、文献 FR‐A‐2 374 318及びUS 5 177 077に記載されている。
化合物4は、特許出願 FR‐A‐2 374 322に記載されている。
化合物5は、特許出願 JP‐A‐2005‐239 594に記載されている。
化合物17及び化合物18は、特許 US 4 616 086に記載されている。
化合物19は、文献 WO 2001/00604、WO 2002/030 422、US 6 492 369及びUS 5 736 546に記載されている。
化合物21は、論文 Rische et al.,‘One−pot synthesis of secondary and tertiary amines by carbonylative hydroaminomethylation of alkenes catalysed by di(μ‐chloro)bis(η4‐1,5‐cyclooctadiene)‐dirhodium’,Synthesis (1997),(11),1331−1337に記載されている。
化合物22,23,27及び28は、特許出願 US 2003‐171 347に記載されている。
化合物22〜30は、論文 Zhang et al.,‘Characterization of novel N,N´‐disubstituted piperazines as sigma receptor ligands’,Journal of medicinal chemistry (1998),41(25),4950‐4957に記載されている。
化合物31は、論文 Benedetti et al.,‘GBR compounds and mepyramines as cocaine abuse therapeutics:chemometric studies on selectivity using grid independent descriptors’,Journal of medicinal chemistry (2002),45(8),1557‐1584に記載されている。
化合物20及び32〜35は、論文 Kawamura et al., ‘Synthesis and evaluation of 11C‐and 18F‐labeled 1‐[2‐(4‐alkoxy‐3‐methoxyphenyl)ethyl]‐4‐(3‐phenylpropyl)piperazines as sigma receptor ligands for positron emission tomography studies’,Nuclear medicine and biology (2003),30(3),273‐284に記載されている。
化合物3は、文献 FR‐A‐2 374 318及びUS 5 177 077に記載されている。
化合物4は、特許出願 FR‐A‐2 374 322に記載されている。
化合物5は、特許出願 JP‐A‐2005‐239 594に記載されている。
化合物17及び化合物18は、特許 US 4 616 086に記載されている。
化合物19は、文献 WO 2001/00604、WO 2002/030 422、US 6 492 369及びUS 5 736 546に記載されている。
化合物21は、論文 Rische et al.,‘One−pot synthesis of secondary and tertiary amines by carbonylative hydroaminomethylation of alkenes catalysed by di(μ‐chloro)bis(η4‐1,5‐cyclooctadiene)‐dirhodium’,Synthesis (1997),(11),1331−1337に記載されている。
化合物22,23,27及び28は、特許出願 US 2003‐171 347に記載されている。
化合物22〜30は、論文 Zhang et al.,‘Characterization of novel N,N´‐disubstituted piperazines as sigma receptor ligands’,Journal of medicinal chemistry (1998),41(25),4950‐4957に記載されている。
化合物31は、論文 Benedetti et al.,‘GBR compounds and mepyramines as cocaine abuse therapeutics:chemometric studies on selectivity using grid independent descriptors’,Journal of medicinal chemistry (2002),45(8),1557‐1584に記載されている。
化合物20及び32〜35は、論文 Kawamura et al., ‘Synthesis and evaluation of 11C‐and 18F‐labeled 1‐[2‐(4‐alkoxy‐3‐methoxyphenyl)ethyl]‐4‐(3‐phenylpropyl)piperazines as sigma receptor ligands for positron emission tomography studies’,Nuclear medicine and biology (2003),30(3),273‐284に記載されている。
いくつかの本発明のピペラジン誘導体は、新規なものである。
従って、本発明の主題はまた、式(IIa)又は(IIb)の新規なピペラジン誘導体でもある:
Z基は各々独立して、フッ素原子、直鎖状のC1〜C6アルキル基若しくは分枝状のC3〜C6アルキル基、直鎖状のC2〜C6アルケニル基若しくは分枝状のC3〜C6アルケニル基、C3〜C6シクロアルキル基、CF3基、OR1基、NR1R2基、COR1基、COOR1基、CONR1R2基、又はN(R1)COR2基を意味し;
nは0〜5の範囲にあり;
R1及びR2は独立して、水素原子、フェニル基で任意に置換された直鎖状のC1〜C6アルキル基若しくは分枝状のC3〜C6アルキル基、直鎖状のC2〜C6アルケニル基若しくは分枝状のC3〜C6アルケニル基、C3〜C6シクロアルキル基、又はフェニル基を意味し;R1又はR2基は、それぞれ、同一又は異なっていてもよく;かつ
A1及びA2は独立して、直鎖状のC1〜C19アルキル基若しくは分枝状のC3〜C19アルキル基、直鎖状のC2〜C19アルケニル基若しくは分枝状のC3〜C19アルケニル基、又はC3〜C19シクロアルキル基を意味し、前記の基は、以下から選択される少なくとも1の基で任意に置換されている:オキソ基、OR1基、NR1R2基、COR1基、COOR1基、CONR1R2基、N(R1)COR2基、又は1〜5のZ基(前記のとおり定義されたもの)で任意に置換されたフェニル基。
好ましくは、n=0である。
加えて、R1が水素原子、又は直鎖状のC1〜C6アルキル基若しくは分枝状のC3〜C6アルキル基を意味することが好ましく、より優先的には水素原子を意味することが好ましい。
加えて、A1及びA2は、有利に、好ましくは置換されていない直鎖状のC1〜C6アルキル基又は分枝状のC3〜C6アルキル基を意味する。
好ましくは、式(IIa)の化合物は、式中、以下を意味する:
A1は直鎖状のC1〜C6アルキル基を意味し、R1は水素原子を意味し、n=0であるか、
又は、
A1は水素原子を意味し、R1はフェニル基で任意に置換された直鎖状のC1〜C6アルキル基を意味し、n=0である。
A1は直鎖状のC1〜C6アルキル基を意味し、R1は水素原子を意味し、n=0であるか、
又は、
A1は水素原子を意味し、R1はフェニル基で任意に置換された直鎖状のC1〜C6アルキル基を意味し、n=0である。
好ましくは、式(IIb)の化合物は、式中のA2が直鎖状のC1〜C6アルキル基を意味し、n=0である。
本発明で使用され得るピペラジン誘導体の量は、言うまでもなく、所望する効果に応じて決まるため、広い範囲において変化し得る。
量を挙げると、これらの誘導体は、本組成物の総重量に対して0.01%〜10%を表す量で使用され得、好ましくは0.05%〜5%、より好ましくは0.1%〜2%を表す量で使用され得る。
本組成物は、化粧品として通常使用されるどんな外観形状であってもよく、特に以下の形状を挙げることができる:任意にゲル化された溶液状、任意に2相のローションであるローションタイプの分散液状、水相中に脂質相を分散させることによって得られるエマルジョン状(O/W型エマルジョン)若しくはその逆のエマルジョン状(W/O型エマルジョン)、トリプルエマルジョン状(W/O/W型エマルジョン又はO/W/O型エマルジョン)、又はイオン性及び/又はノニオン性タイプの小胞性分散物状。これらの組成物は、通常の方法に従って調製される。水中油滴型エマルジョン状である組成物を使用することが、本発明では好ましい。
本組成物は、多少流動性があってよく、白又は着色された、クリーム、軟膏、ミルク、ローション、セラム、ペースト、又はムースの外観であってよい。本組成物は、任意に、エアロゾル状で適用されてもよい。また、固形状であっても、特にスティック状であってもよい。本組成物はまた、皮膚に対するケア製品及び/又は化粧用製品として使用されてもよい。
既知の方法で、本発明で使用される組成物は、化粧品では一般的なアジュバントを含んでもよく、アジュバントとしては、例えば、親水性又は親油性のゲル化剤、親水性又は親油性の活性剤、保存料、酸化防止剤、溶剤、香料、フィラー、スクリーニング剤、顔料、臭い吸収体、及び染料が挙げられる。これらの様々なアジュバントの量は、対象となる分野で通常使用される量であり、例えば、本組成物の総重量に対して0.01%〜20%である。アジュバントの性質に従って、脂質相へ導入されても、水相に導入されても、脂質小胞へ導入されてもよい。いずれの場合においても、これらのアジュバントは、本発明の化合物の所望される特性を害しないように選択されるだろうし、その割合についても同様に選択されるだろう。
本発明で使用される組成物がエマルジョンである場合、脂肪相の割合は、本組成物の総重量に対して5重量%〜80重量%、好ましくは5重量%〜50重量%の範囲であってよい。エマルジョン状の組成物で使用される、油、乳化剤及び共乳化剤は、対象となる分野で通常使用されるものから選択される。乳化剤及び共乳化剤は、本組成物の総重量に対して0.3重量%〜30重量%、好ましくは0.5重量%〜20重量%の範囲の割合で、本組成物中に存在する。
本発明で使用され得る油としては、以下を挙げてもよい:鉱油(液状ワセリン)、植物由来の油(アボカド油又は大豆油)、動物由来の油(ラノリン)、合成油(ペルヒドロスクアレン)、シリコーン油(シクロメチコーン)及びフルオロ油(ペルフルオロポリエーテル)。脂肪物質として、脂肪アルコール(セチルアルコール)、脂肪酸及びワックス(カルナバワックス又はオゾケライト)を使用してもよい。
本発明で使用され得る乳化剤及び共乳化剤の例としては、ポリエチレングリコールの脂肪酸エステル(例えば、PEG‐100ステアラート)、及びグリセロールの脂肪酸エステル(例えば、グリセリルステアラート)を挙げることができる。
挙げることができる親水性のゲル化剤/増粘剤は、特に以下を含む:カルボキシビニルポリマー(カルボマー)、アクリルコポリマー(例えば、アクリラート/アルキルアクリラートのコポリマー)、ポリアクリルアミド、ポリサッカリド、天然ゴム及び自然粘土。また、挙げることができる親油性のゲル化剤/増粘剤は、改質粘土(例えば、ベントン)、脂肪酸の無機塩、及び親水性シリカを含む。
活性剤に関しては、以下から選択される少なくとも1の化合物を本発明で使用される組成物中に導入することが有利だろう:剥離剤;保湿剤;脱色剤又は着色促進剤(propigmenting agents);糖化反応阻害剤(antiglycation agents);NO‐シンターゼ阻害剤;皮膚又は表皮高分子の合成促進剤及び/又はそれらの分解防止剤;線維芽細胞及び/又はケラチノサイトの増殖促進剤又はケラチノサイトの分化促進剤;他の筋弛緩剤及び/又は皮膚脱収縮剤;伸張剤;汚染防止剤及び/又はフリーラジカル消去剤;毛細血管循環作用剤;細胞のエネルギー代謝作用剤;及びそれらの混合物。
前記の追加的な化合物の例としては以下が挙げられる:レチノール及びその誘導体(例えば、レチニルパルミテート);アスコルビン酸及びその誘導体(例えば、マグネシウムアルコルビルホスフェート及びアスコルビルグルコシド);トコフェロール及びその誘導体(例えば、トコフェリルアセテート);ニコチン酸及びその前駆体(例えば、ニコチンアミド);ユビキノン;グルタチオン及びその前駆体(例えば、L‐2‐オキソチアゾリジン‐4‐カルボン酸);植物抽出物、特に植物性タンパク質及びその加水分解物、及び植物ホルモン;海産抽出物(例えば、藻類抽出物);細菌抽出物;サポゲニン(例えば、ジオスゲニン、及びジオスゲニンを含むヤマイモ科の植物抽出物、特に自然薯の抽出物;セラミド;ヒドロキシ酸(例えば、サリチル酸及び5‐n‐オクタノイルサリチル酸);レスベラトロル;オリゴペプチド及び擬ジペプチド、並びにそのアシル誘導体;マンガン及びマグネシウム塩、特にグルコナート;並びにそれらの混合物。
前述したとおり、本発明の組成物はまた、UVA‐活性及び/又はUVB‐活性光保護剤を含んでもよく、それらは有機又は無機化合物の形態であり、無機化合物の場合は、任意に、疎水性にするためにコーティングされてもよい。
有機光保護剤は特に以下から選択されてもよい:アントラニラート、特にメチルアントラニラート;ベンゾフェノン、特に、ベンゾフェノン‐1、ベンゾフェノン‐3、ベンゾフェノン‐5、ベンゾフェノン‐6、ベンゾフェノン‐8、ベンゾフェノン‐9、ベンゾフェノン‐12、好ましくは、ベンゾフェノン‐3(オキシベンゾン)又はベンゾフェノン‐4(BASF社から入手可能なUvinul MS40);ベンジリデンカンファー、特に、3‐ベンジリデンカンファー、ベンジリデンカンファースルホン酸、カンファーベンズアルコニウムメトサルフェート、ポリアクリルアミドメチルベンジリデンカンファー、テレフタリリデンジカンファースルホン酸、好ましくは、4‐メチルベンジリデンカンファー(Merck社から入手可能なEusolex 6300);ベンゾイミダゾール、特に、ベンゾイミダジレート(Haarmann&Reimer社から入手可能なNeo Heliopan AP)、又はフェニルベンゾイミダゾールスルホン酸(Merck社から入手可能なEusolex 232);ベンゾトリアゾール、特に、ドロメトリゾールトリシロキサン又はメチレンビス‐ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール(Ciba社から入手可能なTinosorb M);シンナマート、特に、シノキセート、DEAメトキシシンナマート、ジイソプロピルメチルシンナマート、グリセリルエチルヘキサノエートジメトキシシンナマート、イソプロピルメトキシシンナマート、イソアミルシンナマート、好ましくは、エトクリレン(BASF社から入手可能なUvinul N35)、オクチルメトキシシンナマート(Hoffmann La Roche社から入手可能なParsol MCX)、又はオクトクリレン(BASF社から入手可能なUvinul 539);ジベンゾイルメタン、特に、ブチルメトキシジベンゾイルメタン(Parsol 1789);イミダゾリン、特に、エチルヘキシルジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリン;PABA、特に、エチルジヒドロキシプロピルPABA、エチルヘキシルジメチルPABA、グリセリルPABA、PABA、PEG‐25 PABA,好ましくは、ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン(3V Sigma社から入手可能なUvasorb HEB)、エチルヘキシルトリアゾン(BASF社から入手可能なUvinul T150)、又はエチルPABA(ベンゾカイン);サリチラート、特に、ジプロピレングリコールサリチラート、エチルヘキシルサリチラート、ホモサラート、又はTEAサリチラート;トリアジン、特に、アニソトリアジン(Ciba社から入手可能なTinosorb S);ドロメトリゾールトリシロキサン。
無機光保護剤は、好ましくは、酸化亜鉛及び/又は二酸化チタンから成り、好ましくはナノメートルサイズであり、任意にアルミナ及び/又はステアリン酸でコーティングされてもよい。
本発明は、以下の非限定的な実施例によって説明されるだろう。これらの実施例において、量は重量%として表示される。
[実施例]
[実施例1]
1,4‐ビス(3‐フェニルプロピル)ピペラジンの合成
[実施例1]
1,4‐ビス(3‐フェニルプロピル)ピペラジンの合成
質量分析及びNMR分析は、予期された構造と一致していた。
[実施例2]
1‐[(2E)‐3‐フェニルプロパン‐2‐エニル]‐4‐(3‐フェニルプロピル)ピペラジンの合成
この化合物は、1‐ブロモ‐3‐フェニルプロパンの代わりにシンナモイルブロミドを用いて、実施例2のプロトコルに従って得てもよい。
1‐[(2E)‐3‐フェニルプロパン‐2‐エニル]‐4‐(3‐フェニルプロピル)ピペラジンの合成
この化合物は、1‐ブロモ‐3‐フェニルプロパンの代わりにシンナモイルブロミドを用いて、実施例2のプロトコルに従って得てもよい。
この化合物は、特にChembridge社(参照番号5428132)によって市販されている。
[実施例3]
1‐[4‐(3‐フェニルプロピル)ピペラジン‐1‐イル]オクタン‐3‐オンの合成
1‐[4‐(3‐フェニルプロピル)ピペラジン‐1‐イル]オクタン‐3‐オンの合成
質量分析及びNMR分析は、予期された構造と一致している。
[実施例4]
1‐[4‐(3‐フェニルプロピル)ピペラジン‐1‐イル]オクタン‐3‐オールの合成
1‐[4‐(3‐フェニルプロピル)ピペラジン‐1‐イル]オクタン‐3‐オールの合成
質量分析及びNMR分析は、予期された構造と一致している。
[実施例5]
1‐[2‐(ベンジルオキシ)エチル]‐4‐(3‐フェニルプロピル)ピペラジンの合成
1‐[2‐(ベンジルオキシ)エチル]‐4‐(3‐フェニルプロピル)ピペラジンの合成
質量分析及びNMR分析は、予期された構造と一致していた。
[実施例6]
1‐ヘプチル‐4‐(3‐フェニルプロピル)‐ピペラジンの合成
1‐ヘプチル‐4‐(3‐フェニルプロピル)‐ピペラジンの合成
質量分析及びNMR分析は、予期された構造と一致していた。
[実施例7]
本発明の誘導体による筋弛緩効果の実証
本発明の誘導体による筋弛緩効果の実証
実施例7A:神経筋の共培養試験における活性
実施例1及び実施例2の化合物を、神経筋の共培養モデルに対して試験した(この共培養モデルは、ラット胚由来の脊髄神経節及び脊髄の外植片を用いてヒトの横紋筋細胞に神経を分布させることによって、運動弓(motor arc)を再現することができる)。
実施例1及び実施例2の化合物を、神経筋の共培養モデルに対して試験した(この共培養モデルは、ラット胚由来の脊髄神経節及び脊髄の外植片を用いてヒトの横紋筋細胞に神経を分布させることによって、運動弓(motor arc)を再現することができる)。
ジアゼパムについて本出願人が実証したように、この試験はしわ防止効果を予測することができる(ジアゼパムはこのモデルで筋線維収縮を抑制し、そのしわ防止活性はin vivoで実証されている)。
a)プロトコル
健康なドナーの横紋筋サンプルから得たヒト筋細胞を、断面積が1.8cm2のウェル(24ウェル培養皿)に播く。10日間培養後、これらの細胞は単層を形成し、融合する。この段階で、13日齢のラットから胚由来の脊髄(脊髄神経節を含む)外植片を培養物上に被着させる。
健康なドナーの横紋筋サンプルから得たヒト筋細胞を、断面積が1.8cm2のウェル(24ウェル培養皿)に播く。10日間培養後、これらの細胞は単層を形成し、融合する。この段階で、13日齢のラットから胚由来の脊髄(脊髄神経節を含む)外植片を培養物上に被着させる。
1日培養後に、脊髄外植片から成長した神経突起が目に見える。5〜6日間共培養した後に、最初の筋線維収縮が観察され、3週間後には、外植片領域の全ての筋線維が収縮する。
筋線維が線状となり、かつ成熟した分化型神経筋接合部を有する21日後に、共培養物を使用する。
次いで、3つの異なる培養ウェルから通常の収縮(少なくとも1分間当たり60収縮)を示す筋線維を選択し、収縮数を30秒間計測する。試験する化合物をDMSOで希釈し、次いで、これらのウェル中で60秒間インキュベートする(実施例1の化合物の濃度は10μMであり、実施例2の化合物の濃度は10μM及び100μMである)。インキュベーションの終わりに、再度収縮数を30秒間計測する。この試験を3組に分けて行う。
b)結果
従って、本発明の化合物は、横紋筋の収縮を抑制し、それ故、顔の小じわを弛緩させ表情じわを伸ばすために使用され得る。
実施例7B:L型カルシウムチャネルとの結合試験における活性
a)プロトコル
L型カルシウムチャネルアゴニストの結合を競合的に抑制する、実施例1,4及び5(DMSOで1μMに希釈)の化合物の能力を評価した。
a)プロトコル
L型カルシウムチャネルアゴニストの結合を競合的に抑制する、実施例1,4及び5(DMSOで1μMに希釈)の化合物の能力を評価した。
この研究は、ラット大脳皮質ホモジネート(表面にL型カルシウムチャネルを含む単離膜)を用いて、Reynolds I.J. et al., 1986,J.Pharmacol.Exp.Ther.,237,p.731に記載の方法に従って実施した。
実験条件は以下のとおりである:
リガンド(ラベル化D888)のレセプター(L型カルシウムチャネル、ベラパミル部位)に対する特異的結合は、過剰の非放射性(非放射活性)リガンドの存在下で測定された、全結合と非特異的結合との間の差異として定義される。これらの結果は、試験化合物の存在下で、コントロールの特異的結合の抑制パーセントとして示される。
b)結果
さらに、実施例2の化合物が、50μMの濃度で、カルシウムチャネルに対するコントロールの特異的結合を50%抑制することが、同様の試験で示された。
本試験及び特許出願EP‐1 053 745の教示から、これらの化合物が、しわ、特に表情じわに対して有益な効果を有する可能性が高いと推測される。
[実施例8]
化粧品用組成物
この組成物は、当業者に通常の方法で調整される。この実施例で示される量は、重量%である。
化粧品用組成物
この組成物は、当業者に通常の方法で調整される。この実施例で示される量は、重量%である。
このクリームは、顔の緊張を和らげるため、また顔の皮膚を脱収縮させるために、顔及び額に適用されるよう企図されたものである。
Claims (17)
- 皮膚への局所適用に好適な生理学的に許容可能な媒体を含む組成物であり、以下の式(I):
Z基は各々独立して、フッ素原子、直鎖状のC1〜C6アルキル基若しくは分枝状のC3〜C6アルキル基、直鎖状のC2〜C6アルケニル基若しくは分枝状のC3〜C6アルケニル基、C3〜C6シクロアルキル基、CF3基、OR1基、NR1R2基、COR1基、COOR1基、CONR1R2基、又はN(R1)COR2基を意味し;
nは0〜5の範囲にあり:
Aは以下を意味し:
− 水素原子、
− 直鎖状のC1〜C20アルキル基又は分枝状のC3〜C20アルキル基、
− 直鎖状のC2〜C20アルケニル基又は分枝状のC3〜C20アルケニル基、
− C3〜C20シクロアルキル基、
(前記の基は、以下から選択される少なくとも1の基で任意に置換されている:オキソ基、OR1基、NR1R2基、COR1基、COOR1基、CONR1R2基、N(R1)COR2基、又は1〜5のZ基(前記のとおり定義されたもの)で任意に置換されたフェニル基)、
− 1〜5のZ基(前記のとおり定義されたもの)で任意に置換されたフェニル基;
Bは、水素原子、直鎖状のC1〜C6アルキル基若しくは分枝状のC3〜C6アルキル基、直鎖状のC2〜C6アルケニル基若しくは分枝状のC3〜C6アルケニル基、C3〜C6シクロアルキル基、OR1基、NR1R2基、COR1基、COOR1基、CONR1R2基、又はN(R1)COR2基を意味し;
(前記式中、R1及びR2は独立して、水素原子、フェニル基で任意に置換された直鎖状のC1〜C6アルキル基若しくは分枝状のC3〜C6アルキル基、直鎖状のC2〜C6アルケニル基若しくは分枝状のC3〜C6アルケニル基、C3〜C6シクロアルキル基、又はフェニル基を意味し;R1又はR2基は、それぞれ、同一又は異なっていてもよい);
破線は、二重結合が存在する可能性を意味し、二重結合が存在する場合、Aは、水素原子又はフェニル基以外であることが理解される。]
の化合物、並びにその塩、光学異性体、及び溶媒化合物から選択される少なくとも1のピペラジン誘導体を含む、組成物。 - 前記ピペラジン誘導体が、Bが水素原子である場合は、Aが任意に置換されたフェニル基以外であるものであることを特徴とする、請求項1記載の組成物。
- n=0であることを特徴とする、請求項1又は2記載の組成物。
- Aが以下の:
− 水素原子、
− 直鎖状のC1〜C8アルキル基又は分枝状のC3〜C8アルキル基、
− 直鎖状のC2〜C8アルケニル基又は分枝状のC3〜C8アルケニル基、
− C3〜C8シクロアルキル基、
(前記の基は、以下から選択される少なくとも1の基で任意に置換されている:オキソ基、OR1基、NR1R2基、又は1〜5のZ基(式(I)で定義されたもの)で任意に置換されたフェニル基)、又は
− 1〜5のZ基(前記式(I)で定義されたもの)で任意に置換されたフェニル基、
を意味することを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか1項記載の組成物。 - Aが水素原子、又はオキソ基、OR1基、若しくはフェニル基(式中、R1は、好ましくは水素原子を意味し、直鎖状のC1〜C6アルキル基又は分枝状のC3〜C6アルキル基(例えばメチル基)を意味してもよい)から選択される少なくとも1の基で任意に置換された直鎖状のC1〜C6アルキル基若しくは分枝状のC3〜C6アルキル基を意味することを特徴とする、請求項4記載の組成物。
- Bが水素原子;直鎖状のC1〜C6アルキル基若しくは分枝状のC3〜C6アルキル基;NR1R2基;COR1基;又はOR1基であり、前記式中、R1は、水素原子、又はフェニル基で任意に置換された直鎖状のC1〜C6アルキル基若しくは分枝状のC3〜C6アルキル基を意味することを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか1項記載の組成物。
- Bが水素原子、OR1基、又はCOR1基を意味し、前記式中、R1は、フェニル基で任意に置換された、直鎖状のC1〜C6アルキル基又は分枝状のC3〜C6アルキル基を意味することを特徴とする、請求項6記載の組成物。
- − Aは、フェニル基で任意に置換された直鎖状のC1〜C8アルキル基を意味し、Bは、水素原子又はヒドロキシル基を意味し、かつn=0であるか;
又は
− Aは水素原子を意味し、Bは、OR1基又はCOR1基を意味し、前記式中、R1はフェニル基で任意に置換された直鎖状のC1〜C6アルキル基を意味し、かつn=0である、
ことを特徴とする、請求項1乃至7のいずれか1項記載の組成物。 - しわを目立たなくするため及び/又は皮膚を脱収縮させるため及び/又は小じわを弛緩させるための作用剤としての、請求項1乃至8のいずれか1項で定義された少なくとも1のピペラジン誘導体の美容的使用。
- しわのある皮膚、特に顔の皮膚及び/又は額の皮膚を処置するための美容的処理方法であって、請求項1乃至8のいずれか1項で定義された組成物を前記皮膚へ局所適用することを含む、美容的処理方法。
- 前記組成物が、表情じわのある顔及び/又は額の領域、及び/又は表情じわのある人に適用されることを特徴とする、請求項10記載の処理方法。
- 以下の式(IIa)又は(IIb):
Z基は各々独立して、フッ素原子、直鎖状のC1〜C6アルキル基若しくは分枝状のC3〜C6アルキル基、直鎖状のC2〜C6アルケニル基若しくは分枝状のC3〜C6アルケニル基、C3〜C6シクロアルキル基、CF3基、OR1基、NR1R2基、COR1基、COOR1基、CONR1R2基、又はN(R1)COR2基を意味し;
nは0〜5の範囲にあり;
R1及びR2は独立して、水素原子、フェニル基で任意に置換された直鎖状のC1〜C6アルキル基若しくは分枝状のC3〜C6アルキル基、直鎖状のC2〜C6アルケニル基若しくは分枝状のC3〜C6アルケニル基、C3〜C6シクロアルキル基、又はフェニル基を意味し;R1又はR2基は、それぞれ、同一又は異なっていてもよく;かつ
A1及びA2は独立して、直鎖状のC1〜C19アルキル基若しくは分枝状のC3〜C19アルキル基、直鎖状のC2〜C19アルケニル基若しくは分枝状のC3〜C19アルケニル基、又はC3〜C19シクロアルキル基を意味し、前記の基は、以下から選択される少なくとも1の基で任意に置換されている:オキソ基、OR1基、NR1R2基、COR1基、COOR1基、CONR1R2基、N(R1)COR2基、又は1〜5のZ基(前記のとおり定義されたもの)で任意に置換されたフェニル基。]
のピペラジン誘導体。 - n=0であることを特徴とする、請求項12記載のピペラジン誘導体。
- R1が水素原子、又は直鎖状のC1〜C6アルキル基若しくは分枝状のC3〜C6アルキル基を意味することを特徴とする、請求項12又は13記載のピペラジン誘導体。
- A1及びA2が、有利に、置換されていない直鎖状のC1〜C6アルキル基又は分枝状のC3〜C6アルキル基を意味することを特徴とする、請求項12乃至14のいずれか1項記載のピペラジン誘導体。
- − A1は直鎖状のC1〜C6アルキル基を意味し、R1は水素原子を意味し、n=0であるか、
又は、
− A1は水素原子を意味し、R1はフェニル基で任意に置換された直鎖状のC1〜C6アルキル基を意味し、n=0である、
ことを特徴とする、請求項12乃至14のいずれか1項記載の式(IIa)のピペラジン誘導体。 - A2が直鎖状のC1〜C6アルキル基を意味し、n=0であることを特徴とする、請求項12乃至14のいずれか1項記載の式(IIa)のピペラジン誘導体。
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