JP2006295147A - 圧電アクチュエータ及びポンプ - Google Patents

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靖智 上辻
Eiji Nakamachi
英治 仲町
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Abstract

【課題】圧電アクチュエータのたわみを増大させ、吸引・送液量の大きい液体ポンプ用等に適した圧電アクチュエータの提供。
【解決手段】圧電材料からなる圧電膜の両面に電極膜が接合され、両電極への電圧の印加により前記圧電膜の電圧印加直角方向の伸縮変形が許容されて電圧印加方向に大きな屈曲変位を発現する圧電アクチュエータにおいて、前記圧電アクチュエータの圧電膜の厚さ方向に一又は複数箇所の細長い切込みが設けられている圧電アクチュエータ。細長い切込みが、圧電膜の中央部から外周部に向かって設けられている上記の圧電アクチュエータ。
【選択図】 図24

Description

本発明は、吸引・送液量の大きい液体ポンプ用に好適に用いることのできる圧電アクチュエータ及び同アクチュエータを用いたポンプに関する。
医療機器や化学分析機器などにおいて、試液(低粘度液体)の吸引、送出、混合の機能を担う液体ポンプが必要不可欠である。
具体例として、血液採取ポンプ、薬剤投与ポンプ、送液ポンプ、混合ポンプなどが挙げられる。このための駆動手段として、圧電アクチュエータの電気的エネルギ(電圧)による力学的エネルギ(変位)の発現機能(圧電逆効果)を利用し、圧電アクチュエータが発生するたわみ(屈曲変位)により容積を変化させ、ポンプ機能を発現することができる。 圧電アクチュエータは駆動量(変位)を高精度に制御することが可能であり、応答性に優れるほか、モータなどの力学的駆動装置を必要としないなどの利点を有するためにポンプ等に好適に用いられている(特許文献1)。
典型的なポンプ用アクチュエータとして、モノモルフ型、バイモルフ型、マルチモルフ型の圧電アクチュエータが挙げられる。
しかしながら、従来の圧電アクチュエータはたわみが小さく、吸引・送液量が僅かであるという問題を有する。
特開平10−299659号公報
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は圧電アクチュエータのたわみを増大させ、吸引・送液量の大きい液体ポンプ用の圧電アクチュエータを提供することおよび同ポンプを提供することにある。
本発明者は、上記の目的を達成するために,外部電圧の印加直角方向に発生する圧電材料の伸縮変形を切込みにより柔軟に許容し、大きなたわみを発現する屈曲変位型アクチュエータの形状を検討した。
その結果、切込みのない従来型の圧電アクチュエータと比較して、細長い切込みを入れることにより圧電アクチュエータの変形性能が飛躍的に向上し、大きなたわみを発現することを見出した。また、少ない電圧で従来型の圧電アクチュエータと同じたわみを発生できることを見出した。
即ち、請求項1記載の発明は、圧電材料からなる圧電膜の両面に電極膜が接合され、両電極への電圧の印加により前記圧電膜の電圧印加直角方向の伸縮変形が許容されて電圧印加方向に大きな屈曲変位を発現する圧電アクチュエータにおいて、前記圧電アクチュエータの圧電膜の厚さ方向に一又は複数箇所の細長い切込みが設けられていることを特徴とする圧電アクチュエータである。
請求項2記載の発明は、切込み部分の面積を圧電膜の可動部分の面積(圧電膜の周囲の片面又は両面が固定されて拘束されている場合に拘束された部分を除いたもの、以下同じ)で除した比をxとし、切込みが板厚方向に貫通した場合の単位厚さあたりの全側面積を切込み部分の面積で除した比をyとした場合に、細長い切込みが式(1)を満たすことを特徴とする請求項1記載の圧電アクチュエータである。
請求項3記載の発明は、細長い切込みの面積を圧電膜の面積で除した比が0.05〜0.6であることを特徴とする請求項1又は2記載の圧電アクチュエータである。
請求項4記載の発明は、細長い切込みが、圧電膜の外周部から中央部に向かって設けられていることを特徴とする請求項1乃至3記載の圧電アクチュエータである。
請求項5記載の発明は、細長い切込みが、圧電膜の中央部から外周部に向かって設けられていることを特徴とする請求項1乃至3記載の圧電アクチュエータである。
請求項6記載の発明は、前記圧電アクチュエータの圧電膜に設けられた切込みが、圧電膜を貫通して設けられていることを特徴とする請求項1乃至5記載の圧電アクチュエータである。
請求項7記載の発明は、細長い切込みが圧電膜可動部の略中央に圧電膜を貫通して設けられた十字型の切込みであることを特徴とする請求項1乃至6記載の圧電アクチュエータである。
請求項8記載の発明は、両面固定であって、切込み部分の総面積を圧電膜の可動面積(圧電膜の周囲の片面又は両面が固定されて拘束されている場合に拘束された部分を除いたもの)で除した比が、0.05〜0.6であることを特徴とする請求項7記載の圧電アクチュエータである。
請求項9記載の発明は、前記圧電アクチュエータの圧電膜に設けられた切込みに対応する箇所の電極膜が、液体を透過しないものであることを特徴とする請求項1乃至8記載の圧電アクチュエータである。
請求項10記載の発明は、前記圧電アクチュエータの圧電膜に設けられた切込みが、圧電膜と電極膜の重なった箇所を貫通して設けられており、当該貫通切込みからの液体の漏れを防ぐためのシールが施されていることを特徴とする請求項9記載の圧電アクチュエータである。
請求項11記載の発明は、請求項1乃至10記載の圧電アクチュエータを用いたことを特徴とするポンプである。
以下、本発明を詳細に説明する。
屈曲変位型圧電アクチュエータは、圧電材料が電圧印加直角方向にひずみを発生する性質を利用したもので、図1に示すように剛性の異なる、電極膜または電極板(以下総称して「電極膜」という。)を圧電膜又は圧電板(以下総称して「圧電膜」という。)の上下面に接合したモノモルフ型、図2に示すように分極向きが逆転した2層の圧電膜を接合して同じ向きに電圧を印加する、または図3に示すように分極向きが同じ2層の圧電膜を電極を介して接合して逆向きに電圧を印加するバイモルフ型、分極向きの異なる複数の圧電膜を積層したマルチモルフ型に大別される。構造が簡単で大きな屈曲変位(たわみ)を発現するモノモルフ型またはバイモルフ型圧電アクチュエータが多用されている。
しかし、例えば、図4−A、図4−Bに示す典型的な液体ポンプでは、密閉性を保つため圧電アクチュエータの側面がポンプ容器の内側面に接着されることから、各層の圧電膜が電圧印加直角方向(平面方向)の伸縮が許容されず十分な屈曲変位が得られない。
そこで本発明者は、圧電アクチュエータに細長い切込みを入れることで電圧印加直角方向(平面方向)の伸縮を柔軟に許容し、圧電アクチュエータの変形性能を向上させることにより、電圧印加方向(厚さ方向)の大きな屈曲変位を実現した。これにより、液体ポンプの容積を大きく変化させ、吸引量・送液量の増大を可能とした。
一般に、切込みを入れると圧電アクチュエータの駆動力を低下させると懸念されるが、本発明のように液体ポンプに用いる場合には切込みによって容積変化が増大し、ポンプ性能が向上することは従来技術に鑑みれば意外なことである。
本発明において、切込みにより電圧印加直角方向(平面方向)の伸縮が許容されやすく厚さ方向に大きなたわみを生じさせるために、圧電アクチュエータはポンプ容器に接着されて固定しなければならない。また、取付け面は曲面であっても良いが、曲げ剛性が小さくたわみが生じやすい平面が好ましい。
圧電アクチュエータの平面形状は、円型、小判型、楕円型、多角形、不定形などいずれの形状であっても良いが、面積あたりの周囲長さが短い凸形が好ましく最小となる円形がより好ましい。
本発明の圧電アクチュエータにおいては、前記圧電アクチュエータの圧電膜の厚さ方向に一又は複数箇所の細長い切込みが設けられている。切込みとは圧電膜の面内連続性を失わせる溝を意味する。細長い切込みとは切込みを圧電膜の厚さ方向から見た時の形状が細長いものをいい、切込みの周囲を囲む線の長さに対し、囲まれる面積が小さいものをいう。
したがって円や楕円、小判型等のいわば凸状の丸い形状のものは除く。但し楕円における長軸を短軸で除した比が3以上大きいもの、小判型において長さを幅で除した比が3以上大きいものは凸状の丸い形状とは認められない。中央近傍に設けられた円、楕円、小判型のような凸状の丸い形状のものは、圧電膜の半径方向(外周から中心または重心に向く方向)の伸縮変形は許容できるが、円周方向(圧電膜の外周と平行な方向)の伸縮変形は許容できないからである。したがって細長い形状のものが好ましい。直線状の切込みのみならず、中央部近傍に設けられている十字型や星型のようなものも含まれる。
細長い切込みの数は一であっても複数であってもよい。複数の場合は圧電膜の中心(重心)に対して対称的に配置されていることが好ましい。効果が大きくなるからである。
細長い切込みの大きさは細長い切込みの面積を圧電膜の面積で除した比が小さいと効果がなく大きすぎても効果がないため適当である必要がある。
細長い切込みは、圧電膜の外周部から中央部に向かって設けられていても良いし、圧電膜の中央部から外周部に向かって設けられていてもよいが、圧電膜の中央部から外周部に向かって設けられている方が、一般的に、より大きな電圧印加直角方向(平面方向)の伸縮を許容できるため好ましい。
細長い切込みの形状、大きさ、数、方向、対称性等の詳細については後述する。
本発明において、電圧印加直角方向(平面方向)の伸縮を許容する切込みは、圧電アクチュエータの上面又は下面のどちらに挿入しても良いが、厚さ方向に貫通した切込みが、より大きな電圧印加直角方向(平面方向)の伸縮を許容できるほか、圧電アクチュエータの変形性能を高めるため好ましい。但し切込みが圧電膜を貫通している場合には液体用ポンプとして用いるためには、液体の漏れを防ぐための電極膜によるシール、あるいは別途貫通部からの液漏れを防ぐためのフィルムの積層あるいは貫通部の密閉シール等が必要である。
圧電膜の固定は通常、枠体に圧電膜の外周部の側面を固定する側面固定、圧電膜の片面の外縁部を固定する片面固定、圧電膜の両面の外縁部を固定する両面固定あるいはその複合にて行われる。固定には接着、挟み込みによる固着等により行われる。片面固定、両面固定の場合は圧電膜の固定部分は拘束されて実質上可動できない。したがって固定状態により解析においても拘束条件を考慮する必要がある。又このため切込み部分の面積を圧電膜の面積で除した比を求める場合には圧電膜の面積から外縁の固定部分を除いた可動部分の面積を用いる必要がある。
切込みの形状は、細長ければいずれの形状であっても良いが、切込み長さは、なるべく長いものほど、より大きな電圧印加直角方向(平面方向)の伸縮を許容できるため好ましい。また、切込み本数は、多いものほど圧電アクチュエータの変形性能が向上する反面、駆動力を減少させるため、3−10本程度が好ましい。さらに、切込み位置は、圧電アクチュエータ全体のたわみを増大させてより大きな容積変化を得るために、偏りなく均等に配置するのが望ましい。
切込みの位置、形状等により、たわみの発生機構すなわち屈曲モードが変化する。側面を固定した円形平板状圧電アクチュエータに擬似二等辺三角形状および擬似四角形状の切込みを形成した場合について、上面を正電極、下面を負電極にして静的に電圧を印加した状態に対して、有限要素法による圧電弾性変形解析を行い、屈曲モードを解析した。
解析には、汎用有限要素解析ソフトANSYSを使用した。対象性を考慮して4分の1モデルとし、4面体要素を採用した。圧電膜材料としては優れた圧電応答を示すジルコン酸チタン酸鉛(PZT)を想定し、富士セラミックス社製バルク材C−91のカタログ値を入力物性値とした。分極向きは板厚方向軸に対して上層の圧電層を正方向、下層を負方向に設定した。また電気的負荷として上面の電位が1.0V、下面を0Vとする電圧1.0Vを印加したものとして数値解析した。
側面固定の場合における切込みの位置および形状と屈曲モードの模式図を図5−1〜12に示す。
図5−1、図5−2は切込みを入れない場合であって、外側面から十分に離れた中央部では上向きに僅かな屈曲変位が発生し、固定された外側面では変位拘束の影響により下向きに屈曲変位が発生する、すなわち向きの異なる屈曲変位が併発する複合屈曲モードとなり、たわみ量が小さい。
図5−3、図5−4、図5−5、図5−6、図5−7、図5−8は圧電膜と電極膜に対し厚さ方向に貫通した擬似二等辺三角形状の切込みを外周から円の中心方向に90度おきに入れた場合であって、切込み深さが半径の略5分の2である図5−3、図5−4の場合には、外周から切込み先端までの領域において下向きに屈曲変位が発生し、切込みのない中央部では上向きに屈曲変位を生じる複合屈曲モードとなる。切込み深さが半径の略5分の3である図5−5、図5−6の場合には、外周から切込み先端までの領域において下向きに屈曲変位が発生し、切込みのない中央部では上向きに屈曲変位を生じる複合屈曲モードとなる。この場合変位はより大きい。また、切込み深さが半径の略5分の4である図5−7、図5−8の場合には、中央部における上向きの屈曲変位は発生せず、アクチュエータ全体が下向きに大きく屈曲する単一屈曲モードとなる。
一方、図5−9、図5−10、図5−11、図5−12、図5−13、図5−14は厚さ方向に貫通した擬似四角形状の切込みを外周から円の中心方向に90度おきに入れた場合であって、切込み深さが半径の略5分の1である図5−9、図5−10および半径の略5分の3である図5−11、図5−12の場合には、擬似三角形状の切込みの場合と同様に複合屈曲モードとなり、切込み深さの増加によって外周から切込み先端までの領域における下向きの屈曲変位が増大し、切込みのない中央部における上向きの屈曲変位が減少する。また、切込み深さが半径の略5分の4である図5−13、図5−14の場合には、図5−7、図5−8に表す擬似二等辺三角形状の切込みの場合と同様に、アクチュエータ全体が下向きに大きく屈曲する単一屈曲モードとなる。
図5−15に側面を固定した円形平板状圧電アクチュエータの外周から中心に向けて45度おきに8本の擬似三角形状の貫通する切込みを入れた場合における切込み深さと切込み巾が円板の中心点の屈曲変位の大きさに及ぼす影響を有限要素解析シミュレーションにより求めた結果を示す。横軸は外周から中心向けての切込みの深さdを半径r0により正規化したd/r0、縦軸は切込みの巾wを半径r0により正規化したw/r0で示す。
円板の電圧無印加時の中心の位置をOとした場合における、無印加時の平板のなす平面を基準として電圧印加時における円板中心の厚さ方向の屈曲変位δ0(μm)を数値にて表示する。プラス値は上面を正電極、下面を負電極として静的に電圧を印加した場合に上向きに変位が生じることを示し、マイナス値は下向きに変位が生じることを示す。絶対値が大きいほど変位が大きい。d/r0が0.8以上(切込みが中心に向かい深い)では単一屈曲モードを示し大きな屈曲変位を生じる。これに比しd/r0が0.8より小さいと複合屈曲モードとなり屈曲変位の絶対値も小さい。
図5−16に、図5−15と同一の側面を固定した円形平板状圧電アクチュエータの外周から中心に向けて45度おきに8本の擬似三角形状の貫通する切込みを入れた場合における切込み深さと切込み巾が円板の中心点の屈曲変位の大きさに及ぼす影響を有限要素解析シミュレーションにより求めた結果を示す。横軸は中心から外周までの距離rを半径r0により正規化したr/r0、縦軸はそのr/r0における、無印加時の平板のなす平面と電圧印加時における厚さ方向の屈曲変位(μm)である。d/r0が0.00〜0.80までに設定した各曲線を示す。
d/r0 が0.00から0.67までは、外周から切込み先端までの領域において下向きに屈曲変位が発生し、切込みのない中央部では上向きに屈曲変位を生じる複合屈曲モードになり中心(r/r0=0)における屈曲変位の絶対値も小さい。複合屈曲モードにおいては変曲点を有する。d/r0 が0.80の場合には中央部における上向きの屈曲変位は発生せず、アクチュエータ全体が下向きに屈曲する単一屈曲モードとなり屈曲変位の絶対値も大きい。単一屈曲モードにおいては変曲点を有さない。
図5−16における各曲線(変形後)と屈曲変位0の直線(変形前の初期形状)がなす面積を積分にて求める。この面積が大きい程アクチュエータをポンプに用いた場合の1回毎の吸排液量が大きくなると考えられる。
図5−17は横軸に正規化した切込み深さd/r0をとり、縦軸に上記で求めた面積を表したものである。d/r0が0.67未満では複合屈曲モードが発生するため、外周から切込み先端までの領域における下向きの屈曲変位と切込みのない中央部における上向きの屈曲変位の相殺によりアクチュエータ駆動により変化する面積は小さく、d/r0が0.27近傍で極大値をとる。一方、0.80の場合には単一屈曲モードが発生し、中央部における上向きの屈曲変位は発生せず、アクチュエータ全体が下向きに屈曲するため、面積変化が大きいことが分る。
図5−16における各d/r0の曲線と屈曲変位が0の直線に囲まれた部分を、屈曲変位軸(板厚方向軸)の周りに360度回転したとして試算して容積を求めることができる。
図5−18は細長い切込みの形状に関わる規定に関するものである。
横軸xを、切込み部分の面積を圧電膜の可動面積(圧電膜の周囲の片面又は両面が固定されて拘束されている場合に拘束された部分を除いたもの)で除した比にとり、縦軸yを切込み部分の全側面積を切込み部分の面積で除した比にとった場合における関係を表す。切込み部分の全側面積は切込みが板厚方向に貫通した場合を想定し単位厚さあたりの側面積をいう。細長い切込みは式(1)を満たすことが好ましい。
図中Aは後述の実施例5−1をBは実施例5−2を示す。
図5−19、図5−20、図5−21、図5−22に上記切込みの形状の規定に用いた代表的形状を示す。直径が10mmである円形圧電膜に対して、幅、長さ等の値の各種組み合わせ(十字型切込みの場合L=0.75〜3.00mm,W=0.75〜3.00mm。外周からの切込みの場合L=1.00〜3.25mm,W=1.00〜3.25mm。
円型切込みの場合R=0.75〜3.00mm。小判型切込みの場合R=0.75〜3.00mm,L=0.75〜3.00mm)にて計算し、図5−18のプロットに用いた。
直径が10mmである円形圧電膜に対して,モノモルフ型およびバイモルフ型で中央部に十字型の圧電膜を貫通する切込みを有する場合の容積変化を有限要素法により解析した。
図5−23は両面固定における切込み部分の面積と容積変化の関係を表したものである。
圧電膜がモノモルフ型で中央部に十字型の圧電膜を貫通する切込みを有する場合には、切込み部分の総面積を圧電膜の可動面積(圧電膜の周囲の片面又は両面が固定されて拘束されている場合に拘束された部分を除いたもの、以下同じ)で除した比が、0.05〜0.6が容積変化の効果が大きいため好ましく、より好ましくは0.1〜0.3である。
圧電膜がバイモルフ型で中央部に十字型の圧電膜を貫通する切込みを有する場合には、切込み面積を圧電膜の可動面積(圧電膜の周囲の片面又は両面が固定されて拘束されている場合に拘束された部分を除いたもの)で除した比が、0.05〜0.6が容積変化の効果が大きいため好ましい。より好ましくは0.1〜0.5である。
直径が10mmである円形圧電膜に対して,モノモルフ型およびバイモルフ型で中央部に十字型の圧電膜を貫通する切込みを有する場合の容積変化を有限要素法により解析した。
図5−24は片面固定における切込み部分の面積と容積変化の関係を表したものである。
圧電膜がモノモルフ型で中央部に十字型の圧電膜を貫通する切込みを有する場合には、切込み部分の総面積を圧電膜の可動面積(圧電膜の周囲の片面又は両面が固定されて拘束されている場合に拘束された部分を除いたもの)で除した比が、0.05〜0.6が容積変化の効果が大きいため好ましく、より好ましくは0.1〜0.6である。
圧電膜がバイモルフ型で中央部に十字型の圧電膜を貫通する切込みを有する場合には、切込み面積を圧電膜の可動面積(圧電膜の周囲の片面又は両面が固定されて拘束されている場合に拘束された部分を除いたもの)で除した比が、0.1〜0.6が容積変化の効果が大きいため好ましい。
細長い切込みの位置については切込みの重心が、なるべく圧電膜の可動部分(圧電膜の周囲の片面又は両面が固定されて拘束されている場合には拘束された部分を除いたもの)の重心に近い位置が好ましい。切込みの重心がアクチュエータの重心に近い場合には、圧電膜全体の伸縮変形が許容されやすく、遠い場合には,伸縮変形が局所的に許容されるため、効果が低減されるからである。細長い切込みの位置については面対称性、点対称性の高い方が好ましい。圧電膜全体の伸縮変形が許容されやすいからである。
細長い切込みの方向については切込みを設けた圧電膜表面内及び切込みを設ける前の仮想表面内の合わせた領域内に任意の2点をとり、その最大となる距離を圧電膜の直径とし、同様に切込みの内の仮想面内に任意の2点をとり、その最大となる距離を切込みの直径とすると、それぞれの直径の方向は平行であることが好ましい。圧電膜の伸縮変形を効率的に許容することでより大きな屈曲変位が生じるため効果が大きくなるからである。
細長い切込みの数については、面積比が上記範囲内であれば、切込みの数は多くてもよい。数が多い場合には、圧電膜全体の伸縮変形が許容されやすいからである。
細長い切込みが複数ある場合はその相互位置は面対称性、点対称性の高い方が好ましい。圧電膜全体の伸縮変形が許容されやすいからである。
細長い切込みが圧電膜可動部の略中央に圧電膜を貫通して設けられた十字型の切込みである圧電アクチュエータ好ましい。
この場合、圧電膜の固定が両面固定であって、切込み部分の総面積を圧電膜の可動面積(圧電膜の周囲の片面又は両面が固定されて拘束されている場合に拘束された部分を除いたもの)で除した比が、0.05〜0.6である圧電アクチュエータが好ましい。
切込みの加工は、円板状等の圧電アクチュエータをカッターやレーザによる切削、型抜き加工してもよく、あるいは最初から切込みのある形態にしてから焼結等して作製してもよく、射出成形等の方法で作製しても良い。生産性およびコスト面から射出成形が好ましい。
本発明において、アクチュエータに用いる圧電膜の材料としては、Pb(Zr,Ti)O3 (ジルコン酸チタン酸鉛:PZT)、BaTiO3(チタン酸バリウム)、PbTiO3 (チタン酸鉛)、LiNbO3 (ニオブ酸リチウム)、MgSiO3 (シリコン酸マグネシウム)などの圧電セラミックスやポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデンオリゴマーなどの圧電ポリマーなどが挙げられるが、圧電ひずみ定数d31(第3軸方向に単位電界を印加した場合に第1軸方向に発生するひずみ)が優れた材料が大きいたわみを発生できるため好ましい。また、圧電材料の厚さを薄くすると電界が増し、小さい電圧で駆動可能であるが、厚さの減少により圧電特性が低下するため、100μmから数mm厚さが好ましい。
一方、電極膜の材料としては、導電体であればよく、Pt(白金)、Au(金)、Ir(イリジウム)、Cu(銅)などであってもよく、PVD(物理蒸着)で形成した薄膜が好ましい。アクチュエータの変形性能を低下させないため縦弾性係数(ヤング率)が小さく、なるべく薄いものが好ましい。したがってエラストマー膜に金粒子等を分散したものが好ましい。稼働時の発熱を防ぐためには電気抵抗の小さいものが好ましい。
前記各電極膜には、前記圧電膜の切込みに対応する部分の厚さ方向に切込みが設けられていることが、圧電膜のより大きな電圧印加直角方向(平面方向)の伸縮を許容できるため好ましく、それが該電極膜の厚さ方向に貫通するように設けられていることがより好ましい。圧電膜の切込みが貫通している場合には電極膜が液体を透過しないものであることが好ましい。
本発明において、圧電膜の厚さ方向に貫通した切込みを有し、かつ電極膜における上記圧電膜の切込みに対応する部分の厚さ方向に貫通した切込みを有する場合には、液体ポンプに用いる場合には液体漏れを防止してポンプ容器を密閉できる膜(密閉シール)を上面又は下面に接着することが好ましい。密閉シールの接着は、圧電アクチュエータの全面であってもよく又は切込み部分のみであってもよい。
密閉シール材としては、樹脂フィルムやゴム膜などが挙げられるが、アクチュエータの変形性能を低下させないためには剛性の選定が必要である。電圧印加によるたわみ発生時のポンプ内圧力が失われない程度の剛性を有することが好ましい。適切な剛性の導電性フィルムであれば、密閉シールと電極の両機能を同時に果たすためより好ましい。
本発明によれば、圧電材料からなる圧電膜の両面に電極膜が接合された圧電アクチュエータの圧電膜の厚さ方向に細長い切込みを入れることで電圧印加直角方向(平面方向)の伸縮を柔軟に許容し、圧電アクチュエータの変形性能を向上させることにより、電圧印加方向(厚さ方向)の大きな屈曲変位を実現でき、これにより、液体ポンプの容積が大きく変化し、吸引・送液量の増大が可能となる。
本発明の細長い切込み設けた圧電アクチュエータを逆に機械的負荷(応力)による起電力を検知するセンサーとして用いる場合に、微小な応力変化を検知する感度が向上するため、センサー用途としても好ましい。特に単一屈曲モードを利用するものが感度が向上するためセンサーとしてより好ましい。
以下、図面を参照し実施例を挙げて本発明を説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
円板状(直径10mm、厚さ0.5mm)のPZT系圧電セラミックス(富士セラミックス社製C−91)に対して、Pt電極を片面(分極処理時の正電極面)に塗布し、ダイヤモンドカッターにより4本の切込み(長さ2mm、幅0.5mm)を入れた。続いて、2枚の供試体の無電極面(分極処理時の負電極面)に銀ペーストを塗布して接着し、図6−Aに示す貫通した擬似四角状切込みのある円板状バイモルフ型圧電アクチュエータ(実施例1)を作製した。また、比較のため、従来型圧電アクチュエータとして、図6−Bに示す切込みのない円板状バイモルフ型圧電アクチュエータ(比較例1)を作製した。
次に、ポンプ容器を想定してプラスチック厚板に内径10mmの円形孔を穿孔し、これに作製したバイモルフ型圧電アクチュエータの側面を接着剤により固定した。プラスチック容器に固定したバイモルフ型圧電アクチュエータの外観として、図7の図面代用写真に実施例1(切込みのある)のバイモルフ型圧電アクチュエータ、図8の図面代用写真に比較例1(切込みのない)のバイモルフ型圧電アクチュエータを示す。
プラスチック容器に固定したバイモルフ型圧電アクチュエータの上下面に、周波数500−3000Hzの交流電圧20Vを印加し、円板状圧電アクチュエータの中心点におけるたわみをレーザドップラ変位計(グラフテック社製AT3700)により測定した。図9にたわみと周波数の関係に対する実施例1(切込みのある)バイモルフ型圧電アクチュエータの測定結果を示す。また、図10に比較例1(切込みのない)バイモルフ型圧電アクチュエータの測定結果を示す。これらの測定結果より、比較例1では共振周波数2720Hzで最大たわみが0.18μmであるのに対して、実施例1では共振周波数2640Hzで最大たわみが1.18μmを発現することが判明した。
さらに、所定のひずみを発生させるのに必要な電圧を明らかにするために、電圧を0Vから20Vまで変化させ、両円板状バイモルフ型圧電アクチュエータの中心点におけるたわみを測定した。なお、周波数はそれぞれ前述の共振周波数に設定した。実施例1により得られた最大たわみと電圧の関係の測定結果を図11に示す。比較例1の測定結果も併せて示す。これより、例えばアクチュエータの中心点においてたわみ0.18μmを発生させるのに必要な電圧は、従来のアクチュエータでは20.0Vであるのに対して、本発明のアクチュエータでは3.05Vであることが判る。
得られた両アクチュエータの性能比較を表1にまとめて示す。
ポンプに用いた場合の切込みの有無によるバイモルフ型圧電アクチュエータを用いた吸引量の比較測定を行った。図7および図8に示す、プラスチック厚板に固定した、直径10mmの切込みあり、および無しの2種類のバイモルフ型圧電アクチュエータを、針およびバルブの装着済みポンプ容器に密着固定し図12−A、Bに示す吸引ポンプを構成し、共振周波数での吸引量を測定した。
ポンプは底部を有する円筒状のポンプ筐体22の底部を貫通して吸引針21が固定されている。筐体22の円筒部を貫いて孔が穿たれ、外側面に外径0.5mmバルブ穴23が開口している。ポンプ筐体の内径は10mm、同筐体の深さは2mmであり、吸引針の形状は、内径100μm、長さ5mmである。吸引量測定用液体には水道水を用いた。
厚さ50μm、幅2mmの円筒状シリコン製ゴムリングにてなるバルブ24が、ポンプ筐体外側面にゴムが伸張しテンションがかかった状態でバルブ穴23を覆うように巻き付けられている。
図7および図8に示す、プラスチック厚板26に穿たれた円筒状の孔の内側面に接着剤で外周を固定した、直径10mmの切込みあり、無しの2種類のバイモルフ型圧電アクチュエータの裏面に液漏れ防止用のゴムシート27を接着剤にて貼り付けたものが、上記ポンプ筐体22の上面開口部に、ポンプ筐体22の上面とプラスチック厚板26の下面とを接着することにより取り付けられている。液漏れ防止用ゴムシートとして厚さ30μmの鬼怒川ゴム社製のゴムシートを用いた。
電圧を印加することにより圧電アクチュエータが上に凸にたわむ場合は、円筒状のゴムバルブ24の弾性力によりバルブ穴23を覆っているためバルブが閉じたままであり、ポンプ筐体内が負圧となるため、ポンプ筐体内に連通する針を通して液体が吸引される。次に逆方向に電圧を印加することにより圧電アクチュエータが下に凸にたわみ、つまり筐体内に充填した液体に圧力が付与されると、ポンプ筐体22内部の液体の圧力がバルブ24のゴム伸張テンションによるバルブ穴23を押し付ける力を上回り、バルブ24と筐体22の外側面との間を押し開き液体が漏れ出し筐体内部の液体が排出される。
ポンプに固定したバイモルフ型圧電アクチュエータの上下面に、周波数500〜6000Hzの交流電圧20Vを印加し、円板状圧電アクチュエータの中心点におけるたわみをレーザドップラ変位計(グラフテック社製AT3700)により測定し、最大のたわみをとる共振周波数を求めた。この結果に基づき本測定においてバイモルフ型圧電アクチュエータの上部下部電極に、切込みありの場合4490Hz、切込みなしの場合5850Hzの交流電圧20Vを印加した。
図13には、切込み有無による吸引比較した場合の、バイモルフ型圧電アクチュエータの振幅回数とその吸引量を示す。その結果、切込みありのバイモルフ型圧電アクチュエータを用いた吸引量は、切込みなしのバイモルフ型圧電アクチュエータを用いた吸引量に比べて、吸引量が多くなったことを確認した。また、切込みありと無い場合の1回あたりの振幅による吸引量は、それぞれ6.75×10−7μl/回と4.65×10−7μl/回であった。その結果、本発明による有効性を確認した。
以下に他の圧電素子を用いた圧電アクチュエータの例を示す。
図14は、本発明の圧電アクチュエータの別の実施例を示す図である。この圧電アクチュエータは、分極向き3が一方向の圧電膜5の両面に剛性の異なる電極膜1、2が接合された圧電アクチュエータ素子を備え、該圧電アクチュエータ素子の両電極膜1、2への電圧の印加により圧電膜5の電圧印加直角方向の伸縮変形が許容されて電圧印加方向に大きな屈曲変位を発現するようになっている。圧電アクチュエータ素子の圧電膜5には、4本の切込み10が厚さ方向に貫通するように設けられている。電極膜1、2にも、圧電膜5の切込み10に対応する部分に、厚さ方向に貫通するように切込み10が設けられている。
図15は、本発明の圧電アクチュエータのさらに別の実施例を示す図である。この圧電アクチュエータは、分極向きが同じ2層の圧電膜5、6が電極膜7を介して接合された圧電材料層の両面に電極膜1、2が接合された圧電アクチュエータ素子を備え、該圧電アクチュエータ素子の各電極膜1、2、7への電圧の印加により圧電膜5、6の電圧印加直角方向の伸縮変形が許容されて電圧印加方向に大きな屈曲変位を発現するようになっている。圧電アクチュエータ素子の圧電膜5、6には、4本の切込み10が厚さ方向に貫通するように設けられている。電極膜1、2、7にも、圧電膜5、6の切込み10に対応する部分に、厚さ方向に貫通するように切込み10が設けられている。
図16は、本発明の圧電アクチュエータのさらに別の実施例を示す図である。この圧電アクチュエータは、分極向きが異なる2層の圧電膜5、6が電極膜7を介して接合された 中間層の圧電材料層の両面に電極膜1、2が接合された圧電アクチュエータ素子を備え、該圧電アクチュエータ素子の各電極膜1、2、7への電圧の印加により圧電膜5、6の電圧印加直角方向の伸縮変形が許容されて電圧印加方向に大きな屈曲変位を発現するようになっている。圧電アクチュエータ素子の圧電膜5、6には、4本の切込み10が厚さ方向に貫通するように設けられている。電極膜1、2、7にも、圧電膜5、6の切込み10に対応する部分に、厚さ方向に貫通するように切込み10が設けられている。
切込み形状が図17〜19に示す圧電膜に薄い銅板を接着した円板状モノモルフ型圧電アクチュエータに対して、細長い切込みが、圧電膜の外周部から中央部に向かって設けられている場合(図17。以下、この圧電膜を用いるものを実施例4−1という)、細長い切込みが、圧電膜の中央部から外周部に向かって設けられている場合(図18。以下、この圧電膜を用いるものを実施例4−2という)、切込みが細長いものではなく、圧電膜の中央部から外周部に向かって設けられた円形の切込みである場合(図19。以下、この圧電膜を用いるものを比較例2という)について、静的電圧が印加された圧電アクチュエータの容積変化量(Volumetric change。詳しくは後述)を有限要素解析シミュレーションにより比較した。
実施例4−1においては、圧電膜の外周部から中心部に向けて90度おきに4本の擬似四角形状の貫通する切込みを入れ、その切込み長さL(length。単位mm)と切込み巾W(width。単位mm)をパラメータとして変化させた(図17)。実施例4−2においては、圧電膜の中央部から外周部に向けて90度おきに4本の四角形状の貫通する切込みを入れ、その切込み長さL(length。単位mm)と切込み巾W(width。単位mm)をパラメータとして変化させた(図18)。比較例2においては、円形切込みの半径R(radius。単位mm)をパラメータとして変化させた。
実施例4−1では切込み長さLを1.0mm〜3.25mm、切込み巾Wを1.0〜3.25mm、実施例4−2では切込み長さLを0.75mm〜3.0mm、切込み巾Wを0.75〜3.0mm、比較例2では円形切込み半径Rを0.75mm〜3.75mmの範囲で変化させ、圧電弾性有限要素解析により電圧印加時の発生たわみを調査した。解析には、汎用有限要素解析ソフトANSYSを使用した。圧電アクチュエータの有限要素モデルは、対称性を考慮して4分の1モデルとした。圧電アクチュエータの材料は、PZT系圧電セラミックスを想定し、富士セラミックス社製バルク材C−91のカタログ値を入力物性値とした。分極向きは上向きに設定した。また、電気的負荷として上面の電位が1.0V、下面が0Vとする電圧1.0Vを印加した。拘束条件は4分の1の対称条件のみとし、圧電アクチュエータの自由変形を解析した。
それぞれのパラメータの数値を設定して圧電弾性有限要素解析により得られた発生たわみから、たわみ曲線を得た(なお、たわみ曲線とは、横軸は中心から外周までの距離rを半径rにより正規化したr/r、縦軸はそのr/rにおける、無印加時の平板のなす平面に対する電圧印加時における厚さ方向のたわみ(μm)としたグラフによって得られる曲線のことである)。次いで、それぞれのパラメータが設定された圧電アクチュエータ駆動時の容積変化量(Volumetric change。単位はμm)を、上記のたわみ曲線における屈曲面積から回転体として算出した。
実施例4−1において、設定したパラメータである切込み長さL(length)と切込み巾W(width)と、得られた容積変化量(Volumetric change)との関係を示すグラフを図20に示した。図20より容積変化量(Volumetric change)の最大値は切込み長さL=3.25mm、切込み巾W=3.25mmの場合に最大値0.2048μmを示した。
実施例4−2において、設定したパラメータである切込み長さL(length)と切込み巾W(width)と、得られた容積変化量(Volumetric change)との関係を示すグラフを図21に示した。図21より容積変化量(Volumetric change)の最大値は切込み長さL=2.25mm、切込み巾W=2.25mmの場合に最大値0.2258μmを示した。
比較例2において、設定したパラメータである切込みの半径R(radius)と、得られた容積変化量(Volumetric change)との関係を示すグラフを図22に示した。図22より容積変化量(Volumetric change)は円形切込み半径R=2.64mmの場合に最大値0.21088μmを示した.
得られた容積変化量(Volumetric change)の最大値を比較すると、容積変化量は細長い切込みが圧電膜の中央部から外周部に向かって設けられている場合(実施例4−2)が最も大きく、切込みが圧電膜の中央部から外周部に向かって設けられた円形の切込みである場合(比較例2)が次に大きく、細長い切込みが圧電膜の外周部から中央部に向かって設けられている場合(実施例4−1)が最も小さかった。
図23〜25に示す分極方向が逆向きの2枚の圧電層を接着した円板状バイモルフ型圧電アクチュエータに対して、細長い切込みが、圧電膜の外周部から中央部に向かって設けられている場合(図23。以下、この圧電膜を用いるものを実施例5−1という)、細長い切込みが、圧電膜の中央部から外周部に向かって設けられている場合(図24。以下、この圧電膜を用いるものを実施例5−2という)、切込みがない場合(図25。以下、この圧電膜を用いるものを比較例3という)について、圧電アクチュエータを試作し、交流電圧印加時の圧電アクチュエータの中心点におけるたわみ(Deflection。単位μm)と周波数(Frequency。単位Hz)の関係を調べた。
円板状(直径10mm、厚さ0.5mm)のPZT系圧電セラミックス(富士セラミックス社製C−91)に対して、Pt電極を片面(分極処理時の正電極面)に塗布し、ダイヤモンドカッターにより4本の切込み(長さ2mm、幅0.5mm)を入れた。続いて、Pt電極を片面に塗布した2枚の圧電膜の無電極面(分極処理時の負電極面)に銀ペーストを塗布して接着し、図23に示す貫通した擬似四角状切込みのある円板状バイモルフ型圧電アクチュエータ(実施例5−1)を作製した。
円板状(直径10mm、厚さ0.5mm)のPZT系圧電セラミックス(富士セラミックス社製C−91)に対して、Pt電極を片面(分極処理時の正電極面)に塗布し、レーザ加工により図24に示す4本の切込み(長さ3.5mm、幅0.5mm)を入れた。なお、上記4本の切込みに囲まれる、円板の中央部分も切り込まれている。続いて、Pt電極を片面に塗布した2枚の圧電膜の無電極面(分極処理時の負電極面)に銀ペーストを塗布して接着し、図24に示す貫通した擬似四角状切込みのある円板状バイモルフ型圧電アクチュエータ(実施例5−2)を作製した。
また、比較のため、従来型圧電アクチュエータとして、図25に示す切込みのない円板状バイモルフ型圧電アクチュエータ(比較例3)を作製した。
なお、図23〜25において、正確には銀ペーストによる接着層があるが厚さが薄く無視できるので実施例1と同様、断面図には銀ペーストによる接着層は記載を省略した。
次に、ポンプ容器を想定してプラスチック厚板に内径10mmの円形孔を穿孔し、これに作製したバイモルフ型圧電アクチュエータの側面を接着剤により固定した。プラスチック容器に固定したバイモルフ型圧電アクチュエータの外観として、図26の図面代用写真に実施例5−1(細長い切込みが外周部から中央部に向かって存在している)のバイモルフ型圧電アクチュエータ、図27の図面代用写真に実施例5−2(細長い切込みが中央部から外周部に向かって存在している)のバイモルフ型圧電アクチュエータ、図28の図面代用写真に比較例3(切込みのない)のバイモルフ型圧電アクチュエータを示す。
プラスチック容器に固定したバイモルフ型圧電アクチュエータの上下面に、周波数500−9000Hzの交流電圧を印加し、円板状圧電アクチュエータの中心点におけるたわみをレーザドップラ変位計(グラフテック社製AT3700)により測定した。印加する交流電圧は3Vと20Vの2種類とした。
実施例5−1(切込みが外周部から中央部に向かって存在している)のバイモルフ型圧電アクチュエータに交流電圧3Vを印加した場合の測定結果から、円板状圧電アクチュエータの中心点におけるたわみと周波数の関係を図29に、交流電圧20Vを印加した場合の測定結果から、円板状圧電アクチュエータの中心点におけるたわみと周波数の関係を図30に示す。
実施例5−2(切込みが中央部から外周部に向かって存在している)のバイモルフ型圧電アクチュエータに交流電圧3Vを印加した場合の測定結果から、円板状圧電アクチュエータの中心点におけるたわみと周波数の関係を図31に、交流電圧20Vを印加した場合の測定結果から、円板状圧電アクチュエータの中心点におけるたわみと周波数の関係を図32に示す。
比較例3(切込みのない)のバイモルフ型圧電アクチュエータに交流電圧3Vを印加した場合の測定結果から、円板状圧電アクチュエータの中心点におけるたわみと周波数の関係を図33に、交流電圧20Vを印加した場合の測定結果から、円板状圧電アクチュエータの中心点におけるたわみと周波数の関係を図34に示す。
これらの測定結果より、交流電圧3Vを印加した場合は、比較例3では共振周波数2700Hzで最大たわみが0.0994μmであるのに対して、実施例5−1では共振周波数7000Hzで最大たわみが0.133μm、実施例5−2では共振周波数6460Hzで最大たわみが0.2055μmと高いたわみを発現することが判明した。
また、交流電圧20Vを印加した場合は、比較例3では共振周波数3210Hzで最大たわみが0.352μmであるのに対して、実施例5−1では共振周波数7900Hzで最大たわみが0.567μm、実施例5−2では共振周波数5930Hzで最大たわみが0.9615μmと高いたわみを発現することが判明した。
このように、本発明の圧電アクチュエータでは、切込みのない従来の圧電アクチュエータに比較して高いたわみを発現することが分る。また、切込みが外周部から中央部に向かっているもの(実施例5−1)よりも、中央部から外周部に向かっているもの(実施例5−2)の方が高いたわみを発現していた。
剛性の異なる電極を上下面に接合したモノモルフ型圧電アクチュエータを示す図である。 分極向きが逆転した2層の圧電材料を接合し、同じ向きに電圧を印加するバイモルフ型圧電アクチュエータを示す図である。 分極向きが同じ2層の圧電材料を電極を介して接合し、逆向きに電圧を印加するバイモルフ型圧電アクチュエータを示す図である。 圧電アクチュエータの側面が接着固定された典型的な液体ポンプの吸入時の概念図である。 圧電アクチュエータの側面が接着固定された典型的な液体ポンプの排出時の概念図である。 切込みの無い場合における円板状圧電アクチュエータの平面図である。 切込みの無い場合における円板状圧電アクチュエータの電圧印加時における断面図である。 外周から円板の中心に対称に擬似三角形状に半径の略5分の2深さに狭い切込みを90度おきに入れた場合の円板状圧電アクチュエータの平面図である。 外周から円板の中心に対称に擬似三角形状に半径の略5分の2深さに狭い切込みを90度おきに入れた場合の円板状圧電アクチュエータの電圧印加時における断面図である。 外周から円板の中心に対称に擬似三角形状に半径の略5分の3深さに狭い切込みを90度おきに入れた場合の円板状圧電アクチュエータの平面図である。 外周から円板の中心に対称に擬似三角形状に半径の略5分の3深さに狭い切込みを90度おきに入れた場合の円板状圧電アクチュエータの断面図である。 外周から円板の中心に対称に擬似三角形状に半径の略5分の4深さに狭い切込みを90度おきに入れた場合の円板状圧電アクチュエータの平面図である。 外周から円板の中心に対称に擬似三角形状に半径の略5分の4深さに狭い切込みを90度おきに入れた場合の円板状圧電アクチュエータの電圧印加時における断面図である。 外周から円板の中心に対称に擬似四角形状に半径の略5分の1深さに狭い切込みを90度おきに入れた場合の円板状圧電アクチュエータの平面図である。 外周から円板の中心に対称に擬似四角形状に半径の略5分の1深さに狭い切込みを90度おきに入れた場合の円板状圧電アクチュエータの電圧印加時における断面図である。 外周から円板の中心に対称に擬似四角形状に半径の略5分の3の深さに狭い切込みを90度おきに入れた場合の円板状圧電アクチュエータの平面図である。 外周から円板の中心に対称に擬似四角形状に半径の略5分の3の深さに狭い切込みを90度おきに入れた場合の円板状圧電アクチュエータの電圧印加時における断面図である。 外周から円板の中心に対称に擬似四角形状に半径の略5分の4の深さに狭い切込みを90度おきに入れた場合の円板状圧電アクチュエータの平面図である。 外周から円板の中心に対称に擬似四角形状に半径の略5分の4の深さに狭い切込みを90度おきに入れた場合の円板状圧電アクチュエータの電圧印加時における断面図である。 側面を固定した円形平板状圧電アクチュエータの外周から中心に向けて45度おきに8本の擬似三角形状の貫通する切込みを入れた場合における切込み深さと切込み巾が円板の中心点の屈曲変位の大きさに及ぼす影響を有限要素解析シミュレーションにより求めた結果を示す。 側面を固定した円形平板状圧電アクチュエータの外周から中心に向けて45度おきに8本の擬似三角形状の貫通する切込みを入れた場合における切込み深さと切込み巾が円板の中心点の屈曲変位の大きさに及ぼす影響を有限要素解析シミュレーションにより求めた結果を示す。 図5−16における各曲線と屈曲変位0の直線との間の面積を積分にて求めた値を示す図である。 細長い切込みの形状の規定を示す図であって、切込み部分の面積を圧電膜の可動部分の面積で除した比をxとし、切込みが板厚方向に貫通した場合の単位厚さあたりの全側面積を切込み部分の面積で除した比をyとした場合に、曲線より上部が細長い切込みであることを示す。 図5−18のために用いた十字型切込みの模式図である。 図5−18のために用いた外周スリット型切込みの模式図である。 図5−18のために用いた円形切込みの模式図である。 図5−18のために用いた小判型切込みの模式図である。 両面固定における切込み部分の面積と容積変化の関係を表わす図である。 片面固定における切込み部分の面積と容積変化の関係を表わす図である。 実施例1の圧電アクチュエータを表す図である。 比較例1の圧電アクチュエータを表す図である。 プラスチック容器に固定した実施例1(切込みのあるバイモルフ型圧電アクチュエータ)の外観を示す図面代用写真である。 プラスチック容器に固定した比較例1(切込みのないバイモルフ型圧電アクチュエータ)の外観を示す図面代用写真である。 実施例1(切込みのあるバイモルフ型圧電アクチュエータ)の中心点における最大たわみと交流電圧の周波数の関係を示す図である。 比較例1(切込みのないバイモルフ型圧電アクチュエータ)の中心点における最大たわみと交流電圧の周波数の関係を示す図である。 アクチュエータ中心点における最大たわみと交流電圧の関係を示す図である。なお、実施例1(共振周波数2640Hz)と比較例1(共振周波数2720Hz)に対する測定結果を併せて示す。 実施例2に用いたポンプを表す斜視図である。 実施例2に用いたポンプを模式的に表す断面図である。 ポンプに用いた場合の切込みの有無によるバイモルフ型圧電アクチュエータを用いた吸引量の比較測定結果を表す図である。 別の実施例(切込みのあるモノモルフ型圧電アクチュエータ)を示す図である。 別の実施例(切込みのあるバイモルフ型圧電アクチュエータ)を示す図である。 別の実施例(切込みのあるバイモルフ型圧電アクチュエータ)を示す図である。 実施例4−1で用いられた圧電膜の切込みを示す図である。 実施例4−2で用いられた圧電膜の切込みを示す図である。 比較例2で用いられた圧電膜の切込みを示す図である。 実施例4−1における、切込み長さL(length)と切込み巾W(width)と、得られた容積変化量(Volumetric change)との関係を示す図である。 実施例4−2における、切込み長さL(length)と切込み巾W(width)と、得られた容積変化量(Volumetric change)との関係を示す図である。 比較例2における、切込みの半径R(radius)と、得られた容積変化量(Volumetric change)との関係を示す図である。 実施例5−1で用いられた圧電アクチュエータを示す図である。 実施例5−2で用いられた圧電アクチュエータを示す図である。 比較例3で用いられた圧電アクチュエータを示す図である。 プラスチック容器に固定した実施例5−1(細長い切込みが外周部から中央部に向かって存在している)のバイモルフ型圧電アクチュエータの外観を示す図面代用写真である。 プラスチック容器に固定した実施例5−2(細長い切込みが中央部から外周部に向かって存在している)のバイモルフ型圧電アクチュエータの外観を示す図面代用写真である。 プラスチック容器に固定した比較例3(切込みのない)のバイモルフ型圧電アクチュエータの外観を示す図面代用写真である。 交流電圧3Vを印加した場合の実施例5−1(細長い切込みが外周部から中央部に向かって存在しているバイモルフ型圧電アクチュエータ)の中心点におけるたわみと交流電圧の周波数の関係を示す図である。 交流電圧20Vを印加した場合の実施例5−1(細長い切込みが外周部から中央部に向かって存在しているバイモルフ型圧電アクチュエータ)の中心点におけるたわみと交流電圧の周波数の関係を示す図である。 交流電圧3Vを印加した場合の実施例5−2(細長い切込みが中央部から外周部に向かって存在しているバイモルフ型圧電アクチュエータ)の中心点におけるたわみと交流電圧の周波数の関係を示す図である。 交流電圧20Vを印加した場合の実施例5−2(細長い切込みが中央部から外周部に向かって存在しているバイモルフ型圧電アクチュエータ)の中心点におけるたわみと交流電圧の周波数の関係を示す図である。 交流電圧3Vを印加した場合の比較例3(切込みのないバイモルフ型圧電アクチュエータ)の中心点におけるたわみと交流電圧の周波数の関係を示す図である。 交流電圧20Vを印加した場合の比較例3(切込みのないバイモルフ型圧電アクチュエータ)の中心点におけるたわみと交流電圧の周波数の関係を示す図である。
符号の説明
1 上面電極
2 下面電極
3 分極向き
4 圧電材料
5 上層圧電材料
6 下層圧電材料
7 中央電極
8 容器
9 圧電膜
10 電圧印加時の電圧印加直角方向(平面方向)の伸縮を許容する切込み
11 円孔を穿ったプラスチック厚板
12 電圧印加のためのリード線
13 実施例(切込みのあるバイモルフ型圧電アクチュエータ)
14 比較例(切込みのないバイモルフ型圧電アクチュエータ)
21 針(吸引口)
22 ポンプ筐体
23 バルブ穴
24 バルブ(円筒状ゴム)
25 圧電アクチュエータ
26 円孔を穿ったプラスチック厚板
27 ゴムシート
28 銅板
29 円形切込み
30 小判型切込み
31 実施例5−1の圧電アクチュエータ
32 実施例5−2の圧電アクチュエータ
33 比較例3の圧電アクチュエータ

Claims (11)

  1. 圧電材料からなる圧電膜の両面に電極膜が接合され、両電極への電圧の印加により前記圧電膜の電圧印加直角方向の伸縮変形が許容されて電圧印加方向に大きな屈曲変位を発現する圧電アクチュエータにおいて、前記圧電アクチュエータの圧電膜の厚さ方向に一又は複数箇所の細長い切込みが設けられていることを特徴とする圧電アクチュエータ。
  2. 切込み部分の面積を圧電膜の可動部分の面積(圧電膜の周囲の片面又は両面が固定されて拘束されている場合に拘束された部分を除いたもの)で除した比をxとし、切込みが板厚方向に貫通した場合の単位厚さあたりの全側面積を切込み部分の面積で除した比をyとした場合に、細長い切込みが式(1)を満たすことを特徴とする請求項1記載の圧電アクチュエータ。
  3. 細長い切込みの面積を圧電膜の面積で除した比が0.05〜0.6であることを特徴とする請求項1又は2記載の圧電アクチュエータ。
  4. 細長い切込みが、圧電膜の外周部から中央部に向かって設けられていることを特徴とする請求項1乃至3記載の圧電アクチュエータ。
  5. 細長い切込みが、圧電膜の中央部から外周部に向かって設けられていることを特徴とする請求項1乃至3記載の圧電アクチュエータ。
  6. 前記圧電アクチュエータの圧電膜に設けられた細長い切込みが、圧電膜を貫通して設けられていることを特徴とする請求項1乃至5記載の圧電アクチュエータ。
  7. 細長い切込みが圧電膜可動部の略中央に圧電膜を貫通して設けられた十字型の切込みであることを特徴とする請求項1乃至6記載の圧電アクチュエータ。
  8. 両面固定であって、切込み部分の総面積を圧電膜の可動面積(圧電膜の周囲の片面又は両面が固定されて拘束されている場合に拘束された部分を除いたもの)で除した比が、0.05〜0.6であることを特徴とする請求項7記載の圧電アクチュエータ。
  9. 前記圧電アクチュエータの圧電膜に設けられた切込みに対応する箇所の電極膜が、液体を透過しないものであることを特徴とする請求項1乃至8記載の圧電アクチュエータ。
  10. 前記圧電アクチュエータの圧電膜に設けられた切込みが、圧電膜と電極膜の重なった箇所を貫通して設けられており、当該貫通切込みからの液体の漏れを防ぐためのシールが施されていることを特徴とする請求項9記載の圧電アクチュエータ。
  11. 請求項1乃至10記載の圧電アクチュエータを用いたことを特徴とするポンプ。
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