JP2006296520A - X線ct装置 - Google Patents

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康隆 昆野
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Abstract

【課題】X線CT装置において、画質劣化要因となる外因性雑音を除去、低減する。
【解決手段】X線検出手段を配置した空間に存在する磁場を検出して信号を出力する磁場検出手段と、X線検出手段を配置した空間に存在する磁場をキャンセルするための磁場を発生する磁場発生手段と、磁場検出手段の信号を用いて磁場発生手段を制御する制御手段とを有するX線CT装置。
【選択図】図1

Description

本発明は,X線CT装置に関する。
X線CT装置は,被写体の断層像を得ることができる装置であり,医療や非破壊検査の分野で広く用いられている。特に近年,撮影の広視野化,高速化,画像の高解像度化を実現するため,検出器の多列化(マルチスライス化)とスキャンの高速化が進んでいる。
マルチスライス化に伴い,スライス方向のX線検出素子サイズも格段に小さくなった。例えば,シングルスライスCTのときはスライス方向のX線検出素子のサイズは10mm程度であったのに対し,例えば16スライスCTでは1mm程度である。これにより,例えば特許文献1に記されるように,再構成像において,スライス方向でもチャネル方向と同じ空間分解能が実現されつつある。しかし,X線検出素子の面積の低下に伴って、1つのX線検出素子あたりに入射するX線量子数は減少するため,発生する信号は、マルチスライスではシングルスライスの場合に比べて小さくなる。このためマルチスライスCTの画質は、雑音の影響を受けやすい。特に、検出器回路の有する回路雑音や,外部回路などによって発生した外因性雑音は、画質を著しく低下させる。
一方,スキャンの高速化により,心臓の撮影の際に生じる、動きによる画像のブレを減らすことが可能になり,更に、広い範囲の撮影を短時間に行うことが可能になる。ただしこの撮影時間の短縮に伴い,単位時間当たりに多くのX線を照射する必要があり,X線の管電流は増加する。この増加によってX線発生系(トランス,インバータ,ケーブル,スリップリングなど)に起因する外因性雑音は増加する可能性があり,画質を劣化させる可能性がある。
これらの外因性雑音には、伝導性のものと放射性のものがある。伝導性のものは、主にX線発生系で生じた変動や雑音が、回路を伝導することで生じる。この除去または低減は、X線発生系の電源などにフィルタ強化などを実施することで、比較的容易に低減できる。放射性のものは電磁界雑音であり,電場によるものと磁場によるものがある。電場によるものは,検出器やその回路と,発生源との間に金属材料のシールドを設けて,その金属材料の表皮効果を用いて除去することができる。特許文献2では,X線検出器の蛍光体のX線入射面に導電性部材を接着して設けることで、外因性雑音を低減,除去できる検出器を提案している。
一方,磁場によるものは,鉄などの強磁性体材料やパーマロイなどの高透磁率材料などで検出器やその回路を囲むなどし,磁力線を曲げて磁場が入り込まないようにすることでシールドすることができるが,内部に磁場の漏れ込まないようにシールドすることは,一般的に難しい。
特開2004−24659
特開平10−341013 特開平10−189932
このような磁場の影響を低減,除去できる方法として,X線検出器の一部の信号を用いて補正を行い、X線検出器信号への外因性雑音の影響を低減,除去する方法がある。特許文献3では,X線検出器の一部を遮蔽してX線が入射しない画素(以降、参照画素と記す)を設け,この参照画素出力から、X線が入射した画素への外因性雑音の影響を推測して補正する方法が提案されている。この方法では,電場の影響も低減,除去できる。ただしこの方法では,X線検出器の一部を遮蔽するため,X線検出器の有効視野を狭めてしまうという問題がある。また参照画素のデータ取得や、外因性雑音の影響の算出や補正の処理に時間を要するために、高速撮影などには不向きであるという問題がある。また参照画素とX線が入射した画素との外因性雑音への感度の違いや、それらの相関の低下によって、補正の効果が低減するという問題がある。
本発明は,X線CT装置において,画質劣化要因となる外因性雑音を除去,低減すること,特にX線発生系やその他の電気回路などに起因する誘導磁場やその他の環境磁場などの外因性磁場をキャンセルすることで、検出器信号に及ぼす影響を除去,低減することである。更に外因性雑音の除去,低減のために、X線検出器信号に対する補正のための時間を要することない、高速のX線CT装置を実現することである。
前記の課題を解決するために,本発明において,特許請求の範囲に記載するように構成している。すなわち本発明は,請求項1に記載のように,X線を照射するX線源と,X線を電気信号に変換するX線検出素子が複数配置されたX線検出手段と,前記X線検出手段から得た信号に再構成演算処理を行って画像を作成する演算処理手段とから構成されるX線CT装置において,前記X線検出手段を配置した空間に存在する磁場を検出して信号を出力する磁場検出手段と,前記X線検出手段を配置した空間に存在する磁場をキャンセルするための磁場を発生する磁場発生手段と,前記磁場検出手段の信号を用いて前記磁場発生手段を制御する制御手段とを具備することを特徴とするX線CT装置を構成する。このようなX線CT装置により,X線検出手段に影響する外因性磁場を、キャンセル磁場で打ち消すことができる。このためX線検出手段から、外因性磁場の影響がないまたは少ない信号を得ることができる。また、外因性磁場の影響をX線検出手段から得る必要がなく、そのために時間を要する必要がない。また、X線検出手段から得たデータに対して磁場の影響の除去処理を行う必要がないため、補正回路を有する必要がなく、補正処理実施に伴う時間を要する必要がない。また、外因性磁場を打ち消すため、参照画素を用いて補正を行う場合に生じる可能性がある、参照画素とX線が入射した画素との外因性雑音要因への感度の違いや、それらの相関の低下などによる補正効果の低減は生じない。
また本発明は請求項2に記載のように,請求項1のX線CT装置において,前記X線検出手段による信号取得する以前に、前記磁場検出手段が磁場を検出して信号を出力し、前記制御手段が前記磁場発生手段を制御し、前記磁場発生手段が磁場を発生することを特徴とするX線CT装置を構成する。このようなX線CT装置により,X線検出手段で信号取得する直前に磁場を検出して、外因性雑音を除去、低減することができる。このためX線検出手段から、外因性磁場の影響がないまたは少ない信号を得ることが可能になる。
また本発明は請求項3に記載のように,請求項1のX線CT装置において,前記磁場発生手段がヘルムホルツコイルであることを特徴とするX線CT装置を構成する。このようなX線CT装置により,目的とする方向に精度の良いキャンセル磁場を作ることが可能になり、外因性雑音を高精度に除去できる。
また本発明は請求項4に記載のように,請求項1のX線CT装置において,前記X線検出手段が1つまたは複数のX線検出素子を切り替えて順次に信号を読み出し、前記順次信号読み出し中のある読み出しと次の読み出しの間に、前記磁場検出手段が磁場を検出して信号を出力し、前記制御手段が前記磁場発生手段を制御し、前記磁場発生手段が磁場を発生することを特徴とするX線CT装置を構成する。このようなX線CT装置により,順次読み出しを行う方式のX線CT装置において、それぞれの時間での読み出し毎に決定したキャンセル磁場を発生できるため、外因性磁場のキャンセルを高精度に行うことができる。
また本発明は請求項5に記載のように,請求項1のX線CT装置において,前記磁場検出手段の磁場検出感度が磁場の入射方向によって異なる特性を有し,感度の高い方向が,前記X線検出手段への前記X線入射方向に対して略平行となるように前記磁場検出手段を配置することを特徴とするX線CT装置を構成する。このようなX線CT装置により,X線検出手段に対して影響の大きい磁場を効率的に検出して除去することが可能になる。
また本発明は請求項6に記載のように,請求項1のX線CT装置において,前記磁場検出手段または/及び前記磁場発生手段が、前記X線が被写体を透過する際に生じて前記X線検出手段に入射する散乱線を除去する機能を具備することを特徴とするX線CT装置を構成する。このようなX線CT装置により,散乱線の除去が可能になり、更にX線検出手段のX線入射面に近い位置に、前記磁場検出手段または/及び前記磁場発生手段を配置できるようになり、高精度に磁場キャンセルを行うことが可能になる。
本発明によれば,画質劣化要因となる外因性磁場をキャンセルすることで、外因性雑音を除去、低減することが可能なX線CT装置を提供することができる。
以下,図1から図8を用いて,本発明の実施例1の形態について説明する。
図1は,本発明のX線CT装置の実施形態の一例を示す説明図である。図2は図1のX線CT装置のX線検出器の一例を説明するための説明図である。図3は図1のX線CT装置の中央処理手段の処理の一例を説明するための説明図である。図4は図1のX線CT装置の磁場キャンセル処理の一例を説明するための説明図である。図5は図1のX線CT装置のキャンセル磁場発生手段がヘルムホルツコイルの場合の一例を説明するための説明図である。図6から図8は、図5の場合のコイルの配置の一例を説明するための説明図である。
図1に示すように,本実施例のX線CT装置の基本構成として,X線を照射するX線管100,X線を検出して電気信号に変換するX線検出器104, X線検出器104からの投影データを収集する信号収集手段118,信号収集手段118からのデータを記憶して画像処理を行う中央処理手段105,画像処理の結果を表示する表示手段106,撮影開始やパラメータの設定や入力を行う入力手段119,磁場の強度を電気信号に変換する磁場検出器116,キャンセル磁場を発生するキャンセル磁場発生手段500、磁場検出器116の信号を用いてキャンセル磁場の発生量を決定するキャンセル磁場発生量決定手段510、キャンセル磁場発生手段500を制御するキャンセル磁場発生手段制御手段511、X線管100とX線検出器104と回転体101と磁場発生器116とキャンセル磁場発生量決定手段510とを制御する制御手段117から成る。ここで図1に示すX線検出器104の数は説明を簡単にするためであり,本発明を限定するものではない。また8個の磁場検出器116がX線検出器104の背面に設置されているが,この数及び位置は実施の一例であり、本発明はこれに限定するものではない。また52個のキャンセル磁場発生量決定手段510がX線検出器104の正面と背面に配置されているが,この数及び位置は実施の一例であり、本発明はこれに限定するものではない。
図1を用いて撮影の手順を説明する。入力手段119から撮影開始の入力があると,X線検出器104の背面(X線が入射する面の反対面)に設置された磁場検出器116が,X線検出器104が配置された空間に存在する磁場(外因性磁場)を電気信号に変換して読み出す。キャンセル磁場発生量決定手段510はこの信号を用いて、発生するキャンセル磁場量を決定する。この決定はキャンセル磁場発生手段制御手段511の制御によって実行され、キャンセル磁場発生手段500がキャンセル磁場を生じる。
このキャンセル磁場を発生しながら、X線源100から寝台天板103に載った被写体102に向けてX線を照射する。このX線の一部は被写体102を透過し、X線検出器104に検出されて電気信号になる。この電気信号は信号収集回路118にてアナログ−デジタル変換(AD変換)されてデジタル信号となる。この撮影で、X線検出器104の多数のX線検出素子から得られたデジタル信号の集まりが1つの投影データである。断層像の撮影では,X線管100、X線検出器104、磁場検出器116、キャンセル磁場発生手段500とが搭載された回転体101を回転方向107に回転することで、被写体に対するX線の照射角度を変化させて、投影データをプロジェクション毎に、360度分取得する。この取得は,例えば0.4度ごとに行う。この間、制御手段117は,回転体101の回転とX線検出器104の読み出しを制御する。取得された投影データに対して、中央収集回路105にて画像補正処理や再構成演算を実施する。その結果を表示手段106にて表示する。この撮影の間、磁場キャンセルは継続して行われる。
図2を用いて、本発明のX線CT装置のX線検出器104の実施形態の一例を説明する。このX線検出器104は、X線が方向406から入射するように、図1に示すように円弧状に複数並び,X線管100と対向して配置される。このとき、図2の方向107及び108が,図1の回転方向107及び回転軸方向108に対応するように配置する。図2のX線検出器104は,X線を光に変換するシンチレータ素子112と,光を電気信号に変換するフォトダイオードを複数有する光電変換基板111と,電気信号を出力する電極パッド120とこれにフォトダイオードからの信号を導く配線とを有する配線基板113から成る。シンチレータ素子112と光電変換基板111とは光学的に透明な接着剤310で接着され、セパレータ130によって分割された1つのシンチレータ素子112と1つのフォトダイオードとが1つのX線検出素子を形成する。ここで、図2に示すX線検出器104のX線検出素子の数は説明を簡単にするためであり,本発明を限定するものではない。
このX線検出素子に入射したX線は、シンチレータ素子112で光に変換され、更にこの光はフォトダイオードで電気信号に変換される。次にこの電気信号を電極パッド120からX線検出素子毎に出力する。この信号は信号収集手段118でAD変換され、全X線検出素子分集められて投影データを形成する。この投影データは、ある時間間隔ΔTで、順次取得される。
本実施例ではX線検出器104として、X線を光に変換してこの光を電気信号に変換するX線検出器の場合を記したが、これは実施の一例であり、本発明はこれに限定するものではない。例えば、X線を直接電気信号に変換するX線検出器の場合もありえる。
図3を用いて、図2に示す中央処理手段105の処理の実施形態の一例を説明する。中央処理手段105で行われる処理には,X線検出器104の特性を事前に抽出して記憶する事前処理と,実際の撮影中に得た信号に対して,記憶した検出器特性を用いて補正を行うリアルタイム処理とがある。図3では、点線の矢印が事前処理を表し、実線の矢印がリアルタイム処理を表す。
図3の点線の矢印で示すように、事前処理では、信号収集手段118に集めたX線検出器104の信号を用いて,検出器特性抽出手段407が検出器やシステムの特性を抽出する。この処理は,例えば事前に被写体を配置しないときにX線を照射して投影データを取得し、X線の分布やX線検出器104の感度特性を得る処理や,事前にX線を照射しないときのデータを取得して,X線検出器104やその読み出し回路のゼロレベル(オフセットレベル)を得る処理である。取得した特性は、検出器特性記憶手段303に記憶する。
図3の実線の矢印で示すように、リアルタイム処理では,検出器特性記憶手段303に記憶された特性を用いて,実際の撮影で取得した投影データに対して、補正手段301にて補正処理を行う。このとき行う処理は,例えば、X線の分布及びX線検出器104の感度特性を用いて実画像を補正する感度補正処理や,オフセットレベルの特性を用いて,X線検出器104の暗電流分の出力を除くオフセット補正処理である。次に再構成手段302がコンボルーション(畳み込み)やバックプロジェクション(逆投影)の処理を行い、被写体のX線吸収係数分布の断面像を再構成する。この断面像を表示手段106にて表示する。
図4を用いて、本発明のX線CT装置の磁場キャンセル処理方法の一例を説明する。本実施例における磁場キャンセル処理は、磁場検出器116、キャンセル磁場発生量決定手段510、キャンセル磁場発生手段制御手段511、キャンセル磁場発生手段500で行う。ここで図4では、1つの磁場検出器116のみを記しているが、この個数は説明を簡単にするためのものであり、本発明を限定するものではない。同様に、図4では1つの磁場検出器116に対して1つのキャンセル磁場発生手段制御手段511が動作する場合を記しているが、この個数は実施例の一例であり、本発明を限定するものではない。
まず磁場キャンセルのため、磁場検出器116でX線検出手段を配置した空間に存在する磁場を検出する。このとき磁場検出器116は、X線管100(図1に記載)やその電源などのX線発生系やその他の電気回路に起因する誘導磁場や環境磁場などの外因性磁場と、キャンセル磁場発生手段500で発生したキャンセル磁場506とが検出できる位置に配置する。ただし、磁場検出器116の周辺に、磁場の分布に大きな変化を与える強磁性体(鉄など)を使用すると、磁場検出器116で検出する磁場と、X線検出器104を配置した空間に存在する磁場とに違いが生じ、磁場キャンセルの効果が低下する可能性があるため、使用しない方が良い。
磁場検出器116の回路構成は,例えば図4に示すように、磁場を検出してその時間変動に比例した起電力を生じるコイル400と,この起電力によって生じる電気信号を積分する積分器401と,積分器401の信号を増幅する増幅器402と、そのアナログ信号をデジタル信号に変換するアナログ−デジタル変換器(ADC)403からなる。
図4に示すように磁場検出器116にコイル400を用いる場合、方向405かその逆方向の磁場の変化に対して信号を生じる。すなわち方向によって検出感度が異なる。一方、X線検出器104はシステムやその構造的に,そのX線検出面に垂直な方向,すなわちX線入射方向406(図2に記載)またはその逆方向から流入する雑音の影響を受け易い。この理由は、X線を減弱する恐れがあるためにX線源100とX線検出器104の間に雑音除去手段を十分に配置できないため、更にX線検出素子のフォトダイオードがX線入射方向406またはその逆方向に対して、広い断面積を有するためである。そのためX線検出器104に入射しやすい外因性磁場を検出するためには,方向405がX線入射方向406とほぼ一致するように磁場検出器116を配置することが望ましい。すなわち磁場検出器116の感度の高い方向が,前記X線検出手段に前記X線が入射する方向に対して略平行となるように配置することが望ましい。ここで略平行とは、例えば磁場検出器116の感度がもっとも感度の高い方向から70%以下となる範囲、または最も感度が高い方向の±45度以内の範囲で平行のことである。
得られた磁場検出器116からの信号を用いて,キャンセル磁場発生量決定手段510が,磁場検出器116で検出される磁場がゼロとなるように、キャンセル磁場発生手段500に供給する電力量を決定する。具体的には、外因性磁場によって磁場検出器116がある方向(正の方向とする)に電流を生じたとき、その電流が減る方向(負の方向とする)に、かつ磁場検出器116が生じた電圧に比例した大きさの電流を供給するように、制御信号(デジタル信号)を出力する。同様に磁場検出器116が負の方向に電流を生じたときには、キャンセル磁場発生手段500には正の方向に、かつ磁場検出器116が生じた電圧に比例した大きさの電流を供給すように、制御信号を出力する。
この制御信号を基に,キャンセル磁場発生手段制御手段511は,キャンセル磁場発生手段500へ電力を供給する。キャンセル磁場発生手段制御手段511は、例えば図4に示すように,デジタル−アナログ変換器(DAC)505と電流源504にて構成され、キャンセル磁場発生手段500は,例えばコイル502である。ただし、これらの構成は実施例の一例であり、本発明を限定するものではない。キャンセル磁場発生手段500は、キャンセル磁場発生手段制御手段511からの制御信号をDAC505にてアナログ信号に変換し、この信号に相当する電流を、電流源504がキャンセル磁場発生手段500に供給する。この電力により、キャンセル磁場発生手段500がキャンセル磁場506を発生し、これを磁場検出器116に入力する。
外因性磁場の検出からキャンセル磁場の発生に至る処理は、投影データの取得よりも十分早く、例えば1投影データを取得する間に10回以上のサイクルで行われることが望ましい。これにより、X線が照射され始める際などに外因性磁場が早い周期で変動したときでも、精度良く磁場キャンセルを実現できる。
このようにして外因性磁場をキャンセルすることで、X線検出器104の信号への外因性磁場の影響を除去、低減する。この磁場キャンセルは、X線検出手段から得たデータに対して、磁場の影響の除去処理を行う必要がないため、補正回路を有する必要がなく、X線検出手段から補正用のデータを同時に取得する必要がなく、これらに伴う時間を要する必要がない。
本実施例では、磁場検出器116としてコイルを用いたが,本発明はこれに限るものではない。ホール素子や磁気抵抗素子,フラックスゲートセンサ,MR(Magneto-Resisutive)素子,MI(Magneto-Impedance)素子,SQUID(Superconducting Quantum Interference Device)磁束計などの適用もありえる。また一種類の磁場検出器のみを用いる場合や,複数種類の磁場検出器を用いる場合もありえる。更に磁場への感度の異なる複数個または複数種類の磁場検出器を組として用い,検出される磁場の強度や周波数によって、使用する磁場検出器を切り替えて使用する場合や,それぞれの信号に重み付けを行って加算して得た信号を基に、キャンセル磁場を発生する場合もありえる。また組で使用する検出器として,コイルなどの磁場の変化分を計測する磁場検出器と,ホール素子のような磁場の絶対値の計測する磁場検出器とを組み合わせる場合もありえる。
本実施例では、磁場検出器116が1つの方向に高い感度を有し、その方向の外因性磁場のみをキャンセルする場合を記したが、本発明はこれに限定するものではない。磁場検出器116が高い感度を有する方向が複数のときに,その全てまたは幾つかまたは1方向に対して、キャンセル磁場を発生する場合もありえる。
本実施例では、磁場検出器116をX線検出器104ごとにX線検出器104の背面(X線入射面の反対面)に配置したが,本発明は本実施例に限定するものでない。X線検出器104の前面や、スライス方向(図2の107の方向)の端部のそばの位置(図2に示すX線検出器104の上部と下部)で,その一方や両方に配置する場合、X線検出器104の回転方向108(図1に記載)の端部の位置(図1に示す円弧状に配置されたX線検出器104の円弧の端部)に配置される場合もありえる。また1つのX線検出器104に複数の磁場検出器116を設ける場合、例えばX線検出素子ごとに磁場検出器116を設ける場合や幾つかのX線検出素子毎に1つの磁場検出器116を設ける場合などもありえる。このとき、X線検出器104の周りの空間の磁場を位置精度良く検出でき、高い磁場キャンセルが可能になる。
本実施例では、キャンセル磁場発生手段500としてソレノイドコイルを用いたが,本発明はこれに限るものではない。例えば図5に示すように、キャンセル磁場発生手段500は2つのコイル502-1と502-2とによりヘルムホルツコイルを形成し、X線検出器104と、その背面に配置される磁場検出器116のコイル400とを挟み込む構造を成す場合もありえる。このような構造により、X線検出器104と磁場検出器116とに、方向406に平行な磁場を精度良く発生させることができ、磁場の均一性を向上できる。ただし図5に示すように配置した際、コイル502-1が投影像に写りこむ可能性がある。これを解決するために、例えば図6から図8に示すようにコイル502を配置する。
図6から図8は、図1のX線入射方向から見た、図5のX線検出器104と磁場検出器116である。コイル502-1がX線検出素子上に影を作り、投影像に写り込むことを防ぐために、図6に示すように、コイル502-1は四角い形状を成し、チャネル方向の端部の、隣合うX線検出器104との間の空間にコイル502-1の影がくるようにコイル線を配置する。また別方法としては、図7や図8に示すように、コイル線の影をセパレータの影となる部分に配置する方法もありえる。
図6から図8のような配置は、磁場検出器116のコイル400をX線検出器104の前面に配置するときにも適用できる。このときコイル400も同様に配置することで、X線検出素子上に影を作り、投影像に写り込むことを防ぐことができる。
一方、X線CT装置では、照射したX線が被写体などで散乱してX線検出器104に入射する散乱線があり、これが入射すると画像の空間分解能やCT値の定量性を低下させる。そのため一般的にX線CT装置では、X線検出器の前面に、散乱線を除去するX線グリッドを設ける。ただしX線グリッドがある場合、図6から図8に示すように磁場検出器116やキャンセル磁場発生手段500を配置しても、X線グリッドのためにX線検出器104の近くに配置できない。これを解決するためには、磁場検出器116または、及びキャンセル磁場発生手段500がX線グリッドの、少なくとも一部を成す構造にすればよい。すなわち、図6から図8のように配置した磁場検出器116または、及びキャンセル磁場発生手段500を、散乱線除去にも使用する。このとき磁場検出器116または、及びキャンセル磁場発生手段500は、散乱線を効率的に除去できるような材質及び高さ(X線入射方向406への長さ)で作製することが望ましい。例えば、その材質には銅を用い、その高さは1cmから3cmにすると良い。
本実施例では、X線検出素子に影響する外因性磁場をキャンセルする場合について記したが,本発明はこれに限るものではない。X線検出素子の信号が信号収集手段118でデジタル信号に変換されるまでの配線や読み出し回路においても、X線を検出することで生じた信号に外因性磁場が影響を与える場合がある。そのため、X線検出素子から信号収集手段118までの配線やその間に設けられている読み出し回路に影響する外因性磁場を検出するように磁場検出器116を配置し、この外因性磁場を打ち消すようにキャンセル磁場発生手段500を配置して磁場キャンセルする場合もありえる。このときは例えば、図5に示したようにX線検出素子の付近に磁場検出器116を配置し、磁場検出器116とX線検出素子とがヘルムホルツコイル502に挟まれる配置したのと同様に、配線や読み出し回路付近に磁場検出器116を配置し、配線や読み出し回路と磁場検出器116とがヘルムホルツコイル502に挟まれるように配置すればよい。更に信号収集手段118が有する、アナログ信号をデジタル信号に変換するAD変換手段に影響する外因性磁場を、キャンセルする場合もありうる。
実施例1の形態のX線CT装置では、キャンセル磁場発生手段500と磁場検出器116とが1対1で対応していたが、本発明の実施例2の形態では1対1に対応せず、1つのキャンセル磁場発生手段500で発生するキャンセル磁場が、複数の磁場検出器116で検出され、1つの磁場検出器116が複数のキャンセル磁場発生手段500で発生したキャンセル磁場を検出する構造を成し、キャンセル磁場発生量決定手段510でのキャンセル磁場発生量決定方法が、実施例1と異なる。この磁場キャンセル処理のフローを図9に示す。ただし、図9では磁場検出器116とキャンセル磁場発生手段500がn個ある場合を記す。このときi番目の磁場検出器を116−i(i=1,2,…,n)と、キャンセル磁場発生手段を500−i(i=1,2,…,n)とそれぞれ記す。
この構造において、キャンセル磁場発生手段500を制御するために、事前に、それぞれのキャンセル磁場発生手段500で発生したキャンセル磁場が、それぞれの磁場検出器116で検出される磁場量を調べておく。その方法として、例えば外因性磁場がない環境にて、単位電力を供給してキャンセル磁場発生手段500−iを動作させて各磁場検出器116に入力される磁場量を求め、この動作を全てのキャンセル磁場発生手段500で実施する。このとき、各i番目のキャンセル磁場発生手段500−iのみ動かしたときに磁場検出器116−jで検出されて出力される信号をaijと記し、aijがiが列方向、jが行方向となるように並んだ行列をAと記す。
次に実際に外因性磁場をキャンセルするときは、この行列Aを用いて、キャンセル磁場発生手段500−iに供給する電力を決定する。すなわち、キャンセル磁場発生手段500−iに供給する電力をxj、磁場検出器116−iの磁場量をyi、磁場検出器116−iに入る外因性磁場量をy’iと記し、xiが列方向に並んだベクトルをX、yiが列方向に並んだベクトルをY、y’iが列方向に並んだベクトルをY’と記すと、Y=AX+Y’となるため、磁場をキャンセルするとき(Y=0)の供給すべき電力XをAの逆行列から決定する。このようにしてキャンセル磁場発生量決定手段510にて決定したxiの電力を、キャンセル磁場発生手段制御手段511がキャンセル磁場発生手段500−iに供給することでことで、外因性磁場をキャンセルできる。
ただし、磁場検出器116やキャンセル磁場発生手段500が非線形な入出力特性を有する場合、上記した決定方法で求めた電力値が、実際に磁場を十分にキャンセルする値とずれを生じる。そのため、キャンセル磁場発生量決定手段510では、磁場検出器116の信号に対して非線形特性の影響を補正した値を用いて演算を行い、キャンセル磁場発生手段500の非線形特性を考慮して電力を供給する必要がある。
本方法は、多数の磁場検出器116とキャンセル磁場発生手段500を相互的に制御することが可能なため、キャンセル磁場発生手段500や磁場発生手段116を密に配置して相関を持った状態で動作させることが可能になり、精度良く外因性磁場をキャンセルできる。
本実施例で記した行列Aの決定方法は一例であり,本発明はこれに限るものではない。別方法として、外因性雑音のない状況で、キャンセル磁場発生手段500の1つまたは複数に単位電力を入力し、これを異なる組み合わせでn通り行った後、Y=AX+Y’の関係からAを決定してもかまわない。
本実施例では、磁場検出器116とキャンセル磁場発生手段500は同数であったが,本発明はこれに限るものではない。磁場検出器116よりもキャンセル磁場発生手段500が多い場合もありえる。この場合、Y=0となるXの解は一意には決まらないが、その解の1つのXを満たすように、キャンセル磁場発生手段500を制御すればよい。これは、例えば複数のキャンセル磁場発生手段500がある関係の下に連動して動くように制御すればよい。また磁場検出器116よりもキャンセル磁場発生手段500が少ない場合もありえる。このときは例えば、特に磁場検出器116からの出力が大きい箇所での磁場がキャンセルされるように制御するように制御すればよい。
実施例1の形態のX線CT装置では、磁場検出器116にてデジタル信号に変換した信号を用いてキャンセル磁場発生手段500を制御したのに対し、本発明の実施例3の形態は,磁場検出器116からのアナログ信号を用いてキャンセル磁場発生手段500を制御する点で、実施例1と異なる実施形態である。図10に、この磁場キャンセル処理を実現する回路構成の一例を説明するためのブロック図を示す。
図10における磁場検出器116はコイル400と積分器401から成り、コイル400で発生した起電力によって生じた電気信号を、積分器401にて積分して電圧信号を得る。この電圧信号を電流源504に入力する。電流源504は例えば抵抗であり、積分器401の電圧出力を抵抗で受けて電流を得る。この電流を用いてヘルムホルツコイル502-1,502-2が磁場を発生する。この際、入力した外因性磁場の逆方向にキャンセル磁場が生じるようにヘルムホルツコイル502-1,502-2を配置し、更に外因性磁場に比例して、その大きさよりも十分に大きいキャンセル磁場が生じるように、電流源504の抵抗を設ける。積分器401はX線検出器104の信号読み出しよりも十分に速く動作させる。このような構造により、ネガティブフィーフォバックの機構が実現でき、精度良く外因性磁場をキャンセルできる。更に、電流源504の抵抗値のばらつきが、磁場キャンセルの精度に影響しない磁場キャンセル機構を実現できる。
この構造では積分器401が、図1のキャンセル磁場発生量決定手段510と、キャンセル磁場発生手段制御手段511の一部を担う。そのため構造が簡単となり、磁場キャンセル回路を安価に実現できる。
本実施例は、磁場検出器116での磁場検出から、キャンセル磁場発生手段500でのキャンセル磁場発生までの処理回路をアナログ回路で実現したが、本実施例の回路構成は一例であり、本発明はこれに限るものではない。
本発明の実施例4の形態では,X線検出器104において、信号読み出しを行うX線検出素子を順次切り替えて信号を取得する。このX線検出器104は、図2に示したX線検出器104と同様に、シンチレータ素子112と光電変換基板111が接着剤310で接着され、これらのブロックが回路基板113に搭載された構造であるが、実施例1の形態とは回路構成が異なる。図11はX線検出器104の回路の一例を説明する説明図であり,図12は実施例4におけるX線検出器104と磁場検出器116の読み出しタイミングを説明するための説明図である。ここでi(=1,2)はX線検出素子のチャネル方向の番号とし,j(=1,2)はスライス方向の番号し,X線検出素子110を110−i−jと表すことにする。他の構成要素も同様に記す。
本発明の実施例4のX線検出器104は、図2に示した光電変換基板111上に図11に示すフォトダイオード140−i−j とスイッチング素子134−i−が作製され、このフォトダイオード140−i−jに、図2に示したシンチレータ素子112−i−jが接着されてX線検出素子110−i−jを構成する。この同一光電変換基板111上のX線検出素子110−i−jの電極の一方は,共通のグランド線141によりグランド電極パッド135と電気的に接続している。もう一方の電極は,スイッチング素子134−i−jのドレイン電極に接続している。スイッチング素子134−i−jのソース電極は,共通の列iに位置するフォトダイオード140−i−jごとに信号線142−iにて,増幅器124を経て信号用パッド120−iと電気的に接続している。スイッチング素子134−i−jのゲート電極は,共通の行jに位置するフォトダイオード140−i−j毎に、制御線143−jにて制御用パッド133−jと電気的に接続している。このような構造では,制御用パッド133−jに制御用のON信号を入力すると,同じ行jに位置するX線検出素子110−i−jの信号が同時に信号用パッド120から出力される。次にこの制御信号を入力する制御用パッド133−jをj=1,2と順次切り替えていくと,信号用パッド120−iから同一の列iに属するX線検出素子110−i−jの電気信号を順次読み出すことができる。
図12を用いて、X線検出器104の読み出しと磁場の読み出しのタイミングを説明する。ここで、信号150−j(j=1,2)はX線検出器104の読み出しのタイミング信号であり、制御用パッド133−j(j=1,2)にそれぞれ入力される。信号151は、磁場検出器116から磁場読み出しを制御するタイミング信号である。信号154は、キャンセル磁場発生手段500のキャンセル磁場発生のON/OFFを制御するタイミング信号である。信号155は、磁場検出器116の信号を用いてキャンセル磁場を再度決定し、その決定をキャンセル磁場発生手段500に反映してキャンセル磁場を変更するタイミング信号である。これらの信号は,ハイレベル(図12において,信号が立ち上がった後に安定したときの信号レベル)のときが実行中(ON)であり,ローレベル(図12において,信号が立ち下がって後に安定したときの信号レベル)のときは実行していないとき(OFF)である。時間152は1つの投影データが取得される時間ΔTであり、時間153はスイッチング素子134−i−jを切り替えて、読み出しを行うX線検出素子110−i−jのスライスjを替える時間である。
図12に示すように、磁場検出器116は時刻162に磁場を読み出し、図1に示したキャンセル磁場発生量決定手段510が、この信号を用いて発生するキャンセル磁場量を決定する。次にこの量のキャンセル磁場を、キャンセル磁場発生手段500が時刻164から発生する。この後キャンセル磁場は、信号154に示すように、撮影中継続して発生させる。このキャンセル磁場が発生してから、時刻160に1スライス目のX線検出素子110−i−1の信号を読み出す。次に2スライス目のX線検出素子110−i−2が読み出す時刻161までに、再度磁場検出器116が磁場を読み出し(時刻163)、この信号を用いて発生するキャンセル磁場量を再度決定して、キャンセル磁場発生手段500がキャンセル磁場量を変更する(時刻165)。このようにして、各スライス毎にキャンセル磁場量を変更しながら、各スライス毎にX線検出器104の信号を読み出していく。このように1つの投影データが、異なる時間に取得された信号からなる場合、それぞれの時間でキャンセル磁場を決定していくことが望ましい。
本実施例ではキャンセル磁場量の変更をスライス毎に行ったが,本発明はこれに限るものではない。スライス間の読み出し時間よりも短い周期で行ってもかまわない。その際、X線検出素子の読み出し(例えば時刻160、161)とキャンセル磁場の変更タイミング(例えば164、165)が同時となることがないように、または全てのスライスでキャンセル磁場を変動した後に、同じ時間経過してからX線検出素子の読み出しを行うように、キャンセル磁場発生手段500を制御することが望ましい。
本実施例では読み出し方式及び回路構成は、X線検出器104のX線検出素子110を順次に読み出す方式の一例であり,本発明はこれに限るものではない。本実施例ではチャネル方向に同時に、スライス方向に順次に読み出しを実現したが、スライス方向に同時に、チャネル方向に順次に読み出しを実現した回路構成も在り得る。この場合は、本実施例のスライスとチャネルを入れ替えた構造及び制御にて、磁場キャンセルが実現できる。また1つまたは複数のX線検出素子110から成る集合毎に順次読み出していく読み出し方式及び回路構成もありえる。これらのときも本実施例と同様に、X線検出素子110の集合の読み出し間にキャンセル磁場を変更するように制御すればよい。
本発明の実施例5の形態は,実施例1の形態のX線CT装置において、撮影開始の入力からX線検出器104の信号取得までの制御が異なる。以下,図13及び図14を用いて本発明の実施例5の形態について説明する。
図13は、本発明の実施例5のX線CT装置の実施形態の一例を示す説明図である。図14は撮影開始からX線検出器104がデータを取得するまでの動作の一例を説明するための処理のフローである。
図13のX線CT装置は、図1に示すX線CT装置と異なり、X線シャッタ610を具備する。X線シャッタ610は、閉まった状態(以降、閉状態と記す)ではX線源100から照射されたX線を被写体102にあたらない様に遮蔽し、開いた状態(以降、開状態と記す)ではX線源100からのX線を遮蔽せずに透過する。この開状態と閉状態は、制御手段117にて切り替えることができる。
図14を用いて、撮影開始時のX線CT装置の動作のフローを説明する。図13に示す入力手段119から撮影開始入力がある(図14の手順600)と、中央処理手段105は、制御手段117を用いてX線シャッタ610を閉状態にし(図14の手順601)、磁場検出器116が外因性磁場を検出する(図14の手順602)。次にX線管100からX線照射を開始する(図14の処理603)。この状態で、キャンセル磁場発生量決定手段510がキャンセル磁場量を計算し(図14の手順604)、キャンセル磁場発生手段制御手段511がキャンセル磁場発生手段500へ電力を供給してキャンセル磁場を発生させる(図14の処理605)。このX線発生系が動作を開始するときは、外因性磁場は急に増加するため、検出した外因性磁場からキャンセル磁場量を決定して発生するときには、既に外因性磁場は変化し、キャンセルが不十分となる可能性がある。そのため磁場検出器116にて磁場検出を行い(図14の処理606)、その検出結果から磁場のキャンセルが十分行われているかどうかを、キャンセル磁場発生量決定手段510にて判定する(図14の処理607)。この判定処理は、例えば基準値との大小関係で判定する。この基準値は、キャンセル後に残った磁場がどの程度のときにX線検出器104からの出力に影響するかを、事前に調べて決定しておく。この判定がNoのとき、すなわち基準値より大きい場合には、検出した磁場の大きさを用いて再度キャンセル磁場量の計算を行い(図14の処理604)、キャンセル磁場を再度発生し(図14の処理605)、磁場検出を行う(図14の処理606)。このルーチンを、判定条件を満たすまで(Yesになるまで)行う。この条件を満たすとき、X線シャッタを開状態にしてX線を被写体に照射し(図14の処理608)、被写体を透過したX線をX線検出器104で検出し始める(図14の処理609)。このような制御を行うことにより、X線照射開始時に生じる大きな磁場変動によって磁場キャンセルが不十分となる状態では、撮影を行わないようにすることができる。このような状態で取得された場合、全体の画質の劣化を生じる可能性があり、この制御によって画質劣化を防ぐことが出来る。
本実施例におけるX線検出器104でのX線の信号取得を始める条件には、磁場検出器116からの信号の大きさを用いたが、これは条件の一例であり,本発明はこれに限るものではない。条件として、前回の信号との違いを用いる場合や、磁場検出器116の信号変動の大きさを用いても良い。また本実施例では、磁場検出器116からの信号を用いて判定したが、これは条件の一例であり,本発明はこれに限るものではない。一定の時間の経過を条件としても良い。また条件として、X線シャッタ610を閉めたままX線検出器104の読み出しを開始し、そのときのX線検出器104の出力値や出力変動値を用いてもよい。
本実施例ではX線シャッタ610を具備し、X線シャッタ610の開閉によってX線照射のタイミングを制御したが、本発明はこれに限るものではない。X線シャッタ610を設けずに、判定607にてX線検出開始609のタイミングのみを制御する場合もありえる。
(変形例)
本発明は,上記した実施形態に限定されるものではなく,実施の段階ではその要旨を逸脱しない範囲でさまざまに変形して実施することが可能である。更に上記実施形態にはさまざまな段階が含まれており,開示される複数の構成要素における適宜な組み合わせによりさまざまな発明が抽出され得る。例えば実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素が削除されても良い。
本発明のX線CT装置の実施例1の実施形態を示す説明図。 図1のX線CT装置のX線検出器の一例を説明するための説明図。 図1のX線CT装置の中央処理手段105の処理の実施形態の一例を説明するための説明図。 図1のX線CT装置の磁場キャンセル方法の一例を説明するための説明図。 本発明の実施例1の形態のX線CT装置において、キャンセル磁場発生手段500にヘルムホルツコイルを用いた場合の一例を説明するための説明図。 図5の場合のコイルの配置の一例を説明するための説明図。 図5の場合のコイルの配置の一例を説明するための説明図。 図5の場合のコイルの配置の一例を説明するための説明図。 本発明のX線CT装置の実施例2におけるキャンセル磁場発生量決定方法を説明するための説明図。 本発明のX線CT装置の実施例3の磁場キャンセル処理を実現する回路構成の一例を説明するための説明図。 本発明のX線CT装置の実施例4における読み出しを実現するX線検出器104の回路構成の一例を説明する説明図。 図11のX線CT装置の読み出しタイミングを説明するための説明図。 本発明のX線CT装置の実施例5の実施形態を示す説明図。 図13のX線CT装置の撮影開始時の動作を説明するための説明図。
符号の説明
100…X線源 101…回転体 102…被写体 103…寝台天板 104…X線検出器 105…中央処理手段 106…表示手段 107…回転軸方向,スライス方向 108…回転方向,チャネル方向 110…X線検出素子 111…光電変換基板 112…シンチレータ素子 113…配線基板 116…磁場検出器 117…制御手段 118…信号収集手段 119…入力手段 120…電極パッド 124…増幅器 130…セパレータ 133…制御用パッド 134…スイッチング素子 135…グランド電極パッド 140…フォトダイオード 142…信号線 143…制御線 150…X線検出器104の読み出し用制御信号 151…磁場検出器116の読み出し用制御信号 152…1投影データの取得時間 153…1スライスを読み出す時間 154…キャンセル磁場発生手段500のキャンセル磁場の発生を制御する制御信号のタイミング 155…キャンセル磁場発生手段500のキャンセル磁場を変更するタイミング 160〜165…時刻 170…積分器 171…増幅器 172…差分回路 410…グランド線 301…補正手段 302…再構成手段 303…検出器特性記憶手段 310…接着剤 400…磁場検出用のコイル 401…積分器 402…増幅器 403…アナログ−デジタル変換器(ADC) 405…外因性磁場の入射方向 406…X線入射方向 407…検出器特性抽出手段 410…事前処理 410…リアルタイム処理 416〜421…手順 500…キャンセル磁場発生手段 502…キャンセル磁場発生用のコイル 503…コイル感度調整手段 504…電流源 505…デジタル−アナログ変換器(DAC) 510…キャンセル磁場発生量決定手段 511…キャンセル磁場発生手段制御手段 600〜606,608,609…手順 608…判定条件 610…X線シャッター。

Claims (6)

  1. X線を照射するX線源と,X線を電気信号に変換するX線検出素子が複数配置されたX線検出手段と,前記X線検出手段から得た信号に再構成演算処理を行って画像を作成する演算処理手段とから構成されるX線CT装置において,前記X線検出手段を配置した空間に存在する磁場を検出して信号を出力する磁場検出手段と,前記X線検出手段を配置した空間に存在する磁場をキャンセルするための磁場を発生する磁場発生手段と,前記磁場検出手段の信号を用いて前記磁場発生手段を制御する制御手段とを具備することを特徴とするX線CT装置。
  2. 請求項1のX線CT装置において,前記X線検出手段による信号取得する以前に、前記磁場検出手段が磁場を検出して信号を出力し、前記制御手段が前記磁場発生手段を制御し、前記磁場発生手段が磁場を発生することを特徴とするX線CT装置。
  3. 請求項1のX線CT装置において,前記磁場発生手段がヘルムホルツコイルであることを特徴とするX線CT装置。
  4. 請求項1のX線CT装置において,前記X線検出手段が1つまたは複数のX線検出素子を切り替えて順次に信号を読み出し、前記順次信号読み出し中のある読み出しと次の読み出しの間に、前記磁場検出手段が磁場を検出して信号を出力し、前記制御手段が前記磁場発生手段を制御し、前記磁場発生手段が磁場を発生することを特徴とするX線CT装置。
  5. 請求項1のX線CT装置において,前記磁場検出手段の磁場検出感度が磁場の入射方向によって異なる特性を有し,感度の高い方向が,前記X線検出手段への前記X線入射方向に対して略平行となるように前記磁場検出手段を配置することを特徴とするX線CT装置。
  6. 請求項1のX線CT装置において,前記磁場検出手段または/及び前記磁場発生手段が、前記X線が被写体を透過する際に生じて前記X線検出手段に入射する散乱線を除去する機能を具備することを特徴とするX線CT装置。
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