JP2006297456A - 筒状マンドレル - Google Patents

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Abstract

【課題】曲げ加工された二重管において、外管に対する内管の位置精度を高める。
【解決手段】二重管10の曲げ加工の際に内管11および外管12の間の環状空間14に配置される筒状マンドレル30には、規定部33および案内部40が、曲げ開始位置Bよりも前方に配置される前端部32に設けられる。規定部33の内側規定部34は、曲げ加工時に内管11の曲げ形状を規定する。案内部40は、規定部33よりも前方に突出して曲げ加工の曲げ中心線方向に離隔する1対の案内片41,42から構成され、各案内片41,42は曲げ中心線に対する直交平面に平行に内管11を案内する。
【選択図】図3

Description

本発明は、径方向で内管と外管との間に環状空間が形成される二重管の曲げ加工に使用される筒状マンドレルに関し、該筒状マンドレルは、例えばロータリーダイおよび内マンドレルを備える曲げ加工装置に備えられる。
二重管を曲げ加工するためには、例えばロータリーダイを備える曲げ加工装置が使用される。その際、内管および外管のしわや座屈などの発生を防止して、内管および外管を滑らかに曲げるために、内管と外管との間の環状空間に筒状マンドレルが配置され、内管の内部空間に別のマンドレルが配置される。
例えば、特許文献1に開示された曲げ加工装置では、内管および外管からなる中空二重管に対して、内管と外管との間隙内に管状芯金が配置され、内管内に内部芯金が配置される。そして、管状芯金の前端部は、曲げ開始位置よりも曲げ方向前側に突出する突出部を構成し、該突出部に内管および外管の最終曲げ形状と略同一形状の面取り部が形成される。また、内部芯金の先端部には、連結部材および連結軸を介して連結保持される補助芯金が屈曲可能に設けられる。
特開平10−71430号公報
前記従来技術における管状芯金のみでは、突出部の面取り部よりも前方において、特に、一体的に固着された二重管の一端から離れた部分に曲げ加工が施されるとき、外管に対する内管の位置にずれが生じることがある。また、内部芯金に補助芯金が設けられる場合にも、内部芯金および補助芯金と連結軸との間、および連結部材と連結軸との間には、補助芯金を屈曲可能にすべく、それら部材間での摺動を可能とするための隙間が存在するため、曲げ加工により、外管に対する内管の位置、または外管の中心軸線に対する内管の中心軸線の位置がずれることがある。そして、この位置ずれは、補助芯金の数が多くなり連結部の数が多くなるほど大きくなる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、請求項1〜3記載の発明は、曲げ加工された二重管において、外管に対する内管の位置精度を高めることを目的とする。そして、請求項2,3記載の発明は、さらに、内管の曲がり部の滑らかさを向上させることを目的とする。
請求項1記載の発明は、内管および外管を有する二重管の曲げ加工の際に前記内管および前記外管の間の環状空間に配置される筒状マンドレルにおいて、規定部および案内部が、曲げ開始位置よりも前方に配置される部分に設けられ、前記規定部は、曲げ加工時に前記内管の曲げ形状を規定し、前記案内部は、前記規定部よりも前方に突出して曲げ加工の曲げ中心線の方向に離隔する1対の案内片から構成され、前記各案内片は前記曲げ中心線に対する直交平面に平行に前記内管を案内する筒状マンドレルである。
これによれば、規定部よりも前方の位置で、内管が1対の案内片により直交平面に平行に案内されることから、1対の案内片が設けられている範囲では、曲がり部での内管の中心軸線の位置が直交平面に平行に維持されるので、曲げ加工に起因して、曲がり部での内管の中心軸線の位置が、曲げ開始位置での直交平面に対する中心軸線の位置からずれることが防止または抑制される。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の筒状マンドレルにおいて、前記各案内片は前記内管の中心軸線に沿う方向での所定範囲に渡って前記内管に接触し、前記所定範囲において、前記内管内に配置される可撓マンドレルを構成する要素マンドレルのうちで、前記規定部よりも前方に配置されるすべての前記要素マンドレルが前記内管に接触するものである。
これによれば、1対の案内片は、規定部よりも前方に配置されるすべての要素マンドレルを、内管を介して直交平面に平行に案内するため、規定部よりも前方で、直交平面に対する可撓マンドレルの位置ずれが防止されるので、可撓マンドレルによる、内管におけるしわや座屈の発生防止効果が高められる。
請求項3記載の発明は、請求項1記載の筒状マンドレルにおいて、前記規定部は前記内管の中心軸線に沿う方向での所定範囲に渡って前記内管に接触し、前記所定範囲において、前記内管内に配置される可撓マンドレルを構成する2以上の要素マンドレルのうちで、2以上の前記要素マンドレルが前記内管に接触するものである。
これによれば、内管の内周面は所定範囲内で2以上の要素マンドレルと接触することから、所定範囲内での内管と可撓マンドレルとの接触箇所を増加させることができるので、可撓マンドレルによる、内管におけるしわや座屈の発生防止効果が高められる。
請求項1記載の発明によれば、次の効果が奏される。すなわち、曲げ加工に起因する曲がり部での内管の中心軸線の位置ずれが防止または抑制されるので、曲げ加工された二重管において、外管に対する内管の位置精度が高められる。
請求項2記載の発明によれば、引用された請求項記載の発明の効果に加えて、次の効果が奏される。すなわち、可撓マンドレルによる、内管におけるしわや座屈の発生防止効果が高められるので、内管の曲がり部での曲がりの滑らかさが一層向上する。
請求項3記載の発明によれば、引用された請求項記載の発明の効果に加えて、請求項2記載の発明と同様に、内管の曲がり部での曲がりの滑らかさが一層向上する。
以下、本発明の実施形態を図1〜図7を参照して説明する。
図1を参照すると、本発明が適用された筒状マンドレルとしての外マンドレル30が使用される曲げ加工装置1は、ロータリーダイ4を回転させることにより、図2に示されるようにロータリーダイ4に固定された二重管10に曲げ加工を施して曲がり部10bを形成するものであり、加工された二重管10は、例えば内燃機関の排気管に使用される。
図1を参照すると、曲げ加工装置1は、基台(図示されず。以下、単に「基台」という。)に固定されるワイパーダイ2と、基台に水平方向に移動可能に支持されるプレッシャーダイ3と、基台に回転可能に支持される回転テーブル(図示されず。以下、単に「回転テーブル」という。)に固定されて上下方向に延びる回転中心線L0を該回転テーブルと共有するロータリーダイ4と、回転テーブルに水平方向に移動可能に支持されると共に回転テーブルと一体に回転可能なクランプダイ5と、基台に水平方向に移動可能に支持されて二重管10を曲げ加工位置に送り出す送り部材6と、二重管10内に配置される曲げ加工用マンドレルMと、基台に固定されてマンドレルMが固定されるマンドレル保持部材7とを備える。
二重管10は、いずれも断面形状が真円の円筒(図6参照)からなる内管11および外管12から構成され、内管11の中心軸線L1および外管12の中心軸線L2が一致するように同軸に配置された内管11および外管12によりその径方向での間に円環状の環状空間14が形成される。加工位置に位置決めされた二重管10に対して、その一方側にワイパーダイ2およびロータリーダイ4が配置され、その他方側にプレッシャーダイ3およびクランプダイ5が配置される。
そして、ワイパーダイ2およびプレッシャーダイ3には、二重管10がロータリーダイ4に向けて一直線状に移動するように、外管12を摺動可能に案内する一直線状に延びる案内溝2a1,3a1が形成された案内部2a,3aが設けられる。そして、二重管10が曲げ加工装置1により曲げ加工され始める位置B(以下、「曲げ開始位置B」という。)よりも後方では、外管12がワイパーダイ2およびプレッシャーダイ3により摺動可能に保持される。このために、プレッシャーダイ3は、ワイパーダイ2および二重管10に対して、曲げ開始前に案内溝2a1,3a1に収容された二重管10の外管12を摺動可能に保持するために進出し、曲げ加工終了後に二重管10を解放するために後退するように、アクチュエータにより駆動される。
なお、明細書および特許請求の範囲において、前後は、曲げ加工時の二重管10の移動方向を基準としたものである。
モータ(図示されず)により駆動されて回転方向Rに回転するロータリーダイ4は、該モータにより回転駆動される回転軸8に固定された円盤状の本体4aと、本体4aの外周部に着脱可能に固定されるチャック部4bとを有する。本体4aの外周には、外管12の曲げ形状を規定する規定面4c1を有する溝が形成された型部4cが設けられる。一方、曲げ開始状態でプレッシャーダイ3に接する位置にあるクランプダイ5は、回転テーブルに対して二重管10を挟持する位置と解放する位置との間で移動可能に支持される本体5aと、本体5aに対して着脱可能に固定されるチャック部5bとを有する。チャック部5bは、チャック部4bと協働して外管12を挟持することにより、二重管10をロータリーダイ4に固定する。
内管11および外管12の後端部がそれぞれ固定される送り部材6は、後述する両支持ロッド23,38に対して、案内部2a,3aにおける二重管10の中心軸線方向に移動可能であり、ワイパーダイ2およびプレッシャーダイ3に保持された二重管10を、ロータリーダイ4の回転に同期して曲げ開始位置Bに送るように、アクチュエータにより駆動される。
図3を併せて参照すると、マンドレルMは、内管11により形成される内部空間13に配置される内マンドレル20と、環状空間14に配置される筒状マンドレルとしての外マンドレル30とから構成される。
内管11の後端部から内部空間13に挿入されて外マンドレル30の径方向内方に配置される内マンドレル20は、保持部材7に固定される支持ロッド23が固定される固定マンドレル21と、固定マンドレル21に屈曲可能に連結される可撓マンドレル22(図2も参照)とから構成される。
二重管10内に配置されて位置決めされた状態で中心軸線L1に一致する中心軸線を有すると共に外マンドレル30と同軸に配置される固定マンドレル21は、直円筒状部材から構成され、曲げ開始位置Bよりもやや前方に配置される前端部21aを有し、可撓マンドレル22は、前端部21aに少なくとも曲げ方向に揺動可能に連結される。そのために、前端部21aには、曲げ開始位置Bにおける内管11の中心軸線L1aを含む無数の平面内で可撓マンドレル22を揺動可能に支持する半割型の支持部24が嵌合され、該支持部24に支持ロッド23がねじ込まれる。ここで、曲げ方向とは、曲げ加工の曲げ中心線L3(回転中心線L0と一致する。)を中心とする回転方向Rと一致する方向である。
可撓マンドレル22は、少なくとも曲げ方向に互いに揺動可能に連結される複数の、この実施形態では3つの第1〜第3要素マンドレルF1〜F3から構成される。各要素マンドレルF1〜F3は、球状の被支持部25aおよび別の要素マンドレルF2,F3の被支持部25aを支持中心点を中心にして揺動可能に支持する球状の凹部を形成する支持部25bを有する基部25と、基部25に設けられて内管11の内周面に全周に渡って接触可能な外周面、この実施形態では球面からなる外周面を有する形状保持部26とを有する。半割型の基部25は、1対の半体が合わせられることにより構成され、円環状の形状保持部26に嵌合された状態で止め輪27により抜止されて、形状保持部26と一体に結合される。
そして、第1要素マンドレルF1の被支持部25aが固定マンドレル21の支持部24に揺動可能に支持され、第2要素マンドレルF2の被支持部25aが第1要素マンドレルF1の支持部25bに揺動可能に支持され、第3要素マンドレルF3の被支持部25aが第2要素マンドレルF2の支持部25bに揺動可能に支持されることにより、可撓マンドレル22が屈曲可能になる。それゆえ、被支持部25aおよび支持部25bにより、可撓マンドレル22を屈曲可能とする第1〜第3要素マンドレルF1〜F3の連結構造としての、前記支持中心点を中心とした揺動を可能とする自在連結構造が構成される。
外管12の後端部から環状空間14に挿入される直円筒状の外マンドレル30は、保持部材7に固定される円筒状の支持ロッド38がねじ込まれて固定される後端部31と、前端部32とを有する。外マンドレル30が二重管10内に配置されて位置決めされた状態で曲げ開始位置Bよりも前方に配置される部分である前端部32には、規定部33および案内部40が設けられる。
併せて図4〜6を参照すると、規定部33は、内管11の内側外周面11aの曲げ形状を規定すべく外マンドレル30の内側内周面に形成された内側規定面34aを有する内側規定部34と、外管12の外側内周面12aの曲げ形状を規定すべく外マンドレル30の外側外周面に形成された外側規定面35aを有する外側規定部35とから構成される。そのため、内側規定面34aは内管11の外周面とほぼ同一の曲率を有し、外側規定面35aは外管12の内周面とほぼ同一の曲率を有する。また、規定部33の内周面には、曲げ中心線方向で対向すると共に中心平面Pに平行な平面からなる1対の案内面36,37(図5参照)が形成される。内側規定部34および外側規定部35に連なる両案内面36,37は、曲げ加工時に、内側規定部34および外側規定部35が、それぞれ内管11および外管12を、中心平面Pに平行に曲がるように案内する。
なお、明細書において、内側および外側は、二重管10の曲げの内側および外側を意味する。また、曲げ中心線方向は、ロータリーダイ4による曲げ中心線L3の方向であり、中心平面Pは、曲げ中心線L3に対する直交平面であると共に中心軸線L1aを含む平面である。
図1,図3,図4,図6,図7を参照すると、曲げ加工時に内管11を案内する案内部40は、曲げ中心線方向に離隔する1対の案内片41,42から構成される。中心平面Pに対して面対称である両案内片41,42は、それぞれ、内側規定部34および外側規定部35よりも前方に突出し(図1,図3参照)、中心平面Pに平行に内管11および可撓マンドレル22を案内する。
そのために、各案内片41,42において、径方向内方の内面には、中心平面Pに平行な平面からなる案内面43,44が、案内片41,42において内管11の中心軸線L1に沿う方向での全範囲に渡って形成され、曲げ加工の際には、内管11の外周面が両案内面43,44に接触しつつ曲げられる。
また、図3を参照すると、内側規定部34または外側規定部35は内管11の中心軸線L1に沿う方向での所定範囲S1に渡って内管11に接触し、所定範囲S1において、内管11内に配置される可撓マンドレル22を構成する2以上の要素マンドレル、この実施形態では3つの第1〜第3要素マンドレルF1〜F3のうちで、2以上の要素マンドレル、この実施形態では2つの第1,第2要素マンドレルF1,F2が内管11に接触する。
さらに、各案内片41,42(図1も参照)は内管11の中心軸線L1に沿う方向での所定範囲S2に渡って内管11に接触し、所定範囲S2において、内管11内に配置される可撓マンドレル22を構成する2以上の要素マンドレルF1〜F3のうちで、規定部33よりも前方に配置されるすべての要素マンドレル、ここでは可撓マンドレル22において最前の要素マンドレルでもある第3要素マンドレルF3が内管11に接触する。
それゆえ、曲げ加工時に、内側規定部34および外側規定部35を含む規定部33は、第1,第2要素マンドレルF1,F2を、内管11を介してそれぞれ内側規定面34aおよび外側規定面35aに沿って、かつ中心平面Pに平行に曲がるように案内し、各案内片41,42は、第3要素マンドレルF3を、内管11を介して中心平面Pに平行に曲がるように案内する。
ここで、固定マンドレル21、各要素マンドレルF1〜F3および外マンドレル30は、外力により弾性変形しにくい剛性部材により構成される。また、各マンドレル21,F1〜F3,30において、外管12または内管11との接触部を含む範囲には、内管11または外管12の移動を円滑にするために、固体潤滑剤を分散させた自己潤滑性を有する材料のコーティングが施されてもよい。
次に、曲げ加工装置1による二重管10の曲げ加工について説明する。
曲げ加工の開始直前の状態を示す図1を参照すると、ワイパーダイ2およびプレッシャーダイ3が二重管10を摺動可能に保持し、二重管10の被挟持部10aが両チャック部4b,5bにより挟持されて、二重管10がロータリーダイ4に固定されている状態で、ロータリーダイ4およびクランプダイ5が一緒に所定の回転速度で回転方向Rに回転し、それに同期して二重管10が送り部材6により曲げ開始位置に向けて送られる。
曲げ加工が開始されると、図2に示されるように、二重管10は、ロータリーダイ4の型部4cおよび外マンドレル30の内側および外側規定部34,35により、曲げ中心線L3を中心に、かつ中心平面P(図7参照)に平行に曲げ加工が施されて、曲がり部10bが形成される。より具体的には、曲がり部10bにおいて、内管11は、内側規定部34および内マンドレル20の可撓マンドレル22により、しわや座屈の発生が防止されて、しかもその内側部分11bは内側規定面34aに倣って滑らかに曲げられる。また、外管12は、型部4cの規定面4c1および外側規定部35により、しわや座屈の発生が防止されて、しかもその外側部分12bは外側規定面35aに倣って滑らかに曲げられる。
その後、設定された角度範囲での曲げ加工が終了した時点で、ロータリーダイ4が停止し、プレッシャーダイ3およびクランプダイ5が二重管10から後退して、二重管10の拘束が解除される。
次に、前述のように構成された実施形態の作用および効果について説明する。
二重管10の曲げ加工の際に内管11および外管12の間の環状空間14に配置される外マンドレル30の規定部33および案内部40が、曲げ開始位置Bよりも前方に配置される前端部32に設けられ、規定部33は、曲げ加工時に内管11および外管12の曲げ形状を規定し、案内部40は、規定部33よりも前方に突出して曲げ中心線方向に離隔する1対の案内片41,42から構成され、各案内片41,42は曲げ中心線L3に対する直交平面である中心平面Pに平行に内管11を案内することにより、規定部33よりも前方の位置で、内管11が1対の案内片41,42により中心平面Pに平行に案内されることから、1対の案内片41,42が設けられている所定範囲S2では、曲がり部10bでの内管11の中心軸線L1の位置が中心平面Pに平行に維持されるので、曲げ加工に起因して、曲がり部10bでの内管11の中心軸線L1の位置が、曲げ開始位置Bでの中心平面Pに対する中心軸線L1aの位置からずれることが防止または抑制される。そして、中心軸線L1,L2が一致する内管11および外管12から構成される二重管10においては、曲がり部10bが形成されたことによる両中心軸線L1,L2のずれの発生が防止または抑制される。この結果、曲げ加工された二重管10において、外管12に対する内管11の位置精度が高められる。
各案内片41,42は内管11の中心軸線L1に沿う方向での所定範囲S2に渡って内管11に接触し、所定範囲S2において、内管11内に配置される可撓マンドレル22を構成する第1〜第3要素マンドレルF1〜F3のうちで、規定部33よりも前方に配置されるすべての要素マンドレルである第3要素マンドレルF3が内管11の内周面に接触することにより、1対の案内片41,42は、第3要素マンドレルF3を、内管11を介して中心平面Pに平行に案内するため、規定部33よりも前方で、中心平面Pに対する可撓マンドレル22の位置ずれが防止されて、可撓マンドレル22による、内管11におけるしわや座屈の発生防止効果が高められる。この結果、内管11の曲がり部10bでの曲がりの滑らかさが一層向上する。
規定部33は内管11の中心軸線L1に沿う方向での所定範囲S1に渡って内管11に接触し、所定範囲S1において、内管11内に配置される可撓マンドレル22を構成する2以上の要素マンドレルである第1〜第3要素マンドレルF1〜F3のうちで、2の要素マンドレルである第1,第2要素マンドレルF1,F2が内管11に接触することにより、内管11の内周面は所定範囲S1内で2つの要素マンドレルF1,F2と接触することから、所定範囲S1内での内管11と可撓マンドレル22との接触箇所を増加させることができるので、可撓マンドレル22による、内管11におけるしわや座屈の発生防止効果が高められ、この点でも内管11の曲がり部10bでの曲がりの滑らかさが一層向上する。
以下、前述した実施形態の一部の構成を変更した実施形態について、変更した構成に関して説明する。
可撓マンドレル22が4以上の要素マンドレルから構成され、所定範囲S2内で内管11に接触するすべての要素マンドレルの数が2以上であってもよく、また所定範囲S1内で内管11に接触する要素マンドレルが3以上であってもよい。さらに、可撓マンドレル22が2つの要素マンドレルから構成され、両所定範囲S1,S2内で内管11に接触する要素マンドレルの数がそれぞれ1であってもよい。
内管11の中心軸線L1は、外管12の中心軸線L2に対して偏心していてもよく、また内管11または外管12の断面形状は、真円以外の円形であってもよい。
案内部40は、3以上の案内片から構成されてもよく、曲げ中心線方向で離隔する少なくとも1対の案内片から構成されていればよい。
本発明が適用されたマンドレルを備える曲げ加工装置の概略の構成を、主に断面で示す平面図であり、二重管の曲げ加工の開始直前の状態を示す。 図1の曲げ加工装置において、二重管の曲げ加工開始後の要部の図である。 図2において、外観で示される外マンドレルの前端部を中心とした拡大図である。 (a)は、図1の曲げ加工装置の外マンドレルの平面図であり、(b)は、(a)のb矢視図である。 図3のV−V線断面図である。 図1のVI矢視図である。 図3のVII−VII線断面図である。
符号の説明
1…曲げ加工装置、10…二重管、11…内管、12…外管、22…可撓マンドレル、30…外マンドレル、34…内側規定部、35…外側規定部、40…案内部、41,42…案内片、B…曲げ開始位置、F1〜F3…要素マンドレル、S1,S2…所定範囲。

Claims (3)

  1. 内管および外管を有する二重管の曲げ加工の際に前記内管および前記外管の間の環状空間に配置される筒状マンドレルにおいて、
    規定部および案内部が、曲げ開始位置よりも前方に配置される部分に設けられ、前記規定部は、曲げ加工時に前記内管の曲げ形状を規定し、前記案内部は、前記規定部よりも前方に突出して曲げ加工の曲げ中心線の方向に離隔する1対の案内片から構成され、前記各案内片は前記曲げ中心線に対する直交平面に平行に前記内管を案内することを特徴とする筒状マンドレル。
  2. 前記各案内片は前記内管の中心軸線に沿う方向での所定範囲に渡って前記内管に接触し、前記所定範囲において、前記内管内に配置される可撓マンドレルを構成する要素マンドレルのうちで、前記規定部よりも前方に配置されるすべての前記要素マンドレルが前記内管に接触することを特徴とする請求項1記載の筒状マンドレル。
  3. 前記規定部は前記内管の中心軸線に沿う方向での所定範囲に渡って前記内管に接触し、前記所定範囲において、前記内管内に配置される可撓マンドレルを構成する2以上の要素マンドレルのうちで、2以上の前記要素マンドレルが前記内管に接触することを特徴とする請求項1記載の筒状マンドレル。


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