JP2006296300A - コラーゲンペプチド含有納豆および保水剤を用いたその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明の課題は、従来にない納豆の食味、風味を維持したままコラーゲンペプチドを含有する納豆を提供すること、とくに吸収性の高い低分子化されたコラーゲンペプチドを含有する納豆を提供することにある。
【解決手段】 本発明は、コラーゲンペプチドおよび保水剤を含有する納豆、とくにコラーゲンペプチドが、納豆製造時の発酵工程において納豆菌により低分子化されたものである前記の納豆に関する。また本発明は、納豆の製造方法であって、保水剤と、ゼラチンまたはコラーゲンペプチドとを蒸煮大豆に添加して発酵させる工程を含む、前記製造方法およびその製造方法によって製造された納豆に関する。

Description

本発明は、消化吸収性の高いコラーゲンペプチドを含有する納豆およびその製造方法に関する。
近年、従来から知られている飲食品に対し、栄養補助等を目的とした添加物を加えた食品や飲料が数多く市販されているが、肌の保湿や弾力を向上させ、また骨形成の促進作用を有するコラーゲンペプチドを添加した飲食品についても開発が検討され、一部製品化されている。
コラーゲン分子は、3重らせん構造を有する高分子であり、直接的に消化吸収することが困難であるため、食品添加物としてはあまり適していない。通常は、コラーゲン分子を熱やアルカリ処理により変性したゼラチン(変性コラーゲン)や、コラーゲン分解酵素により分解処理したコラーゲンペプチドが、水に易溶性であることから、飲料タイプのものとして利用されている。
一方、納豆にゼラチンを配合し、所定の形状にゲル化した納豆食品が知られているが(特許文献1)、これは納豆の特性である糸引きや風味をゼラチンによって封じ込めることを目的とするもので、納豆本来の特性は維持できないものである。また、納豆菌によりコラーゲンを分解し、得られた分解物を用いて健康食品または健康飲料を製造することが知られているが(特許文献2)、これを納豆に適用し、かつ納豆の食味、風味を維持した状態でコラーゲンペプチドを配合した例は知られていない。
一般的に納豆は、大豆を蒸煮し、得られた蒸煮大豆に納豆菌を接種し、発酵・熟成させ、タレ・からし等の添付品を添付して包装することなどを経て製造され出荷される。従来、納豆の添加物は、タレ袋に配合され、摂食時に納豆を掻き混ぜる際に納豆に添加されることが多かった。しかしながら、このようなタレ袋方式では、添加物の種類によっては、タレを希釈し、タレの風味を損なう虞がある。また、タレと十分に混合しない添加物の場合は、タレ袋のほかに別途袋を添付することが必要となる。
コラーゲンペプチドを効果的に摂食し、肌の保湿や弾力を向上させる美容効果や、骨形成促進効果などを得るには、1日に1000mg〜5000mg程度を摂食する必要があるとされている。これだけの量を納豆に添加して摂食する場合、従来のタレ袋方式ではタレ袋に入れるコラーゲンペプチド量が多すぎて、タレ袋を極端に大きくする必要があり、またタレの風味を維持することが極めて困難である。
一般的に、分子量1500程度のコラーゲンペプチドが体内に吸収されやすいとされているが、このような低分子量のコラーゲンペプチドは高価で、添加物として大量に使用すると、商品価格が高騰してしまう。
特開平6−319478号公報 特開2001−149022号公報
本発明は、納豆の食味、風味を維持したままコラーゲンペプチドを消化吸収しやすい形で含有する納豆を提供するという全く新しい課題に基づくものである。
本発明者は、上掲の新しい課題を解決するため、研究を重ねる中で、納豆そのものに低分子化したコラーゲンペプチドを混入させることができれば上記課題を解決しうることに着眼したが、低分子化したコラーゲンペプチドは高価なため実用上問題があった。そこでさらに研究を行ったところ、納豆の製造における通常の蒸煮大豆の発酵工程において単にゼラチンやコラーゲンペプチドを納豆菌と共存させるだけで、食味・風味が失われることなくコラーゲンペプチドを含有する納豆を製造することができることを見出した。
ところがその後の検討過程において、コラーゲンペプチド溶液を蒸煮大豆に添加する場合、該溶液が蒸煮大豆の表面に十分絡まないで液だれとなって納豆容器の底にたまったり、また該溶液が蒸煮大豆表面に絡まったとしても納豆発酵中の温度上昇により粘度が低下し、蒸煮大豆の表面に留まらずに液だれになるという問題に直面した。この問題は、とくにコラーゲンペプチドを多量に添加した場合に顕著に現われた。そしてこの液だれ現象が納豆の均一な発酵を阻害することも究明した。
本発明者は、この問題の解決のため、さらに鋭意研究を進めたところ、保水剤を含むコラーゲンペプチド溶液を調製し、蒸煮大豆と混合することで、驚くべきことに、多量にコラーゲンペプチドを添加した場合でも、液だれを生じることなく、発酵不良を防ぐことができることを見出し、さらに研究を進めた結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、コラーゲンペプチドおよび保水剤を含有する納豆に関する。
さらに本発明は、コラーゲンペプチドが、納豆製造時の発酵工程において納豆菌により低分子化されたものである、前記の納豆に関する。
また本発明は、保水剤の吸水率が、40%以上である、前記の納豆に関する。
さらに本発明は、保水剤が、脱脂大豆粉、ふすま、米粉、セルロース、カラギーナン、カルボキシメチルセルロースから選択される1種または2種以上からなる、前記の納豆に関する。
また本発明は、納豆の製造方法であって、保水剤とゼラチンまたはコラーゲンペプチドとを添加して蒸煮大豆を発酵させる工程を含む、前記製造方法に関する。
さらに本発明は、保水剤の吸水率が、40%以上である、前記の製造方法に関する。
また本発明は、蒸煮大豆に添加する保水剤とゼラチンまたはコラーゲンペプチドとを予め混合して混合液とすることを含む、前記の製造方法に関する。
さらに本発明は、混合液が、保水剤を1%(w/v)〜15%(w/v)含有する、前記の製造方法に関する。
また本発明は、混合液の粘度が、80℃で100〜1000mPa・sである、前記の製造方法に関する。
さらに本発明は、保水剤が、脱脂大豆粉、ふすま、米粉、セルロース、カラギーナン、カルボキシメチルセルロースから選択される1種または2種以上からなる、前記の製造方法に関する。
また本発明は、前記の納豆の製造方法によって製造される納豆に関する。
本発明によれば、脱脂大豆粉、ふすまなどの保水剤を配合することにより、液だれなど不具合を起こすことなくコラーゲンペプチド溶液が均一に蒸煮大豆に絡みやすくなるため、コラーゲンペプチドをより多量に含有せしめることが可能になる。また、納豆製造時に納豆菌によりコラーゲンペプチドを低分子化する工程(すなわちこれは発酵工程でもあるが)において、温度上昇に伴う溶液の粘度の低下に起因する液だれが生じず、納豆容器の底に液が溜まることがないので発酵不良を起こすことなく均一な発酵が可能になる。
本発明の納豆は、納豆の食味や風味を損なうことなく、低分子量の吸収性の高いコラーゲンペプチドを含有することができる。すなわち、かかるコラーゲンペプチドは、納豆の発酵工程・熟成工程を経るため、コラーゲン特有の生臭さがなく、むしろ納豆の味に深みやコクを向上せしめることができる。一方、本発明にかかる納豆は、通常の納豆製造プロセスでの基本的な諸条件をほとんど変更することなく、蒸煮大豆の発酵時に、ゼラチンまたはコラーゲンペプチドと保水剤とを混合した混合液を単に添加するだけで製造することができるため、安価に、また簡便に製造することができる。また、高価な低分子量のコラーゲンペプチドを使用する必要がないことからも極めて経済的である。
本発明によれば、あえてタレ袋などに高価な低分子量のコラーゲンペプチドを入れておく必要がなく、タレは普通のものを使えることから、安価で簡便であり、また納豆の食味、風味も落ちることがない。
なお、本発明にかかる納豆に、あえて別途コラーゲンペプチドを含有するタレ袋などを具備せしめることも勿論可能であり、この場合、コラーゲンペプチドの量をさらに増大させた納豆製品を提供するといった利点を生ずる。
本発明にかかる納豆の製造方法としては、ゼラチンまたはコラーゲンペプチドと保水剤とを混合して発酵工程を経ること以外は、通常行われている方法を用いてよく、丸大豆納豆、挽き割り納豆など各種の糸引き納豆の製造において適用することができる。
また本発明において、大豆や納豆菌の種類などはとくに限定されず、発酵工程は、通常の納豆製造時の発酵条件で行うことができるが、発酵工程の当初に配合したゼラチンまたはコラーゲンペプチドの分子量等を考慮し、適宜変更することも可能である。
本発明で用いる、ゼラチンまたはコラーゲンペプチドは市販のものなど任意に利用することができるが、例えば、平均分子量3000以上のものなどが用いられる。本発明の製造プロセスによりゼラチンまたはコラーゲンペプチドは低分子化されるが、例えば、ペプチド全量に対し、分子量3000未満のペプチドが、10%以上、好ましくは30%以上含まれる程度に低分子化される。
さらに本発明において、納豆菌により低分子化されたコラーゲンペプチドの含有量は任意に調整することができるが、例えば、納豆100gあたり100mg以上、好ましくは500mg〜5000mg、さらに好ましくは1000mg〜4000mg程度含有させる。
また本発明においては、発酵工程でコラーゲンペプチド溶液を蒸煮大豆によく絡ませるために保水剤を配合するが、かかる保水剤としては、通常用いられている保水力が高い食品素材、例えば、脱脂大豆粉、ふすま、米粉、セルロース、カラギーナン、カルボキシメチルセルロースなどが用いられる。とくに脱脂大豆粉が好適に用いられる。これらの保水剤は、1種または2種以上を組合せて用いることもできる。なお、保水剤の吸水率は40%以上であることが好ましく、とくに45%以上であることが好ましい。
保水剤の量は、納豆に添加するコラーゲンペプチドの量などから任意に調整することができるが、添加するコラーゲンペプチド溶液に対し、1%(w/v)以上、好ましくは、1%(w/v)〜15%(w/v)、とくに好ましくは、5%(w/v)〜8%(w/v)程度である。
保水剤は、コラーゲンペプチド溶液の状態で、蒸煮大豆と混合する際、適度な粘度を有しているのが好ましい。例えば、80℃で、100〜1000mPa・s、好ましくは180〜500mPa・sの粘度を有している。粘度が低いと、コラーゲンペプチドが蒸煮大豆にうまく付着しない傾向がある。また粘度が高いと、蒸煮大豆にコラーゲンペプチドを混合させ、均一化するのが困難になる場合がある。
さらに本発明の納豆に加え、タレ袋にコラーゲンペプチドを含有させることにより、十分量のコラーゲンペプチドを摂食できる納豆製品とすることもできる。
以下に、本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の各例に限定されるものではない。
(試験例1)
納豆菌によるコラーゲンペプチドの低分子化を確認するために、次の実験を行った。
コラーゲンペプチド(平均分子量約5000)の10%(w/v)濃度液(水溶液)、グルコース0.5%(w/v)および納豆菌の生育に必要なミネラル成分を添加した培養液を調製し、得られた培養液に納豆菌を植菌し、37℃で18時間培養した。培養の前後で、培養液を回収し、遠心式限外ろ過フィルタにより、分子量3000未満のペプチドを回収し、ペプチド全体に占める割合の変化を確認した。結果を表1に示す。
Figure 2006296300
分子量3000未満のペプチド量が、培養前は13%(w/w)であったのに対し、培養後は48%(w/w)(約3.7倍)となっており、納豆菌によりコラーゲンペプチドが低分子化されたことが示された。
(試験例2)
保水力の高いと考えられる各種食品素材(保水剤)について、それぞれの保水力の比較実験を行った。
保水剤10gに熱水100gを加え、20分間放置後、遠心分離(×1000g、5分間)を行った。得られた上清部分の重さを測定し、吸水した水の量を決定し、保水剤の吸水率とした。結果を表3に示す。
(実施例1)
コラーゲンペプチドが納豆製造時の発酵工程において納豆菌により低分子化されることを、大豆および納豆菌には含まれず、コラーゲンペプチドに特有に含まれるハイドロキシプロリンを指標にして確認した。
大豆500gを蒸煮して得られた蒸煮大豆に、納豆菌(Bacillus subtilis TTCC865株(受託番号FERM P−19176))およびコラーゲンペプチド12.6g(平均分子量約3000;焼津水産社製)を添加し、約40℃で発酵した。経時的に、全ハイドロキシプロリン量および遊離型ハイドロキシプロリン量を測定した。結果を表2に示す。
Figure 2006296300
表2に示すとおり、発酵開始から18時間には、遊離型ハイドロキシプロリンが検出されるようになった。これは納豆菌によるコラーゲンペプチドの分解が進行し、ハイドロキシプロリンが遊離したものであり、発酵開始から18時間程度で、十分にコラーゲンペプチドの低分子化が進行したことを示す。通常の納豆の発酵工程は、16〜20時間程度であることから、発酵工程における納豆菌によるコラーゲンペプチドの低分子化が極めて有効であることが示された。
(製造例1)
魚から抽出したコラーゲンペプチドを水に溶解し、40%(w/v)コラーゲンペプチド溶液を調製した。該溶液に、脱脂大豆粉(吸水率:75.0%、K.Iテック(株)社製(商品名:ファイブラリッチFN−100))が5%(w/v)になるように混合し、均一になるまで攪拌し、得られた溶液を高温処理により殺菌し、コラーゲンペプチド添加液とした。
常法にしたがい、極小粒大豆に3倍量の水を加え、15〜20℃で18〜24時間浸漬した浸漬大豆を加圧釜に入れ、ゲージ圧2kg/cmで約20分間蒸煮し、得られた蒸煮大豆がまだ熱いうちに、蒸煮大豆1kgあたり10個の納豆菌胞子(宮城野納豆菌)を接種した。接種後すぐに、煮豆重量に対し、前記コラーゲンペプチド添加液を6%添加し、混合し、これを納豆用PSP容器に充填後、表面を有孔ポリエチレンフィルムで覆い、蓋をかぶせて、37〜40℃で15〜20時間発酵させた。発酵終了後に熟成させ、目的とする納豆を得た。
(製造例2)
豚皮から抽出したコラーゲンペプチド(最終濃度が30%(w/v)になる量)と脱脂大豆粉(吸水率:67.2%、ソレイ社製(商品名:ファイブリムSZ−F2))(最終濃度が8%(w/v)になる量)とを水に溶解し、均一になるまで攪拌し、得られた溶液を高温処理により殺菌し、コラーゲンペプチド添加液とした。
常法にしたがい、極小粒大豆に3倍量の水を加え、15〜20℃で18〜24時間浸漬した浸漬大豆を加圧釜に入れ、ゲージ圧2kg/cmで約20分間蒸煮し、得られた蒸煮大豆がまだ熱いうちに、蒸煮大豆1kgあたり10個の納豆菌胞子(TTCC865株 受託番号FERM P−19176)を接種した。これを納豆用PSP容器に充填し、充填直後に前記コラーゲンペプチド添加液を、煮豆重量に対し7%になるように1容器毎にスプレー添加し、表面を有孔ポリエチレンフィルムで覆い、蓋をかぶせて、37〜40℃で15〜20時間発酵させた。発酵終了後に熟成させ、目的とする納豆を得た。
(製造例3)
脱脂大豆粉をふすま(吸水率:45.6%、日清製粉(株)社製(商品名:ウィートブラウンP))とした以外は、製造例1と同様に製造し、得られた納豆を製造例3とした。
(製造例4)
脱脂大豆粉をそば粉(吸水率:44.9%、(株)つぼ市製茶本舗社製(商品名:ダッタンそば茶))とした以外は、製造例1と同様に製造し、得られた納豆を製造例4とした。
(製造例5)
脱脂大豆粉をビール酵母(吸水率:37.0%、キリンビール(株)社製(商品名:BY−G))とした以外は、製造例1と同様に製造し、得られた納豆を製造例5とした。
(製造例6)
脱脂大豆粉を米粉(吸水率:75.0%、日の本製粉(株)社製(商品名:TF−2526))とし、コラーゲンペプチド溶液に対し15%(w/v)になるように混合した以外は、製造例1と同様に製造し、得られた納豆を製造例6とした。
(製造例7)
脱脂大豆粉をセルロース(吸水率:41.5%、旭化成ケミカルズ(株)社製(商品名:アビセルFD−F20))とし、コラーゲンペプチド溶液に対し15%(w/v)になるように混合した以外は、製造例1と同様に製造し、得られた納豆を製造例7とした。
(比較例1)
脱脂大豆粉を用いないこと以外は、製造例1と同様に製造し、得られた納豆を比較例1とした。
(保水性試験)
製造例2〜7について、それぞれの発酵工程後、納豆容器の底に溜まった液だれの量を確認し、各製造例で用いた保水剤の適正を4段階で評価した。結果を表3に示す。
Figure 2006296300
保水剤として脱脂大豆粉を用いた場合(製造例2)、発酵工程を通じて、コラーゲンペプチド溶液が蒸煮大豆に付着した状態を維持でき、液だれがなく、納豆へ均一に発酵した。
ふすまを用いた場合(製造例3)、少量の液だれが生じたものの、納豆の発酵の障害とはならず、製品としての品質を保つことができた。
そば粉を用いた場合(製造例4)、液だれを生じ、納豆の良好な品質を保つことができなかった。
ビール酵母を用いた場合(製造例5)、コラーゲンペプチド溶液の蒸煮大豆への付着困難であり、保水剤として適していなかった。
米粉を用いた場合(製造例6)、コラーゲンペプチド溶液への添加量を多くすることで保水剤としての適正が高くなり、少量の液だれが生じたものの、製品としての品質を保つことができた。
セルロースを用いた場合(製造例7)、少量の液だれが生じたものの、製品としての品質を保つことができた。
上記各保水剤と、コラーゲンペプチドとを混合した混合液(コラーゲンペプチド溶液)の80℃における粘度を粘度計(TVC−5形粘度計、東機産業株式会社製)を用い、常法にしたがって測定したところ、100〜1000mPa・s程度であれば、保水剤としての使用が可能であり、さらに180〜500mPa・s程度の粘度であれば、液だれもなく、コラーゲンペプチドが均一に付着し、納豆が好適に発酵することが明らかになった。
(官能試験)
製造例1および2の納豆と、従来の製造方法による納豆および比較例1の納豆とを比較するため、それぞれの官能評価をした。なお、官能評価は、下記評価項目に対し、5段階評価法にて行い、結果は平均値を示した。結果を表4に示す。
(評価項目)
外観:納豆菌の被りが均一且つ良好か。豆の色が良好か。煮汁の有無。
糸引き:粘りが強く、糸引きが良いか。
香り:アンモニア臭等の不快臭がなく適度な納豆臭があるか。
味:苦味、異味がなく、適度な旨味があるか。
硬さ:適度な硬さであるか。
総合評価:上記項目の総合評価。
Figure 2006296300
表4の結果からも明らかなとおり、本発明にかかる納豆(製造例1および2)は、品質面で従来の納豆と全く遜色なく、従来の品質を維持・向上しつつ、低分子化コラーゲンペプチドを含有するものであることが示された。また、脱脂大豆粉などの保水剤を添加しなかった比較例1では、液だれを防ぐことができず、均一には発酵しなかった。

Claims (11)

  1. コラーゲンペプチドおよび保水剤を含有する納豆。
  2. コラーゲンペプチドが、納豆製造時の発酵工程において納豆菌により低分子化されたものである、請求項1に記載の納豆。
  3. 保水剤の吸水率が、40%以上である、請求項1または2に記載の納豆。
  4. 保水剤が、脱脂大豆粉、ふすま、米粉、セルロース、カラギーナン、カルボキシメチルセルロースから選択される1種または2種以上からなる、請求項1〜3のいずれかに記載の納豆。
  5. 納豆の製造方法であって、保水剤とゼラチンまたはコラーゲンペプチドとを添加して蒸煮大豆を発酵させる工程を含む、前記製造方法。
  6. 保水剤の吸水率が、40%以上である、請求項5に記載の製造方法。
  7. 蒸煮大豆に添加する保水剤とゼラチンまたはコラーゲンペプチドとを予め混合して混合液とすることを含む、請求項5または6に記載の製造方法。
  8. 混合液が、保水剤を1%(w/v)〜15%(w/v)含有する、請求項7に記載の製造方法。
  9. 混合液の粘度が、80℃で100〜1000mPa・sである、請求項8に記載の製造方法。
  10. 保水剤が、脱脂大豆粉、ふすま、米粉、セルロース、カラギーナン、カルボキシメチルセルロースから選択される1種または2種以上からなる、請求項5〜9のいずれかに記載の製造方法。
  11. 請求項5〜10のいずれかに記載の納豆の製造方法によって製造される納豆。
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