JP2006293041A - インライン型光部品用パッケージ - Google Patents

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Fuyuki Miura
冬樹 三浦
Shunji Hirayama
俊司 平山
Yoshiaki Takeuchi
善明 竹内
Hide Watanabe
秀 渡邉
Ikuo Fukuzaki
郁夫 福崎
Katsuo Mabuchi
克雄 間渕
Shigeru Uzawa
茂 鵜沢
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Abstract

【課題】 従来のインライン型光部品のパッケージ構造は、高温高湿環境下において挿入損失の変動が大きくなってしまうことがあった。
【解決手段】 基板14aおよび基板用蓋14bによって保護された光分岐部分13eは、ステンレスからなる第1の中空部材17に収納され、さらに、ステンレスからなる第2の中空部材18に収納されている。第1の中空部材17,18の各開口部には、入出力光ファイバ13a〜13dが貫通する穴21a〜24aを有する蓋21〜24が嵌合しており、各蓋21〜24と各開口部の内壁面との間の隙間、および各穴21a〜24aと入出力光ファイバ13a〜13dとの間の隙間はいずれも0.2[mm]以下となっている。また、これらの隙間には封止剤としてエポキシ接着剤25が充填されており、エポキシ接着剤25により蓋21〜24はそれぞれ各開口部に固定されている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、光通信システムや光センサシステムなどに利用されているインライン型光部品のパッケージングに関するものである。
インライン型光部品は光信号の入出力端子として光ファイバを具備する光部品であるが、一般的にそのパッケージは、内部の光部品の種類によらず、パッケージ内の光部品を振動や衝撃などの外力から保護したり、温度や湿度といった雰囲気の変化により光部品が劣化して、光学特性が使用環境によって変化するのを抑える役割を持っている。また、近年、光通信システムの発展などに伴って光ファイバの使用範囲が拡大しており、インライン型光部品においてもその使用環境が多様化し、信頼性に対する要求が高度化している。
インライン型光部品は、光電効果を生じる材料を主に利用して電流などにより外部から特性を制御する、レーザ光源や光変調器といったアクティブ光部品(いわゆる能動部品)と、基本的に外部制御を必要としない受動的光学材料を主に利用した、光フィルタや光合分波器といったパッシブ光部品(いわゆる受動部品)とに分類される。さらに、パッシブ光部品は、バルク型光部品、光ファイバ部品および光平面導波路部品の3種類に分類される。バルク型光部品は、マイクロ光部品または微小光学素子ともいわれ、主にレンズを用いて誘電体多層膜フィルタなどの機能性素子を光ファイバ間の光路中に挿入したものである。光ファイバ部品は、光ファイバスプリッタなどのように光ファイバ自体に機能性を付与したものである。また、光平面導波路部品は、主にリソグラフィー技術(微細加工技術)を用いて作成した基板状の平面光回路により、機能性を実現した光部品である。光平面導波路部品やバルク型光部品では、パッシブ光部品だけでなくアクティブ光部品も多く存在するが、光ファイバ部品ではアクティブ光部品は少ない。
一般に、アクティブ光部品やバルク型光部品、光平面導波路部品などのインライン型光部品の内部では、入出力端子となる単一モード光ファイバと光機能性を持つ光素子(機能部本体)とを、光学的に接続(光結合)させる必要がある。一部のアクティブ光部品やバルク型光部品では主にレンズを用いて光結合を行い、光平面導波路部品では直接導波路どうしを接続して光結合を行う。いずれの場合も、単一モード光ファイバで光信号が伝搬する光導波路部(コア)の外径は10μm以下であるため、上記の光結合を低損失で維持させるためには、サブミクロン精度での位置合わせとその精度保持が必要となる。また、光ファイバスプリッタや光ファイバグレーティングなどの光ファイバ部品は、光ファイバを加工して機能性を付与したものであって光ファイバと機能部本体との接続部を内包していない場合が多いが、安定した光学特性を維持するためには、光ファイバ部品の機能部本体を基板などに固定する必要がある。
図1は、機能部本体を基板に固定した従来の1×2光ファイバスプリッタ1のパッケージ構造を示しており、同図(a)は1×2光ファイバスプリッタ1のパッケージを一部破断した平面図、同図(b)は同図(a)のIb―Ib線に示す位置で1×2光ファイバスプリッタ1を破断した矢視断面図である。
1×2光ファイバスプリッタ1は、被覆を一部除去した2本の光ファイバ7a,7bを融着延伸させて形成される光分岐部分7cを機能部本体として備えている。この光分岐部分7cは、直径が数十ミクロンの細径部を有するために外力や周囲の温度変化の影響を受けやすく、光学特性が変化したり破断しやすい。このため、光分岐部分7cは、基板2に形成された溝2a内に収納されて有機系樹脂の接着剤3で固定されており、溝2aに基板用蓋4が被されて、金属製パイプ5に収納されている。そして、金属製パイプ5にはシリコン系樹脂からなるシール材6が充填されており、金属製パイプ5の両端の開口部はシール材6によって封止されている。
光ファイバ部品や光平面導波路部品などの従来のインライン型光部品のパッケージングは、耐衝撃性等を考慮して、上記のように、金属製パイプなどのケースに収納されて、開口部がシリコン系樹脂などの有機系樹脂からなる封止剤により封止されるのが最も一般的である(特許文献1参照)。しかし、高温多湿環境下では、有機系樹脂からなる封止剤を湿気が透過するため、パッケージ内に湿気が浸入して気密性が損なわれる。また、光ファイバは、光信号が伝搬するガラス部を保護するため、UV硬化樹脂などの被覆を周囲に具備している。しかし、湿気がパッケージ外部にある光ファイバの被覆を浸透して、パッケージ内部の被覆に到達することがあり、被覆がパッケージの気密性をさらに劣化させる要因となることがある。
上記のような接着剤や封止剤などを用いた単純なパッケージングでは、近年における厳しい信頼性を要求する試験規格には適合できない。このような規格としては、例えば、パッシブ光部品の信頼性試験として標準的に広く参照されるTelcordia GR-1221規格がある。この規格の高温高湿試験では、例えば、温度85[℃]、湿度85[%]の環境下に光部品を2000時間放置し、その際の光部品を透過する光量の変化、すなわち、挿入損失の変動が所定の数値より小さい場合に試験に適合したものとみなされるが、この高温高湿試験は試験条件が厳しく、有機系樹脂からなる接着剤や封止剤を用いた光部品にとって過酷なものである。このような高温高湿環境下における気密性の劣化による挿入損失の変動といった問題は、初期的な光学特性の劣化には繋がらないため、従来は問題とされていなかったものであるが、近年の使用範囲の拡大や、要求される光学特性の高度化および使用環境の変化などに伴い、光部品の信頼性に対する要求条件が厳しくなって表面化してきた問題である。従って、パッシブ光部品において、Telcordia GR-1221規格の高温高湿試験に適合する高度な信頼性を確保するには、より高度な気密性を備えたパッケージが必要となる。また、アクティブ光部品においては、上述の高温高湿試験のような過酷な試験が要求されることはないが、低温時においても湿度の影響を受けやすい場合が多く、より高度な気密性を備えたパッケージに対する要求は大きい。
パッケージ内部の気密性を考慮し、厳しい環境下での使用時におけるインライン型光部品の環境性能を改善したものとして、例えば、下記の特許文献2には、湿気を含んだ空気からインライン型光部品を保護するために、内部ハウジングの周囲を柔軟性物質および金属箔で覆ったインライン型光部品のパッケージングが開示されている。また、下記の特許文献3には、光結合部を内ケースに収納し、この内ケースの両端部を剛性物質で密閉し、内ケースを外ケースに収納して外ケースの両端を柔軟性物質で覆って構成した光ファイバスプリッタが開示されている。また、下記の特許文献4には、金属製筐体内に収容された各光部品の周囲をシリコンゲル等の緩衝保護材で充填し、金属製筐体に形成された光ファイバ貫通部内部をエポキシ樹脂で充填することで、湿気の侵入を防ぐと共に、環境温度の変化に伴う筐体の伸縮の影響を低減する光導波路の実装用パッケージ構造が開示されている。また、下記の特許文献5には、光ファイバとして金属コート光ファイバを用い、外装ケースの両端にて金属コート光ファイバを金属製接合材を用いて気密封止(ハーメチックシール)した光ファイバスプリッタ、およびその製造方法が開示されている。
特開2002−23000号公報(段落[0010]〜[0012]) 米国再発行特許第37,692E号公報(第2欄第55行〜第3欄第35行,図1および図2) 特開平6−138339号公報(段落[0011]〜[0012]) 特開平8−286073号公報(段落[0017]〜[0020]) 特開2003−195092号公報(段落[0011],[0013]〜[0030])
しかしながら、特許文献2〜5に記載のインライン型光部品の各パッケージ構造は、以下に示す問題点を有しており、いずれも実用的ではない。
つまり、特許文献2に記載の光ファイバスプリッタでは、内側ハウジングがパイプを2つに分割した構造となっているため、前述の高温高湿試験では、外側ハウジングを湿気が透過すると、2つのパイプの貼り合わせ面に使用している固定材料から湿気が入り込んでしまう。この結果、融着延伸部を固定する接着剤が吸湿し、膨潤することによって機能部本体に応力が加わり、光ファイバスプリッタの挿入損失の変動が大きくなる問題が生じる。
また、特許文献3に記載の光ファイバスプリッタでは、内ケースと外ケースとの間に緩衝層がないため、外ケースに衝撃が加わるとこの衝撃が融着延伸部に直接伝わり、光ファイバスプリッタの挿入損失の変動が大きくなる問題が生じる。
また、特許文献4に記載の光導波路の実装用パッケージ構造では、金属筐体内に光導波路基板を入れるために、金属筐体は物理的に筐体本体と蓋のような2部品以上の構造になっている必要がある。このような構造では、特許文献2の場合と同様に、2部品以上の貼り合わせ面において使用している固定材料から、湿気が金属筐体内に浸透してしまう。このため、前述の高温高湿試験において、光ファイバ貫通部を湿気が透過すると、光導波路と光ファイバとの接続部を固定している接着剤が吸湿し、膨潤することによって光軸がずれてしまい、光導波路の挿入損失の変動が大きくなる問題が生じる。
また、特許文献5に記載の光ファイバスプリッタでは、金属製接合材を用いたパッケージングにより、厳密な気密性を付与して信頼性を抜本的に向上させることが可能である。しかし、このような気密封止はコストの大幅な上昇を伴うと共に、複雑な製造処理工程が必要となるため、一般的な方法ではなく、用途が限定されてしまう。
本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、入力した光信号に所定の作用を施して出力する本体の両側の外側または片側の外側に1本以上の入出力光ファイバを有するインライン型光部品を収納するインライン型光部品用パッケージにおいて、本体の全体を覆う長さを有すると共に本体の両側と同一位置もしくはその外側の両端部または本体の片側と同一位置もしくはその外側の一端部にのみ開口部を有する透湿性を示さない材質で一体に形成された第1の中空部材と、この第1の中空部材の両端部の各開口部または一端部の開口部を入出力光ファイバが貫通した状態で封止する第1の封止手段と、第1の中空部材の全体を覆う長さを有すると共に第1の中空部材の各開口部と同一位置もしくはその外側の両端部または第1の中空部材の開口部と同一位置もしくはその外側の一端部にのみ開口部を有する透湿性を示さない材質で一体に形成された第2の中空部材と、この第2の中空部材の両端部の各開口部または一端部の開口部を入出力光ファイバが貫通した状態で封止する第2の封止手段と、第1の中空部材の外側面と第2の中空部材の中空内側面との間に設けられた緩衝部材とを備えていることを特徴とする。
この構成によれば、第2の中空部材および第1の中空部材の内部への湿気の浸透経路は、第2の封止手段および第1の封止手段によって封止された各中空部材の開口部のみとなり、各中空部材の側面側からの湿気の浸透がなくなる。このため、パッケージ内部のインライン型光部品本体への湿気の浸透到達量が減少して、インライン型光部品本体の固定などに使用される接着剤などの膨潤絶対量が抑制される。従って、インライン型光部品の挿入損失の変動も抑制される。また、第1の中空部材と第2の中空部材との間に設けられた緩衝部材によって外部からの衝撃や振動といった機械的ストレスが吸収されるので、インライン型光部品本体は機械的にも保護される。このため、高温高湿環境下や外部から機械的ストレスが加わる場合においても、光学特性の安定した信頼性の高い優れたインライン型光部品が得られる。
また、本発明は、第1の封止手段が、入出力光ファイバが貫通する穴が形成された第1の中空部材の開口部を塞ぐ透湿性を示さない材質からなる第1の蓋と、第1の中空部材と第1の蓋との間の例えば0.2mm以下の隙間、および第1の蓋と入出力光ファイバとの間の例えば0.2mm以下の隙間に充填される封止剤とを備えて構成されていることを特徴とする。
この構成によれば、第1の中空部材内部への湿気の浸透経路は、第1の中空部材と第1の蓋との間の隙間、および第1の蓋と入出力光ファイバとの間の隙間に充填される僅かな封止剤部分に限定される。このため、第1の中空部材の内部に到達する湿気の絶対量が減少し、インライン型光部品に使用される接着剤などの膨潤絶対量はさらに抑制される。このため、第1の中空部材の開口部が封止剤だけで封止される場合に比べて、挿入損失の変動はさらに抑制される。この結果、光学特性がさらに安定した信頼性の高い優れたインライン型光部品が得られる。
また、本発明は、第2の封止手段が、入出力光ファイバが貫通する穴が形成された第2の中空部材の開口部を塞ぐ透湿性を示さない材質からなる第2の蓋と、第2の中空部材と第2の蓋との間の隙間および第2の蓋と入出力光ファイバとの間の隙間に充填される封止剤とを備えて構成され、第2の中空部材の開口部と第2の蓋の一部または全部とは嵌合しており、その嵌合部での第2の中空部材と第2の蓋との間の隙間、および第2の蓋と入出力光ファイバとの間の隙間が共に0.2mm以下にされていることを特徴とする。
この構成によれば、第2の中空部材内部への湿気の浸透経路は、第2の中空部材と第2の蓋との間の隙間、および第2の蓋と入出力光ファイバとの間の隙間に充填される僅かな封止剤部分に限定される。このため、第2の中空部材の内部に到達する湿気の絶対量が減少し、インライン型光部品本体を収納する第1の中空部材の内部に湿気がさらに浸透し難くなって、接着剤などの膨潤絶対量は一層抑制される。このため、第2の中空部材の開口部が封止剤だけで封止される場合に比べて、挿入損失の変動は一層抑制される。この結果、光学特性が一層安定した信頼性の高い優れたインライン型光部品が得られる。
また、本発明は、第1の封止手段を貫通する入出力光ファイバの全てが、第1の中空部材内部におけるインライン型光部品本体外側の少なくとも一部において、その円周方向全周にわたる被覆が除去されていることを特徴とする。
この構成によれば、入出力光ファイバの被覆は、第1の中空部材内部において連続的に繋がっておらず、湿気が入出力光ファイバの被覆を直接浸透してインライン型光部品本体に到達しなくなる。このため、接着剤などの膨潤絶対量がより一層抑制され、挿入損失の変動もより一層抑制される。この結果、光学特性がより一層安定した信頼性の高い優れたインライン形光部品を得ることができる。
また、本発明は、第2の封止手段を貫通する入出力光ファイバの全てが、第2の中空部材内における第1の中空部材外側から第2の封止手段内にかけて、その円周方向全周にわたる被覆が除去されていることを特徴とする。
この構成によれば、入出力光ファイバの被覆は、第2の中空部材内部および第2の封止手段内部において連続的に繋がっておらず、湿気が入出力光ファイバの被覆を直接浸透して第1の中空部材の内部に到達しなくなる。このため、この構成によっても、第1の中空部材内に使用される接着剤などの膨潤絶対量がより一層抑制され、挿入損失の変動もより一層抑制される。この結果、光学特性がより一層安定した信頼性の高い優れたインライン形光部品を得ることができる。
また、本発明は、緩衝部材が、第1の中空部材の外側面を包む熱収縮チューブであることを特徴とする。
この構成によれば、熱を加えるだけの単純な作業によって、外部からの衝撃や振動などからインライン型光部品を保護する熱収縮チューブの装着が簡単に行われる。このため、装着工程時におけるコストが下がり、機械的ストレスに対して強くて、光学特性の安定した信頼性の高い優れたインライン型光部品を低コストで得られる。
また、本発明は、緩衝部材が、第1の中空部材の外側面と第2の中空部材の中空内側面との間に充填される、柔軟性を有する充填剤であることを特徴とする。
この構成によれば、充填剤により、第1の中空部材の外側面に第2の中空部材が固定されると共に、外部からの衝撃や振動などが吸収されてインライン型光部品本体が保護される。
本発明によるインライン型光部品用パッケージによれば、上記のように、高温高湿環境下において外部からインライン型光部品本体に到達する湿気を極めて微量に抑えて、挿入損失等の光学特性の変動を抑えることができると共に、外部から衝撃や振動などが加わる場合においても、これらの機械的ストレスを吸収して、インライン型光部品本体に与える影響を小さくすることができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図2は、本発明によるインライン型光部品用パッケージを適用した第1の実施形態による1×4光ファイバスプリッタ11のパッケージ構造を示しており、同図(a)はそのパッケージを一部破断した平面図、同図(b)は同図(a)のIIb―IIb線に示す位置でパッケージを破断した矢視断面図である。
1×4光ファイバスプリッタ11は、前述した光ファイバ部品の1つであり、被覆を一部除去した4本の入出力光ファイバ13a,13b,13c,13dを融着延伸させて形成される光分岐部分13eを機能部本体として備えている。1×4光ファイバスプリッタ11に入力した光信号は、この光分岐部分13eにおいて分岐または結合した後に出力される。光分岐部分13eは、半円筒状をした石英製基板14aに直方体状に形成された溝14a1内に収納されており、有機系樹脂の接着剤15で溝14a1内に固定されている。この溝14a1を覆って石英製の基板用蓋14bが基板14aに固定されており、基板14aと基板用蓋14bとで外径1.75[mm],長さ45[mm]の円筒形基板ケース14になっている。光分岐部分13eを保護するこの基板ケース14は、外径2.8[mm],内径1.8[mm],長さ51[mm]の第1の中空部材17に収納されている。この第1の中空部材17は、基板ケース14の全体を覆う長さを有しており、基板ケース14の両側よりも外側の両端部にのみ開口部を有する、透湿性を示さないステンレス製の丸パイプで一体に形成されている。第1の中空部材17に収納された基板ケース14は、さらに、外径4[mm],内径3.6[mm],長さ70[mm]の第2の中空部材18に収納されており、第1の中空部材17と第2の中空部材18との2重構造により、光分岐部分13eを収納する基板ケース14はさらに保護されている。第2の中空部材18は、第1の中空部材17の全体を覆う長さを有すると共に、第1の中空部材17の開口部の外側の両端部にのみ開口部を有しており、透湿性を示さないステンレス製の丸パイプで一体に形成されている。
第1の中空部材17の外側面と第2の中空部材18の中空内側面との間には、長さ47[mm],厚さ約0.2[mm]の熱収縮チューブ19が、第1の中空部材17の外側面に沿って第1の中空部材17を包む状態で設けられている。また、第1の中空部材17の外側面を被覆する熱収縮チューブ19と第2の中空部材18の中空内側面との間には、柔軟性を有する充填剤である変性シリコーン樹脂20が充填されている。この変性シリコーン樹脂20によって、第2の中空部材18は第1の中空部材17の外側面と所定の間隔をもって固定されている。これらの熱収縮チューブ19や変成シリコーン樹脂20は、外部からの衝撃や振動といった機械的ストレスを吸収する緩衝部材を構成している。
図3(a),(b)は第1の中空部材17の両端の開口部を塞ぐ第1の蓋21,22を示しており、同図(c),(d)は第2の中空部材18の両端の開口部を塞ぐ第2の蓋23,24を示している。
第1の蓋21,22は、外径1.7[mm],長さ3[mm]の円柱形に形成されており、透湿性を示さないアルミ製である。第1の蓋21,22の各中心部には、内径0.3[mm]の穴21a,内径0.7[mm]の穴22aがそれぞれ形成されている。また、第2の蓋23,24は、外径3.55[mm],長さ3[mm]の円柱形に形成されており、透湿性を示さないアルミ製である。第2の蓋23,24の各中心部にも、内径0.3[mm]の穴23a,内径0.7[mm]の穴24aがそれぞれ形成されている。なお、第1の蓋21,22および第2の蓋23,24は、ステンレスなどで形成されたものを用いることもできる。
第1の蓋21,22は第1の中空部材17の両端の開口部に外周の全てがそれぞれ嵌合しており、左方の第1の蓋21と第1の中空部材17の左端の開口部の内壁面との間の隙間(クリアランス)、および右方の第1の蓋22と第1の中空部材17の右端の開口部の内壁面との間の隙間は、いずれも0.2[mm]以下の0.1(=1.8−1.7)[mm]になっている。また、第1の蓋21の穴21aを貫通する1本の一次被覆付き入出力光ファイバ13cの直径は約0.25[mm]であり、第1の蓋22の穴22aを貫通する4本の正方形に配列された一次被覆付き入出力光ファイバ13a〜13dを囲む外接円の直径は約0.6[mm]である。このため、第1の蓋21の穴21aと入出力光ファイバ13cとの間の隙間、および第1の蓋22の穴22aと4本の入出力光ファイバ13a〜13dとの間の隙間は、それぞれ0.2[mm]以下の約0.05(=0.3−0.25)[mm]、および約0.1(=0.7−0.6)[mm]となっている。
図2に示すように、これらの各隙間および基板ケース14に至るまでの第1の中空部材17の内部空間には、剛性物質であるエポキシ接着剤25が充填されており、このエポキシ接着剤25によって第1の蓋21,22は第1の中空部材17の両端の各開口部および入出力光ファイバ13a〜13dにそれぞれ固定されている。第1の蓋21,22およびエポキシ接着剤25は、第1の中空部材17の各開口部を入出力光ファイバ13a〜13dが貫通した状態で封止する第1の封止手段を構成している。
第2の蓋23,24は第2の中空部材18の両端の開口部に外周の全てがそれぞれ嵌合しており、左方の第2の蓋23と第2の中空部材18の左端の開口部の内壁面との間の隙間、および右方の第2の蓋24と第2の中空部材18の右端の開口部の内壁面との間の隙間は、いずれも0.2[mm]以下の約0.05(=3.6−3.55)[mm]になっている。また、第1の蓋21,22の場合と同様、第2の蓋23の穴23aと入出力光ファイバ13cとの間の隙間、および第2の蓋24の穴24aと4本の入出力光ファイバ13a〜13dとの間の隙間は、それぞれ0.2[mm]以下の約0.05(=0.3−0.25)[mm]、および約0.1(=0.7−0.6)[mm]となっている。
図2に示すように、これらの各隙間にも、エポキシ接着剤25が充填されており、エポキシ接着剤25によって第2の蓋23,24は第2の中空部材18の両端の各開口部および入出力光ファイバ13a〜13dにそれぞれ固定されている。第2の蓋23,24およびエポキシ接着剤25は、第2の中空部材18の各開口部を入出力光ファイバ13a〜13dが貫通した状態で封止する第2の封止手段を構成している。
また、入出力光ファイバ13a〜13dは、第1の中空部材17内部における基板ケース14の両外側で、基板ケース14の両端部からそれぞれ2[mm]の位置までのエポキシ接着剤25が充填された範囲において、円周方向全周にわたる被覆が除去された被覆除去部分26を有している。
このような本実施形態によるインライン型光部品用パッケージによれば、第2の中空部材18内部への湿気の浸透経路は第2の中空部材18の両端の開口部のみとなり、第1の中空部材17内部への湿気の浸透経路も第1の中空部材17の両端の開口部のみとなって、各中空部材18,17の側面側からの湿気の浸透がなくなる。このため、パッケージ内部の基板ケース14への湿気の浸透到達量が減少して、1×4光ファイバスプリッタ11の光分岐部分13eの固定に使用される接着剤15の膨潤絶対量が抑制される。従って、1×4光ファイバスプリッタ11の挿入損失の変動も抑制される。また、第1の中空部材17と第2の中空部材18との間に設けられた熱収縮チューブ19および変性シリコーン樹脂20から構成される緩衝部材によって、外部からの衝撃や振動といった機械的ストレスが吸収されるので、1×4光ファイバスプリッタ11の光分岐部分13eは機械的にも保護される。このため、高温高湿環境下や外部から機械的ストレスが加わる場合においても、光学特性の安定した信頼性の高い優れた1×4光ファイバスプリッタ11が得られる。
また、本実施形態では、第1の中空部材17内部への湿気の浸透経路は、第1の中空部材17と第1の蓋21,22との間のそれぞれの隙間、および第1の蓋21,22と入出力光ファイバ13a〜13dとの間のそれぞれの隙間に充填される僅かなエポキシ接着剤25部分に限定される。このため、第1の中空部材17の内部に到達する湿気の絶対量が減少し、1×4光ファイバスプリッタ11に使用される接着剤15などの膨潤絶対量はさらに抑制される。このため、第1の中空部材17の開口部がエポキシ接着剤25だけで封止される場合に比べて、挿入損失の変動はさらに抑制される。この結果、光学特性がさらに安定した信頼性の高い優れた1×4光ファイバスプリッタ11が得られる。
また、本実施形態では、第2の中空部材18内部への湿気の浸透経路も、第2の中空部材18と第2の蓋23,24との間のそれぞれの隙間、および第2の蓋23,24と入出力光ファイバ13a〜13dとの間のそれぞれの隙間に充填される僅かなエポキシ接着剤25部分に限定される。このため、第2の中空部材18の内部に到達する湿気の絶対量が減少し、1×4光ファイバスプリッタ11の光分岐部分13eを収納する第1の中空部材17の内部に湿気がさらに浸透し難くなって、接着剤15などの膨潤絶対量は一層抑制される。このため、第2の中空部材18の開口部がエポキシ接着剤25だけで封止される場合に比べて、挿入損失の変動は一層抑制される。この結果、光学特性が一層安定した信頼性の高い優れた1×4光ファイバスプリッタ11が得られる。
また、本実施形態では、第1の蓋21,22を貫通する入出力光ファイバ13a〜13dの全てが、第1の中空部材17内部における基板ケース14外側の少なくとも一部において、その円周方向全周にわたる被覆が除去されているため、入出力光ファイバ13a〜13dの被覆は、第1の中空部材17内部において連続的に繋がっていない。従って、湿気が入出力光ファイバ13a〜13dの被覆を直接浸透して外部から基板ケース14に到達しなくなる。このため、接着剤15などの膨潤絶対量がより一層抑制され、挿入損失の変動もより一層抑制される。この結果、光学特性がより一層安定した信頼性の高い優れた1×4光ファイバスプリッタ11を得ることができる。
また、本実施形態では、緩衝部材が、第1の中空部材17の外側面を包む熱収縮チューブ19であるため、熱を加えるだけの単純な作業によって、外部からの衝撃や振動などから1×4光ファイバスプリッタ11を保護する熱収縮チューブ19の装着が簡単に行われる。このため、装着工程時におけるコストが下がり、機械的ストレスに対して強くて、光学特性の安定した信頼性の高い優れた1×4光ファイバスプリッタ11を低コストで得られる。
また、本実施形態では、緩衝部材として、第1の中空部材17の外側面と第2の中空部材18の中空内側面との間に充填された、柔軟性を有する変性シリコーン樹脂20も採用しているため、この変性シリコーン樹脂20により、第1の中空部材17の外側面に所定の間隔をもって第2の中空部材18が固定されると共に、外部からの衝撃や振動などがより効率よく吸収されて1×4光ファイバスプリッタ11本体が保護される。
上述した本実施形態による1×4光ファイバスプリッタ11を15個用意し、Telcordia GR-1221規格に従い、これらの1×4光ファイバスプリッタ11を温度85[℃]、湿度85[%]の環境下に2000時間放置して高温高湿試験を実施した。この高温高湿試験の実施の前後における各1×4光ファイバスプリッタ11の挿入損失を比較して得られる挿入損失の変動の平均値は0.35[dB]であり、試験条件に適合するものであった。また、従来のパッケージを用いた1×4光ファイバスプリッタを8個用意して同様な試験を行った結果、挿入損失の変動は平均で1.7[dB]であった。
また、上記の15個の各1×4光ファイバスプリッタ11に対して、500[G]の加速度で作用時間1.5[msec]の衝撃を30回加える衝撃試験を実施すると共に、10[Hz]から55[Hz]において20[G]の加速度で振動を加え、55[Hz]から2[kHz]において1.52[mm]の振幅の振動を加える振動試験を、20分間を1サイクルとして36サイクル実施した。これら衝撃試験および振動試験の実施の前後における各1×4光ファイバスプリッタ11の挿入損失を比較して得た挿入損失の変動の平均値は0.08[dB]であり、試験条件に適合するものであった。
次に、本発明によるインライン型光部品用パッケージを適用した第2の実施形態による平面光導波路型スプリッタについて説明する。
図4(a)に示す平面光導波路型スプリッタ(1×4)51は、前述した光平面導波路部品の1つであり、1×4の光分岐部分を有する機能部本体である光平面導波路チップ52aと、この光平面導波路チップ52aに接続される入出力光ファイバ13a〜13dおよび13fを固定するファイバブロック52b,52cとから構成されている。光平面導波路チップ52aおよびファイバブロック52b,52cは、断面が矩形状をした第1の中空部材17に収納されており、さらに、第1の中空部材17に収納された状態で断面が矩形状をした第2の中空部材18に収納されている。第1の中空部材17の両端部の各開口部は、矩形状をした第1の蓋21,22で塞がれている。また、第2の中空部材18の両端部の各開口部は、同図(b)の左側面図に示すように矩形状をした第2の蓋23、同図(c)の右側面図に示すように矩形状をした第2の蓋24で塞がれている。また、本実施形態による平面光導波路型スプリッタ51のパッケージでは、入出力光ファイバ13a〜13dおよび13fが、第2の中空部材18内部における第1の蓋21,22の外側から第2の蓋23,24の穴23a,24a内部にかけての5[mm]の範囲において、円周方向全周にわたる被覆が除去された被覆除去部分53を有している。本パッケージは、第1の中空部材17および第2の中空部材18の形状、および蓋21,22および蓋23,24の形状、ならびに被覆除去部分53が異なっている以外、上記の第1の実施形態と同様の構成となっている。なお、同図において、図2および図3と同一または相当する部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
このように第2の蓋23,24を貫通する入出力光ファイバ13a〜13dおよび13fの全てが、第2の中空部材18内部における第1の中空部材17の外側から第2の蓋23,24の穴23a,24a内部にかけて、その円周方向全周にわたる被覆が除去されている構成にすると、入出力光ファイバ13a〜13dおよび13fの被覆は、第2の中空部材18内部および穴23a,24a内部において連続的に繋がらなくなる。従って、被覆除去箇所をこの構成にしても、湿気が入出力光ファイバ13a〜13dおよび13fの被覆を直接浸透して外部から第1の中空部材17の内部に到達しなくなる。このため、この場合にも、第1の実施形態と同様、第1の中空部材17内に使用される接着剤15などの膨潤絶対量が極めて抑制され、挿入損失の変動も極めて抑制される。
この構成において、平面光導波路型スプリッタ51を15個用意し、上記の第1の実施形態と同一の高温高湿試験を実施した。この高温高湿試験の実施の前後における各平面光導波路型スプリッタ51の挿入損失の変動の平均値は0.39[dB]であり、試験条件に適合するものであった。また、各平面光導波路型スプリッタ51に対して、上記の第1の実施形態と同一の衝撃試験および振動試験を実施した。これら衝撃試験や振動試験の実施の前後における各平面光導波路型スプリッタ51の挿入損失の変動の平均値は0.09[dB]であり、試験条件に適合するものであった。
すなわち、本実施形態による平面光導波路型スプリッタ51のパッケージにおいても、上記の第1の実施形態と同様の作用効果が奏される。
次に、本発明によるインライン型光部品用パッケージを適用した第3の実施形態による光ファイバブラッググレーティング部品について説明する。
図5に示す光ファイバブラッググレーティング部品61は、光ファイバスプリッタと同様に光ファイバ部品の1つであり、光ファイバ40の被覆除去部分41に、光の波長程度の間隔でコアの屈折率が周期的に変化したグレーティング部41aを機能部本体として備えて構成されている。グレーティング部41aは、基板14aの溝14a1内に接着剤15で固定された状態で中空円筒状の第1の中空部材17に収納されており、さらに、第1の中空部材17に収納された状態で中空円筒状の第2の中空部材18に収納されている。また、本実施形態による光ファイバブラッググレーティング部品61のパッケージでは、第1の中空部材17の両端の開口部がエポキシ接着剤25だけで封止されており、第1の蓋21,22が設けられていない。本パッケージは、その他の部分においては、上記の第1の実施形態と同様の構成となっている。なお、同図において、図2および図3と同一または相当する部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
この構成において、光ファイバブラッググレーティング部品61を10個用意し、上記の第1の実施形態と同一の高温高湿試験を実施した。この高温高湿試験の実施の前後における各光ファイバブラッググレーティング部品61の反射ピーク波長の変動の平均値は0.2[nm]であり、挿入損失の変動の平均値は極めて小さくて試験条件に適合するものであった。また、各光ファイバブラッググレーティング部品61に対して、上記の第1の実施形態と同一の衝撃試験および振動試験を実施した。これら衝撃試験や振動試験の実施の前後における各光ファイバブラッググレーティング部品61の挿入損失の変動の平均値は0.09[dB]であり、試験条件に適合するものであった。
すなわち、本実施形態による光ファイバブラッググレーティング部品61のパッケージにおいても、上記の第1の実施形態と同様の作用効果が奏される。
なお、上記の各実施形態においては、本発明によるインライン型光部品用パッケージに、両端に開口部を有する中空部材17,18を用いた場合を説明したが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、図6にパッケージを一部破断した平面図を示す、片側にのみ開口部を有する中空部材72,73を用いた光平面導波路部品71に適用することもできる。なお、同図において、図2および図3と同一または相当する部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
光平面導波路部品71は、機能部本体である光平面導波路チップ74aと、この光平面導波路チップ74aの片側に接続される入出力光ファイバ75a,75b,75cを固定するファイバブロック74bとから構成されている。第1の中空部材72は、光平面導波路チップ74aおよびファイバブロック74bの全体を覆う長さを有すると共に透湿性を示さない樹脂で一体に形成されており、第2の中空部材73は、第1の中空部材72の全体を覆う長さを有すると共に透湿性を示さない樹脂で一体に形成されている。光平面導波路チップ74aおよびファイバブロック74bは第1の中空部材72に収納されると共に第2の中空部材73にも収納されており、第1の中空部材72の外側面と第2の中空部材73の中空内側面との間の空間には、上記の第1の実施形態と同様、外部からの衝撃や振動を吸収する緩衝部材を構成する熱収縮チューブ19および変性シリコーン樹脂20が設けられている。
第1の中空部材72および第2の中空部材73の各開口部にはそれぞれ透湿性を示さない樹脂で形成された第1の蓋77および第2の蓋78が嵌合している。これら第1の蓋77および第2の蓋78の中心部にはそれぞれ穴77aおよび穴78aが形成されており、入出力光ファイバ75a〜75cはこれらの穴77aおよび穴78aを貫通している。第1の蓋77と第1の中空部材72の開口部の内壁面との間の隙間、および第2の蓋78と第2の中空部材73の開口部の内壁面との間の隙間は、いずれも0.2[mm]以下になっている。また、穴77aの内壁面と入出力光ファイバ75a〜75cとの間の隙間および穴78aの内壁面と入出力光ファイバ75a〜75cとの間の隙間も、それぞれ0.2[mm]以下となっている。
同図に示すように、これらの各隙間には、エポキシ接着剤25が充填されており、エポキシ接着剤25によって各蓋77,78は各中空部材72,73の各開口部に固定されている。第1の中空部材72の開口部は、第1の蓋77およびエポキシ接着剤25によって封止されており、第2の中空部材73の開口部は、第2の蓋78およびエポキシ接着剤25によって封止されている。
この構成において、上記の第1の実施形態と同様の高温高湿試験を実施すると、第1,第2の中空部材72,73の各開口部に設けられたエポキシ接着剤25を介して第1の中空部材72内部に僅かに湿気が浸透するが、各中空部材72,73は片側にのみ開口部を有しているため、中空部材17,18の両側に開口部を有している上記の各実施形態に比べて、光平面導波路チップ74aおよびファイバブロック74bへの湿気の到達量は少なくなる。このため、高温高湿試験において、上記の各実施形態におけるインライン型光部品用パッケージに比べて、さらに挿入損失の変動を小さくすることができる。また、上記の各実施形態と同様の衝撃試験や振動試験を実施しても、上記の各実施形態と同様、これらの衝撃や振動は熱収縮チューブ19および変性シリコーン樹脂20によって吸収され、光平面導波路チップ74aおよびファイバブロック74bに直接伝わることはほとんどない。
また、上記の各実施形態においては、ステンレスやアルミなどの金属や樹脂からなる第1の中空部材17,72および蓋21,22,77、ならびに第2の中空部材18,73および蓋23,24,78を用いた場合を説明したが、本発明はこれに限られるものではない。各中空部材および蓋は、ガラスやセラミック等であってもよい。
また、上記の各実施形態においては、各中空部材17,18,72,73の各開口部に蓋21〜24,77,78を固定して封止する封止剤としてエポキシ接着剤25を用いた場合を説明したが、本発明はこれに限られるものではない。封止剤として、アクリル性接着剤やフェノール樹脂などを用いてもよい。また、これらの封止剤を層状に重なり合うように充填してもよい。さらに、各中空部材17,18,72,73の開口部を封止する封止剤の封止性を高めるために、各中空部材17,18,72,73の開口部の内壁面に、封止剤の接着効果を高めるシラン処理を施してもよい。
上記のいずれの構成においても、上記の各実施形態におけるインライン型光部品用パッケージと同様の作用効果が奏される。
上記の各実施形態においては、光ファイバ部品や光平面導波路部品等を用いたインライン型光部品用パッケージを説明したが、本発明はこれらに限られるものではない。例えば、アクティブ光部品やバルク型光部品に、本発明によるインライン型光部品用パッケージを適用することも可能である。このような場合においても上記の各実施形態と同様の作用効果が奏される。
従来の1×2光ファイバスプリッタを示しており、(a)はこの1×2光ファイバスプリッタのパッケージを一部破断した平面図、(b)は(a)のIb―Ib線に示す位置で1×2光ファイバスプリッタを破断した矢視断面図である。 本発明の第1の実施形態による1×4光ファイバスプリッタを示しており、(a)はそのパッケージを一部破断した平面図、(b)は(a)のIIb―IIb線に示す位置で1×4光ファイバスプリッタを破断した矢視断面図である。 本発明の第1の実施形態による1×4光ファイバスプリッタのパッケージにおいて、中空部材の各開口部を封止するために使用される蓋の斜視図である。 本発明の第2の実施形態による平面光導波路型スプリッタ(1×4)のパッケージを一部破断した平面図、およびその左右の側面図である。 本発明の第3の実施形態による光ファイバブラッググレーティング部品のパッケージを一部破断した平面図である。 本発明の変形例による光平面導波路部品のパッケージを一部破断した平面図である。
符号の説明
11…1×4光ファイバスプリッタ
13a〜13d,13f,40,75a〜75c…光ファイバ
13e…光分岐部分
14…基板ケース
15…接着剤
17,18,72,73…中空部材
19…熱収縮チューブ
20…変性シリコーン封止剤
21,22,23,24,77,78…蓋
21a〜24a,77a,78a…穴
25…エポキシ接着剤
41a…グレーティング部
51…平面光導波路型スプリッタ(1×4)
52a,74a…光平面導波路チップ
52b,52c,74b…ファイバブロック
61…光ファイバブラッググレーティング部品
71…光平面導波路部品

Claims (9)

  1. 入力した光信号に所定の作用を施して出力する本体の両側の外側に各々1本以上の入出力光ファイバを有するインライン型光部品を収納するインライン型光部品用パッケージにおいて、
    前記本体の全体を覆う長さを有すると共に前記本体の両側と同一位置またはその外側の両端部にのみ開口部を有する透湿性を示さない材質で一体に形成された第1の中空部材と、この第1の中空部材の前記各開口部を前記入出力光ファイバが貫通した状態で封止する第1の封止手段と、前記第1の中空部材の全体を覆う長さを有すると共に前記第1の中空部材の前記各開口部と同一位置またはその外側の両端部にのみ開口部を有する透湿性を示さない材質で一体に形成された第2の中空部材と、この第2の中空部材の前記各開口部を前記入出力光ファイバが貫通した状態で封止する第2の封止手段と、前記第1の中空部材の外側面と前記第2の中空部材の中空内側面との間に設けられた緩衝部材とを備えていることを特徴とするインライン型光部品用パッケージ。
  2. 入力した光信号に所定の作用を施して出力する本体の片側の外側に1本以上の入出力光ファイバを有するインライン型光部品を収納するインライン型光部品用パッケージにおいて、
    前記本体の全体を覆う長さを有すると共に前記本体の片側と同一位置またはその外側の一端部にのみ開口部を有する透湿性を示さない材質で一体に形成された第1の中空部材と、この第1の中空部材の前記開口部を前記入出力光ファイバが貫通した状態で封止する第1の封止手段と、前記第1の中空部材の全体を覆う長さを有すると共に前記第1の中空部材の前記開口部と同一位置またはその外側の一端部にのみ開口部を有する透湿性を示さない材質で一体に形成された第2の中空部材と、この第2の中空部材の前記開口部を前記入出力光ファイバが貫通した状態で封止する第2の封止手段と、前記第1の中空部材の外側面と前記第2の中空部材の中空内側面との間に設けられた緩衝部材とを備えていることを特徴とするインライン型光部品用パッケージ。
  3. 前記第1の封止手段は、前記入出力光ファイバが貫通する穴が形成された前記第1の中空部材の前記開口部を塞ぐ透湿性を示さない材質からなる第1の蓋と、前記第1の中空部材と前記第1の蓋との間の隙間および前記第1の蓋と前記入出力光ファイバとの間の隙間に充填される封止剤とを備えて構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のインライン型光部品用パッケージ。
  4. 前記第1の中空部材の前記開口部と前記第1の蓋の一部または全部とは嵌合しており、その嵌合部での前記第1の中空部材と前記第1の蓋との間の前記隙間、および前記第1の蓋と前記入出力光ファイバとの間の前記隙間が共に0.2mm以下にされていることを特徴とする請求項3に記載のインライン型光部品用パッケージ。
  5. 前記第2の封止手段は、前記入出力光ファイバが貫通する穴が形成された前記第2の中空部材の前記開口部を塞ぐ透湿性を示さない材質からなる第2の蓋と、前記第2の中空部材と前記第2の蓋との間の隙間および前記第2の蓋と前記入出力光ファイバとの間の隙間に充填される封止剤とを備えて構成され、前記第2の中空部材の前記開口部と前記第2の蓋の一部または全部とは嵌合しており、その嵌合部での前記第2の中空部材と前記第2の蓋との間の前記隙間、および前記第2の蓋と前記入出力光ファイバとの間の前記隙間が共に0.2mm以下にされていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のインライン型光部品用パッケージ。
  6. 前記第1の封止手段を貫通する前記入出力光ファイバの全ては、前記第1の中空部材内における前記本体外側の少なくとも一部において、その円周方向全周にわたる被覆が除去されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のインライン型光部品用パッケージ。
  7. 前記第2の封止手段を貫通する前記入出力光ファイバの全ては、前記第2の中空部材内における前記第1の中空部材外側から前記第2の封止手段内にかけて、その円周方向全周にわたる被覆が除去されていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のインライン型光部品用パッケージ。
  8. 前記緩衝部材は、前記第1の中空部材の外側面を包む熱収縮チューブであることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のインライン型光部品用パッケージ。
  9. 前記緩衝部材は、前記第1の中空部材の外側面と前記第2の中空部材の中空内側面との間に充填される、柔軟性を有する充填剤であることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のインライン型光部品用パッケージ。
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