(実施形態1)
以下に、本発明に係る画像処理装置をデジタルカラー複写機に適用した実施形態1を示す図面に基づいて具体的に説明する。図1は実施形態1に係るカラー画像形成装置の内部構成例を示すブロック図である。本実施形態のカラー画像形成装置10は、カラー画像入力装置11と、カラー画像入力装置11を介して入力された画像データを処理する本発明に係る画像処理装置であるカラー画像処理装置20と、カラー画像処理装置20によって処理された画像データに基づく画像を記録用紙又はOHPシート等のシート上に形成するカラー画像出力装置12等を含むデジタルカラー複写機である。なお、図示していないが、カラー画像形成装置10は、上述した各部の制御を行なうCPU(Central Processing Unit )を備えている。
カラー画像入力装置11は、原稿に光を照射する光源、例えばCCD(Charge Coupled Device)素子を主走査方向に複数並設したCCDラインセンサ等を備えたスキャナ部により構成されている。カラー画像入力装置11は、CPUからの制御に従って、CCDラインセンサを副走査方向(主走査方向と直交する方向)に移動(副走査)させ、原稿からの反射光像をRGB(R:赤、G:緑、B:青)のアナログ信号として読み取り、取得したRGBアナログ信号をカラー画像処理装置20へ出力する。
なお、カラー画像入力装置11は、ユーザが倍率設定を行なった場合、副走査方向に対してアナログ変倍処理を行なう。アナログ変倍処理としては、いくつかの方法があるが、例えば、CCDラインセンサによる読取サイクルを示すクロックの周波数は一定とし、CCDラインセンサを副走査方向に移動させるスピードを変更することにより、設定された変倍率に対応した幅毎に副走査方向の読み取りを行なう方法がある。
カラー画像形成装置10は、カラー画像入力装置11によって原稿から取得したRGBアナログ信号の画像データに対して、カラー画像処理装置20内において後述する処理を施し、CMYK(C:シアン、M:マゼンタ、Y:イエロー、K:黒)のデジタルカラー信号を生成してカラー画像出力装置12へ出力する。カラー画像出力装置12は、カラー画像処理装置20から受け取ったCMYKデジタル信号に基づいて、記録用紙上に画像を形成する電子写真方式又はインクジェット方式等のプリンタである。なお、カラー画像出力装置12は、ディスプレイのような表示装置であってもよい。
カラー画像処理装置20は、A/D(アナログ/デジタル)変換部21、シェーディング補正部22、入力階調補正部23、色空間変換部24、メモリ25、第1変倍処理部26、領域分離処理部27、第2変倍処理部28、空間フィルタ処理部29、変倍処理部30、色補正部31、黒生成下色除去部32、出力階調補正部33、階調再現処理部34等を備える。
A/D変換部21は、上述したようにユーザによる設定に従ってカラー画像入力装置11によってアナログ変倍されて取得された画像データを取得する画像取得手段として動作しており、カラー画像入力装置11から入力されたRGBのアナログ信号を、例えば8ビットのデジタル信号に変換してシェーディング補正部22へ出力する。シェーディング補正部22は、A/D変換部21から入力されたRGBのデジタル信号に対して、カラー画像入力装置11の照明系、結像系及び撮像系等において生じる各種の歪みを取り除くためのシェーディング処理を施して入力階調補正部23へ出力する。
入力階調補正部23は、シェーディング補正部22において各種の歪みが取り除かれたRGBのデジタル信号(RGBの反射率信号)に対して、カラーバランスを整えると共に、カラー画像処理装置20に採用されている画像処理システムが処理し易い濃度信号のような信号に変換する処理を施して色空間変換部24へ出力する。色空間変換部24は、RGB信号をLC1C2(L:輝度、C1・C2:色度)の色空間に変換し、生成したLC1C2の画像データ(LC1C2信号)をメモリ25へ出力して一時的に格納させると共に、生成したLC1C2信号を第1変倍処理部26へ出力する。
第1変倍処理部26は、色空間変換部24から入力されたLC1C2信号に対して、カラー画像入力装置11が原稿から画像データを読み取る際に行なったアナログ変倍処理における変倍率(アナログ変倍率)に応じた第1変倍処理を行なう第1変倍処理手段として動作する。具体的には、第1変倍処理部26は、LC1C2信号に対してアナログ変倍率の逆数に相当する倍率によるデジタル変倍処理を行ない、カラー画像入力装置11が原稿を等倍で読み取った場合の画像データと同等の画像データに変換し、生成したLC1C2信号を領域分離処理部27へ出力する。なお、第1変倍処理部26が行なうデジタル変倍処理(第1変倍処理)の詳細については後述する。
領域分離処理部(領域分離処理手段)27は、第1変倍処理部26から入力されたLC1C2信号の画像データ内の各画素データを、文字領域、網点領域、写真領域の何れかに分離する領域分離処理を行ない、分離結果に基づいて、各画素データがどの領域に属しているかを示す領域識別信号を第2変倍処理部28へ出力する。
第2変倍処理部28は、領域分離処理部27から入力された領域識別信号に対して、カラー画像入力装置11が原稿から画像データを読み取る際に行なったアナログ変倍処理における変倍率に応じた第2変倍処理を行なう第2変倍処理手段として動作する。具体的には、第2変倍処理部28は、領域識別信号に対してアナログ変倍率に相当する倍率によるデジタル変倍処理を行ない、得られた領域識別信号を空間フィルタ処理部29、黒生成下色除去部32、及び階調再現処理部34へ出力する。なお、第2変倍処理部28が行なうデジタル変倍処理(第2変倍処理)の詳細についても後述する。
一方、メモリ25は、色空間変換部24から入力されたLC1C2信号を一時的に格納しており、CPUからの制御に従って、格納してあるLC1C2信号を空間フィルタ処理部29へ出力する。なお、CPUは、メモリ25から読み出すLC1C2信号と、第2変倍処理部28から出力させる領域識別信号とを同期させて空間フィルタ処理部29へ入力させる。
空間フィルタ処理部(画像処理手段)29は、メモリ25から入力されたLC1C2信号の画像データに対して、第2変倍処理部28から入力された領域識別信号に応じたデジタルフィルタによる空間フィルタ処理(画像処理)を行ない、生成した画像データを変倍処理部30へ出力する。これにより、メモリ25から入力されたLC1C2信号の画像データにおいて、画像の空間周波数特性を補正することができ、カラー画像出力装置12における出力画像のぼやけ又は粒状性劣化を防止することができる。
具体的には、空間フィルタ処理部29は、領域分離処理部27において文字領域に分離された各画素データに対して、空間フィルタ処理のひとつである鮮鋭強調処理を行ない、高周波成分を強調することによって特に黒文字又は色文字の再現性を高めることができる。また、空間フィルタ処理部29は、領域分離処理部27において網点領域に分離された各画素データに対してローパス・フィルタ処理を行なうことによって入力網点成分を除去することができる。
変倍処理部30は、空間フィルタ処理部29から入力された画像データに対して、主走査方向が所定倍率になるように拡大演算処理又は縮小演算処理を行ない、変倍したLC1C2信号の画像データを色補正部31へ出力する。色補正部31は、変倍処理部30から入力されたLC1C2信号の画像データをCMYの色空間に変換すると共に、カラー画像出力装置12による色再現性を高めるために、不要吸収成分を含むCMY色材の分光特性に基づいた色濁りを取り除く処理、及び原稿と複写物(出力画像)との間のカラーマッチング処理等を行ない、補正後のCMY信号の画像データを黒生成下色除去部32へ出力する。
黒生成下色除去部(画像処理手段)32は、第2変倍処理部28から入力された領域識別信号に応じて、色補正部31から入力された色補正後のCMY信号の画像データを構成する3色の信号(C信号、M信号、Y信号)から黒の信号(K信号)を生成する黒生成処理(画像処理)を行なう。また、黒生成下色除去部32は、元のCMY信号から黒生成処理で取得したK信号を差し引いて新たなCMY信号を生成する処理を行ない、生成したCMYKの4色信号(CMYK画像データ)を出力階調補正部33へ出力する。
なお、一般的な黒生成処理として、スケルトンブラックにより黒生成を行なう方法がある。この方法では、スケルトンカーブの入出力特性をy=f(x)とし、入力されるデータをC,M,Yとし、出力されるデータをC',M',Y',K'とし、UCR(Under Color Removal)率をα(0<α<1)とした場合、黒生成下色除去処理は以下の式1で表わされる。
K’=f{min(C,M,Y)}
C’=C−αK’
M’=M−αK’
Y’=Y−αK’ …(式1)
出力階調補正部33は、黒生成下色除去部32から入力されたCMYK信号の画像データに対して、カラー画像出力装置12による階調再現特性に応じた出力階調補正処理を行なって階調再現処理部34へ出力する。階調再現処理部(画像処理手段)34は、空間フィルタ処理部29と同様に、第2変倍処理部28から入力された領域識別信号に基づいて、出力階調補正部33から入力された出力階調補正処理済みのCMYK信号に対して所定の画像処理を行なう。
具体的には、領域分離処理部27において文字領域に分離された各画素データは、階調再現処理部34において、カラー画像出力装置12による高域周波数成分の再現に適するように2値化処理又は多値化処理が選択されて行なわれ、特に黒文字又は色文字の再現性を高めることができる。また、領域分離処理部27において網点領域に分離された各画素データは、出力階調補正部33において、濃度信号等の信号をカラー画像出力装置12の特性値である網点面積率に変換する出力階調補正処理が施された後、階調再現処理部34において、最終的に画像を画素単位に分離してそれぞれの画素の階調を再現できるように処理する階調再現処理(中間調生成)が施される。更に、領域分離処理部27において写真領域に分離された各画素は、カラー画像出力装置12による階調再現性に適するように2値化処理又は多値化処理が施される。
階調再現処理部34で2値化処理又は多値化処理が施されたCMYK信号の画像データは、図示しない記憶手段に一時的に記憶され、所定のタイミングで読み出されてカラー画像出力装置12へ出力される。また、以上の処理はCPUによって制御される。なお、本実施形態1のカラー画像処理装置20において、第1変倍処理部26は色空間変換部24の直後に配置されているが、これに限定されるものではなく、領域分離処理部27よりも前であれば良い。また、第2変倍処理部28は領域分離処理部27よりも後で領域識別信号を用いる処理部(図1においては空間フィルタ処理部29)よりも前にあれば良い。
以下に、本発明の特徴部分である第1変倍処理部26及び第2変倍処理部28の構成について説明する。図2は第1変倍処理部26及び第2変倍処理部28の内部構成例を示すブロック図である。第1変倍処理部26は、第1ライン数設定部26a及び第1補間部26bを有する。第1変倍処理部26は、色空間変換部24から入力された輝度情報(L値)及び色度情報(C1値、C2値)からなるLC1C2信号の画像データを第1ライン数設定部26aに順次入力する。
第1ライン数設定部26aは、ラインディレイのための複数のラインメモリ及びRAM等を有する。第1ライン数設定部26aは、色空間変換部24から画像データが入力される前に、メモリ25に予め格納されている、図3(a)又は図3(b)に示すようなライン数設定テーブルを参照して、カラー画像入力装置11が原稿から画像データを読み取る際に行なったアナログ変倍処理におけるアナログ変倍率に対応する入力ライン数を取得してRAMに格納しておく。
ライン数設定テーブルには、図3(a)又は図3(b)に示すように、上限及び下限によって規定されるアナログ変倍率の各範囲に対応して入出力ライン数が登録されている。図3(a)はラインディレイのためのラインメモリを第1ライン数設定部26aに6ライン設けてある場合のライン数設定テーブルを、図3(b)はラインディレイのためのラインメモリを第1ライン数設定部26aに4ライン設けてある場合のライン数設定テーブルをそれぞれ示している。従って、ライン数設定テーブルは、第1ライン数設定部26aに搭載できるラインメモリの数と領域分離精度とに応じて決定すればよい。以下では、図3(b)に示すライン数設定テーブルがメモリ25に格納されており、第1変倍処理部26及び第2変倍処理部28がこのライン数設定テーブルを用いた場合の処理について説明する。
メモリ25に格納されているライン数設定テーブルから、アナログ変倍率に対応する入力ライン数を取得してRAMに格納してある第1ライン数設定部26aは、色空間変換部24から画像データが入力された場合、(RAMに格納してある入力ライン数−1)ライン分の画像データ(ラインデータ)を自身が有するラインメモリに格納することによりラインディレイ処理を行ない、ディレイ(遅延)されたラインデータと、次に色空間変換部24から入力されてくるディレイされていない1つのラインデータとを同時的に第1補間部26bへ出力する。
具体的には、カラー画像入力装置11が220%のアナログ変倍率で原稿から画像データを読み取った場合、第1ライン数設定部26aは、図3(b)に示すライン数設定テーブルから入力ライン数「2」を取得してRAMに格納しておく。そして、第1ライン数設定部26aは、色空間変換部24から入力された画像データにおいて、(RAMに格納してある入力ライン数−1)ライン分のラインデータに対してラインディレイ処理を行なうべく、(RAMに格納してある入力ライン数−1)ライン分の画像データを自身が有するラインメモリに順次格納する。ここでは、1ライン分のラインディレイ処理を行なうため、1ライン分のラインデータをラインメモリに格納した後、ラインメモリに格納されたラインデータと、次に色空間変換部24から入力されてくる1ライン分のラインデータとにおいて、副走査方向に隣り合う画素データ(ここでは2画素データ)を順次第1補間部26bへ出力する。
第1補間部26bは、複数のレジスタ及びRAM等を有する。第1補間部26bは、第1ライン数設定部26aから画素データ(画像データ)が入力される前に、図3(b)に示すライン数設定テーブルを参照して、カラー画像入力装置11が原稿から画像データを読み取る際に行なったアナログ変倍処理におけるアナログ変倍率に対応する出力ライン数を取得してRAMに格納しておく。また、第1補間部26bは、第1ライン数設定部26aから画素データが入力された場合、入力された画素データを一旦レジスタに格納した上で、RAMに格納してある出力ライン数に応じた平均処理(ライン平均処理)を行なう。
具体的には、上述したようにカラー画像入力装置11が220%のアナログ変倍率で原稿から画像データを読み取った場合、第1補間部26bは、図3(b)に示すライン数設定テーブルから出力ライン数「1」を取得してRAMに格納しておく。また、第1補間部26bには、第1ライン数設定部26aによってディレイされた1ライン分のラインデータ及びディレイされていない1ライン分のラインデータの合計2ライン分のラインデータにおいて、副走査方向に隣り合う2つの画素データが順次入力される。
従って、第1補間部26bは、順次入力される2つの画素データをレジスタに格納し、RAMに格納した出力ライン数(ここでは「1」)に従って、レジスタに格納した2つの画素データの平均値を1画素分の画素データとして算出し、順次算出される平均画素データからなる1ライン分の画像データを出力ラインデータとして領域分離処理部27へ出力する。これにより、第1補間部26bは、第1ライン数設定部26aから入力された2ライン分のラインデータを、ライン平均処理によって1ライン分に変倍することができる。
なお、ライン平均処理は、例えば、入力された入力ライン数分のラインデータにおいて、副走査方向にそれぞれ隣り合う同じ主走査位置の複数の画素の画素データの平均値を算出する画素平均処理であり、第1補間部26bは、算出した各平均画素データからなるラインデータを、ライン数設定テーブルから取得したライン数分だけ領域分離処理部27へ出力する。このような構成により、第1変倍処理部26は、色空間変換部24から入力された画像データに対して、カラー画像入力装置11が原稿から画像データを読み取る際に行なったアナログ変倍処理における変倍率の逆数に相当する倍率によるデジタル変倍処理を行なうことができる。
次に、上述したような第1変倍処理部26による第1変倍処理について、図4(a)又は(c)に示すような画像データが色空間変換部24から入力された場合を例にしてより具体的に説明する。図4は第1変倍処理部26による第1変倍処理を説明するための模式図であり、画像データの一部をそれぞれ示している。また、図中A1〜A3、A1´、A2´、B1、B2、B1´〜B5´は主走査方向のライン番号を、P1〜Pnは各ラインにおいて先頭画素をP1とした副走査方向の画素番号をそれぞれ模式的に示しており、例えばラインA1の先頭画素P1を画素A1P1と表記する。更に、各セル内の数値は各画素のL値を示している。図4においては各画素のL値のみを示しているが、各画素のC1値及びC2値についても同様に表わすことができる。また、以下では、図4を用いてL値に対する変倍処理についてのみ説明するが、第1変倍処理部26はC1値及びC2値についても同様の処理を行なう。
なお、LC1C2画像データは、L信号、C1信号及びC2信号のそれぞれにおいて8ビットのデータによって表わされ、各画素の画素値(L値、C1値、C2値)は0〜255の値をとるものとする。また、色度情報C1,C2は本来、−128〜+127の値をとるが、ここでは符号無しで扱えるようにC1信号及びC2信号にそれぞれ128を加算して0〜255の値を用いることにより、以下に示すL値に対する変倍処理をC1値及びC2値についても行なうことができる。
図4(a)にはカラー画像入力装置11が140%のアナログ変倍率で原稿から画像データを読み取った場合の画像データを、図4(b)には図4(a)に示す画像データに第1変倍処理を行なった場合の画像データを、図4(c)にはカラー画像入力装置11が40%のアナログ変倍率で原稿から画像データを読み取った場合の画像データを、図4(d)には図4(c)に示す画像データに第1変倍処理を行なった場合の画像データをそれぞれ示している。
第1変倍処理部26において、図4(a)に示すような画像データが色空間変換部24から入力される前に、第1ライン数設定部26aは、図3(b)に示すライン数設定テーブルから、アナログ変倍率140%に対応する入力ライン数「3」を取得してRAMに格納しておき、第1補間部26bは、ライン数設定テーブルから、アナログ変倍率140%に対応する出力ライン数「2」を取得してRAMに格納しておく。即ち、第1変倍処理部26は、色空間変換部24から入力される3ライン分の入力ラインデータを2ライン分の出力ラインデータにデジタル変倍して領域分離処理部27へ出力する。
第1ライン数設定部26aは、色空間変換部24から入力された画像データに対して(RAMに格納してある入力ライン数−1)ライン分である2ライン分のラインディレイ処理を行なうために2ライン分のラインデータを自身が有するラインメモリに格納する。ここではラインA1,A2の2ラインデータがラインメモリに格納されており、2ラインデータをラインメモリに格納した後、第1ライン数設定部26aは、ラインメモリに格納されたラインA1,A2のラインデータと、次に色空間変換部24から入力されてくるラインA3のラインデータとにおいて副走査方向に隣り合う画素データを先頭画素から順に第1補間部26bへ出力する。ここではまず、画素A1P1=120、画素A2P1=123、画素A3P1=121が第1補間部26bへ出力される。
第1補間部26bは、第1ライン数設定部26aから入力された3画素(画素A1P1、画素A2P1、画素A3P1)の画素データをそれぞれレジスタに格納し、ライン平均処理を行なう。ここでは、3ラインデータを2ラインデータに変倍するため、2/3ラインへの変倍処理を行なう必要があり、副走査方向における各入力ラインを2等分した位置の3/2刻みの位置が各出力ラインに相当することになる。即ち、出力ラインA1´は入力ラインA1の位置に相当し、出力ラインA2´は入力ラインA1から3/2ライン分を隔てた位置、つまり、入力ラインA2×1/2+入力ラインA3×1/2の割合の位置に相当する。
従って、第1補間部26bは、レジスタに格納した画素データに基づいて平均値を算出し、画素A1´P1=画素A1P1=120、画素A2´P1=画素A2P1×1/2+画素A3P1×1/2=123/2+121/2=122(小数点以下切捨て)を算出する。第1補間部26bは、このような算出処理をラインA1〜A3の全てのL値に対して行なうことによって、図4(b)に示すようなラインA1´,A2´の出力ラインデータを算出することができ、算出した出力ラインデータを領域分離処理部27へ出力する。
一方、第1変倍処理部26において、図4(c)に示すような画像データが色空間変換部24から入力される場合、第1ライン数設定部26aは、図3(b)に示すライン数設定テーブルから、アナログ変倍率40%に対応する入力ライン数「2」を取得してRAMに格納しておき、第1補間部26bは、ライン数設定テーブルから、アナログ変倍率40%に対応する出力ライン数「5」を取得してRAMに格納しておく。即ち、ここでの第1変倍処理部26は、色空間変換部24から入力される2ライン分の入力ラインデータを5ライン分の出力ラインデータにデジタル変倍して領域分離処理部27へ出力する。
第1ライン数設定部26aは、色空間変換部24から入力されてくる画像データに対して(RAMに格納してある入力ライン数−1)ライン分である1ライン分のラインディレイ処理を行なうために1ライン分のラインデータを自身が有するラインメモリに格納する。ここではラインB1の1ラインデータがラインメモリに格納されており、1ラインデータをラインメモリに格納した後、第1ライン数設定部26aは、ラインメモリに格納されたラインB1のラインデータと、次に色空間変換部24から入力されてくるラインB2のラインデータとにおいて副走査方向に隣り合う画素データを先頭画素から順に第1補間部26bへ出力する。ここではまず、画素B1P1=120、画素B2P1=123が第1補間部26bへ出力される。
第1補間部26bは、第1ライン数設定部26aから入力された2画素(画素B1P1、画素B2P1)の画素データをそれぞれレジスタに格納してライン平均処理を行なう。ここでは、2ラインデータを5ラインデータに変倍するため、5/2ラインへの変倍処理を行なう必要があり、副走査方向における各入力ラインを5等分した位置の1/5刻みの位置が各出力ラインに相当することになる。
即ち、出力ラインB1´は入力ラインB1の位置に相当し、出力ラインB2´は入力ラインB1×4/5+入力ラインB2×1/5の割合の位置に相当し、出力ラインB3´は入力ラインB1×3/5+入力ラインB2×2/5の割合の位置に相当し、出力ラインB4´は入力ラインB1×2/5+入力ラインB2×3/5の位置に相当し、出力ラインB5´は入力ラインB1×1/5+入力ラインB2×4/5の位置に相当する。
従って、第1補間部26bは、レジスタに格納した画素データに基づいて平均値を算出し、画素B1´P1=画素B1P1=120、画素B2´P1=画素B1P1×4/5+画素B2P1×1/5=120×4/5+123×1/5=120、画素B3´P1=画素B1P1×3/5+画素B2P1×2/5=120×3/5+123×2/5=121、画素B4´P1=画素B1P1×2/5+画素B2P1×3/5=120×2/5+123×3/5=121、画素B5´P1=画素B1P1×1/5+画素B2P1×4/5=120×1/5+123×4/5=122を算出する。
第1補間部26bは、このような算出処理をラインB1,B2の全てのL値に対して行なうことによって、図4(d)に示すようなラインB1´〜B5´の出力ラインデータを算出することができ、算出した出力ラインデータを領域分離処理部27へ出力する。また、第1変倍処理部26が色空間変換部24から入力される画像データの全ラインデータに対して上述したライン平均処理を完了した場合、第1変倍処理部26による第1変倍処理は終了となる。
領域分離処理部27は、上述したように第1変倍処理部26によって第1変倍処理が施された画像データにおける各画素データを、文字領域、網点領域、写真領域の何れかに分離し、各画素データがどの領域に属しているかを示す領域識別信号を主走査方向の1ラインずつ第2変倍処理部28へ出力する。なお、上述したように第1変倍処理部26によってアナログ変倍率の逆数に相当する倍率を用いた第1変倍処理を行なうことにより、カラー画像入力装置11が原稿から読み取った画像データが、各種の変倍率で変倍されている場合であっても、領域分離処理を行なう前に実質的に等倍の画像データに変換することができるので、等倍の画像データ用のパラメータを用いた領域分離処理が可能となり、各変倍率に対応した領域分離処理用のパラメータを用意する必要がない。これにより、領域分離処理用のパラメータを格納しておくメモリの容量を削減することができる。
次に、第2変倍処理部28による第2変倍処理について説明する。第2変倍処理部28は、第2ライン数設定部28a及び第2補間部28bを有しており、領域分離処理部27から入力された領域識別信号を第2ライン数設定部28aに入力する。第2ライン数設定部28aは、ラインディレイのためのラインメモリ及びRAM等を有しており、領域分離処理部27から領域識別信号が入力される前に、図3(b)に示すライン数設定テーブルを参照して、カラー画像入力装置11が原稿から画像データを読み取る際に行なったアナログ変倍処理におけるアナログ変倍率に対応する入出力ライン数を取得してRAMに格納しておく。
なお、第2変倍処理部28は、第1変倍処理部26が用いた入力ライン数及び出力ライン数をそれぞれ出力ライン数及び入力ライン数として用いることによって、第1変倍処理部26が行なった第1変倍処理における変倍率の逆数による逆変倍処理、言い換えれば、カラー画像入力装置11が原稿から画像データを読み取る際に行なったアナログ変倍処理における変倍率に相当する倍率による第2変倍処理(デジタル変倍処理)を行なうことができる。
メモリ25に格納されているライン数設定テーブルから、アナログ変倍率に対応する入出力ライン数を取得してRAMに格納してある第2ライン数設定部28aは、領域分離処理部27から領域識別信号が入力された場合、RAMに格納してある入出力ライン数に応じて、第2変倍処理部28による補間処理又は間引き処理に必要なパラメータを算出する。具体的には、第2ライン数設定部28aは、RAMに格納した入力ライン数及び出力ライン数の大小を比較し、入力ライン数が出力ライン数よりも大きい場合、ディレイすべくディレイライン数を(出力ライン数−1)によって算出すると共に、入力ライン数から出力ライン数を割って小数点以下を四捨五入した値CNTを、第2変倍処理部28による単純補間処理のためのコピーライン数として算出してRAMに格納する。
第2ライン数設定部28aは、RAMに格納した入力ライン数、算出したディレイライン数及びコピーライン数に基づいて、領域分離処理部27から入力される領域識別信号を自身が有するラインメモリに格納すると共に順次第2補間部28bへ出力する。具体的には、カラー画像入力装置11が220%のアナログ変倍率で原稿から画像データを読み取った場合、第2ライン数設定部28aは、図3(b)に示すライン数設定テーブルから入出力ライン数「2」、「1」を取得してRAMに格納しておく。また、第2ライン数設定部28aは、入力ライン数「2」>出力ライン数「1」であるので、ディレイライン数を(出力ライン数「1」−1)によって0と算出し、コピーライン数CNTを(入力ライン数「2」÷出力ライン数「1」)によって2と算出してRAMに格納する。
そして、第2ライン数設定部28aは、領域分離処理部27から入力された1ライン分の領域識別信号を自身が有するラインメモリに一旦格納すると共に、この領域識別信号を第2補間部28bへ出力する。次に第2ライン数設定部28aは、RAMに格納してある入力ライン数及びコピーライン数CNTからそれぞれ1を減算し、ここでは入力ライン数=1及びコピーライン数CNT=1を算出してRAMに格納し、それぞれが0よりも大きいか否かを判断する。減算した入力ライン数及びコピーライン数CNTが共に0よりも大きい場合、第2ライン数設定部28aは、ラインメモリに格納した1ライン分の領域識別信号を第2補間部28bへ再度出力する。更に、第2ライン数設定部28aは、RAMに格納してある入力ライン数及びコピーライン数CNTからそれぞれ1を減算し、ここでは入力ライン数=0及びコピーライン数CNT=0を算出してRAMに格納し、それぞれが0よりも大きいか否かを判断する。
ここでは、入力ライン数が0となっているので、第2ライン数設定部28bは、入力ライン数及びコピーライン数CNTを元の入力ライン数=2、コピーライン数CNT=2に戻し、次に領域分離処理部27から入力される1ライン分の領域識別信号をラインメモリに格納すると共に第2補間部28bへ出力する。また、第2ライン数設定部28aは、RAMに格納してある入力ライン数及びコピーライン数CNTからそれぞれ1を減算してRAMに格納し、それぞれが0よりも大きいか否かを判断し、上述したような領域識別信号の第2補間部28bへの出力処理を、領域分離処理部27からの領域識別信号の入力が終了するまで繰り返す。
なお、入力ライン数が0よりも大きく、コピーライン数CNTが0となった場合、第2ライン数設定部28aは、コピーライン数CNTを初期値である2に戻し、次に領域分離処理部27から入力される1ライン分の領域識別信号をラインメモリに格納すると共に第2補間部28bへ出力する。また、第2ライン数設定部28aは、RAMに格納してある入力ライン数及びコピーライン数CNTからそれぞれ1を減算してRAMに格納し、それぞれが0よりも大きいか否かを判断し、上述したような領域識別信号の第2補間部28bへの出力処理を繰り返す。
これにより、第2ライン数設定部28aは、領域分離処理部27から入力された1ライン分の領域識別信号を2回出力することによって2ライン分の領域識別信号を生成する単純補間処理を行なうことができる。第2補間部28bは、複数のラインメモリを有しており、第2ライン数設定部28aから入力された領域識別信号をラインメモリに格納し、CPUからの制御に従って、メモリ25に一時的に退避させてある画像データと同期させて空間フィルタ処理部29へ出力する。
一方、第2ライン数設定部28aは、RAMに格納した入力ライン数及び出力ライン数の大小を比較し、入力ライン数が出力ライン数以下である場合、破棄すべき破棄ライン数CNTを、出力ライン数から入力ライン数を割って少数点以下を四捨五入した値として算出してRAMに格納する。第2ライン数設定部28aは、領域分離処理部27から入力される領域識別信号を、RAMに格納した出力ライン数及び算出した破棄ライン数CNTに基づいて、自身が有するラインメモリに格納させずに順次第2補間部28bへ出力する。
具体的には、カラー画像入力装置11が50%のアナログ変倍率で原稿から画像データを読み取った場合、第2ライン数設定部28aは、図3(b)に示すライン数設定テーブルから入出力ライン数「1」、「2」を取得してRAMに格納しておく。また、第2ライン数設定部28aは、入力ライン数「1」≦出力ライン数「2」であるので、破棄ライン数CNTを(出力ライン数「2」÷入力ライン数「1」)によって2と算出してRAMに格納する。
そして、第2ライン数設定部28aは、領域分離処理部27から入力された1ライン分の領域識別信号をラインメモリに格納させずに第2補間部28bへ出力し、RAMに格納してある出力ライン数及び破棄ライン数CNTからそれぞれ1を減算し、ここでは出力ライン数=1及び破棄ライン数CNT=1をRAMに格納し、それぞれが0よりも大きいか否かを判断する。減算した出力ライン数及び破棄ライン数CNTが共に0よりも大きい場合、第2ライン数設定部28aは、次に領域分離処理部27から入力される1ライン分の領域識別信号を破棄し、RAMに格納してある出力ライン数及び破棄ライン数CNTからそれぞれ1を減算し、ここでは出力ライン数=0及び破棄ライン数CNT=0をRAMに格納し、それぞれが0よりも大きいか否かを判断する。
ここでは、出力ライン数が0となっているので、第2ライン数設定部28bは、出力ライン数及び破棄ライン数CNTを元の出力ライン数=2、破棄ライン数CNT=2に戻し、次に領域分離処理部27から入力される1ライン分の領域識別信号を第2補間部28bへ出力する。また、第2ライン数設定部28aは、RAMに格納してある出力ライン数及び破棄ライン数CNTからそれぞれ1を減算してRAMに格納し、それぞれが0よりも大きいか否かを判断し、上述したような領域識別信号の第2補間部28bへの出力処理を、領域分離処理部27からの領域識別信号の入力が終了するまで繰り返す。
なお、出力ライン数が0よりも大きく、破棄ライン数CNTが0となった場合、第2ライン数設定部28aは、破棄ライン数CNTを初期値である2に戻し、次に領域分離処理部27から入力される1ライン分の領域識別信号を第2補間部28bへ出力し、RAMに格納してある出力ライン数及び破棄ライン数CNTからそれぞれ1を減算してRAMに格納し、それぞれが0よりも大きいか否かを判断し、上述したような領域識別信号の第2補間部28bへの出力処理を繰り返す。
これにより、第2ライン数設定部28aは、領域分離処理部27から入力された2ライン分の領域識別信号から1ライン分を破棄することによって1ライン分の領域識別信号を生成する間引き処理を行なうことができる。第2補間部28bは、第2ライン数設定部28aから順次入力されてくる領域識別信号をラインメモリに格納し、CPUからの制御に従って、メモリ25に一時的に退避させてある画像データと同期させて空間フィルタ処理部29へ出力する。
次に、上述したような第2変倍処理部28による第2変倍処理について、図5(a)又は(c)に示すような領域識別信号が領域分離処理部27から入力された場合を例にしてより具体的に説明する。図5は第2変倍処理部28による第2変倍処理を説明するための模式図であり、領域識別信号の一部をそれぞれ示している。また、図中C1、C2、C1´〜C3´、D1〜D5、D1´、D2´は主走査方向のライン番号を、P1〜Pnは各ラインにおいて先頭画素をP1とした副走査方向の画素番号をそれぞれ模式的に示しており、各セル内の数値は各画素位置における画素の領域識別信号を4ビットで示している。
図5(a)にはカラー画像入力装置11が140%のアナログ変倍率で原稿から読み取った画像データに基づく領域識別信号を、図5(b)には図5(a)に示す領域識別信号に第2変倍処理を行なった場合の領域識別信号を、図5(c)にはカラー画像入力装置11が40%のアナログ変倍率で原稿から読み取った画像データに基づく領域識別信号を、図5(d)には図5(c)に示す領域識別信号に第2変倍処理を行なった場合の領域識別信号をそれぞれ示している。
第2変倍処理部28において、図5(a)に示すような領域識別信号が領域分離処理部27から入力される前に、第2ライン数設定部28aは、図3(b)に示すライン数設定テーブルから、アナログ変倍率140%に対応する入出力ライン数「3」、「2」を取得してRAMに格納しておく。即ち、第2変倍処理部28は、領域分離処理部27から入力される2ライン分の領域識別信号を3ライン分の領域識別信号に第2変倍処理(補間処理)して出力する。
第2ライン数設定部28aは、RAMに格納した入力ライン数「3」及び出力ライン数「2」を比較し、入力ライン数>出力ライン数であるので、ディレイすべきディレイライン数を(出力ライン数「2」−1)によって1と算出し、コピーライン数CNTを(入力ライン数「3」÷出力ライン数「2」)によって2と算出してRAMに格納する。そして、第2ライン数設定部28aは、領域分離処理部27から入力されてくる1ライン分の領域識別信号を自身が有するラインメモリに格納すると共に、この領域識別信号を第2補間部28bへ出力する。ここでは入力ラインC1の領域識別信号が、ラインメモリに格納されると共に出力ラインC1´の領域識別信号として第2補間部28bへ出力される。
次に第2ライン数設定部28aは、RAMに格納してある入力ライン数及びコピーライン数CNTからそれぞれ1を減算し、入力ライン数=2及びコピーライン数CNT=1をRAMに格納し、それぞれが0よりも大きいか否かを判断する。ここでは、減算した入力ライン数及びコピーライン数CNTが共に0よりも大きいので、第2ライン数設定部28aは、ラインメモリに格納した1ライン分(入力ラインC1)の領域識別信号を出力ラインC2´の領域識別信号として第2補間部28bへ再度出力する。更に、第2ライン数設定部28aは、RAMに格納してある入力ライン数及びコピーライン数CNTからそれぞれ1を減算し、入力ライン数=1及びコピーライン数CNT=0をRAMに格納し、それぞれが0よりも大きいか否かを判断する。
ここでは、入力ライン数が0より大きく、コピーライン数CNTが0となったので、第2ライン数設定部28aは、コピーライン数CNTを初期値「2」に戻し、次に領域分離処理部27から入力される1ライン分(入力ラインC2)の領域識別信号をラインメモリに格納すると共に、出力ラインC3´の領域識別信号として第2補間部28bへ出力する。なお、入力ラインC2の領域識別信号は、入力ラインC1の領域識別信号を格納していたラインメモリに上書きしてもよい。
また、第2ライン数設定部28aは、RAMに格納してある入力ライン数及びコピーライン数CNTからそれぞれ1を減算し、入力ライン数=0及びコピーライン数CNT=1をRAMに格納し、それぞれが0よりも大きいか否かを判断する。ここでは、入力ライン数が0となったので、第2ライン数設定部28aは、入力ライン数及びコピーライン数CNTを初期値「3」、「2」にそれぞれ戻し、次に領域分離処理部27から入力される1ライン分の領域識別信号をラインメモリに格納すると共に第2補間部28bへ出力する。また、第2ライン数設定部28aは、RAMに格納してある入力ライン数及びコピーライン数CNTからそれぞれ1を減算してRAMに格納し、それぞれが0よりも大きいか否かを判断し、上述したような領域識別信号の第2補間部28bへの出力処理を、領域分離処理部27からの領域識別信号の入力が終了するまで繰り返す。
これにより、第2ライン数設定部28aは、領域分離処理部27から入力された領域識別信号に対して、図5(a)に示すような2ライン分の領域識別信号を随時3ライン分に変倍処理することができ、図5(b)に示すような領域識別信号として出力することができる。また、第2補間部28bは、第2ライン数設定部28aによって3/2倍に変倍された領域識別信号を、CPUからの制御に従って、メモリ25から空間フィルタ処理部29へ入力される画像データに同期させて空間フィルタ処理部29へ出力する。
一方、第2変倍処理部28において、図5(c)に示すような領域識別信号が領域分離処理部27から入力される場合、第2ライン数設定部28aは、図3(b)に示すライン数設定テーブルから、アナログ変倍率40%に対応する入出力ライン数「2」、「5」を取得してRAMに格納しておく。即ち、第2変倍処理部28は、領域分離処理部27から入力される5ライン分の領域識別信号を2ライン分の領域識別信号に第2変倍処理(間引き処理)して出力する。
第2ライン数設定部28aは、RAMに格納した入力ライン数「2」及び出力ライン数「5」を比較し、入力ライン数≦出力ライン数であるので、破棄すべき破棄ライン数CNTを(出力ライン数「5」÷入力ライン数「2」)によって3と算出してRAMに格納する。そして、第2ライン数設定部28aは、領域分離処理部27から入力されてくる1ライン分(入力ラインD1)の領域識別信号を出力ラインD1´の領域識別信号として第2補間部28bへ出力し、RAMに格納してある出力ライン数及び破棄ライン数CNTからそれぞれ1を減算し、出力ライン数=4及び破棄ライン数CNT=2をRAMに格納し、それぞれが0よりも大きいか否かを判断する。
ここでは、減算した出力ライン数及び破棄ライン数CNTが共に0よりも大きいので、第2ライン数設定部28aは、次に領域分離処理部27から入力される1ライン分(入力ラインD2)の領域識別信号を破棄し、RAMに格納してある出力ライン数及び破棄ライン数CNTからそれぞれ1を減算し、出力ライン数=3及び破棄ライン数CNT=1をRAMに格納し、それぞれが0よりも大きいか否かを判断する。ここでも、減算した出力ライン数及び破棄ライン数CNTが共に0よりも大きいので、第2ライン数設定部28aは、次に領域分離処理部27から入力される1ライン分(入力ラインD3)の領域識別信号を破棄し、RAMに格納してある出力ライン数及び破棄ライン数CNTからそれぞれ1を減算し、出力ライン数=2及び破棄ライン数CNT=0をRAMに格納し、それぞれが0よりも大きいか否かを判断する。
ここでは、出力ライン数が0より大きく、破棄ライン数CNTが0となったので、第2ライン数設定部28aは、破棄ライン数CNTを初期値「3」に戻し、次に領域分離処理部27から入力される1ライン分(入力ラインD4)の領域識別信号を出力ラインD2´の領域識別信号として第2補間部28bへ出力する。また、第2ライン数設定部28aは、RAMに格納してある出力ライン数及び破棄ライン数CNTからそれぞれ1を減算し、出力ライン数=1及び破棄ライン数CNT=2をRAMに格納し、それぞれが0よりも大きいか否かを判断する。
ここでは、減算した出力ライン数及び破棄ライン数CNTが共に0よりも大きいので、第2ライン数設定部28aは、次に領域分離処理部27から入力される1ライン分(入力ラインD5)の領域識別信号を破棄し、RAMに格納してある出力ライン数及び破棄ライン数CNTからそれぞれ1を減算し、出力ライン数=0及び破棄ライン数CNT=1をRAMに格納し、それぞれが0よりも大きいか否かを判断する。
ここでは、出力ライン数が0となったので、第2ライン数設定部28aは、出力ライン数及び破棄ライン数CNTを初期値「5」、「3」にそれぞれ戻し、次に領域分離処理部27から入力される1ライン分の領域識別信号を第2補間部28bへ出力する。また、第2ライン数設定部28aは、RAMに格納してある出力ライン数及び破棄ライン数CNTからそれぞれ1を減算してRAMに格納し、それぞれが0よりも大きいか否かを判断し、上述したような領域識別信号の第2補間部28bへの出力処理を、領域分離処理部27からの領域識別信号の入力が終了するまで繰り返す。
これにより、第2ライン数設定部28aは、領域分離処理部27から入力された領域識別信号に対して、図5(c)に示すような5ライン分の領域識別信号を随時2ライン分に変倍処理することができ、図5(d)に示すような領域識別信号として出力することができる。また、第2補間部28bは、第2ライン数設定部28aによって2/5倍に変倍された領域識別信号を、CPUからの制御に従って、メモリ25から空間フィルタ処理部29へ入力される画像データに同期させて空間フィルタ処理部29へ出力する。
上述した構成により、本実施形態のカラー画像処理装置20は、カラー画像入力装置11がアナログ変倍処理を行なって読み取った画像データに対して、領域分離処理を行なう前に、アナログ変倍処理の逆変倍処理である第1変倍処理を行ない、カラー画像入力装置11が原稿を等倍で読み取った場合の画像データと同等の画像データに変換するので、アナログ変倍処理を行なって読み取った画像データに対しても、等倍の画像データ用の各種パラメータを用いた領域分離処理が可能となる。よって、複数のアナログ変倍率のそれぞれに対応した領域分離処理用のパラメータを用意しておく必要がなく、メモリ25の記憶容量を削減することができる。
以下に、上述した構成の第1変倍処理部26による第1変倍処理についてフローチャートに基づいて説明する。図6は第1変倍処理部26による第1変倍処理の手順を示すフローチャートである。なお、以下の処理は、カラー画像形成装置10において図示しないROM等の記憶部に格納されている制御プログラムに従って、図示しないCPUが第1変倍処理部26を制御することによって実行される。
第1変倍処理部26は、CPUからの制御に従って、色空間変換部24から画像データが入力される前に、メモリ25に格納してあるライン数設定テーブルから、カラー画像入力装置11が原稿を読み取った際に行なったアナログ変倍処理におけるアナログ変倍率に対応する入出力ライン数を取得してRAMに格納する(S1)。ここで、色空間変換部24は、CPUからの制御に従って、RGBの画像データを輝度情報L及び2つの色度情報C1,C2に分離し、生成したLC1C2画像データを1画素毎に第1変倍処理部26へ出力しており、第1変倍処理部26は、色空間変換部24から1画素単位で画像データを取得する(S2)。
第1変倍処理部26は、CPUからの制御に従って、色空間変換部24から入力されてくる画像データにおいて、(ステップS1でRAMに格納した入力ライン数−1)ライン分の画像データを第1ライン数設定部26aのラインメモリに格納する(S3)ことにより、(入力ライン数−1)ライン分のラインディレイ処理を行なう。第1変倍処理部26は、CPUからの制御に従って、(入力ライン数−1)ライン分の画像データのラインメモリへの格納が完了したか否かを判断しており(S4)、完了していないと判断した場合(S4:NO)、引き続き画像データのラインメモリへの格納を行なう(S3)。
第1変倍処理部26は、CPUからの制御に従って、(入力ライン数−1)ライン分の画像データのラインメモリへの格納が完了したと判断した場合(S4:YES)、ラインメモリに格納したラインデータと、次に色空間変換部24から入力されてくるラインデータとにおいて、副走査方向に隣り合う画素データを順次第1補間部26bのレジスタに格納し、RAMに格納した出力ライン数に応じて第1補間部26bによるライン平均処理を行なう(S5)。ライン平均処理は、例えば、入力ライン数が2ラインで出力ライン数が1ラインの場合、入力された2ラインのラインデータにおいてそれぞれ副走査方向に隣り合う各画素データの平均値を算出し、算出した平均値を出力ラインデータの各画素データとして出力ラインデータを生成する。
第1変倍処理部26は、CPUからの制御に従って、ステップS3でラインメモリに格納したラインデータにおいて副走査方向に隣り合う全ての画素データに対するライン平均処理が完了したか否かを判断しており(S6)、完了していないと判断した場合(S6:NO)、全ての画素データに対するライン平均処理が完了するまでライン平均処理を継続し(S5)、ラインメモリに格納されたラインデータに対するライン平均処理を行なう。第1変倍処理部26は、CPUからの制御に従って、ラインメモリに格納したラインデータにおける全ての画素データに対するライン平均処理が完了したと判断した場合(S6:YES)、色空間変換部24から入力された画像データにおける全てのラインデータに対するライン平均処理が完了したか否かを判断し(S7)、完了していないと判断した場合(S7:NO)、ステップS2へ処理を戻し、色空間変換部24から画像データを取得し(S2)、取得した画像データに対してステップS3〜S6の処理を繰り返す。
なお、第1変倍処理部26は、CPUからの制御に従って、色空間変換部24から入力された画像データにおける全てのラインデータに対するライン平均処理が完了したと判断した場合(S7:YES)、処理を終了し、上述したような第1変倍処理が施されたLC1C2の画像データは領域分離処理部27へ順次出力される。
以下に、上述した構成の第2変倍処理部28による第2変倍処理についてフローチャートに基づいて説明する。図7及び図8は第2変倍処理部28による第2変倍処理の手順を示すフローチャートである。なお、以下の処理は、カラー画像形成装置10において図示しないROM等の記憶部に格納されている制御プログラムに従って、図示しないCPUが第2変倍処理部28を制御することによって実行される。
第2変倍処理部28は、CPUからの制御に従って、領域分離処理部27から領域識別信号が入力される前に、メモリ25に格納してあるライン数設定テーブルから、カラー画像入力装置11が原稿を読み取った際に行なったアナログ変倍処理におけるアナログ変倍率に対応する入出力ライン数を取得してRAMに格納する(S11)。第2変倍処理部28は、CPUからの制御に従って、RAMに格納した入力ライン数が出力ライン数よりも大きいか否かを判断しており(S12)、入力ライン数が出力ライン数よりも大きいと判断した場合(S12:YES)、単純補間処理のためのディレイライン数及びコピーライン数を算出する(S13)。なお、ディレイライン数は出力ライン数−1によって算出し、コピーライン数は入力ライン数÷出力ライン数(小数点以下四捨五入)によって算出する。
ここで、領域分離処理部27は、CPUからの制御に従って、第1変倍処理部26から取得した画像データに基づいて領域分離処理を行ない、生成した領域識別信号を1画素毎に第2変倍処理部28へ出力しており、第2変倍処理部28は、CPUからの制御に従って、領域分離処理部27から1画素単位で領域識別信号を取得する(S14)。第2変倍処理部28は、CPUからの制御に従って、領域分離処理部27から入力された1ライン分の領域識別信号を第2ライン数設定部28aのラインメモリに格納する(S15)ことによってラインディレイ処理を行なうと共に、第2補間部28bへ出力する(S16)。
第2変倍処理部28は、CPUからの制御に従って、RAMに格納してある入力ライン数及びコピーライン数CNTからそれぞれ1を減算し(S17)、入力ライン数が0よりも大きいか否かを判断する(S18)。第2変倍処理部28は、CPUからの制御に従って、入力ライン数が0よりも大きいと判断した場合(S18:YES)、コピーライン数CNTが0よりも大きいか否かを判断し(S19)、入力ライン数及びコピーライン数CNTが共に0よりも大きいと判断した場合(S19:YES)、ステップS16へ処理を戻し、ステップS15でラインメモリに格納した1ライン分の領域識別信号を再度第2補間部28bへ出力する(S16)。
また、第2変倍処理部28は、CPUからの制御に従って、入力ライン数が0よりも大きく、コピーライン数CNTが0以下であると判断した場合(S19:NO)、コピーライン数CNTを初期値に戻し(S20)、領域分離処理部27から入力される全ての領域識別信号に対する補間処理が完了したか否かを判断する(S22)。更に、第2変倍処理部28は、CPUからの制御に従って、入力ライン数が0以下であると判断した場合(S18:NO)、入力ライン数及びコピーライン数CNTを初期値に戻し(S21)、領域分離処理部27から入力される全ての領域識別信号に対する補間処理が完了したか否かを判断する(S22)。
第2変倍処理部28は、CPUからの制御に従って、領域分離処理部27から入力される全ての領域識別信号に対する補間処理が完了していないと判断した場合(S22:NO)、ステップS14へ処理を戻し、領域分離処理部27から領域識別信号を取得し(S14)、取得した領域識別信号に対してステップS15〜S21の処理を繰り返す。なお、第2変倍処理部28は、CPUからの制御に従って、領域分離処理部27から入力される全ての領域識別信号に対する補間処理が完了したと判断した場合(S22:YES)、処理を終了し、上述したような第2変倍処理を施した領域識別信号を空間フィルタ処理部29、黒生成下色除去部32及び階調再現処理部34へ出力する。
一方、ステップS12で入力ライン数が出力ライン数以下であると判断した場合(S12:NO)、第2変倍処理部28は、CPUからの制御に従って、間引き処理のための破棄ライン数を算出する(S23)。なお、破棄ライン数は出力ライン数÷入力ライン数(小数点以下四捨五入)によって算出する。また、第2変倍処理部28は、CPUからの制御に従って、領域分離処理部27から1画素単位で領域識別信号を取得しており(S24)、領域分離処理部27から入力された1ライン分の領域識別信号を第2補間部28bへ出力する(S25)。
第2変倍処理部28は、CPUからの制御に従って、RAMに格納してある出力ライン数及び破棄ライン数CNTからそれぞれ1を減算し(S26)、出力ライン数が0よりも大きいか否かを判断する(S27)。第2変倍処理部28は、CPUからの制御に従って、出力ライン数が0よりも大きいと判断した場合(S27:YES)、破棄ライン数CNTが0よりも大きいか否かを判断し(S28)、出力ライン数及び破棄ライン数CNTが共に0よりも大きいと判断した場合(S28:YES)、領域分離処理部27から1画素単位で領域識別信号を取得する(S29)。第2変倍処理部28は、CPUからの制御に従って、領域分離処理部27から取得した1ライン分の領域識別信号を破棄し(S30)、RAMに格納してある出力ライン数及び破棄ライン数CNTからそれぞれ1を減算し(S31)、ステップS27に処理を戻す。
また、第2変倍処理部28は、CPUからの制御に従って、出力ライン数が0よりも大きく、破棄ライン数CNTが0以下であると判断した場合(S28:NO)、破棄ライン数CNTを初期値に戻し(S32)、領域分離処理部27から入力される全ての領域識別信号に対する間引き処理が完了したか否かを判断する(S34)。更に、第2変倍処理部28は、CPUからの制御に従って、出力ライン数が0以下であると判断した場合(S27:NO)、出力ライン数及び破棄ライン数CNTを初期値に戻し(S33)、領域分離処理部27から入力される全ての領域識別信号に対する間引き処理が完了したか否かを判断する(S34)。
第2変倍処理部28は、CPUからの制御に従って、領域分離処理部27から入力される全ての領域識別信号に対する間引き処理が完了していないと判断した場合(S34:NO)、ステップS24へ処理を戻し、領域分離処理部27から領域識別信号を取得し(S24)、取得した領域識別信号に対してステップS25〜S33の処理を繰り返す。なお、第2変倍処理部28は、CPUからの制御に従って、領域分離処理部27から入力される全ての領域識別信号に対する間引き処理が完了したと判断した場合(S34:YES)、処理を終了し、上述したような第2変倍処理を施した領域識別信号を空間フィルタ処理部29、黒生成下色除去部32及び階調再現処理部34へ出力する。
上述した実施形態1では、第1変倍処理部26が行なう第1変倍処理としてライン平均処理を用いた例について説明したが、ライン平均処理に限られず、例えば、補間されるラインの位置に応じて重み付けを行なう重み付きライン平均処理、バイリニアのように2次元の距離に応じた重みによる線形補間処理、バイキュービックのような補間処理を用いても構わない。また、上述した実施形態1では、第2変倍処理部28が行なう第2変倍処理としてライン単位での単純補間処理を用いた例について説明したが、画素単位での最近隣補間処理のような補間処理を用いてもよい。
更に、上述した実施形態1では、第1変倍処理部26は、色空間変換部24によって生成されたLC1C2画像データに対して変倍処理を行なう構成について説明したが、領域分離処理を行なう前に変倍処理を行なえればよく、RGB画像データ又はCMYK画像データ等、領域分離処理の対象とする色空間以外の色空間情報に対して行なう構成としてもよい。また、第2変倍処理部28が処理する領域識別信号を4ビットとして説明したが、実際の領域分離処理に応じて異なるビット数であっても構わない。
(実施形態2)
上述した実施形態1では、カラー画像処理装置20における第1変倍処理部26及び第2変倍処理部28をそれぞれハードウェアによって構成した例について説明した。以下の実施形態2では、第1変倍処理部26による第1変倍処理及び第2変倍処理部28による第2変倍処理をソフトウェアによって構成した例について説明する。
図9は実施形態2に係るカラー画像形成装置10の内部構成例を示すブロック図である。本実施形態2のカラー画像形成装置10は、上述した実施形態1のカラー画像形成装置10と同様に、カラー画像入力装置11、カラー画像処理装置20、カラー画像出力装置12、CPU13を備えており、更にRAM14、ROM15、メモリ16等を備えている。また、本実施形態2のカラー画像処理装置20は、A/D変換部21、シェーディング補正部22、入力階調補正部23、色空間変換部24、メモリ25、領域分離処理部27、空間フィルタ処理部29、変倍処理部30、色補正部31、黒生成下色除去部32、出力階調補正部33、階調再現処理部34等を備えている。
更に、本実施形態2のカラー画像形成装置10は、実施形態1で示した第1変倍処理部26及び第2変倍処理部28の代わりに、第1変倍処理部26による第1変倍処理及び第2変倍処理部28による第2変倍処理をCPU13に実行させるための制御プログラムをROM15に予め格納させてある。なお、この制御プログラムは、ROM15に格納させておくだけでなく、カラー画像形成装置10が外部から取得してRAM14に格納(インストール)するようにしてもよい。
このような構成において、CPU13がROM15又はRAM14に格納された制御プログラムを順次実行することにより、実施形態2のカラー画像形成装置10は、実施形態1で示したような第1変倍処理及び第2変倍処理を行なうことができ、等倍の画像データ用のパラメータを用いた領域分離処理が可能となる。従って、領域分離処理用のパラメータを1種類のみ用意すればよく、領域分離処理用のパラメータを格納しておくメモリの容量を削減することができる。しかも、領域分離処理の結果が画像データにおける変倍率に依存せず、領域分離処理の精度を低下させない。
なお、図9に示すようにカラー画像形成装置10にメモリ16を新たに設ける必要はなく、カラー画像処理装置20が備えるメモリ25を用いた場合には、CPU13によって第1変倍処理及び第2変倍処理を実行するための制御プログラムをROM15に予め格納しておくか、RAM14にインストールすることによって本発明の画像処理方法を実現することができる。
(実施形態3)
以下の実施形態3では、実施形態1で説明した本発明の画像処理方法をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムとして構成し、このコンピュータプログラムをコンピュータによる読み取りが可能な記録媒体に記録した構成について説明する。この場合には、本発明の画像処理方法を実現するコンピュータプログラムを記録した記録媒体を持ち運び自在に提供することができる。
図10は本発明に係るコンピュータプログラムをインストールすることにより構築される実施形態3のコンピュータシステムの構成例を示す模式図である。図10に示すコンピュータシステムは、所定のコンピュータプログラムがロードされることにより本発明の画像処理方法を含む種々の処理を行なうことができるパーソナルコンピュータ40に、CRTディスプレイ,液晶ディスプレイ等の画像表示装置41、キーボード42、マウス43、カラー画像入力装置11としてのフラットヘッドスキャナ44、カラー画像出力装置12としてのプリンタ45等の周辺機器が接続されている。なお、カラー画像入力装置11としては、フラットベッドスキャナに限られず、例えば、フィルムスキャナ、デジタルカメラ等が用いられる。
パーソナルコンピュータ40は、本発明に係るコンピュータプログラムを記録した記録媒体46からコンピュータプログラムを読み取るための読取装置を備えている。従って、本発明に係るコンピュータプログラムをパーソナルコンピュータ40にインストールすることにより、実施形態1で説明したカラー画像処理装置20における第1変倍処理部26及び第2変倍処理部28を含む各種機能をパーソナルコンピュータ40によって統括的に実行することができる。
コンピュータプログラムを記録する記録媒体46としては、パーソナルコンピュータ40本体に固定的に備えられるROM、RAM又は内蔵ハードディスク等であってもよく、または、パーソナルコンピュータ40本体と分離可能に構成される記録媒体であってもよい。パーソナルコンピュータ40本体と分離可能に構成される記録媒体としては、例えば、磁気テープ及びカセットテープ等のテープ系、フレキシブルディスク及び外付けハードディスク等の磁気ディスク、CD−ROM、MO、MD、DVD等の光ディスク等のディスク系、ICカード(メモリカードを含む)及び光カード等のカード系等であってもよい。また、マスクROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically ErasableProgrammable Read Only Memory )、フラッシュROM等による半導体メモリを含めた固定的にプログラムを担持する媒体であっても良い。
また、記録媒体46に格納されているコンピュータプログラムは、マイクロプロセッサがアクセスして実行させる構成であってもよく、また、記録媒体46からコンピュータプログラムが読み出されてマイクロコンピュータの図示されていないプログラム記憶エリアにダウンロードされ、そのコンピュータプログラムが実行される構成であってもよい。なお、この場合、記録媒体46からのコンピュータプログラムのダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納されているものとする。
更に、パーソナルコンピュータ40が、インターネットを含む通信ネットワークとの接続が可能に構成されている場合には、通信ネットワーク上に設けられたサーバ装置に予め本発明のコンピュータプログラムを格納させておき、このサーバ装置から上述したようなコンピュータプログラムをダウンロードしてパーソナルコンピュータ40内にインストールするような流動的にプログラムを担持する構成としてもよい。なお、このように通信ネットワークからコンピュータプログラムをダウンロードする場合には、そのダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納しておくか、又は記録媒体46とは別の記録媒体からインストールされるものであってもよい。