JP2006298361A - バッテリフォークリフト用ドライブユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】ドライブケース内に備えたセカンドギヤの内側に形成した空間に湿式ブレーキ部を配置することにより、ドライブユニット及びドライブユニット付近のコンパクト化を図ると共に、サービスブレーキ及びパーキングブレーキ用湿式ブレーキを作動させるための押し出し機構部を設けかつ湿式ブレーキの切れ代調整部を設けることで、湿式ブレーキの切れ代調整を容易なものとする。
【解決手段】ドライブケース2内に備えたセカンドギヤ13の内側に空間を形成して、ここに湿式ブレーキ部31を配置すると共に、この湿式ブレーキ部31は、セカンドギヤ13に内周全周を取付けたインナーディスク32と、このインナーディスク32に向き合うドライブケース2側に外周全周を取付けたアウターディスク33と、互いに向き合ったインナーディスク32とアウターディスク33を押圧するプレッシャプレート34とから構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、バッテリフォークリフト用ドライブユニットに関し、さらに詳細には、このドライブユニットの内部にブレーキを配置して、バッテリフォークリフトにおけるドライブユニット付近のコンパクト化を図ったバッテリフォークリフト用ドライブユニットに関する。
従来、バッテリフォークリフトにおけるドライブユニットとしては、図19に示すように、車体81に固着する左右のドライブケース82をそれぞれ備え、この左右のドライブケース82に左右に相対するように走行用モータ83をそれぞれ固着する。そして、この左右のドライブケース82内において、左右の走行用モータ83のモータ軸84にファーストギヤ85を嵌合すると共に、このファーストギヤ85に噛合するセカンドギヤ86を備え、このセカンドギヤ86からさらに複数のギヤを介してキャリア87につながる構成となっており、走行用モータ83より発生する動力をファーストギヤ85やセカンドギヤ86、その他のギヤを介してキャリア87に伝達するようにしている。そして、このキャリア87にはハブ88を固着し、ハブ88にタイヤ89を装着したホイール90を装着している。
また、左右の走行用モータ83にあっては、その相対する側に乾式単板ブレーキ91をそれぞれ装着しており、この乾式単板ブレーキ91によって制動を行うようにしていた。また、左右の走行用モータ83は、コントローラにより左右が同期するように制御されていた。
従来のバッテリフォークリフトにおけるドライブユニットにあっては、左右の走行用モータにおける相対する側に乾式単板ブレーキを装着していたが、この乾式単板ブレーキは大型であるため、左右の走行用モータ間に大きな空間が必要となり、このため、ドライブユニット全体が大型化してしまうといった問題があった。特に、車体幅方向である左右の大きさが大きくなるという問題があり、バッテリフォークリフトにおけるドライブユニット付近のコンパクト化に支障がでるといったことがあった。
本発明は、前述の各問題等を解消するため、バッテリフォークリフトにおけるドライブユニットにおいて、このドライブユニットの内部にブレーキを配置することにより、バッテリフォークリフトにおけるドライブユニット付近のコンパクト化を図ることを、その課題とする。
第一の発明は、ドライブケース内に、走行用モータのモータ軸に嵌合するファーストギヤと、このファーストギヤに噛合するセカンドギヤとを備えて、このファーストギヤとセカンドギヤを介して走行用モータより発生する動力をキャリアに伝達するようになるバッテリフォークリフト用ドライブユニットにおいて、ドライブケース内に備えたセカンドギヤの内側に空間を形成して、ここに湿式ブレーキ部を配置すると共に、この湿式ブレーキ部は、セカンドギヤに内周全周を取付けたインナーディスクと、このインナーディスクに向き合うドライブケース側に外周全周を取付けたアウターディスクと、互いに向き合ったインナーディスクとアウターディスクを押圧するプレッシャプレートとから構成する。
第二の発明は、第一の発明において、アウターディスクにおけるラジアル方向への移動を制限し、かつプレッシャプレートからの押圧と、アウターディスクとインナーディスクとがプレッシャプレートの押圧により密接して発生する摩擦制動トルクのすべてを受け止める取付け用ブロックを、ドライブケース側に固定する。
第三の発明は、第一又は第二の発明において、ドライブケース側に固着したシリンダブロックの内部にピストンを備え、このピストンの先に湿式ブレーキ部のプレッシャプレートに当接するロッドを固着し、かつピストンにおけるロッドと反対側にプッシュロッドを備えた構成とし、サービスブレーキ作動時には、流体用通路を介して流体を注入することにより、前記ピストンを動かし、ロッド先端を介してプレッシャプレートを押すことで、アウターディスクとインナーディスクとが密接してアウターディスクとインナーディスクにおいて摩擦制動トルクを発生させるようにすると共に、パーキングブレーキ作動時には、パーキングレバーに接続するワイヤーに連結したレバーを介してプッシュロッドを押し込むことにより、前記ピストンを動かし、ロッド先端を介してプレッシャプレートを押すことで、アウターディスクとインナーディスクとが密接してアウターディスクとインナーディスクにおいて摩擦制動トルクを発生させるようにする押し出し機構部を備える。
第四の発明は、第三の発明において、押し出し機構部のプッシュロッドを押し込むレバーの揺動を規制することにより、湿式ブレーキ部のインナーディスクとアウターディスクとにおける切れ代を調整する切れ代調整部を備える。
第五の発明は、第一又は第二の発明において、サービスブレーキ作動時には、流体用通路を介して流体を注入することにより、リングピストンを介してプレッシャプレートを押すことで、アウターディスクとインナーディスクとが密接してアウターディスクとインナーディスクにおいて摩擦制動トルクを発生させるようにし、パーキングブレーキ作動時には、パーキングレバーに接続するワイヤーに連結したレバーを介してこのレバーの揺動によってプレッシャプレートを押すことで、アウターディスクとインナーディスクとが密接してアウターディスクとインナーディスクにおいて摩擦制動トルクを発生させるようにした押し出し機構部を備えると共に、レバーの揺動を規制することにより、湿式ブレーキ部のインナーディスクとアウターディスクとにおける切れ代を調整する切れ代調整部を備える。
第六の発明は、第一又は第二の発明において、サービスブレーキ作動時及びパーキングブレーキ作動時には、パーキングレバーに接続するワイヤーとブレーキペダルの操作に連動するワイヤーとに連結したレバーを介してこのレバーの揺動によってプレッシャプレートを押すことで、アウターディスクとインナーディスクとが密接してアウターディスクとインナーディスクにおいて摩擦制動トルクを発生させるようにした押し出し機構部を備えると共に、レバーの揺動を規制することにより、湿式ブレーキ部のインナーディスクとアウターディスクとにおける切れ代を調整する切れ代調整部を備える。
本発明によれば、ドライブケース内に備えたセカンドギヤの内側に空間を形成して、ここに湿式ブレーキ部を配置したことにより、従来のようなドライブユニット付近におけるブレーキを配置するための大きな空間を不要とし、ドライブユニット及びドライブユニット付近のコンパクト化を図ることができる。
また、ブレーキ部をドライブケースによって完全に覆われた状態にすることができ、外部から泥や水等が浸入するのを無くして、ブレーキの故障といった問題を大幅に低減することができる。
しかも、湿式ブレーキ部のインナーディスクとアウターディスクとにおける切れ代を調整する切れ代調整部を備えたことにより、組み立て時または使用中のインナーディスクやアウターディスク等が摩耗した時でも、切れ代を極めて容易に適正な値に調整することができ、湿式ブレーキ部における各種の不具合を無くすことができる。しかも、このように湿式ブレーキ部の切れ代の調整は切れ代調整部による調整のみで良いことから、組み立て時または使用時における切れ代の調整作業の大幅な簡易化を図ることができ、常に最適な切れ代に調整することで、作業者が安心して車両を運転することができるようになる。
本発明によるバッテリフォークリフト用ドライブユニットの一実施形態について説明する。なお、このドライブユニットにあっては、車体の左右両側に相対するように配置した構成となるが、説明では左右の一方側のみで説明する。
図1に示すように、車体1にドライブケース2を固着し、このドライブケース2は略円錐台筒状のケース3とこのケース3に固着する略板状のカバー4とからなり、内部に空間を形成する中空状にしている。このドライブケース2の上部において、カバー3の車体内方側に走行用モータ5を固着して、走行用モータ5のモータ軸6をドライブケースの内部に向けて突き出るように配置する。
そして、このドライブケース2内において、走行用モータ5のモータ軸6にファーストギヤ11をスプライン嵌合する。このファーストギヤ11はドライブケース2のケース3とカバー4とに軸受け12を介して回転自在に支持される。そして、ファーストギヤ11の下側にセカンドギヤ13を噛合するように備える。このセカンドギヤ13は内側に空間を形成した形状にする。
さらに、このセカンドギヤ13中央の車体1外方側にサンギヤ14を固着し、このサンギヤ14の回りをリングギヤ15を介して公転するプラネタリギヤ16を備え、このプラネタリギヤ16をキャリア21に回転自在に固着する。このキャリア21の外周にはハブ22をスプライン嵌合しており、ハブ22は軸受け23を介してドライブケース2のケース3に回転自在に支持される。そして、このハブ22にタイヤ24を装着したホイール25をボルト26にて装着する。
以上の構成により、タイヤ24を装着したホイール25の駆動にあっては、走行用モータ5より発生する動力が、ファーストギヤ11からセカンドギヤ13、サンギヤ14に伝わり、このサンギヤ14からプラネタリギヤ16を介してキャリア21に伝わる。そして、キャリア21に嵌合するハブ22を介してホイール25へと伝わることで、ホイール25及びタイヤ24が駆動するようになる。
なお、セカンドギヤ13とサンギヤ14については、キャリア21中心を中心にして回転する。
また、ドライブケース2にあっては、内部にファーストギヤ11、セカンドギヤ13、サンギヤ14やプラネタリギヤ16等の複数のギヤを配置しており、これらのギヤの潤滑のための潤滑オイルを入れている。このため、ドライブケース2には適宜位置にオイルシールを備えている。
一方、このような構成となるドライブユニットにおいて、ドライブケース2内に備えたセカンドギヤ13は内側が刳り貫かれた形状とし、その内側に空間を形成する。
そして、このセカンドギヤ13の内側に形成した空間に湿式ブレーキ部31を配置し、この湿式ブレーキ部31は、基本的には、セカンドギヤ13に内周全周を取付けて回転自在となるインナーディスク32と、このインナーディスク32に向き合うドライブケース2側に外周全周を取付けて固定状態となるアウターディスク33と、互いに向き合ったインナーディスク32とアウターディスク33を押圧するプレッシャプレート34とから構成する。
この湿式ブレーキ部31について具体的に述べると、インナーディスク32は薄板のリング状となり、これを複数用意して、セカンドギヤ13の内周に形成したディスク取付け部35にそれぞれ取付ける。このとき、インナーディスク32はディスク取付け部35に内周全周にわたって取付けており、セカンドギヤ13に取付けることにより、キャリア21中心を中心にして回転自在となっている。
また、アウターディスク33も薄板のリング状となり、これを複数用意して、複数のインナーディスク32の間にインナーディスク32に向き合うように配置しつつ、ドライブケース2のカバー4に固定するリング状の取付け用ブロック36に取付ける。このとき、アウターディスク33はドライブケース2側となる取付け用ブロック36に外周全周にわたって取付けており、取付け用ブロック36に取付けることにより、アウターディスク33は固定状態となっている。この取付け用ブロック36へのアウターディスク33の取付けは、図2に示すように、アウターディスク33の外周に外側に突き出るようになるつめ部33aを例えば6個等間隔で形成すると共に、このアウターディスク33のつめ部33aに相対するようになる溝部36aを6個取付け用ブロック36に形成して、取付け用ブロック36の溝部36aにアウターディスク33のつめ部33aを嵌合させて取付けることで、アウターディスク33におけるラジアル方向(放射方向:アウターディスク33の外周外側)への移動を制限している。
また、ドライブケース2側である取付け用ブロック36にあっては、内フランジ部36bを形成しており、この内フランジ部36bによってプレッシャプレート34により押圧される側と反対となるインナーディスク32の側面全面を当接するようにしている。なお、インナーディスク32とアウターディスク33を交互に配置して、端部にアウターディスク33を配置した場合は、前述のインナーディスク32の代わりにアウターディスク33の側面全面が取付け用ブロック36の内フランジ部36bに当接するようになる。
このような構成となるドライブケース2側すなわちドライブケース2のカバー4に固定する取付け用ブロック36にあっては、アウターディスク33におけるラジアル方向への移動を制限すると共に、さらに、プレッシャプレート34からの押圧と、アウターディスク33とインナーディスク32とがプレッシャプレート34の押圧により密接して発生する摩擦制動トルクのすべてを受け止めることができる。
なお、このインナーディスク32とアウターディスク33とにあっては、インナーディスク32の表面のみに摩擦材を固着している。
また、インナーディスク32を取付けたセカンドギヤ13は、軸受け37を介してドライブケース2側の取付け用ブロック36に支持される。
インナーディスク32とアウターディスク33を押圧するプレッシャプレート34は略円板となり、その中心はキャリア21中心と同じ位置にして、ドライブケース2のカバー4に形成した円柱状のプレート支持部38に摺動自在に取付ける。このプレッシャプレート34の外周には周方向にわたって複数箇所に外周側に突き出た突出部39を設け、この突出部39に戻し用スプリング40を備える。これにより、プレッシャプレート34は戻し用スプリング40によってドライブケース2のカバー4側に押し付けられている。
そして、このプレッシャプレート34によるインナーディスク32とアウターディスク33への押圧を行うためにプレッシャプレート34をインナーディスク32及びアウターディスク33側に押し出す押し出し機構部41を備える。
この押し出し機構部41にあっては、内部にピストン42を備えたシリンダブロック43をドライブケース2のカバー4に図示していないボルト等によって固着し、このピストン42にはロッド44を一体的に固着しており、このロッド44先端がカバー4のプレート支持部38内を経てプレッシャプレート34に当接している。また、ピストン42にはロッド44の反対側にプッシュロッド45を一体的に備えている。なお、このピストン42、ロッド44、プッシュロッド45にあっては、その中心をキャリア21中心と同じ位置にし、ロッド44の先端がプレッシャプレート34の中心に当接するようにしている。
そして、このシリンダブロック43には流体例えば油を注入・排出する流体用通路46を形成して、ここに油等が注入されるとピストン42が動いてロッド44がプレッシャプレート34を押して、プレッシャプレート34をインナーディスク32及びアウターディスク33側に押し出す。この流体用通路46への油等の注入・排出については、サービスブレーキ作動のための図示しないブレーキペダルの操作に基づいて制御されている。また、ロッド44側の空間の空気を逃がすための空気孔47をカバー4に形成する。なお、この逃げ用の空気孔47はシリンダブロック43に形成するようにしても良い。
また、ロッド44側の空間の空気を逃がしたり入れたりするための空気孔47をカバー4あるいはシリンダブロック43に形成した場合、この空気孔47よりダストや雨水、泥水等が進入し、押し出し機構部41のピストン42の摺動面を破損させるおそれがあるが、これを防止するために、図3に示すように、ロッド44の外周側からシリンダブロック43側にわたって環状のゴム製の保護ブーツ57を装着し、ダストや雨水、泥水等が空気孔47より進入してもピストン42の摺動面には行かないような構造にしても良い。なお、押し出し機構部41のロッド44の摺動面(ドライブケース2のカバー4との)を保護するために、ロッド44とカバー4との間にリング状のシール58を備えるのも良い。
一方、シリンダブロック43には一対のブラケット48を介して揺動するレバー49を備えて、このレバー49の上端側はピストン42に備えたプッシュロッド45に当接してプッシュロッド45を押し込むようになると共に、下端側はパーキングレバーに接続するワイヤー50に連結している。
この押し出し機構部41では、ドライブケース2側に固着したシリンダブロック43の内部にピストン42を備え、このピストン42の先にロッド44を固着し、かつピストン42におけるロッド44と反対側にプッシュロッド45を備えた構成とすることで、サービスブレーキ作動時、パーキングブレーキ作動時どちらの作動時にもピストン42及びロッド44を介してプレッシャプレート34を押すことができ、しかも、押し出し機構部41自体の構造を非常に単純かつ簡単な構造にすることができ、故障といった不具合の発生を抑えつつ、安価に提供することができる。
また、湿式ブレーキ部31のインナーディスク32とアウターディスク33とにおける切れ代を調整する切れ代調整部71を備える。なお、この切れ代とは、湿式ブレーキ部31において、インナーディスク32とアウターディスク33とが密接していないすなわちインナーディスク32とアウターディスク33との各間に間隙が存在してインナーディスク32とアウターディスク33とにおいて摩擦制動トルクが発生していない状態であるブレーキ動作していない状態から、インナーディスク32とアウターディスク33とが密接してインナーディスク32とアウターディスク33とにおいて摩擦制動トルクが発生する状態であるブレーキ動作する状態までのインナーディスク32とアウターディスク33とにおける軸方向の総動き量である。そして、この切れ代において、その値が適正でないと、サービスブレーキ作動のためのブレーキペダルの操作において、ブレーキペダルの踏み込み量が深く(大きく)なって、作業者がブレーキペダルを踏んでもなかなかブレーキが作動しないといった不具合が起こるおそれがあったり、あるいはパーキングブレーキ作動のためのパーキングレバーの操作にあっても、作業者がパーキングレバーを操作してもブレーキの効きが悪いといった不具合が起こるおそれがあった。
そこで、これらの不具合を無くすために、容易に切れ代を調整するための切れ代調整部71を備えるようにする。この切れ代調整部71にあっては、図4に示すように、押し出し機構部41のシリンダブロック43の下部に突出量を変更可能とする調整ボルト72を設け、この調整ボルト72を所定の突出量で固定するためのロックナット73を備えると共に、この調整ボルト72が突き当たる小突起状の突き当て部74をレバー49に形成する。そして、この切れ代調整部71における調整ボルト72がレバー49に形成した突き当て部74に突き当たることで、レバー49の揺動を規制し、このレバー49の規制により、押し出し機構部41のピストン42とプッシュロッド45とロッド44とを介して湿式ブレーキ部31のプレッシャプレート34を規制し、このプレッシャプレート34が所定の間隔以上に空かないようにプレッシャプレート34を押さえるようにしており、この切れ代調整部71における調整ボルト72の突出量を調整することによって、湿式ブレーキ部31のインナーディスク32とアウターディスク33とにおける切れ代を適正な値に調整する。この時、カバー4とプレッシャプレート34の間には、調整に必要なスキマδを設ける必要がある。
このように押し出し機構部41のプッシュロッド45を押し込むレバー49の揺動を規制することにより、湿式ブレーキ部31のインナーディスク32とアウターディスク33とにおける切れ代を調整する切れ代調整部71を備えたことで、湿式ブレーキ部31のインナーディスク32とアウターディスク33とにおける切れ代を常に適正な値にすることができ、前述したブレーキペダルの操作における不具合やパーキングレバーの操作における不具合を無くすことができ、これにより、湿式ブレーキ部31における切れ代を適正な値に調整するために、従来行っていた厚みの少し異なるいろいろなインナーディスク32やアウターディスク33を水準で組み合わせて切れ代を調整する等の面倒な作業を無くすことができる。
しかも、湿式ブレーキ部31では、従来、切れ代を適正な値にするために組み立て時において、湿式ブレーキ部31のインナーディスク32やアウターディスク33やプレッシャプレート34の規格値(厚さ方向の寸法精度)を高め、また、押し出し機構部41のピストン42やロッド44やプッシュロッド45、さらにはレバー49の規格値(寸法精度)までも高める必要があったが、切れ代調整部71を備えたことで、組み立て後に切れ代調整部71により切れ代を調整できることから、組み立て時の作業を容易なものにして、面倒な作業を無くすことができる。また、湿式ブレーキ部31において使用を重ねるとインナーディスク32やアウターディスク33等が徐々に摩耗して、切れ代が大きくなってゆくが、インナーディスク32やアウターディスク33等の許容摩耗限界内であれば、切れ代調整部71により切れ代を調整することにより、最適な切れ代に調整することができ、ドライブケース2を分解してインナーディスク32やアウターディスク33等をわざわざ交換するといった作業を無くし、許容摩耗限界まで使用することができ、無駄なく効率良くインナーディスク32やアウターディスク33等を最後まで使用することができる。
なお、この切れ代調整部71における調整ボルト72及び突き当て部74の位置については、レバー49の揺動中心位置から当該レバー49が当接するプッシュロッド45までの寸法αに対して、レバー49の揺動中心位置から調整ボルト72及び突き当て部74の位置までの寸法βが大きくなる位置にするのが良い。このように寸法βを寸法αより大きくすることで、寸法βと寸法αの比により、湿式ブレーキ部31のインナーディスク32とアウターディスク33とにおける切れ代が増幅させるので、調整ボルト72の突出量の調整が(調整量が大きくなることで)容易なものになり、これにより、湿式ブレーキ部31のインナーディスク32とアウターディスク33とにおける切れ代において、微調整を容易に行うことができる。
ただし、この切れ代調整部71にあっては、これに限定されるものではなく、前述の切れ代調整部71とは逆の構造、すなわち押し出し機構部41のシリンダブロック43の下部に小突起状の突き当て部74を形成すると共に、このシリンダブロック43に形成した突き当て部74に突き当たる突出量を変更可能とする調整ボルト72をレバー49に設けて、この調整ボルト72を所定の突出量で固定するためのロックナット73も備えて、レバー49の揺動を調整ボルト72によって規制するようにし、湿式ブレーキ部31における切れ代を適正な値に調整するようにしても良い。さらに、図5に示すように、レバー49の上部であって押し出し機構部41のプッシュロッド45と同一高さとなる位置に小突起状の突き当て部74を形成すると共に、レバー49の上部に形成した突き当て部74に突き当たる突出量を変更可能とする調整ボルト72及びロックナット73を車体1側のブラケットに設けるようにしても良い。
次に、この押し出し機構部41及び湿式ブレーキ部31の動作について説明する。
作業者がブレーキペダルを踏んでサービスブレーキを作動すると、シリンダブロック43の流体用通路46に油等が注入され、ピストン42及びロッド44を介してプレッシャプレート34を動かして、プレッシャプレート34によってインナーディスク32とアウターディスク33を押圧することで、このインナーディスク32とアウターディスク33とが密接してインナーディスク32とアウターディスク33とにおいて摩擦制動トルクが発生し、セカンドギヤ13の回転を止める。これにより、タイヤ24、ホイール25、ハブ22、キャリア21、プラネタリギヤ16、サンギヤ14を介して伝達される車両の慣性エネルギーを遮断して、制動を行うようになる。
そして、作業者がブレーキペダルを離してサービスブレーキの作動を解除すると、シリンダブロック43の流体用通路46への油等の注入が停止され、戻し用スプリング40によってプレッシャプレート34がドライブケース2のカバー4側に戻り、インナーディスク32とアウターディスク33の押圧を解除することで、セカンドギヤ13を回転させる。これにより、走行用モータ5より動力がキャリア21に伝達して、ハブ22及びホイール25が回転するようになる。
一方、作業者がパーキングレバーを引いてパーキングブレーキを作動すると、ワイヤー50を介してレバー49が揺動し、プッシュロッド45を押して、ピストン42及びロッド44を介してプレッシャプレート34を動かして、プレッシャプレート34によってインナーディスク32とアウターディスク33を押圧することで、このインナーディスク32とアウターディスク33とが密接してインナーディスク32とアウターディスク33とにおいて摩擦制動トルクが発生し、セカンドギヤ13の回転を止める。これにより、タイヤ24、ホイール25、ハブ22、キャリア21、プラネタリギヤ16、サンギヤ14を介して伝達される車両の慣性エネルギーを遮断して、制動を行うようになる。
また、作業者がパーキングレバーを戻してパーキングブレーキの作動を解除すると、レバー49によるプッシュロッド45が押されるのが停止され、戻し用スプリング40によってプレッシャプレート34がドライブケース2のカバー4側に戻り、インナーディスク32とアウターディスク33の押圧を解除することで、セカンドギヤ13を回転させる。これにより、走行用モータ5より動力がキャリア21に伝達して、ハブ22及びホイール25が回転するようになる。
なお、前述した一実施形態の中で、押し出し機構部41において、ピストン42とロッド44及びプッシュロッド45を一体的にした構造としていたが、これを、図6に示すように、ピストン42とロッド44に対してプッシュロッド45を別体とした二分割構造のものにしても良く、また、ピストン42、ロッド44、プッシュロッド45をそれぞれ別体とした三分割構造のものにしても良い。このように分割した構造にすることで、加工及び製作を容易なものにし、製作コストを低減することもできる。一方、押し出し機構部41を、ピストン42とロッド44とプッシュロッド45とから構成するのではなく、図7に示すように、ピストン42とプッシュロッド45とから構成すると共に、プレッシャプレート34に前記ロッド44に相当するロッド部59を一体的に形成し、プレッシャプレート34におけるロッド部59が押し出し機構部41におけるピストン42に直接当接する構造にしても良い。
このような構成となるバッテリフォークリフト用ドライブユニットにあっては、ドライブケース2内に備えたセカンドギヤ13を内側が刳り貫かれた形状にして内側に空間を形成すると共に、このセカンドギヤ13の内側に形成した空間に湿式ブレーキ部31を配置することにより、従来のようなブレーキを配置するための大きな空間を不要とし、ドライブユニット及びこの付近のコンパクト化を図ることができ、強いては、バッテリフォークリフトとしての小型化及び軽量化を行うことができる。特に、従来の走行用モータに乾式単板ブレーキを装着したものでは車体幅方向における寸法が非常に大きくなるといった問題があったが、本発明のようにドライブケース2内のセカンドギヤ13の内側に湿式ブレーキ部31を配置することで、車体1幅方向における寸法を小さくすることができる。
また、湿式ブレーキ部31をドライブケース2内に備えたセカンドギヤ13の内側に配置したことにより、湿式ブレーキ部31はドライブケース2によって完全に覆われた状態となり、この湿式ブレーキ部31に外部から泥や水等が浸入するのを無くすことができ、ブレーキの故障といった問題を大幅に低減することができる。しかも、湿式ブレーキ部31を潤滑するためのオイルとしては、ドライブケース2内に入れた各種のギヤを潤滑のための潤滑オイルで兼用することで、湿式ブレーキ部31専用のオイルを不要とし、湿式ブレーキとして非常に安価にすることができる。
一方、湿式ブレーキ部31におけるインナーディスク32とアウターディスク33にあっては、セカンドギヤ13のディスク取付け部35あるいはドライブケース2のカバー4に固定する取付け用ブロック36に、その内周全周にわたってあるいは外周全周にわたって取付けたことにより、インナーディスク32、アウターディスク33を強固にかつ確実に取付けることができ、ここでの強度上の問題を無くすことができる。しかも、この取付け用ブロック36の内フランジ部36bにプレッシャプレート34により押圧される側と反対となるインナーディスク32の側面全面を当接して、この内フランジ部36bによってインナーディスク32を保持するようになることで、この取付け用ブロック36によって、プレッシャプレート34から受ける押圧と、アウターディスク33及びインナーディスク32がプレッシャプレート34の押圧により密接して発生する摩擦制動トルクとのすべての力を受け止めることができ、プレッシャプレート34からの強い押圧力を受けても確実にこれを受け止めて、プレッシャプレート34からの押圧力を強くすることができ、強力なブレーキ力を安定して発揮することができる。
また、表面に摩擦材を固着したインナーディスク32をセカンドギヤ13側に取付けて、セカンドギヤ13と共にインナーディスク32を回転させるようにしたことにより、インナーディスク32の表面に固着する摩擦材の偏った減りを抑えることができ、インナーディスク32表面の摩擦材の減りを遅らせることで、インナーディスク32の交換時期を伸ばしてインナーディスク32を長期にわたって使用することができ、湿式ブレーキ部31のメンテナンスコストを低減することができる。これは、ドライブケース2内に入れた潤滑オイルが、通常、湿式ブレーキ部31におけるインナーディスク32またはアウターディスク33の2分の1程度の高さまでしか満たされていないため、インナーディスク32またはアウターディスク33の上端に所望の量の潤滑オイルがなかなか達しない。このため、例えば、摩擦材を固着したインナーディスク32を固定して、アウターディスク33を回転させる構造(方式)の場合、インナーディスク32の上端への潤滑オイルが不足して、このインナーディスク32の上端の摩擦材がすぐに減ってしまいインナーディスク32の摩擦材の偏った減り(上側が減る)が発生する。これにより、インナーディスク32を早期に交換しなければならなくなる。しかしながら、本実施形態のように表面に摩擦材が固着したインナーディスク32を回転させることで、インナーディスク32は一回転する度に全体が潤滑オイル内に浸るため、常に全体に潤滑オイルが行き渡るようになる。これにより、インナーディスク32の表面に固着した摩擦材の減りを抑えることができるようにしている。
なお、潤滑オイルを増やすことで上記のインナーディスク32の摩擦材の偏った減りという問題を解消することは可能ではあるが、潤滑オイルを増やすと、ディスクのつれ回りトルクが大きくなることにより、走行用モータ5の消費電力が大きくなる他、油もれを起こし易くなる等の問題が生じる。
次に、本発明によるバッテリフォークリフト用ドライブユニットの実施形態における別の例について複数説明する。基本的には、前述した実施形態と略同様であるが、押し出し機構部41において大きく異なる。
第一の例としては、図8や図9に示すように、まず、プレッシャプレート34はドライブケース2のカバー4のプレート支持部38に摺動自在に取付け、プレート支持部38の周囲に配置する戻し用スプリング51によってドライブケース2のカバー4側に押し付けられている。
そして、押し出し機構部41にあっては、カバー4におけるプレート支持部38の周囲に摺動自在となる筒状のリングピストン52を備えており、このリングピストン52の先端がプレッシャプレート34に当接している。そして、カバー4に形成する流体用通路53に油等が注入されるとリングピストン52が動いてプレッシャプレート34を押して、プレッシャプレート34をインナーディスク32及びアウターディスク33側に押し出す。なお、この流体用通路53への油等の注入・排出については、図示しないブレーキペダルの操作に基づいて制御されている。
一方、カバー4にはブラケット54を介して揺動するレバー55を備えて、このレバー55の上端側の左右両側にプッシュロッド56をそれぞれ備える。この左右のプッシュロッド56はカバー4内を経てプレッシャプレート34に当接している。また、レバー55の下端側はパーキングレバーに接続するワイヤー50に連結している。
また、湿式ブレーキ部31のインナーディスク32とアウターディスク33とにおける切れ代を調整する切れ代調整部71を備え、この切れ代調整部71は、前述した一実施形態と略同様の構成であり、ドライブケース2のカバー4に調整ボルト72及びロックナット73を設けると共に、レバー55に小突起状の突き当て部74を形成して、レバー55の揺動を調整ボルト72によって規制するようにし、湿式ブレーキ部31における切れ代を適正な値に調整する。
このようにプレッシャプレート34をインナーディスク32及びアウターディスク33側に押し出す手段として、ブレーキペダルを踏んでサービスブレーキを作動したときに作動するリングピストン52を用いた手段と、パーキングレバーを引いてパーキングブレーキを作動したときに作動する左右のプッシュロッド56を用いた手段の二つの手段とし、これらの手段を全く別物にしたことで、何らかのトラブルで一方の手段が故障しても、残りの手段によってプレッシャプレート34をインナーディスク32及びアウターディスク33側に押し出して、制動を行うことができ、極めて安全な構造にすることができる。
次に、第二の例としては、図10に示すように、まず、プレッシャプレート34はドライブケース2のカバー4のプレート支持部38に摺動自在に取付け、プレート支持部38の周囲に配置する戻し用スプリング51によってドライブケース2のカバー4側に押し付けられている。
そして、押し出し機構部41にあっては、前述の第一の例と同様、カバー4におけるプレート支持部38の周囲に摺動自在となる筒状のリングピストン52を備えており、このリングピストン52の先端がプレッシャプレート34に当接している。そして、カバー4に形成する流体用通路53に油等が注入されるとリングピストン52が動いてプレッシャプレート34を押して、プレッシャプレート34をインナーディスク32及びアウターディスク33側に押し出す。なお、この流体用通路53への油等の注入・排出については、図示しないブレーキペダルの操作に基づいて制御されている。
一方、カバー4にはプレッシャプレート34に相対する側にリング状のリングプレート61をノックピン62を介して取付けており、このリングプレート61とプレッシャプレート34の間に周方向にわたって複数のボール体63を配置する。図11や図12(a)に示すように、このボール体63を配置した箇所のリングプレート61とプレッシャプレート34とにはそれぞれ半楕円体状の傾斜溝64を形成し、ここにボール体63が収納される。そして、カバー4の下端に軸体65を備えて、この軸体65の一方には揺動するレバー66を固着し、このレバー66の上端側にパーキングレバーに接続するワイヤー50に連結する。また、軸体65の他方には揺動するアーム67を固着し、このアーム67はその上端のU溝68を介して、プレッシャプレート34の下端に固着するピン69に係合する。
また、湿式ブレーキ部31のインナーディスク32とアウターディスク33とにおける切れ代を調整する切れ代調整部71を備え、この切れ代調整部71は、前述した各実施形態及び例と略同様の構成であり、図13に示すように、車体1側のブラケットに調整ボルト72及びロックナット73を設けると共に、レバー66の側面に小突起状の突き当て部74を形成して、レバー66の揺動を調整ボルト72によって規制するようにし、湿式ブレーキ部31における切れ代を適正な値に調整する。
このようになる押し出し機構部41の動作について説明すると、作業者のブレーキペダルの操作により、カバー4の流体用通路53への油等の注入・排出が行われ、リングピストン52を介してプレッシャプレート34を動かして、プレッシャプレート34によるインナーディスク32とアウターディスク33の押圧または解除を行うようになる。
一方、作業者がパーキングレバーを引いてパーキングブレーキを作動すると、ワイヤー50を介してレバー66が揺動し、レバー66の揺動に連動してアーム67も揺動する。このアーム67の揺動によりプレッシャプレート34がカバー4におけるプレート支持部38の回りで僅かに回転する。そして、プレッシャプレート34の僅かな回転により、図12(b)に示すように、プレッシャプレート34とリングプレート61のそれぞれに形成した傾斜溝64内に収納されたボール体63が傾斜溝64内よりずれ出し、プレッシャプレート34とリングプレート61との間隙を広げる。このボール体63におけるプレッシャプレート34とリングプレート61との間隙を広げる動作により、プレッシャプレート34を動かして、プレッシャプレート34によってインナーディスク32とアウターディスク33を押圧するようになる。
また、作業者がパーキングレバーを戻してパーキングブレーキの作動を解除すると、今度はレバー66が元に戻り、アーム67を介してプレッシャプレート34も元に戻る。これにより、プレッシャプレート34とリングプレート61との間に配置されたボール体63もプレッシャプレート34とリングプレート61のそれぞれに形成した傾斜溝64内に収納されて、プレッシャプレート34とリングプレート61との間隙が狭まり元に戻る。そして、プレッシャプレート34とリングプレート61との間隙が元に戻ることで、プレッシャプレート34によるインナーディスク32とアウターディスク33の押圧が解除されるようになる。
なお、この第二の例の変形について説明すると、図14に示すように、プレッシャプレート34とリングプレート61の間にボール体63を配置するのではなく、リングプレート61とカバー4とに半楕円体状の傾斜溝64を形成し、このリングプレート61とカバー4の間にボール体63を配置する。そして、軸体65に固着したアーム67もプレッシャプレート34に係合するのではなく、リングプレート61の下端に係合させる。これにより、レバー66の揺動によりリングプレート61が僅かに回転するようになり、このリングプレート61の僅かな回転により、ボール体63が傾斜溝64よりずれ出し、リングプレート61がカバー4に対して間隙を広げるように動いて、プレッシャプレート34を動かすようになる。
また、第二の例の変形においても、湿式ブレーキ部31のインナーディスク32とアウターディスク33とにおける切れ代を調整する切れ代調整部71を備えて、この切れ代調整部71は、前述した各実施形態及び例と略同様の構成であり、図15に示すように、車体1側のブラケットに調整ボルト72及びロックナット73を設けると共に、レバー66の側面に小突起状の突き当て部74を形成して、レバー66の揺動を調整ボルト72によって規制するようにし、湿式ブレーキ部31における切れ代を適正な値に調整する。
次に、第三の例としては、基本的には、前述した第二の例あるいは第二の例の変形と略同じであるが、図16や図17に示すように、押し出し機構部41の一部において異なる。これは、前述した第二の例あるいは第二の例の変形では、カバー4にブレーキペダルの操作に基づいて油等が注入・排出される流体用通路53を形成していたが、第三の例では、この流体用通路53を無くした構成とするものである。そして、この流体用通路53を無くした代わりに、ブレーキペダルの操作に基づいてレバー66が揺動するようにレバー66にブレーキペダルの操作に連動するワイヤー70を連結するようにしている。
また、これらの第三の例においても、湿式ブレーキ部31のインナーディスク32とアウターディスク33とにおける切れ代を調整する切れ代調整部71を備えて、この切れ代調整部71は、前述した各実施形態及び例と略同様の構成であり、図18に示すように、車体1側のブラケットに調整ボルト72及びロックナット73を設けると共に、レバー66の側面に小突起状の突き当て部74を形成して、レバー66の揺動を調整ボルト72によって規制するようにし、湿式ブレーキ部31における切れ代を適正な値に調整する。
このようにカバー4に流体用通路53を形成するのを無くした構成とし、ブレーキペダルの操作もパーキングレバーの操作も共に一つのレバー66に伝わるようにして、このレバー66の揺動によりプレッシャプレート34を動かし、プレッシャプレート34によってインナーディスク32とアウターディスク33を押圧可能にしたことで、流体を供給するための各種の油圧機器を無くすことができ、構造を簡単かつ単純なものすることで、故障等の不具合の発生を大幅に無くすことができ、しかも、これを極めて安価に提供することができる。
本発明のバッテリフォークリフト用ドライブユニットの説明図である。 アウターディスクの取付け状態を示す説明図である。 保護ブーツを有した押し出し機構部の説明図である。 切れ代調整部の説明図である。 切れ代調整部の他の例の説明図である。 押し出し機構部の他の例の説明図である。 プレッシャプレート及び押し出し機構部の他の例の説明図である。 本発明のバッテリフォークリフト用ドライブユニットにおける別の例を示す説明図である。 図8におけるZ−Z矢視図である。 本発明のバッテリフォークリフト用ドライブユニットにおける別の例を示す説明図である。 押し出し機構部を説明する概略分解斜視図である。 (a)ボール体によるプレッシャプレートとリングプレートの動作状態を示す説明図である。 (b)ボール体によるプレッシャプレートとリングプレートの動作状態を示す説明図である。 図10におけるA矢視図である。 本発明のバッテリフォークリフト用ドライブユニットにおける別の例を示す説明図である。 図14におけるB矢視図である。 本発明のバッテリフォークリフト用ドライブユニットにおける別の例を示す説明図である。 本発明のバッテリフォークリフト用ドライブユニットにおける別の例を示す説明図である。 図16又は図17におけるC矢視図である。 従来のバッテリフォークリフト用ドライブユニットの説明図である。
符号の説明
1…車体、2…ドライブケース、3…ケース、4…カバー、5…走行用モータ、6…モータ軸、11…ファーストギヤ、12…軸受け、13…セカンドギヤ、14…サンギヤ、15…リングギヤ、16…プラネタリギヤ、21…キャリア、22…ハブ、23…軸受け、24…タイヤ、25…ホイール、26…ボルト、31…湿式ブレーキ部、32…インナーディスク、33…アウターディスク、33a…つめ部、34…プレッシャプレート、35…ディスク取付け部、36…取付け用ブロック、36a…溝部、36b…内フランジ部、37…軸受け、38…プレート支持部、39…突出部、40…戻し用スプリング、41…押し出し機構部、42…ピストン、43…シリンダブロック、44…ロッド、45…プッシュロッド、46…流体用通路、47…空気孔、48…ブラケット、49…レバー、50…ワイヤー、51…戻し用スプリング、52…リングピストン、53…流体用通路、54…ブラケット、55…レバー、56…プッシュロッド、57…保護ブーツ、58…シール、59…ロッド部、61…リングプレート、62…ノックピン、63…ボール体、64…傾斜溝、65…軸体、66…レバー、67…アーム、68…U溝、69…ピン、70…ワイヤー、71…切れ代調整部、72…調整ボルト、73…ロックナット、74…突き当て部、81…車体、82…ドライブケース、83…走行用モータ、84…モータ軸、85…ファーストギヤ、86…セカンドギヤ、87…キャリア、88…ハブ、89…タイヤ、90…ホイール、91…乾式単板ブレーキ。

Claims (6)

  1. ドライブケース2内に、走行用モータ5のモータ軸6に嵌合するファーストギヤ11と、このファーストギヤ11に噛合するセカンドギヤ13とを備えて、このファーストギヤ11とセカンドギヤ13を介して走行用モータ5より発生する動力をキャリア21に伝達するようになるバッテリフォークリフトのドライブユニットにおいて、
    ドライブケース2内に備えたセカンドギヤ13の内側に空間を形成して、ここに湿式ブレーキ部31を配置すると共に、この湿式ブレーキ部31は、セカンドギヤ13に内周全周を取付けたインナーディスク32と、このインナーディスク32に向き合うドライブケース2側に外周全周を取付けたアウターディスク33と、互いに向き合ったインナーディスク32とアウターディスク33を押圧するプレッシャプレート34とから構成したことを特徴とするバッテリフォークリフト用ドライブユニット。
  2. アウターディスク33におけるラジアル方向への移動を制限し、かつプレッシャプレート34からの押圧と、アウターディスク33とインナーディスク32とがプレッシャプレート34の押圧により密接して発生する摩擦制動トルクのすべてを受け止める取付け用ブロック36を、ドライブケース2側に固定したことを特徴とする請求項1記載のバッテリフォークリフト用ドライブユニット。
  3. ドライブケース2側に固着したシリンダブロック43の内部にピストン42を備え、このピストン42の先に湿式ブレーキ部31のプレッシャプレート34に当接するロッド44を固着し、かつピストン42におけるロッド44と反対側にプッシュロッド45を備えた構成とし、サービスブレーキ作動時には、流体用通路46を介して流体を注入することにより、前記ピストン42を動かし、ロッド44先端を介してプレッシャプレート34を押すことで、アウターディスク33とインナーディスク32とが密接してアウターディスク33とインナーディスク32において摩擦制動トルクを発生させるようにし、パーキングブレーキ作動時には、パーキングレバーに接続するワイヤー50に連結したレバー49を介してプッシュロッド45を押し込むことにより、前記ピストン42を動かし、ロッド44先端を介してプレッシャプレート34を押すことで、アウターディスク33とインナーディスク32とが密接してアウターディスク33とインナーディスク32において摩擦制動トルクを発生させるようにした押し出し機構部41を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のバッテリフォークリフト用ドライブユニット。
  4. 押し出し機構部41のプッシュロッド45を押し込むレバー49の揺動を規制することにより、湿式ブレーキ部31のインナーディスク32とアウターディスク33とにおける切れ代を調整する切れ代調整部71を備えたことを特徴とする請求項3記載のバッテリフォークリフト用ドライブユニット。
  5. サービスブレーキ作動時には、流体用通路53を介して流体を注入することにより、リングピストン52を介してプレッシャプレート34を押すことで、アウターディスク33とインナーディスク32とが密接してアウターディスク33とインナーディスク32において摩擦制動トルクを発生させるようにし、パーキングブレーキ作動時には、パーキングレバーに接続するワイヤー50に連結したレバー55,66を介してこのレバー55,66の揺動によってプレッシャプレート34を押すことで、アウターディスク33とインナーディスク32とが密接してアウターディスク33とインナーディスク32において摩擦制動トルクを発生させるようにした押し出し機構部41を備えると共に、レバー55,66の揺動を規制することにより、湿式ブレーキ部31のインナーディスク32とアウターディスク33とにおける切れ代を調整する切れ代調整部71を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のバッテリフォークリフト用ドライブユニット。
  6. サービスブレーキ作動時及びパーキングブレーキ作動時には、パーキングレバーに接続するワイヤー50とブレーキペダルの操作に連動するワイヤー70とに連結したレバー66を介してこのレバー66の揺動によってプレッシャプレート34を押すことで、アウターディスク33とインナーディスク32とが密接してアウターディスク33とインナーディスク32において摩擦制動トルクを発生させるようにした押し出し機構部41を備えると共に、レバー66の揺動を規制することにより、湿式ブレーキ部31のインナーディスク32とアウターディスク33とにおける切れ代を調整する切れ代調整部71を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のバッテリフォークリフト用ドライブユニット。

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