JP2006293156A - プラスチック光ファイバの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】
長手方向に垂直な面において、周辺部近傍よりも中心部の屈折率が高く、長手方向に平行で且つ長手方向中心線を含む平面において、長手方向中心線から該長手方向中心線と垂直方向の周辺部に向かって複屈折率が変化している光伝送領域を有する光ファイバの製造方法であって、前記光伝送領域の材料を、2層以上のダイであって、該ダイのうち、押出温度が最も高いダイと最も低いダイの温度差が20℃以上であるものを用いて押出成型する工程と、該押出成型したものを延伸した後冷却する工程を含み、さらに、前記光伝送領域の材料はいずれも同一材料を採用することを特徴とする、光ファイバの製造方法。
【選択図】なし
Description
一方、屈折率分布型POF(Graded Index POF:以下、「GI−POF」という)は、一般的には、重合体をマトリックスとする有機化合物からなる芯(以下、「コア領域」と称する)と、該コア領域と屈折率が異なる、一般的には低屈折率の有機化合物からなる外殻(以下、「クラッド部」と称する)とから構成される。そして、GI−POFは、伝送する光信号の帯域をより大きくすることが可能なため、高い伝送容量を有する光ファイバとして最近注目されている(例えば、特許文献1および2参照)。この様なGI−POFの製法として、界面ゲル重合を利用し光学部材母材(以下、「プリフォーム」と称する)を作製し、その後、前記プリフォームを延伸する方法等が提案されている。この屈折率分布型光ファイバでは、マトリックス素材の中に屈折率の高い調整剤を含有させ、その含有率を断面の半径方向において徐々に変化させることによって所望の屈折率分布を得ている。
また、GI−POFの屈折率分布は、様々な温湿度範囲で長期に崩れないことが、品質保証上求められる。しかし、本発明者が、実際に種々検討したところ、例えば、特許文献1に記載されているような屈折率の高い低分子とマトリックス素材との組み合わせの中、上記のような品質保証に耐え得るものには限りがあることが分かった。また、屈折率の異なる重合体を共重合させることにより屈折率分布を付与する場合は重合体の組合せによって界面不整合等が起きて高い損失を示す事もあり、材料の選択の幅を狭めることが分かった。
(1)長手方向に垂直な面において、周辺部近傍よりも中心部の屈折率が高く、長手方向に平行で且つ長手方向中心線を含む平面において、長手方向中心線から該長手方向中心線と垂直方向の周辺部に向かって複屈折率が変化している光伝送領域を有する光ファイバの製造方法であって、光伝送領域の材料を、2層以上のダイであって、該ダイのうち、押出温度が最も高いダイと最も低いダイの温度差が20℃以上であるものを用いて押出成型する工程と、該押出成型したものを延伸した後冷却する工程を含み、さらに、前記光伝送領域の材料はいずれも同一材料を採用することを特徴とする、光ファイバの製造方法。
(2)光伝送領域の材料を第1のダイで押出成型し冷却してロッド状になったものに、さらに、これを被覆するように、光伝送領域の材料を第2のダイにて逐次押出する工程を含み、さらに、該押出成型したものが軟化した状態で延伸することを特徴とする、(1)に記載の光ファイバの製造方法。
(2−2)光伝送領域の材料を第1のダイで押出成型してロッド状になったものに、さらに、これを被覆するように、光伝送領域の材料を第2のダイにて逐次押出する工程を含み、さらに、該押出成型したものが軟化した状態で延伸することを特徴とする、(1)に記載の光ファイバの製造方法。
(3)最外層にクラッド部を押出成型にて付与する工程を含む、(1)または(2)に記載の光ファイバの製造方法。
(4)前記光伝送領域の材料は、一様な組成からなる(1)〜(3)のいずれかに記載の光ファイバの製造方法。
(5)前記光伝送領域の材料は、一様な組成からなる共重合体である、(4)に記載の光ファイバの製造方法。
尚、本願明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
このような手段を採用することにより、コア材を、重合釜にて一気に重合でき、製造時間を短縮することができる。また、各ダイの温度差は押出機にて容易にコントロールできるので、特殊な過熱・冷却が不要となる。さらに、連続製造形態となるので、著しいコストダウンが可能となる。
まず、コア材を作製する。コア材を重層押出機に流すには、コア材を重合後、一旦ペレットにしておいてから押出機に投入する形式が製造工程管理上好ましいが、特開平合公報に記載されているような重合溶融状態から連続的に押出機に流れる形式でも構わない。
同時押出の場合、各ダイからの押出を同時に行う。このとき、ダイとしては中央に押出す1層目のダイとその外周に同心円状に2層目用の管状のダイが配置されたものを用いる。3層以上の構成では同様に同心円状に外周に層を形成するための管状のダイが配置される。これらダイより温度調整された原料ポリマーが各層ごとに共押出しされてコア部を形成する。このとき各層の温度が異なるため、張力によって形成する配向の度合いが変化し、それに応じた複屈折の分布が形成される。ダイの層数は2層以上であれば特に定めるものではないが、3〜5層が好ましい。
なお、このときの温度制御はコア材によって異なるものの、下限は押出しをするために流動する温度以上であるが、上限はコア材のポリマーが変質しない限りにおいて、前述より大きく取ることができる。例えば、PMMAの場合には、下限は200℃以上、上限は300℃以下であるように設定して製造することが好ましい。
用いるダイは芯材となる中央部について円柱状の押出しダイを用い、外層形成に用いられるダイは、外層を形成するための樹脂を導入するダイの他に、ニップル等の線条体が通過するための経路を有する部位とからなっている。
この方法は工程長が必要となったり、層間の空気巻きこみなど懸念があるが、その一方で、重合体が温度の影響を強く受け、上記の共押出しでは制御が困難である場合に有利であるほか、ダイスおよびそこに供給されるコア材の温度の制御がより容易となり、それぞれのダイスから繰り出される径が異なるため受ける張力を変化させることも可能であるなどの設計に幅を持たせることが可能となる。
この場合、押出機に流し、280〜340℃で溶融混練し、一層押出ダイより押出し冷却することが好ましい。ここで、ここで、ストランドは巻き取る形態やニップローラー等で送り出す形態などの送り出し機構を採用するとよい。この様な機構を設けることでストランドの送り出し速度をコントロールすることができ、 その後の操作(延伸)がより行ないやすくなる。
一般に、固有複屈折を有する材料は、無配向状態では3次元的屈折率成分(nx、ny、nz)で表されるいわゆる屈折率楕円体が真球状を保持している。即ち、nx=ny=nzの関係が成立する。この時の屈折率をn0とする。これがバルクとして任意の方向に配向すると3次元的屈折率成分(nx、ny、nz)が異なる状態、つまり複屈折が発現する。
本発明で用いるコア材に用いることができるポリマーを得るため、重合性モノマーとしては、光透過性が高い熱可塑性の原料を選択するのが好ましい。光透過性が高い熱可塑性の原料としては例えば、(メタ)アクリル酸エステル類(フッ素不含(メタ)アクリル酸エステル、含フッ素(メタ)アクリル酸エステル)、スチレン系化合物、ビニルエステル類、炭酸エステル類等を例示することができ、コア領域はこれらのホモポリマー、あるいはこれらモノマー2種以上または、これらモノマーと他のモノマーからなる共重合体、およびホモポリマー及び/または共重合体の混合物から形成することができる。
また、これらの重合性モノマー原料と共重合する場合の好ましいモノマーとしては、主鎖直結のベンゼン環を有するモノマー、ベンゼン環以外の芳香環を有するモノマー、ヘテロ環を有するモノマーが好ましい例として挙げられる。
主鎖直結のベンゼン環を有するモノマーとしては、スチレン類(例えば、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、ヒドロキシスチレン、メトキシスチレン、ブトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、クロロメチルスチレン、ビニル安息香酸メチル、α−メチルスチレン)などが挙げられる。
ベンゼン環以外の芳香環を有するモノマーとしては、ビニルナフタレン、ビニルアントラセンが挙げられる。
ヘテロ環を有するモノマーとしては、ビニルイミダゾール、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルカルバゾール、ビニルチオフェンが挙げられる。
さらに、上記モノマーから誘導される繰り返し単位を有し、かつ末端に重合性基を有する化合物(いわゆるマクロモノマー)も利用できる。具体的にはポリメチルメタクリレートマクロモノマー、ポリスチレンマクロモノマーなどが挙げられる。
これらの共重合体のうち好ましくは、主鎖直結のベンゼン環を有するモノマーとの組み合わせであり、メチルメタクリレートとスチレン類の共重合体がより好ましい。このような共重合体を用いることにより、負の複屈折異方性が発現しやすいという効果が得られる。
この場合、重合性モノマーと、該重合性モノマーと共重合させるモノマーの組成比は、70:30〜95:5が好ましい。
このような重合性モノマー原料と組み合わせて採用する好ましい低分子化合物としては、ジベンジルエーテル、 フェノキシトルエン、 1、1ビス−(3、4、ジメチルフェニル)エタン、ジフェニルエーテル、ビフェニル、ジフェニルスルフィド、ジフェニルメタン、フタル酸ジオクチル、フタル酸ベンジル−n−ブチル、1−メトキシフェニル−1−フェニルエタン、安息香酸ベンジル、ブロモベンゼン、o−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、1,2−ジブロモベンゼン、3−フェニル−1−プロパノールが好ましい例として挙げられる。
クラッド部は、コア領域を伝送する光がそれらの界面で全反射するために、コア領域の屈折率より低い屈折率を有し、非晶性であり、コア領域との密着性が良好な材料を用いるのが好ましい。コア領域とクラッド部の界面が不整状態となると光学性能が低下するため、前述のコア領域用素材の中で、コア領域素材よりも低い屈折率を有する素材を選ぶことが好ましい。但し、素材の選択によってコア領域とクラッド部との界面の不整が起こりやすい、または、図3や図4の様な理想的な屈折率分布からずれた場合などにおいては、コア領域とクラッド部との間にさらに1以上の層を設けてもよい。例えば、コア領域との界面(即ち、中空管の内壁面)に、コア領域のマトリックスと同一組成のポリマーからなるアウターコア層を形成することにより、コア領域とクラッド部との界面状態を矯正することができる。アウターコア層の詳細については後述する。勿論、アウターコア層を形成せずに、クラッド部そのものを、コア領域のマトリックスと同一組成のポリマーから形成することもできる。またアウターコア層を回転重合で作成することによってその部分の高分子鎖は周辺の円筒表面と平行な円筒曲面状に面配向するので、それによる屈折率楕円体が形成される。これを伝送光波の乱れ補正に使うこともできる。
重合開始剤としては、用いるモノマーや重合方法に応じて適宜選択することができ、例えば、過酸化ベンゾイル(BPO)、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート(PBO)、ジ−tert−ブチルパーオキシド(PBD)、tert−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート(PBI)、n−ブチル−4,4−ビス(tert−ブチルパーオキシ)バラレート(PHV)などのパーオキサイド系化合物や、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1'−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2'−アゾビス(2−メチルプロパン)、2,2'−アゾビス(2−メチルブタン)、2,2'−アゾビス(2−メチルペンタン)、2,2'−アゾビス(2,3−ジメチルブタン)、2,2'−アゾビス(2−メチルヘキサン)、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルペンタン)、2,2'−アゾビス(2,3,3−トリメチルブタン)、2,2'−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、3,3'−アゾビス(3−メチルペンタン)、3,3'−アゾビス(3−メチルヘキサン)、3,3'−アゾビス(3,4−ジメチルペンタン)、3,3'−アゾビス(3−エチルペンタン)、ジメチル−2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、ジエチル−2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、ジ−tert−ブチル−2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)などのアゾ系化合物が挙げられる。
なお、重合開始剤は勿論これらに限定されるものではなく、2種類以上を併用してもよい。
コア材の作製時には、重合性モノマーを連鎖移動剤の存在下で重合するのが好ましい。前記連鎖移動剤は、主に重合体の分子量を調整するために用いられる。連鎖移動剤を用いると、重合性モノマーからポリマーを形成する際に、重合速度および重合度を前記連鎖移動剤によってより制御することができ、重合体の分子量を所望の分子量に調整することができる。例えば、得られたプリフォームを延伸により線引きして光ファイバとする際に、分子量を調整することによって延伸時における機械的特性を所望の範囲とすることができ、生産性の向上にも寄与する。
その他、コア領域およびクラッド部には、光伝送性能を低下させない範囲で、前述の低分子化合物の様なその他の添加剤を添加することができる。またコア領域およびクラッド部の耐候性や耐久性などを向上させる目的で、安定剤を添加することができる。また、光伝送性能の向上を目的として、光信号増幅用の誘導放出機能化合物を添加することもできる。該化合物を添加することにより、減衰した信号光を励起光により増幅することができ、伝送距離が向上するので、例えば、光伝送リンクの一部にファイバ増幅器として使用することができる。これらの添加剤も、前記原料モノマーに添加した後、重合することによって、コア領域およびクラッド部に含有させることができる。
伝送周波数帯域:0.5〜10GHz/50m
中心部のレターデーション値(中心から半径20%以内の値)と周辺部(クラッド・コア界面の半径において外側半径20%の値)の差:150nm以上
伝送損失ロバストネス:1〜20dB/km
素線を被覆することにより、GI−POFケーブル製造が可能となる。その際にその被覆の形態として、被覆材とGI−POF素線の界面が全周にわたって接して被覆されている密着型の被覆と、被覆材とGI−POF素線の界面に空隙を有するルース型被覆がある。ルース型被覆では、たとえばコネクタとの接続部などにおいて被覆層を剥離した場合、その端面の空隙から水分が浸入して長手方向に拡散されるおそれがあるため、通常は密着型が好ましい。しかし、ルース型の被覆の場合、被覆と素線が密着していないので、ケーブルにかかる応力や熱とはじめとするダメージの多くを被覆材層で緩和させることができ、素線にかかるダメージを軽減させることができるため、使用目的によっては好ましく用いることができる。水分の伝播については、空隙部に流動性を有するゲル状の半固体や粉粒体を充填することで、端面からの水分伝播を防止でき、かつ、これらの半固体や粉粒体に耐熱や機械的機能の向上などの水分伝播防止と異なる機能を併せ持つようにすることでより高い性能の被覆を形成できる。
ルース型の被覆を製造するには、クロスヘッドダイの押出し口ニップルの位置を調整し減圧装置を加減することで空隙層を作製することができる。空隙層の厚みは前述のニップル厚みと空隙層を加圧/減圧することで調整が可能である。
以上の光伝送用途以外にも照明、エネルギー伝送、イルミネーション、センサ分野にも用いることができる。
<紡糸>
先ず、PMMAペレット(アルドリッチ製)を図5に示す押出機のエクストルーダに挿入して300℃にて溶融混練を行い、金属メッシュフィルタを通してから、図6に示す断面を有する一層押出ダイにより280℃で押出し、直径2mmのストランドに調整し冷却した後に巻き取った。
次に図7に示すような二層押出ダイを有した押出機において、外側押出エクストルーダにはふっ化ビニリデン(PVDF)ペレット(クラレ製KF−850)を挿入し、300℃にて溶融混練を行い、内側押出エクストルーダにはPMMAペレット(アルドリッチ製)を挿入し、320℃にて溶融混練を行い、各々を金属メッシュフィルタに通してから、図8に示す断面を有する二層押出ダイに誘導し、280℃で押出し、前記直径2mmのストランドの周囲に被覆するようにして流した。この際、ストランドは送り出し速度がコントロールされており、二層押出ダイを通ってPVDF・PMMAの外皮を被った直後は、ストランド径2mm/外側PMMA厚み2mm/最外周PVDF厚み0.1mmに調整されており、そのまま引き取り側へと延伸された。
引取側の速度は、前記ストランドの送出側の速度に対し154倍速になっており、でき上がったファイバの直径は0.5mmであった。尚、延伸ゾーンの直後には配向状態を保存するための急冷装置を設けた。本実施例では水冷により急冷した。この工程により、延伸中にできている中心部から周辺部に向かっての延伸温度差による配向分布を保存することができた。
《伝送周波数帯域評価》
光源として波長650nmの発光ダイオード(LED)を用い、半値幅100ピコセカンドのパルス光とし、出射パルス光を開口数0.5の対物レンズを用いて集光し、上記の各ファイバ試料を端面から入射させた。50m先のもう一方の端面から出射した光をサンプリングオシロスコープで検出した。その波形の半値幅から応答周波数に換算し、伝送周波数帯域を算出した。結果を表1に示した。
各ファイバ試料の長手方向中心線から垂直方向周辺部に向かっての複屈折率の分布を以下の方法で調べた。なお、ここではレターデーション{Δn(複屈折率:nx−ny)×d(試料の厚み)}の分布を評価することで、複屈折率分布を評価した。
まず、図9に示すように、上記ファイバを10mm用意し、これを、1mm厚のガラス板上に置き、エポキシ樹脂によりガラス板上に包埋接着した。次に、エポキシ樹脂側から(図9中、上から)研磨機で削っていき、ファイバの中心線付近(図9中、破線L1)まで削る。次に、研磨面の上にもう一枚の1mm厚ガラス板を密着させてエポキシ樹脂で固める。および、研磨と反対側のガラス面側(図9中、下から)から研磨し、最初のガラス板を削りきって、さらにファイバを削っていき、サンプル厚みが0.1mmとなる(図9中、破線L2)まで削った。以上の工程により、ガラス板上に、厚さ0.1mmのファイバの長手方向に切り出したサンプルを作製した。
これを偏光顕微鏡(オリンパス製、BX51)に厚肉ベレックコンペンセーターU−CTB(オリンパス)製を付けて、その色味からレターデーションの分布を評価した。どのサンプルも中心線付近から中心線に垂直にクラッド部との界面に向かって、レターデーションが変化していた。表1にそのレターデーション差を示す。ここで、レターデーション差は、中心部(中心から半径20%以内での測定値)と周辺部(クラッド・コア界面の半径において外側半径20%での測定値)との差を示している。表1に示した結果から、複屈折率変化が大きいものほど伝送周波数帯域が大きいことが分った。即ち、その変化の絶対値が大きいものほど、長手方向に垂直な面上の屈折率分布が大きく、光伝送性能に優れたGI−POFであることがわかった。
作製した上記の各試料について製作した直後、および70℃90%相対湿度で1000時間保管した後に、650nm波長の光を使ってカットバック法により伝送損失を測定し、両者の差を伝送損失ロバストネスとした。この結果も表1に示した。
PMMAの製造において、原料重量部のうち10%を重量平均分子量6000のスチレンマクロマーに変えて、ポリメチルメタクリレート−graft−ポリスチレンを作製し、これをコア用の原料とした以外は実施例1と同様に操作を行って、ファイバを得た。
特許登録第3332922号公報の実施例4の記載に従って、GI−POFを作製し、上記と同様に評価した。なお、この方法は、従来型のGI−POF製作手法で、屈折率調整剤を用い、屈折率調整剤の濃度分布に基づいて屈折率の分布を構築する方法である。
Claims (5)
- 長手方向に垂直な面において、周辺部近傍よりも中心部の屈折率が高く、長手方向に平行で且つ長手方向中心線を含む平面において、長手方向中心線から該長手方向中心線と垂直方向の周辺部に向かって複屈折率が変化している光伝送領域を有する光ファイバの製造方法であって、光伝送領域の材料を、2層以上のダイであって、該ダイのうち、押出温度が最も高いダイと最も低いダイの温度差が20℃以上であるものを用いて押出成型する工程と、該押出成型したものを延伸した後冷却する工程を含み、さらに、前記光伝送領域の材料はいずれも同一材料を採用することを特徴とする、光ファイバの製造方法。
- 光伝送領域の材料を第1のダイで押出成型し冷却してロッド状になったものに、さらに、これを被覆するように、光伝送領域の材料を第2のダイにて逐次押出する工程を含み、さらに、該押出成型したものが軟化した状態で延伸することを特徴とする、請求項1に記載の光ファイバの製造方法。
- 最外層にクラッド部を押出成型にて付与する工程を含む、請求項1または2に記載の光ファイバの製造方法。
- 前記光伝送領域の材料は、一様な組成からなる請求項1〜3のいずれか1項に記載の光ファイバの製造方法。
- 前記光伝送領域の材料は、一様な組成からなる共重合体である、請求項4に記載の光ファイバの製造方法。
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Cited By (1)
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DE102013009169A1 (de) | 2013-05-28 | 2014-12-04 | Freundes- und Förderkreis des Institutes für Textiltechnik der RWTH Aachen e.V. | Schmelzspinnverfahren für die Herstellung von über den Querschnitt variierbaren Fasern (GI-Profil) und ihre Verwendung, insbesondere optische Polymerfasern und im speziellen auf Basis von Polymethylmethacrylat (PMMA), Polystyrol (PS) oder Polycarbonat (PC |
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DE102013009169A1 (de) | 2013-05-28 | 2014-12-04 | Freundes- und Förderkreis des Institutes für Textiltechnik der RWTH Aachen e.V. | Schmelzspinnverfahren für die Herstellung von über den Querschnitt variierbaren Fasern (GI-Profil) und ihre Verwendung, insbesondere optische Polymerfasern und im speziellen auf Basis von Polymethylmethacrylat (PMMA), Polystyrol (PS) oder Polycarbonat (PC |
DE102013009169B4 (de) * | 2013-05-28 | 2016-05-12 | Freundes- und Förderkreis des Institutes für Textiltechnik der RWTH Aachen e.V. | Verfahren zum Schmelzspinnen einer über ihren Querschnitt variierenden Faser sowie ihre Verwendung |
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