JP2006298806A - 抗潰瘍作用を有するトルキノン化合物 - Google Patents
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Abstract
Description
近年、食生活の多様化やストレス社会により、胃潰瘍及び十二指腸潰瘍が生活習慣病として大きな問題になっている。
そして、現在、胃潰瘍及び十二指腸潰瘍の治療薬(抗潰瘍薬)としては、シメチジンやファモチジンを代表とするH2受容体拮抗薬に代わり、オメブラゾール、ランソブラゾール、ラベプラゾールナトリウムのような胃酸分泌機構の最終段階を阻害するプロトンポンプ阻害剤が主に使用されている。
しかしながら、このようなプロトンポンプ阻害剤は、胃酸分泌を強力に抑え、潰瘍を修復する優れた抗潰瘍作用を有するが、副作用として、下痢、嘔吐等の消化器障害、血液障害及び肝機能障害等を引き起こす恐れがあり、更に、長期投与の安全性が確認されていないため長期投与することができないという問題がある。
そして、現在、胃潰瘍及び十二指腸潰瘍の治療薬(抗潰瘍薬)としては、シメチジンやファモチジンを代表とするH2受容体拮抗薬に代わり、オメブラゾール、ランソブラゾール、ラベプラゾールナトリウムのような胃酸分泌機構の最終段階を阻害するプロトンポンプ阻害剤が主に使用されている。
しかしながら、このようなプロトンポンプ阻害剤は、胃酸分泌を強力に抑え、潰瘍を修復する優れた抗潰瘍作用を有するが、副作用として、下痢、嘔吐等の消化器障害、血液障害及び肝機能障害等を引き起こす恐れがあり、更に、長期投与の安全性が確認されていないため長期投与することができないという問題がある。
一方、従来、上記式(1)又は(2)で表されるトルキノン化合物は、血管弛緩作用、抗炎症作用、メラニン生成抑制作用及び抗菌作用を有し、脳循環改善剤、抗炎症剤、美白剤及び抗菌剤等として利用できるものとして知られていた(例えば、特許文献1参照)。
なお、現在主流の抗炎症剤である非ステロイド性抗炎症剤をはじめ、多くの抗炎症剤の作用機序は、プロスタグランジンの生成抑制作用である。
この作用により痛みや炎症は抑えられるが、胃粘膜において、その構成成分の一つであり、防御因子として働くプロスタグランジンの生成を抑制するため、胃潰瘍を誘発する。
一方、抗潰瘍薬の作用機序は、胃酸分泌抑制作用、胃粘膜保護・修復作用、胃粘膜保護因子増強作用等であり、当然ながら抗炎症剤とは作用機序が異なる。
更に、非ステロイド性抗炎症剤の臨床上の副作用として、胃潰瘍などの消化管傷害が最も多く問題になっており(例えば、非特許文献1参照)、副作用低減のために抗潰瘍薬を併用することも多い(例えば、非特許文献2及び非特許文献3参照)。従って、抗炎症剤と抗潰瘍薬とは、全く作用を異にしている。
特開平4−19259号公報
薬学雑誌123巻7号613−618、2003年
日本消化器病学会雑誌97巻5号551−559、2000年
日本消化器病学会雑誌99巻7号760−768、2002年
なお、現在主流の抗炎症剤である非ステロイド性抗炎症剤をはじめ、多くの抗炎症剤の作用機序は、プロスタグランジンの生成抑制作用である。
この作用により痛みや炎症は抑えられるが、胃粘膜において、その構成成分の一つであり、防御因子として働くプロスタグランジンの生成を抑制するため、胃潰瘍を誘発する。
一方、抗潰瘍薬の作用機序は、胃酸分泌抑制作用、胃粘膜保護・修復作用、胃粘膜保護因子増強作用等であり、当然ながら抗炎症剤とは作用機序が異なる。
更に、非ステロイド性抗炎症剤の臨床上の副作用として、胃潰瘍などの消化管傷害が最も多く問題になっており(例えば、非特許文献1参照)、副作用低減のために抗潰瘍薬を併用することも多い(例えば、非特許文献2及び非特許文献3参照)。従って、抗炎症剤と抗潰瘍薬とは、全く作用を異にしている。
そこで、従来の抗潰瘍薬と比べ、同等の抗潰瘍作用を有し、かつ副作用が少なく、長期使用することができる安全で有用な抗潰瘍薬の開発が望まれていた。
本発明者達は、上記事情に鑑みて、鋭意研究した結果、抗潰瘍薬の有効成分として利用できるとは考えられていなかった海藻から抽出された式(1)及び(2)
で表わされるトルキノン化合物が、優れた抗潰瘍作用を有し、かつ副作用が少なく、長期使用することができる抗潰瘍薬として有効な性質を有することを見出し、本発明を完成させた。
本発明によれば、式(1)及び(2)で表わされるトルキノン化合物、又は薬学的に許容できるその塩もしくはそのエステルを、有効成分として利用する事により、優れた抗潰瘍作用を有し、かつ副作用が少なく、長期使用することができる医薬品、特に抗潰瘍薬、又はその関連商品を得ることができる。
また、本発明によれば、式(1)及び(2)で表わされるトルキノン化合物は、天然に大量に存在する海藻、例えば、褐藻類ヒバマタ目(Fucales)のホンダワラ科の海藻、特にトゲモクから収率良く抽出・精製することができるため、上記のような医薬品又はその関連商品を容易に製造できるという効果も得られる。
また、本発明によれば、式(1)及び(2)で表わされるトルキノン化合物は、天然に大量に存在する海藻、例えば、褐藻類ヒバマタ目(Fucales)のホンダワラ科の海藻、特にトゲモクから収率良く抽出・精製することができるため、上記のような医薬品又はその関連商品を容易に製造できるという効果も得られる。
本発明の抗潰瘍薬は、有効成分として、式(1)又は(2)
で表わされるトルキノン化合物を含む。
トルキノン化合物は、天然のものでも合成のものでも良い。
また、トルキノン化合物は、薬学的に許容できる塩形態又はエステル形態であっても良い。
本発明において、式(1)及び(2)で表わされるトルキノン化合物は、例えば、褐藻類ヒバマタ目(Fucales)のホンダワラ科に属する海藻、特に、ヨレモク(Sargassum tortile)、ノコギリモク(Sargassum macroca
rpum)、アカモク(Sargassum hornei)、トゲモク(Sargassum micracantum)等から収率良く抽出・精製できる。
海藻からのトルキノン化合物の抽出工程は、新鮮又は乾燥した海藻を有機溶媒で抽出し、その後、抽出物から有機溶媒を除去することによって行われる。
有機溶媒としては、通常、メタノール、エタノール、酢酸エチル、アセトニトリル、クロロホルム等が使用されるが、2種以上を混合したものを使用してもよい。
抽出は、抽出率を高めるために、2回以上行うことが望ましく、その抽出毎に異なる有機溶媒を用いることができる。
抽出後の抽出物からの有機溶媒の除去は、例えば、遠心分離及び回転式蒸発濃縮機等の分離、濃縮手段によって行われる。
抽出工程を経て得られた抽出物は、直接、食品、化粧品、医薬品等の多様な分野に応用することができるが、必要に応じて、抽出物をエタノール等の有機溶媒又は極性の異なる溶媒に溶解し、分画することによって精製することもできる。また、シリカゲルカラムクロマトグラフィー等によって更に精製することもできる。
以下の実施例で、本発明の式(1)及び(2)で表わされるトルキノン化合物の抽出方法、精製方法、化学構造解析、及び抗潰瘍作用について詳細に説明するが、これは本発明の例示であり、本発明の技術的範囲を制限するものではない。
トルキノン化合物は、天然のものでも合成のものでも良い。
また、トルキノン化合物は、薬学的に許容できる塩形態又はエステル形態であっても良い。
本発明において、式(1)及び(2)で表わされるトルキノン化合物は、例えば、褐藻類ヒバマタ目(Fucales)のホンダワラ科に属する海藻、特に、ヨレモク(Sargassum tortile)、ノコギリモク(Sargassum macroca
rpum)、アカモク(Sargassum hornei)、トゲモク(Sargassum micracantum)等から収率良く抽出・精製できる。
海藻からのトルキノン化合物の抽出工程は、新鮮又は乾燥した海藻を有機溶媒で抽出し、その後、抽出物から有機溶媒を除去することによって行われる。
有機溶媒としては、通常、メタノール、エタノール、酢酸エチル、アセトニトリル、クロロホルム等が使用されるが、2種以上を混合したものを使用してもよい。
抽出は、抽出率を高めるために、2回以上行うことが望ましく、その抽出毎に異なる有機溶媒を用いることができる。
抽出後の抽出物からの有機溶媒の除去は、例えば、遠心分離及び回転式蒸発濃縮機等の分離、濃縮手段によって行われる。
抽出工程を経て得られた抽出物は、直接、食品、化粧品、医薬品等の多様な分野に応用することができるが、必要に応じて、抽出物をエタノール等の有機溶媒又は極性の異なる溶媒に溶解し、分画することによって精製することもできる。また、シリカゲルカラムクロマトグラフィー等によって更に精製することもできる。
以下の実施例で、本発明の式(1)及び(2)で表わされるトルキノン化合物の抽出方法、精製方法、化学構造解析、及び抗潰瘍作用について詳細に説明するが、これは本発明の例示であり、本発明の技術的範囲を制限するものではない。
実施例1:抽出工程
採集したホンダワラ科の海藻トゲモク420gをメタノール抽出し、溶媒を留去してメタノール抽出物9.3gを得た。得られたメタノール抽出物をクロロホルム:メタノール溶液(3:1)で溶解し、不溶物を除去後、溶媒を留去して可溶画分(1)6.7gを得た。
採集したホンダワラ科の海藻トゲモク420gをメタノール抽出し、溶媒を留去してメタノール抽出物9.3gを得た。得られたメタノール抽出物をクロロホルム:メタノール溶液(3:1)で溶解し、不溶物を除去後、溶媒を留去して可溶画分(1)6.7gを得た。
実施例2:化合物(1)の分画、精製工程
上記実施例1の可溶画分(1)から化合物(1)を精製するために、可溶画分(1)をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム:メタノール=95:5、9:1、5:1、1:1、0:1)により分離し、5画分を得た。その後、薄層クロマトグラフィー(TLC)板上で、Rf値が0.4(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)付近の主スポットを目標にして、クロロホルム:メタノール=5:1及び1:1の2画分を順相シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:2、2:1)、逆相シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(メタノール:水=5:1、9:1)により分離した後、順相モードの高性能液体クロマトグラフィー(Nacalai tesque,Cosmosil 5C18、20nm×250nm、ヘキサン:アセトン=3:1)を用いて精製し、無色油状の化合物(1)0.30gを単離した。
上記実施例1の可溶画分(1)から化合物(1)を精製するために、可溶画分(1)をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム:メタノール=95:5、9:1、5:1、1:1、0:1)により分離し、5画分を得た。その後、薄層クロマトグラフィー(TLC)板上で、Rf値が0.4(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)付近の主スポットを目標にして、クロロホルム:メタノール=5:1及び1:1の2画分を順相シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:2、2:1)、逆相シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(メタノール:水=5:1、9:1)により分離した後、順相モードの高性能液体クロマトグラフィー(Nacalai tesque,Cosmosil 5C18、20nm×250nm、ヘキサン:アセトン=3:1)を用いて精製し、無色油状の化合物(1)0.30gを単離した。
実施例3:化合物(1)の構造解析
得られた化合物(1)が、式(1)で表わされるトルキノン化合物(分子式:C27H40O4)であることを、高分解能質量スペクトル、赤外線吸収スペクトル、紫外線吸収スペクトル、1H−NMRスペクトル(CDCl3中)及び13C−NMRスペクトル(CDCl3中)を測定することにより確認した。
測定結果を下記に示す。
高分解能質量スペクトル(HRFABMS):m/z=451.2807([M+Na]+)(計算値m/Z=451.2824)
赤外線吸収スペクトル:(フィルム)Vmax=3400、2980、1680cm-1
紫外線吸収スペクトル:UV(EtOH)λmax=234nm、285nm、310nm
1H−NMRスペクトル(CDCl3中)及び13C−NMRスペクトル(CDCl3中):
得られた化合物(1)が、式(1)で表わされるトルキノン化合物(分子式:C27H40O4)であることを、高分解能質量スペクトル、赤外線吸収スペクトル、紫外線吸収スペクトル、1H−NMRスペクトル(CDCl3中)及び13C−NMRスペクトル(CDCl3中)を測定することにより確認した。
測定結果を下記に示す。
高分解能質量スペクトル(HRFABMS):m/z=451.2807([M+Na]+)(計算値m/Z=451.2824)
赤外線吸収スペクトル:(フィルム)Vmax=3400、2980、1680cm-1
紫外線吸収スペクトル:UV(EtOH)λmax=234nm、285nm、310nm
1H−NMRスペクトル(CDCl3中)及び13C−NMRスペクトル(CDCl3中):
実施例4:化合物(2)の分画、精製工程
上記実施例1の可溶画分(1)から化合物(2)を精製するために、可溶画分(1)をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム:メタノール=95:5、9:1、5:1、1:1、0:1)により分離し、5画分を得た。その後、薄層クロマトグラフィー(TLC)板上で、Rf値が0.4(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)付近の主スポットを目標にして、クロロホルム:メタノール=5:1及び1:1の2画分を順相シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:2、2:1)、逆相シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(メタノール:水=5:1、9:1)により分離した後、順相モードの高性能液体クロマトグラフィー(Nacalai tesque,Cosmosil 5C18、20nm×250nm、ヘキサン:アセトン=3:1)を用いて精製し、無色油状の化合物(2)1.30gを単離した。
上記実施例1の可溶画分(1)から化合物(2)を精製するために、可溶画分(1)をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム:メタノール=95:5、9:1、5:1、1:1、0:1)により分離し、5画分を得た。その後、薄層クロマトグラフィー(TLC)板上で、Rf値が0.4(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)付近の主スポットを目標にして、クロロホルム:メタノール=5:1及び1:1の2画分を順相シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:2、2:1)、逆相シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(メタノール:水=5:1、9:1)により分離した後、順相モードの高性能液体クロマトグラフィー(Nacalai tesque,Cosmosil 5C18、20nm×250nm、ヘキサン:アセトン=3:1)を用いて精製し、無色油状の化合物(2)1.30gを単離した。
実施例5:化合物(2)の構造解析
得られた化合物(2)が、式(2)で表わされるトルキノン化合物(分子式:C27H42O4)であることを、高分解能質量スペクトル、赤外線吸収スペクトル、紫外線吸収スペクトル、1H−NMRスペクトル(CDCl3中)及び13C−NMRスペクトル(CDCl3中)を測定することにより確認した。
測定結果を下記に示す。
高分解能質量スペクトル(HRFABMS):m/z=453.2960([M+Na]+)(計算値m/Z=453.2981)
赤外線吸収スペクトル:(フィルム)Vmax=3400、2980、1590cm-1
紫外線吸収スペクトル:UV(EtOH)λmax=230nm、265nm、334nm
1H−NMRスペクトル(CDCl3中)及び13C−NMRスペクトル(CDCl3中):
得られた化合物(2)が、式(2)で表わされるトルキノン化合物(分子式:C27H42O4)であることを、高分解能質量スペクトル、赤外線吸収スペクトル、紫外線吸収スペクトル、1H−NMRスペクトル(CDCl3中)及び13C−NMRスペクトル(CDCl3中)を測定することにより確認した。
測定結果を下記に示す。
高分解能質量スペクトル(HRFABMS):m/z=453.2960([M+Na]+)(計算値m/Z=453.2981)
赤外線吸収スペクトル:(フィルム)Vmax=3400、2980、1590cm-1
紫外線吸収スペクトル:UV(EtOH)λmax=230nm、265nm、334nm
1H−NMRスペクトル(CDCl3中)及び13C−NMRスペクトル(CDCl3中):
実施例6:化合物(1)及び化合物(2)とオメブラゾールの抗潰瘍作用の比較(ラット塩酸エタノール潰瘍抑制試験)
(1)試験方法
40時間絶食したSD系雄性ラットに化合物(1)、化合物(2)又はオメブラゾールを、それぞれ30mg/kg経口投与し、1時間後、60%エタノール溶液(150mM塩酸含有)5mL/kgを経口投与した。3時間後、ラットを致死させて胃を摘出し、胃内に10%ホルマリン生理食塩水溶液6mLを注入し、同液に浸漬して固定した。その後、胃を切開し、腺胃部に発生した潰瘍の長さを測定し、抗潰瘍作用を比較した。その結果を図1に示す。
図1において、*は、p<0.05(対溶媒群)を表わし、**は、p<0.01(対溶媒群)を表わす。
(2)試験結果
図1に示したように、化合物(1)及び化合物(2)は、オメプラゾールと同等の抗潰瘍作用を示し、溶媒(15%DMSO水溶液)群と比較して有意な潰瘍抑制作用を示した。
(1)試験方法
40時間絶食したSD系雄性ラットに化合物(1)、化合物(2)又はオメブラゾールを、それぞれ30mg/kg経口投与し、1時間後、60%エタノール溶液(150mM塩酸含有)5mL/kgを経口投与した。3時間後、ラットを致死させて胃を摘出し、胃内に10%ホルマリン生理食塩水溶液6mLを注入し、同液に浸漬して固定した。その後、胃を切開し、腺胃部に発生した潰瘍の長さを測定し、抗潰瘍作用を比較した。その結果を図1に示す。
図1において、*は、p<0.05(対溶媒群)を表わし、**は、p<0.01(対溶媒群)を表わす。
(2)試験結果
図1に示したように、化合物(1)及び化合物(2)は、オメプラゾールと同等の抗潰瘍作用を示し、溶媒(15%DMSO水溶液)群と比較して有意な潰瘍抑制作用を示した。
実施例7:実施例1の可溶画分とオメブラゾールの抗潰瘍作用の比較(ラット塩酸エタノール潰瘍抑制試験)
40時間絶食したSD系雄性ラットに実施例1の可溶画分60mg/kg又はオメブラゾール30mg/kgを経口投与し、1時間後、60%エタノール溶液(150mM塩酸含有)5mL/kgを経口投与した。3時間後、ラットを致死させて胃を摘出し、胃内に10%ホルマリン生理食塩水溶液6mLを注入し、同液に浸漬して固定した。その後、胃を切開し、腺胃部面積及びに腺胃部に発生した潰瘍面積を画像解析により測定し、潰瘍率(潰瘍面積/腺胃部面積)及びコントロール群に対する抑制率を比較した。結果を以下の表3に示す。
(2)試験結果
表3に示したように、実施例1の可溶画分は、オメプラゾールと同等の抗潰瘍作用を示した。
40時間絶食したSD系雄性ラットに実施例1の可溶画分60mg/kg又はオメブラゾール30mg/kgを経口投与し、1時間後、60%エタノール溶液(150mM塩酸含有)5mL/kgを経口投与した。3時間後、ラットを致死させて胃を摘出し、胃内に10%ホルマリン生理食塩水溶液6mLを注入し、同液に浸漬して固定した。その後、胃を切開し、腺胃部面積及びに腺胃部に発生した潰瘍面積を画像解析により測定し、潰瘍率(潰瘍面積/腺胃部面積)及びコントロール群に対する抑制率を比較した。結果を以下の表3に示す。
表3に示したように、実施例1の可溶画分は、オメプラゾールと同等の抗潰瘍作用を示した。
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JP2005121250A JP2006298806A (ja) | 2005-04-19 | 2005-04-19 | 抗潰瘍作用を有するトルキノン化合物 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101277794B1 (ko) | 2011-03-23 | 2013-06-27 | 대한민국 | 신규한 화합물 및 이의 용도 |
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2005
- 2005-04-19 JP JP2005121250A patent/JP2006298806A/ja active Pending
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KR101277794B1 (ko) | 2011-03-23 | 2013-06-27 | 대한민국 | 신규한 화합물 및 이의 용도 |
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