JP2006293976A - 自律移動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】自律移動装置において、特定領域を自律的に走行してその全域を余すことなく効率的に塗りつぶすことを可能とする。
【解決手段】目的地Tの情報を及び走行領域2の地図を記憶する記憶手段と、周囲の物体との距離を検出する距離センサと、地図上の自己位置を取得する自己位置取得手段と、自己位置及び目的地Tをもとに走行経路を生成する経路生成手段と、生成した経路に基づいて目的地Tまで走行する走行制御手段とを備え、経路生成手段は、走行領域2の境界21に沿って進んだ方向に第1仮目的地P1を設定し、第1仮目的地P1の位置する境界に対し走行領域を挟んで略対向する他の境界近傍に第2仮目的地P2を設定し、この設定を交互に行うとともに各仮目的地を順次接続して走行経路14aを生成し、各第1仮目的地P1の設定に際して、距離センサにより検出して取得できる走行領域の境界形状に基づいて各第1仮目的地P1を設定する。
【選択図】図2

Description

本発明は、特定の領域の全域を走行する自律移動装置に関する。
従来から、放射線計測や光量計測などの環境計測作業、清掃、ワックス塗布、芝刈りなどの環境整備作業などを行うため、特定領域の全域を塗りつぶすように自律的に走行する自律移動装置が知られている。例えば、図13(a)に示すように、任意に設定した略矩形状の清掃領域90の3隅にそれぞれ壁面91,92,93を配設し、残りの1隅から走行開始して対角にない1つの壁面91に向けてその壁面91を検知するまで走行し、その走行距離Wを記憶し、以下、平行移動のための90°旋回と所定距離移動及び90°旋回と走行距離Wの走行を繰り返して清掃を行い、他の2つの壁面92,93を検知して走行を停止する清掃用のロボットが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、図13(b)に示すように、壁96に囲まれた特定領域(一部のみ図示)について、走行方向前方の壁96の存在を装置本体の前面に設けた2つの距離センサ97,98により検知するとともに壁96の傾きを検知し、その壁面に対して直角又は記憶した所定の角度になるように壁面近傍で折り返すこととし、壁に柱などによる凹凸がある場合には、過去の複数回の壁面の向きの検知結果を用いることにより壁96を基準とした折り返しを可能とする自走式掃除機が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開平5−158536号公報 特許第3446286号公報
しかしながら、上述した特許文献1に示されるような清掃用のロボットにおいては、走行経路の修正が行われていないので、走行経路の変動が積算される結果、図13(a)に示すように、目標とする経路94通りの動作ができずに歪んだ経路95を走行して未清掃領域が発生する場合がある。また、特許文献2に示されるような自走式掃除機においては、図13(b)に示すように、壁面における凹凸が過去の複数回の壁面の向きの検知結果を参照できないほど頻繁に発生する場合には、予定の経路94から外れた経路95を走行することになり、壁を基準とした適切な折り返しができなくなる。
本発明は、上記課題を解消するものであって、特定領域を走行し、その全域を余すことなく効率的に塗りつぶすことができる自律移動装置を提供することを目的とする。
上記課題を達成するために、請求項1の発明は、目的地の情報を含む走行のための各種パラメータ及び走行領域の地図を記憶する記憶手段と、周囲の物体との距離を検出する距離センサと、地図上における自己位置を取得する自己位置取得手段と、前記地図上における自己位置及び記憶手段に記憶された目的地をもとに走行するための経路を生成する経路生成手段と、走行を行う走行手段と、前記自己位置取得手段により自己位置を認識するとともに前記周囲の物体に接近したときに当該周囲の物体を回避しつつ前記経路生成手段の生成した経路に基づいて前記走行手段を制御して前記目的地まで走行する走行制御手段と、を備えた自律移動装置において、前記経路生成手段は、前記走行領域の境界形状に沿って所定距離だけ進んだ方向に第1仮目的地を設定し、前記第1仮目的地の位置する境界に対し走行領域を挟んで略対向する他の境界近傍に第2仮目的地を設定し、このような第1仮目的地及び第2仮目的地の設定を交互に行うとともにこれらの仮目的地を順次接続して走行用の経路を生成するものであり、前記各第1仮目的地設定に際して、前記距離センサにより検出された周囲の物体との距離をもとに取得できる走行領域の境界形状に基づいて当該各第1仮目的地を設定するものである。
請求項2の発明は、請求項1記載の自律移動装置において、前記経路生成手段は、第1仮目的地設定時に前記距離センサによる物体との距離検出に基づく走行領域の境界形状の取得ができない場合、前記記憶手段に記憶された地図に基づいて当該境界形状を取得するものである。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2記載の自律移動装置において、前記経路生成手段は、第1仮目的地設定時に前記距離センサによる物体との距離検出に基づく走行領域の境界形状の取得ができない場合、予め設定した角度の方向に第1仮目的地を設定するものである。
請求項4の発明は、請求項1記載の自律移動装置において、前記記憶手段に記憶された地図には、走行領域の境界形状の情報と、その境界形状に沿って第1仮目的地を設定するか否かの判断条件の情報とが含まれており、前記経路生成手段は、前記地図上の判断条件を参照する判断部を有し、前記判断部は、前記経路生成手段が第1仮目的地を設定する際に、前記距離センサにより取得した境界形状に対応する地図上の判断条件を参照して、当該境界形状に沿って第1仮目的地を設定するか否かを決定するものである。
請求項5の発明は、請求項1記載の自律移動装置において、前記経路生成手段は、現在位置である第2仮目的地から前回の第1仮目的地と境界形状に沿って設定される次の第1仮目的地とを見込む角が鈍角であるときには、前回の第2仮目的地から前回の第1仮目的地に向かった方向と平行な方向に次の第1仮目的地を設定するものである。
請求項1の発明によれば、走行領域の境界形状に基づいて各第1仮目的地を設定して走行用の経路を生成するので、走行領域が矩形の場合は勿論、矩形から変形したいびつな形状の走行領域の場合についても、その全域を余すことなく効率的に塗りつぶすことができる。
請求項2の発明によれば、走行領域の境界が壁などの構造物のない、例えばT字分岐路の交差部等を含む場合であっても、記憶手段に記憶された地図に基づいて境界形状を認識して、走行用の経路を生成するので、走行領域の全域を余すことなく効率的に塗りつぶすことができる。
請求項3の発明によれば、例えば、過去のいずれかの回転角度と同じ角度の回転により方向をきめたり、直角に方向を変えたりして、短時間に第1仮目的地を設定して走行領域の全域を効率的に塗りつぶすことができる。
請求項4の発明によれば、境界形状に沿って第1仮目的地を設定するか否かを地図上の判断条件を参照して決定するので、走行領域の塗りつぶしに不適切な走行経路の生成を排除することができ、走行領域をより効率的に塗りつぶすことができる。例えば、走行領域が通路であり、第1仮目的地を設定しようとする通路の境界形状が通路に沿った方向に一致していない場合に、そこに不適切な第1仮目的地が設定されるのを回避できる。
請求項5の発明によれば、例えば、屈曲した境界を有する走行領域に対して、境界の屈曲の影響を受けることのないように走行経路を生成できるので、走行領域の塗りつぶし残しの領域を少なくできる。
以下、本発明の一実施形態に係る自律移動装置について、図面を参照して説明する。図1は、本自律移動装置1のブロック構成を示す。自律移動装置1は、目的地の情報を含む走行のための各種パラメータ及び走行領域の地図を記憶する記憶手段11と、障害物の位置や自己位置を認識するための環境情報を取得する環境情報取得手段12と、地図上における自己位置を取得する自己位置取得手段13と、地図上における自己位置及び記憶手段11に記憶された目的地をもとに走行するための経路を生成する経路生成手段14と、走行を行う走行手段15と、自己位置取得手段13により自己位置を認識するとともに周囲の物体に接近したときに周囲の物体を回避しつつ経路生成手段14の生成した経路に基づいて走行手段15を制御して目的地まで走行する走行制御手段16と、目的地や走行のためのパラメータなどを入力するための操作インターフェース17と、を備えている。
環境情報取得手段12は、自己位置から周囲の物体までの距離を検出する距離センサと、距離センサによって取得した物体表面位置の座標を処理して、例えば壁面を認識するための演算部を備えている。距離センサは、例えば、走行方向前方の水平面内を所定一定角度でスキャンするレーザレーダや、超音波受波素子をアレイ状に複数配列して3次元距離画像を得る超音波アレイセンサなどが好適に用いられる。
また、自己位置取得手段13は、環境情報取得手段12が取得した壁などの環境情報と、記憶手段11に記憶された地図上の環境認識用のデータとを照合することにより、地図上における自己の位置を取得する。
走行手段15は、電池15aで駆動されるモータを備えている。このモータには、その回転数や回転速度を計測するエンコーダが設けられている。自律移動装置1の走行制御手段16は、このエンコーダの出力によって移動距離や移動方向を大略知ることができ、これをもとに、デッドレコニング(dead reckoning推定航法)を行う。また、操作インターフェース17は、人が直接操作できるタッチパネルやキーボード、又は、人が遠隔操作できる無線通信手段などにより構成される。
また、記憶手段11、環境情報取得手段12の演算部、自己位置取得手段13、経路生成手段14、及び走行制御手段16等を構成するため、CPUやメモリや外部記憶装置や表示装置や入力装置などを備えた一般的な構成を備えた電子計算機、及びその上のプロセス又は機能の集合を用いることができる。
上述の構成を備えた自律移動装置1は、特定の走行領域を走行し、その全域を余すことなく効率的に塗りつぶす。ここで、「塗りつぶす」とは、自律移動装置1が行う所定の作業、例えば、環境計測作業、清掃、ワックス塗布、芝刈りなどの環境整備作業などを走行領域の全域にわたって行うという意味である。このような作業のために、自律移動装置1が、出発地から目的地に至る間に行う一連の処理の概要を述べると、次のようである。すなわち、自律移動装置1は、走行領域の端部に達すると環境情報取得手段12を用いて領域の境界形状を取得し、又は、記憶手段11に記憶しているしている地図情報から領域の境界形状を取得し、取得した境界形状に沿って予め設定した距離進んだ方向に仮の目的地を設定し移動を行い、その仮の目的に到達すると走行領域を横断して反対側の領域端部に新たに仮の目的地を設定して移動を行う。これらの移動を繰り返し行い、与えられた目的地から予め定められた距離に接近するとその動作を終了する。
次に、図2を参照して走行領域2と走行経路14aを説明する。走行領域2は、例えば、図2に示すように、壁面などの略対向する2つの物理的な境界21と、開放空間に設定された略対向する2つの概念的な境界22とに囲まれて設定されている。ここで、物理的な境界21とは、壁や塀、フェンスなどのようにセンサで検出できる境界であり、概念的な境界22とは、何らかの物体で形成されることなく地図上でのみ設定された境界である。なお、走行領域2の境界は、このような2対の境界による構成に限るものではなく、一般には、各境界がそれぞれ部分的に物理的な境界と概念的な境界を含む構成となる。
走行経路14aは、出発位置Sから始まり、複数の第1仮目的地P1、第2仮目的地P2を経由して目的地Tに終端している。自律移動装置1の走行は、通常、図2に示すように、略対向する境界に対して、境界に沿った走行と、境界間の走行の2種類の走行を連続して行う。そこで、経路生成手段14は、走行領域2の境界形状に沿って所定距離だけ進んだ方向に第1仮目的地P1を設定し、第1仮目的地P1の位置する境界に対し走行領域を挟んで略対向する他の境界近傍に第2仮目的地P2を設定し、このような第1仮目的地P1及び第2仮目的地P2の設定を交互に行うとともにこれらの仮目的地P1,P2を順次接続して走行用の経路を生成する。自律移動装置1は、各第1、第2仮目的地に到達する毎に、次の仮目的地を設定する。
自律移動装置1は、上述のように自己位置を確認しつつ生成した経路に沿って、走行領域2を走行する。従って、エンコーダの出力に基づくデッドレコニングを行う際に走行中のタイヤの滑りなどに起因して、実際の自己位置と地図上の位置との齟齬が発生する場合などにおいても、所定の走行領域を、余すことなく効率良く塗つぶす走行が可能となる。また、境界形状、すなわち、その位置と方向とを認識して各第1、第2仮目的地を設定するので、矩形から変形したいびつな形状の走行領域であってもその領域の全面を塗りつぶすように走行経路を生成して、走行することができる。
自律移動装置1の経路生成手段14は、各第1仮目的地P1設定に際して、環境情報取得手段12の距離センサにより検出された周囲の壁などの物体までの距離をもとに取得できる走行領域2の境界形状(つまり、物理的な境界の形状)に基づいて各第1仮目的地P1の設定、つまり、その方向と距離の設定を行う。また、経路生成手段14は、第1仮目的地P1設定時に、距離センサによる距離検出に基づく走行領域2の境界形状の取得ができない場合、記憶手段11に記憶された地図の情報に基づいて境界形状を取得することもできる。
次に、上述の図2とともに図3を参照して、自律移動装置1が出発地から走行を開始して目的地に至るまでに行う走行のための手順の詳細を説明する。自律移動装置1は、ユーザの指令又は処置によって、出発位置Sにおいて始動されると、まず、目的地Tの方向確認を行う(#1)。自律移動装置1は、自己位置取得手段13によって自己位置及び自己の姿勢(自己の例えば正面方向の向き)を認識でき、記憶手段11に記憶した地図上における自己位置を把握している。目的地Tの方向は、自律移動装置1が、右回りするか左回りするかを判断して、効率的に、また、正しい方向に方向転換するのに必要である。
経路生成手段14は、目的地Tの方向を確認した後、第1仮目的地P1を設定するための角度設定を行い(#2)、その角度方向に所定距離進んだ位置に第1仮目的地P1を設定する(#3)。その後、自律移動装置1は、走行制御手段16により制御される走行手段15によって移動を行い(#4)、第1仮目的地P1に到着する(#5でYES)。ここで、目的地T、又は目的地Tの所定距離範囲内に到着していれば走行は終了し(#6でYES)、そうでなければ(#6でNO)、次のステップに進む。
次にステップでは、第1仮目的地P1の設定とどうように、第2仮目的地P2に向かう角度の設定(#7)、その角度方向に所定距離進んだ位置に第2仮目的地の設定(#8)が行われる。その後、第2仮目的地P2まで移動が行われ(#9)、第2仮目的地P2に到着する(#10でYES)。ここで、目的地T、又は目的地Tの所定距離範囲内に到着していれば走行は終了し(#11でYES)、そうでなければ(#11でNO)、最初のステップ#1から、上述のステップを繰り返す。以下において、境界形状の取得とその境界形状に基づく第1仮目的地P1,第2仮目的地P2の設定の詳細を説明する。
(目的地Tの方向確認)
図4は、目的地Tを含む走行領域、及び略対向する境界21の一部を示している。図中に示す自律移動装置1は、矢印が添えられており、矢印の向きは自律移動装置1の向きを示す(矢印の向きに走行する)。自律移動装置1は、各境界21に沿って移動するとともに、一方の境界21から他方の境界21まで移動する。図中の点Aには第2仮目的地P2が設定され、点Bには第1仮目的地P1が設定され、点Cには第2仮目的地P2が設定される。
なお、以下の説明において、走行領域における位置を表すグローバル座標系G(X,Y)と、自律移動装置1を原点として自律移動装置1とともに移動及び回転する自律移動装置座標系R(U,V)と、を用いる。また、各方向を示す角度をラジアン単位で表記する。グローバル座標系Gにおける角度をθ,φ等で表し、X軸をY軸方向に回転する方向を正の角度方向とする。同様に、装置座標系Rにおける角度をα,β等で表し、U軸からV軸に回転する方向を正の角度方向とする。
ここで、座標系Gにおける各注目点の座標、及び各点において定義される角度を、点A(X2,Y2,θ2)、点B(X1,Y1,θ1)、目的地T(Xt,Yt,θt)とする。角度θ2,θ1は、それぞれ点A,Bにおける座標系RのU軸の方向を示す角度であり、角度θtは、点Aから目的地Tに向かう方向を示す角度である。従って、点Aにおける座標系Rによって目的地Tの方向を示す角度α2tは、α2t=θt−θ2、となる。なお、図中において、各点A,Bにおける座標系RのU軸方向を、それぞれ単位ベクトルa,bで表し、点Aから目的地Tに向かう方向を単位ベクトルtで表している。なお、以下において特に断ることなく同様の単位ベクトルの表記が用いられる。
以下においては、点A(X2,Y2,θ2)、目的地T(Xt,Yt,θt)が定まった状態において、第1仮目的地P1となる点B(X1,Y1,θ1)を定め、さらに次の第2仮目的地P2となる点C(X2,Y2,θ2)を定める、という手順を説明する。各仮目的地、及びその場所における自律移動装置1の姿勢に応じて、これらの座標と角度が変化する。
上述の角度θt、すなわち目的地Tの方向は、点A、目的地Tの座標値を用いて、次式で求められる:θt=atan2(Xt−X2,Yt−Y2)。ここで、関数atan2(x,y)は、(x,y)座標のアークタンジェントを与える関数であり、その値域は、−π<atan2(x、y)≦π、である。なお、以下において、角度の正負を問題としない各角度の値域は、特に断らない限り−πより大きくπ以下、すなわち、例えば、θ1,θ2について、−π<θ1,θ2≦π、となるように2πを足すか引くかして、適宜換算するものとする。
(スキャンセグメントに基づく境界形状の取得)
次に、図5、図6を参照して、経路生成手段14による境界形状の取得と、第1仮目的地P1の方向を決める角度(境界の方位角)の決定について説明する。図5は点Aにおいて自律移動装置1が、その前方の物理的な境界を検出している様子を示し、図6は境界の方位角(すなわち境界形状)を求める手順を示す。ここでは、走行領域の境界が、上述した物理的な境界であって、レーザレーダなどによって、その位置と距離を測定可能なものとする。
ところで、壁やフェンスなどのように、前方に直立した平面からなる物体の表面位置(今の場合、これが領域境界位置となる)を検出する方法が知られている。例えば、文献(Li Zhang & Bijoy K.Ghosh: Line Segment Based Map Building and Localization Using
2D Laser Rangefinder、 IEEE Int. Conf. on Robotics and Automation、 P.2538−2543(2000))に示された方法がある。この方法によると、例えば、環境情報取得手段12の距離センサとして、レーザレンジファインダ(LRF)を用いて、自律移動装置1の進行方向水平面を一定角度毎にスキャンして距離を測定し、前方に存在する物体までの距離測定点の集合(スキャンデータ)から壁を抽出することができる。すなわち、ある線分上に測定点が分布するとき、その線分を壁と見做すものであり、以下、その線分をスキャンセグメントと呼ぶ。
上述の方法により、複数の、例えばm個のスキャンセグメントsseg(k),k=1,2,・・m、が、始点(Uss(k),Vss(k))、終点(Use(k),Vse(k)),k=1,2,・・m、の座標の集合として得られる。なお、図5には、自律移動装置1の正面方向に検出された、始点Ps(Uss,Vss)、終点Pe(Use,Vse)を有する特定のスキャンセグメントssegのみが示されている。m個の各スキャンセグメントの始点と終点は、例えば、自律移動装置1の進行方向に向いて右から左の方向、すなわち座標系RのV軸方向とする。すると、各スキャンエグメントの方位を示す方位角αss(k)は、始点、終点の座標を用いて、次式で求められる:αss(k)=atan2(Use(k)−Uss(k),Vse(k)−Vss(k))。
経路生成手段14は、上述のm個のスキャンセグメントsseg(k),k=1,2,・・m、の中から、条件(1)「方位角αss(k)が予め設定した角度αmin,αmaxの間に入る」、条件(2)「スキャンセグメントが座標系RのU軸と交わる」、を満足するものを抽出する。このようにして抽出されたスキャンセグメントが、図5に示されるスキャンセグメントssegであり、条件(1)αmin≦αss≦αmax、かつ、条件(2)Vse×Vss<0、を満たしている。条件(1)としては、例えば、スキャンセグメント、すなわち領域の境界が、U軸に略直交するという条件を設定する。条件(1)(2)を満足するスキャンセグメントの個数は、1又は0である。
上述のスキャンセグメントの方位角αssは、座標系Rにおける角度である。座標系に注目して、図6により、上述のスキャンデータ取得から座標系Gにおけるスキャンセグメントの方位角θssを求める手順を説明する。自律移動装置1を原点とする座標系Rのもとで、スキャンデータが取得され(S11)、このスキャンデータから上述の文献の方法によりスキャンセグメントが生成され(S12)、さらに、点Aにおけるスキャンセグメントとして適合するスキャンセグメントが抽出される(S13)。
上述の座標系Rにおけるスキャンセグメントssegの、始点Ps(Uss,Vss)、終点Pe(Use,Vse)の座標が、座標系Gにおける始点Ps(Xss,Yss)、終点Pe(Xse,Yse)の座標に変換され(S14)、次に、座標系Gにおけるスキャンセグメントの方位角θssが求められる(S15)。すなわち、これにより、走行領域の境界形状を表す、境界の方位角が取得されたことになる。
上述のステップS13において、適合するスキャンセグメントが得られなかった場合は、方位角θssとして、例えば、θss=θ2+π/2、すなわち座標系RにおけるV軸方向とする。
(マップセグメントに基づく境界形状の取得)
次に、図7、図8を参照して、経路生成手段14による地図の情報に基づいた境界形状の取得と、第1仮目的地P1の方向を決める角度(境界の方位角)の決定について説明する。図7は点Aにおいて自律移動装置1が、その前方の概念的な境界を検出している様子を示し、図8は境界の方位角(すなわち境界形状)を求める手順を示す。ここで説明する方法は、走行領域の境界が、概念的な境界であって、レーザレーダなどによって検出できない境界の場合、又は、距離センサなどを用いない場合に、走行領域の境界形状を決定する方法である。
この方法においては、予め地図情報として境界を示す複数の線分(本明細書ではこれを、マップセグメントと呼ぶ)を記憶しておく。このような境界を示すn個のマップセグメントの始点(Xms(i),Yms(i))と終点(Xme(i),Yme(i)),i=1,2,・・,n、の座標からなる情報を、記憶手段11に記憶させておく。この座標の情報は、座標系Gにおける情報である。図7には、自律移動装置1の正面方向に位置する、始点Ps(Uss,Vss)又は(Xss,Yss)、終点Pe(Use,Vse)又は(Xse,Yse)を有する特定のマップセグメントmsegが示されている。マップセグメントmsegの始点と終点は、座標系Rにおいては、例えば、自律移動装置1の進行方向に向いて右から左の方向、すなわち座標系RのV軸方向とする。
自律移動装置1の経路生成手段14は、自律移動装置1が第2仮目的地P2となる点Aに到達したときに、このようなn個の各マップセグメントの中から、走行領域の境界形状として適合するマップセグメントを抽出する。これは、図8に示すように、マップセグメントのデータを記憶手段11から読み出し(S21)、現在の座標系R、すなわち点Aに到達した時点での座標系の値に変換し(S22)、その後、座標系Rにおいて、適合するマップセグメントを抽出する(S23)、という手順で行われる。
上述の抽出は、n個のマップセグメントmseg(i),i=1,2,・・n、の中から、条件(1)「方位角αms(i)が予め設定した角度αmin,αmaxの間に入る」、条件(2)「マップセグメントが座標系RのU軸と交わる」、さらに条件(3)「マップセグメントのU軸切片座標値dが正であって所定値Dmax以内にある」、という条件を満足するものを抽出して行われる。このようにして抽出されたマップセグメントが、図7に示されるマップセグメントmsegであり、条件(1)αmin≦αms≦αmax、かつ、条件(2)Vme×Vms<0、かつ条件(3)0<d≦Dmax、を満たしている。
条件(1)としては、例えば、マップセグメント、すなわち領域の境界が、U軸に略直交するという条件を設定する。条件(3)は、マップセグメントが、上述のスキャンセグメントのように実際に正面前方で測定されたものとは異なり、前後に重なって定義されて地図情報として記憶手段11に記憶されている可能性があるので、自律移動装置1の直前にあるマップセグメントを抽出するための条件である。条件(1)(2)(3)を満足するスキャンセグメントの個数は、1又は0である。
各マップセグメントの方位角(座標軸U軸からの回転角)は、各始点終点の座標を用いて、上述同様に、次式によって求められる:αms(i)=atan2(Ume(i)−Ums(i),Vme(i)−Vms(i))。また、上述のマップセグメントのU軸切片座標値dは、
d=(Vme×Ums−Vms×Ume)/(Vme−Vms)、によって求められる。
上述の座標系Rにおけるマップセグメントmsegの、始点Ps(Ums,Vms)、終点Pe(Ume,Vme)の座標が、座標系Gにおける始点Ps(Xms,Yms)、終点Pe(Xme,Yme)の座標に変換され(S24)、次に、座標系Gにおけるマップセグメントの方位角θmsが求められる(S25)。すなわち、これにより、走行領域の境界形状を表す、境界の方位角が取得されたことになる。
上述のステップS23において、適合するマップセグメントが得られなかった場合は、方位角θmsとして、例えば、θms=θ2+π/2、すなわち座標系RにおけるV軸方向とする。
(第1仮目的地P1の設定)
図9(a)(b)を参照して、第1仮目的地P1の設定を説明する。上述したように、スキャンセグメントsseg、又は、マップセグメントmseg(これらを総称して、境界セグメントsegと呼ぶことにする)を用いて、その方位角θss、又はθms(総称して、θs)で表現された、走行領域の境界形状が取得された。そこで、自律移動装置1から臨む最終の目的地Tの方向を考慮して、現在の第2仮目的地P2の位置から方位角θsの(正又は負の)方向に所定距離L進んだ位置に、第1仮目的地P1を設定することができる。
ここで、目的地Tの方向を考慮するのは、現在の第2仮目的地の位置によって、右回りか左回りかが異なってくるからである。例えば、図9(a)に示すように、自律移動装置1が点Aにおける第2仮目的地P2到達した場合、その場所における座標系Rでは、目的地Tの方向を示す角度α2tは正(α2t>0)である。この場合、自律移動装置1は、第1仮目的地P1を左回りの方向に設定する必要がある。また、図9(b)に示すように、自律移動装置1が点Cにおける第2仮目的地P2到達たし場合、その場所における座標系Rでは、目的地Tの方向を示す角度α2tは負(α2t<0)である。この場合、自律移動装置1は、第1仮目的地P1を右回りの方向に設定する必要がある。
そこで、第1仮目的地P1の方向を示す方位角θ1は、α2tの正負によって場合分けを行い、
α2t>0のとき、θ1=θs、とし、
α2t≦0のとき、θ1=θs−π、とすればよい。ここで、θ1は、上述したように、2πを足すか引くかして、−π<θ1≦π、とする。
また、第1仮目的地P1の位置座標(X1,Y1)は、上述の方位角θ1を用いて、
X1=cos(θ1)×L1+X2、
Y1=sin(θ1)×L1+X2、によって求められる。
(第2仮目的地P2の設定)
次に、図10を参照して、第2仮目的地P2の設定を説明する。点Aの第2仮目的地P2から、点Bの第1仮目的地P1に到達し、その第1仮目的地P1の位置する境界21に対し走行領域を挟んで略対向する他の境界21近傍の点Cにおける次の第2仮目的地P2を設定する際に、今いる第1仮目的地P1に向かうため前の点Aにおける第2仮目的地P2において回転した回転方向(図の場合左回り)と同じ回転方向に点Bにおける第1仮目的地P1を中心として所定の角度β、例えば、β=90度、回転した方向の方位角φであって、第1仮目的地P1から所定の距離L2だけ進んだ点Cの位置に、次の第2仮目的地P2を設定する。
上述の方位角φは、α2tの正負によって場合分けを行い、点Bにおける方位角θ1を用いて、
α2t≧0のとき、φ=θ1+β、とし、
α2t<0のとき、φ=θ1−β、とすればよい。ここで、β=π/2ラジアン(90度)である。そして、第2仮目的地P2の位置座標(X2,Y2)は、第1仮目的地P1の位置座標(X1,Y1)、方位角φ、及び、所定の距離L2を用いて、
X2=cos(φ)×L2+X1、
Y2=sin(φ)×L2+Y1、によって求められる。そして、点Aにおける方位角θ2に対応して定義される点Cにおける方位角φ2は、上述の方位角φの値域を±πの範囲(−π<φ2≦π)に換算して得られる。
このような、第1仮目的地P1における所定の回転角βと、第1仮目的地P1と第2仮目的地P2間の所定距離L2と、を用いて第2仮目的地P2の設定を行って走行経路の設定を行う方法によると、走行領域の境界などのデータ作成手順を減らすことができる。
(第2仮目的地P2の設定の他の方法)
次に、図11、図12を参照して、第2仮目的地P2を設定する他の例を説明する。点Aの第2仮目的地P2から点Bの第1仮目的地P1に到達し、その第1仮目的地P1の位置する境界21に対し走行領域を挟んで略対向する他の境界21近傍の点Cにおける次の第2仮目的地P2を設定する際に、今いる第1仮目的地P1に向かうため前の点Aにおける第2仮目的地P2において回転した回転方向(図の場合左回り)と同じ回転方向に点Bにおける第1仮目的地P1を中心として所定の角度β、例えば、β=90度だけ回転した方向の方位角φであって、第1仮目的地P1から次に向かう第2仮目的地P2までの距離L2を記憶手段11に記憶した地図の情報に基づいて決定した距離とした位置、すなわち図の点Cにおける位置に、次の第2仮目的地P2を設定する。なお、距離L2の値は、略対向する2つの境界21の間隔がほぼ一定の場合などには、地図の情報に基づいて決定するのではなく、予め設定した所定の距離を用いるようにしてもよい。この場合には、後述の地図情報に基づく距離L2決定の手順は、省略される。
上述の方位角φは、α2tの正負によって場合分けを行い、点Bにおける方位角θ1を用いて、
α2t≧0のとき、φ=θ1+β、とし、
α2t<0のとき、φ=θ1−β、とすればよい。ここで、β=π/2ラジアン(90度)である。そして、上述同様に方位角φに対して値域の換算を行って、点Cにおける方位角φ2(−π<φ2≦π)が得られる。
また、上述の距離L2は、予め地図の情報として記憶している境界を示す線分、すなわち、上述したように、h個のマップセグメントの始点(Xms(i),Yms(i))と終点(Xme(i),Yme(i)),i=1,2,・・,h、の座標からなる情報を用いて決定される。その方法を、図12を参照して説明する。このマップセグメントの情報は、座標系Gで表現されているので、点Bにおいて、上述の回転角β回転した方向(方位角φ2の方向)を向いた座標系Rにおける表現に変換する。自律移動装置1が次の第2仮目的地P2の方向(方位角φ2の方向)に向けて角度β回転すると(S31)、経路生成手段14は、この状態で記憶手段11からマップセグメントのデータを読み出す(S32)。
次に、経路生成手段14は、マップセグメントの各データを、方位角φ2を向いた座標系Rの値に変換する(S33)。さらに、上述同様に、h個のマップセグメントmseg(i),i=1,2,・・h、の中から、条件(1)「方位角αms(i)が予め設定した角度αmin,αmaxの間に入る」、条件(2)「マップセグメントが座標系RのU軸と交わる」、さらに条件(3)「マップセグメントのU軸切片座標値dが正であって最小である」、という条件を満足するものを抽出する(S34)。
このようにして抽出されたマップセグメントが、図11に示されるマップセグメントmsegであり、条件(1)αmin≦αms≦αmax、かつ、条件(2)Vme×Vms<0、かつ条件(3)最近接である、を満たしている。点Bからマップセグメントmsegまでの距離をLminとする。
上述の距離Lminから所定距離ds(自律移動装置1が境界と干渉しないように)を差し引いた距離L2を、点Bから点Cまでの距離とする(S35)。このようにして、方位角φ2と距離L2が決定され、点Cの座標(U2,V2)、及び(X2,Y2)が決定される。上述のマップセグメントmsegのU軸切片座標値のLminは、Lmin=(Vme×Ums−Vms×Ume)/(Vme−Vms)、である。また、L2=Lmin−ds、である。また、マップセグメントを検出できなかった場合、距離L2として予め設定した値を用いる。
このような第2仮目的地P2の設定に基づく走行経路の設定の方法によると、第1仮目的地P1から第2仮目的地P2までの距離を適切に設定することができ、自律移動装置1は、塗りつぶし予定領域における塗つぶし残しを生じさせることなく自律走行できる。
(障害物対応)
次に、移動中に障害物に遭遇したときの処置の例を説明する。自律移動装置1が、障害物を回避しつつ移動中に第2仮目的地P2に対し予め定めた距離に接近した場合、障害物回避を停止するとともに次の第1仮目的地P1を設定する。このような第1仮目的地P1の設定を行うことにより、地図の情報を記憶手段11に記憶した後に走行領域内に配置された物体、つまり障害物が存在した場合においても、当初予定の塗りつぶし作業のための走行が可能となる。障害物が走行路上にある場合はこれを回避し、境界付近にあって回避不能の場合は次の仮目的地に向かうことにするので、障害物に対して動的に対応して効率良く塗りつぶし作業ができる。
(判断条件を参照して塗りつぶし残しを減らす)
次に、第1仮目的地の設定に際して事前に準備した判断条件を参照する例を説明する。図14は、上述した自律移動装置1とは別の実施形態に係る自律移動装置1についてのブロック構成を示し、図15は自律移動装置1が不適切な走行を行う例を示し、図16は、本実施形態の自律移動装置1による適切な走行の例を示す。本実施形態の自律移動装置1では、走行領域の境界形状の情報と、その境界形状に沿って第1仮目的地を設定するか否かの判断条件の情報が、記憶手段11に記憶された地図の情報に含まれている。
また、自律移動装置1は、図14に示すように、前述の図1に示した各手段に加え、その経路生成手段14が、地図上の判断条件を参照する判断部18を有している。そして、判断部18は、経路生成手段14が第1仮目的地を設定する際に、環境情報取得手段12の距離センサにより取得した境界形状に対応する地図上の判断条件を参照して、その境界形状に沿って第1仮目的地を設定するか否かを決定する。
ここで、走行領域の境界形状に沿って所定距離だけ進んだ方向に第1仮目的地を設定することにより、塗りつぶし残しの発生する例を説明する。例えば、図15に示すように、走行領域2を挟んで略平行な境界21があり、その一方の境界の一部が屈曲しているとする。このとき、出発位置Sから目的地Tに向かう走行経路14aが、複数の第1仮目的地P1、第2仮目的地P2を経由して目的地Tに向かう場合、境界21が互いに平行な領域では、走行領域2を横断する走行経路14aが平行であり、塗りつぶし残しの発生はない。しかしながら、境界21の屈曲部に沿って走行した後に走行領域2を横断する走行経路14aが、それまでの走行領域2を横断する走行経路14aから離れてしまい、塗りつぶし残しの領域4が発生する。
上述の図15に示したような状況を回避するために、必ずしも境界形状に沿った方向に第1仮目的地P1を形成しないように、以下に示す対策を行う。記憶手段11には、目的地の情報を含む走行のための各種パラメータ及び走行領域の地図が記憶されている。その地図には、壁やフェンスから成る走行領域の境界を表す線分(マップセグメント)が、始点と終点のxy座標によって記憶されている。そこで、マップセグメントに、そのマップセグメントに沿って移動するかどうかの情報を保有させ、上述のような塗りつぶし残しの領域の発生する走行経路を生成しないようにする。
そもそも、地図情報のマップセグメントは、(1)マップセグメントとスキャンセグメントとにより自己位置を補正する、(2)マップセグメントに沿って第1仮目的地を設定する、という2つの役割を果たしている。前者の自己位置補正は、条件を満たす全てのマップセグメントに対して実施する動作であるが、後者の第1仮目的地の設定を全てのマップセグメントに対して実施するのは、上述のように必ずしも適当でない。例えば、図16に示すmseg0,mseg1,mseg4に対しては、第1仮目的地の設定を実施したいが、mseg2,mseg3に対しては実施したくない。
そこで、表1に示すように、各マップセグメント毎に、第1仮目的地の設定をするか、しないかを予め設定するためのflagを設けて、走行領域の境界形状(始点終点の座標)の情報と共に、地図情報に含めて記憶手段11に記憶しておく。
Figure 2006293976
上述のflagなる変数は、例えば、flag=0であれば、そのマップセグメントを用いて自己位置補正を行うと共に、マップセグメントで表される境界に沿って第1仮目的地を設定する。また、flag=1であれば、このマップセグメントを自己位置補正には用いるが、第1仮目的地の設定には用いないものとする。このようなflag、すなわち、その境界形状に沿って第1仮目的地を設定するか否かの判断条件の情報は、経路生成手段14が第1仮目的地を設定する際に、判断部18によって参照され、境界形状に沿って第1仮目的地を設定するか否かが決定される。表1において、マップセグメントmseg2,mseg3は、flag=1であり、これに対応して、図16では、第1仮目的地が、境界形状に沿っては設定されずに、第2仮目的地から所定の距離と予め設定した角度の方向に設定されている。これにより、図15に示した場合のような塗りつぶし残しの領域4の発生を回避できる。
(塗りつぶし残しを減らす方法)
次に、矩形でない領域を塗りつぶし移動する際の、塗りつぶし残しをより少なくする方法を説明する。図17(a)は矩形でない走行領域を示し、図17(b)は前記走行領域の曲がった境界領域部分を自律移動装置が不適切に走行する様子を示し、図18は、前記曲がった境界領域部分をより適切に走行する様子を示す。図18(b)において、曲がった境界21に沿って移動して、第1仮目的地P1を設定しているので、塗りつぶし残しの領域4が発生している。
上述の塗りつぶし残しの領域4を減少させるために、経路生成手段14は、現在位置である第2仮目的地P2から前回の第1仮目的地P1と境界形状に沿って設定される次の第1仮目的地とを見込む角が鈍角であるときには、前回の第2仮目的地P2から前回の第1仮目的地P1に向かった方向と平行な方向に次の第1仮目的地P1を設定する。例えば、図18に示すように、第2仮目的地P2となる点Aから、点B、点Cと仮目的地を設定しつつ移動し、第2仮目的地P2となる点Cに到達してから、第1仮目的地P1を、屈曲後の境界21の近傍に点Dに設定する。
このとき、境界21に沿った方向(矢印fの方向)と、点Bと点Cを通る直線の方向とは、鈍角となる角度ψを形成する。このように、角度ψが鈍角となる場合には、第1仮目的地P1となる点Dを、前回の壁沿いの移動方向、すなわち点Aから点Bに向かう方向(矢印eの方向)に設定する。このように第1仮目的地P1を設定することにより、以後、点E、点Fと移動して、塗りつぶし残しを減らすことができる。
なお、本発明は、上記構成に限られることなく種々の変形が可能である。例えば、走行領域における全ての仮目的地の座標を予め決定して、記憶手段11に記憶しておき、各仮目的地に到達する度に、自己位置を確認するとともに、自己位置の修正を行って自律走行するようにしてもよい。この場合、自己位置修正は、距離センサにより検出された周囲の物体との距離をもとに取得できる走行領域の境界形状に基づいて行うことができる。
本発明の一実施形態に係る自律移動装置についてのブロック構成図。 同上装置が走行する走行領域と走行経路の例を示す平面図。 同上装置が目的地まで走行するときの手順を示すフローチャート。 同上装置の走行を説明するための座標系を説明する平面図。 同上装置が検出するスキャンセグメントを説明する平面図。 同上装置によるスキャンセグメントを用いた境界形状取得手順のフローチャート。 同上装置が用いるマップセグメントを説明する平面図。 同上装置によるマップセグメントを用いた境界形状取得手順のフローチャート。 (a)(b)は同上装置による所定距離を用いた第1仮目的地の設定を説明する平面図。 同上装置による所定距離を用いた第2仮目的地の設定を説明する平面図。 同上装置によるマップセグメントを用いた第2仮目的地の設定を説明する平面図。 同上装置によるマップセグメントを用いた第2仮目的地の距離を決定する手順を示すフローチャート。 (a)は従来の清掃ロボットの走行を説明するための平面図、(b)は従来の自走式掃除機の走行を説明する平面図。 本発明の他の実施形態に係る自律移動装置についてのブロック構成図。 自律移動装置が不適切な走行を行う例の走行領域と走行経路の平面図。 図14に示した本発明の自律移動装置による適切な走行を行う例の走行領域と走行経路の平面図。 (a)は自律移動装置が稼働する走行領域の平面図、(b)は(a)の曲がった境界を有する領域を自律移動装置が不適切な走行を行う様子を示す平面図。 本発明の自律移動装置が図17(a)に示した領域を適切に走行する例の走行領域と走行経路の平面図。
符号の説明
1 自律移動装置
2 走行領域
11 記憶手段
12 環境情報取得手段
13 自己位置取得手段
14 経路生成手段
15 走行手段
16 走行制御手段
18 判断部
21,22 境界
14a 経路
P1 第1仮目的地
P2 第2仮目的地
T 目的地

Claims (5)

  1. 目的地の情報を含む走行のための各種パラメータ及び走行領域の地図を記憶する記憶手段と、周囲の物体との距離を検出する距離センサと、地図上における自己位置を取得する自己位置取得手段と、前記地図上における自己位置及び記憶手段に記憶された目的地をもとに走行するための経路を生成する経路生成手段と、走行を行う走行手段と、前記自己位置取得手段により自己位置を認識するとともに前記周囲の物体に接近したときに当該周囲の物体を回避しつつ前記経路生成手段の生成した経路に基づいて前記走行手段を制御して前記目的地まで走行する走行制御手段と、を備えた自律移動装置において、
    前記経路生成手段は、前記走行領域の境界形状に沿って所定距離だけ進んだ方向に第1仮目的地を設定し、前記第1仮目的地の位置する境界に対し走行領域を挟んで略対向する他の境界近傍に第2仮目的地を設定し、このような第1仮目的地及び第2仮目的地の設定を交互に行うとともにこれらの仮目的地を順次接続して走行用の経路を生成するものであり、前記各第1仮目的地設定に際して、前記距離センサにより検出された周囲の物体との距離をもとに取得できる走行領域の境界形状に基づいて当該各第1仮目的地を設定することを特徴とする自律移動装置。
  2. 前記経路生成手段は、第1仮目的地設定時に前記距離センサによる物体との距離検出に基づく走行領域の境界形状の取得ができない場合、前記記憶手段に記憶された地図に基づいて当該境界形状を取得することを特徴とする請求項1記載の自律移動装置。
  3. 前記経路生成手段は、第1仮目的地設定時に前記距離センサによる物体との距離検出に基づく走行領域の境界形状の取得ができない場合、予め設定した角度の方向に第1仮目的地を設定することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の自律移動装置。
  4. 前記記憶手段に記憶された地図には、走行領域の境界形状の情報と、その境界形状に沿って第1仮目的地を設定するか否かの判断条件の情報とが含まれており、
    前記経路生成手段は、前記地図上の判断条件を参照する判断部を有し、
    前記判断部は、前記経路生成手段が第1仮目的地を設定する際に、前記距離センサにより取得した境界形状に対応する地図上の判断条件を参照して、当該境界形状に沿って第1仮目的地を設定するか否かを決定することを特徴とする請求項1記載の自律移動装置。
  5. 前記経路生成手段は、現在位置である第2仮目的地から前回の第1仮目的地と境界形状に沿って設定される次の第1仮目的地とを見込む角が鈍角であるときには、前回の第2仮目的地から前回の第1仮目的地に向かった方向と平行な方向に次の第1仮目的地を設定することを特徴とする請求項1記載の自律移動装置。
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